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隣人 ネクストドア <2005/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク > ★★★★★

2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー

Naboer_20120216154803.jpg

Naboer/Next Door
2005/75min/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク
ホラー、ミステリー、スリラー
制作:マリウス・ホルスト
監督:ポール・シュレットアウネ(Pål Sletaune)(長編監督3作目)
出演:クリストファー・ヨーネル、セシリー・A・モスリ、ジュリア・シャハト、ミカエル・ニクヴィスト
IMDb評価:6.7/10

社会度 なし
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★★★★
ゴア度 ★★★☆
迷宮度 ★★★★
衝撃度 ★★★★  


naboer2.jpg同棲中の恋人が出ていってしまった。1人になってしまったヨンは茫然としながらエレベーターに乗っていたら、見たことのない女性が乗っていた。同じ階で降り、隣に住んでいるというその彼女アンは、ヨンに重い物を動かすのを手伝って欲しいと依頼してきた。快く引き受け部屋に入ると、アナの妹キムがいた。初対面であるにも関わらず、なぜか姉妹2人はヨンを誘惑し始める。たじろぐヨンであったが、とうとう誘惑に負けてしまった…。

監督は、長編3作目となるPål Sletaune。次作で最新作「BabyCall」がUKで話題を呼んでいるようで、早くも期待高まる。
主演はノルウェー映画ではお馴染みのクリストファー・ヨーネル。好きな俳優さんの1人。日本で観れるのは現時点では「微熱 愛と革命の日々 (2006)」 のみで、ステラン・スカルスガルド主演の「孤島の王(2010)」が2012年GW公開予定。
出演は、ミレニアムシリーズのミカエル・ニクヴィスト。

naboer1.jpgサディスティックでエロティック、挑発的で暴力的。 コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間での独特な空気感は時折背筋が凍るほど気味悪く、妖艶な姉妹2人からは危険な香りが漂う。主人公のヨンは、物静かで謙虚な印象の男性。傷心のヨンの精神状態を映し出した心理ホラーの傑作。私がこれほど惚れ込んだ作品はなく、これを超える心理ホラーには出会えていない。

ヨンの身に降りかかった出来事を全て知っている姉妹2人。彼女が出て行ったことも知っていた。隣だから聞こえてしまうと言うが、ヨンは今日まで2人の存在すら知らなかった。そもそも安アパートではなく、声が筒抜けになるほど壁が薄いとも思えない。姉妹の口から出る言葉全てに恐怖を感じるヨンであったが、一方で魅惑的な魅力に取りつかれてしまい、事態はとんでもない方向へ進んでしまう。

naboer3.jpg正直なところ、軸となるストーリーはそれほど新鮮な話ではない。多分どこの国にでも既に描かれているような話ではあるが、不安定な精神状態に注目した着眼点が平凡になりがちな話をうまく調理している。マンションの一室という閉鎖的な空間が出口のない迷路のようで無限なのではないかと錯覚させる見せ方や、姉妹のアクの強いキャラクターと今にも倒れそうなヨンのキャラクターのギャップ、挑発的で惹きつけられるスピード感ある展開、アイデア溢れるストーリーの肉付け、全てにおいて絶妙なバランスを奏でた勝利でしょう。
キーとなるのは、多くの扉とそれを開けるための鍵。おそらくヨンの脳内を扉で表現しているのではないかと思う。ラストに畳みかけるかのごとく押し寄せるラストの衝撃には鳥肌が立った。

<鑑賞> 2010/5/22、2011/12/26

初版:2010/5/24
最終版:2012/2/16(★4つを5つに変更)
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白昼夢に抱かれる女 (英題:The Woman that dreamed About A Man) <2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=仏> ★★★

hakutyuu.jpg
白昼夢に抱かれる女
KVINDEN DER DROMTE OM EN MAND/The Woman that dreamed About A Man
2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=フランス
サスペンス、ロマンス
監督/脚本:ペール・フライ(Per Fly)(長編5作目)
出演:ソニア・リクター、マルチン・ドロチンスキー、ミカエル・ニクヴィスト
言語:英語、デンマーク語、ポーランド語
IMDb評価:5.1/10


芸術度 ★★★
官能度 ★★
哲学度 ★
邦題センス ★★★★(素晴らしい!でもネタバレだよね!?)


ファッション界の女流カメラマンとして働くデンマーク人のケイは、同じ夢を何度も見るようになる。それは、あるホテルの一室のベッドに腰をかける裸の男の夢。そして、決まって午前3時30分に目を覚めるのであった。出張で訪れたフランスのレストランで、偶然夢の男性を見かける。後をつけるが気付かれていた。人違いだと言い訳をしその場を後にするが、なんと次の日もレストランで会ってしまった。その男はポーランド人で教師で、妻と休暇でフランスを訪れていた…。

hakutyuu2.jpgデンマークを代表するペール・フライ監督の長編5作目。残念ながら日本での公開作品はなく、ソフト化も本作のみ。でも唯一の日本でのソフト化がなんでこれなんだ?
この手のストーリーは日本だとポルノ扱いなのかな?冒頭からいきなりのヌードでベッドシーンも多めだが、芸術的に撮られていて女性向き。

ケイには優しい夫とかわいい1人娘がおり、海外からオファーが来るほど仕事も順調であった。しかし、夢の男と現実に会ってしまい、会えば会うほど惹かれ、欲望のまま泥沼にはまっていく様子を描いている。

修羅場の盛り上がりに欠け、不倫映画としてはドロドロ感が低いと感じてしまうのは韓国ドラマの見過ぎだろうか。スマートで大人の不倫と言っておきましょうか。頭ではわかっていても理性が保てず男を求めてしまう女性の行動や心理には目が離せない。しかしながら、なぜ夢の男が突然現実に現れたのか…。一体何がそんなに彼女に火をつけてしまったのか…。一向に核心に触れようとせず、釈然としない結末を向かえてしまう。展開に憤りを感じつつ、あれこれ検索し行き着いた邦題(観ていた時は日本でソフト化されているとは思ってもいなかった)。見事な邦題に全てが救われた思いがした。

ポイントはケイの立場に立ってストーリーが展開しているところである。サスペンスのようなスリルな展開を見せるが、謎解きが一切されないのはケイ自身がわかっていないからだろう。
hakutyuu1.jpg私の解釈により核心に触れています。結末には触れていません。

英題“男の夢を見る女”、邦題“白昼夢に抱かれる女”の通り、全てが夢もしくは妄想の中の出来事であり、摩訶不思議な設定やつじつまの合わない展開は意図的だったと思われる。夢なのか現実なのか境界線が曖昧なところに面白さがあるが、全てが夢だと解釈すると全てが解決される。普通の夢ではなく“白昼夢”だとするとケイの願望なのだろう。

一時期、夢占いにはまっていた時期があり、毎日夢日記を付けてはあれこれ自分で分析していたことがある。セックスの夢を見るのは性欲が溜まっている表れだったりするわけで、ケイは夫の愛情に欠けていたのかな。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/9/18
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(未) Kautokeino <2008/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク> ★★★

kautokeino.jpg
Kautokeino - Opprøret
2008/96min/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク
ドラマ、歴史、アクション
監督/脚本:ニルス・ゴープ「ホワイトウイザード(1987)」
出演:アンニ=クリスティーナ・ユーソ「ククーシュカ ラップランドの妖精 」ミッケル・ゴープ「ホワイトウイザード(1987)」、ミカエル・パーシュブラントミカエル・ニクヴィスト、ニコライ・コスター・ワルドー
受賞:ノルウェー・アカデミー賞(アマンダ賞)主演女優賞、撮影賞、衣装デザイン賞
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★
ゴア度 ★★
映像美 ★★★



kautokeino1.jpgノルウェーでは政府により同化政策が行われていた。1852年、サーミ人が多く住むスカンジナビア半島の北端カウトケイノという町でサーミ人が一斉に立ち上がり、搾取・抑圧してきた商人や政府を殺害する事件が起こった。本作はその「カウトケイノの反乱(または反逆)」を描いた映画である。

男たちは酒場でたむろをし、ツケで飲むのを習慣としている。労働放棄、アルコール中毒、酒絡みの喧嘩も尽きず、エレンや他の妻たちは困り果てた末、宗教の力で男たちの酒を断たせることにした。しかし、酒場には客足は途絶え、店主は異教の教えで再び客を巻き返そうとする。そこへやってきたスウェーデン人牧師によって、不当な利子を要求されるようになってしまった。借金返済できない者たちは返済の代わりにトナカイを射殺されてしまう。そして対立が始まってしまう…。

kautokeino2.jpgホワイトウイザード(1987)」以降、サーミ人監督が再びサーミ人について描いた作品。概要を全く知らない外国人にはわかりにくいのが難点でもあるが、ノルウェーの歴史の一端を知ることができたという意味では価値の高い映画。ノルウェーではかなりヒットしたという記事を観た。出演者のアンニ=クリスティーナ・ユーソとミッケル・ゴープもサーミ人である。

テント住まい、独特な衣装、トナカイの放牧、トナカイのソリでの移動。独自の方法で生活を営む先住民サーミ族の生活の様子が詳しく描かれる。極寒という気候や貧困といった環境がそうさせているのか、生活にゆとりや余裕はない。
宗教問題、借金問題、民族差別、権力による抑圧といった問題は現代にも通ずる。150年経った今も結局は何も変わっていない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/22

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