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(未) For Those Who Can Tell No Tales <2013/ボスニア> ★★★★

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For Those Who Can Tell No Tales
2013/82min/ボスニア ヘルツェゴビナ
ドラマ
監督/ 脚本:ヤスミラ・ジュバニッチ(Jasmila Zbanic)
出演:Kym Vercoe,Simon McBurney
IMDb評価:6.4/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★
演出 ★★★
演技 ★★★ 


ForThoseWhoCanTellNoTalesX960.jpgオーストラリア人のキムはガイドブックを片手にボスニアへ一人旅へ行くこととなった。サラエボから地方まで足を延ばし、ガイドブックで勧められているホテルに宿泊することにしたが、なぜかなかなか眠りにつけない。旅は終わり、シドニーに戻り、訪れた町や滞在したホテルについて調べてみたところ、宿泊したホテルはまさにボスニア紛争において、レイプキャンプとなっていたホテルだった・・・。

監督は、『サラエボ、希望の街角』『サラエボの花』のヤスミラ・ジュバニッチ。
主演のKym Vercoeはシドニーで活躍する舞台女優。映画出演は本作のみとなる。以前プライベートでボスニアへ旅行へ行った際に感じたことを映画として残したく、自ら監督に映画化を依頼したという。旅行記のような印象を受けるが、ドキュメンタリータッチで進行していく。舞台女優というだけあって、さすがの存在感。

冒頭、いきなり警察で取り調べを受けるキム。ここに着た目的などを尋問されているが、キムの態度は至って冷静で強気。取り上げられたパスポートを返してもらおうと警察を説得しているのである。
作品は初めてのボスニア旅行へ胸を弾ませていた数ヶ月前、帰国後旅行の感想を周囲に話すその数ヶ月後、2度目の訪問、警察での取り調べを交互に映し、2度の旅行において何を感じたのか、キムの心境が描かれている。

137950957282993091228.jpg主な舞台となるのは、世界遺産に指定されたヴィシェグラードという町。所々住宅の壁に銃弾の後が無様に残るが、長閑で牧歌的な田舎町であり、ゆったりとした時間が優雅に流れている。キムはガイドブックに紹介されている通りに観光し、宿を予約。ロマンチックな夜を過ごせると書いてあったが、実際はなかなか眠りにつけない。後味悪くボスニアを後にするのであった。

キムが頼りにしていたのは、ボスニア在住のアメリカ人が書いたガイドブック。ボスニア人の妻を持ち、こちらに暮らしているという実在の人物である。彼自らが案内してくれるツアーに参加し、レイプキャンプだったホテルをなぜガイドブックに、しかもロマンチックだと推奨しているのかというキムの問いかけに対する、“みんな前に進もうとしているんだ”という返答が印象的。原題は“真実を話せない人々のために”。本作で、レイプ事件を含め、紛争当時のことを自ら語ろうとする人物はいない。決して隠しているわけではなく、前を進もうとしている人たち。本作は、戦争の是非と問うものでもなければ、歴史的事実を周知させるために描かれたのでもない。現地で暮らす人々がきちんと前に進んでいることを感じさせる作品だった。

ちなみにヴィシェグラードのことは、私が本屋で立ち読みした日本のガイドブック数冊にはおまけ程度に紹介されているが、レイプキャンプの記載は一切ない。そして、世界遺産でありながら、この地を訪れる日本のツアー(大手数社)は私が探した限りない。

2015/2/22、3/23

今月、ボスニア旅行へ行った際の写真。一応、別に旅行記書く予定です。
(上)郊外の民家。窓は割れたままで、住んでる人はいない。
(下)サラエボ市内。あいにくの雪だったが、とても綺麗な町だった。
IMG_5644.jpg
IMG_5707.jpg
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(未) As If I am Not There <アイルランド=マケドニア=スウェーデン> ★★★★☆

2015/2/25 再鑑賞による追記、星評価★★★☆→★★★★☆に変更

as if
As If I Am Not There
2010/109min/アイルランド=マケドニア=スウェーデン
ドラマ
監督:ファニタ・ウィルソン(Juanita Wilson)(長編監督デビュー作)
原作:Slavenka Drakulić
出演: Natasa Petrovic、Fedja Stukan、ステラン・スカルスガルド
受賞:第8回(2011)アイルランド・アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本
IMDb評価:7.3/10

第24回(2011)ヨーロッパ映画賞 作品賞候補 全45作品についてはこちら
第84回(2012)アカデミー賞 外国語映画賞アイルランド代表作品 全作品についてはこちら

衝撃度 ★★★★★
哲学度 ★★★★
社会度 ★★★


サミラはサラエボで学校教師として働いていたが、地方への赴任が決まった。引っ越しも済み、授業も始まった矢先、銃を持った男が部屋に突然乱入し、すぐ荷物をまとめろと言われる。村の住民たちは一斉にある場所へ集められ、男女別に分けられた。男性たちがその場を後にすると、すぐに銃声が響き渡り、女性たちは何が起こったのかを察する。そして、バスで別の場所へと連れて行かれた。老女たちは労働を虐げられ、若い女性たちは…。

監督はアイルランド人女性。監督デビュー作「The Door」は、アカデミー賞短編賞にノミネートされ、本作が2作目。長編ではデビュー作となる。
ストックホルム在住のクロアチア人作家 Slavenka Drakulićの体験記を原作としている。政治的な理由で、スウェーデンに亡命し、現在は数カ国に渡って新聞や雑誌にコラムを掲載している。
ステラン・スカルスガルド以外は国際的には無名な俳優ばかり。IMDbによると、大半が旧ユーゴスラビア出身のようである。戦争経験者であるかと思うと、感慨深いものがある。

as if2ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで1992年から1995年まで続いた内戦、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とし、犠牲になった1人の女性の運命を体験記に基づいて描く。

冒頭、シャワーを浴びているサミラは出血している。そして、横たわるサミラに水のようなものを掛けられるシーン、そして、赤ん坊が映し出される。補足説明はなく、サラエボを去るサミラの姿に切り替わるが、それが何を意味するのか徐々に明かされていく。

サエラを含めた数人の若い女性たちは兵士たちの性の奴隷となった。身も心もボロボロになり、もはや身だしなみに気遣う女性は1人もいない。しかし、みすぼらしい姿を鏡で見て愕然としたサエラは急に化粧をし始める。安い女になりたくなかったのである。そして、キャプテン専属の愛人となるのであった。手荒な部下たちに弄ばれるよりずっとマシであった。時折、笑顔を見せるようになる。

ところが、キャプテンが老人を銃撃しているのを目撃してしまい、サミラは動揺を隠せない。銃で人を殺すのは自分の意思ではなく、上からの指示でやむを得ないというキャプテン。自分も男に服従しているサミラと同じ立場であると主張する。その日を境に、キャプテンはサミラを呼ばなくなった。心境の変化があったことは推測できるが、描かれてはいない。倫理的な観点から心理を深堀りして欲しかったと思う。

as if1女性なら誰しも怒りが込み上げてくる話である。女性監督でありながら、主観的になっておらず、淡々と進んでいく。一体何事が起こっているのか戸惑うシーンも多く、敢えて伏せた描き方をしているようでもあるが、全く飽きさせない作り。ショックのほうが大きいが、100分がもの凄く短く感じるほどハマってしまった。
終盤になると、おそらく意図的だとは思うが台詞の全くないシーンが続く。ドラマチックな描き方をしているが、映像から読み取るには説明不足であり、観る者に解釈を委ねるにしても曖昧すぎる点がいくつもある。
ご本人が今スウェーデンで幸せに生きてらっしゃることが結論と考えることもできるが、どうも釈然としない…


追記2015/2/25(核心に触れています。)
アラブ国へ旅行へ行く前にと再鑑賞。以前観た時は、勉強不足であったことを痛感した。
本作で描かれているのはボスニア紛争の、まさに民族浄化といられている出来事で、セルビア人によるムスリム人女性のレイプ事件を軸としている。冒頭でサミラは産まれたばかりの赤ん坊を見つめているが、その表情は複雑。なぜならサミラは複数男性にレイプされており、望まれた子供ではないからである。本などによると、こうして産まれた子供たちは捨てられ、やむなく施設で育てられるケースが多かったという。
作品の配分としては、ボスニア紛争での出来事に重きを置いているが、どんな状況下でも一人の人間として懸命に生き、諦めない姿には心打たれる。中絶が間に合わず、やむを得ず出産するが、捨てるか育てるかどうか女性としての葛藤も繊細に描かれている。自分がサミラの立場だったらどのような決断を下すだろうか。本作の決断は観客自身に委ねられている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/28、2015/2/24
初版2011/11/4
追記2015/2/25

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(未) I am yours <2013/ノルウェー> ★★

iamyours.jpg
Jeg er din/ I am yours
2013/100min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Iram Haq
出演:Amrita Acharia, オラ・ラパス, Prince Singh Armand Jordal
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★
ゴア度 ★

脚本 ★
演出 ★
演技 ★★


iamyours1.png

Minaは6歳の息子をもつシングルマザー。女優を夢見、オーディションを受けるが、そう簡単に仕事が見つかるわけではない。元夫は既に家庭をもっており、新しいパートナーと幸せに暮らしている。6歳の息子は父親の所にも行き来している。
パキスタン系の家系であり、両親は同じくパキスタン系の男性との再婚を勧めるが、気が進まない。買い物に寄ったショップである男性に出会った。映画関係の仕事でオスロを訪れたという。


iamyours2.jpgパキスタン系ということもあり、厳格な家庭を背景にしている。露出の多い服で男性とキスをしている姿を知り合いに見られ、両親に勘当されても尚、行きずりの男性と夜を共にしてしまう日々。男への依存心が高く、関係が終われば、また別の相手を探す。両親への反発なのか、あまりにも自由奔放。母親としての自覚にも欠けている。余計なお世話だが、どうやって生計を立てているのか、シングルマザーとしての苦悩は見えない。現実逃避しているだけの愛情に飢えたシングルマザーを通して、何を伝えたかったのか・・・。

本作を観ながら、真っ先にナオミ・ラパス主演「Daisy Diamond」を思い出した。両作とも北欧作品であり、女優を夢見るシングルマザーを描いている共通点があるが、完成度の違いは言うまでもない。本作は、偶然にもナオミ・ラパスの元夫オラ・ラパスが出演している。

2015/2/8
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(未) The Abandoned <2010/ボス=クロ=仏> ★★☆

Ostavljeni.jpg
Ostavljeni/ The Abandoned
2010/85min/ボスニア・ヘルツェゴビナ=クロアチア=仏
ドラマ
監督:Adis Bakrac
脚本:Zlatko Topcic
出演:Tony Grga, Mirsad Tuka, Mira Furlan
IMDb評価:6.6/10


社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


ostavljeni1Alenは孤児院で育てられている。両親はジャーナリストであり、父親はイギリス、母親はパリ在住。仕事で世界を飛び回っており、子育てができないからだと聞かされている。いつか母に会いにパリへ行くことを夢見、母に何度も手紙を書いているが、一度も返事がないことに疑問を抱くようになる。所長に尋ねても、出生のことは教えてくれない。孤児たちに盗みをさせ、荒金を稼いでいる近所の店主に書類を入手してもらうと、産みの母は国内に暮らしているという・・・。

孤児院でAlenはみんなからハーフだとからかわれていた。ムスリム人とセルビア人のハーフだからだ。しかしながら、本人はおろか、子供たちにはハーフの意味はわかっていない。

ostavljeni2.jpgボスニア戦争において、セルビア人男性はムスリム人女性をレイプの上、強制出産させ、セルビア人の子供を産ませる“民族浄化”を行っていた。
本作のテーマは孤児の母親探しだが、“民族浄化”がもたらした悲劇が背景として浮かび上がる。本作ではその結果産まれてきた子供の悲劇が描かれている。
レイプの犠牲も悲劇だが、暴行によって望まぬ子供を産まざるを得なかったことや産まれてきた子供には更なる悲劇である。この孤児院でもその犠牲者はAlenだけではないだろう。

孤児の視点で描かれており、説得力に欠ける展開だった。なぜ孤児院に預けたのか・・・歴史的背景も交えた状況説明がないと、外国人には理解しがたい。

2015/2/12
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(未) Mirush <2007/ノルウェー> ★★★☆

blodsband.jpg
Mirush
2007/100min/ノルウェー
ドラマ
監督: マリウス・ホルスト
脚本: Lars Gudmestad, Bjørn Olaf Johannessen
出演: Enrico Lo Verso, Nazif Muarremi, Glenn Andre Kaada
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★☆
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


blodsband1.pngコソボに暮らす15歳のMirushは父親を知らずに育った。ノルウェーのオスロに出稼ぎに行ってるからだ。ずっと兄が父親代わりだった。

家に帰ると不釣り合いなテレビがリビングにあった。母は中古で安く買ったというが、どう見ても新品。この一家にそんな余裕はない。母が体を売って生計の足しにしていることを兄は知っていた。テレビもその男からのプレゼントだとすぐにわかった。兄はテレビをその男に返しに行こうとするが、その道中車に跳ねられこの世を去ってしまった。Mirushは兄の死の要因を作ってしまった母を捨てるかのように、父親が暮らすオスロへ向かう・・・。

監督は、「孤島の王(2010)」のマリウス・ホルスト。有名俳優が出演していれば、日本公開していたのでは!?
と思うと少々残念。

blodsband2.jpg15歳としては少々幼く見えるMirushだが、父が働いているレストランと幼い時に撮った家族写真2枚を握りしめ、単身オスロへ向かう。店に入っても、小汚く、ノルウェー語の話せない子供なんぞ誰も相手にしてくれない。それどころか、一番煙たがったのはむしろ父親だった。Mirushはそれでもめげず、従業員が帰ったあと、頼まれてもいない裏庭の掃除をし、小間使いとして雇ってもらえることに成功する。父親には自分が息子だとは明かしていない。徐々に息子だということを悟らせようとしているのである。故郷が同じだと知り、徐々に距離を縮めていく二人の心境の変化を丁寧に描いている。

父親に捨てられたと思い続けていたMirushの被害者意識とは裏腹に、出稼ぎで暮らすことの厳しさも同様に映し出される。親子とは、生きるとは、幸せとは何か。15年もの間離れていた親子が再び親子として幸せに暮らせる日々は来るのだろうか。そんな希望を持ちながら作品に身を任せていても、甘い展開はない。生き延びるために犯罪に手を染めてしまった父を目の前に、父を救うために目を瞑るのか、犯人に仕立てられそうになっている罪のない友人のために父を差し出すのか・・・15歳少年の決意は予想外の展開を導いている。

少々作り過ぎと思えるエピソードも多いが、Mirushを演じたNazif Muarremiの演技が素晴らしい。

2015/2/8
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(未) Together <2009/ノルウェー> ★★★★☆

together.jpg
Sammen/ Together
2009/100min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Matias Armand Jordal
出演:フリチョフ・ソーハイム、Catrin Larell Eide, Jonathan Espolin-Johnson, Mona Grenne
IMDb評価:6.5/10


社会度 ★★★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし(ヌードあり)
民族度 ★
ゴア度 ★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


together1.jpg息子の誕生日には家族でボーリングに行き、一家は週末のイギリス旅行を楽しみにしていた。車で空港へ向かう途中、夫婦は車内で言い争いになり、妻は車を降りた瞬間、背後から来たトラックに跳ねられてしまう。即死だった・・・。

監督にとっては本作が長編初となる。今後が楽しみだが、その後次作はないようだ。出演は、ベント・ハーメル監督「クリスマスのその夜に(2011)」のフリチョフ・ソーハイム。

冒頭では仲睦まじい家族の様子が描かれるが、事故後状況は一転する。無事に葬儀を終え、父親は平静を装うが、何事もうまく行かない。息子が食べたいというピザを作ろうとするが水の分量がわからない。学校のこともずっと妻に任せっきりで、担任の先生の名前すら知らない。息子が大好きなブルースリーのウンチクを披露するが、息子のほうがずっと詳しい。良き父親になろうと試みるが、残念ながら不器用な父の行動は全てが裏目にでてしまう。

together2.jpg車内での言い争いは、クレジットカードを持ってきたかどうかという些細なことであった。トランクに積んだ鞄に入っているという父親の言葉を確かめるために車を降りた母親であったが、その瞬間跳ねられてしまった。実際、クレジットカードは持ってきていなかった。自責の念にかられ、日々堕落していく父親の姿が軸に描かれる。

一人での子育ては難しいと考えた父親は落ち着くまで息子を福祉に預けることにした。しかしながら、むしろ強く生きようとしていたのは息子のほうであった。字が読めない息子であったが、父親を喜ばせようと、必死で読む練習をし、父親を励ましていた。本作で唯一の救いは息子の健気さである。一夜にして愛妻を失い、どん底に突き落とされた父親の堕落と父子の再生を描いた感動作。
身近な問題でもあり、リアリティーに溢れている。何度も涙した。

2015/2/8
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(未) Daisy Diamond <2007/デンマーク> ★★★★

Daisy Diamond
Daisy Diamond
2007/94min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Simon Staho
脚本:Peter Asmussen
出演:ノオミ・ラパストゥーレ・リントハート、Benedikte Hansen
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 ★★★
官能度 ★★★
民族度 ★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★ 


アンナが願うのはただ一つ。女優として花開くこと。夢かなえるべく、スウェーデンからデンマークへ移り住んだ。4ヶ月の赤ん坊を抱え、良い生活を求めるアンナだが、運命は思わぬ方向へ・・・。

出演は、ミレニアムシリーズのノオミ・ラパス、「誰がため(2008)」のトゥーレ・リントハート

幼い赤ん坊を抱えたシングルマザーの話である。オーディションを受け、プロデューサーからは演技がうまいと言われるが専門的に学んでいないことを理由に、役はもらえない。別のオーディションを受けるが、いくらデンマーク語が話せても、スウェーデン語のアクセントが強いと言われ、やはり役は回ってこない。久しぶりにもらえる役といえば、台詞のない役や体を張る役ばかり。生活はどんどん困難を極める。満足に食事をしていないアンナは次第におっぱいが出なくなり、やがてオムツも買えなくなり、とうとう赤ん坊をお風呂に沈めてしまう。

daisy-diamond1.png夜泣きに悩まされるシングルマザーの苦悩を描いた作品は星の数ほどあり、普遍的なテーマであるが、本作は本来だったら描かれないタブーサイドに展開していく。

犯罪映画ではなく、死亡事件の行く末は描かれない。あくまでも母親の苦悩に焦点を当てており、はっきり言ってかなり重い。拷問をみているかのような不快感があるが、一方で作った感はなくリアリティーに溢れている。
ただただ平凡な幸せを願うだけの母親の過ちが報われる時はくるのか?
もし自分ならどうしていたか?
シーンごとに考えさせられ、余韻を残す結末も印象的。

気軽に観れる内容でもなければ、観る人を選ぶ作品であり、全くヒットしなかった事実にも納得だが、ノオミ・ラパスのベスト演技を聞かれたら間違いなく本作を挙げる。おそらく本作が初主演ではないだろうか。しかもほとんどが一人舞台。ミレニアムシリーズで名を馳せた彼女だが、圧巻の演技を見せている。

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(未)重さ <2012/韓国> ★★★

the weight
Weight
2012/107min/韓国
ドラマ
監督/脚本:ジョン・キュファン
出演:チョ・ジェヒョン、パク・チア
IMDb評価:6.6/10


社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 ★★
官能度 ★(ヌードあり)
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 


the-weight1.jpg 主な舞台となるのは、地下にある死体安置所。主人公の働くところである。運ばれてきた遺体を拭いて、綺麗にお化粧をして、棺桶に入れ、新たな旅立ちに備えるのが彼の仕事である。一方、彼の弟は女性になることを願い女装をしているが、まだ性転換手術は受けていない。生と死の狭間で揺り動く兄と女性と男性の狭間で揺り動く弟を描く。

二人は孤児院出身であり、幼少時代に養子に出されている。その時のトラウマも含め、幼少時代のフラッシュバックを効果的に挿入している。何と言っても本作の特徴はアート的な映像美。安置所での仕事風景ですら、魅せられる。人間の欲望をも巧みに映像化している。

the-weight2.jpgタイトルは“重さ”。おそらく生や性の重さのことを言っているのであろう。重い題材でありながら、明るいタッチで描いたブラックコメディー。「おくりびと」と比較している海外の記事をいくつか目にしたが、主人公の職業が似通っているだけで、共通点は一切ない。本作は明確なストーリーどころか、人間の欲望・愛・孤独を抽象的に、しかしながらユーモラスに描いた作品である。

注目すべき点は、キム・ギドク作品でお馴染みだったチョ・ジェヒョン、パク・チアの二人を主演に迎えた点でもある。本作の作風はギドクというよりはフィンランドのカウリスマキに近いドライなブラックコメディーだが、全く異なった作品での二人の共演も興味深い。

2014/6/8
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(未)Miss Violence <2013/ギリシャ>★★★★

miss-violence.jpg
Miss Violence
2013/98min/ギリシャ
ドラマ
監督/脚本:Alexandros Avranas
脚本/出演:Kostas Peroulis
出演:Constantinos Athanasiades, Chloe Bolota
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 


miss_violence2.jpg
三女Angelikiの11歳の誕生日を家族で祝っていた最中、Angelikiは笑顔でベランダから飛び降りてしまった。警察は自殺とは別に、事件として捜査を始めていたが、家族はかたくなに事故だと言い張る・・・ 。

長女は唐突に「妊娠したの」と母親に伝えるが、母親はたいして関心を示さない。三女のAngelikiが亡くなったというのに、誰も動揺を見せない。その後、死について触れようとしない。


miss_violence1.jpg
なぜ11歳の娘が、しかも自分の誕生日にベランダから飛び降りたのか?を紐解いていくストーリーだが、一般的な警察による謎解きというよりは、家族の日常生活から観客に真相を読み取らせ、家族の実態を明らかにしていく展開。ドラマというよりは、観る者に恐怖を与えるホラー要素のほうが強い。抽象的でありながらも、台詞の一言一言がプロットになっており、頭によぎる、まさか?な展開を衝撃的に映像で見せていく挑戦的な作品。観る人を選ぶ作品であるが、またブログを始めたいと思える作品だった。不自然なほどに登場人物は限定されており、この一家だけに焦点が絞られている。極端に感情表現が乏しく、家族の絆が全く見られない。独特なカメラワークは家族の歪みを表現していたのかもしれない。

<鑑賞>2014/6/7
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(未) Black <2005/インド> ★★★★

black_20130208162445.jpgBlack
2005/122min/インド
ドラマ
監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー
出演:アミターブ・バッチャン、ラニ・ムケルジー、シェルナーズ・パテル、Dhritiman Chatterjee、アイーシャ・カプール
IMDb評価:8.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★★


black1_20130208162447.pngミシェルは生まれながら盲目で聾唖。彼女の生きる世界は“ブラック”。手探りで歩くため、ぶつかって物は壊すし、怪我はするし、両親でも手をつけられないほど暴れるため、手をこまねいていた。そこに、先生がやってきた。耳も聞こえず、目も見えない彼女に食事のマナーと言葉を教え始めるというが…。

監督は、「ミモラ 心のままに(1999)」のサンジャイ・リーラー・バンサーリー。
出演は、「家族の四季 -愛すれど遠く離れて- (2001)」「ブラインド・ミッション (2001)<未>」の アミターブ・バッチャン。「スラムドック・ミリオネア」で主人公が憧れる俳優として登場している。「NAYAK~真実のヒーロー~ (2001)<未>」のラニ・ムケルジー。

black2_20130208162448.jpg子供というのは両親の話すのを聞いて自然に言葉を覚えていくものだが、耳も目も不自由なミシェルにはそれができない。“ブラック”な世界で生きるミシェルは自己表現をする術を知ることなく育ち、他人を理解することもできない。両親もミシェルの気持ちを理解してあげることもできず、何もしてあげることができず、手をこまねいて見守ることしかできない。本人の苦悩や両親の気持ちは計り知れない。

そんな時やってきた先生。まずは味覚と嗅覚を利用した指導が始まる。ケーキを食べさせた直後にスペルを手に書き、発音する唇を触らせるといった行為を忍耐強く繰り返す。学習の意味すら理解していないミシェルの奇跡と2人の絆を描いた作品。

ミシェルの産まれた瞬間からの成長記録が主軸として丁寧に描かれ、その横には常に先生がいた。信頼していた先生が行方をくらまし、ようやく見つけたところから物語は始まる。ミシェルの脳裏に蘇る先生との記憶が回想されていくという展開になっている。時間軸が交差するが、構成がしっかりしており混乱することはない。
インドのスーパースター2人の起用だが舞歌はなく、インド映画というよりはヨーロッパ映画のようである。映像美に定評がある監督だけあって、隅々まで感じる芸術的センスにはため息。まったく長さを感じさせない濃厚な作品だった。インド映画のポテンシャルの高さだろうか。
ミシェルに希望の光が見えるまでの過程、自立していく姿、先生はなぜ姿を消したのか…決して同情を誘う演出ではなく、2人の絆を描いた感動作である。「スラムドッグミリオネラー」で主人公の少年が憧れる俳優アミターブ・バッチャンの演技力はさすがのスーパースター。

<観賞> 2013/2/8

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(未) 90minutes <2012/ノルウェー> ★★★★

90minutes.jpg90minutes
2012/90min/ノルウェー
ドラマ
制作:マリウス・ホルスト
監督/脚本:Eva Sørhaug
出演:Bjørn Floberg, Fred Heggland, Aksel Hennie
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし(フルヌードあり)
民族度 なし
ゴア度 ★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


90minutes1.jpg高級アパートに暮らす初老男性。
家で家族と休日を過ごす父親。
赤ちゃんが生まれたばかりの若いパパ。
世代も生活レベルも異なり、共通点もない男3人のある決断をするまでの90分が並行して描かれるだけで、特にあらすじはない。

監督は、本作が長編2作目となるEva Sørhaug。まだ日本での公開作品はない。

90minutes2.jpgノルウェー、オスロ。人々が忙しく行き交う中、一見どこにでもいるような男たちだが、静かに暗闇から抜け出せず戦っている男3人のストーリーである。ある日の90分の出来事を切り取っただけで、彼らの行動を客観的にカメラは追っていくだけの作品。

時間軸は夕食前で、まだ外は明るい。それぞれが暮らす家は白を基調としており、清潔感があるが、ストーリーはちっとも明るくない。背景や人間関係はばっさり抜け落ちており、補足説明もなく、ストーリーは唐突に始まり、淡々と進んでいく。いろんなことを想像するしかないのだが、生きる希望を見失ってしまっている3人であるのは容易にわかる。彼らが暮らす世界は暗闇である。一つ一つの行動の意味は観る側の想像に委ねられており、人を選ぶ作品であることは間違いない。潰されそうな閉塞感。3者3様の結末が準備されている。久々の憂鬱作品だった。

生活レベルの異なる3人だが、幸せを掴むことの難しさは同様だった。長編2作目にして、挑戦的で実験的な作品。監督が女性というのに一番驚いた。

<観賞> 2013/8/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開 マリウス・ホルスト
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(未) All That Matters Is Past <2012/ノルウェー> ★★★☆

お盆休みで、久々に映画観ています。ちょっと書ける余裕ができたので、久々のアップです。
やっぱり映画が好きなんだな~って再確認しながら、負担にならない程度にブログは継続予定です。
またお付き合いいただければ幸いです。

all that matters is pastUskyld/All That Matters Is Past
2012/105min/ノルウェー
ドラマ
制作:マリウス・ホルスト
監督/脚本:Sara Johnsen
出演:マリア・ボネヴィー クリストファー・ヨーネルデイヴィッド・デンシック
IMDb評価:5.5/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(男女のフルヌードあり)
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


all that matters is past1人里離れた森で過ごす男女。そこへ一人の男がやって来た。男2人は争いの結果、命を落とした。

時は経ち、カヌーで立ち寄った男性によって男2人の遺体が発見された。隣に横たわる女性は瀕死の状態だった。一体3人に何があったのか、3人の関係は…?

監督は、「Upperdog」のSara Johnsen。
出演は、「恋に落ちる確率」 マリア・ボネヴィー 、「隣人 ネクストドア」のクリストファー・ヨーネル、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」「裏切りのサーカス」デイヴィッド・デンシック

all that matters is past2事件の現場だけを見る限りではJanneは目の前で恋人を殺された被害者であり、唯一の目撃者である。ところが、警察の捜査が進むにつれ、3人は幼馴染であり因縁が絡んだ事件であったことが浮き彫りになっていく。

警察の視点で事件の背景を追っていく展開は、日本の2時間ドラマと同様である。しかし、本作は犯人探しでもなければ、犯人が捕まるわけでもない。現在・3人の出会い・再会の3次元が交差し、ドラマチックな展開が要所要所に盛り込まれている。片田舎の小さなコミュニティーで過ごしてきた彼らにしては少々作りすぎた感はあるが、幼少時代の出会いと出来事がJanneに与えた影響力の大きさを物語っている。

原題は“無罪”の意だという。事件の生存者となったJanneははたして被害者なのか、加害者なのかを考えさせる作品である。
Janneの40年間の生き方は同じ女性として共感できる点も少なくないが、自分の気持ちに正直に生きた女性の結末としては悲しすぎる。

<観賞> 2013/8/15
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【ドラマ】The Bridge <2011/スウェーデン=デンマーク> ★★★★★

あの「THE KILLING/キリング」に続いて 大ヒット!デンマーク・スウェーデン合作の極上北欧ミステリー。
国境の上に残された死体、それは連続殺人の始まりだった。映画『セブン』を彷彿とさせる傑作サスペンス。

3/25(月)より、、スーパー!ドラマTV にて二カ国語版と字幕版で独占日本初放送スタート!
【二カ国語版】毎週月曜22:00~23:00、金曜23:00
【字幕版】毎週月曜24:00~25:00、土曜21:00

http://www.superdramatv.com/line/the_bridge/

bridge.jpgBron/Broen
2011/60in×10話/スウェーデン=デンマーク
犯罪、ミステリー、スリラー
監督:Henrik Georgsson、Charlotte Sieling、Lisa Siwe
出演:ソフィア・ヘリン、キム・ボドゥニア、Sarah Boberg、Henning Valin Jakobsen
IMDb評価:8.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★

スウェーデンとデンマークを結ぶ橋が48秒間停電し、その間ちょうど橋の国境に女性の遺体が放置されていた。遺体の身元は捜索願が出ておりすぐに判明したが、上半身がスウェーデン人、下半身がデンマーク人のものであり、スウェーデンとデンマークの合同で捜査が進められることとなった…。

出演は、「アーン 鋼の騎士団 (2007)」のソフィア・ヘリン、「プッシャー(1997)」「THE KILLING/キリング (2007)」のキム・ボドゥニア

bridge2.jpg主人公は、スウェーデンの女刑事Saga。金髪に皮パン、スポーツカーを颯爽と乗り回す彼女は、強い正義感と行動力、分析力は男顔負けの働きっぷり。だが、寝る間を惜しんで働く彼女の仕事への取り組む姿勢とは裏腹に、感情表現が苦手で、うまくコミュニィケーションを取ることができず、人々からは変わり者と言われている。男性が目の前にいても構わず着替えをしてしまうが、いつものことなので周囲は気にも留めていない。人からどう思われていようと気にもせず、常に我が道を行くタイプ。面倒くさい駆け引きもできない。ある日クラブへ行くと、男性が近づいてきてお酒をおごってくれるというが、断る。なのに去っていく男を追いかけ、「お酒はいらないけど、家でセックスはどう?」なんてさらりと言ってしまう。事が終われば、寝てしまう男性の横で殺害現場の写真を広げてしまう始末。警察官だと知った男はそそくさと帰るのであった。

一方、合同捜査をすることとなったデンマーク人刑事Martinは家族思いで長男の引きこもりを心配しつつも、浮気が原因で何度も離婚の危機を迎えている。今回の事件では毎日スウェーデン警察署へ出向くためなかなか家へも帰れない日が続く。よって、Sagaと接する時間が多く、Sagaの言動に戸惑いつつも、ちゃんと指摘してあげたり、正しい方向へ導いてあげる面倒みの良さ。何の共通点もないように見える2人だが、変わり者のSagaをうまくコントロールしつつ、信頼関係が築かれていく過程は自然で丁寧に描かれる。キャラクターの違う2人のセリフ回しも面白く、事件解決と同時に最終話に向けてSagaの人格まで良い方向へ向かっていく。初盤では皮肉っぽくてどこか苛立たしかったSagaのキャラクターだが、不思議と終盤に向けて愛おしくも感じようになっていた。

bridge1.jpg英国での北欧ブームに便乗し、欧州で大ヒットとなっているらしい作品。これは大いに納得。橋の事件の犯人探しを軸とし、一見するとどこの国にでもありそうなありふれた犯罪ドラマだが、とにかく展開運びと見せ方が上手い。一話完結ではなく、10時間の超大作映画を観ているかのようでもあり、橋の事件の犯人も終盤まで全く読めない。惑わす豊富なエピソードが積み重ねられていく複合構成、増えては何度も覆される容疑者候補たち、数々の伏線、それを処理する過程の丁寧さ、そして意表をつく終盤、SagaとMartinの知られざる過去…観れば観るほど引き込まれるというより、どっぷり引きずり込まれた。謎解きとしてのストーリーの面白さはさることながら、更に主要キャラクターの魅力が加わり、SagaとMartinのコンビネーションが良い化学反応をみせている。個々のヒューマンドラマに落とし込んでいく構成もかなりの見事。

2013年、本国でシーズン2が放送予定とのこと。引き続きキム・ボドゥニア演じるMartinの出番はあるのか、前向きになったSagaの恋愛観がどう変化をみせていくのか…。デンマークの政治ドラマ「The Fortress」同様、待ち遠しく待つことにする。

<観賞> 2012/7/20
初版:2012/7
最終版:2013/3

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(未) タッチ <2012/韓> ★★★★☆

touch.jpgタッチ/터치
2012/99min/韓国
ドラマ
監督:ミン・ビョンフン(監督4作目)
出演:ユ・ジュンサン、キム・ジヨン
IMDb評価:データーなし

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★


touch1.jpg重度のアルコール中毒であるドンシクは、医師からきつく飲酒を止められている。友人の誘いも頑なに断っていたが、契約更新に必死になっており、学校の理事長の誘いだけは断ることができなかった。その日の帰り道、飲酒運転で生徒をひき逃げしてしまう。結局、警察に逮捕され、妻は示談金を支払うためにやむを得ず老人患者の性的要求を受け入れてしまった。それも病院にバレ、職を追いやられてしまう。さらに家に帰ると、とっくに帰宅しているはずの娘がいない。近所を探し歩くと、娘のぬいぐるみを持っていた学生を見つけ、後をつけていったら、見知らぬ家の箪笥の中に娘がいた。見つかりホッとしたのはつかの間、体中に落書きをされていた…。

監督は本作が4作目となるミン・ビョンフン。全作品が独立映画であり、日本での上映・ソフト発売はない模様。
出演は、ホン・サンス監督作品でお馴染みのユ・ジュンサン、「私たちの生涯最高の瞬間(2007)」「私の妻のすべて(2012)」のキム・ジヨン。

touch2.jpg夫ドンシクは元国家代表射撃選手であり、今は中学校の射撃部のコーチ。妻は、病院で老人の介護。夫は過去の栄光にすがり、妻は生計を得るために危ない仕事にまで手を出している。そんな一家の絶望への転落と再生を描いた作品。身近なところに潜む事件の危険性も示唆している。

ストーリーの中心となるのはごくありふれた家族であり、現実的なドラマだが、見せ場となるエピソードの豊富さとスピーディーな展開で、ぐいぐいストーリーに引き込まれる。これでもかというぐらいの悲劇が一気に一家を襲いかかり、崩れていく姿、精神的に追い詰められていく姿には息をのむ。しかし、どん詰まりでありながら決して悲観的ではなく、現実を受け止め、めげずに立ち向かおうとする懸命な家族の姿には好感。

しばし、野生の“鹿”が登場する。住宅街に突然現れ、不自然に見えがちだが、不思議と作品に溶け込んでいる。おそらくここでの“鹿”は“希望”や“奇跡”を暗喩しているのだと思う。どん底まで落ちた一家の前に現れた“鹿”は救世主となり、訪れた“奇跡”は生きる意味を教えてくれた気がした。

<観賞> 2012/12
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Hayat <2005/イラン>★★★☆

hayat1.jpgHayat
2005/75min/イラン
監督/脚本:ゴラム・レザ・ラメザニ(Gholam Reza Ramezani)(監督3作目)
脚本:Mojtaba Khoshkdaman
出演:Mohammad Sa'eed Babakhanlo、Mehrdad Hassani、Ghazaleh Parsafar
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


hayat3.jpg早朝、ハヤは母親にたたき起こされた。今日は大事な進級テストがあり、登校前に勉強するためである。同時に母は家事を始めようとしていた矢先、ハヤは父親の異変に気がついた。息をしていない。車を持っている近所の人にお願いして病院へ連れて行ってもらうことにした。母も病院へついて行き、ハヤは兄弟たちの面倒と留守番を任されることとなった。しかし、今日は大事なテストがあり、学校を休むわけにはいかない…。

監督は、「The Cart(ザクロ売りの息子)(1999)<未>」のゴラム・レザ・ラメザニ。たった一本シネフィルで放送されたのみ。

成績は良く、進級も確実だといわれているハヤであるが、家庭のことはあまり得意ではないのは日本の子供たちと同様である。普段見ている母の姿を見よう見真似でこなそうとするが、どれもこれもうまくいかない。牛の乳しぼりをしようとしたら牛に後ろ足で蹴られたり、鳥の餌作りの時だって袋をこぼしてしまい粉だらけ。それでも自分なりに一生懸命母の代理を努めようとしている姿は微笑ましい。

hayat2.jpg無事に家事が終わっても、赤ん坊を預かってくれる家を探さなければならない。ある家は出掛けていて留守だし、ある家は“学校は男が行くところ”と考えており、通学しているハヤに批判的なおばさんもいる。“女は挨拶だけできればいい”とさえ言うおばあちゃんもいるほどである。道端には煙草を吸ったり、お茶を飲んで暇潰しをしている中年男性が溢れているが、男が赤ん坊を見るなんて御法度なのだろう。男尊女卑が色濃く残る片田舎を舞台としている。

母親がやり残した家事を終わらせ、赤ん坊を誰かに預け、無事にテストを受けられるかどうか、といった至ってシンプルなストーリー。時間にしたら、たかだか2~3時間のことなのだが、てんやわんや奮闘する様はまるで長い一日を見ているかのよう。ハヤの健気さと心温まるラストにうるっときてしまった。

<観賞> 2013/1/31

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(未) Or my treasure <2004/イスラエル> ★★★★

Or.jpgOr my treasure
2004/100min/イスラエル
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:Keren Yedaya(長編監督デビュー作)
脚本:Sari Ezouz
出演:Dana Ivgy, ロニ・エルカベッツ、Meshar Cohen
受賞:2004年(第57回)カンヌ国際映画祭 カメラドール
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


or1.jpg18歳のオアは学生だが、あまり学校へは行かず、知人のレストランで皿洗いのバイトをしている。入院していた母親が無事退院することとなり、タクシーで病院へ迎えに行った。これから2人暮らしが始まる。母の新しい仕事も見つけてあり、今までの仕事を辞めて欲しいと考えているが、夜になると母はしきりに外出をしたがる。とうとう、娘の目を盗んで夜の街へ行ってしまった…。

監督は、本作が長編監督デビュー作となるKeren Yedaya。
出演は、「カップ・ファイナル (1991)」「ミュンヘン(2005)」のモシェ・イブキ の娘Dana Ivgy、「迷子の警察音楽隊(2007)」のロニ・エルカベッツ。

OR2.jpg母は元売春婦。家賃も体で払っていた。大家は退院した母をいやらしい目で見ており、誘惑してくる。母は退院した今でも娘の目を盗んでは、派手なメイクと衣装に身を包み、道端へ立とうとする。そんな母の売春をやめさせようとする娘オアの話である。

そんな母親を見て育ったオアはしっかり者で、必死でお金を稼ごうと皿洗いのバイトに精を出し、何よりも母を大事に思っている。ところが、バイト後のオアの周囲には男の子が集まってくる。オア自身も近所の男の子たちに体を触らせ、引き換えに煙草をもらっているのだった。健気に頑張っているかと思ったら、母とやっていることはたいした変わりない。救いようのないどん底の生活は観ていて胸が苦しくなる。

自分を犠牲にしてでも母に楽をさせたいというオアの気持ちは立派だが、何の解決策もなく悪循環。他に選択肢はいくらでもあるだろうに、なぜ母親と同じ道を歩んでしまうのか…。終盤に向けて次第に強かになっていくオアを見ていて、現実の厳しさと己の弱さに打ちひしがれた。

<観賞> 2013/1/12
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Love In Another Language <2009/トルコ> ★★☆

love in another language3Baska dilde ask /Love In Another Language
2009/98min/トルコ
ドラマ
監督/脚本:Ilksen Basarir(監督デビュー作)
脚本/出演:Mert Firat
出演:サーデット・アクソイ、Emre Karayel
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


love in another language1Onurは生まれつき耳が聞こえない。話すことはできるが、憐れんで見られることが嫌で話すことをやめていた。話す必要のない図書館で本の整理をして生計を立てている。一方、Zeynepは父親の小言に嫌嫌気がさしており、コールセンターという職業柄、人の話を聞くことにうんざりしていた。2人は友人の婚約パーティで出会い、意気投合。すぐに交際を始めることになった…。

監督は、本作が監督デビューとなるIlksen Basarir。
出演は、「ソフィアの夜明け(2009)」、セミフ・カプランオール監督作品「ミルク(2008)」「卵(2007)」のサーデット・アクソイ

love in another language2心やさしく、いつも受け身なOnurに対し、自分に正直で勝気なZeynep。正反対に思える2人であり、いつもZeynepのペース。タイトル“Love In Another Language”は“違う言葉での恋愛”という意味だが、出会った当初は筆談での会話だったが、Onurに内緒で徐々に手話も覚え、歩み寄る様子が自然に描かれる。一気に火がついた恋愛だが、徐々に障害が生じ、一緒に乗り越えていくといった王道のラブストーリー。

Onurの父は、幼い頃家族を残し出て行っていたという背景がある。その時のショックでしばらく話せなかったというが、ストーリーには絡んでこない。悲劇的な側面には目を向けず、あくまでも前向きな作品。
2人の障害となるエピソードも多く描かれているが、どれも中途半端で全体的なつながりが見えない。台詞量も膨大で、消化不良といったところ。結果的にあまり印象に残るシーンもなく、観たことすら忘れてしまいそうなほど薄っぺらい内容になっている。少々美化しすぎだとも感じられ、こういった映画に勇気づけられる人は少なくないのだろうとは思うが。

<観賞> 2013/1/23
[サイト内タグ検索] 日本未公開 サーデット・アクソイ
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(未) The White Masai <2005/独> ★★★☆

The White MasaiThe White Masai
2005/131min/ドイツ
ドラマ、ロマンス
監督:ヘルミーネ・フントゥゲボールト
脚本:Corinne Hofmann、Johannes W. Betz
出演:ニーナ・ホス、ジャッキー・イド
IMDb評価:6.4/10

社会度 なし
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★
民族度 ★★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★
演出 ★★★
演技 ★★★


The White Masai2スイス人のカローラは彼氏とケニアへ旅行中だった。滞在最終日、船上で偶然見かけたマサイ族に一目ぼれをしてしまう。その後、市場で助けてもらったことをきっかけに一日ガイドをしてもらうが、帰国する日になってもその彼のことが忘れられない。彼氏と空港で別れ、マサイ族の彼に会いに行くことにした…。

監督は、「リトル・ウィッチ ビビと魔法のクリスタル(2002)」のヘルミーネ・フントゥゲボールト。出演は、「ブラッディ・パーティ (2010)」「東ベルリンから来た女 (2012)」のニーナ・ホス、「イングロリアス・バスターズ (2009)」のジャッキー・イド。

The White Masai1帰国日、マサイ族の彼は故郷へ戻っており、カローラはたった一人彼を探しに何日もかけ慣れないバスを乗り継いで故郷へ向かう。たった一枚の写真と名前だけで探しに行く無謀さ。実話を基にしているというが、出来過ぎたストーリーに見えてしまった。マサイ族が住む砂漠地帯にドイツ語圏の白人が2人もいるのだろうか。カローラのよき相談相手としてストーリーにいいバランスを与えてはいるが、現実的ではない。本作の見所といえば、文化の違いだろう。

マサイ族との出会いから結婚、そして、あることを決意するまでを描いている。前半は、生活習慣の違いを楽しんでおり、家族の反対を押し切ってまでの結婚への決意や相手への敬意などが感じられるが、徐々に衝突が増えていく。カローラの視点で描かれており、先進国で暮らす日本人にも驚かされるような生活スタイルが見れるのは興味深く、カローラの苦悩も手に取るようにわかる。しかし、カローラがなぜそこまでマサイ族の彼に惹かれたのかは描かれていない。

<観賞> 2012/1/4

[サイト内タグ検索] 日本未公開 ニーナ・ホス
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(未) Paradise:Love <2012/オーストリア=独=仏> ★★★★

paradise loveParadise:Love
2012/120min/オーストリア=ドイツ=フランス
ドラマ
監督:ウルリヒ・ザイドル(Ulrich Seidl)
出演:Mrgarete Tiesel, Peter Kazungu, Inge Maux, Dunja Sowinetz, Helen Brugat, Gabriel Mwarua
IMDb評価:6.90

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(ヌードあり)
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

2012年 第65回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品作品

paradise love1オーストリア人のテレサは友人たちとケニアのビーチへ旅行へ行く。現地のアフリカ人男性は白人女性を“シュガーママ”と呼んでいる。ホテルから一歩外に出ると、アクセサリー売りやバイクタクシーの運転手たちがシュガーママに群がってくる。テレサが前に進めないほど囲まれ困っていると、ある青年がそこから助けてくれた。片言のドイツ語を話し、物売りの青年たちとは少しタイプの違う青年だった…。

監督は、オーストリア人のウルリヒ・ザイドル。

初老女性たちの旅行の目的は若い男の子たちと遊ぶことである。テレサの友人にはすでにトイボーイがおり、テレサにも早く作るように提案をしてくる。まんざらでもないテレサは、ここ数年ご無沙汰だっただけに、不安と期待が入り混じる。決して若くはない彼女たちだが、若い男の子たちは群がり、甘い言葉を囁いてくる。簡単に男が手に入るからパラダイスなのだろうか。初老であっても、この地で若い男の子を引っ掻けるのに苦労はしない。お金はあるが愛に飢えている白人女性と上辺だけの愛の見返りにお金を期待するアフリカ人男性を対照的に見せている。そんな男女の羨望とギヴ&テイクを描いた作品。パラダイス3部作の第1作目。

paradise love2甘い偽りの囁きに引っかかり、現地の男の子とデートをし、そのままベッドインしてしまうテレサ。彼らの手口は、ベッドインのあと、「家族が病気だ」「親戚の子供の病院費が払えない」と同情を引くようなことを言い、遠まわしに金を要求してくることだった。若いアフリカ人男性を利用しようと考えている白人女性が逆に被害者になっていく姿をアイロニックに、カメラは淡々とテレサの行動を追っていく。固定カメラで、一定の距離間を保った独特なカメラワークで、ドラマチックな展開はないが、説得力がある。ここがパラダイスに見える綺麗すぎるビーチでとしても、パラダイスなどどこにもない。つかの間の偽装恋愛の末に残るのは虚しさだけ。何気ないテレサの行動や表情からそういった心情が読み取れ、リアリティー感がある。

舞台となるのは、どこまでも続く綺麗な青いビーチ。映像も青を基調としている。貫禄たっぷりの女性たちの豪快な脱ぎっぷりには脱帽。

<観賞> 2013/1/10
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ウルリヒ・ザイドル監督
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(未) 江北好人 <200?/中国> ★★★☆

江北好人
江北好人/The Good Man
200?/中国
ドラマ
監督:劉新(リウ・シン)
出演:夏雨(シア・ユイ)、候勇(ホウ・ヨン)、江珊(チャン・シャン)、苗圃(ミャオ・プー)、馬伊俐(マー・イーリー) 
IMDb評価:データーなし 

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


江北好人1ある嵐の晩。小さな村に住む未亡人の小芸の息子が危篤状態に陥ってしまった。小芸は出産前に夫を亡くし、息子を病院へ連れていくお金もない。すると、村長が村人たちから寄付金を募り、トラクターで都市の病院へ連れて行ってくれることとなった。ところが、道中トラクターが故障し、立ち往生してしまう。偶然通りがかったタクシーが乗せてくれ、無事病院へ着いた。運転手は救急室まで付き添ってくれ、タクシー代を支払おうとするが、「子供の命のほうが大事だ」と結局受け取らなかった。いい人に恵まれ、小芸は感謝の気持ちでいっぱいだったが、病院の支払いをしようとすると、村長からもらった寄付金がないことに気がついた…。

監督は、劉新。
出演は、「わが家の犬は世界一 (2002)」「玲玲(リンリン)の電影日記 (2004)」のシア・ユイ。

江北好人2お金はきっとタクシーの中に置き忘れたのだと思い、運転手を探そうとするが、タクシー代を払っていないため領収書もない。看護師たちが市の全てのタクシー会社に片っ端から連絡するが運転手は見つからない。病院理事長が母親を気の毒に思い、テレビ局へ捜査を依頼することとした。本人が偶然テレビを見ており、病院を訪ねてきたがお金の入った袋は見ていないと言う。

ところが、タクシー運転手はお金が見つからないことに責任を感じ、まだ予定のない結婚資金にとコツコツと貯めていた貯金を下ろし、見つかったと嘘をつき母親に渡すのであった。

お金は一体どこへ消えたのか…ストーリーはミステリー調に進んでいくが、主旨となるのはお金の行方でもなければ、犯人探しでもない。
人情味溢れる感動ヒューマン映画。実話を基にしているという。失礼ながら、ご都合主義の中国において、こんな心温まる実話があるなんて。どうせ運転手が盗み、とっくに使い込んだのだろうと思ってしまった自分が恥ずかしい。本作に悪人はでてこない。オチもしっかり用意されており、全員がハッピーエンドをむかえる。たまにはこういう温まる映画も悪くはない。

<観賞> 2012/8/27

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(未) We3 <2011/ブラジル> ★★☆

os3.jpgWe3/Os3
2011/80min/ブラジル
ドラマ
監督/脚本:Nando Olival(監督2作品目)
脚本:Thiago Dottori
出演:Gabriel Godoy, Victor Mendes and Juliana Schalch
IMDb評価:5.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★
演技 ★★ 


os31.jpg大学に進学のため、3人はそれぞれ違う地方からサンパウロに上京してきた。そして、偶然居合わせたあるパーティーで知り合った。同じ大学の新入生だと知り、同居を始めることとした。それを知り、3人の共同生活をライブ中継したいという男が現れる。それは3人が新製品を使っている様子をライブ中継し、ネット販売で売ろうというビジネスを始めようとしていた…。

監督は、本作が長編2作目となるNando Olival。

パーティーで知り合った3人はすぐに意気投合。同棲生活も常に笑いは絶えない。通学するのも帰宅するのも、屋上のプールに入るのもいつも一緒であった。前半は3人の自由気ままな日常生活が描かれる。

os32.jpg男女3人の共同生活は次第に三角関係に発展し、もつれ(の末の破滅)を描いた作品かと思えば、そうではない。予想に反する展開を見せ、3人に商品を使わせ販売しようというビジネスは面白い。ユニークな発想でオチも用意されている。しかし、どうもよくわからない作品だった。発想のユニークさだけで何のメッセージもなければ、明確な結論もない。気軽に観るにしても面白みに欠ける。

<観賞> 2012/9/26


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(未) Teddy Bear <2011/デンマーク> ★★★☆

teddy bearTeddy Bear
2011/92min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Mads Matthiesen(デビュー作)
脚本:Martin Zandvliet
出演:Kim Kold、David Winters、Lamaiporn Hougaard
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 

teddy bear138歳のデニスはボディービルダーだけでは生計を立てることは難しく、警備員の仕事もしている。母親と一緒に暮らし、今でも女性と付き合ったことがない。同じジムに通う女性とのデートもうまくいかない。幼馴染が結婚することとなり、家に招待されると新妻はタイ人であった。デニスの母親は、外国人でデンマーク語の話せない奥さんをもらったことに批判的であったが、デニスはどこで知り合ったのか興味を持ち始める。幼馴染に勧められ、デニスもタイに行くことにした…。

監督は、デビュー作となるMads Matthiesen。

デニスの帰りが少しでも遅いと、小学生の子供を心配するかのように母親は落ち着かない。女性とのデートで遅くなった日も、母親へは男友達と映画を観ていたと嘘をついている。タイへ行くことも母親へはドイツでボディービルダーのコンテストがあると嘘をついている。

teddybear2.jpg“Teddy Bear”とはうまいタイトルをつけたものだと関心させられた。ボディービルダーという職業柄、デニスの筋肉はムキムキだが、38歳の息子は母親にとってはいつまでもテディーベアのような可愛いぬいぐるみのまま。子離れしていない母親である。

ジムで顔を合す女性とのデートの様子からスタートする。会話はぎこちなく、長い沈黙がさらに雰囲気を悪くしている。女性との経験がないことも窺い知れる。母親思いでやさしく、真面目なデニスだが、事が上手くいきそうな兆しは一向に見えない。幼馴染が教えてくれたタイのお店へ行っても奥手のデニス相手では何も発展しない。ところがそんなデニスにも運命の出会いはある。

デニスが本当の愛を見つけるまでの過程を描いた作品。一歩踏み出すことの勇気だったり、時には大胆な行動が温かい目線かつ自然に描かれている。

<観賞> 2012/9/11
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(未) Blind <2007/オランダ=ベルギー=ブルガリア> ★★★★☆

blind_20121014122533.jpg
Blind
2007/98min/オランダ=ベルギー=ブルガリア
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:タマル・ファン・デン・ドップ(Tamar van den Dop)
出演:Joren Seldeslachts、ハリナ・ライン(Halina Reijn)、Katelijne Verbeke
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★ 


blind2_20121014122532.jpg盲目のルーベンは母親と大きな屋敷に暮らし、現実を受け止められずに苦しんでいた。世話係としてやってきたマリーのおかげで、やっと外の世界を知るようになり、身の回りのことも自分一人でできるようになる。自然と2人は惹かれあうようになっていった。ついにルーベンが視力回復手術を受けることとなった。喜んでくれると思ったマリーはルーベンの前からそっと姿を消えて行ってしまった…。

監督は、「キャラクター/孤独な人の肖像(1996)」「ヒヤシンス・ブルーの少女 (2003)」に出演していたタマル・ファン・デン・ドップ。
出演は、「ワルキューレ(2008)」「ブラックブック(2006)」のハリナ・ライン、「キャラクター/孤独な人の肖像(1996)」「ヒヤシンス・ブルーの少女 (2003)」のヤン・デクレール。 

blind1_20121014122532.jpgルーベンに歳を聞かれたマリーは「21歳」と答えたが、実際はかなり年上の設定。髪の色も「赤毛」だと嘘をついている。盲目の男ルーベンと姿を見られたくない女マリー。マリーはアルビノであり、顔に傷もあった。容姿にコンプレックスを持っていたマリーは姿を見られるのが怖く、姿を消していたのであった。ルーベンが視力を回復した後でも恋は永遠かということをテーマとしている。

お金持ちの息子とその世話係の女の恋愛話を軸とし、子供のころ読んだ絵本“みにくいアヒルの子”“シンデレラ”といったストーリー展開。舞台は冬のベルギー田園。瞬間瞬間、絵画のような綺麗すぎるショットもどこか童話を思わせる。シンプルなストーリーで先が読めてしまうのだが、多くを語らず、補足説明もないため、想像力を掻き立てる進行となっている。秘密を抱えるマリーの知られざる過去はフラッシュバックを多用に用い、効果的に演出。盲目であることの苦悩やコンプレックスを抱く女の苦悩がよく描かれ、白銀の世界がより一層寂しさを表現している。

<観賞> 2012/10/14

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) A Trip <2011/スロベニア> ★★★

izlet.jpg
Izlet/A Trip
2011/80min/スロベニア
ドラマ
監督/脚本:Nejc Gazvoda(長編監督デビュー作)
出演:Luka Cimpric、Jure Henigman、Nina Rakovec
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★ 


2013年(第85回)アカデミー賞スロベニア代表作品

izlet1.jpg高校の親友3人が久しぶりに集まり、車で旅にでる。一人は軍人で、旅を終えたらすぐまたアフガニスタンの戦地へ行かなければならない。紅一点のニーナは留学に行く予定で、ゲイのアンドレイは町に留まるとう。次いつ会えるかわからない3人は今しかできないことを楽しむ。ところが、3人の関係がギクシャクし始める。3人の友情はどうなるのか…。

監督は、本作が長編監督デビューとなるNejc Gazvoda。

車でビーチへ向かう3人。途中森で一服したり、橋の上で遊んだり、気ままに旅路を進めている。次にいつ会えるかわからない3人は別れを惜しむわけでもなく、今しかできないこと(イタズラも)を楽しんでいる。ところが、青春を謳歌するというより、どこか人生への諦めを感じる。ニーナは決して海へ入らず、留学も嘘であり、3人の関係はギクシャクし始める。表面的には楽しそうに振舞っているが、3人ともどこか陰があり、互いに顔色を疑うかのような様子も見せている。何か切り出すタイミングを見計らっているようでもある。最後の思い出作りのようでもあり、終始不吉な何かを匂わせている。

出演者はほぼ3人のみ。気心の知れた3人の悪ふざけ、他愛もない話を垂れ流すだけのロードムービー。中盤までは三角関係のこじれによる友情の分裂だとばかり思っていたが、信頼で結ばれた3人にとって嘘は裏切りでもある。しかし、もし自分がニーナの立場だったらと考えさせられ、終盤20分でグッときた。国籍や性別を問わず置き換えられるところに普遍性を持たせているが、アカデミー賞スロベニア代表に選ばれた本作、もしかしたらもっと深い意図があったのかもしれないが、感じ取れなかった。

<観賞> 2012/8/11
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(未) The Bambie Effect <2011/ノルウェー> ★★☆

bambi.jpgBambieffekten/The Bambie Effect
2011/70min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Øystein Stene
出演:ジュリア・シャハト、ヴィクトリア・ヴィンゲ、Kim S. Falck-Jørgensen、Knut Joner、クリストファー・ヨーネル
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★ 


bambi1.jpgベロニカとセシリーはインターネットで知り合い、スケート場で初めて顔を合した。2人は同じ目的を持っており、ベロニカの家族が持っているサマーハウスで一緒に暮らしながら、計画を煮詰めていくことにする。出会いから計画実行まで全ての出来事を記録に残そうと、ベロニカはカメラを回し始める…。

監督は、アニメ出身のØystein Stene。フィクション映画は本作が初監督となるもよう。
出演は、「コールドプレイ(2006)」「ナチスが最も恐れた男 (2008)」のヴィクトリア・ヴィンゲ、「ネクスト・ドア/隣人(2005)」のジュリア・シャハトクリストファー・ヨーネル


bambi2.jpg2人の共通する目的とは“自殺”であり、サマーハウスで数ヶ月間かけて煮詰めた計画とは自殺方法である。まさにポスターのような入水自殺。アニメ出身の監督らしく、可愛らしいアニメのポスターにしているが、そんな内容を期待すると思いっ切り裏切られることになる。

ベロニカが回すカメラ記録そのものが映画となっている。ベロニカが撮影した映像はセシリーとの出会いから“自殺”を実行するまでの記録撮りであり、死後悲しむであろう家族へ残された遺書でもあった。不思議とさほど重くもなければ、暗くもない。死ぬ直前まで友人と一緒であり、孤独ではなかったということを家族へ伝えたいという意思も伝わってくる。

“バンビ”とは“幼い”“初心者”という意味があることを鑑賞後に知った。幼い頃の何かが原因で自殺を決意したことは劇中でもやんわりとほのめかされている。異なった人生を歩んできた2人の家族構成や生い立ちなどは2人の会話から読み取れるのだが、イマイチ自殺の理由が明確ではない。

素朴さと臨場感は味わえるのだが、揺れがかなりひどく少々観ていてきつかった。と同時に、明確でない自殺理由や自殺までの映像を観た遺族の気持ちを考えるとやりきれない。ノルウェーってなんでこんなにウツ映画が多いのだろうか!?

<観賞> 2012/9/17

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(未) 証 <2011/韓> ★★★★

証
A confession
2011/96min/韓国
ドラマ
監督/脚本:パク・スミン
出演:クォン・ヒョクプン、イ・ジュスン、イ・デヨン

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★★
宗教度 ★★★★★
官能度 なし
民族度 ★★★★
ゴア度 ★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★


初老で一人暮らしのパク・トンジュンは友人の女性に教会で一緒にお祈りをしましょうとずっと誘われている。トンジュンはキリスト教信者であるが、今まで一度も教会へ出向いたことがない。ところがチラシを見ると、かつて一緒に仕事をしていた男が牧師になり、講演が予定されていることを知った。ずっと避けていた教会へ足を運び、その男に会うことにした…。

監督は、本作がデビュー作となるパク・スミン。
出演は、ポン・ジュノ作品に数多く出演しているクォン・ヒョクプン、パク・チャヌク作品でお馴染みのイ・デヨン。

証1無名監督のデビュー作、しかも独立映画でありながら、中堅実力派俳優が2人も出演していることに驚き、真意を自分の目で確かめてみることにした。

裏社会で日雇い暮らしをしているトンジュン。熟年カップルの恋愛話が静かに始まったかと思うと、現在と過去が行き来し、過去との対峙やトンジュンの葛藤が中心に描かれる。教会へ誘ってくれる女性と一緒にいる時だけ穏やかで、仕事となると人柄がまるで違う。一見するとどこにでもいるような初老トンジュンは一体何者で、過去にどんな罪を犯してきたのか、なぜ今のような生活をしているのか、サスペンス調に明かされていくが宗教的に紐解かれていくゆえ、解釈が難しい箇所も多く、語るのも難しい作品。この先、何度か観て理解を深めていく必要があるだろう。

ストーリーの核となる人物はトンジュン、元仕事仲間で牧師になった男、友人女性の息子の3人。
何らかの罪を犯した人物であり、それぞれの立場や視点で罪への意識が語られていく。

証2“罪と許し”をテーマとし、3人を通して伝わってくるのは、“罪を犯したら、誰が許すのか?人間なのか、神なのか。”“過去に犯した罪が祈りで救われるのか?”という問いかけ。祈りで救われると思っている者、自分には祈る資格すらないと考える者、3者3様の答えが提示される。

神が人間を見放したのではなく、人間が自分自身を見捨てたという事実が説得力をもって描かれる。結局は、事を解決するのは宗教ではなく、自分自身であるということ。それに気付かない者は地獄に落ちる現実の残酷さ。観るだけでもかなりのエネルギーを要した。これがデビュー作だとは信じられない完成度はイ・チャンドン監督「シークレット・サンシャイン(原題:密陽)(2007)」を彷彿とさせ、それ以上に挑発的で野心的。一般的に好まれる内容でもなければ、共感できる要素も一つもない。説明不足と思う部分も多いのだが、その分引き寄せられ完全にのめり込んでしまった。内臓を引っ掻きまわされる感覚、久々に味わった。

<観賞> 2012/8/12


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(未) Ave <2011/ブルガリア> ★★★

ave.jpg
Ave
2011/86min/ブルガリア
監督/脚本:Konstantin Bojanov
脚本:Arnold Barkus
出演:Angela Nedialkova、オヴァネス・ドゥロシャン、Martin Brambach
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


ave1.jpgカルメンはヒッチハイクをしようと道に立っていた。そこへ謎の少女がやってくる。彼女もカルメンの後ろに立ちヒッチハイクを始めた。先にカルメンが車を止めたが、少女も一緒に乗り込んできた。祖母が癌で田舎へ向かうというその少女は、たった今会ったばかりなのに、カルメンと兄弟だと嘘をつく。その後も、嘘をついてはドライバーの同情を買い、一緒にヒッチハイクを続けたが、カルメンはたまらなくなり、別行動をとることにした…。

監督は、本作がデビュー作となる。
出演は、「ソフィアの夜明け」のオヴァネス・ドゥロシャンとAngela Nedialkova。

ave2.jpgヒッチハイクを乗り継ぐ2人の交流を描いたロードムービー。劇的なことは起こらず、一期一会な出会いによる心境の変化を掘り下げた作品である。乗り継ぎ、次々と変わるドライバーからも人生や社会的背景が見えてくるセリフ使いが興味深い。
カルメンは友人の葬儀に参列するために故郷に戻ろうとしていたこと、少女は家出娘で、弟の消息を探していることなど2人の状況が旅を進めるごとに徐々に明かされていく。

少女がなぜ男たちを嘘で煙に巻くのかは想像に任されている。父親の再婚や、弟の失踪で心を痛めており、嘘で自身を取り繕っていたようにも思う。日本でも社会問題(?)になっている、渋谷に集まる家出少女と被って見えたのは本作の少女が場所を問わない等身大の若者だったということだろうか。

オチがなく、解釈も観る者それぞれに委ねており、曖昧なのだが後を引くエンディング。頼るあてがなく、誰でもいいから支えが欲しい時ってきっと誰にでもあるはず。一期一会でも人の運命を変える出会いについて考えさせられた。

<観賞> 2012/7/16

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(未) SleepingBeauty <2007/韓> ★★★☆

Sleeping Beauty
SleepingBeauty/슬리핑 뷰티
2007/110min/韓国
ドラマ
監督:イ・ハンナ
出演:イム・アヨン、キム・チャヨン、イ・ナリ
IMDb評価:5.0/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★


1話:My Cousi/私のいとこ
祖母の葬儀のため久しぶりに田舎に帰る。従兄と部屋でゲームをしたり、学校の校庭で自転車乗りを教えてもらったりして過ごしていた。夜中に2人で学校に忍び込み、じゃれ合っているうちに…

2話:The Hibernation/冬眠
結婚もしていないため、夫も子供もいない。すでに母は亡くなっており、父と2人暮らし。認知症のため、下の世話、お風呂も入れてあげなければならない。体を洗ってあげている時、父は下半身を触ってくれとせがんできた。その時は拒否したが…

3話:The Princess of Forest/森の姫
朝鮮族出身の17歳の少女は、生活が苦しいため、韓国へ養女へ出された。子供を3人亡くしている家庭で、大事に育てるという言葉を聞いて、母は安心して預けたが、少女は家へ着いて早々に家事を言い渡される。そして、あばあちゃんと一緒に寝ようとしたが、義父の部屋に呼ばれる。無理やり押し倒され、処女を喪失し、妊娠までしてしまった…。

Sleeping Beauty1独立した3話のオムニバス。異なる女性3人を主人公とし、1話では未成年、2話では老人、3話では養父の性をリアルにかつ衝撃的に描いている。性をテーマにしているが扇情性はなく、むしろ女性の悲しみや焦燥感、絶望に胸が締め付けられる息苦しい作品だった。

実はポスターには、「イ・ハンナ監督は“女キム・ギドク”だ」というメインフレーズがつけられている。こう書かれてしまうとキム・ギドク好きとしては否応にも過度の期待をしてしまい、観る前から無意識にハードルを上げてしまうわけで、こういう宣伝は好きではないのだが…。本作は観る人を選ぶ作品ゆえ、ターゲットを絞るという意味では、あながち方向性は間違っていない。未成年観覧不可という点と女性への嫌悪感、痛みを伴う愛という意味では“キム・ギドク”風かもしれない。

時折、ギョッとしたショットに驚かされるのだが、それでも全体的には抽象的で、説明不足と感じる箇所も多い。2話と3話はインパクトのある題材で、社会の片隅を見つめる視線の鋭さは感じるものの、残念ながらメッセージ性が弱い。ラストに向けて加速するわけでもなく、どこか緩さが感じられ、もう少し強調させるエピソードが必要に思う。

セリフは少なく、表情も乏しく、抑揚もない。更に、指先の動きなどから心の微動を読ませたり、女性監督らしい繊細さが仇となっているような気もする。片田舎の知られざる社会事情を切り取ることには成功しているとは思うが、同情するだけでなく、そこから一歩踏み込んだ女性を観てみたいものだ。次作に期待。

<観賞> 2012/8/10

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(未) Film Geek <2005/米> ★★★

film geekFilm Geek
2005/78min/アメリカ
コメディー
監督/脚本/編集:James Westby(長編監督4作目)
出演:Melik Malkasian, Ritah Parrish and John Breen
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 


film geek1映画をこよなく愛するスコッティはビデオレンタルショップでバイトをしている。お客に「タイトルがわからなくて…天国がついてたんだけど…」と聞かれると、“天国”が入っているタイトルだけをひたすら並べ上げることができる。さらに、お客の映画トークに口を挟んだり、聞かれてもいないのに自分の好きな映画の話を始めたり、しまいには“スコッティーの好きな映画”というコーナーを勝手に作ってしまう始末。とうとうバイトはクビになってしまった。他のビデオ店を回り、新しいバイト先を探すが、なかなか見つからない。仕方なく、在庫倉庫でのバイトを始めることにした…。

監督は、本作が4作目となるJames Westby。
出演は、James Westby監督作品でお馴染みのMelik Malkasian。
手作り感のある映像に、素朴な演技のため、素人さんが遊びで撮ったような雰囲気。本作が4作目とは驚き。

新しいバイト先でも、全く映画に興味のない人にも映画の話ばかり、しかも内容はマニアの領域。周囲はドン引きなことにも気が付いていない。バスで一目ぼれした女性と一度はデートするが、その後避けられていることにも当然気付いていない。隣人の女性なんか、挨拶したって目も合わせない。着ている服だっていつもビデオショップのユニホームのまま。クビになったのに、返さず着ているのである。

タイトルは“映画オタク”の意。でも、主人公は映画オタクといっても、データーベースを丸ごと暗記しただけの知識詰め込み型の生き字引。彼がする映画の話といったら、「あの映画は何年製作で、監督は誰誰、俳優は誰誰…」といった具合。頭にインプットされている膨大な情報をアウトプットするだけで、作品の考察をするわけではない。なぜ自分が女性から距離を置かれているのかとか、なぜ友達がいないのかも考えることもできず、周囲の気持ちを感じ取ることもできない。趣味でご立派な映画のホームページを作っているけど、訪問者数はごくわずか。ホームページの内容は映画の中では紹介はされていないけど、覗かなくても大方予想はつく。映画好きの私だって全く興味が湧かないつまんないサイトだと思う。

“映画は違う世界に行けるから好き”という劇中の本人のセリフ通り、彼が映画に求めているのはワクワク感とかハッピーエンド(私とは逆…)。そんな映画と同じ人生を夢見て、毎日映画と妄想の中で生きている。私だって映画のように事がうまく進めばいいのにって思うことはあるけど、現実はそうは甘くないことは誰でも知ってる。でも、スコッティーは自分の不甲斐なさに気が付いていない。コメディーらしいオチだったけど、かわいそうになってしまった。

<観賞> 2012/8/16

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(未) 餃子 (英題:Dumplings) <2004/香港> ★★★★★

本作は日本未発表だが、終盤の展開とエンディングの異なる短編は、「美しい夜、残酷な朝(2004)」に収録されている。レンタルしてます。

dumplings.jpg 餃子/Dumplings
2004/91min/香港
ドラマ、ホラー
監督:フルーツ・チャン
撮影:クリストファー・ドイル
出演:ミリアム・ヨン、レオン・カーフェイ、バイ・リン
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★
民族度 ★★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★


元女優のリー夫人は、ある情報を聞きつけ、ある団地の一室へやって来た。怪しげな部屋に住む謎の女性は、自分のほうがずっと年上だという。そして、キッチンへ行き、餃子を作り始めた。ここは餃子屋なのである。リー夫人は不安げな表情で餃子を食べながらも、それからも何度か訪れるようになった…。

監督は、「メイド・イン・ホンコン (1997)」「ドリアン ドリアン (2000)」「美しい夜、残酷な朝 (2004)」のフルーツ・チャン。
出演は、「私の胸の思い出(2006)」のミリアム・ヨン、「愛人/ラマン(1992)」のレオン・カーフェイ、「クロウ/飛翔伝説 (1994)」「アンナと王様 (1999)」「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004)」のバイ・リン。

dumplings2.jpg赤いパンツスタイルに赤い弁当箱を持った女性が税関を潜り抜けるシーンからスタートする。薄汚れた集合住宅に住むその謎の女性は、中国本土であるものを調達し、それを弁当箱に入れ、香港に持ち込んでいるのである。一番上の段にはハムエッグが入っており、税関で呼び止められチェックされても誰も不審には思わない。お目当てのものは下の段に入っており、それを使って作る餃子が世界で一番高く、美の秘訣だと巷で噂になり、リー夫人もその餃子を求めて訪ねてきたのであった。

見た目は食欲のそそる餃子。食した夫人がコリコリとした触感は何かと尋ねると、「骨よ。もう手足も耳も形成されているもの。」と答える。5~6カ月の赤ちゃんの肉が一番栄養があり、オスが貴重だというが、何の肉なのかは教えてくれない。60代なのに30代にしか見えない女性自身がいい広告塔。そんな人を見てしまったら、食材がどうであれ食べずにはいられない。毎回、違うメニューを出すから飽きずに食べ続けられ、5か月もすると見違えるほど若返ると言う。一方で、旦那は精力剤として孵化寸前のゆで卵を食べている。これもまたグロテスク。

dumplings3.jpg人間の飽くなき欲望、美を追求するあまり生み出す恐怖を独自の世界観で描いている。リー夫人の夫にはまだ20代の若い愛人がおり、もう一度夫を振り向かせたいという夫人の切ない女心が背景にある。夫婦で若さを追い求める姿は滑稽でもあり、金で全てが買えると思っている資本主義への痛烈な批判でもある。

グロテスクでありながら、妖艶。目の覚めるような色彩感覚。足元から撮られる独特なアングル。耳障りな機械音。香港の薄汚い集合住宅という異空間も意味深でさらなる恐怖を煽っている。道端での顔の無駄毛処理や、ベランダでの洗濯物など、香港らしい情景も現実味を増していてよかった。恐怖を煽る独特な映像だけでなく、ストーリーも風刺が効いててかなり面白かった。

中華包丁での大胆な調理法。餃子の皮まで手作りであり、かなり本格的。一流店に劣らないほど美しい水餃子や小籠包が振舞われる。熱さのあまり、落としてしまった水餃子は植木鉢の土に埋められた。肥料となり綺麗な花を咲かせるという。

一体、この女は何者なのか、餃子の中身は何なのか…「もしかしたら…いや、まさか!?」と頭の中がかき乱される展開。いろんなところに細かい伏線が張られ、かなり上質(人は悪趣味というのかもしれないが)なサスペンス形式で進んでいく。

dumplings1.jpg肉の正体、本作と短編の結末箇所は白字になっています。ご自身の判断で反転して読み進めてください。

肉の正体は、中絶で取り出した赤ん坊であり、中国本土の病院で調達していたのである。自身も元医師であり、部屋で中絶を行うこともあった。中国では、女の子を堕ろすことはあっても男の子は少ないため、貴重価値があがっていたのである

本作の結末は、夫の不倫相手が妊娠5か月だと聞き、中絶させ、食すというのに対し、短編では、夫人自身が妊娠し、自分で取り出し食くしてしまうという結末。いずれにしても、狂気に満ち、若さへの執着が強く感じられる結末になっている。短編と本作の大きな違いは、本作のほうで夫の不倫エピソードが一つ増え、比重が高くなっている点であり、抜け出せない欲望が渦巻いた展開になっている。
食材を刻むシーンがグロテスクなため、こういうタイプの映画が苦手な人にはキツイかもしれないが、私にはたまらない秀作だった。

<観賞> 2012/8/15


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