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(未) Daisy Diamond <2007/デンマーク> ★★★★

Daisy Diamond
Daisy Diamond
2007/94min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Simon Staho
脚本:Peter Asmussen
出演:ノオミ・ラパストゥーレ・リントハート、Benedikte Hansen
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 ★★★
官能度 ★★★
民族度 ★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★ 


アンナが願うのはただ一つ。女優として花開くこと。夢かなえるべく、スウェーデンからデンマークへ移り住んだ。4ヶ月の赤ん坊を抱え、良い生活を求めるアンナだが、運命は思わぬ方向へ・・・。

出演は、ミレニアムシリーズのノオミ・ラパス、「誰がため(2008)」のトゥーレ・リントハート

幼い赤ん坊を抱えたシングルマザーの話である。オーディションを受け、プロデューサーからは演技がうまいと言われるが専門的に学んでいないことを理由に、役はもらえない。別のオーディションを受けるが、いくらデンマーク語が話せても、スウェーデン語のアクセントが強いと言われ、やはり役は回ってこない。久しぶりにもらえる役といえば、台詞のない役や体を張る役ばかり。生活はどんどん困難を極める。満足に食事をしていないアンナは次第におっぱいが出なくなり、やがてオムツも買えなくなり、とうとう赤ん坊をお風呂に沈めてしまう。

daisy-diamond1.png夜泣きに悩まされるシングルマザーの苦悩を描いた作品は星の数ほどあり、普遍的なテーマであるが、本作は本来だったら描かれないタブーサイドに展開していく。

犯罪映画ではなく、死亡事件の行く末は描かれない。あくまでも母親の苦悩に焦点を当てており、はっきり言ってかなり重い。拷問をみているかのような不快感があるが、一方で作った感はなくリアリティーに溢れている。
ただただ平凡な幸せを願うだけの母親の過ちが報われる時はくるのか?
もし自分ならどうしていたか?
シーンごとに考えさせられ、余韻を残す結末も印象的。

気軽に観れる内容でもなければ、観る人を選ぶ作品であり、全くヒットしなかった事実にも納得だが、ノオミ・ラパスのベスト演技を聞かれたら間違いなく本作を挙げる。おそらく本作が初主演ではないだろうか。しかもほとんどが一人舞台。ミレニアムシリーズで名を馳せた彼女だが、圧巻の演技を見せている。

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(未) Truth About Men <2012/デンマーク> ★★★

truth about menTruth About Men/Sandheden om mænd
2012/91min/デンマーク
コメディー、ドラマ
監督/脚本:ニコライ・アーセル(Nikolaj Arcel)
脚本:Rasmus Heisterberg,
出演:トゥーレ・リントハートツヴァ・ノヴォトニーRosalinde Mynster、Signe Egholm Olsen、Henning Valin Jakobsen、Karen-Lise Mynster、イーベン・ドールナダール・サリムキム・ボドゥニアニコラス・ブロ、ビアギッテ・ヨート・スレンセン、ラース・ミケルセン、イェンス・アルビヌス
IMDb評価:6.8/10
社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★
ゴア度 なし
脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


truth about men2今まで23人と付き合ってきたマッツ。子供の頃から自分からアプローチしたことがなく、適当に女の子と付き合ってきたという。10年交際している彼女と結婚秒読みとされていたが、子供を欲しいと思わないマッツは結婚には踏み切れない。そんな男の初めての決断は、10年付き合った彼女と距離を置くことだった。やっぱり彼女とやり直したいと思った時には、もう新しい彼氏ができていた。自分の考えを理解してくれる彼女探しが始まった…。

監督は、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」(2013年4月公開)「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (2009)」脚本のみのニコライ・アーセル。
出演は、「天使と悪魔(2009)」「誰がため (2008)」のトゥーレ・リントハート、「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 (2005)」のツヴァ・ノヴォトニー、、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」のRosalinde Mynster、「「ゾウズ・フー・キル 殺意の深層」のイーベン・ドールナ、「デビルズ・ダブル -ある影武者の物語- (2011)」のダール・サリム ラース・フォン・トリアー作品でお馴染みのイェンス・アルビヌス。

truth about men1主人公マッツは恋愛経験は豊富だが、本当の愛を知らない男34歳。職業は映画のライターであり、映画と人生を重ねた演出がなされている。映画には盛り上がりが必要なのと同じように、人生にも盛り上がりが必要だと考えるマッツだが、34年の人生においてそんな瞬間は一度も訪れていない。このまま一人ぼっちで終わってしまう人生なんてまっぴらだ、と思うようになったマッツがパートナーを探しながら真実の愛を見つけるまでを描いた娯楽作品。男性目線の結婚観が描かれる。タイトル“Truth About Men”と複数形になっているが、マッツだけの話である。

人生のアップダウンの影には恋愛があり、引きずっている恋への終止符が人生のターニングポイントとして描かれる。男性目線といえども、共感できるポイントも多い。映画をヒットに導くための製作会議の風景など、映画好きとしては興味深く、映画には盛り上がりが必要だなんて台詞もあるのに、本作自体に盛り上がりはないのは残念。

見所は、ストーリーよりもため息がでるほどの錚々たる出演者がチョイ役で顔を出していること。主役級ではなく、日本では無名の人たちばかりだが、ウォーリーを探せ的な感覚で楽しませてもらった。

<観賞> 2013/2/27
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(未) The Island <2011/ブルガリア=スウェーデン> ★★

island.jpgThe Island
2011/95min/ブルガリア=スウェーデン
ドラマ
監督/脚本:カメン・カレフ
出演:トゥーレ・リントハート、レティシア・カスタ
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
民族度 なし
官能度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

island2.jpgダニエルとソフィアは30代のカップルで、パリに住んでいる。休暇を利用して2人でブルガリアへ旅行へ出かける。首都ソフィアに着くとブルガリア語を話すダニエルにソフィーは驚かされる。問い詰めると、ダニエルは幼少時代をソフィアで過ごしたという。船に乗り、ある島を訪ねるが、人々は風変わりな人ばかりでソフィーは気に入らない。一日でも早く帰りたいが、ダニエルは理由をつけては滞在を延ばそうとする。そんな時、ダニエルはソフィーのカバンの中から妊娠検査薬を見つけてしまい、口論になってしまう。ソフィーは妊娠を望んでいて、ピルを飲んでいると嘘をついていたのだ。関係はこじれ、ソフィーは1人で帰国してしまう…。

監督は「ソフィーの夜明け」で鮮烈なデビューを果たしたブルガリア人カメン・カレフ監督の2作目。
出演は、「君がための」に出演していたデンマーク人のトゥーレ・リントハート、「ゲンスブールと女たち(2010)」に出演していたフランス人のレティシア・カスタ。

island1.jpg前半は、うまくいっているカップルの無計画で行き当たりばったりの旅行で、とにかく仲の良い様子が描かれるが、実はダニエルの頭の中で計画されていたことであり、隠していた過去が徐々に明かされていく。実はブルガリア語を話せること、旅行は計画的であったこと、ピルを飲んでいると嘘をついていたこと…いろんな要因が重なり2人の歯車が狂って行く。

背景が描かれないままストーリーは唐突に進み、彼女を1人で帰らせてまで島に残る理由は何なのか、ダニエルの企みは一体何なのか…心理ミステリーのようであり、あたかも犯罪が起こりそうな前触れだったり、見せ方がうまいと唸らされたが、中盤から雲行きが怪しくなってしまっている。個人的には「Big Brother」は大好きなバラエティー番組であり、海外に住んでた時はUK版をよく観ていたが、ダニエルがブルガリア版に出演することになり、ストーリーはとんでもない方向へ突っ走ってしまう。

心の内面を描いた作品であり、はっきりいって私にはかなり難解。前半のミステリアスな方向のままなら面白かったのだが、哲学的で、監督の意図が全く掴めなかった。挑発的で前作以上に人を選ぶ作品。

<鑑賞> 2012/3/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開 トゥーレ・リントハート
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(未) Little Soldier <2008/デンマーク> ★★☆

soldier3.jpgLille soldat/Little Soldier
2008/100min/デンマーク
ドラマ
監督:Annette K. Olesen
脚本:キム・フォップス・オーカソン(Kim Fupz Aakeson)
出演:トリーヌ・ディルホム未来を生きる君たちへ」、Finn Nielsen、ヘンリク・プリップJens Jørn SpottagWorld Aport」、Shanti Roneyトゥーレ・リントハートBrotherhood
言語:英語、デンマーク語、スウェ語
受賞:2009年(第59回)ベルリン国際映画祭 エキュメニカル賞
IMDb評価:6.8/10

脚本を担当したキム・フォップス・オーカソンは子ども教育用のイラストレーター等の仕事を経て、脚本家になった人。ステラン・スカルスガルド主演「A Somewhat Gentle Man (2010/ノルウェー)」、マッツ・ミケルセン主演「Prag(2006)」、トリーネ・ディアホルム主演「Soap(2006)」、パプリカ・スティーン主演「Okey(200)」など本国ではどれも評価が高いが、日本で公開作品はない様子。

soldier2.jpgアフガニスタンから帰還した女性兵士ロッテは精神のバランスを崩し、アルコールに依存した生活が2ヶ月も続いている。帰還したことを知り、訪ねてきた父親にお金を借りようとしたが、代わりに仕事を手伝うように依頼された。免停中の父に代わって愛車のジャガーを運転する程度の仕事だと思い引き受けたが、父親は売春組織を担っており、父親の愛人であり、売春婦のリリーの専属運転手とボディーガードが任された仕事であった…。

父親は主にナイジェリアなどの海外から女性を調達し、囲う仕事をしていた。ロッテは幼い頃に母をなくし、祖父母に育てられたため、父親のことをあまり知らなかったのである。体調のすぐれない父親は、そろそろ引退し、娘に仕事を任せたいとまで考えていた。
ロッテの仕事は集金係も担っており、売春婦と一緒にお客の家に行き、直接お金を受け取る。睡眠薬を飲まし、眠らせた状態で楽しむお客もいれば、拳銃を突きつけ一緒に死のうと切り出すお客まで見てきた。父親は、貧しい生活から抜け出すためには仕方ないと全てを黙認していることがロッテには理解できなかった。
soldier1.jpg
ボディーガードの仕事が評価され、娼婦たちとの信頼が築き始めた頃、父親の愛人であるリリーは国に9歳の娘を残してきていることを知る。ロッテは母がいなかった幼少時代を重ねてしまい、同情心から、やってはいけないことをしてしまう。

家族のためだと割り切る強かなリリーに対し、男並みの力がありながら神経の弱いロッテを対比させながら描いている。素直な人ほど報われないことに大人の嫌な世界を見てしまった気分にさせられる。


結末に触れています。
ロッテは同情心から、十分な金と飛行機のチケットを渡し、リリーを国へ帰してしまった。お金さえあれば、家族一緒に幸せに暮らせると本気で信じていたからだ。父親曰く、リリーは子どものために国に帰るような女ではなく、ロンドンで売春宿の経営資金に回すであろうとのことだった。親子といえども、この世界で生きるには裏切った者に対して“暴行”という掟がある。
暴行後、背を向け歩き去る後ろ姿は、父親との決別を意味するのだろう。人生とは切なく難しい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/23

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(未) Brotherhood <2009/デンマーク> ★★★

brother.jpgBroderskab/Brotherhood
2009/90min/デンマーク
ドラマ、同性愛
監督/脚本:Nicolo Donato(長編デビュー)
出演:デイヴィッド・デンシックトゥーレ・リントハートニコラス・ブロSigne_Egholm_Olsen 
受賞:2009ローマ映画祭インターナショナル・コンペティション部門グランプリ
   2010ヨーテボリ映画祭 出品
   2011デンマーク・アカデミー賞 作品賞、監督賞、助演男優賞ノミネート
IMDb評価:6.9/10

2011年デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品についてはこちら




軍隊から戻ってきたラースは、これから進むべき道に悩んでいた。ある日、友人宅で出会った男性ミカエルに彼が所属するグループに入るよう誘われる。それはムスリムや同性愛者を襲っているネオナチグループであった。世話係をしてくれるジミーと一つ屋根の下で暮らすこととなるが、いつしか2人の間には違う感情が芽生えてしまう…。

brother1.jpg両親の束縛が入団へ後押ししてしまったように取れる。ラースは結局は逃げ出したかっただけで、どんなグループでも良かったのだろう。入団したことが原因で家を追い出され、世話係のジミーと衣食住を共にすることとなる。まだ知り会ったばかりで共同生活は遠慮がちだったが、徐々に友情が芽生え、次第にその感情は性の対象へと変わっていく。お互い相手の心情を探るような目配せやタイミングを見計らうかのようなやり取りはもどかしく、巧い。

brother3.jpg



勢いのまま体を重ね、翌朝はきまずい雰囲気に。同性愛者を嫌悪しているグループへ所属している2人は、自分たちの立場上関係を認めたくないのか、2人は昨晩の出来事に一切触れようとせずに距離を置こうとする。グループに事を知られれば、グループを追い出されるどころではなく、制裁を受けなかればならないことは百も承知である。グループを選ぶか、自分の気持ちに正直になるのか、苦悩する姿は痛いほど伝わってくる。

brother2.jpg
グループに所属していても正式なメンバーになる道は険しく、ジミーの弟パトリックは正式メンバーになれる日を待ちかまえていた。そんな矢先、自分より後に入団したラースが先に正式メンバーになってしまった。そして、ラースとのベッドインを見てしまったことで、兄弟にヒビが入り始める。Brotherhoodとはもともとは兄弟愛の意だが、ジミー・パトリックの兄弟愛と同時に、家族意識の高いグループの同志愛のことも言っているのだろう。弟、グループ、そしてラースへのジミーの思いが複雑に絡まり合う。

予想通りに展開するが、結末は意外だった。切なさが残るが、好感が持てるエンディングでもあった。本来なら目を背けたくなるような暴力シーンも暗闇の中なので残忍度が緩和されている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/28
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