カテゴリー  [ ・イギリス(UK) ]

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[タグ未指定]
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ティラノサウルス <2011/英> ★★★★

tyran.jpg
ティラノサウルス/Tyrannosaur
2011/92min/イギリス
ドラマ
監督/脚本:パディ・コンシダイン
出演:ピーター・ミュラン、オリヴィア・コールマン、エディ・マーサン
受賞:サンダンス映画祭外国映画部門監督賞
IMDb評価:7.6/10

暴力度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 ★
民族度 ★★★
社会度 ★★

第24回東京国際映画祭<WORLD CINEMA>部門出品作品。


tyran2.jpg妻に先立たれた中年のジョセフは近所の人たちともうまく行っておらず、唯一の友達は向かいに住み子どもだけである。酒に溺れ、賭け事に負けると犬に八つ当たりし、完全に荒れ切った生活。感情をコントロールできず、暴力衝動に走ってしまう。ビリヤード場で若者たちと揉め事になり、ある店に逃げ込み、オーナー女性ハンナと出会う。「あなたのためにお祈りしましょうか」と優しい言葉をかけてくれたハンナは信仰心が強く、自分とは違って高級住宅街に住まいを構えていた。自分とはまるで違う生き方の彼女を偽善者だと一度は突き放すが、実は彼女も人には言えない家庭の事情を抱えていた…。

監督は俳優のパディ・コンシダイン。監督デビュー作となる短編「Dog Altogether」に肉付けをし長編化した作品であり、長編監督デビュー作となる。主演はケン・ローチ監督作品でお馴染みのピーター・ミュランピーター・ミュランも実父をモデルとしたとんでもない映画(「Neds」)を撮っているが、本作のパディ・コンシダインも父親をモデルにしたという、衝撃作。この2人には、以前から何か共鳴する部分を感じていたが、やはり目指す物が同じだと実感した作品でもある。パディ・コンシダインにとっては「Dead Man's Shoes」に続く脚本2作目となるが、この人の脚本能力には目を見張るものがある。緻密に計算された人間ドラマは今後の活躍にも大注目したい。

tyran1.jpgタイトル“ティラノサウルス”とは、ジョセフの死んだ妻のニックネームである。体が大きく、歩く姿が似ていることから付けられたようだ。隣人たちの接し方や暮らしぶりを見ると、ジョセフはあまりいい人ではないようだ。唯一の良き理解者であったであろう妻に先立たれた代償は大きい。生活はより一層荒れていく。そんなジョセフに初めて温かく声をかけてくれたハンナ。一見何不自由なく見えるハンナは夫のDVに悩まされていた。まるで正反対に見えるジョセフとハンナの心の更生を描いた作品。

主要人物は中年男性ジョゼフとショップオーナーのハンナ、その夫ジェームスの3人。ハンナの私生活が徐々に明らかになっていくが、ジェームスのDVには舌を巻く。まさか寝たフリをするハンナにオシッコをかけるだなんて。ジェームス演じるエディ・マーサンは一癖も二癖もある役がほんとにうまい。ジョゼフ演じるピーター・ミュランの演技について今更言及することはないが、負けずとも劣らない存在感を見せているのがハンナ演じるオリヴィア・コールマンという女優。本作で出会えたのが大きな収穫でもあった。抑制された演出が3人の個性を引き出していて、徹底的にキャラクターを掘り下げていく。これでもかといわんばかりの負のスパイラルに終止符を打たれることはあるのか…。絶望のどん底で時折小さな希望を見せつつ、人生の難しさを教えてくれた。

脚本と演技力だけで見せていく労働者階級を描いた典型的なイギリス映画である。ケン・ローチよりマイク・リーに近い作風だと感じた。かなり私好みで、文句のつけようがない完成度だが、大好き!と胸を張って言えるような感覚でもなく、やり場のない思いがグサグサと刺さってきた。この作品を観た後、しばらく病んでしまって、私的には気が滅入った作品の上位に食い込む。濃すぎて、重すぎる本作、もう一度観る勇気もなく、恐れ多くてベストに入れられなかった。

<鑑賞> 2011/12/2


スポンサーサイト

SHAME-シェイム- <2011/英> ★★★★★

shame_20120130160705.jpgShame
2011/イギリス
監督/脚本:スティーブ・マックイーン
脚本:アビ・モーガン
撮影:ショーン・ボビット
出演:マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガン、ジェームズ・バッジ・デール、ニコール・バハーリー
受賞:2011年・第68回ベネチア国際映画祭 主演男優賞
IMDb評価:8.0/10

哲学度 ★★★
社会度 ★★★★
催涙度 ★★★
官能度 ★
宗教度 なし

劇場公開 2012年3月10日

ニューヨークの高級マンションに1人で暮らし、エリートサラリーマンとして働くブランドンは、何不自由ないように見えるが、人とのつながりを極端に拒み、セックス以外での付き合い方を知らないセックス中毒者である。そんなブランドンには妹シシーがいる。何度も電話がかかってきているが、いつも留守電でブランドンは一度も受話器を上げようとしない。そのシシーが突然部屋に転がり込んできてしまった。恋愛依存症で自殺癖のあるシシーのせいでブランドンの生活が脅かされ始め、事態は悪化していく…。

shame1.jpgマイケル・ファスベンダーを一気にスターダムにのし上げ、人気を不動のものにさせた前作「ハンガー」に続く新鋭スティーブ・マックイーン監督待望の2作目。前作同様ファスベンダーを主演においた、またもや衝撃作。ファスベンダーの作品はほとんど観たが、彼の能力を最大限に引き出せるのはマックイーン監督だと改めて思った。
台詞は絞られ多くを語らない。シンプルな映像ながらも、ディテールにもこだわりを感じさせる映像と張り詰めた緊張感は前作同様。マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガンも説得力のある演技を見せている。2人の代表作になることは間違いないだろう。
マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガンもオールヌードに挑んでおり、セックスシーンの回数も少なくはないが、全て必然的。監督がカットするのを拒んだのも納得である。日本公開版で入るといわれているモザイクは2人の下半身だろう。
「セックス・トラフィック(2004)」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 (2011)」の脚本家アビ・モーガン も脚本に携わっている。
shame2.jpgストレスなのか、焦燥なのか、ブランドンは目覚ましをかけているが、必ず鳴る前に目覚めている。きちんとした身なりで会社に出向くが、仕事中もPCでアダルトサイトを見てはトイレでマスターベーションをし、仕事後も部屋にコールガールを呼ぶといった性に満ちた生活ぶり。高級マンションはきれいに整頓されているが、クローゼットを開けるとアダルトグッツの山。一見すると几帳面で身なりが良い男性だが、私生活は“恥(シェイム)”に満ちているのである。

性生活で満たされた日常が充実していると錯覚しているブランドンの“恥”を徹底的に掘り下げ、浮かび上がってくるのは孤独である。生き方も性格もまるで違う兄妹だが、妹は恋愛依存症で、自殺癖があった。危うい2人が共にいても孤独感は深まるばかり。孤独を埋めるために何かに依存して満たそうとする経験は私にもある。セックス依存症に苦しみ、自身の存在意義を見出さそうとする男の苦悩を描いている。

夢を抱いて人々が訪れるニューヨーク。高層ビルが立ち並び、オシャレだが無機質な高級マンションに温もりはない。青やグレーを基調とした映像からも希薄な現代の人間関係を連想させる。セックス以外に人との接し方を知らない男の苦悩は息苦しく、胸が張りさける思いがした。

2人がどんな環境で育ったのか、どんな思いでニューヨークに出てきたのか、ほとんど語られないが、シンガーを目指しニューヨークへ出てきた妹シシ―がステージで歌う歌詞には2人の思いが収束していると思われる。理想通りうまくいかない現実をこの先どう受け止めるのか…人生の挫折といった面では共感性を持たせている。

<鑑賞> 2012/1/26

少年は残酷な弓を射る (原題:We Need to Talk About Kevin) <2011/英=米> ★★★★☆ 

kevin.jpgWe Need To Talk About Kevin
2010/123min/イギリス=アメリカ
ドラマ
製作総指揮:スティーブン・ソダーバーグ
製作総指揮/監督:リン・ラムジー
製作総指揮/出演:ティルダ・スウィントン
原作:ライオネル・シュライバーの同名小説
出演:エズラ・ミラー、ジョン・C・ライリー、シオバン・ファロン
IMDb評価:7.8/10

邦題のセンス 最悪
哲学度 ★★★
映像美 ★★
宗教度 なし

2012年6月公開予定

エヴァは大恋愛の末キャリアを捨てケヴィンを出産した。しかし、ケヴィンは一向に母親に懐こうとはしない。病院に連れていくが異常は見つからなかった。夫に相談しても、夫とケヴィンの関係は良好なため、エヴァの相談に耳を傾けてはくれない。ある年の誕生日、夫はケヴィンに弓をプレゼントすると、毎日のように庭で練習を始めた…。

kevin1.jpg監督は「モーヴァン」「ボクと空と麦畑」のリン・ラムジー。出演は「ナルニア国物語」のティルダ・スウィントン、「ダレン・シャン」のジョン・C・ライリー。

幼少期から冷やかな表情で可愛げがなく、どこか母を見下すような態度のケヴィンだが、大きくになるにつれ、行動はますますエスカレートする。子どものイタズラの領域を超えており、背筋が寒くなるような恐怖を生み出している。幼少期と青年期を2人の役者が演じ分けているが、この2人の演技がものすごい存在感を放つ。特に、青年期を演じたエズラ・ミラーは顔立ちも演技もキリアン・マーフィーを彷彿させ、注目度高し。(私はとっても苦手なお顔立ちですが)

ケヴィンは父親とはうまくいっており、夫はケヴィンの不可解な態度に気付いていない。エヴァが夫に相談しようとしても、思い過ごしだと取り合ってくれない。オリジナルタイトルは息子ケヴィンのことで悩み苦しみ、話し合って解決策を見出したい母の思いが込められているが、邦題はそんな母の切実な思いを一切無視している上、ネタバレとなっている。呆れた邦題には絶句。さらに、日本の某映画サイトでも思いっきり核心に触れている記事が書かれているため、ご注意いただきたい。“少年は残酷な弓を射る”という事実を知っていても十分楽しめるというのが関係者の主旨なのかもしれないが、知らないほうが絶対に楽しめると思うので、ここでは詳しく書きません。

kevin2.jpg舞台はアメリカ。アメリカならそう珍しくはない事件ではあるが、本作の意図は“事件”内容ではなく、その事件を通して“母”としての非は何かを省みるところにあり、罪悪感と母性の間で悩み苦しむ母親の視点で描かれる。
育児への不安や罪悪感、母としての責任。エヴァの答えの出ない葛藤がよく表現されており母としての難しさだけではなく、人との付き合い方や接し方なども考えさせてくれる。

独特な編集方法で、ケヴィン妊娠前からケヴィンが16歳の時に起こしたとある事件までと、その後という時間軸が入り乱れているが、全てのシーンがうまくリンクしていて混乱することなく進んでいく。何があったのかは最後まで観ないとわからないが、血を連想させるかのようにいろんなシーンで赤が印象的に使われ、“何かがあったこと”を終始匂わせる描き方をしている。とにかく観察力がずば抜けてており、久々に観た抜け目のない作品。重箱の隅をつつくように細かく、ねちっこい描写はエヴァの傷口に泥を塗るかのようで居た堪れない気持ちになる。

産んでしまったことへの罪を背負いながら生き抜こうとする母としての責任には感銘。たとえどんなことをしても我が子には変わりがない。

<鑑賞> 2011/12/09
[サイト内タグ検索] ティルダ・スウィントン

(未) Le Donk & Scor-zay-zee <2009/UK> ★★★

ledonk.jpg

Le Donk & Scor-zay-zee
2009/71min/UK
コメディー
監督/脚本/撮影:シェーン・メドウス
出演:パディ・コンシダイン、スコゼイジー、アークティック・モンキーズ
IMDb評価:6.4/10



敬愛なるシェーン・メドウスについてはこちらパディ・コンシダインについてはこちら






ledonk1.jpgLe Donkはミュージシャンで、アークティック・モンキーズのローディーもしている。友人で白人ラッパーScor-zay-zeeをアークティック・モンキーズのライブのオープニングに起用してもらおうとする奮闘記。

監督は、「This Is England」のシェーン・メドウズ監督。主演は、シェーン・メドウズ監督作品でお馴染みのパディ・コンシダイン。ロックバンド、アークティック・モンキーズは日本武道館でも来日公演を行っている。2006年「Leave Before the Lights Come On」のMVはパディー・コンシダインが主演を務めている。

予算繰りに困っていた時、アークティック・モンキーズからドキュメンタリー制作の話を持ち掛けられたことで完成したモキュメンタリー。低予算で5日で撮りあげたという。そもそも劇場公開の予定はなく、映画祭上映とDVDのみのはずだったが、エジンバラでのワールドプレミアで好評により本国でも急遽、劇場公開の運びとなった。

もともとはバンド出身のシェーン・メドウズ(ボーカル)とパディ・コンシダイン(ドラム)。メドウズ監督作品の音楽使いの良さは言うまでもないが、パディ・コンシダインはラップまで披露している。歌がうまいのは知っていたが、ファンとしては貴重な映像。

モキュメンタリーなので、ドキュメンタリーともフィクションとも違う味わいがあり、台詞回しが面白い。パディ・コンシダイン演じるLe Donkのキャラが良く、いちいちおかしい。この人、犯罪者系の役柄が多い気がするが、コメディアンとしての才能もあるようで、ますますファンになった。彼が歌うラップの歌詞まで真剣に聞き入ってしまった。パディ・コンシダイン、スコゼイジー、アークティック・モンキーズ好きな人は必見。

<鑑賞> 2011/11/13

オーファンズ -みなし子たちの夜- <1997/UK> ★★

orphans.jpg
Orphans
1997/101min/UK
コメディー、ドラマ
監督/脚本: ピーター・ミュラン
出演:ダグラス・ヘンシュオール、ゲイリー・ルイス、ローズマリー・スティーヴンソン、スティーヴン・マッコール
IMDb評価:7.0/10


ブラック度 ★★★★
哲学度 ★★★
社会度 ★★
民族度 ★★★
普遍度 ★★


スコットランド・グラスゴー。長男トーマス、次男マイケル、脳性マヒの妹シーラ、そして末っ子ジョンのそれぞれ成人した4人の兄弟は母の家に集まっていた。彼らの母親が死んだのだ。葬儀の準備を終えパブに繰り出す4人。そこでトーマスは母が好きな歌を歌い泣き崩れる。マイケルは、そんなトーマスを見て笑った客とケンカし腹を刺され、血だらけで街をさまよう。弟ジョンはマイケルに復讐を約束し、銃を探し回る。一方車イスのシーラは遺体の安置されている教会から締め出されてしまう。その夜、激しい嵐が街を襲う…。彼らは無事母の魂を見送ることができるのか。@allcinema

orphans1.jpgケン・ローチ監督作品「マイ・ネーム・イズ・ジョー」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞し、自身監督2作目「マグダレンの祈り」でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞しているピーター・ミュランの初監督作品。監督の出身地スコットランド・グラスゴーを舞台に、自身の体験を基にしている。

愛する母親を亡くした4人の子どもたちが、さまざまな騒動に巻き込まれる姿を描いた人間ドラマ。ピーター・ミュランの出演作からは想像もつかない、しかも今まで観たことのないパターンの悲喜劇である。個人的には好きなタイプの作品ではないが、こんな才能やセンスがあったことに驚き。

頑固で頭の固い長男トーマス、離婚したが2人の子どもがいる次男マイケル、脳性マヒで車椅子生活の長女シーラ、そして、心優しい三男ジョン。4人の子どもといっても皆成人しており、またキャラが濃い。
長男が死んだ母の好きな歌をパブで歌ったことを笑った男の客がいた。その男と次男が取っ組み合いの喧嘩になったことから物語は展開していく。喧嘩の相手への復讐に挑むのだが、全て空回り。必死にもがけばもがくほど、墓穴を掘ってしまい、笑いのネタになってしまう。ポスターに“今年一番のブラックコメディー”とあるが、かなりきついブラックになっている。日本で公開&VHS化されたことにも驚き。
最終的には家族愛を認識させるような結末に繋がっている点がせめてもの救い。

<鑑賞> 聞き取り度50% 2011/10/29
[サイト内タグ検索] ピーター・ミュラン

(未) Neds <2010/UK> ★★★

neds.jpg
Neds
2010/124min/英=仏=伊
ドラマ、犯罪
監督/脚本/出演:ピーター・ミュラン(長編監督3作目)
出演:Conor McCarron、Greg Forrest
IMDb評価:7.0/10

第24回(2011)ヨーロッパ映画賞 作品賞候補 全45作品についてはこちら


暴力度 ★★★
哲学度 ★★
民族性 ★★★
社会度 ★★




neds1.jpg1970年代のスコットランド、グラスゴー。労働者階級が住む地域である。学校ではケンカが絶えなかった。ジョンは成績優秀だが、アル中の父親と警察沙汰になる兄のせいで学校の先生にも目を付けられてしまう。次第に友人たちともうまくいかなくなり、喧嘩に巻き込まれ、自身の身を守るために、不良グループと付き合わざるを得なくなっていた…。

ケン・ローチ監督作品「マイ・ネーム・イズ・ジョー」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞し、自身監督2作目「マグダレンの祈り」でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞しているピーター・ミュランの監督3作目で最新作。デビュー作に続き、自身の体験を基にしている。実兄Lenny Mullanは「マグダレンの祈り」に引き続き、キャスティング・ディレクターを務めている。

日本で公開される、もしくは日本人好みのUK映画はおそらく上流階級物語が多いのかもしれないが、私の好みはむしろ労働者階級の作品。どの監督も“貧困”や“暴力”、“犯罪”といった観点で描いており、ストーリーにはさほど違いはないと改めて思った。
本作は「トレインスポッティング」ほど娯楽性も高くなく、ケンローチほど社会性が強いわけでもなく、おそらく日本でお目見えすることはないでしょう。シェーン・メドウス監督に近い作風だが、彼よりも冷徹で客観的に捉えている。ピーター・ミュランはパディ・コンシダインと並んで、UKの中で1番か2番目に好きな俳優。本作を観て、更にファンになった。

neds2.jpg父親からの暴力、不良たちの喧嘩、先生の対応などジョンを取り巻く環境の悪さがこれでもかというほど描かれる。序盤では、優等生で真面目だったジョンだが、そういったエピソードを経て、不良に落ちぶれていく様を丁寧に描いている。40%が監督の自伝だそうで、アル中の父親は自身の父親がモデルであり、自ら演じている。自伝的要素が高いだけあって、不良へのターニングポイントが明確に示され、説得力がある。

学校での鞭打ちの体罰には驚かされたが、これもスコットランドでは30年前まで行われていたとか。馬を調教する時使うようなムチである。先生による鞭打ちの体罰も痛々しいが、15歳前後の少年たちによる暴力も容赦なく描かれている。ピーター・ミュランが保護観察員を演じた「BOY A」へと繋がっていきそうなストーリー展開である。
NEDsとはNon Educated DelinquentSの略で、“教育を受けていない不良”という意味である。敷かれたレールを進むかのように落ちぶれていく少年たちの翻弄された運命に一向に出口は見えない。意見の分かれそうなエンディングに嫌悪感を覚える人が多そうだが、私はジョンの強い意志を感じ取った。抜け出す意思と勇気さえあれば、人間はいつでも方向転換できる可能性を持っている、と信じたい。

<鑑賞> 聞き取り度70% 2011/10/25
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ピーター・ミュラン

(未) Carla <2003/UK> ★★★☆

carla.jpgCarla
2003/93min/UK
ドラマ、スリラー
監督:ディアムイド・ローレンス(Diarmuid Lawrence)
出演:レスリー・シャープ、ヘレン・マックロリー、イアン・グレン、マイケル・ファスベンダー
IMDb評価:6.5/10

社会度 ★
衝撃度 ★★
哲学度 ★
暴力度 ★★
官能度 なし

carla1.jpgヘレンはギリシャの島のリゾート地で1人休暇を過ごしていた。同じく1人旅の女性カーラと親しくなり、部屋に招き入れ、残りの休暇を共に過ごすことにした。昼間はビーチで遊び、夜はダンスパーティーに出かけ、その場限りで男性たちと楽しんでいた。ある日、2人の年下男性といい仲になり、部屋に連れ込むが、ヘレンとカーラが同じ男性を選んでしまったことから悲劇が起こってしまう…。

本作はUKのテレビ映画のため、一般的な認知度は低く、お目当てのファンが出演していない限り目に触れることはないであろう作品。とはいえ、UK映画を意識して観ている私にとってはかなり豪華な主演者。主演はマイク・リー・監督でお馴染みのレスリー・シャープ、ハリー・ポッターシリーズのヘレン・マックロリー、そして私の大好きなマイケル・ファスベンダー。有名になる前の出演だが、出番は少なくない。

Carla3.jpg同じ男性に興味を持ってしまったヘレンとカーラは言い争いになり、喧嘩になる。酔っていたヘレンが目を覚ますと、隣に頭から血を流すカーラが横たわっており、既に息を引き取っていた。曖昧な記憶を探ろうとするが、あまり覚えていない。だが、手には血のついた石を握りしめており、自分が殴り殺してしまったと確信したヘレンは恐怖のあまりその場を後にする。直後運よく自動車が通り、ひき逃げ事故として処理され、ヘレンや男性2人はイギリスへ帰国するのであった。
しかし、安心したのは束の間。真相を知る者がおり、ヘレンは脅迫電話に悩まされることとなる。精神が崩壊していく様はマイク・リー監督に鍛えられただけあると思わせる見事な演技力。
死後、次第に明らかになるカーラの過去。知れば知るほど良心の呵責に悩まされるヘレン。そんな彼女を支えていたのは事件の真相を知らず、そして死後初めて会ったカーラの夫であった。皮肉にもベッドで夜を共にしていると夜な夜な現れるカーラの亡霊。自分を呪うために現れているのだと早とちりするヘレンであったが、実は他に伝えようとしていたのである。予想外の展開を見せ、事件は思わぬ結末で収束を迎えるのであった。
サスペンスとしても見応えがあるが、決して多くはない出演者の心理をうまく描いた緻密な脚本だったと思う。

<鑑賞> 理解度70% 2011/9/27

(未) Pusher <2010/UK> ★★★

pusher2-1.jpg
Pusher
2010/107min/UK
犯罪
監督/脚本/出演:Assad Raja
脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:Mahima Chaudhry、Marc Anwar、パーシャ・ボカリー
言語:ヒンドゥ語、英語
IMDb評価:6.8/10

スリル度 ★★★
ゴア度 ★★★
衝撃度 ★★
社会度 ★★




デンマークのニコラス・ウィンディング・レフン監督デビュー作「プッシャー」のリメイク版。
本作では舞台をコペンハーゲンからロンドンに移し、核となる登場人物はインド人でヒンドゥ語で演じている。キャラクター名をインド人の名前に変えたり、BGMがインド音楽になった程度のマイナーチェンジと終盤以外は、英語字幕の台詞や立ち位置に至るまでオリジナルとほとんど同じであるが、オリジナルとは少々違う印象を受ける。

バー、部屋、刑務所、ナイトクラブといったフランク(オリジナルの主人公)の行く場所は全て狭く、小汚く、薄暗い。いかにも裏社会といった雰囲気で、一般に生活していたらおそらく関わることがないような場所であった。本作での主人公もフランクと同じ行動パターンであるが、無駄に広い部屋のスペース、バーにあるビリヤード台、明るい照明、窓から入る日差しなどの存在だけで緊迫感は緩み、裏社会を覗いているような印象がなくなる。

オリジナルと大きく違う点は終盤で父親のエピソードが挿入され、母親と疎遠になった理由等々が述べられている点である。個人的には犯罪映画に家族のエピソードは余分だと思っているが、それはインドらしいユーモアなのだろうか。主人公に抱く感情が180度変わり、情に涙させられそうになった。とことんオリジナルのフランクがかわいそうに思えてくる。
ところがエンディングは、オリジナルのように余韻に浸らせたか、本作のように描き切ってしまったかの違いで同じ結末を迎えている。不思議と途中の家族のエピソードの有無で主人公に向ける思いも異なってくる。

あまりにもインパクトがありすぎるオリジナルの主人公フランクとそのボスであるミロの迫力を越えられるわけもなく、やはり見劣りしてしまう。貫録不足といったところだろうか。ドラッグの試し方も素人っぽい。オリジナルを見ていなければ楽しめたかもしれないが、リメイクって難しいよね。
pusher2-3.jpgpusher2-2.jpg

<鑑賞>英語字幕 2011/9/10

(未) Bronson <2008/UK> ★★★

独房生活30年!壮絶な人生を送ったクレイジーな囚人の実録映画 - シネマトゥデイ


bronson.jpg
Bronson
2008/92min/UK
伝記、犯罪
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン(監督7作目)
出演:トム・ハーディ、ケリー・アダムス
IMDb評価:6.8/10


ゴア度 ★
映像美 ★★★
社会度 なし
哲学度 なし





bronson1.jpg34年間の刑務所生活のうち30年を独房で過ごし、今もなお服役中であるイギリスで最も凶暴な囚人“チャールズ・ブロンソン”ことマイケル・ピーターソンを題材にした作品。アメリカの俳優からついたあだ名だそうだ。
前半ではチャールズ自身が他人にどう思ってほしいか、中盤では一時刑務所から出所した時に感じた社会に対しての想像と現実のギャップ、終盤では周囲の目に映るチャールズの姿が描かれている。



bronson4.jpg監督はライアン・ゴズリング主演の「Drive」でカンヌ映画祭にて監督賞を取ったデンマークのニコラス・ウィンディング・レフン監督。日本では2作品しかソフト化していないのは残念。犯罪映画を描かせたらこの監督以上の人はいないと思っているほど一押し。この方の作品に女性はほとんど登場せず、メインストーリーにも絡んでこない。そして、主演のキャラクターは驚くほど魅力的に引き出され、すごい存在感を放つ。本作でのトム・ハーディもカメレオン的な演技でかなりぶっ飛んでる。一気にファンになってしまった。全裸で挑んだ度胸もすごい。
本音はマッツ・ミケルセンかキム・ボドゥニア器用でデンマーク映画として作って欲しかったが、監督はもはやもう国内に留まる存在ではなくなってしまったね。「Drive」に引き続き「Only God Forgives」でもライアン・ゴズリングを主演に迎えている。

bronson2.jpgイギリスで最も凶暴だという“チャールズ・ブロンソン”は人殺しはしていない。喧嘩っ早く、すぐに暴れ回り、その度に独房にぶち込まれることの繰り返し。その暴力シーンが最大の見せ場になっている。看守が4,5人いないと抑え込めないほど、猛獣のように暴れまくり、時には睡眠薬をお尻に注射されたりもする。殴る音は80年代のポップスやクラシック音楽でかき消され、ゴア度が低めなのは好印象。女性でも観やすい作りになっている。そして、映像がとてもユニーク。シンメトリー的な構図、スローモーション、色使いなどがシーンごとに違い、目で楽しめる。どこか浮世離れし、芸術性を意識した映像には独特な世界観が広がる。
bronson3.jpg
可愛らしいアニメーションの挿入も極悪囚人キャラクターとのギャップがあって面白いが、一番すごいと思ったのが、自身の人生を1人舞台で観客に独白するシーン。真っ暗な舞台に自分にだけスポットライトが当てられ、観客誰しもが注目を寄せ、演技に自信がないと成り立たない難しいシーンであるが、顔の筋肉が自由自在に動き、どんな表情も可能。表情一つで全ての感情を表現している。女性役もこなし、しなやかな動きまで披露している。この人にできない役はないことを証明しているようなもの。もう怖いものなしってオーラがでてる。イギリスアクセントが強くて、半分程度しか内容が把握できなかったのが残念ではあるが、この1人舞台演技を見れただけで満足。

<鑑賞>2011/9/8

(未) The Scouting Book for Boys <2009/UK> ★★★★

scouting.jpg
The Scouting Book for Boys
2009/93min/UK
ドラマ、スリラー
監督:Tom Harper(監督デビュー作)
脚本:Jack Thorne
出演:トーマス・ターグースホリデイ・グレインジャー(Holliday Grainger)、レイフ・スポール(Rafe Spall)、スーザン・リンチ(Susan Lynch)
IMDb評価:6.7/10


衝撃度 ★★★
映像美 ★★
嫌悪感 ★★




scouting1.jpgキャラバンに住むデビッドとエミリーは幼馴染で仲の良い兄妹のような関係。ある日、エミリーは離婚している父親と住むためにこの地を離れることになってしまった。ここを離れたくないエミリーは海岸の洞窟に身を隠すことを思いつき、デビッドも手を貸すことになるが、事態は思わぬ方向へ…。

2006年にBAFTA映画賞の短編部門で大賞受賞以降、主にTVドラマで経験を積んだ方で本作が監督デビュー作になる。俳優のトム・ハーパーとは異なる。主役は私のお気に入りの「This is England」のトーマス・ターグース。デビッド演じるトーマス・ターグースも、エミリー演じるホリデイ・グレインジャーも童顔で設定年齢より実年齢が上なので、難しい年頃を熱演。本作の監督、脚本コンビはドラマ版「This is England'86」にも参加されている。

scouting2.jpg幼馴染の2人は恋人に間違いられるほどいつも一緒にいる。エミリーは平気でデビッドの前で下着姿にはなるし、異性として意識していないのに対し、デビッドはエミリーに恋心を寄せ始めている。前半は10代の性の目覚めを描いているようなよくある青春映画のようなストーリー展開だが、中盤から問題が絡み合い全く予想のつかない展開になっていく。

この地を離れたくないエミリーが思い付いたことは、人目の付かない洞窟に身を隠すこと。物事の是非がまだわからない子どもの衝動的な行動って時にはとんでもないことがある。

両親は2日間戻ってこない娘を心配して、警察へ捜索願を提出し、いつもつるんでいるデビッドは必然と詳しい情報提供を求められる。その上、地元テレビまで失踪事件を嗅ぎつけ、デビッドはテレビにも出演する羽目になる。洞窟に雲隠れしているエミリーは事の重大さに気付くわけもなく、ワガママ言い邦題。デビッドだって状況がヤバくなっていくのはわかってはいるが、エミリーのそばにいたい一心で、着替えや食糧をせっせと運び、海で釣りをしたり至れり尽くせり。しかし、エミリーはデビッドにも秘密にしていたことがあり、知ったデビッドは動揺を隠せない。

一向に解決の目処が立たないことに腹を立てた母親の警察への暴行、町中に貼られた失踪写真、町をあげての捜索活動。もう一歩も後に引けない状況で、板挟みになっている苦しい立場のデビッドの心境が謎に満ちていて、心拍数も高まる展開になっていく。理解に苦しむ結末ではあったが、10代の衝動や不安がよく描かれている作品だった。

結末に触れています。
エミリーは母親の恋人の子どもを妊娠していた。その事実を知ったデビッドはエミリーの足を岩でつぶしてしまう。おそらくエミリーに裏切られたと思ったのであろう。自分の過ちに気付いた時にはエミリーは死んでおり、死体は海へと沈めてしまった。さすがに嫌悪感の残る結末だが、10代の衝動的な行動として解釈。

<鑑賞> エミリーの訛りがひどくて聞き取り50% 2011/8/8

(未) Jane Eyre <2011/UK> ★★

jane.jpg
Jane Eyre
2010/120min/UK=アメリカ
ドラマ
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ「闇の列車、光の旅(2009)」
原作:シャーロット・ブロンテ(Charlotte Bronte )
脚本:モイラ・ブッフィーニ(Moira Buffini)
出演:ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダーホリデイ・グレインジャーサリー・ホーキンスクレイグ・ロバーツ
IMDb評価:7.7/10








Jane1.jpg主人公ジェーン・エアは孤児となり、叔母のリード夫人とその子供達から虐待されて育つ。ある日ジェーンは教育施設ローウッドに送られ、そこで優しいテンプル先生やヘレン・バーンズと出会う。ヘレンを通して初めて忍耐と信仰心を知ったが、そのヘレンは学校内の伝染病にかかり死亡する。
生徒として6年間、教師として2年間ローウッドで過ごした後、ジェーンはソーンフィールド邸で家庭教師として雇われる。そこの当主・ロチェスターに結婚を申し込まれるが、結婚式の際に狂人の妻の存在が判明し、衝撃を受けたジェーンは一人黙ってソーンフィールドを出る。路頭に迷い、行き倒れになりかけたところを牧師セント・ジョンに助けられ、その家へ身を寄せることになる。しばらくしてジョンがジェーンの従兄であることが判明する。1年ほどそこで過ごすが、セント・ジョンに妻としてインドへ同行することを求められ、ジェーンの心は揺れ動く。しかし、ジョンの求婚を受けようとしたときに、ジェーンはロチェスターの自分を呼ぶ声を聞き、家を出た。
その後ロチェスターのもとを訪ね、ジェーンは昨秋の火事でロチェスター夫人が亡くなり、ロチェスター自身も片腕を失った上盲目になったことを知る。ロチェスターと結婚することを自ら誓ったジェーンはそのもとを離れず、二人は静かに結婚式を挙げた。@Wikipedia

jane2.jpg本を読むのが大嫌いなのが原因だとは思うが、私は文学映画や古典劇が大の苦手。「ジェーン・エア」ももちろん読んだことはないが、おおまかなストーリーぐらいは知っている。このあまりにも有名で、何度も映画されている話をフクナガ監督がどう描くかだけに興味があって鑑賞。前作「闇の列車、光の旅(2009)」のような独自性で、古典の枠を破ってくれそうな淡い期待を寄せていた。

決して美人ではなかったといわれているジェーン役がいい。このミア・ワシコウスカという女優さん、いつ見ても幸が薄い感じであか抜けなくて、田舎臭いってず~っと思っていたので、この地味な風貌は私が抱く役柄のイメージにぴったり。のどかな田園風景や衣装、美術品も雰囲気があってすごくいい。退屈になりがちな古典劇だが、テンポのある展開もいい。
しかしながら、あまりにも原作通りの直球ストレートな展開で先が読めてしまう。当時の社会常識から逸脱する女性の生き方を主軸にした作品だが、もっとヒネリを加えて現代風にしたらよかったように思う。古典劇を忠実に再現したといえばそれまでだが、独自性はおろか、リメイクする意味もわからない。脚色を控えていても決して退屈する作品ではないが、私の趣向には合わず。

<鑑賞> 2011/8/6

バイオレンス・レイク (原題:Eden Lake) <2008/UK> ★★★

eden_20110802121119.jpg
Eden Lake
2008/91min/UK
ホラー、スリラー
監督/脚本:ジェームズ・ワトキンス(James Watkins)(監督デビュー作)
出演:ケリー・ライリー、マイケル・ファスベンダー、フィン・アトキンス、トーマス・ターグース
IMDb評価:6.9/10

ゴア度 ★★★★★
恐怖度 ★★★★★
嫌悪感 ★★★★★
邦題のセンス ★★

日本国内にてDVD発売してます。


eden1_20110802121119.jpgロマンティックな週末を森に囲まれた湖畔で過ごすジェニーとスティーブ。スティーブはジェニーにプロポーズをするつもりだった。湖畔にテントを張り、2人きりで過ごそうと思っていたが、近くに地元の不良たちが騒いでおり、プロポーズしたくてもなかなか言い出せない。ステレオの音を少し小さくして欲しいとお願いしに行ったところ、その一言が癇に障ったようで言い争いになってしまい、スティーブは少年たちの犬を殺してしまった。翌朝目を覚ますと、森に止めていた車が消えており、彼らの悪質なイタズラはエスカレートしていく。

プロポーズしたい相手を目の前に、正義感が働き過ぎてしまうスティーブ。ただただみっともない姿を見せたくなく、不良たちに果敢に挑んでいくが、イタズラはどんどんエスカレートし、2人では手に負えずカップルは森の中を逃げ回る羽目になる。相手は土地勘のある地元少年たち。逃げようにも常に先を越され、結局スティーブは捕まってしまう。それはゲームの序章に過ぎず、ここからゲームが始まるのであった…。

監督は脚本家出身であり、「ディセント2」を担当している。本作がデビュー作である。「This is England」で惚れ込んでしまったトーマス・ターグースが不良グループの一員を演じている。

eden2_20110802121119.jpgこれはほんとに怖い。怖いのは、不良たちは正気ではなく、常識が全く通用しないということだけだはなく、集団心理が最悪な方向へ働いていること。リーダー格の少年が全てを牛耳っており、何となく悪いことをしていることに気が付いている少年もいるが、みんなやってるからいいかといった思いや仲間外れにされたくない気持ちから、ついつい加担してしまっている。その集団心理を利用し、不良たちは殺人ゲームを始めるのであった。

スティーブを縛りつけ、リーダーの命令で1人1人がナイフでいろんなところを刺していく。女の子は一部始終を動画で撮る始末。すごいグロテスクで、冒している彼らでさえ直視できない。私だって何度目を背けたかわからない。そして、救いようのない結末で、気分は最悪。後味の悪さは今まで観た映画の中で最悪かもしれない。看板などの文字が反転しているのが気になったが、秩序の欠如を言わんとしていていたのなら、この結末にも頷ける。少々やり過ぎかとは思うが、緊張感の高さとスピード感は評価したい。決して緩めることなく、いろんな出来事が怒涛のように押し寄せ、かなり面白かった。

<鑑賞> 2011/4/3

サブマリン <2010/UK> ★★★

submarine.jpg
Submarine
2010/97min/UK
コメディ、青春
製作総指揮/出演:ベン・スティラー
監督/脚本:リチャード・アヨエイド(Richard Ayoade)(長編映画デビュー)
原作:ジョー・ダンソーン(Joe Dunthorne) 同名小説
音楽:アークティックモンキーズのアレックス・ターナー
出演:クレイグ・ロバーツノア・テイラーパディ・コンシダインサリー・ホーキンス、ヤスミン・ペイジ
IMDb評価:7.5/10


ブラック度 なし
爽快度 ★★★
映像美 ★★



16歳の誕生日までに彼女を作って童貞を喪失したいと夢見るオリバー。密かにお目当ての子もいる。しかし、それ以外にも悩み事がある。それは、両親が7か月もセックスをしていないということ。お母さんの前に現れた隣人のせいで、父親との関係は遠のくばかり。夫婦仲も無事戻り、童貞喪失できるのだろうか…。

小説のようにプロローグ、パート1、パート2、エピローグといった風に展開する。パート1は自身の恋愛事情について、パート2は両親や隣人などの大人の恋愛事情について。監督は、ミュージックビデオの監督でもありコメディアンでもあるので、かなりのユーモアのセンスを織り込み、ミュージックビデオ同様の独自な世界観を出している。音楽の使い方も見事。15歳の目線で、かなりのテンポの早さで面白おかしく描いている。製作はあのベン・スティラー。父親役にノア・テイラー、隣人役に私の大好きなパディ・コンシダインといった個性派が脇を固め、オリバーが心を寄せる女の子を演じるヤスミン・ペイジという女優さんもなかなかのキャラ。主役のCraig Roberts君は、「闇の列車、光の旅」のケイリー・フクナガ監督の新作「Jane Eyre」にも出演しており、人気がでそうな予感。

submarine1.jpgオリバーの身の周りで起こっていることってごくごく普通のこと。でもオリバーにとっては初めての経験ばかりでどれも一大事。両親の行動をチェックしてノートにつけたりと、オリバーの特技は観察力と分析。自身のデーターを基に、母の浮気を阻止すべく奮闘したり、両親の夫婦生活がうまく行くように灯りを調節したりと、彼なりに頑張ってはみるもの、なんだかいつも空回り。でも、こういう歯痒い経験って思春期には誰でもあったはず。そんな誰にでもある苦い思い出を笑い飛ばしてくれる爽快さはやはりコメディー出身の監督さんらしい。深い洞察力には驚かされる。

それに、オリバーの頭の中はいつも妄想でいっぱい。
自分が死んだらどういう葬儀になるか?あの子と付き合えたらどうなる?初夜はこうしようかな?両親が離婚したら自分はどうなる?考える暇なくテンポよく進んでしまうので、結局のところ、身の周りで起こっている出来事が妄想なのか現実なのかすごく曖昧。でもそんなのどうでもいい。いろんな出来事を通して、彼自身に成長が見られ、少しづつ大きくなっていくのがわかる。夢と愛が詰まっているこういう映画もたまにはいいよね。

<鑑賞> 字幕なし 理解度70% 2011/8/1

ゲストハウス狂騒曲 <1999/UK> ☆

guest.jpg
ゲストハウス狂騒曲/GUEST HOUSE PARADISO
コメディー、スリラー
1999/86min/UK
監督/脚本/出演:エイドリアン・エドモンドソン
出演:リック・メイヨール、ヴァンサン・カッセル、エレーヌ・マユー
IMDb評価:5.5/10

ブラック度 ★★★★★
お下劣度 ★★★★★


二度と観ない様に備忘録として。



guest2.jpgリチャードとエディはイギリス一最悪なホテルを経営している。原子力発電所のすぐ隣に立地している上、コック長はアル中の不法滞在外国人。更に、お客が嫌がることをするという悪趣味。お客は当然何も知らずに来るが、すぐに逃げ出してしまう。悪評は広まり、しばらくお客は来ていなかった。ところが、イタリアの人気女優が結婚が嫌で逃げ出し、このホテルへやって来た。さらに家族連れまで宿泊に来た…。

イギリスのコメディアン、エイドリアン・エドモンドソンとリック・メイヨールが手掛けたノンストップお下劣ブラックコメディー。ヴァンサン・カッセル見たさに鑑賞したが、こんなお下劣な最悪コメディーは初めて。経歴に傷がつくからこういうのには出演して欲しくない。

guest1.jpgあんまり褒めたくはないが、2人のおバカコンビが繰り広げる悪行のネタはかなり豊富で中盤まではかなり笑える。嘔吐を吹き散らかすシーンは直視できないけど。

隣接してる原発がストーリーに絡んでこなかったのがせめてもの救い。観た次の日に地震が起きて、今の原発ニュースを見る度に本作を思い出してしまう。

<鑑賞> 2011/3/10
[サイト内タグ検索] ヴァンサン・カッセル

(備忘録)アリスクリードの失踪 <2009/UK> ★★★☆

The Disappearance of Alice Creed
2009/96min/UK
犯罪、ドラマ、スリラー
監督/脚本:J・ブレイクソン(長編デビュー作)
出演:ジェマ・アータートン、マーティン・コムストン、エディ・マーサン
IMDb評価:6.8/10

半年も記事書きかけでいたら、日本公開が決定していて…
結構面白かったけど、ただ面白いだけのはあまり好みではないので備忘録程度に。
「ディセント2」の脚本を経て、本作が長編監督デビュー作。次作はハリウッド映画というのが個人的には残念。

2人の男性が工具やら買ってベッド組み立てたり、テキパキ手際良く済んだかと思ったらアリス・クリードという女性を誘拐、ベッドに縛り付けて監禁。台詞なしの圧巻の冒頭10分から期待は高まる。

誘拐劇のサスペンスで、ほぼ密室劇。
配役は究極に排除され、たったの3人。
身代金要求している誘拐された女性の父親の声すらでてこない。
3人の意外な関係性と抑揚のきいた演出で二転三転。
小道具も最低限しか使われていなので、全てが重要なキーになってくる。
「アリス・クリードの誘拐」ではなく、「…の失踪」というタイトルの意味も最後の最後にわかる。

3人の演技と演出が見事。アングルもなかなか。
残虐度なしで、万人向き。
予備知識なしで観た方が絶対面白い。

[タグ未指定]

(未) I Am Slave <2010/UK> ★★☆

slave.jpg
I Am Slave
2010/82min/UK
監督:ガブリエル・レンジ(Gabriel Range)「大統領暗殺」
原作:メンデ・ナーデル「メンデ 奴隷にされた少女」
出演:Wunmi Mosaku、イザアック・ド・バンコレ、Lubna Azabal、ヒアム・アッバス
ロケ地:ケニア
言語:英語
IMDb評価:7.2/10

「今も多くの女性たちが奴隷にされている事実を、世界中の人に知って欲しい」
メンデ・ナーデルは6年もの間奴隷として売られた後、生き地獄を体験し、どんな生活を虐げられたのかを記録した暴露本を出版した。本作はその映画化である。





slave2.jpgアフリカ、スーダンの山間。12歳の少女メンデは、両親や兄弟たちに囲まれ幸せに暮らしていた。しかし、ある晩、生活は一転する。村を襲撃され、メンデは拉致、人身売買の末、イギリスで奴隷として働くことを虐げられる…。

前半は、決して裕福ではないが、スーダンでの幸せな様子が描かれる。父親は村の相撲大会で優勝し、家族の誇りであった。メンデは両親にとってはお姫様として大事に育てられていた。ところが、村は襲撃され、娘が拉致されるのは一瞬の出来事であった。父親は警察や政府へ娘の捜索を願い出るが、誰も動いてはくれない。それどころか、「娘は生きている」とだけ告げられる。

slave1.jpg拉致された少女が集められ、イギリス人は舌で健康状態をチェックし、奴隷として働かせる少女を選んでいく。もし売れ残ってしまったらどうなるのかは描かれていなかった。選ばれた後は、イギリスの上流家庭での地獄の奴隷生活が始まるのであった。自由に電話をかけることも許されず、パスポートは雇い主が管理し、敷地の外には出られない。仕事が終わると光も入らず、窓のない地下に閉じ込められる生活。報酬らしいお金も自由ももらえず、ひたすら従事するだけの日々。

内戦が続くこの国では、今なお「奴隷制度」が存続し、5000人以上の少女がロンドンで奴隷として働いているという。監禁されているし、政府が情報を開示するとも思えないし、どうやって5000人という数をはじき出したのか疑問ではあるが、氷山の一角に過ぎないだろう。


出稼ぎで家政婦として従事するのとは全然違う。人権を完全無視し、本人の意思でもなければ、お金のためでもない。娘が奴隷として売り飛ばされたことを悟った父親は娘を探すためイギリスへ渡り、ゴミ収集の仕事をしながら、アフリカ系の少女たちに娘のことを聞いて回っていた。
メンデ・ナーデルは2000年9月逃亡に成功し、2002年12月英国に亡命。難民として永住権を手に入れた。世界各国で自らの体験談を語り、奴隷制廃絶を訴えている。未だ捕獲されている少女たちが無事に解放され、家族と会えることを心から願う。

スーダンの生活でも英語を使っていたのが不自然に思えたが、スーダンはフランス領ではなくイギリス領であったことを鑑賞後に知った。卑劣な雇い主をヒアム・アッバスが演じている。意外な役どころではあったが、さすがの貫録。
スーダン人の体験談が基なので、仕方ないのかもしれないが、こういう事実があるということを描いているだけで、奴隷制廃絶を訴えるまでの説得力がない。現在、奴隷を雇っている上流階級の人々が観て、あわよくば意識が変わればいいとは思うが、第3者が観て、人身売買に至る背景も見えなければ、解決策も見えない。
何もできない自分も歯痒いが、何も訴えかけてこない描き方も歯痒い。

<鑑賞> 2011/5/16
[サイト内タグ検索] ヒアム・アッバス 日本未公開

(未) 【短編】 Dog Altogether <2007/UK>★★★★

dog.jpgDog Altogether
2007/16min/UK
監督/脚本:パディ・コンシダイン
出演:ピーター・ミュラン
受賞:2007英国アカデミー賞、ヴェニス映画祭 短編作品賞等
IMDb評価:7.1/10

残忍度 ★★★★
哲学度 ★★★★

敬愛なるパディ・コンシダインについてはこちら


自暴自棄の男ジョゼフは飼い犬への虐待の末、殺してしまう。その後、偶然入ったバーで騒いでいた青年たちへ暴力を奮ってしまう。ジョゼフの行動はいつも衝動的であり、その度に自らの行動を悔いる姿があった。しかし、青年たちが仕返しにやってくる。それは自分が飼い犬にしたことと同じことであり、戒めでもあった

影響を受けた監督1人を挙げるのは難しいけど、強いて言うならケン・ローチとアラン・クラーク、本作に関してはゲイリー・オールドマンの「ニル・バイ・マウス/Nil By Mouth」(未見)に多大なる影響を受けたと語るパディ・コンシダイン。俳優の彼にとっての初監督作品である。台本を読んだ当初はゲイリー・オールドマンがプロデューサーを務めることとなっていたが、結局はシェーン・メドウス監督と馴染みの深い方々が務めることとなったためか、シェーン・メドウス監督の作品に通ずるものを感じる。

自身のお父様をモデルに数時間で台本を書きあげたという。1998年「マイ・ネーム・イズ・ジョー」でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞したピーター・マランが主演を務めている。こんなに面白く完成度の高い短編を観たのは初めてであり、欧州での注目度の高さも頷ける。私のようなパディ・コンシダイン好きか、ピーター・マラン好きしか観ないことを残念に思う。ぜひとも長編化して欲しい。

<鑑賞> 2011/2/15

ヴェラ・ドレイク <2004/UK> ★★☆

vera2.jpgVera Drake
2004/125min/UK
犯罪、ドラマ
監督/脚本:マイク・リー「ネイキッド 快楽に満ちた苦痛
製作:サイモン・チャニング=ウィリアムズ
製作総指揮: ゲイル・イーガン、ロバート・ジョーンズ、ダンカン・リード、アラン・サルド
出演:イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ピーター・ワイト、レスリー・シャープ
受賞:第61回ベネチア国際映画祭 金獅子賞、主演女優賞
IMDb評価:7.8/10

哲学度 ★★★
感動度 ★


vera1.jpg1950年のイギリス。
食糧難の時代、闇食料を持ってきてくれる友人リリーが仕事まで持ってきた。違法堕胎である。当時は中絶が禁じられている時代でもあった。
平凡な主婦ヴェラが家政婦として働くかたわら、老人の介護に訪れたりする姿をみると、困っている人を放っておけない性格だということがわかる。ヴェラの性格を知っているリリーはヴェラなら協力してくれることを知っていたのだろう。ヴェラは、望まない妊娠をし何らかの事情で産めない少女たちの中絶を密かに手助けをすることにする。

ティータイムや家族の団欒、老人の介護からヴェラが明るい性格だということは見て取れる。堕胎行為中も終始笑顔を絶やさず、不安な少女たちを励まし続けるヴェラであったが、1人の少女の死をきっかけに堕胎行為がバレテしまう。

堕胎行為は、石鹸水をお腹の中に入れ流産させるといった単純な行為であった。医師ではないヴェラがどうやってこの方法にたどり着いたのかは言及されていないが、浅はかな知識での行為は想像しただけでも恐ろしい。中絶とは殺人行為でもあり、法を犯す行為。受ける側も施す側もリスクを伴うのだから安易な気持ちで引き受けられる仕事ではない。ヴェラはそれほどまでお金に困っていたのだろうか…?そこまで家計が苦しいようには見えないし、報酬を得て家計が豊かになったように見えるわけでもなく、ましてや堕胎行為は家族へは秘密なので、お金の使い道に興味が湧いてくる。

vera.jpg核心、結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
警察の取り調べで徐々に事の重大さに気付き始めるヴェラ。前半の明るいヴェラとはまるで別人である。自分の行為が原因で人が死ぬとは夢にも思っていなかったのだろう。後悔、反省から泣き崩れる姿は愚かとしか思えない。警察が核心に迫る質問をすると、驚くべきことにヴェラは報酬をもらっていなかったことが判明する。実際には仲介となっていた友人リリーがお金をポケットに入れていたのだが。お金を取らずにリスクのある中絶処理を行うという心理は親切心なのか、安易なのか。人が良いにも限度がある。
報酬を得ていないヴェラの刑期は2年半、仲介をしていたリリーは4年。複数の堕胎行為と1人の死亡に対する刑罰としては軽すぎるのではないか?

警察が家に来たのはクリスマスであり、家族が集まっていた。皮肉にも娘と嫁のダブル妊娠のお祝いをしている時だった。喜びの絶頂からどん底への堕落は本人や家族への試練でもある。家族の深い絆が一層深まったと思わせるエンディングには感動さえ感じる。

私にとって2作目となるマイク・リー作品。事前に台本を用意せず、即興的なリハーサルで構想を固めていく手法は有名だが、ヴェラ演じるイメルダの迫真の演技には脱帽。明確な答えを提示するのではなく、観客に投げかけっぱなしなのがこの方のスタイルなのかしら?面白かったんだけど、イマイチ心にまで響かず、モヤモヤした気持ちしか残らなかった。

<鑑賞> 2011/2/12

運命を分けたザイル <2003/UK> ★★★

void.jpg運命を分けたザイル/Touching the Void
ドキュメンタリー
2003/106min/UK
監督:ケヴィン・マクドナルド/Kevin Macdonald
原作:ジョー・シンプソン『死のクレバス アンデス氷壁の遭難』(岩波現代文庫)
IMDb評価:8.0/10

邦題のセンス なし
哲学度 ★★★
感動度 ★★★

英ガーディアン紙によるイギリス映画トップ25 (1984-2009)の11位に選ばれている。




1985年、ペルーのアンデス山脈の未踏峰シウラ・グランデの西壁。実在する登山家ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツが史上初めてシウラ・グランデの登頂に成功した帰り道の出来事であった。互いの体をザイルで結んでいたが、ジョーが転落し、サイモンは宙吊りになってしまった。共倒れを避けるため、サイモンは命の綱であったザイルを切断し、ジョーはクレパスへ転落した・・・。
壮絶極まりない事故からの生還を描いた再現型ドキュメンタリーである。

撮影機材をロバに積み、スタッフ全員で実際の雪山に登り、本格的に撮影された再現型映像の間には本人たちのインタビューが織り込まれている。本人が登場しているということは無事に生還しているということである。結果がわかっているにも関わらず、再現ドラマは手に汗を握るシーンが満載で見応えがある。転落の際、片足を骨折しているが、たった一人のジョーには頼る人がいない。経験を積んだ登山家の技術、体力、精神力には驚かされる。本人たちのインタビューからは死と隣り合わせだった時の恐怖が語られ、非体験者の想像を絶するリアルティーが迫ってくる。

“共倒れを避け、ザイルを切る”という行為に罪悪感は残らないのだろうか?
もし死んでしまったら一生悔やむことになるのではなかろうか?
無事生還したとしても関係にヒビが入るのでは?
「運命を分けたザイル」なんて邦題がついているものだから、ザイルを切ってしまったサイモンを責める観方をしてしまったが、ザイルを切った是非を問う内容ではなかった。論点を惑わす邦題はいかがなものか?
ジョーの発言からはサイモンを責める発言はない。それどころかサイモンの足跡を見つけ、彼が生きていることを確信し励みにしているのである。人間にとって大事なものは何か?そんなことを考えさせてくれる作品だった。

<鑑賞> 2011/2/17
[タグ未指定]

マイ・サマー・オブ・ラブ <2004/UK> ★★★☆

my summerMy Summer of Love
2004/89min/UK
ドラマ、青春
監督/脚本:パヴェル・パヴリコフスキー「Last Resort
原作:ヘレン・クロス
出演:エミリー・ブラント、ナタリー・プレス、パディ・コンシダインDead Man's Shoes
受賞:英国アカデミー賞 2004年度 英国作品賞(アレキサンダー・コルダ賞) 受賞
IMDb評価:6.9/10

官能度 ★★★
芸術度 ★★★
青春度 ★★

ある夏のヨークシャー。モナは両親を亡くし、刑務所帰りの兄ともうまくいかず孤独の日々を過ごしていた。そんなある日、白馬に乗った美人のタムジンが現れる。裕福で大きな別荘を持ち、何不自由なく育ったかのように見えるタムジンだが、心には傷を抱え、家族からの愛情に飢えていて孤独だった。育ちも性格も正反対の2人だがすぐに魅かれあい、満たされない心を補い、刺激とスリルを求め合うかのように2人で過ごす時間が増えていく。
my summer1
監督のパヴェル・パヴリコフスキーはポーランド出身だと知り、前作「Last Resort」を鑑賞した。 本作は「Last Resort」以来お気に入りになったパディ・コンシダイン出演と知り鑑賞。パヴェル・パヴリコフスキー監督パディ・コンシダインのコンビは「Last Resort」に続いて2作目となる。2作品観てみて、この監督さんは女性的な感性を持ち、人間の本質的な感情を引き出すのがお得意だという印象を持った。不法移民がテーマだった前作では音楽も雑音も排除され、終始曇り空で殺伐とした雰囲気だったのに対し、本作は緑豊かな自然に明るい音楽。2作共、自然や音楽と心情が見事に調和されている。ただし、ずっとUKで活躍されている方なので、ポーランド映画として観ることはオススメしません。

ラスト20分の爆発させた感情表現は鳥肌が立った。即興で演じさせたオーディションで即決採用となった2人(エミリー・ブラント、ナタリー・プレス)の演技は繊細で、傷付きやすく壊れやすい10代の少女を見事に演じている。信頼と裏切り、愛情と憎悪、理想と現実、偽善と本心。特にモナ(ナタリー・プレス)の行動一つ一つからは狭間で揺れ動く感情が痛いほど伝わってくる。

“家族への反発”や“孤独”といった共通点が少女2人を共鳴させていたかのように見せているが、タムジンとモナの兄にも共通点がある。
親の理想通りないい子ちゃんをずっと演じてきたタムジン。
今までは犯罪ばかりを繰り返していたのに、出所してからはいきなり信仰心に目覚めるモナの兄。
家族のために2人とも偽りの自分を作り上げているのである。

妹モナは偽善者2人をどう評価するのか・・・
出番が少ないながらも兄を演じたパディ・コンシダインのスパイスの効いた演技も見逃せない。
この夏の経験がモナを一歩大人にさせたと思わせるラストは逸品。

<鑑賞> 2011/2/17

トレインスポッティング <1996/UK> ★★★☆

train.jpgTrainspotting
1996/93min/UK
監督:ダニー・ボイル
原作:アービン・ウェルシュ
脚本:ジョン・ホッジ
製作:アンドリュー・マクドナルド
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレンナー、ジョニー・ミー・ミラー、ロバート・カーライル、ケヴィン・マクキッド、ピーター・ミュラン
IMDb評価:8.2/10(Top153)

刺激度   ★★
ブラック度 ★★★
<あらすじ>
ヘロイン中毒のレントンは、仲間たちと愉快ででたらめな日々を過ごしていた。ロンドンで仕事を見つけたものの、仲間たちのせいで結局クビに。そんなところへ、売人から大量のドラッグを売りさばく仕事を持ちかけられて……。(by allcinema)

<レビュー>
I chose not to choose life.I chose something else. any reason? There ie no reason. Who needs reasons when you've got heroin?
人生を選ばないという選択をした。そして他の物を選択した。理由は?理由なんかない。ヘロインをやるのに理由が必要か?

冒頭の台詞に拍車をかけるように刺激的な映像が続く。
ドラッグ使用、カジュアルセックス、排泄物、ドラック経験者にしかわからない快感、中毒症状をリアルにかつユーモラスに描いている。悲惨な話なのにポップな映像感覚は現実の厳しさに気付いてない楽観的な若者そのもの。
他人事のように客観的なレントン(ユアン・マクレガー)のナレーションが印象的だったが、彼の回想話であったことを最後に気付いた。すでに続編が企画されているが、レントンのその後も気になる終わり方をしている。どことなく冷やかな視点はドラッグを美化することなく、若者特有の屈折した心理を鋭く描いた作品。

蔓延している麻薬を、中毒者の視点で描いているため、日常的な光景になっている。嫌なことを忘れるためにやって、そんな自分が嫌になってまたやってしまう。こうやって依存して現実逃避していることで安心感が生まれる。今が楽しければいいというスタンスのその日暮らしの若者。ドラッグで自らを解放することが唯一の逃げ道。出口の見えない世界は悲劇である。

タイトルに使われている「Trainspotting」のもともとの意味は「鉄道マニア」である。そこから派生して「マニアの溜まり場」といった意味で使われている。タイトル通り、ドラッグ漬けの若者たちが住むアパートを舞台としている。
あまりにもスコットランド訛りがひどいし、言葉はかなり汚い。アメリカ版はセックスシーン等のカットと前半の20分吹き替えになっているものまで存在している。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/10

28日後... <2002/UK> ★★★

28.jpg28Days Later
2002/114min/UK=アメリカ=オランダ
ホラー、SF、スリラー
監督:ダニー・ボイル
製作:アンドリュー・マクドナルド
脚本:アレックス・ガーランド
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
出演:キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス、クリストファー・エクルストン
IMDb評価:7.6/10

隠喩度 ★★★
残虐度 ★★
<あらすじ>
怒りを抑制する薬を開発中のとある霊長類研究所。ある夜、精神を冒し即効性の怒りを発するウィルスに感染している実験用チンパンジーが、侵入した動物愛護活動家たちによって解放されてしまう。その直後、活動家の一人がチンパンジーに噛まれて豹変、仲間に襲い掛かる…。そして28日後。交通事故で昏睡状態に陥っていた自転車メッセンジャーのジムは、ロンドン市内の病院の集中治療室で意識を取り戻す。ベッドから起き廊下をさまようジムだったが、院内にはまったく人の気配がなかった。人の影を求めて街へ飛び出したジムは、そこで驚くべき光景を目にする…。(by allcinema)

<レビュー>核心に触れています。
生存の掟なんて表現も使っていたけど、極限状態では本心が丸出しになる。悲観的になる者、たった一人になってもと生き延びたいと思う者、自分を見失う者、かすかな希望に未来を託す者、自害する者もいる。
たとえ家族だとしても感染者だと知れば容赦なく殺さなくてはいけない。もはや誰が見方で敵なのかわからなくなる。主人公ジムももはや感染したかのように危険に振る舞う姿を見せており、ウィルスに感染しなくても人間の本能は狂気に満ちているということがわかる。この場に及んで女を求める軍人たちも正気ではない。

些細なことにでもキレる人間が増えたことを指摘する監督。それは“怒り”というウイルスに感染しているのだという。“怒り”というウイルスは肉体ではなく、感情を侵すという視点が興味深い。敵は感染者なのかウイルスなのか、そもそも人間なのか。
本作では特効薬に関して曖昧なままにしていのは、医学がどんなに進歩しても人間の“怒り”を制御する薬はないからだろう。

劇中、「Hello」が多用されている。最後の助けを求めるシーンも「HELP」ではなく「HELLO」を用いていた。この状況で「Hello」はおかしいのでは?と疑問に感じるシーンもあったけど、これこそが監督の狙いだったように思える。海外に行くと英語が通じるか確認する意味も含めて、とりあえず「Hello」と声をかけてみたりする。慣れない地で生き残る手段でもあり、自分は敵ではないことを相手に示す手段でもある。
便利になったがゆえに減りつつあるコミュニケーション。監督の意図は「ハロー。聞いてる?」という呼びかけだったのかもしれない。

<鑑賞> 2011/2/5

ネイキッド <1993/UK> ★★

naked_20110210172545.jpgNaked
1993/131min/UK
監督/脚本:マイク・リー
出演:デヴィッド・シューリス、カトリン・カートリッジ、レスリー・シャープ
受賞:1993年カンヌ映画祭 監督賞
IMDb評価:7.9/10

暗欝度 ★★★
哲学度 ★★★★
暴力度 ★★


マンチェスターからロンドンへ、昔の女友達ルイーズを頼って、盗んだ車を飛ばすジョニー。そのアパートにはパンクな同居人ソフィがいた。二人は大麻でラリって意気投合。一方、ヤッピー青年ジェレミーはマッサージ女を口説き、ウェイトレスを惨めに犯す。生活につかれているルイーズにジョニーは腹をたて、町へ出て孤独な夜にさまよう人々と会う。挑発は深遠な対話に変わり、再び怒りに、あるいは諦めに転じる。大家だと名乗るジェレミーが、ソフィをだまし、看護婦の制服を着せていたぶる。それを見て憤るルイーズ。ちょうどそこへ、チンピラに襲われズタボロのジョニーが帰ってくる……。(by allcinema)

カンヌ映画祭をはじめとする海外映画賞を総なめにし、日本での初上映作が本作である。私にとっても初のマイク・リー作品。次作「秘密と嘘」ではパルムドールを受賞している。
オリジナルの脚本はたったの25ページ。11週間のリハーサルの中で出演者と共に台詞を付け加えている。

頭脳明晰のジョニーは聖書やら哲学の知識だけは豊富だが、自身の人生には活かしきれていない。頭ではわかっているのに理論通りにはいかない人生への焦燥感がひりひりと伝わってくる。流れ者のように街を流離い、出会った人へ自分の哲学を言っても屁理屈や説教にしか聞こえないが、これは社会への屈辱?不満?絶望?

「善は悪の犠牲になっている」
「人生に希望はない、人間なんて割れた卵。卵を割らないとオムレツはできないんだ」
「どんなにたくさんの本を読んでも人生には分からないことがある」

こういうタイプの男性はあまり好きではないし、映画そのものも面白くないのに、正論ばかりをを言う彼がどうも気になり、結局最後まで観てしまった。出会った人たちもどこの誰かも知らないジョニーに耳を傾けるのは共感しているからだろう。そして皆共通して孤独なのだろう。人間は1人では生きていけない。底辺を這いつくばっているような者でも社会との関わりを望むものである。タイトル「ネイキッド」の通り、行き場を失った若者たちの剥き出しになった感情が暴力、麻薬、レイプといった犯罪に繋がってしまうのも現実なのだろう。

<鑑賞> 2011/2/8

反撥 <1965/UK> ★★★

hannpatsu.jpgRepusion
1965/105min/UK
監督/脚本:ロマン・ポランスキー
製作:ジーン・グトウスキー
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、イヴォンヌ・フルノー、ジョン・フレイザー
受賞:1965年 ベルリン国際映画祭 銀熊賞
IMDb評価:7.9/10


都市部に於ける共同住宅での恐怖を描く同義的作品として68年の「ローズマリーの赤ちゃん」と76年の「テナント/恐怖を借りた男」と共に三部作の一角として位置付けられている。

イギリスで働くポーランドからの移民姉妹のキャロルとヘレンは同じアパートに暮らす。姉のヘレンが活動的な性格なのに対し、妹のキャロルは内気で男性経験がない。姉と半同棲の恋人との情事の音を、壁越しに毎晩のように聞かされる。そんなキャロルにも想いを寄せている男性がいたが、キスをされたことで、次第に男性恐怖症に陥っていってしまう。一方で男性との官能を妄想し始める。

姉と恋人が旅行へ出かけ、キャロルは仕事にも行かず1人で部屋に閉じこもるようになってしまった。気が滅入る密室空間で昼夜問わず鳴る教会の鐘、壁や道路のヒビ、芽の伸び切ったジャガイモ、窓から見える後ろ向きに歩く大道芸人はキャロルを狂気の世界へ引きづり込ませる。姉が作ったロースト肉の残り物が腐り始める様子は狂気に蝕まれていくキャロルの心境をうまく表現しているし、ヒビが入る壁は男性との関係を暗示しているようでもある。などが余計に不気味さを演出している。

男性の脱いだシャツなどに嫌悪感を示したり、男性のキスも拒否しているにも関わらず、カミソリに興味を示す仕草も見せている。壁から出てくる無数の手も彼女の欲望だったのだろうか。もしかしたら以前に男性とのエピソードがトラウマになっているのかもしれないが、特に言及されていないので想像するしかない。

原題Repusionには“反撥”という意味の他に“嫌悪”という意味もある。反撥より嫌悪のほうがしっくりくる。三部作の中で一番現実的な展開になっているが、カトリーヌ・ドヌーヴの色気が怖さを一層引き立たせている。
[サイト内タグ検索] ロマン・ポランスキー監督

This Is England <2006/UK> ★★★★

this.jpgThis Is England
2006/101min/UK
社会派青春ドラマ、伝記
監督/脚本:シェーン・メドウス
出演 トーマス・ターグース、スティーブン・グラハム、ジョー・ハートリー、アンドリュー・シム
IMDb評価:7.9/10

暴力度 ★★★
社会度 ★★★★

敬愛なるメドウス監督についてはこちら

サッチャー政権下1983年のイングランド。フォークランド紛争の爪跡が残り、経済不況や高失業率といった混沌とした時代である。12歳の少年の目を通して、教科書には書かれていない当時のイングランドの社会情勢と若者文化を描く監督自身の自伝映画である。この作品でイギリスを代表する監督になった。「Hunger」「Dead Man's Shoes」と同様の衝撃を感じたパワフルな作品。

母親と2人でミッドランドに暮らす12歳の少年ショーン。流行遅れのぶかぶかズボンを学校でからかわれ、年上の男の子たちと喧嘩になる。髪形がダサいのも自分ではわかってはいるけれど、この気持ちが母にはわかってもらえない。それほど裕福でないことは子どもながらに感じており、苛立ちをどこにぶつけていいのかもわからない。そんな時、近所でたむろしているスキンヘッド集団と出会う。社会からはじき出された若者ではあるけれど、当時の流行ファッションに身を包み、12歳の少年の目には格好良く映る。中心的存在のウディーが仲間として受け入れてくれ行動を共にするようになる。同じようなファッションを買ってくれ、スキンヘッドにまでしてくれ、ショーンの気分が高揚する。

this1.jpgそして、最年長で親分のコンボが出所する。登場した瞬間から絶対何かしでかすタイプである。コンボは刑務所で新しい使命を見つけていた。それは外国人排斥運動だった。みなに参加を呼び掛けるが、参加する者としない者とで仲間は分裂してしまう。
this2.jpg一番印象的だったシーンが、ショーンが外国人排斥運動に参加すると言ったことである。12歳の少年が背伸びしてスキンヘッドグループに仲間入りしたとばかり思っていたけれど、ショーンは父をフォークランド紛争で父を亡くいており、子どもながらに国へ不満があったのである。スキンヘッドグループに入ったことも外国人排斥運動への参加も不満を吐き出すためという単純な動機だったかもしれない。不況の波に押し流されそうでも、ファッションや運動で立ち向かうハングリー精神こそが右傾化した政治集団の背景でもあり、暴力的なイメージに繋がっているのだろう。
否応なく突き付けられた現実は今の監督を形成しており、監督がイングランドにこだわり続け、一貫してイングランドを舞台に描き続ける理由が見えた気がする。
「This Is England」それはイングランド人としての誇りであった。

中途半端な形で幕を閉じたように思えたけれど、4年後の2010年に続編が4時間のテレビドラマとして放送されている。本作で腑に落ちなかったところが明らかにさせる形でスタートしている。現在、鑑賞途中。

<鑑賞> 2011/2/2

(未) A Room for Romeo Brass<1999/UK> ★★★

romeo.jpgA Room for Romeo Brass
1999/90min/UK=カナダ
コメディー、ドラマ
監督/共同脚本:シェーン・メドウス「This Is England」
出演:Martin Arrowsmith、Dave Blant、パディ・コンシダインDead Man's Shoes
IMDb評価:7.6/10

暴力度 ★★
恐怖度 ★★★

敬愛なるメドウス監督についてはこちら

一貫して“英国内で映画を撮り続ける”姿勢を貫き、労働者階級出身だからこそ描ける普通の人々の日常を描くことを持ち味としている。監督自身の出身地でもあるイギリスのミッドランドを舞台とした“ミッドランド3部作”の2作目である。1作目「トゥエンティフォー・セブン」はモノクロであり、本作は暴力描写のために一般受けはしなかったが、映画祭等では大きな評価を獲得している。1作目と3作目「家族のかたち」は日本でも劇場公開されている。「この3部作は僕にとって“誓い”みたいなものなんだ。今後、色んな作品を撮ったとしても、忘れてはいけないことを記録として残しておきたかったんだ。」と監督は語る。

12歳の少年ロメオとギャビンがモレルという風変わりな年上の男性と知り合うことにより騒動に巻き込まれていく様子を描いている。少年たちの成長期には派手な演出もなければ、特筆すべきストーリーもなく、ただの小さな町のドラマであるが、特権階級や中流階級よりも生々しいエネルギーを感じる。クスっと笑ってしまうユーモアがあり、ほんのり温かいエンディングは監督の故郷ミッドランドという地域に対する愛情が感じられる。
rromeo1.jpg
モレル演じるパディ・コンシダインシェーン・メドウス監督の友人であり、本作で俳優デビューしたフォトグラファー。現在は監督業もこなしている。もの凄い存在感を放ち、地味な作品の中でいいスパイスになっている。ロメオの姉に恋をし、ストーカー並みに追いまわし、家族までをも恐怖に貶める様は日常にも起こり得る教訓でもある。

<鑑賞> 2011/1/28

(未) Scum (原題) <1977,1979/UK> ★★

scum.jpg
Scum
1977(78min)/1979(98min)/UK
監督:Alan Clarke
小説/脚本:Roy Minton
出演:Ray Winstone
IMDb評価:7.8/10(1977)、7.6/10(1979)

嫌悪感 ★★★★★
衝撃度 ★★★★
残忍度 ★★★

英映画誌TOTAL FILMが発表した『気がめいる陰うつな映画30本』の19位に選ばれたのがUK映画「Scum(1979)」
実は同監督による同タイトルの作品がある。UK本国では、BBC版(1977)とFilm版(1979)に区別されたりしているようである。日本ではどちらも未公開。私の検索の仕方が悪いだけかもしれないけど、作品に関する日本語の記事は見つからない。

80年代前半までの少年院の実態を赤裸々にした本作は、元々BBCに依頼され制作したものの、過激すぎる暴力描写が許可されず放送を禁じられお蔵入りとなっていた。2年後の1979年にセルフリメイクし、1983年に劇場公開された。これが1979年のFilm版である。その後、少年院のシステムが変わり治安は大幅改善され、オリジナルである1977年BBC版の放送もようやく許可された。

私はBBC版(1977)とFilm版(1979)の両方を鑑賞。設定や台詞はほとんど同じだけど、監督以外のスタッフ、主演以外の俳優を変え、全て撮り直している。カメラワークと美術品が全く異なり、BBC版(1977)はドキュメンタリータッチでかなりリアルだと思われる。20分の長さの違いは、各重要シーンにおいて補足的に加わっている数カットで、説明不足が解消され観やすくはなっているけれど、レイプシーンと自殺シーンまでもがより鮮明に描かれてしまっている。

大きい窓からは光が差し込み、就寝時以外ドアに鍵はかかっておらず出入り自由。私服も許されている。ビリヤードや卓球といった娯楽施設も整っている。学生寮と何の変わらぬ環境だけど、自由度が高い分危険度も高い。囚人同志や看守からの暴力、レイプや自殺が絶えない。看守も見て見ぬフリをしている。
更生ではなく、罰せることを目的としている少年院。犯罪を犯罪で罰することには嫌悪感しか残らない。

「Scum」とは泡という意味しか知らなかったけど、「人間のクズ」という意味があるらしい。
犯罪を犯した者が「人間のクズ」なのか、それとも看守も含めこの少年院にいる者全てが「人間のクズ」なのか。私は後者のような気がする。

数年後に少年院は更生目的へとシステムを修正し、治安は大幅改善されたとのこと。

『気がめいる陰うつな映画30本』には日本未公開が2作品ランクインしている。
19位の本作と、26位の「Dead Man’s Shoes」。どちらもUK映画であるけれど、嫌悪感と後味の悪さは雲泥の差がある。本作は2度と観たくない作品No.1かもしれない。

<鑑賞> 2011/1/6
[サイト内タグ検索] 日本未公開

監禁ハイウェイ <2009/UK> ★

hush.jpg
Hush
2009/91min/UK
監督/脚本: マーク・トンデライ
出演:ウィリアム・アッシュ、クリスティン・ボトムリー、アンドレアス・ウィズニュースキー、クレア・キーラン
IMDb評価:6.1/10

邦題のセンス ★
衝撃度     ★
恐怖度     ★

激しい雨の中のハイウェイ。ゼイクスとベスは車で家路へ急ぐが、痴話喧嘩から険悪なムードに。べスはふてくされ、アイマスクをして寝てしまう。ゼイクスは運転を続けるが、追い越し際に偶然開いたトラックの荷台に裸の女性がいることを目撃する。もしや監禁されているのではないかと思い、警察に通報し、自分たちはトラックの後を追う。

ハイウェイから始まり、ドライブイン、駐車場、森林、森林にひっそりと佇む一軒家、、、と舞台は変わり、その都度予測不能なハラハラする事件がある。飽きずに展開するが、その場限りの出来事で伏線になっていないのが残念なところ。サブストーリーとしてゼイクスがべスの浮気知ってしまうが、これも最後まで活かしきれていない。危険を顧みず見知らぬ女性を助けようとするゼイクスの正義感もちょっと大袈裟。

クライマックスになるはずの救出劇もかなり呆気ない。犯人の動機も明かされず消化不良。ミステリーとしてではんく、単なる救出劇として観た方がよかったのかもしれない。この手の話はハリウッドもののほうが断然面白い。暇つぶしに観る程度の作品だと思うけど、どういうわけだか日本でDVDが発売されている。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/30
[タグ未指定]

(未) Dead Man's Shoes <2004/英> ★★★★

dead1.jpg
Dead Man's Shoes
2004/90min/UK
監督:シェーン・メドウス「This is England」
脚本:シェーン・メドウズス、パディ・コンシダイン
出演:パディ・コンシダイン、Toby Kebbell、Gary Stretch
IMDb評価:7.8/10

恐怖度 ★★★★
衝撃度 ★★★
暴力度 ★★

かなり訛りがひどく以前途中挫折してしまったものの、「気が滅入るランキング」26位に入っているのを知り、再挑戦。低予算、3週間という短い撮影期間で過剰な演出は一切ないのに、訛りも気にならなくなるほどの面白さ。脚本と演技力の素晴らしさでしょう。

「God will forgive them. He'll forgive them and allow them into Heaven. I can't live with that.
(神はお前らを赦し、天国へ行かせるだろうが、俺はそれでは生きてけない)」という台詞から始まる。

イギリス北部の片田舎。ある日、元軍隊のリチャードが町に帰還した。弟のアンソニーは精神障害者であり、物事の分別がつかない。それをいいことにギャング達は彼をおもちゃにしていたのである。性的虐待、麻薬強制、暴行。。。弟を犬のように扱ってきたギャング達に復讐するためにりチャドは帰還したのである。そしてリチャードの復讐が始まるのであった。

ギャング達は、リチャードの帰還を知り、表情を強張らせ、ただならぬ緊張感が流れる。そこまでの恐怖は何なのか、なぜここまでの復讐に燃えるのかは、フラッシュバックで徐々に明らかになる仕組みはお見事。最後の仕掛けにも見事に騙されてしまった。
dead2.jpgdead.jpg
面白いと感じた理由は、ユーモアにも溢れていたからでもある。意味もなくガスマスクで突如現れたり、家へ侵入し、睡眠中にピエロさながらのいたずらメイクをしたり、レインボーカラーに髪を染めてしまったり、観る側も緊張感が途切れる瞬間がある。これらのイタズラはこれから起ころうとする恐怖の前兆であり、笑いと恐怖が交互に襲ってくるので余計に恐怖は増していく。いつ襲ってくるかのかわからない心情を面白くも見せている。そして、意外にも家並みや風景のキレイさと音楽の素晴らしさ。スリラー映画だということを忘れてしまうほど情緒に溢れる。

低予算の復讐劇。展開も結末も似たり寄ったりだと思っていたが、本作の練られた脚本には脱帽。ストーリーがあまりのも現実的なのが恐怖の一番の原因でしょう。ラストの落とし所もイギリス映画らしい秀逸。「なぜ親が子どもドラッグをやらせるのか?心をコントロールできるからだ。弱い人間がやることだ。」とリチャードは言う。無理矢理ドラッグをやらせ、コントロールすることは、ギャング達が弟アンソニーにしてきたことでもある。リチャードは復讐心に燃えると同時に正義とも戦っていた。ラストシーンでも彼の正義は強く感じる。「気が滅入るランキング」に入っていたが、私はむしろ人間臭く美しいと思った。

"In memory of Martin Joseph Considine"という言葉で本作は幕を閉じる。コンシダインのお父様だとか。シェーン・メドウズ監督と共に仕事を続けなさいというのが父の遺言だったそうだ。

本作のひどい訛りは舞台としているイングラン北部独特のもののようである。ひどいスコットランド訛りも混じっているし、スラングだらけなので、私が聞き取れたのはほんの3割程度だった。シンプルな骨組みにいたって単純なストーリーなので、おおまかなあらすじを押えておけば私程度の英語力でも十分楽しめる。よっぽどEnglish英語に自信があるなら別だが、英語字幕がついているだろうフィンランド、ドイツ、イタリア版をお勧めします。
ちなみに「Fuc●」は116回使われたそうです。

<鑑賞> 2010/11/27

エグザム <2009/UK> ★★★

exam.jpg
Exam
2009/101min/UK
監督/制作/脚本:スチュアート・ヘイゼルダイン
IMDb評価:6.7/10

<あらすじ>
合格すれば死ぬまで年俸1億円という大手企業の最終就職試験に残った8人の男女。武装した警備員が監視する密室で、試験監督から3つのルールを告げられ問題に取り掛かろうと用紙を裏返すと、問題用紙は白紙だった。80分という制限時間の中、受験者たちは手を組んだりだまし合ったりして、試験の問題と答えを見つけ出そうとするが……。

<レビュー>
最終試験のために一室に閉じ込められ、いぜ問題に取り掛かろうとすると、問題は白紙。
試験の問題を見つけ出すというサスペンスのみで最後まで観客を引き寄せる。
皮肉っぽい人なら、すぐ見破れるトリックで、最後にどんでん返しを期待したが、案外ストレートに終了してしまった。
見破れなかった人でもこの答えは釈然としないのでは?
もうちょっとヒネリがあったら見応えはあっただろうに。

試験の問題探しは、知的集団による頭脳戦で心理学の観点から観ると面白いのかも。
窓のない密室に閉じ込められただけでも理性を保つのは難しいだろう。
協力し合っていた8人も次第に金に目が眩み、騙し合う駆け引き。
人間の欲ってこんなもんなんだろうな。

日本の就職試験でこんな試験があったら、詰め込み型教育を受けている日本人には最も難しいタイプの試験だろう。

<鑑賞> 韓国語字幕 2010/9/18
[タグ未指定]
カテゴリ/Category by Countries
ユーザータグ/Tags

日本未公開(236)

 クシシュトフ・キェシロフスキ監督(16)

 キム・ギドク監督(14)

 キム・ボドゥニア(12)

 パディ・コンシダイン(11)

 ヒアム・アッバス(9)

 キム・ギヨン監督(8)

 ニコラス・ウィンディング・レフン監督(7)

 ロマン・ポランスキー監督(7)

 マイケル・ファスベンダー(7)

 アナス・トマス・イェンセン(7)

 ヴァンサン・カッセル(7)

 ハ・ジョンウ(6)

 ピーター・ミュラン(6)

 ミカエル・パーシュブラント(6)

 ステラン・スカルスガルド(6)

 マッツ・ミケルセン(6)

 クリストファー・ヨーネル(6)

 シェーン・メドウス監督(6)

 モーテン・ソーボー(5)

 ジェラール・ドパルデュー(5)

 トゥーレ・リントハート(5)

 ファティ・アキン監督(5)

 ダール・サリム(5)

 マリア・ボネヴィー(5)

 シン・サンオク監督(5)

 マリウス・ホルスト(5)

 アンドレイ・ズビャギンツェフ監督(4)

 イ・チャンドン監督(4)

 ジョセフ・ゴードン=レヴィット(4)

 デイヴィッド・デンシック(4)

 アレクサンドル・ソクーロフ監督(4)

 ウルリッヒ・トムセン(4)

 ラース・ミケルセン(4)

 ヘンリク・プリップ(4)

 カティ・オウティネン(4)

 シャーロット・ランプリング(4)

 アンジェイ・ワイダ監督(4)

 クリスティナ・ヤンダ(4)

 ミシェル・ウィリアムズ(4)

 ドラゴス・ブクル(4)

 ラズヴァン・ラドゥレスク(4)

 シャルロット・ゲンズブール(4)

 グザヴィエ・ドラン監督(4)

 パプリカ・スティーン(4)

 オルジード・ルカセウィッツ(4)

 Jens_Jørn_Spottag(4)

 チェ・ミョンス(4)

 ヤコブ・セーダーグレン(4)

 ムン・ソングン(4)

 チャン・リュ監督(4)

 フルーツ・チャン監督(4)

 イネス・エフロン(4)

 トリーヌ・ディルホム(4)

 レオナルド・スバラグリア(4)

 ミハイル・クリチマン(4)

 ライアン・ゴズリング(4)

 アッバス・キアロスタミ監督(3)

 マジッド・マジディ監督(3)

 キム・シャピロン監督(3)

 スラッコ・ラボヴィック(3)

 ロメイン・ガヴラス監督(3)

 ビョルン・スンクェスト(3)

 リカルド・ダリン(3)

 イーベン・ドールナ(3)

 ソニア・リクター(3)

 ルイス・プエンソ監督(3)

 ノオミ・ラパス(3)

 ギョーム・カネ(3)

 ピルウ・アスベック(3)

 ミョン・ゲナム(3)

 ケイト・マーラ(3)

 アシュラフ・バーホム(3)

 サリー・ホーキンス(3)

 キム・ソヨン監督(3)

 ルイス・トサル(3)

 ブラッドリー・ラスト・グレイ監督(3)

 アレクサンダー・スカルスガルド(3)

 スティーヴン・レイ(3)

 ペップ・マンネ(3)

 オリヴィエ・バーテレミ(3)

 ホン・サンス監督(3)

 ムハンメド・マジュド(3)

 ラース・フォン・トリアー監督(3)

 パク・チア(3)

 トマス・ヴィンターベア監督(3)

 セバスチャン・イェセン(3)

 レスリー・シャープ(3)

 トーマス・ターグース(3)

 グヴェン・キラック(3)

 ウスマン・センベーヌ監督(3)

 ソ・ジソプ(3)

 ガエル・ガルシア・ベルナル(3)

 ボディル・ヨアンセン(3)

 ティルダ・スウィントン(3)

 フリドリック・トール・フリドリクソン監督(3)

 AndersDanielsenLie(3)

 キム・フォップス・オーカソン(3)

 クリスティアン・ムンジウ監督(3)

 スサンネ・ビア監督(3)

 ピーター・ガンツェラー(3)

 パク・アム(3)

 イ・ファシ(3)

 キム・ミョンミン(3)

 トビアス・リンホルム(3)

 チェ・ウニ(3)

 ウルスラ・メイヤー監督(3)

 ニコライ・リー・カース(3)

 ウルリヒ・ザイドル監督(3)

 ミカエル・ニクヴィスト(3)

 ダニー・ボイル監督(3)

 ペルニラ・アウグスト(3)

 クリスティ・プイウ監督(3)

 キム・ハヌル(3)

 ミミ・ブラネスク(3)

 ニコラス・ブロ(3)

 BogdanDumitrache(3)

 アンヌ=マリー・ダフ(3)

 ルシア・プエンソ監督(3)

 レオン・カーフェイ(3)

 ナタリー・ポートマン(2)

 ジャック・ノロ(2)

 セシリー・A・モスリ(2)

 ミカエル・ハフストローム監督(2)

 マリア・バルベルデ(2)

 ノア・テイラー(2)

 ソル・ギョング(2)

 ユン・ジンソ(2)

 チェ・ミンシク(2)

 チョン・ジュノ(2)

 キム・ジェロク(2)

 ムン・ソリ(2)

 アリ・スリマン(2)

 エラン・リクリス監督(2)

 イ・ジョンジェ(2)

 チュ・ジンモ(2)

 チョ・ジェヒョン(2)

 イ・ミスク(2)

 シム・ジホ(2)

 キム・ドンウク(2)

 チョン・ドヨン(2)

 キム・ガンウ(2)

 ペク・チニ(2)

 カン・シニル(2)

 キム・ナムギル(2)

 アンドレア・アーノルド監督(2)

 パク・チョンジャ(2)

 シベル・ケキリ(2)

 ビロル・ユーネル(2)

 ヤヌシュ・ガヨス(2)

 キム・セロン(2)

 フランソワ・オゾン監督(2)

 ガス・ヴァン・サント監督(2)

 ジェーン・カンピオン監督(2)

 アンジェイ・ズラウスキ監督(2)

 ジュリエット・ビノシュ(2)

 マイク・リー監督(2)

 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督(2)

 パク・チャヌク監督(2)

 アンドレイ・タルコフスキー監督(2)

 トラン・アン・ユン監督(2)

 ソン・ヒョナ(2)

 オリヴィエ・グルメ(2)

 マルック・ペルトラ(2)

 アキ・カウリスマキ監督(2)

 ギャスパー・ノエ監督(2)

 ミシェル・シュボール(2)

 レフ・マイェフスキ監督(2)

 GabrielSpahiu(2)

 キリアン・マーフィ(2)

 クレイグ・ロバーツ(2)

 スティーヴン・ソダーバーグ(2)

 SettarTanriögen(2)

 スティーブ・マックイーン監督(2)

 キャリー・マリガン(2)

 イザベル・ユペール(2)

 ニール・シュナイダー(2)

 クシシュトフ・ピチェンスキ(2)

 オーレ・ボールネダル監督(2)

 フランソワ・クリュゼ(2)

 キッレ・ヘルム(2)

 ナーセル・ヘミール監督(2)

 ドメ・カルコスキ監督(2)

 ペルッティ・スヴェホルム(2)

 ウド・キアー(2)

 ナディーン・ラバキー監督(2)

 チャン・チェン(2)

 トーマス・ヴィルム・ヤンセン(2)

 アンドレアス・ウィルソン(2)

 アモス・ギタイ監督(2)

 サーデット・アクソイ(2)

 ニーナ・ホス(2)

 イ・ジェフン(2)

 ツヴァ・ノヴォトニー(2)

 Rosalinde_Mynster(2)

 ニコライ・アーセル監督(2)

 パトリシア・シューマン(2)

 ミケール・ビアクケーア(2)

 クリスティアン・ペツォルト監督(2)

 ジュリア・シャハト(2)

 ラン・ダンケル(2)

 ペーター・アンデション(2)

 グスタフ・スカルスガルド(2)

 ポール・シュレットアウネ監督(2)

 Shanti_Roney(2)

 Sarah_Boberg(2)

 Annette_K.Olesen監督(2)

 ミキ・マノイロヴィッチ(2)

 ズラッコ・ブリッチ(2)

 カタリン・ミツレスク監督(2)

 キャリー・ジョージ・フクナガ監督(2)

 ShantiRoney(2)

 ゾーイ・カザン(2)

 リチャード・ジェンキンス(2)

 ラミン・バーラニ監督(2)

 ルクレシア・マルテル監督(2)

 MadsSjøgårdPettersen(2)

 トム・マッカーシー監督(2)

 レハ・エルデム監督(2)

 パヴェル・パヴリコフスキー監督(2)

 ハン・ウンジン(2)

 ヴィンセント・ギャロ(2)

 クレール・ドゥニ監督(2)

 ハビエル・バルデム(2)

 ホリデイ・グレインジャー(2)

 ニコラ・デュヴォシェル(2)

 チョン・ジェホン監督(2)

 エレナ・アナヤ(2)

 フリオ・メデム監督(2)

 マキシム・ゴーデット(2)

 キム・ヘジャ(1)

 クリスティーナ・ヤンダ(1)

 ダレン・アロノフスキー監督(1)

 ウォンビン(1)

 チャン・チョルス監督(1)

 シャルナス・バルタス監督(1)

 フィリップ・リオレ監督(1)

 アニエスカ・ホランド(1)

 コ・ソヨン(1)

 イ・ビョンホン(1)

 ホ・ジュノ(1)

 ポール・ラヴァーティ(1)

 ニーナ・イヴァニシ(1)

 チ・ジニ(1)

 キム・スンホ(1)

 アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督(1)

 オム・テウン(1)

 Henning_Valin_Jakobsen(1)

 パク・ヘイル(1)

 カン・ジファン(1)

 イエジー・スコリモフスキ監督(1)

 シン・ミナ(1)

 ビアギッテ・ヨート・スレンセン(1)

 ソーレン・マリン(1)

 ジェニファー・ローレンス(1)

 Signe_Egholm_Olsen(1)

 ジャファール・パナヒ監督(1)

 ハ・ジウォン(1)

 キム・スンウ(1)

 キム・ユンジン(1)

 エマニュエル・セニエ(1)

 イム・スジョン(1)

 ナ・ホンジン監督(1)

 イェジ・シュトゥール(1)

 ヴァンサン・ランドン(1)

 ノルマ・アレアンドロ(1)

 ミーラー・ナーイル監督(1)

 アナマリア・マリンカ(1)

 ブラッド・アンダーソン監督(1)

 AlexandruPapadopol(1)

 イム・グォンテク監督(1)

 ユン・ジョンヒ(1)

 ブリュノ・デュモン監督(1)

 スカーレット・ヨハンソン(1)

 マリア・ポピスタス(1)

 TomHarper監督(1)

 村上春樹(1)

 キム・スヨン監督(1)

 ヴィルジニー・ルドワイヤン(1)

 ジョン・マルコヴィッチ(1)

 ダニス・タノヴィッチ監督(1)

 ケヴィン・スペイシー(1)

 ヤン・クーネン監督(1)

 チョン・ジヨン監督(1)

 カリーヌ・ヴァナッス(1)

 ヴァンサン・ロティエ(1)

 アダム・フェレンツィ(1)

 アミール・ナディリ監督(1)

 リュディヴィーヌ・サニエ(1)

 パブロ・トラペロ監督(1)

 イム・サンス監督(1)

 RomaGasiorowska(1)

 リシャルト・ブガイスキ監督(1)

 ロネ・シェルフィグ監督(1)

 チャン・フン監督(1)

 ヴィム・ヴェンダース監督(1)

 アブデラマン・シサコ監督(1)

 イ・ジョンギル(1)

 マルティン・シュリーク監督(1)

 キム・ジョンチョル(1)

 ジョン・キューザック(1)

 

メールフォーム/Mail Form
ご自身のメールアドレスを知られたくない方は、コメント欄からどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。