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(未) All That Matters Is Past <2012/ノルウェー> ★★★☆

お盆休みで、久々に映画観ています。ちょっと書ける余裕ができたので、久々のアップです。
やっぱり映画が好きなんだな~って再確認しながら、負担にならない程度にブログは継続予定です。
またお付き合いいただければ幸いです。

all that matters is pastUskyld/All That Matters Is Past
2012/105min/ノルウェー
ドラマ
制作:マリウス・ホルスト
監督/脚本:Sara Johnsen
出演:マリア・ボネヴィー クリストファー・ヨーネルデイヴィッド・デンシック
IMDb評価:5.5/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(男女のフルヌードあり)
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


all that matters is past1人里離れた森で過ごす男女。そこへ一人の男がやって来た。男2人は争いの結果、命を落とした。

時は経ち、カヌーで立ち寄った男性によって男2人の遺体が発見された。隣に横たわる女性は瀕死の状態だった。一体3人に何があったのか、3人の関係は…?

監督は、「Upperdog」のSara Johnsen。
出演は、「恋に落ちる確率」 マリア・ボネヴィー 、「隣人 ネクストドア」のクリストファー・ヨーネル、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」「裏切りのサーカス」デイヴィッド・デンシック

all that matters is past2事件の現場だけを見る限りではJanneは目の前で恋人を殺された被害者であり、唯一の目撃者である。ところが、警察の捜査が進むにつれ、3人は幼馴染であり因縁が絡んだ事件であったことが浮き彫りになっていく。

警察の視点で事件の背景を追っていく展開は、日本の2時間ドラマと同様である。しかし、本作は犯人探しでもなければ、犯人が捕まるわけでもない。現在・3人の出会い・再会の3次元が交差し、ドラマチックな展開が要所要所に盛り込まれている。片田舎の小さなコミュニティーで過ごしてきた彼らにしては少々作りすぎた感はあるが、幼少時代の出会いと出来事がJanneに与えた影響力の大きさを物語っている。

原題は“無罪”の意だという。事件の生存者となったJanneははたして被害者なのか、加害者なのかを考えさせる作品である。
Janneの40年間の生き方は同じ女性として共感できる点も少なくないが、自分の気持ちに正直に生きた女性の結末としては悲しすぎる。

<観賞> 2013/8/15
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チャイルドコール 呼び声 <2011/ノルウェー=独=スウェーデン> ★★★☆

2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー

babycall.jpg
Babycall/The Monitor
2011/75min/ノルウェー=ドイツ=スウェーデン
ミステリー、スリラー
監督:ポール・シュレットアウネ(Pål Sletaune(長編監督4作目)
出演:ノオミ・ラパスクリストファー・ヨーネル
IMDb評価:5.6/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
迷宮度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


babycall1.jpg夫の暴力や虐待から逃れ、8歳の息子アンダースとともに郊外のアパートに引越してきたアンナは、就寝中の安全確保のため、息子の部屋に「チャイルドコール」と呼ばれる監視用音声モニターを取り付ける。しかし、ある晩、チャイルドコールから謎の悲鳴が聞こえ、アンナは他の部屋の子どもの悲鳴が混線して聞こえたのではと疑いを抱く。さらに、アンダースの通う学校に夫が現れたという話が耳に届き、アンナの不安は日に日に募っていく…。@映画.com

監督は、「ジャンク・メール」「隣人 ネクストドア」の ポール・シュレットアウネ。
出演は、ミレニアムシリーズ、「プロメテウス」のノオミ・ラパス、「隣人 ネクストドア」のクリストファー・ヨーネル

babycall2.jpg集合住宅へ引っ越しまだ間もない頃、アンナはバスである男性を見かけ気になっていた。息子のために“チャイルドコール”を買いに家電量販店へ行くと、バスで見かけた男性が働いており、親切に接客してくれた。それを機に何度か会うようになり、“チャイルドコール”の不具合や使い方だけではなく、次第に息子の相談までするようになり、2人の距離は縮まっていったが…。

無線の混線を題材にし、同機種だと他の声を拾ってしまう可能性があることをうまく利用した独特な切り口の心理スリラー。我が子を守ろうとするあまり心のバランスを崩していく母親アンナの話である。主人公が出口の見えない迷宮に迷い込んでいく独自の世界観にはぐいぐい引き込まれてしまうスリリングさ。人間心理の奥底が炙り出されていく。アイデアも面白く、演技派2人の演技もいうまでもない。

前作「隣人 ネクストドア」には神経を逆なでするような嫌悪感や非現実的な空間による恐怖があり、観る者を選ぶ作品ではあったが、本作は母性愛が根底にある共感性の高いストーリー展開になっている。比較的まろやかな仕上がりで、万人向きになってしまったという残念な思いもあるが、独特な切り口と心理描写による恐怖は十分楽しめる。切なさが残る結末や伏線の多さは前作同様。本作も何度か観てはその都度理解度を深めていくことになるだろう。

<観賞> 2012/5/18

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隣人 ネクストドア <2005/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク > ★★★★★

2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー

Naboer_20120216154803.jpg

Naboer/Next Door
2005/75min/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク
ホラー、ミステリー、スリラー
制作:マリウス・ホルスト
監督:ポール・シュレットアウネ(Pål Sletaune)(長編監督3作目)
出演:クリストファー・ヨーネル、セシリー・A・モスリ、ジュリア・シャハト、ミカエル・ニクヴィスト
IMDb評価:6.7/10

社会度 なし
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★★★★
ゴア度 ★★★☆
迷宮度 ★★★★
衝撃度 ★★★★  


naboer2.jpg同棲中の恋人が出ていってしまった。1人になってしまったヨンは茫然としながらエレベーターに乗っていたら、見たことのない女性が乗っていた。同じ階で降り、隣に住んでいるというその彼女アンは、ヨンに重い物を動かすのを手伝って欲しいと依頼してきた。快く引き受け部屋に入ると、アナの妹キムがいた。初対面であるにも関わらず、なぜか姉妹2人はヨンを誘惑し始める。たじろぐヨンであったが、とうとう誘惑に負けてしまった…。

監督は、長編3作目となるPål Sletaune。次作で最新作「BabyCall」がUKで話題を呼んでいるようで、早くも期待高まる。
主演はノルウェー映画ではお馴染みのクリストファー・ヨーネル。好きな俳優さんの1人。日本で観れるのは現時点では「微熱 愛と革命の日々 (2006)」 のみで、ステラン・スカルスガルド主演の「孤島の王(2010)」が2012年GW公開予定。
出演は、ミレニアムシリーズのミカエル・ニクヴィスト。

naboer1.jpgサディスティックでエロティック、挑発的で暴力的。 コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間での独特な空気感は時折背筋が凍るほど気味悪く、妖艶な姉妹2人からは危険な香りが漂う。主人公のヨンは、物静かで謙虚な印象の男性。傷心のヨンの精神状態を映し出した心理ホラーの傑作。私がこれほど惚れ込んだ作品はなく、これを超える心理ホラーには出会えていない。

ヨンの身に降りかかった出来事を全て知っている姉妹2人。彼女が出て行ったことも知っていた。隣だから聞こえてしまうと言うが、ヨンは今日まで2人の存在すら知らなかった。そもそも安アパートではなく、声が筒抜けになるほど壁が薄いとも思えない。姉妹の口から出る言葉全てに恐怖を感じるヨンであったが、一方で魅惑的な魅力に取りつかれてしまい、事態はとんでもない方向へ進んでしまう。

naboer3.jpg正直なところ、軸となるストーリーはそれほど新鮮な話ではない。多分どこの国にでも既に描かれているような話ではあるが、不安定な精神状態に注目した着眼点が平凡になりがちな話をうまく調理している。マンションの一室という閉鎖的な空間が出口のない迷路のようで無限なのではないかと錯覚させる見せ方や、姉妹のアクの強いキャラクターと今にも倒れそうなヨンのキャラクターのギャップ、挑発的で惹きつけられるスピード感ある展開、アイデア溢れるストーリーの肉付け、全てにおいて絶妙なバランスを奏でた勝利でしょう。
キーとなるのは、多くの扉とそれを開けるための鍵。おそらくヨンの脳内を扉で表現しているのではないかと思う。ラストに畳みかけるかのごとく押し寄せるラストの衝撃には鳥肌が立った。

<鑑賞> 2010/5/22、2011/12/26

初版:2010/5/24
最終版:2012/2/16(★4つを5つに変更)
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(未) The Bambie Effect <2011/ノルウェー> ★★☆

bambi.jpgBambieffekten/The Bambie Effect
2011/70min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Øystein Stene
出演:ジュリア・シャハト、ヴィクトリア・ヴィンゲ、Kim S. Falck-Jørgensen、Knut Joner、クリストファー・ヨーネル
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★ 


bambi1.jpgベロニカとセシリーはインターネットで知り合い、スケート場で初めて顔を合した。2人は同じ目的を持っており、ベロニカの家族が持っているサマーハウスで一緒に暮らしながら、計画を煮詰めていくことにする。出会いから計画実行まで全ての出来事を記録に残そうと、ベロニカはカメラを回し始める…。

監督は、アニメ出身のØystein Stene。フィクション映画は本作が初監督となるもよう。
出演は、「コールドプレイ(2006)」「ナチスが最も恐れた男 (2008)」のヴィクトリア・ヴィンゲ、「ネクスト・ドア/隣人(2005)」のジュリア・シャハトクリストファー・ヨーネル


bambi2.jpg2人の共通する目的とは“自殺”であり、サマーハウスで数ヶ月間かけて煮詰めた計画とは自殺方法である。まさにポスターのような入水自殺。アニメ出身の監督らしく、可愛らしいアニメのポスターにしているが、そんな内容を期待すると思いっ切り裏切られることになる。

ベロニカが回すカメラ記録そのものが映画となっている。ベロニカが撮影した映像はセシリーとの出会いから“自殺”を実行するまでの記録撮りであり、死後悲しむであろう家族へ残された遺書でもあった。不思議とさほど重くもなければ、暗くもない。死ぬ直前まで友人と一緒であり、孤独ではなかったということを家族へ伝えたいという意思も伝わってくる。

“バンビ”とは“幼い”“初心者”という意味があることを鑑賞後に知った。幼い頃の何かが原因で自殺を決意したことは劇中でもやんわりとほのめかされている。異なった人生を歩んできた2人の家族構成や生い立ちなどは2人の会話から読み取れるのだが、イマイチ自殺の理由が明確ではない。

素朴さと臨場感は味わえるのだが、揺れがかなりひどく少々観ていてきつかった。と同時に、明確でない自殺理由や自殺までの映像を観た遺族の気持ちを考えるとやりきれない。ノルウェーってなんでこんなにウツ映画が多いのだろうか!?

<観賞> 2012/9/17

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(未) Tomme Tonner <2010/ノルウェー> ★

tomme.jpg
Tomme tønner
2010/87min/ノルウェー
アクション、コメディー、犯罪
監督/脚本: Leon Bashir、Sebastian Dalén
出演:キム・ボドゥニアスラッコ・ラボヴィッククリストファー・ヨーネル、ヴェガール・ホール、ビョルン・スンクェストキッレ・ヘルム、Anders Danielsen Lie
IMDb評価:5.6/10


ブラック度 ★★
犯罪度 ★★
社会度 なし
ゴア度 ★



パキスタン人ギャングを描いたノルウェー映画「Izzat」で脚本に参加し、出演していたLeon Bashirの初監督作であり、本人も出演(たぶん主演)。珍しいノルウェー産のアクション映画と、ノルウェー映画には欠かせないベテラン俳優が多数出演していることで話題になった。続編が今年本国で公開されている。

tomme1.jpg泥棒に入ろうとしても何をやるにもヘマばかりの3人の行動を面白く描いているだけで、はっきり言って、内容もポイントもない犯罪もの。編集に凝り過ぎていて、画面が頻繁に切り替わり過ぎるのと、その度に派手な音楽ががちゃがちゃ変わるのは頭痛を引き起こす。ネタもオリジナリティーがなくて、いろんな映画で描かれているシーンの寄せ集めといった印象を受ける。お目当ての俳優が出ていない限り、観る価値がない。

ちなみに、私の目当てはキム・ボドゥニアクリストファー・ヨーネル。偶然にもスラッコ・ラボヴィックが出演していて、キム・ボドゥニアと「プッシャー」での立場が逆転したような役柄は個人的には面白かったが、クリストファー・ヨーネルは完全にミスキャスト。この方顔色が悪いから神経衰弱していく役は適役だが、本作のような麻薬中毒者は性に合わない。悪役にも成りきれていない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/9/12
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(未) Hidden <2009/ノルウェー> ★★★

hidden.jpg
Skjult
2009/95min/ノルウェー
監督/脚本:Pål Øie
出演:クリストファー・ヨーネルセシリー・A・モスリ、Anders Danielsen Lie
IMDb評価:5.9/10

衝撃度 ★
恐怖度 ★★★
映像美 ★★★

アメリカでの評判を知り鑑賞。偶然にも以前観たノルウェー映画「Next Door」に出演した2人がこちらでも共演。hidden2.jpg
クリストファー・ヨーネルは私にとっての2作目にしてお気に入りの俳優さんになってしまった。切羽詰まった時の凍った表情がたまらなくいい。

裸の少年KKが森から道路へ駆け抜けるとちょうどそこへトラクターがやって来る。トラクターは少年を避けるためハンドルを切り返したが、停車していた車に衝突、炎上させてしまう。車に乗っていた夫婦は亡くなり、たまたま車を降りていた息子は間一髪を逃れはしたが、一瞬にして両親を亡くしてしまった。裸の少年KKは自分が招いた大惨事に腰を抜かし、息子は走って山奥へ逃げてしまう。

冒頭のツカミは見事にハマる面白さ。舞台となる森は、監督のご自宅だったか故郷近くのHordalandという町に実在する森だそうで、まさに本物のノルウェーの森。断崖絶壁の滝など手つかずの自然も素晴らしく、ホラーとしても絶好なロケーション。

裸の少年は大惨事の後、町を出て行ったようで、母の死をきっかけに19年ぶりに町へ舞い戻る。もはや廃墟と化した家を相続することになるが住める有様ではなく、近くのホテルに泊まることにするが、実はホテルと実家が繋がっているという事実を知ることとなる。そして、町では不可解な連続殺人事件が起こり、疑いの目は裸少年KKに・・・
hidden1.jpg
相続した家は幽霊屋敷となっていた。彼の幻想なのか、家が呪われているのか、すごい形相の幽霊が突如出現したりなど油断していると不意打ちをつかれる。驚きと恐怖のあまり何度息をのんだことか。常に点滅している蛍光灯や散らかり放題の部屋も不気味な演出が施されている。しかし、中盤からはミステリー仕立てとなっていく。
KKの表情は、終始曇っており、タイトル「Hidden」の通り何かを隠しているよう。ポスターにも「Fear what you can't see(見えないものを恐れる)」とあるが、本当の怖さは幽霊ではなく、見えないものにある。連続事件の謎と共にその見えない怖いものが徐々に明らかになっていく。結末は読めてしまったものの、ホラー映画とは思えないヒューマンドラマのようなエンディングに何とも言えない悲しさが込み上げた。若干説明不足だが、想像力に委ねられる被害者の息子の謎もミステリーらしくていい。KKの最後の表情が感慨深い。

予算は2万ユーロ程度だそうで、かなりチャレンジな撮影だった監督は語る。幽霊屋敷も森同様Hordalandに実在する家だとか。ただし、森と家は中心地にあり森とは離れていたため、あたかも森が裏にあるように見せるのに苦労したそうだ。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/28
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