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(未) Happy Thankyou More Please <2010/米> ★★★☆

happy_20110801180714.jpg
Happy Thankyou More Please
2010/100min/アメリカ
コメディ、ドラマ
監督/脚本/主演:ジョシュ・ラドナー(Josh Radnor)
出演:マリン・アッカーマン、ケイト・マーラ、リチャード・ジェンキンズ、ゾーイ・カザン、トニー・ヘイル
受賞:2010サンダンス映画祭 観客賞
IMDb評価:6.9/10


普遍度 ★★★★★






happy1_20110801180714.jpgNYに住む作家志望のサムは30歳を目前とし、自身の人生を見つめ直していたが、気楽な独身生活から抜け出せないでいた。出版社との打ち合わせに向かう途中の地下鉄で少年ラシーンに出会う。電車の中で家族とはぐれてしまったのかと思ったら、既に6つのフォスターハウスを転々としてきたことを知り、数日間だけ自分の家で預かることにした…。

私には珍しいHappyムービー。派手さはないけど、恋や人生に悩む私と同世代の(若者?)6人が等身大で描かれている。本作の良い点は、少年との奇妙な縁をきっかけに、全てがポジティブな方向へ向かっていくこと。人との出会いっていいなぁと感じささせてくれたトム・マッカーシー監督(「扉をたたく人」)のデビュー作「The Station Agent」と同じ香りがする良作。「ママと恋に落ちるまで」のジョシュ・ラドナーが初監督、脚本、そして主演をつとめている。

happy2_20110801180713.jpgサムは地下鉄で見つけた少年ラシーンのせいで、打ち合わせを不意にしてしまった。もしかしたら、人生を大きく変えるチャンスだったかもしれないのに、サムはラシーンを責めることなく優しく接する。しかし、このラシーンのお陰で気になっていた女性と急接近するチャンスを得て、いい方向へ事が運ぶようになる。サムを取り巻く人々も幸せを掴むきっかけが舞い込み始める。

登場するのは20代、30代の男女6人+地下鉄で会った子ども。仕事も恋愛もうまくいかない男、自分を想ってくれる男性を素直に受け入れられない女、妊娠を彼氏に告げられない女…どこにでもいる男女で、同世代以上の人ならきっと共感できるキャラクターがいるはず。私は自分が悩んでいる内容とも重なり、あっという間に感情移入してしまい、台詞の一言一言がグサグサと心に突き刺さってきた。

幸せになるチャンスってどこに転がっているかわからない。ひょっとしたら手の届く所にあるのに気付かないだけかもしれない(これはこないだ占い師さんに言われたことでもあったりする)。他人に無関心な現代人への警告にも感じた。未成年の子どもを勝手に預かってしまったことの是非は別として、些細なことがきっかけで風向きが変わるってこともある。
“Go get yourself loved”一歩前に踏み出す勇気が大事だって教えてもらえた気がした。

<鑑賞> 2011/7/31
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127時間 <2010/米> ★★★★★

127 hours
127hours
2010/94min/アメリカ
アドベンチャー、伝記、ドラマ
監督/脚本/製作:ダニー・ボイル
脚本:サイモン・ビューフォイ
原作:アーロン・ラルストン『アーロン・ラルストン 奇跡の6日間』
撮影:エンリケ・セディアック
音楽:A・R・ラフマーン
出演:ジェームズ・フランコ、トリート・ウィリアムズ、ケイト・マーラ
IMDb評価:8.3/10(Top212)

<あらすじ>
登山家アーロン・ラルストンが体験した実話を監督ダニー・ボイル、ジェームズ・フランコ主演で映画化したサスペンスドラマ。03年、当時27歳だったアーロン(フランコ)は一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが……。ボイル監督とともに脚本を手がけたのは「スラムドッグ・ミリオネア」のサイモン・ビューホイ。(by 映画.com)

<レビュー>
事実を基にしているので、結末には触れていますが、核心は濁しています。ご自身の判断で読み進めてください。
単独クライマーのアーロンは、経験による自信があり自身の腕前を鼻にかけるような所があった。自転車のハンドルにカメラを設置し自身の解説付きで録画したり、岩に衝突転倒した時ですらカメラに収めている。道中で知り合った女性にも自らガイドをかってでては、クライミングの腕前を披露したりしている。ところが、腕に自信のある彼も人気のないところで転落し、谷底で右腕を岩に挟まれ、身動きが取れなくなってしまう。必死で叫んでも誰の耳にも届かない。
127時間とはその脱出までに要した時間である。アメリカ人であれば誰しもが結末まで知っているらしい話をどう描くか、なぜ彼がそこまで決断したのかに興味があり鑑賞した。

人間とは常に試練があり、その都度どう立ち向かうか自身で決断しなくてはいけない。身動きが取れなくなった彼を観ながら、もし自分だったらどうする?と考えてみた。私だったら自分ではなす術がなく、救出もされず、誰にも告げずに来てしまったことを悔やみながら衰弱死していると思う。ところが、彼の取った行動には驚かされることばかりであった。

もともと何でもビデオや写真に収める癖のあったアーロンは、事故に至った経緯や両親へのお別れの言葉等をカメラに向かって話し始めるのである。死を意識した遺言のようにも受け取れる。人は死を目前にすると、走馬灯のように思い出が蘇るというけど、彼も然り。良き思い出だけではなく、行き先を誰にも告げなかったこと、甘く見くびり軽装で来てしまったこと、最低限の水しか持ってこなかったこと、、、など後悔の念も頭を過る。ところが、
「考えてみたんだけど、この状況を選択したのは自分なんだ。この岩は何千年も前から自分を待っていたんだ。全ての自分の行動がこの状況を導いたんだ。」というアーロン。軽率だった自分を戒めるかのように状況を分析している。一時は焦燥するが、すぐに冷静さを取り戻したアーロンは前半のアーロンとは別人のようである。
私にはなく彼にあったものとは、生きたいというエゴではなく、この戒心があったからこその最後の決断だったのである。人間として素晴らしい人物だと思った。彼は、脱出後の現場を写真に収め、「Thank you」と言い放ったのである。

カメラワークも素晴らしい。右手が挟まれ、動きのない主人公を描くのは退屈になりかねないと思ったけど、3タイプのカメラを駆使した(技術的なことはぜんぜんわからないけど)とのことで、すごい臨場感あふれた映像になっている。残量の少ない水筒の底から映し出す水を欲する彼の口元や舌の映し方や、ソフトのコンタクトレンズの渇きを唾液で湿らすといった細かいシーンも楽しめる。

問題の脱出シーンは、私はほとんど直視できず。観客で病院に運ばれた方もいるとか。スクリーンでは絶対に観れない。撮影もワンカットだそうで、演技も素晴らしかった。

幻聴、幻想の中、自分を見失わないように戦い続けたアーロンを演じたジェームズ・フランコの演技、カメラワーク、脚本、音楽すべてにおいて完璧だと思った。
ポスターの構図は実際の映像とは異なる。命のタイムリミットを示す砂時計のようでもある。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/1/20

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(未) Transsiberian <2008/スペイン=独=UK=リトアニア> ★★★★

transsiberian.jpg
2008/111min/スペイン=ドイツ=UK=リトアリア
監督:ブラッド・アンダーソン
出演:ウディ・ハレルソン、エミリー・モーティマー、ベン・キングズレー、ケイト・マーラ
言語:英語、ロシア語、スペイン語、中国語、フランス語
IMDb評価:6.8/10

怖かったぁ。緊張感の緩むことのない上出来なスリラー。前作「マシニスト」のヒットが今回の豪華出演陣を実現させたようだ。日本で上映されていないことに驚き。DVDも発売されていないようで。日本人に人気のあるシベリア鉄道を舞台にしているのに、なんでだ?

中国の慈善プログラムに参加したあと、モスクワまでゆっくり旅をしようと北京からシベリア鉄道に乗り込んだアメリカ人夫妻のロイ(ウディ・ハレルソン)とジェシー(エミリー・モーティマー)。さすが国際鉄道なだけあって、多種多様な民族に溢れる。ヨーロッパの鉄道とも違った雰囲気。実際のシベリア鉄道は日本人が多いようですが、この作品ではロシア人の割合が圧倒的に多く、英語も通じない。まぁ、トラブルさえなければ問題はないんだけど、、、まもなく、若いカップルのカルロスとアディーが、同室に入ってくる。
transsiberian3.jpg
このカップルが怪しげで、絶対に何か起こる雰囲気が漂う。4人は次第に仲良くなり、途中駅で休憩のために外に出た。女性陣と男性陣に分かれ、近場を見学したり、写真を撮ったり、、、ところが、列車は夫ロイだけを残して出発してしまう。妻のジェシーは次の駅で夫を待つことにするが、乗り合わせたカップルも一緒に待ってくれるという。なぜそこまでするの?カップルを犯人と仕立てるような演出が続き、観ているこちらも錯乱させられる。その後も危機が連続し、どん底まで追い詰められ顔面蒼白になるジェシーの姿といったら。
transsiberian4.jpg

中盤から出演するベン・キングズレー扮するロシア警察がクセがあり不気味で、全てを見透かしているよう。この男には全ての行動が読まれており、いっそう恐怖を煽る。
transsiberian1.jpgtranssiberian2.jpg
列車の仕掛けにも驚かされる。大半は閉ざされた列車の中、たとえ外でも極寒の地。極限の緊迫状態で恐怖は十分こちらにも伝わってくる。よめない展開、キャスティング、そして最後のどんでん返しが見事だった。

<鑑賞> 字幕なし 2010/9/27
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