カテゴリー  [ ★アジア・オセアニア映画レビュー★ ]

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(未) Black <2005/インド> ★★★★

black_20130208162445.jpgBlack
2005/122min/インド
ドラマ
監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー
出演:アミターブ・バッチャン、ラニ・ムケルジー、シェルナーズ・パテル、Dhritiman Chatterjee、アイーシャ・カプール
IMDb評価:8.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★★


black1_20130208162447.pngミシェルは生まれながら盲目で聾唖。彼女の生きる世界は“ブラック”。手探りで歩くため、ぶつかって物は壊すし、怪我はするし、両親でも手をつけられないほど暴れるため、手をこまねいていた。そこに、先生がやってきた。耳も聞こえず、目も見えない彼女に食事のマナーと言葉を教え始めるというが…。

監督は、「ミモラ 心のままに(1999)」のサンジャイ・リーラー・バンサーリー。
出演は、「家族の四季 -愛すれど遠く離れて- (2001)」「ブラインド・ミッション (2001)<未>」の アミターブ・バッチャン。「スラムドック・ミリオネア」で主人公が憧れる俳優として登場している。「NAYAK~真実のヒーロー~ (2001)<未>」のラニ・ムケルジー。

black2_20130208162448.jpg子供というのは両親の話すのを聞いて自然に言葉を覚えていくものだが、耳も目も不自由なミシェルにはそれができない。“ブラック”な世界で生きるミシェルは自己表現をする術を知ることなく育ち、他人を理解することもできない。両親もミシェルの気持ちを理解してあげることもできず、何もしてあげることができず、手をこまねいて見守ることしかできない。本人の苦悩や両親の気持ちは計り知れない。

そんな時やってきた先生。まずは味覚と嗅覚を利用した指導が始まる。ケーキを食べさせた直後にスペルを手に書き、発音する唇を触らせるといった行為を忍耐強く繰り返す。学習の意味すら理解していないミシェルの奇跡と2人の絆を描いた作品。

ミシェルの産まれた瞬間からの成長記録が主軸として丁寧に描かれ、その横には常に先生がいた。信頼していた先生が行方をくらまし、ようやく見つけたところから物語は始まる。ミシェルの脳裏に蘇る先生との記憶が回想されていくという展開になっている。時間軸が交差するが、構成がしっかりしており混乱することはない。
インドのスーパースター2人の起用だが舞歌はなく、インド映画というよりはヨーロッパ映画のようである。映像美に定評がある監督だけあって、隅々まで感じる芸術的センスにはため息。まったく長さを感じさせない濃厚な作品だった。インド映画のポテンシャルの高さだろうか。
ミシェルに希望の光が見えるまでの過程、自立していく姿、先生はなぜ姿を消したのか…決して同情を誘う演出ではなく、2人の絆を描いた感動作である。「スラムドッグミリオネラー」で主人公の少年が憧れる俳優アミターブ・バッチャンの演技力はさすがのスーパースター。

<観賞> 2013/2/8

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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nude <2010/日本> ★★☆

ヌード
Nude
2010/103min/日本
監督:小沼雄一
原作:みひろ「nude」(講談社刊)
出演:渡辺奈緒子、佐津川愛美、永山たかし、みひろ、山本浩司、光石研
IMDb評価:4.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★(ヌード、AVシーンあり)
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


ヌード2新潟の田舎町で生まれ育ったひろみは、渋谷でスカウトされ女優になりたいという漠然とした夢を抱いていた。とりあえず空港でのセキュリティーの仕事を決め、高校卒業と同時に上京した。仕事にも慣れずにいたところ、渋谷でモデルにスカウトされ、AVはやらないという条件で“みひろ”という芸名でヌードモデルを始めた…。

AV女優みはるの自伝小説「nude」の映画化。主演は、北野武監督「アウトレイジ」、阪本順治監督「行きずりの街」の渡辺奈緒子。

ヌードモデルは、映画やドラマに出る女優になりたいという夢に向けての通過地点だと事務所に言われた“みひろ”。あれほどまでにAV出演を頑なに拒んでいたのに、なぜ心変わりをしたのか。何がそこまで彼女を揺り動かしたのか。高校卒業式からAV出演を決意するまでの経緯、不安や葛藤が赤裸々に描かれる。

ヌード1とはいえ、なんとなく事務所に敷かれたレールに乗っただけにしかみえない。プロデューサーにも志が中途半端だと指摘を受けていたが、まさにそういう生き方が滲み出ている。本気で女優になりたいという熱意は伝わってこないし、キャラクターにも全く魅力を感じない。しかしながら、みひろを演じた渡辺奈緒子の体当たりの演技には女優魂を感じ、漠然と“女優になりたい”と思っている中途半端で宙ぶらりんな気持ちまで見事に表現していたと思う。

親友や彼氏の視点も描かれているが、両親が登場しないことに不自然さを感じた。狭い田舎町には噂話は広がっていたというが、両親の葛藤も盛り込まれていたほうが奥行きがあったように思う。

AV出演と引き換えに失ったものも大きい。失ってでも進むべきだったのか…強い決意は垣間見れるが、意思は感じられない。AV女優の先にどう進んでいくべきなのか明確な目標も見えず、自伝の映画化というだけあって独りよがり。

<観賞> 2013/1/26
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明日、君がいない (原題:2:37) <2006/豪> ★★★★★

237.jpg2:37
2006/99min/オーストラリア
ドラマ
監督/脚本:ムラーリ・K・タルリ
出演:テリーサ・パーマー、ジョエル・マッケンジー、クレメンティーヌ・メラー
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし
邦題のセンス なし
脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

成績優秀な高校生マーカスは、一流弁護士で高額所得者の父を尊敬している一方で、両親のプレッシャーに苦しんでいた。その妹メロディは、心優しい女の子だが、両親から疎まれていると感じていた。スポーツマンのルークは“学校は弱肉強食のジャングルだ”と言って弱い者イジメを繰り返す。イギリスから移住してきた片脚が悪いスティーヴンと、長髪でゲイのショーンはそんなルークの格好の餌食になっていた。一方、結婚を夢見るサラはマッチョなルークにぞっこん。そして学校でも家庭でも、そんな彼らが抱える悩みに向き合ってくれる大人はひとりもいなかった…。@allcinema

237-1.jpg監督は、初監督となるオーストラリア人のムラーリ・K・タルリ。
出演は、「アイ・アム・ナンバー4 (2011)」のテリーサ・パーマー。大半は素人を起用。

午後2時37分。オーストラリア南部の高校のトイレで誰かが自殺を図る。原題の2:37とは監督の友人が自殺を図った時刻である。本作は、監督の友人が自殺を客観的に見つめ直した作品。その遺体発見からストーリーが始まり、時間軸は一気にその日の朝にフラッシュバックする。

237-2.jpgオーストラリアのとある高校のある一日を舞台としている。高校生6人が主人公。彼らが興味あるのは、セックスだったりドラッグだったり…一見すると普通の青春映画にもでてきそうな子たちだが、彼らの悩みはもっと根深い。繊細で傷つきやすい10代の悩みに深く切り込んでいく。6人のインタビューも交えており、それぞれが悩みを打ち明けているが、誰しもが自殺を図りそうなほど病んでいることがわかる。半端ない緊張感からは彼らの切実さがリアルにみえてくる。

それぞれの悩みにメスを入れながら、誰が自殺をしたのか、原因は何だったのかを探っていくといった構成。ミステリー作品を観ているかのようなテンポのよさで真相に迫っていく。カメラは発見した少女を追ったかと思うと、通りすがりの学生にスイッチし、同時刻の出来事を別の視点からも見せるという独特なカメラーワークを用いている。臨場感があり、奥行きのある構成、とにかく見せ方がうまい。自分もその場に居合わせているかのような錯覚に陥り、これがとにかく面白い。無意識のうちに自殺者を探してしまう羽目になる。

19歳で初監督とは思えないクレバーな作品。友人の自殺後、監督自身も自殺を悩んだという。その後2年の歳月をかけて作り上げたのが本作となる。感傷に浸る作品でもなければ、残された者が悲しみに暮れる作品でもない。友人が死をもって伝えたかったことは何なのか…それぞれ置かれた立場で感じ方は異なるであろう。監督と同じ経験をしている私にとって、知り合いの遺体を見た時と同じような衝撃を受けたと同時に、死について再度考えさせられた。

<観賞> 2012/4/19

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(未) 江北好人 <200?/中国> ★★★☆

江北好人
江北好人/The Good Man
200?/中国
ドラマ
監督:劉新(リウ・シン)
出演:夏雨(シア・ユイ)、候勇(ホウ・ヨン)、江珊(チャン・シャン)、苗圃(ミャオ・プー)、馬伊俐(マー・イーリー) 
IMDb評価:データーなし 

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


江北好人1ある嵐の晩。小さな村に住む未亡人の小芸の息子が危篤状態に陥ってしまった。小芸は出産前に夫を亡くし、息子を病院へ連れていくお金もない。すると、村長が村人たちから寄付金を募り、トラクターで都市の病院へ連れて行ってくれることとなった。ところが、道中トラクターが故障し、立ち往生してしまう。偶然通りがかったタクシーが乗せてくれ、無事病院へ着いた。運転手は救急室まで付き添ってくれ、タクシー代を支払おうとするが、「子供の命のほうが大事だ」と結局受け取らなかった。いい人に恵まれ、小芸は感謝の気持ちでいっぱいだったが、病院の支払いをしようとすると、村長からもらった寄付金がないことに気がついた…。

監督は、劉新。
出演は、「わが家の犬は世界一 (2002)」「玲玲(リンリン)の電影日記 (2004)」のシア・ユイ。

江北好人2お金はきっとタクシーの中に置き忘れたのだと思い、運転手を探そうとするが、タクシー代を払っていないため領収書もない。看護師たちが市の全てのタクシー会社に片っ端から連絡するが運転手は見つからない。病院理事長が母親を気の毒に思い、テレビ局へ捜査を依頼することとした。本人が偶然テレビを見ており、病院を訪ねてきたがお金の入った袋は見ていないと言う。

ところが、タクシー運転手はお金が見つからないことに責任を感じ、まだ予定のない結婚資金にとコツコツと貯めていた貯金を下ろし、見つかったと嘘をつき母親に渡すのであった。

お金は一体どこへ消えたのか…ストーリーはミステリー調に進んでいくが、主旨となるのはお金の行方でもなければ、犯人探しでもない。
人情味溢れる感動ヒューマン映画。実話を基にしているという。失礼ながら、ご都合主義の中国において、こんな心温まる実話があるなんて。どうせ運転手が盗み、とっくに使い込んだのだろうと思ってしまった自分が恥ずかしい。本作に悪人はでてこない。オチもしっかり用意されており、全員がハッピーエンドをむかえる。たまにはこういう温まる映画も悪くはない。

<観賞> 2012/8/27

[サイト内タグ検索] 日本未公開

ドリアンドリアン <1999/香港> ★★★★

DurianDurian.jpgドリアンドリアン
1999/115min/香港
ドラマ
監督/脚本:フルーツ・チャン(監督5作目)
出演:チン・ハイルー、マク・ワイファン、ウォン・ミン、ヤン・メイカム、マク・シュエウェン
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★ 


中国大陸北部出身のイェンは、南方へ出稼ぎに行くと称して香港への就労ビザを取得し、歓楽街で体を売って稼いでいる。同じ路地では毎日幼い姉弟が皿洗いをする。彼らもまた、お金のために不法滞在する本土からの出稼ぎ労働者だ。ビザの期限が切れ、イェンは大金とともに故郷へ帰ってきた。体を売ってまで稼いだ金を何に使うべきか迷うイェンに、何も知らない従妹は一緒に南方へ行きたいとせがむ。そんな時、路地裏の少女ファンから思いがけない荷物が届く…。@goo映画

監督は、「ドリアン ドリアン」のフルーツ・チュン。

DurianDurian2.jpg自立資金のために短期ビザで香港へやって来たイェンであるが、小さな部屋で冷めたお弁当を食べ、体を売るだけの毎日。日に何度も浴びるシャワーのために手足の皮は剥けてしまっている。客に出身地を聞かれれば、その都度違う地名を答える。そんな彼女が心を許したのは路地裏で皿洗いをしている少女ファンだけだった。

ファンの誕生日に父親がなぜかドリアンを買ってきた。強烈な臭いを放つ得体の知れない物に家族は誰も手をつけない。それから、ファンはイェンのボディーガードがドリアンを投げつけられ、頭を怪我する瞬間を目撃する。そして、回復したボディーガードはファンの家からナイフを借り、ドリアンを割って食す。臭いと共に強烈な印象を植え付けられたドリアンはファンにとっては人生そのものとなっていった。そして旧正月、故郷へ帰ったイェンにドリアンを送るのであった。

DurianDurian1.jpg危険だとわかっていても様々な事情で人が集まってくる香港の路地裏。強烈な悪臭を放つが、一度食べたら病みつきになる人も多い果物の王様、ドリアン。人々を魅了するドリアンは香港にも似ている。ドリアンの魅力を香港雑踏に暮らす“お客の体を洗うイェン”と“皿を洗う少女ファン”の人生に投影させた作品。

雪が降り、ドリアンの存在を知らず、香港を南国のパラダイスだと思っている東北部の人たち。大金を持って故郷へ帰って来たイェンが香港でどんな仕事をしていたのか知らなければ、疑問に思う人もいない。返還後の香港は中国でありながら、大陸とは一線を画す。東北の人たちにとって香港は夢を抱いて向かう場所であった。しかし、香港はドリアンのようなもの。食べてみないと味はわからないし、好き嫌いが真っ二つに分かれるドリアンは、東北部の人たちは、トイレの臭いがするだの、地雷みたいだの、散々な言いようだった。香港もパラダイスに見えても、行ってみないとどんなところかわからない。

香港返還3部作では演技の経験のない素人を起用していたが、本作では、京劇学校出身で女優志望の学生を起用。前半では風俗で働く生活が、後半では田舎に帰った姿が描かれる。同じ人物とは思えないほど容姿は変貌している。

<観賞> 2012/8/19

[サイト内タグ検索] フルーツ・チャン監督

ロスト・イン・北京 <2007/中国> ★★★★

lost in beijing
蘋果/LOST IN BEIJING
2007/109min/中国
監督/脚本: リー・ユー(李玉)(監督2作目)
出演:ファン・ビンビン、レオン・カーフェイ、トン・ダーウェイ、エイレン・チン、ツアン・メイホイツ
IMDb評価:6.9/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★
邦題センス ★★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


lost in beijing1北京に出稼ぎにきてマッサージ師として働くピングォには、窓拭きをしている夫アン・クンがいるが、既婚者は雇わないという店のため夫がいることを隠していた。ある日、友人と飲んで酔ったピングォは、店の社長室でオーナーと関係をもってしまい、ビルの窓拭きをしていた夫がその現場を目撃。そのことからピングォは結婚していることがばれて解雇されたうえ、しばらくして妊娠していることがわかり……。@映画.com

監督は、「ブッダ・マウンテン」のリー・ユー。本作が唯一のソフト化作品である。
出演は、ファン・ビンビン、「愛人/ラマン」のレオン・カーフェイ、「レッドクリフ」シリーズのトン・ダーウェイ、「ヤンヤン 夏の想い出」のエイレン・チン。

勤めるマッサージ店のオーナーに犯された人妻が妊娠したことから巻き起こる騒動を描いた作品。金が物をいうゆがんだ現代社会を克明に、かつブラックに皮肉っている。扇情性が高く、中国国内では上映が禁止(DVDは17分のカット)になった問題作でもある。私はノーカット版の香港版鑑賞し、どれだけすごいのかと思ったら、性的描写はほんのごく一部に過ぎない。しかも、映っているのは太ももやお腹、背中などで、オールヌードはない。ファン・ビンビンとレオン・カーフェイの強姦シーンが本国では問題になったと聞いていたが、着衣のままだった。しかも、自業自得であり強姦とは言い難いシーン。むしろ問題なのは、医師が賄賂をもらうシーンのほうだと思う。中国では扇情性ばかりに着目されてしまうのが残念であり、金への執着が引き起こした人間性の喪失を鋭く描いた社会派ドラマである。

lost in beijing2妊娠したことをネタに金をせびろうとする夫、後継ぎ欲しさに金で解決しようとするオーナー。格差社会における金の亡者であり、愚か者によって事態は信じ難い方向へ加速していく。金と男に翻弄される女の物語ともいえよう。でも、中国が舞台であるとなると、なんだかしっくりきてしまうのは偏見だろうか。後味の悪さもアイロニーが効いていてよかったと思う。妻が強姦されるところを、窓拭きの仕事をしていた旦那が偶然目撃したというのはあまりにも出来過ぎた偶然ではあるが、見応えのある内容だった。欲を言うと、 ピングォの心理をもう少し掘り下げて欲しかった。

<観賞> 2012/8/24

[サイト内タグ検索] レオン・カーフェイ

メイド・イン・ホンコン <1997/香港> ★★★☆

MadeinHongKong.jpg香港製造/メイド・イン・ホンコン
1997/108min/香港
犯罪、ドラマ、ロマンス
監督/脚本:フルーツ・チャン(監督2作品目)
出演:サム・リー、ネイ・キーイム 、ウェンバース・リー
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★
ゴア度 ★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★ 


MadeinHongKong2.jpg香港のダウンタウンに住む少年少女の姿をリアルに描き出した残酷で切ない青春映画。わずか5人のスタッフで始められた低予算映画ながら地元香港で大ヒットを記録した。1997年、中国返還を目前に控えた香港。母と二人で低所得者用アパートに住む少年チャウは、弟分のロンを引き連れ借金の取り立ての手伝いをしている。ある日、チャウは同じような境遇の少女ペンと出会い恋をする。が、彼女は重い腎臓病に冒されていた。やがて彼女の身を守るため、生まれて初めて銃を手にするが……。@allcinema

監督は、「ドリアン ドリアン」のフルーツ・チュン。
製作総指揮は香港を代表するスター・歌手のアンディ・ラウ。

MadeinHongKong1.jpg中卒でチンピラのチャウ、チャウが面倒を見ている知的障害者のロン、肝臓移植を待つ少女ペン…そして、遺書を残し投身自殺を図った女子高生サン。
ストーリーをリードするのは、イギリスの植民地化で恩恵を受けて育った“メイド・イン・ホンコン”な若者たち。チャウを見捨てた親やロンを利用した大人たちはイギリスの比喩だろう。共産党の中国への返還を目前とした若者たちの焦燥や失望、絶望。観終わった後、やりきれない気持ちだけ残った。本作は、香港返還三部作の1作目にあたり、「花火降る夏」「リトルチュン」と続く。

香港の雑踏のようにスピード感があり、エネルギッシュ。やや気分が悪くなることもあったが、若者のリアルさが感じられてよかった。主人公演じるサム・リーは、街中でスケボーをしているところを監督にスカウトされた素人だという。あてもなく今だけを生きているキャラクターだが、自由というよりもやり場のない怒りが滲み出ている。無鉄砲でありながら、どこか繊細な部分もあって、存在感大。等身大の若者という感じで見事なキャスティング。本作のデビュー後にスターダムにのし上がったのも納得。

<観賞> 2012/8/18

[サイト内タグ検索] フルーツ・チャン監督

美しい夜、残酷な朝 <2004/日=韓=香> ★(日)/★★★★(韓)/★★★★★(香)

美しい夜、残酷な朝美しい夜、残酷な朝
2004/125min/日本=韓国=香港
監督:三池崇史「box」、パク・チャヌク「cut」、フルーツ・チャン「dumplings」
出演:
「box」 長谷川京子、渡部篤郎
「cut」 イ・ビョンホン、カン・ヘジョン、イム・ウォニ
「dumplings」 ミリアム・ヨン、レオン・カーフェイ、バイ・リン
IMDb評価:7.1/10
社会度 ★(日)/★(韓)/★★(香)
哲学度 ★★/★★★/★★★★
宗教度 なし
官能度 なし/なし/★★
民族度 なし/★★/★★★★
ゴア度 ★/★★★★/★★★

脚本 ★★/★★★★/★★★★
演出 ★★/★★★★/★★★★
演技 ★/★★/★★★
 

美しい夜、残酷な朝1日本・韓国・香港の共同製作で手掛けられた異色オムニバス。3人の奇才監督がそれぞれ独自の世界観で、人間の愛憎や狂気、欲望を美しくもグロテスクに描く。
 「box」――謎多き女流小説家・鏡子には、かつて父親代わりの男、曳田の寵愛を一身に受けた双子の姉を焼死させたという秘密の過去があった。そして、その男の行方をいまも探し続けていた…。
「cut」――若くして成功を収めた映画監督リュ・ジホ。彼がある夜帰宅すると、見知らぬ男が妻を人質にしていた。そしてさらに、恐ろしい選択を強要される…。
「dumplings」――元女優のリー夫人は、夫との愛が冷めていく一方、永遠の美を追求していた。財力とコネを駆使し、やがて大陸からやってきた謎の女メイが作る美と若さの特製餃子にたどり着くが…。@allcinema

監督は、「着信アリ」の三池崇史、「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク、「メイド・イン・ホンコン」のフルーツ・チャン。

まず、ジャケットに文句を言いたい。発表当時は第一次韓流ブーム真っ只中であり、イ・ビョンホンファンを意識したがゆえなのであろう。いかにもイ・ビョンホンが主演であるかのようだが、本作はオムニバスであり、独立した3作が収録されている。長谷川京子との共演もない。

オムニバスの面白さは同一テーマで監督のカラーの違いを見比べることができる点でもあるが、全くアプローチの仕方が異なる3者3様の世界観が楽しめる。それぞれ雰囲気があり、カラーの違う映像美を比較するのも面白い。

2美しい夜、残酷な朝日本編「box」
“美しい夜、残酷な朝”というタイトルが一番しっくりくるのだが、他2作が強烈なゆえ、なおさらインパクトが薄い。映像は幻想的で美しいが、静寂すぎてあまりにも退屈。妖しげで悲壮感漂う割には、心理描写が弱く、オチも曖昧。恐怖も伝わってこなかった。

韓国編「cut」
イ・ビョンホン演じる主人公は映画監督。映画の撮影とは違い、「カット」がかからない復讐劇が始まる。子供を殺さなければ、ピアニストの妻の指を「カット」するという理不尽な犯人の要求に始まり、思わぬ方向へ行く展開のうまさにはうならされる。犯人役イム・ウォニのコミカルな演技も緩衝材になっていて面白い。スプラッターありでゴア度は高く、イ・ビョンホン目当てで観てしまうとその手の作品が苦手な人には耐えられないかもしれないが、チャヌク監督ファンの期待は裏切らない作品。長編だとくどくなりそうなので、オムニバスでちょうどいいのかも。

香港編「dumplings」
飽くなき欲望への風刺劇。90分の長編を先に観てしまったため、比較してしまうと物足りなさも感じるが、3作品の中で一番好きな作品。心理的に一番怖く、生々しい。しばらく餃子は自分の手作りしか食べられそうにない。
長編のレビューはこちら

<観賞> 2012/8/15

(未) 餃子 (英題:Dumplings) <2004/香港> ★★★★★

本作は日本未発表だが、終盤の展開とエンディングの異なる短編は、「美しい夜、残酷な朝(2004)」に収録されている。レンタルしてます。

dumplings.jpg 餃子/Dumplings
2004/91min/香港
ドラマ、ホラー
監督:フルーツ・チャン
撮影:クリストファー・ドイル
出演:ミリアム・ヨン、レオン・カーフェイ、バイ・リン
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★
民族度 ★★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★


元女優のリー夫人は、ある情報を聞きつけ、ある団地の一室へやって来た。怪しげな部屋に住む謎の女性は、自分のほうがずっと年上だという。そして、キッチンへ行き、餃子を作り始めた。ここは餃子屋なのである。リー夫人は不安げな表情で餃子を食べながらも、それからも何度か訪れるようになった…。

監督は、「メイド・イン・ホンコン (1997)」「ドリアン ドリアン (2000)」「美しい夜、残酷な朝 (2004)」のフルーツ・チャン。
出演は、「私の胸の思い出(2006)」のミリアム・ヨン、「愛人/ラマン(1992)」のレオン・カーフェイ、「クロウ/飛翔伝説 (1994)」「アンナと王様 (1999)」「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004)」のバイ・リン。

dumplings2.jpg赤いパンツスタイルに赤い弁当箱を持った女性が税関を潜り抜けるシーンからスタートする。薄汚れた集合住宅に住むその謎の女性は、中国本土であるものを調達し、それを弁当箱に入れ、香港に持ち込んでいるのである。一番上の段にはハムエッグが入っており、税関で呼び止められチェックされても誰も不審には思わない。お目当てのものは下の段に入っており、それを使って作る餃子が世界で一番高く、美の秘訣だと巷で噂になり、リー夫人もその餃子を求めて訪ねてきたのであった。

見た目は食欲のそそる餃子。食した夫人がコリコリとした触感は何かと尋ねると、「骨よ。もう手足も耳も形成されているもの。」と答える。5~6カ月の赤ちゃんの肉が一番栄養があり、オスが貴重だというが、何の肉なのかは教えてくれない。60代なのに30代にしか見えない女性自身がいい広告塔。そんな人を見てしまったら、食材がどうであれ食べずにはいられない。毎回、違うメニューを出すから飽きずに食べ続けられ、5か月もすると見違えるほど若返ると言う。一方で、旦那は精力剤として孵化寸前のゆで卵を食べている。これもまたグロテスク。

dumplings3.jpg人間の飽くなき欲望、美を追求するあまり生み出す恐怖を独自の世界観で描いている。リー夫人の夫にはまだ20代の若い愛人がおり、もう一度夫を振り向かせたいという夫人の切ない女心が背景にある。夫婦で若さを追い求める姿は滑稽でもあり、金で全てが買えると思っている資本主義への痛烈な批判でもある。

グロテスクでありながら、妖艶。目の覚めるような色彩感覚。足元から撮られる独特なアングル。耳障りな機械音。香港の薄汚い集合住宅という異空間も意味深でさらなる恐怖を煽っている。道端での顔の無駄毛処理や、ベランダでの洗濯物など、香港らしい情景も現実味を増していてよかった。恐怖を煽る独特な映像だけでなく、ストーリーも風刺が効いててかなり面白かった。

中華包丁での大胆な調理法。餃子の皮まで手作りであり、かなり本格的。一流店に劣らないほど美しい水餃子や小籠包が振舞われる。熱さのあまり、落としてしまった水餃子は植木鉢の土に埋められた。肥料となり綺麗な花を咲かせるという。

一体、この女は何者なのか、餃子の中身は何なのか…「もしかしたら…いや、まさか!?」と頭の中がかき乱される展開。いろんなところに細かい伏線が張られ、かなり上質(人は悪趣味というのかもしれないが)なサスペンス形式で進んでいく。

dumplings1.jpg肉の正体、本作と短編の結末箇所は白字になっています。ご自身の判断で反転して読み進めてください。

肉の正体は、中絶で取り出した赤ん坊であり、中国本土の病院で調達していたのである。自身も元医師であり、部屋で中絶を行うこともあった。中国では、女の子を堕ろすことはあっても男の子は少ないため、貴重価値があがっていたのである

本作の結末は、夫の不倫相手が妊娠5か月だと聞き、中絶させ、食すというのに対し、短編では、夫人自身が妊娠し、自分で取り出し食くしてしまうという結末。いずれにしても、狂気に満ち、若さへの執着が強く感じられる結末になっている。短編と本作の大きな違いは、本作のほうで夫の不倫エピソードが一つ増え、比重が高くなっている点であり、抜け出せない欲望が渦巻いた展開になっている。
食材を刻むシーンがグロテスクなため、こういうタイプの映画が苦手な人にはキツイかもしれないが、私にはたまらない秀作だった。

<観賞> 2012/8/15


夢の花びら <2008/スリランカ> ★★★★

akasa kusum3
夢の花びら/Flowers of the Sky/Akasa Kusum
2008/90min/スリランカ
ドラマ
監督/脚本:プラサンナ・ヴィターナゲー(Prasanna Vithanage)
主演:マーリニー・フォンセ、Dilhani Ekanayake、Kaushalaya Fernando
IMDb評価:6.9/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★



かつて映画界で活躍していた大女優Ramiはすでに引退し、今は芸能人に密会場所として部屋を提供して生計を立てている。ある人気女優からは母として慕われ、司会をするテレビ番組に出ることとなった。インタビュー内容はかつての映画界の話やプライベートのことまで。なぜ結婚しないのか?という質問に対し、チャンスがなかったと答える姿をテレビ越しに悲しげに見ている若い女性がいた…。

監督は、スリランカ映画界を代表するプラサンナ・ヴィターナゲー。日本では、一般公開やソフト化はないようだが、アジアフォーカスでは「心の闇(1996)」「城壁(1997)」「灼熱の日々(2003)」が上映され、NHKが出資した「満月の日の死(1997)」も監督作品として評価が高い。

akasa kusum2テレビ関係の仕事をしている父の仕事の見学に行った際スカウトされ、そのまま映画界の道を進んだ大女優Rami。処女性を重んじるため、結婚していること、子供がいることを伏せるように社長に言われ、女優デビューと同時に子供を捨てていたのである。スキャンダルを避け、以降夫とも会っておらず、もちろん我が娘にも会っていない。銀幕の世界を引退し、今は一人で隠居生活。我が娘の安否が気になり始め、探し始める。

不条理な運命に翻弄された母娘の愛憎像。大女優Ramiとその娘Priyaの物語が交錯していく。Priyaはクラブで働いており、父親のわからない子供を妊娠していた。一度は、闇の病院で中絶をしようとするが、思い悩み産むことを決意。ところが、HIVに感染していることを知り、赤ん坊への感染の可能性を考え、また悩むのであった。
妊娠し、初めて母の思いを考えるようになったPriyaだが、自堕落ぶりは因果応報。それを全て甘んじて受け入れる母の決意に涙した。苦しみ、憎しみから解放され、愛情が生まれる過程、ラストの落とし所が秀逸。

スリランカ映画のレベルの高さに驚いた。インド映画の手法を何年も遅れて追い駆けているようなイメージを勝手に植え付けていたが、映画後進国という概念はこのたった一本で拭い去られてしまった。Priyaが働くクラブがよく登場するため、ダンスシーンは多め、かつ曲調もインド風ではあるが、シリアスなストーリーの流れを阻害するような無駄な歌舞ではない。言葉を失うほどの悲劇的な展開でありながら、抑揚を抑えた演技、ストーリーは淡々と進むが、大女優の心の内が取るように分かる。作りすぎた感はなく、実話なのではないのかと思うほどのリアルさ。登場人物を通して描かれるスリランカという国の暗部。大女優を演じたマーリニー・フォンセの演技も素晴らしかった。

<観賞> 2012/7
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(未) Ghost of Mae Nak <2005/タイ> ★★

ghost of maenak
Ghost of Mae Nak
2005/101min/タイ
ドラマ、ホラー、ミステリー
監督/脚本:Mark Duffield
出演:Pataratida Pacharawirapong、Siwat Chotchaicharin、Porntip Papanai
IMDb評価:5.2/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


ghost of maenak2結婚式を控えたMakとNakは古い家を新居として購入した。長年借りてがなく荒れ放題であり、友人たちの手を借りて修繕をし、無事に引っ越しも終えた。ところが、留守中に泥棒が入り、結婚祝いの品々や衣服を盗まれてしまった。警察に届けを出し、捜索している間、露店で盗まれた衣類を発見する。Makは犯人を追いかけたが、車にはねられ意識不明となってしまった…。

監督は、撮影出身のイギリス人Mark Duffield。 監督作は本作がデビュー作となるが、撮影としては8作目となる。
夫婦を演じたPataratida PacharawirapongとSiwat Chotchaicharinも本作が映画デビューのようである。

ghost of maenak1夫Makが新居に引っ越す前から幽霊の気配を感じたり、悪夢にうなされていた事を妻も知っていた。一連の事故もその幽霊の仕業ではないかと思い始めた妻Nakが幽霊の正体を突き止め、成仏させてあげるという話。タイトルからも悪さをしているのはナークだということは推測できてしまう。ちなみに、ナークとは身分違いの結婚の末、亡くなってしまった夫人の名前であり、タイでは何度も映画化・ドラマ化されている。(当ブログ内参考記事)
幽霊が誰なのかではなく、どこに死体が埋まっているのか、どうしたら成仏できるのかというところに重きを置いたミステリーホラー作品。

泥棒を見つけ追っかけていたら、玉突き事故の末、屋台の揚げ物油の中に落ちてしまったり、クレーンで吊るされたガラスが落下し、体が真っ二つに割れてしまったり、面白いシーンもあるが、全体的には冗長。ラストのどんでん返しだけが唯一の救い。ストーリー的には執念系で、低予算ホラー・ド定番。

<観賞> 2012/6

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未)(備忘録) One day <2010/台> ★★

oneday.jpg
有一天/One Day
2010/93min/台湾
ドラマ、ロマンス、SF
監督/脚本:候季然 (Chi-jan Hou)
出演:Bryan Shu-Hao Chang、Nikki Hsin-Ying Hsieh、Gwen Yao
IMDb評価:6.5/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★


船の清掃員をしている女性は同じ男性の夢をよく見る。後ろ姿で顔は見えなかったが、同じ後ろ姿の男性を現実で見つけてしまった。追い駆け話をしてみると、彼も同じ夢を見ていたことが判明。夢の続きを2人で現実で築き上げていくといった話。(たぶん)

現実が夢だったらいいのにと思うこともあれば、夢が現実だったらいいのにと思うこともある。夢の続きがあるとしたら、覗いてみたいと思うこともある。本作は夢の断片が現実でつなぎあわされたようなふわふわとした感覚。どこまでが夢でどこからが現実なのか境目が曖昧なだけではなく、独特な詩的センスで不思議な作品。感性で観るタイプなので、観る人によって感じ方も解釈も異なるのでしょう。心で観る映画をあれこれ語るのは難しい。

<観賞> 2012/4

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) 女学生の日記 <2007/北朝鮮> ★★

schoolgirl.jpgThe Schoolgirl's diary
2007/94min/北朝鮮
コメディー、ドラマ
製作:金正日
監督:In Hak Jang
脚本:Jun-bo An
出演:Mi-hyang Pak、Jin-mi Kim、Cheol Kim
IMDb評価:4.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


schoolgirl1.jpgスリョンは祖母、母親、妹スオクの4人で地方の一軒家に暮らしていた。研究者の父親は平壌で仕事をしているため、あまり家には帰ってこない。父不在の生活は寂しいが、スリョンは家族のために働いている父親を誇りに思い、夢は父のような研究者になり、家族みんなで一緒に暮らすことであった…。

配線がショートし、家が火事になりかけたり、煙突が壊れたり…何かと困難が一家を襲う。立ちはだかる困難を乗り越え一歩一歩大人になっていく少女の成長期。

北朝鮮映画には(多分)珍しく日本への批判が含まれていない。普遍的な内容であり、どの国の人が観てもそれなりに共感できるまともな倫理観。決して恵まれているわけではないが、人間にとって何が幸せなのか考えさせてくれる。
しかし、特筆すべきは金正日製作ということ。何が起ころうと解決可能な家族愛。家族はごく一般的だが、理想を並べ立てたサクセスストーリー。金正日による金正日のための金正日映画であり、こんなフィクション映画でも常に将軍様への感謝の気持ちを忘れない姿まで描き込むほどの徹底ぶり。見えすぎた演出が鼻を突く。

<観賞>2012/5/29

[サイト内タグ検索] 日本未公開

ナン・ナーク <1999/タイ> ★★☆

nang nakNang Nak
1999/100min/タイ
ロマンス、ファンタジー
監督: ノンスィー・ニミブット
脚本: ウィシット・サーサナティヤン
出演: ウィナイ・グライブット、インティラー・ジャルンプラ、プラッチャー・ターウォンファー
IMDb評価:6.5/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


タイ郊外プラカノン地区の水辺の村。夫マークはタイの内戦に兵士として赴くことになっていた。激戦の続く中、生きて再会できる保証はない。妻ナークはマークとの初めての子を宿していた。マークが戦地で重傷を負ったその時、臨月を迎えたナークも激しい陣痛に見舞われていた……。数ヵ月後、ようやく回復したマークが村に帰ってくると、そこには、我が子を抱いたナークが待っていたのだが……。@allcinema

nang nak119世紀、タイ郊外。村長の娘ナークと庭師のマークが恋に落ちた。身分の違う2人の結婚を許すものはなく、駆け落ち同然で家を出た…という背景があるらしい。実在した夫婦の話で何度も映画化・ドラマ化され、タイ人なら知らない者はいないほど有名な話だとか。何度もリメイクされ、現代版のアレンジということだろうか。オリジナルでは封建社会を背景とした禁断の愛を描いているようだが、本作にそういった件はなく、むしろ仲睦まじい夫婦の悲劇といったほうがしっくりくる。
ホラーに分類されているが、背筋が凍るような恐怖ではなく、むしろロマンティックで悲しい愛の物語。

世俗への執念をテーマとしており、日本にも通ずる宗教観。この手の話は日本にもあり、概ね予測できる話ではあるが、説明不足と感じる箇所が多く、あらすじを知っている人向けといったところだろうか。画面の切り替えも雑で、話が前後しているような印象も受けた。私のようなひねくれ者には物足りなさが残るが、万人向きの作品であり、多くの人が楽しめる作品だとは思う。
水辺の村という設定。雰囲気はよかった。

<観賞> 2012/5/19
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ウルフクリーク 猟奇殺人谷 <2005/豪> ★★

レンタルしてます。

wolf.jpgWolf Creek
2005/99min/オーストラリア
ホラー、スリラー
製作/監督/脚本:グレッグ・マクリーン(長編デビュー作)
出演:ジョン・ジャラット、カサンドラ・マグラス、ケスティー・モラッシ、ネイサン・フィリップス
IMDb評価:6.3/10

社会度 ★
哲学度 なし
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 ★★
脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

wolf1.jpg若者3人(男1人、女2人)は観光でシドニーから“Wolf Creek”に向かっていた。中古の安い車を買い、3人で交代しながら運転し、ようやくクレーター入口に到着した。看板には“この先3キロ”と書いてある。車を降り、歩いて火口付近まで見学を終え戻ってきたら、車のエンジンがかからない。人が通るところではなく、車の中で一夜を明かそうとした矢先、一台のトラックがやって来た。親切にも家へ招いてくれるというが…。

監督は本作が長編デビュー作となるグレッグ・マクリーン。2作目「マンイーター(2007)」が2012年4月14日より劇場公開。続編「Wolf Creek2」が製作段階に入っている。出演は「ピクニックatハンギングロック(1975)」の ジョン・ジャラット。

wolf2.jpgオーストラリアでは毎年30,000人の失踪届が提出され、90%は1カ月以内に発見されるが、残りは永遠に見つからないという。本作はバックパッカ―を狙った実際の誘拐事件を背景としている。

超ド定番の監禁・脱出ストーリー。逃げても見渡す限り続くのは広大な大地で人気(ひとけ)はなく、ハリウッド物よりもスケールは大きいのだが、ネタや小道具が少ない。流れや展開が読めてしまい、被害者も少なく呆気ない感じ。男1人+女2人という設定も恋の予感を匂わせておきながら、蛇足が多い。ゴア度は低くないのだが、どこか物足りなさが残る。

オーストラリアの雄大な大地を舞台としており、美しすぎる景色も楽しめるが、乾いた大地同様、殺伐としたエンディング。もしかしたら続編を見据えた結末なのかもしれないが、ちょっと尻つぼみ。

<鑑賞> 2012/4/15
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性の曼荼羅 <2001/印=独=仏=伊=スイス> ★★★

samsara.jpgSamsara
2001/140min/インド=ドイツ=フランス=イタリア=スイス
制作 : カール・バウムガルトナー
脚本 : パン・ナリン , ティム・ベイカー
監督/脚本:パン・ナリン
出演:ショーン・クー、クリスティ・チュン、ニールシャ・バヴォーラ、ラクパ・ツエリン
言語:チベット語、ヒンドゥ語
IMDb評価:7.5/10

邦題のセンス ★
哲学度 ★★
宗教度 ★★★
自然美 ★★
官能度 ★

2012年1月6日 レンタル開始

samsara2.jpgタシは5歳の頃から僧侶として仏教の道を歩んできたが、思春期に入り女性に興味を持ち始める。見かねた師匠はそんなタシをヒマラヤへ修行に出すが、結局は肉欲を抑えきれず、俗世に出ることを決意する…。

監督は、「花の谷-時空のエロス-」のパン・ナリン監督。インド出身の女流監督。10年も前の映画をなぜ今更ソフト化するのかは謎である。この邦題では興味を持ち借りてまで見ようとする人は少ないだろう。個人的な満足度はあまり高くはないが、この邦題は気の毒。記事を書くつもりはなかったが、センスのない邦題でレンタル開始されたことを気の毒に思い、急遽書くことにした。宗教関連を描く作品はなかなか日本で見られるチャンスがないことを考えると、興味のある人は観て損はないと思う。

samsara1.jpg修行の様子は興味深く、仏教への知識がある人なら一層楽しめるであろう。あまり詳しくない私は何を意味した儀式なのか所々わからなかったのが悔やまれると同時に、女性らしい感性が覗えるヌードや草むらでのセックスシーンが最も印象深いシーンになってしまっている。そのせいか、いい映画なのだが、どうも薄っぺらさを感じてしまった。カット割りの仕方がどうも好きになれず、安っぽく感じてしまった。

宗教と世俗(俗世)のジレンマがテーマであるが、葛藤といった心理描写が弱く、説得力にやや欠けている。葛藤を掘り下げて描いて欲しかったとは思う。英題samsaraとは“輪廻”の意。

邦題も日本のジャケットも性をウりにしたようなものになってしまっているが、実際にはヌードシーンが多いわけではない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/12/21

情報が一部間違っており修正しました。情報くださった方ありがとうございます。(2012/1/9)
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泥の鳥 <2002/バングラデシュ=仏> ★★★

今年最後の記事になります。来年もよろしくお願いします。よいお年を~

clay.jpg
Matir monia/The Clay Bird
2002/89min/バングラデシュ=フランス
ドラマ
監督/脚本:タレク・マスゥド(Tareque Masud)
出演:ヌルゥル・イスラム・バブルゥ、ラッセル・ファラズィ
受賞:2002年カンヌ国際映画祭批評家連盟
   2002年アカデミー賞 外国語映画賞部門 バングラデシュ代表作品
IMDb評価:7.4/10

民族度 ★★★★★
宗教度 ★★
社会度 ★
涙催度 ★

clay1.jpgバングラデシュが政情不安定な時期にあった1960年代。イスラム教の神学校マドラサに入学させられたアヌゥは厳しい寄宿生活に馴染めず、奮闘していた。家では、病弱なアヌゥの妹の治療に端を発した両親の溝が深まるばかり。一方で、緊張が高まっていた軍事政権と対抗勢力の間でついに衝突が起き、アヌゥたちも巻き込まれてしまう。@シネフィル・イマジカ

監督は、1957年生まれ、バングラデシュ出身のタレク・マスゥド。本作はバングラデシュ映画作品として初めてアカデミー賞外国語映画部門に出品され、バングラデシュを代表する監督の一人となった。が、新作「Kagojer Phool(紙の花)」撮影期間中の交通事故により他界された。妻であり仕事のパートナーであったキャサリン・マスゥドも重傷を負った。

インド映画が苦手なのでずっと手元にありながら躊躇していた、私にとって初のバングラ映画。ところが、作風はインド映画には程遠く、むしろイランのような素朴で子どもを中心とした作品。ネットには過去にシネフィルで放送された記録があるが、放送年月日は未定。

clay2.jpg髪を切り、親元を離れてイスラムの寄宿学校で学ぶ少年アヌゥの視点でストーリーは綴られていく。舞台は60年代後半の政情不安定な時期の東パキスタン、(西パキスタンからの)バングラデシュ独立戦争までを背景としている。監督自身の幼少時代体験に基づいて描かれた物語。

前半は妹の病気を中心に展開する。どんどん咳がひどくなるが、医者を信じていない父親のせいで病院へは連れて行ってあげられないことを母親は歯痒く思っている。それを知る近所の医師がシロップを持ってきてくれるが、父親は薬に頼ろうとせず、運命を神に委ねようとする。現実的な母親は夫への不信感を募らせ、夫婦の溝は深まる一方であった。宗教が原因で分裂する国もあれば、分裂する家族もある。独立運動という混沌とした時代の背景は、ごく普通の夫婦の分裂をも隠喩していたようにも取れる。

マドラサでの授業はどれもイスラム関連の内容であり、アラビア語の他にウドゥ語の授業もある。学校で使用する名前は本名をイスラム風の名前に変えさせられたり、学校の風景からも植民地の様相を呈している。混沌とした時代とはいえ、子どもが素朴で純粋なのには救われる。粉を挽いたり、川で洗濯したり家庭の素朴な日常生活も味わい深い。ストーリーが進むにつれ内戦は悪化し、そんな長閑な風景は一変。ついにこの村にも恐れていた軍隊が押し寄せ、銃声が鳴り響く。噂が噂を呼び、村人たちの不安は高まる中、愛国を救うために内戦に参加するために村を去る若者もいたり、残る者もいたり様々。

<鑑賞> 英語字幕 2011/11/28
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スリーピング ビューティー 禁断の悦び <2011/豪> ★★★☆

sleeping beautySleeping Beauty
2011/104min/オーストラリア
原作:川端康成の短編小説「眠れる美女」
製作:ジェーン・カンピオン
監督/脚本:ジュリア・リー(監督デビュー作)
出演:エミリー・ブラウニング、マイケル・ドーマン、ミラ・フォークス
IMDb評価:5.8/10

官能度 ★★
鬼才度 ★
社会度 ★★
哲学度 なし
邦題のセンス なし (“館”とか“仕事”ならわかるけど、“禁断の悦び”って何!?)

第64回(2011)カンヌ映画祭 コンペ部門出品
2011年11月5日(土) よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。


女子大生のルーシーは、カフェの店員や会社の事務、そして人体実験をし、学費を稼いでいる。更なる収入を求め、広告に載っていたバイトの面接を受けに行く。それは、禁断の館にて下着姿で食事を提供するウエイトレスの仕事であった。そして支配人に認められたルーシーは別の仕事を任せられることになる。薬を飲んで裸で一晩眠るだけでいいというが…。

sleeping beauty1女性監督として初のパルムドールを獲得したオーストラリアのジェーン・カンピオンが製作を務める。本作が監督デビュー作となるジュリア・リーは、オーストラリアの女流作家であり、既に2作品発表している。処女作「The Hunter」はDaniel Nettheim監督、ウィレム・デフォー主演により同名映画化されている。本作の主演は「エンジェル ウォーズ (原題:Sucker Punch) (2011)」のエミリー・ブラウニング。

主人公ルーシーはいたって普通の女子大生。日本人には愛着の湧くルックスで際立って美女なわけでもない。容姿のせいかウブに見え、世間知らずのようにも見えるが、おそらくそうではない。下着姿のウエイトレスすら違和感を覚える容姿だが、お金さえもらえれば何でもするといった割り切った表情を見せる。

そんな彼女が車で連れて来られた新しい職場は美術品や絵画に囲まれ、アート的だが怪しげな館。ジェーン・カンピオン製作に女流監督が務めただけあって、映像の隅々まで官能さが立ち込め、副題にある“禁断”という言葉がぴったり当てはまる。初めは下着姿でのウエイトレスであったが、目を疑うような禁断の世界が目の前に広がる。過激な衣装にはおそらく修正が入ることでしょう。ルーシーは禁断の世界に足を踏み入れれば踏み入れるほど表情が大人びていき、薬を飲まされ無防備でベッドに横たわる姿は驚くほど魅力的に映る。しかしながら、ルーシー本人はこの仕事に“禁断の悦び”を感じてはいない。それどころか、仕事内容は“薬を飲んで一晩ベッドで眠るだけでいい”という条件のみで、眠っている間に何が起こっているのかは教えてもらえていない。さすがのルーシーも疑問を抱くようになり、小説からは想像のつかない行動に出るのである。

sleeping beauty3川端康成の短編小説「眠れる美女」をモチーフにした本作は、老人の視点だった小説とは異なり、女子大生ルーシーの視点で描かれる。真っ白な下着姿で従事するウエイトレスの仕事を始め、人に見られる立場である。眠るだけでいい仕事を始めてから高層高級マンションに引っ越したルーシーだが、そこは全面ガラス張りの部屋で、見られる立場を効果的に演出している。反対に、禁断の館に通う男性たちは老いた肉体を見られることを嫌う男性、特異な性癖をこっそり楽しみたい男性といった、見られることを拒む男性たちである。

お金欲しさに状況がよくわからぬまま足を踏み入れてしまった禁断の世界。そこは人間の尽きない欲望を満たす空間である。時折ちらつく死は破滅を意味しているのか。センセーショナルな内容で惹きつかられるストーリー展開ではあるが、核となるメッセージが読み取れなかった。仕事内容に疑惑を持ち始め、追い込まれていく様の見せ方も弱く、ルーシーの心理も満足には描かれない。

<鑑賞> 2011/10/16
[サイト内タグ検索] ジェーン・カンピオン監督

(未) Dead Time (原題:Kala) <2007/インドネシア> ★★

kala.jpg
Kala
2007//インドネシア
犯罪、ファンタジー、スリラー
監督/脚本:Joko Anwar
出演:Fachry Albar、Ario Bayu and Fahrani
IMDb評価:6.9/10


ゴア度 ★
社会度 なし
哲学度 なし
衝撃度 なし


超簡単に。。。



kala1.jpg連続殺人事件が起こった。ある新聞記者は被害者の妻にインタビューを願い出るが断られてしまい、入院している病室の植木鉢にこっそり盗聴器をしかけた。貴重な証言が録音できたが、その矢先に新聞社をクビになってしまい、惜しくもテープは無駄になってしまう。ところが、友人にそのテープを聞かせたら、その友人が殺されてしまった…。

監督は、ジャーナリスト・映画評論家を経て映画監督に転身された方。デビュー作「Joni’s Promise(2005)」はその年の興行成績1位を記録し、本作が2作目とる。本作、次作「Forbidden Door(2009)」共に海外でも賞を撮っている。

インドネシアって国際的に有名な監督さんっているんでしょうかね?私が今まで興味を持たなかっただけで、おそらくいるんでしょうが、ぱっと思い浮かぶ人がおらず、何観ていいのかわからないので、まずは興行的成功を収めた本作を無難にチョイス。

kala2.jpgタイトル“Kala”とは“時間”という意味のようで、英題は“Dead Time”。事件の鍵を握ってしまった人が次々と殺されてしまうという話で、特に時間を絡めていくような展開は見せていない。
イエローフィルターがかかったような映像は雰囲気があって私好みなのだが、オムツのようなパンツ1丁で、白塗りの死神のような男が四つん場になって飛び跳ねる演出がイマイチ理解できず。汚職や暴力が蔓延る世界と歴史的因縁が複雑に絡み合っているようであり、図書館にある古い書物が事件を解く鍵となっている。
ミステリーとして観るには伏線も弱く、ホラーとしてもゴア度が低すぎる。ストーリーに意外性もなく、詰めの甘さが目立ってしまう結末。国際レベルには程遠いといった印象。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) The Black Ballon <2008/豪=UK> ★★★

ballon.jpg
The Black Balloon
2008/97min/オーストラリア=UK
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:Elissa Down(長編監督2作目)
出演:Rhys Wakefield、Luke Ford、Toni Collette、ジェマ・ワード
IMDb評価:7.3/10



社会度 ★★★
哲学度 ★★★
ユーモア度 ★★





ballon1.jpgモリソン一家4人ははニュー・サウス・ウェールズに引っ越してきた。父親は軍人で不在がち、母は妊娠中、兄チャーリーは自閉症。いつも家族の犠牲になっている16歳の弟トーマスの奮闘記である。

監督は本作が長編2作目となる女流監督。2作品ともジェマ・ワードを器用している。アメリカ映画進出前でもあり、モデルで見せる表情とも違い、まだあどけなさが残る透明感のある演技を見せている。

オーストラリアに住んでいた時、あまりの障害者の多さに驚いたことがあり、同僚に尋ねたことがある。とりわけ多いわけではなく、人々は理解がありバリアフリーもしっかりしている社会だから、家族も安心して積極的に外出させていると教えてもらった。一緒にいた中国人の同僚は中国ではあり得ないと言っていたが、残念ながら私も日本も理解は低いと感じている。
しかし、本作を観る限り、オーストラリアも日本と状況は変わらない。養護学校の先生以外は自閉症のチャーリーにどう接して言いのかわからない人もたくさんいる。障害者への理解がある人ばかりではないことがわかる。そんな世間から見た障害者の立場や、家族の犠牲になっている16歳トーマスの微妙な心境をピュアにかつユーモラスに描いている。

ballon2.jpg 自分のウンチで泥遊びを楽しんだチャーリーを洗ってあげるのもトーマス。素っ裸で家を飛び出し、近所の家へ上がり込んでしまった時に謝るのもトーマス。女の子のバッグを勝手にあさり、見つけたタンポンに大はしゃぎするチャーリーを恥ずかしく思うのもトーマス。自閉症の兄がいることは学校でも言えず、振り回される生活に悩み苦しむ姿が映し出される。ジャッキーという好きな女の子がいるのに兄のことを知られたくないあまり、なかなか近付けないでいた。

ところが、タンポン事件をきっかけにチャーリーはジャッキーと仲良くなってしまう。ジャッキーは障害者への理解者でもあった。不本意ではあるが、チャーリーのお陰でトーマスはジャッキーと付き合うことになった。良き理解者を見つけたことで、トーマスも一歩成長したように思う。改めて理解することの難しさや理解者を見つけることの大切さを考えさせられた。

何をしでかすか予測のつかない自閉症のチャーリーからは目が離せず、部屋や玄関の至る所に鍵がかかっている。それでもスキを見つけては外へ逃げ出してしまうチャーリー。タイトル“黒い風船”の由来は劇中述べられていないが、チャーリーは黒い帽子がお気に入りでいつもかぶっており、手を離した風船のごとく飛んでいってしまうことからこのタイトルが付けられたと解釈している。

<鑑賞> 2011/8/19
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Delhi Belly <2011/印> ★★

belly.jpg
Delhi Belly
2011/103min/インド
コメディー、犯罪
監督:Abhinay Deo
主演:Imran Khan, Vir Das, Kunal Roy Kapoor
言語:ヒンドゥー語、英語版もあり
IMDb評価:7.9/10



お下品度 ★★
ブラック度 ★★




belly1.jpg大好きなデンマーク人俳優キム・ボドゥニアを追っかけていたら、こんな遥々インド映画にまで…どうやらロシア人のダイヤモンド商人の役どころのようでした。普段はむしろ人を脅す役どころが多いが、本作ではインド人ギャングに脅迫を受け、尻尾巻いて逃げるあり様。出番はそれほど多くはないけど、オドオドしている意外な一面が見れ大満足。
インド映画のあの尋常でない長さと意味のわからない踊りが苦手でほとんど観ないんだけど、有り難いことに本作は国際標準的な100分という短さ、踊りは1回のみ。オリジナルは英語台詞らしいけど、私が観たのは出演者自身によるヒンドゥ語吹き替え字幕なし。たま~に英語の台詞があるものの、全体的な内容の解釈の助けになるはずもなく、くっだらないコメディーなので、軽~い気持ちで鑑賞。記事も軽~く。今観終わったばかりです。

belly2.jpgお食事中の方は要注意。汚いお話です。
タイトル“Delhi”はもちろんインドのデリー市、 “Belly”とはお腹の意。インドのデリーに来る外国人観光客がよくお腹を壊すことから、“腹を下す”といった意味合いで使われている。ほんとにスラングとして使われているのかは不明。

股間を掻いた手で取り分けてくれた屋台のチキンを食べ、腹を下すことからストーリは展開していく。トイレで用を足した後、お尻は拭かずに水で洗うのはイスラム教だけかと思っていたけど、インドもお水で洗うようです。蛇口を捻っても水が出てこなくて、パンツも下ろしたまま冷蔵庫へ。ミネラルウォーターが切れており、液体物はオレンジジュースだけ。仕方なく、それで洗わざるを得ないといった状況。糖分でベトベトだろうし、蟻が寄って来て気持ち悪そうだけど、スッキリした表情。タイトルにもなっているほどなので、トイレに纏わるブラックジョークが満載であった。私もお腹は弱く日常生活でもこんな感じなので妙に共感してしまった。

主人公3人が共同で住むのは安いぼろアパートで、ドリフのコントみたいだったり、オーバーな演技とテンポの早い展開のおかげで言葉がわからないのは気にならず楽しめた。かなり下品だという記事をたくさん読んだけど、韓国映画に比べたらかなりお上品です。お国柄でしょうか。トイレはかんなり不衛生。

暑さのせいか、ギャングがビーサンのようなサンダル履いているのは迫力減退。いろんなところで垣間見れるインドらしさにも楽しませてもらった。お尻に花火突っ込んでの脅迫だったり、宗教冒涜とも取れる行為はやり過ぎかとは思ったけど、くっだらないからどうでもいいか。。。

<鑑賞> 2011/10/2
[サイト内タグ検索] 日本未公開 キム・ボドゥニア

花を売る乙女 <1972/北朝鮮> ★★

flower.jpg
꽃파는 처녀/花を売る乙女/The Flower Girl
1972/125min/北朝鮮
ドラマ
出演:ホン・ヨンヒ、パク・ファソン、キム・リョンニン、リュ・フナム
IMDb評価:5.2/10

催涙度 ★★★
悲劇度 ★★★★
不愉快度 ★★★

日本で一番有名な北朝鮮映画と言うと本作でしょうか。DVD発売している。
主人公の少女は北朝鮮の1ウォン紙幣の裏面に描かれており、北朝鮮を代表する話である。初めてDVDになった作品でもあり、北朝鮮版「おしん」とも言われている。同名の歌劇は1973年に平壌の芸術団により日本公演も行われている。


背景は日本の植民地時代。父はすでに他界しており、母は地主の家で下女として働き、妹は不慮の事故で盲目になってしまった。長女のコップニは病気の母の薬代を稼ぐため道端に立ち、花を売っているが…。

両班に仕える下女の娘は下女となる運命。他には妓生(キーセン)になるぐらいしか道は残されていない当時の身分制度があまりにも残酷である。両班たちのせいで盲目になったにも関わらず、お咎めはない。コップニの人生は韓流ドラマにも勝るとも劣らないほどの不幸の連続。貧困がゆえの哀れな人生だとは思うが、最終的には強引に“日本の植民地支配への批判”という結論に導かれている。こういう内容を幼児の頃から見せつけて洗脳教育をしていることは言うまでもないが、海外で賞まで取ってしまっていることが何だか悔しい。

そもそも“花売り娘”の花とは女の隠語である。北朝鮮の地方に行くとカモフラージュに造花を売っている女性が多いと聞くが、その原点がこの話だったりして…
本作で登場する花は造花のようでした。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/1
[タグ未指定]

248. 愛おしきソナ <2009/韓=日> ★★★★

当ブログは制作国別に記事をカテゴリー分けしています。
本作は韓国制作ですが、内容により北朝鮮にカテゴライズしてます。
北朝鮮を描いたドキュメンタリー5本の記事を続けてアップしましたが、本作で最後にします。
8本観たけど、これ以上この国に触れていると頭おかしくなりそう。
心に余裕ができたら残りの記事アップするかも、しないかも。

sona.jpg
愛おしきソナ/Sona, the Other Myself
2009/82min/韓国=日本
ドキュメンタリー
監督/脚本/撮影:ヤン・ヨンヒ(梁 英姫)
IMDb評価:8.3/10

4月2日(土)よりポレポレ東中野、
4月23日(土)よりK's cinemaほか全国順次公開
公式ページはこちら

戦後の日本、メディアは北朝鮮は"地上の楽園"と讃えた。当時、在日朝鮮人に対する民族差別が酷く、就業っも困難であったことから、1959年から84年にかけて北朝鮮への"帰国事業"を行った。まだ見ぬ地へ希望を抱き、“地上の楽園”に渡った在日朝鮮人は9万人以上だという。社会主義国であり、一定水準の生活レベルと就業を約束し、当時はソ連の援助もあり、韓国や日本より裕福だと信じられていたが、現実はそう甘くはなかった。今もなお日朝間は国交が結ばれていないので、一度入国してしまうと、日本への再入国はほとんど不可能である。彼らは一体どんな生活を送っているのだろうか?

監督は、1970年代、韓国人両親の元、大阪で生まれた。6歳の時に、兄3人は帰国事業で北朝鮮へと渡った。幼かった監督と両親は大阪に残った。修学旅行で訪朝したことをきっかけに兄たちと連絡を取るようになり、10年以上平壌の生活を記録し続けてきた。前作「ディア・ピョンヤン」(未見)は兄3人を北朝鮮に送ってしまったことを後悔する朝鮮総連の幹部だった父と、監督との和解を主軸に描いているが、北朝鮮や拉致への批判を含んでいたため、以降入国を禁止されてしまっている。本作は前作で撮り溜めしておいた120時間の映像を再構成したものだという。姪のソナちゃんを中心したドキュメンタリーとなっている。

sona2.jpg本作の兄家族は平壌のマンションに住んでいる。住居地を自由に選択する権利がない北朝鮮において、平壌に住めるのは特権階級の模範家族だけである。しかし、それでも生活は苦しく、日本の両親からの仕送りをアテにしているという。1日2時間のみという水道制限、いつ停電になるかわからない電力事情。言動や思想の自由もない。

印象的だったのが、ソナちゃんが「カメラ止めて」と言ったことである。カメラを止めて監督である伯母に聞きたかったことは、アメリカのミュージカルのことであった。ここは、韓国のラジオを聴いただけで刑務所に入れられてしまう国。海外文化に触れることを禁止している北朝鮮で、そういった発言を映像に残すことが家族へも危険を及ぼすであろうことを子供でも知っているのである。

日本人からみると、かなりの不便を虐げられているように見えるが、家族は慎ましいながらも幸せそうで笑顔が絶えない。家族の絆が強いのである。韓国映画「クロッシング」でも、物質的豊かさだけを求めるのが必ずしも幸せだとは限らないことが描かれている。“地上の楽園”とまではいかなくても、“住めば都”なのだろう。電力不足と騒がれる今、不自由なく育った日本人も何が幸せなのか考える時なのかもしれない。

sona1.jpg監督は、もしあの時兄たちと北朝鮮に来ていたら…という思いでソナちゃんに自分を重ねて見てしまうという。金正日への忠誠を讃える歌を完璧に歌いこなすソナちゃん。お遊戯会のようなものを日本のテレビでもたまに見るが、完璧すぎて子供らしさがないとさえ思う。間違えたら刑罰があるから仕方ないことではあるが。
北朝鮮の進学は日本のような偏差値だけではなく、将軍様への忠誠心が大きく問われるという。日本のように自由に受験できるわけではなく、進学先も職種も政治的に教師たちによって決められてしまう。金日成総合大学という北での名門大学に合格したというソナちゃんは間違いなく、朝鮮総連の幹部で、模範的な朝鮮人だった祖父のDNAをしっかり受け継いでいる。
日本人からすれば、たかがミュージカルの話をするためにソナちゃんがカメラをストップさせたことを考えると、映像に収まっている発言も全てが本音ではないのだろう。家族を犠牲にしてまで本音をカメラに向かって話すわけがない。

日本と北朝鮮の両生活を経験している父親を持つソナちゃん。二つのアイデンティティーの狭間で大人になったらどんな価値観を持つのだろうか。ソナちゃんの話す言葉に朝鮮訛りがないのが少し気になった。

北朝鮮を描いたドキュメンタリーを8本続けて観たが、本作は明らかに異なった仕上がりになっている。唯一自由があり、選任ガイドなしで自由に歩き回ることが許されたのもヤン監督だけなのだろう。信ぴょう性があり、満足度は高い。家族に対しては温かい監督だが、北朝鮮に対しては終始批判的な眼差しなのがひしひしと伝わってくるのである。監督が入国禁止になるのも無理はない内容なのかもしれないが、もう観れないのかと思うと残念。

<鑑賞> 韓国版 2011/5/4
[タグ未指定]

(未) North Korea: A Day in the Life <2004/オランダ> ★★★

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本作はオランダ制作ですが、内容により北朝鮮にカテゴライズしてます。
このまま見続けると私まで洗脳されそう…。北朝鮮関連記事あと一つで止めます。

a day
Noord-Korea: Een dag uit het leven/North Korea: A Day in the Life
2004/50min/オランダ
ドキュメンタリー
監督:Pieter Fleury
言語:朝鮮語
IMDb評価:7.3/10


タイトルの通り、北朝鮮でのある一日を追うドキュメンタリー。
一般家庭の母親とその子供が対象となっている。
興味深いのが子供の教育であった。


母親は子供を幼稚園に連れて行く道中、アメリカを非難中傷する歌詞の歌を歌う。まだ意味もわからない歳だろうが、子どもにも同じように歌わせ、歌詞を頭に叩き込んでいる。幼稚園で先生は子供たちに絵を見せながら“金正日のヒーロー話”をしてくれる。内容は、ある寒い冬の日。金正日は長靴を履いていたが、長靴を持っていない友人を気遣い、家に戻り友人と同じようなスニーカーに履き替えた。なんと素晴らしいお方なのでしょう…という話。他のドキュメンタリーでもこの話を子供に読み聞かせていたのを観たことがあるが、北朝鮮では基礎教育なのかもしれない。本作に限らず、アメリカを中傷する発言をよく耳にするのも、やはり幼少時代から植え付けられているからだとわかる。

母親は洋裁工場で働いている。日本でいうラジオ体操を皆でやり士気を高め、金正日を讃える歌を聞きながら一日500着(全員で)という目標のコートを縫う。平壌でも日常的に停電が起こっていることはどのドキュメンタリーでも必ずでてくるが、ミシン掛けの最中に停電が起こり、仕事の手は一斉に止まる。おそらく彼女たちはミシン掛け以外に能力がないのだろう。他に仕事を見つけて手伝うようなことはせず、談話やゲームを始める女性たちもいる。一方、いつどのタイミングで停電が起こるかわからないため、マネージャーたちは停電による影響を回避するために自家発電の導入を検討し始める。日本の現状を考えると他人事でもないが、北朝鮮の場合、停電は慢性的なことで今更?と思ってしまう。効率の悪い従業員をしっかり教育させるほうが先決のような気がする。

ヒョンスンの放課後」と同様、特定の人物を追いかけ、彼ら、ないし家族のインタビューを含めているが、本作のほうが客観的である。外国人の視点で描かれているが、制作側のナレーションはなく、称賛もしなければ批判もしない。しかし、明らかに外国人が見ておかしいと思う実態ばかりが抽出されており、無言で批判しているとも取れる。検閲で通るための限界の落とし所なのだろう。しかし監督は本作以外、北朝鮮関連のドキュメンタリーを撮っていない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/8
[サイト内タグ検索] 日本未公開

ヒョンスンの放課後 (原題:A State of Mind) <2004/UK> ★

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本作はイギリス制作ですが、内容により北朝鮮にカテゴライズしてます。
あと数作品、北朝鮮関連記事が続く予定です。でも、ちょっと飽きてきた。

mind.jpgヒョンスンの放課後/A State of Mind/韓国:어떤 나라
2004/95min/UK
ドキュメンタリー
監督/脚本:ダニエル・ゴードン
音楽:バーナビー・テイラー
撮影:ニック・ベネット
編集:ピーター・ハッドン
言語:英語、朝鮮語
IMDb評価:7.8/10


北朝鮮と聞けば誰もが思い浮かべるマスゲーム。 金正日にご披露するためだけに練習を重ねている。ルーマニアのチャウシェスク政権やティトーのユーゴスラヴィアといった社会主義国によって行われていたものがマスゲームの先駆とされている。本作は2003年平壌で行われたマスゲームに参加した少女2人を追ったドキュメンタリーであり、日本では2006年に公開されている。


同じく北朝鮮を舞台にした前作「奇蹟のイレブン(2002年BBC製作)」で高評価を得、制作チームは外国人としては異例の無期限特別撮影許可を得ている。北朝鮮お墨付きの監督たちによる制作というのが最大のポイント。北朝鮮の本性をよく知り、報道基準をわきまえ、北朝鮮が海外に向けて何を発信したいのかがよ~くわかる作品に仕上がっている。イギリス人の視点ではなく、北朝鮮の立場に立ち、発信力のあるイギリスBBCが北朝鮮のために代弁しているだけの作品である。この作品を高く評価している人には事情を考慮した上で再評価していただきたい。

mind1.jpgマスゲームの練習風景は和気あいあいとし、同好会のような雰囲気。1人の些細なミスが全体の足を引っ張ると説明されているが、本番での些細なミスは抹消を意味すると聞いたことがある。そんな緊張感は一切見せようとしない。記念式典で披露する選抜メンバーに選ばれるかどうか、少女たちの不安な様子もあったが、選抜に関する映像もない。主題であるマスゲームの全貌のような内容を期待していたが、深く掘り下げることはなく、むしろ少女の生活環境に重きを置いている。
週末は家族みんなで金日成花、金正日花を見に展覧会へ足を運び、戦争博物館で戦争に触れ、金日成の誕生日は祝日で一年で最も重要とされ、地方へ家族旅行へ出かけ感謝の歌を歌う。金正日の誕生日、独立記念日は祝日で家族団欒。マスゲームでの披露は金一家への感謝の意だと言わんばかりに、どこへ行っても何をするにも金一家に関することばかりで、「ウリ アボジ(私たちのお父さん)」と呼んでいる。
この国では、市民が外国人と接することを禁じている。お墨付きの制作チームなので例外もあり得るかもしれないが、いずれにしても出演者は“政府によって選ばれた”模範的な家族であることは間違いないであろう。
“将軍様が理想とする平壌の家族像”というタイトルにしたほうがよかったように思う。

市民の生活を密着しているにも関わらず、彼女たちの背後に見える光景の多くは、ブロンズ像やご立派な施設で、「Welcome to North Korea」でオランダ人監督たちが案内された場所と同じであった。溢れる人たち、老人の姿もある。「Welcome~」撮影時と3~4年の差なのに、同じ国とは思えないほど活気に満ち溢れた街になっている。少女自宅の食卓には食べきれないほどのおかずが並び、果物は高級品とされているが、林檎を丸かじりなんて贅沢ぶりである。偽造ぶりには呆れるほどである。

しかし、マスゲームのレベルの高さだけは本物だろう。細切れにはなっているが、いろんなパターンのマスゲームが見れ、どれも圧巻である。数万人を動員し、金日成の誕生や朝鮮建国、反アメリカといった歴史をテーマにしており、通して見てみたいとさえ思わせる。

原題「A State of Mind」は“精神状態”や“心情”といった意。韓題「어떤 나라」は“ある国”。
同じ民族でありながら、第3者的な韓題が個人的にはツボ。
どちらも皮肉を込めた言い方に聞こえるが、邦題にはほんぼのとした印象を感じる。

<鑑賞> 2011/5/7
[タグ未指定]

(未) Welcome to North Korea <2001/オランダ> ★★★

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本作はオランダ制作ですが、内容により北朝鮮にカテゴライズしてます。
しばらく北朝鮮関連記事が続く予定です。

Noord-Korea/Welcome to North Korea
2001/50min/オランダ
ドキュメンタリー
監督:Raymond Feddema、Peter Tetteroo
言語:英語、韓国語
IMDb評価:7.8/10

オランダ人監督による北朝鮮ドキュメンタリー。厳格な監視の元、撮影を許可されたという。外国人観光客はガイドなしでは街を自由に歩き回れないということを聞いたことがあるが、外国人と話をすることも目を合わせることも禁じられているこの国では、“外国人と話しをすることが許されている”ガイドがご丁寧に案内してくれる。他の観光客と出くわさないように時間差でツアーが組まれているのか、38度線板門店以外で他の観光客の姿はない。

案内されるのは、35メートルもの金日成ブロンズ像、その他記念像、使用目的もなく建てられたように見えるご立派な施設、平壌唯一の図書館、大学での講義、学生の自習室、少女たちの踊りや歌のレッスン、記念式典で披露される少年たちの踊りの練習…
どこに行っても「金日成のご厚意のおかげで…」「金日成を讃えて…」という決まり文句で説明が始まり、全てが完璧で外国人観光客に見せしめるためだけに準備されている。ガイドも丸暗記した台詞しか言わない。粗相があれば罰せられるのであろう。

宿泊ホテルは45階建て2タワーだそうだが、宿泊客はたったの20人程度だろうという監督。ホテル内でも他の観光客とすれ違うことすらないと言う。
通行人のいない観光地、車窓から辛うじて見えた人々は同じ年齢層のみ、交通量のほとんどない交差点でエネルギッシュに手旗信号をする婦人警察、全てが不自然な光景である。年寄りや身体障害者は観光客が行かないような街の外に住まわされているか、外出禁止令が出ているのだろうと監督は示唆している。外国人の目に触れる人々は“選ばれた”人たちであり、庶民の日常は映らないように細工されているのである。

しかし、本作は単なる旅行記ではなく、離散家族の感動的な再会映像を挿入し、ドイツを引き合いに出していく。西洋的な見方でドイツと韓国・北朝鮮を比較し、南北統一の可能性について韓国側のインタビューも交えている。
「北と南の経済格差がなくならない限り統一はあり得ない」と韓国のある男性は語るが、離散家族のことを想うと胸が痛む。

本作の撮影は2001年である。1994年に金日成は亡くなり、長男の金正日が後継者となっていたが、未だに父 金日成を讃える声が大きい。10年後の今はどうなのだろうか。

<鑑賞> 2011/5/7
[サイト内タグ検索] 日本未公開

金正日花 <2009/米=韓=仏> ★★

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本作はアメリカ制作ですが、内容により北朝鮮にカテゴライズしてます。
しばらく北朝鮮関連記事が続く予定です。

kim_20110507144039.jpg
金正日花/キムジョンギリア 
2009/75min/アメリカ=韓国=フランス
ドキュメンタリー
監督:N・C・ハイキン
IMDb評価:7.0/10



世界が好景気に沸く90年代初頭、北朝鮮を深刻な食糧危機が襲った。そして神のいない国で神のように崇められていた“首領様”キム・イルソンの死と、後継者キム・ジョンイルの世襲劇。その裏では、北朝鮮の人々は飢えに苦しめられ、またある者は理由なき“政治犯”として収容所に送られ、強制労働に駆り出されていた。本作は脱北者へのインタビューを中心に、ニュース映像や、北朝鮮政府のプロパガンダ映像も盛り込み、謎に包まれた国の実態に迫るドキュメンタリーである。@goo映画



kim1.jpgタイトルになっている“金正日花”とは花の名前である。愛、正義、平和、知恵を意味し、ベゴニアの品種改良で金正日46歳の誕生日に日本から贈られたそうだ。真っ赤で鮮やかなこの花とは裏腹にこの国の実態は謎に包まれている。

本作は、北朝鮮からの脱北に成功し、現在第3カ国で暮らす人々へのインタビューを中心としたドキュメンタリーである。脱北前の生活環境、脱北を決意させたきっかけ、その時の心境、脱北方法、今思う北朝鮮…が脱北者の口から述べられる。「外国の曲を自由に弾きたい」という些細な自由を求めて脱北を決意した者もいる。

少しでも上の命令に背けばすぐに処刑。犯罪者がいる家族は、3代先まで犯罪者とみなし収監。中国へ脱北し、取り押さえられると16歳~40歳であれば身売りされ性の奴隷。理由もなく政治犯とみなされ収監。
彼らは幼い頃から公開処刑を見せられ、恐怖心を植え付けられてきた。言動や思想は制限され、国営放送では将軍様を讃える番組ばかり。配給だけでは生活はままならないのに、食事の度に将軍様に感謝。25億円もの海外援助金もエリート官僚たちに分け与えられ、末端庶民への恩恵はない。

国民自らが立ちあがり独裁者を倒さなければ未来はないと語る脱北者たち。
外部との接触を遮断されている地方に暮らす人々は今もなお将軍様に洗脳されている。“井の中の蛙”な彼らが北朝鮮や将軍様の実態に気付く時は来るのだろうか。

本作はアメリカ制作であり、アメリカ人向けであると私は思う。日本人なら誰でも知っているような実態しか述べられていない。本作のためと思われる女性の踊りが無意味に挿入され、説得力に欠ける。ある番組で未公開作品として紹介されたことをきっかけに日本でDVD発売、劇場公開されたが、この程度かとがっかりさせられた。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/6
[タグ未指定]

パパの木 (原題:The Tree) <2010/豪=仏=独=伊> ★★★

2013年6月公開予定。

tree4.jpg
The Tree
2010/100min/フランス=オーストラリア=ドイツ=イタリア
ドラマ
監督/脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ(長編2作目)
原作:ジュディ・パスコー処女作「パパの木」
出演:シャルロット・ゲンズブール、マートン・ソーカス
受賞:オーストラリア映画協会賞2010 作品賞、監督賞、脚色賞
映画祭:カンヌ映画祭2010 クロージング
ロケ地:オーストラリア クイーンズランド州Boonah
言語:英語
IMDb評価:6.7/10 

ジャン=ルイ・ベルトゥチェリ監督の娘であり、「トリコロール 青の愛」「ひとりぼっちの狩人たち L'Appât (1995)」等のアシスタントディレクターを経験し、「やさしい嘘」(未見)で長編デビューした女性監督。



私はオーストラリアに住んでいたことがありながら、オージーイングリッシュがわからないので、豪映画はほとんど観ない(観れない)が、本作はコテコテのオージーイングリッシュを話す人が出てこないので、幸い奇跡的にも最後まで観れた。
あ~こういう表現よく聞いたな~なんてオージー特有のスラングが使われ、コウモリ、カエルやカンガルーをごく自然に登場させる感じにオーストラリアらしさを感じた。
私は、カンガルーはもちろんだけどカエルとコウモリを生まれて初めて見たのもオーストラリアだった。森の入口に住んでいたことがあるので、夕方はコウモリが飛び回り、夜はカエルの鳴き声、通勤時にはカンガルーの群れなんかに遭遇していたので、すごく懐かしかった。

tree3.jpgオニール一家は、庭には大木がある所へ家ごと引っ越してきた。しかしある日、夫は運転中に心臓発作を起こし亡くなってしまう。走行中だった車は庭の大木へぶつかり止まった。一家の大黒柱を失い、残されたのは幼児から高校生までの4人の子供たちと母親。高校生の長男が一番現実を見据えており、亡き父の役目を果たそうとアルバイトを始める。母親は喪失感や精神的な疲れから、子供たちの世話どころか日常生活もままならない。唯一の女の子8歳のシモーヌは、庭にあり、父が亡くなる時にぶつかった大木に亡き父親の魂を感じるようになる。木に話しかけ、父親に甘えるかのようにそこで過ごす時間が増え始める。立ち直れない母を元気づけたく、木に父親の魂が宿るという秘密を母に打ち明ける。母も木で過ごすようになり、徐々に立ち直り始め、働き口を見つけてきたが…。

tree2.jpgようやく働き出した母。雇い主の男性との関係が親密になり、明るさを取り戻していく。しかしその一方で、庭の大木も成長し始める。枝を伸ばし、家全体を包み込むかのように根や枝を張り巡らす。そして、太い枝は折れてしまい、見事なまでに寝室を壊してしまう。妻の気持ちを読み取っているかのように反応を見せる大木の成長は、新しいカレとの仲を引き裂くかのようでもある。それは嫉妬なのか。お隣の奥さんが言うように、もはや木ではなく、タコのようでもあり、夫の執念とも取れる。

父の死を受け入れられないシモーネは、母が雇い主と仲良くすることを良く思っていない。8歳でありながら眼差しや言動は大人顔負け。女として再び花咲かせようとする母に賛成できず葛藤を生んでしまう。母へ抵抗し、木の上で生活を始める姿は亡き父の立場を守るかのようでもある。

tree1.jpg4人の母役を演じるゲンズブール。前作「アンチクライスト」とは全く違う雰囲気の主婦を演じているが、冒頭での家族の死と大木をシンボル的に使うという点は共通している。「アンチクライスト」で木での自慰行為がいまだ強烈に脳裏に焼き付いており、本作でも大木に関わるシーンになると問題とされていたシーンが頭をよぎってしまう。

結末に触れています。反転するとご覧になれます。
娘シモーネの抵抗が功を奏し、母は雇い主との関係を断ち切った。しかし、その矢先のハリケーン。大木は根こそぎ倒れてしまった。それは亡き父からの解放と自由を意味しているのだろう。全てのしがらみを断ち切り、再出発をきる母の顔は晴れ晴れとしていた。女性監督らしい繊細なタッチが好印象。

<鑑賞> 2011/4/16

初版:2011/4/18
[サイト内タグ検索] シャルロット・ゲンズブール

盲獣 <1969/日> ★★★★

mojyu1.jpg
Blind Beast
1969/85min
監督:増村保造
原作:江戸川乱歩
出演:緑魔子、船越英二、千石規子
IMDb評価:7.2/10

狂気度 ★★★
変態度 ★★★★★
官能度 ★★★
残虐度 ★★★(直接描写はない)

かなり私のツボにはまってしまった盲目の芸術家と新進モデルとの究極「キチガイ」マゾ映画。

目が見えない者にとって残された感覚は聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
人間って、何かを失うと他の何かが発達するとはいうけど、盲目の芸術家にとってのそれは触覚であった。絵画、映画といった目で楽しむ芸術は数多く存在するが、触って楽しめる芸術はないため、世の中で一番触り心地のいい女性の彫刻を世に広めたいという理念を持っている。女性の体が触れるからという理由でマッサージ師になった彼は、忘れられない女性の体をパーツごとに作成し、アトリエに並べている。全て触覚だけを頼りに作られたオブジェの完成度の高さは彼の触覚の鋭さでもある。特に乳首の表現力の高さには寒気がする。写真からおわかりいただけますでしょうか?
mojyu.jpg
電車の中で学生たちの噂話を耳にする。あるモデルの体がすばらしいという噂である。ぜひとも彫刻にしたいと考えた芸術家は母親の力を借りてモデルを拉致、そして、この異様なアトリエに監禁させてしまう。最初は抵抗するが、身体中を触られているうちに快楽を感じるようになっていくモデル。やがて、、、
mojyu2.jpg
出演者は3人のみである。個性の強さが良い具合に共鳴し合っている。船越英二さんはお名前だけは存じ上げているがお顔すら知らなかった。盲目の演技もさることながら、変態っぷりはお見事である。ネットリした触り方はほんとに気持ちが悪い。

行くとこまで行ってしまう究極のマゾ映画。間接描写なのに、エロさ、グロさはよく表現されている。
猛獣ではなく、盲獣というタイトルも素晴らしい。欧米では劇場公開、DVD発売もされるほど知名度が高い。

キム・ギヨンとかキム・ギドクに通ずる狂気。韓国映画でリメイクして欲しいなぁ。

<鑑賞> ギリシャ版DVD 英語字幕 2010/12/10
[タグ未指定]

地球で最後のふたり <2003/タイ=日=蘭=仏=シンガポール> ★★

tikyuu.jpg
Last Life in the Universe
2003/107min/タイ=日本=オランダ=フランス=シンガポール
監督/脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン
撮影:クリストファー・ドイル
出演:浅野忠信、シニター・ブンヤサック、ライラ・ブンヤサック、松重豊、竹内力
受賞:2003年ベネチア国際映画祭 コントロコレンテ部門 主演男優賞
IMDb評価:7.7/10

純愛度 ★
芸術度 ★★★
衝撃度 ★
感動度 ★★
社会度 なし

<あらすじ>
バンコクの日本文化交流センター働くでケンジは、病的なほどの潔癖症で、身の回りの全てを清潔に保ち、周囲との関わりを避けるようにして生きていた。そして、毎日のように自殺を試みようとするのだった。そんなケンジのもとに日本でトラブルを起こしたヤクザの兄・ユキオがやって来た。一方、外国人向けのクラブで働くノイは男のことで妹ニッドと激しくやり合う。興奮し車から飛び出したニッド。すぐそばには、川に身投げしようとするケンジの姿があった。その直後、ニッドは車にはねられてしまう。それを目撃したケンジは動揺するノイに付き添い病院に向かう…。

<レビュー>
タイ・バンサーンが舞台。自殺することばかり考えている主人公ケンジは神経質で潔癖症。無機質で整理整頓し過ぎた部屋で、社会との交わりを極端に拒む生活を送っている。あることがきっかけで出会ったタイ人女性は、片付けが苦手で部屋は荒れ放題で勝気な性格。全く正反対の二人だが、兄弟の死と孤独という共通点があった。どういうわけだか同居生活を始めることで二人の心が通じ合い、お互いの色に染まっていく過程を描いている。片言の英語と日本語で不器用ながらも歩み寄る姿に温か味は感じるが、盛り上がりもなく、長~く感じてしまった。劇中に登場する「さびしさの彼方を」という絵本に描かれている地球最後の一匹になってしまったヤモリの悲しみと比較させるかのように、ヤモリがちょろちょろしていたが、もう少しインパクトのある映像のほうが私は好きだ。
tikyuu1.jpgtikyuu2.jpgtikyuu3.jpg
タイが舞台なので、ゴミゴミしたような雑踏や暑苦しさを想像していたが、むしろ北欧映画のようなのんびりした時間の流れ方に拍子抜け。しかし、身を任せてみると、心地よくなってくる不思議な映像ではあった。現実離れしていて幻想的で夢なのか現実なのかわからないフワフワとした感覚は私には死後の世界にも見えた。死んだはずの妹や兄が幻想的に登場するのだが、何を意図しているのか読み取れなかった。ラストシーンもよくわからず。

私にとって初の浅野忠信作品であった。記者会見をたまたま見る程度で、ドラマも他の映画も観たことがない。物静かな役なので、演技のうまさは私にはよくわからなかった。ベネチアを皮切りにサンダンスなどでも彼の演技と作品が高く評価され、20カ国以上で上映されたとのこと。

<鑑賞> 英語字幕 2010/10/23
[タグ未指定]
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