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(未) Rain <2008/アルゼンチン> ★★★

lluvia.jpg
Rain/Lluvia
2008/110min/アルゼンチン
ドラマ
監督/脚本:パウラ・エルナンデス
出演:Valeria Bertuccelli、エルネスト・アルテリオ
IMDb評価:6.7/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


lluvia1.jpgある雨の日のブエノスアイレス。アルマは大渋滞で身動きがとれずにいた。車中、途方に暮れていたら、見知らぬ男性が車に乗り込んできた。危害を加えるつもりはないというその男性は怪我をし、血を流している。応急処置を施し、その男性が宿泊しているホテルへ送って別れたが、翌日、アルマはその男性に会いに、再びホテルを訪ねる…。

監督は、「オリンダのリストランテ(2001)」のパウラ・エルナンデス。
出演は、「XXY(2007)」のValeria Bertuccelli、「木曜日の未亡人(2009)」のエルネスト・アルテリオ。



lluvia2.jpgある事情で車生活をしていたアルマ、ある事情でブエノスアイレスへ来ていたスペイン人のロベルト。都会の片隅で偶然出会った見知らぬ2人の一期一会な出会いを通じて2人の心境の変化を描くロードムービー。

タイトル“Lluvia”は雨の意。シーンのほとんどが雨で、どんよりした天気。表情の異なる雨が、心の微動を繊細に表現している。あらすじなどなく、ほとんど何も起こらず、かなりのスローテンポだが、退屈になりがちなストーリーを情緒的に演出している。

大都市にいればいるほど人との距離ができ、見知らぬ人への警戒心が強まるこの世の中。人との出会いっていいなぁと思わせてくれる作品だった。ありふれているが、あまり着目されないような地味なキャラクター設定に共感してしまう点も多い。接点がなく、雨によって結びつけられる男女が恋に発展することを示唆させながら、もどかしくストーリーは進み、しかし、どこか温かみのある眼差し。2人がどんな事情を抱えているのかは徐々に明かされていくが、感傷に浸る作品でもなければ、過去を振り返る作品でもない。

主演2人は出演数は少なくはないが、まだまだ主演級の主演作は少ない。失礼ながら、美男美女ではなく、大物のオーラがない2人を主演に置いているところにも親近感。

<観賞> 2012/5/14

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Cleopatra <2003/アルゼンチン> ★★

Cleopatra.jpgCleopatra
2003/104min/アルゼンチン
コメディ、ドラマ
監督/脚本:Eduardo Mignogna
出演:ノルマ・アレアンドロ、ナタリア・オレイロ、レオナルド・スバラグリア
IMDb評価:6.9/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ブラック度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


Cleopatra1.jpgクレオパトラは最近、長年務めた教師を定年退職した。無職の夫は毎日家でゴロゴロテレビを見て時間が過ぎるのをただただ待つだけの生活。夫のようにはなりたくないクレオパトラは第2の人生のために、あるドラマのオーディションを受けるが、緊張のあまり恥ずかしい失敗をしてしまう。トイレで泣いているとある有名女優が慰めてくれた。意気投合し、その日は女優の家へ泊まることにした。次の日家へ帰ろうとしたが、旅に出かけるという女優のお伴をすることにした…。

監督は、「Autumn Sun(1996)」「The Lighthouse (1998) 」のEduardo Mignogna。日本での発表作がないようだが、アルゼンチンを代表する監督の一人。私にとって3作目だが、どれもハマれず…。
出演は、「オフィシャル・ストーリー (1985)」でカンヌ映画祭女優賞受賞のノルマ・アレアンドロ、ウルグアイ出身でアルゼンチンを中心に活躍する歌手のナタリア・オレイロ、「娼婦と鯨(2004)」「NAKEDマン・ハンティング(2007)」「木曜日の未亡人(2009)」のレオナルド・スバラグリア

Cleopatra2.jpg輝かしい女優生活を送る彼女も人には言えぬ私生活に問題を抱えていた。全てを投げ出し逃げ出したい時って誰にでもある。偶然出くわした、親子ほど離れた2人の現実からの逃避行ロードムービー。

人生の岐路に立った時、“やるべきことをやるか”、“やりたいことをやるか”、“ちょっと立ち止まってみるか”。人生は何歳からでもやり直せるというメッセージが込められている。普遍的なテーマで、観る人を選ばない作品だが、2人の行動があまりにも身勝手で無責任。いい大人が取る行動にしては無鉄砲すぎる。かといってドラマチックな展開があるわけでもなく、面白さにも欠ける。カンヌで女優賞を受賞したノルマ・アレアンドロの演技だけが見所。

<観賞> 2012/5/13

(未) No Return <2010/アルゼンチン=西> ★★★★

sin retornoSin retorno
2010/104min/アルゼンチン=スペイン
ドラマ、スリラー
監督/脚本:Miguel Cohan(監督デビュー作)
脚本:Ana Cohan
出演:レオナルド・スバラグリア、バルバラ・ゴエナガ、アナ・セレンターノ、フェデリコ・ルッピ、Martin Slipak、Bárbara Goenaga
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★

sin retorno2パブロは深夜、自転車で帰宅中、書類が風に舞ってしまい、道路の真ん中で拾い上げていると車が突っ込んできてしまった。幸いなことに被害は自転車だけで、パブロに怪我はなかった。運転手フェデリコもそれを確認し、その場を去った。ところが、パブロは壊れた自転車をいじっていたら今度は他の車が突っ込んできてしまった。ついにパブロは帰らぬ人となってしまう。運転手マティアスは救急車を呼びはしたが、怖さのあまりその場を後にし、両親には車が盗まれたと嘘をついてしまう。そして、最初の運転手フェデリコが逮捕されてしまった…。

監督は、「木曜日の未亡人(2009)」のマルセロ・ピニェイロ監督の助監督を務めていたMiguel Cohanの監督デビュー作。
出演は、「娼婦と鯨(2004)」「NAKEDマン・ハンティング(2007)」「木曜日の未亡人(2009)」のレオナルド・スバラグリア、「TIME CRIMES タイム クライムス(2007)」のバルバラ・ゴエナガ、「失われた肌(2007)」「木曜日の未亡人(2009)」のアナ・セレンターノ、「クロノス(1992)」「パンズ・ラビリンス(2006)」のフェデリコ・ルッピ。

sin retorno1最初の運転手フェデリコはまさかパブロがその後亡くなっていたと想像することもなく、車を修理に出してしまっていた。事件直後のことでもあり、事故目撃情報や、車の損傷からフェデリコが容疑者として逮捕されてしまった。自分は自転車を轢いただけだど主張するが、弁解の余地はなく、刑務所に送られてしまった。冤罪で刑務所にぶち込まれてしまったフェデリコの復讐劇がスタートする。

全く接点のないフェデリコ、マティアス、パブロの3人のある晩の様子が並行して描かれ、家庭事情もよく作り込まれている。1件の交通事故で3人は結びつき、以降ストーリーはシリアスな方向へと移行し、最後まで目が離せない。一夜にして一転してしまう悲劇を描いており、復讐劇が軸となるが、一味違う心理スリラーになっている。テーマは良心の呵責、贖罪、赦し。

冤罪で捕まってしまったフェデリコ、事実を隠し怯えるマティアスとその両親、亡くなったパブロの父親の視点で展開しており、それぞれの心理状態に伴う行動を対比させるように描く奥行きのある複雑構造になっている。恐ろしいのは、ここで描かれていることは悪意のない交通事故が発端で、いつ自分の身に降りかかるかわからないほど身近に潜んでいるということ。それぞれが追い込まれていく心理に迫ったストーリー展開といい、演出、演技全てにおいて文句のつけようがない完成度。本人の良心に委ね、余韻を含ませた結末もいい。

<鑑賞> 2012/4/6

(未) Penumbra <2011/アルゼンチン> ★★★★

penumbra.jpgPenumbra
2011/90min/アルゼンチン
ホラー、スリラー
監督/脚本:アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ、ラミロ・ガルシア・ボグリアーノ
出演:クリスティーナ・ブロンド、Camila Bordonaba、Berta Muñiz
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 ★★(スプラッターあり)

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★

penumbra1.jpgマルガリータは父の遺産のアパートを相続していた。借りたいという人が見つかり、アパートの前で待ち合わせをしていたがなかなか現れない。痺れを切らし部屋へ上がると、すでに男女が部屋の前にいた。さっそく部屋を案内をすると気に入ってくれ、その人に貸すこととなった。契約に必要な書類をもってくるという男性に電話を掛けたいが、携帯を忘れたため貸して欲しいと言われ、マルガリータは快く貸し、その間向かいのスーパーで買い物をすることとした…。

監督は「36 PASOS (2006)」「ザ・ヘル ネクストステージ(2008)」(どちらも未見)のスペイン人アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督の長編9作目。4作品は日本でもソフト化しているので、本作もあり得るかも。出演は、「スパニッシュ・アパートメント(2002)」「ロシアン・ドールズ(2005)」のクリスティーナ・ブロンド。

penumbra2.jpgマルガリータの携帯は終始鳴りっぱなしで所構わず出てしまう。字幕が目で追い切れないほどの会話量と感情的な話口調、身勝手な態度がどうも好きになれない。
失くした鍵を探しにアパートと買い物に行ったスーパーを行ったり来たり、今度は携帯の充電が切れ、電話を借りに下の階へ行ったり来たり。マルガリーターはとにかく落ち着きがなく、いちいち癇に障るキャラクター。その設定が伏線となり結末まで上手に活かされている。

部屋の前にいた男女がアパートを借りにきた人たちだと勝手に勘違いしてしまったことが事の全ての発端。マルガリータはその場の感情だけで行動するタイプで、物事を深く考えない。訪ねてきた男女にはそんな安易なマルガリータのキャラクターは好都合であり、二人のペースにどんどんはまっていってしまう。そんなことにも気付かず振り回されるマルガリータをうまく利用しようと企んでいる男女の仕草や目配せがいちいち気味悪く、マルガリーターが部屋を離れる度に仲間は増え、気味悪さも一層増していく。

タイトルは日食の意。皆既日食が予告された当日を背景としており、何が起こるのか誰にも予測できない日でもある。この日に起きたことは奇跡的体験だったのか?それとも妄想だったのか?世の中、理屈では説明できないことが数多くあるけれど、なんとも後味が悪く、こんな気味の悪い映画初めて観た。現実だったのか妄想だったのか、境目を曖昧にし、解釈は観る側に委ねているが、クライマックスとなる終盤の強烈さはトラウマになりそう。世の中で一番怖いのって幽霊なんかじゃなくて、何を考えているかわからない人や理屈が通らない人、洗脳されている人…。本作の登場人物はそんな人たちばかりだった。

かなり癖のある監督だとは聞いていたが、もう少し追っかけてみたいと思った。

<鑑賞> 2012/4/19
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Mediaterous <2011/アルゼンチン> ★★★☆

sidewalk.jpgMedeaneras/Sidewalls
2011/95min/アルゼンチン
ドラマ
監督/脚本:Gustavo Taretto
出演:Javier Drolas、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、イネス・エフロン
IMDb評価:7.4/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★

sidewalk1.jpgアメリカに行ったきり戻ってこない彼女が置いて行った犬と一緒にすんでいるマーティンはwebデザイナーで家のPCで仕事をし、ゲームをし、音楽を聴き、買い物まで済ましてしまっている。一方向かいのアパートに住むマリアは建築家でありながらショップのディスプレーの仕事をしている。家で一緒に過ごすのはマネキンたち。見知らぬ2人は偶然街ですれ違うが…。

監督は本作が長編デビューとなるアルゼンチン出身のGustavo Taretto。
出演は、「シルビアのいる街で (2007)」ピラール・ロペス・デ・アジャラ、「XXY(2007)」のイネス・エフロン


sidewalk2.jpg舞台は、アルゼンチンのブエノスアイレス。いろんなコンセプトの建物が不規則に立ち並び、多民族が行き交う大都会。あたかも「ウォーリーを探せ!」の中に迷い込んでしまったかのようでもある。短い秋、長い冬、待ちに待った春を背景とし、秋では終わりそうな恋、冬では終わってしまった恋、春では始まりそうな恋を2人並行に描き、孤独や恐怖症、自殺といった現代病に迫った作品。

自分にとってのウォーリーは誰なのか?探している人がわかっていても見つけるのが難しいのに、探している人がわからなくてどうやって見つけるられるのか?
空に張り巡らされた無数の配線は人間を結びつけるためなのか、それとも遮断させるためなのか。
携帯が世界中で繋がる現代、その携帯のせいで人とのコミュニケーションが減り、語彙力低下している現実への警告。
ロジカルなストーリーテリングがとてもわかりやすく、明確なメッセージがストレートに響く。淡々とドライな展開で、悲観的な2人を主人公にしていながら、どこか楽観的で温かみのあるのも魅力。選曲もストーリーにバッチリ合っているし、建造物の構造を人生論で紐解く展開といい、理屈っぽい感じがかなりのツボだった。
2人が住む部屋には日本の食材が数多くあり、ウォーリーを探せ的な感覚になれるのも楽しい。

<鑑賞> 2012/4/1
[サイト内タグ検索] 日本未公開 イネス・エフロン

南から来た女 (原題:Lifting de corazón) <2007/アルゼンチン=西> ★★★☆

lifting.jpg
Lifting de corazón/Heartlift
2005/94min/アルゼンチン=スペイン
コメディー、ドラマ、ロマンス
監督:エリセオ・スビエラ
出演:ペップ・マンネ、マリアナ・アンヒエーリ、マリア・バランコ、アルトゥーロ・ボーニン
IMDb評価:5.6/10

ブラック度 ★★
哲学度 ★★★
官能度 ★★★
邦題のセンス ん~




lifting1.jpg美しい妻と子供に囲まれて順風満帆の人生を送るセビリアの美容整形外科医アントニオは、学会で出張したブエノスアイレスで若くて魅力的な女性デリアと出会い、恋に落ちてしまう。情熱的なロマンスに溺れ、スペインに帰国しても元の生活に戻ることができないアントニオは…。@シネフィル

アルゼンチン出身のエリセオ・スビエラ監督、性のストレートな描き方には若干苦手意識がある。IMDb評価がかなり低いのは、監督の持ち味であるブラック要素が控えめだからなのか。かえって私には好印象であった。不倫が題材とはいえ、普遍的な“老い”というテーマを描いており、この監督には珍しくかなりまともな内容。
主演は(私の好きな)ペップ・マンネ。シネフィル放送作品だと、ルイス・プエンソ監督「娼婦と鯨」での夫役。

lifting2.jpg大学で教壇に立ち、海外の学会でも発表するほど整形外科医としての名声を築いているアントニオ。患者の気持ちと、時間と共に衰えていく容姿の怖さを一番によくわかっている人物でもある。しかし、倫理的に悩む一面も見せている。

患者の願いは時間を遡ることで、医師にできることは手を貸すことだが、それが倫理的といえるのか
大衆文化による影響を考える必要がある 
自然の要求なのか他人の目を気にしてのことなのか
だが、美貌を賛美する風潮が広がったことで整形外科の可能性も広がった


アントニオは、娘の妊娠を知り、祖父になる喜びを感じる一方、老いを感じていた。もう1人子どもを作ろうと妻に打診するが、年寄りの母親より若いおばあちゃんのほうがいいと断られてしまう。そんな時に出張先で出会ってしまった若く魅力的な女性。すぐに恋に落ち、溺れていくが、結局は自身の老いを再確認するだけであった。

倫理的観点との矛盾に悩まされながら、揺れる思いを巧みに描いている。数日前に再アップしたキム・ギドク作品「絶対の愛(原題:時間)」では、整形手術によって時間を巻き戻そうとする女性への皮肉や整形外科医の意義を描いているが、本作は男性整形外科医の視点による自身の“老い”がテーマである。作風もアプローチの仕方も全く異なるのに、結論の落とし所が同じであるところが面白い。中年男性の揺れる思いに焦点を当てており、ドロドロな泥沼感がないのも好印象。

原題は「中心部を持ちあげる」という意味。アントニオは豊胸手術の名医でもあった。

<鑑賞> シネフィルにて 2011/8/30
[サイト内タグ検索] ペップ・マンネ

【短編】 Muta <2011/アルゼンチン> ★★★★

miu1.jpgmiu2.jpg

Muta
2011/7min/アルゼンチン=イタリア
ドラマ、ファンタジー
監督/脚本:ルクレシア・マルテル(Lucrecia Martel)
出演:María Alche

才能溢れる多彩な女性映画監督たちとコラボレーションし、“ラブアフェア”を表現するMIU MIUのショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」。第一弾では、ゾエ・カサヴェテスを監督に招き、『パウダールーム(The Powder Room)』を発表。第二弾として発表されたのが、「顔のない女」のアルゼンチンのルクレシア・マルテル監督の「MUTA」。興味ある方は公式ページでどうぞ。動画サイトにもアップされてます。ファッション界では話題になっていますが、ショートムービーだからか映画ファンの間ではあまり聞きませんね。

「Mute(静寂)」と「Transfomation(変容)」の意味をもつ造語で、コンセプトは“女性のもつ変容する力”
舞台は熱帯の海に停泊した船の船上。メスのサナギという設定のキレイな女性たちはMIU MIUの高級ドレスに身を包み、巣をイメージした窓から次々と巣立っていく様子を描いている。

監督独自の視点で描かれた映像はミステリアスで、変貌を成し遂げた女性のみなぎるパワーは私が抱くMIU MIUのイメージそのもの。美しい女性たちの顔が隠されている演出は、顔を覗きたいという衝動が掻き立てられると同時に、衣装のセンスの良さが際立って見える。私はPRADAがあまり好きではないので、MIU MIUもあまり興味がないブランドでしたが、MIU MIUワールドを堪能。

[サイト内タグ検索] ルクレシア・マルテル監督

(未) The Dark Side Of The Heart <1992/アルゼンチン> ★★

dark side
El Lado Oscuro Del Corazón 
1992/127min/アルゼンチン=カナダ
コメディー、ドラマ
監督:エリセオ・スビエラ(Eliseo Subiela)  
出演:ダリオ・グランディネッティ、Sandra Ballesteros、ナチャ・ゲバラ、マリオ・ベネデッティ
IMDb評価:7.2/10

ブラック度 ★★★★
コミカル度 ★★★
芸術度 ★★★





dark side1ブエノスアイレスに住む売れない詩人のオリビエは、理想の女性を求めてバーやクラブに通い詰め、毎日違う女性をお持ち帰りする日々を送る。ある日、高級娼婦アナとの関係をきっかけに自身を見つめ直すという話。

日本では「トーク・トゥー・ハー」で知られているダリオ・グランディネッティの主演作で出世作。日本公開作はおそらく2本のみで、まだまだ知名度は低いけど、アルゼンチンではものすごい人気俳優。そして、スペイン語圏では有名らしいウルグアイ出身のマリオ・ベネデッティの詩が引用され、ご本人も登場している。本作の評価も本国では高いが、ブラック過ぎて、日本公開が無理だったのには頷ける。

dark side2立派な詩が引用されていて、おそらく“生と性”や“詩と死”をテーマにしている。ちゃんと読み取れば深いんだろうけど、ビジュアル的な刺激が強すぎて内容なんて全く記憶に残らず。半分はベッドシーンなのではと思うほどベッドインの回数が多い。喘ぎ声のリズムに合わせたジェットコースターのシーンがあったり、宙に浮かびあがるシーン(左写真)があったり、演出がすごいコミカル。お持ち帰りした女性がお気に召さなかったらベッドサイドにあるボタンを押して、そのままダストシュートしちゃうシーンもある。
性描写はほとんどないが、性器のオブジェがさり気なくさら~っと登場。オリビエの友人の芸術家のアトリエの入口が女性性器になっており、その入口をくぐると、友人は男性性器のオブジェを造っているという設定。シートもかけずに白昼堂々と作品を個展会場に運んじゃうのも日本じゃ無理だね。コメディーなのに暗くどよ~んとした色味はアルゼンチン映画らしい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/25
[サイト内タグ検索] 日本未公開

頭のない女 <2008/アルゼンチン=西=仏> ★★★★★

Headless.jpg
La mujer sin cabeza/The Headless Woman
2008/87min/アルゼンチン=スペイン=フランス
ドラマ、ミステリー
監督/脚本:ルクレシア・マルテル(Lucrecia Martel)
出演 : マリア・オネット、クラウディア・カンテロ、セサル・ボルドン、イネス・エフロンXXY
映画祭:
第61回(2008)カンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品
第5回スペイン・ラテンアメリカ映画祭上映
IMDB評価:6.4/10


閉塞感 ★★★★★
迷宮度 ★★★
哲学度 ★★★★



headless2.jpgアルゼンチン北部の町サルタに住むベロニカは、車の運転中、一瞬のわき見で何かをひいてしまった。犬なのか?子どもなのか?車を止めて振り返えると何かが横たわっていたが、何をひいたのかも安否も確認することなくその場を後にする。夫は「きっと犬だから大丈夫だよ」と言って慰めるが不安と恐怖は彼女を襲い続ける…。

カメラはベロニカを尾行しているかのように私生活をひたすら追い続けるだけだが、クローズアップが多く、陰湿でねちっこい印象を受ける。双眼鏡で覗き見しているような罪悪感すら感じ、トラウマに悩まされる彼女から漂う閉塞感が全面に押し出されている。好き嫌いがはっきり分かれそうだが、この息苦しさはたまらなく私好み。雰囲気としてはルーマニア映画の「4か月、3週間と2日」に近い。

この作品のすごい所は、何気ない日常の映像の中でベロニカの精神衰弱していく様子をただ描くだけでなく、アルゼンチンの生活環境を自然に映し込んでいるところにある。ベロニカは歯科医で富裕層であるのに対し、画面に入り込んでくる人々はお手伝いさんであったり、小遣い稼ぎに車の清掃に来る子どもたちなど混血の人たちばかり。はっきり分けられている階級社会がまざまざと映し出される。監督の洞察力には脱帽。そして、面白いのがベロニカはそんな貧富の差に気付いていないどころか、自分の置かれている恵まれた環境が当たり前だと思っている。これこそがタイトルの「La mujer sin cabeza(頭のない女)」という意味なのだろう。皮肉的なタイトルもかなりのツボ。

headless1.jpgベロニカは1人悩み苦しみ、時間と共に忘れようとするが、いたたまれなくなり旦那に真相を話す。しかし、夫は「きっと犬だから大丈夫」というばかりで一向に気は休まらない。そんな時、事故現場近くで少年の死体が上がったというニュースが流れる。溺死という報道であったが、不安は拭い去れない。ベロニカは一体何をひいたのか、上がった死体はひいてしまった少年なのか、ベロニカはこれからどうなるのか、話はどんどん迷宮入りしていく。



結末に触れています。
事故で痛めた首のレントゲン結果を聞きに行くが、なぜだか写真がないと言われた。そして、事故直後1人考えるために休憩していたホテルの記録、轢いた際にできた車の傷もなくなっていたことを知る。何者かによって事故直後の行動がもみ消され、全てが闇に葬れようとしているのである。誰がどうやって事実をもみ消したのかは容易に察しがつくが、劇中では言及されていない。ひいたのは犬なのか、人なのかも明らかにされないまま幕を閉じる。真相は誰にもわからない。

うやむやなまま闇に葬られていく事実。こうまでして彼女の心には何が残るだろうか。おそらく軍事政権への批判も含めているのだろう。罪からは逃れても、不安と恐怖からは逃れられない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/25

娼婦と鯨 <2004/アルゼンチン=スペイン> ★★★★☆

kujira.jpg
La puta y la ballena
2004/120min/アルゼンチン=スペイン
製作/監督/脚本:ルイス・プエンソ「オフィシャル・ストーリー
製作:パブロ・ボッシ
製作総指揮: パブロ・ボッシ
脚本:アンヘルス・ゴンサレス・シンデ、ルシア・プエンソ「XXY」「フィッシュチャイルド」
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
出演:アイタナ・サンチェス=ギヨン、レオナルド・スバラグリアペップ・マンネ、ミゲル・アンヘル・ソラ
IMDb評価:7.0/10

官能度 ★★★★★
映像美 ★★★★




オフィシャル・ストーリー」でアルゼンチン初のアカデミー賞を受賞したルイス・プエンソ監督作品。本作が最後の監督作品であり、以降は娘であるルシア・プエンソ監督作品の制作に携わっている。そのルシア・プエンソは脚本に参加し、「XXY」で鮮烈な監督デビューを果たしている。「オフィシャル・ストーリー」と「XXY」をうまく融合させたような作品になっている。

kujira3.jpg
乳癌に侵された女性作家べラは、ある1枚の古い写真について記事を書いて欲しいと依頼を受ける。自分の若い頃によく似ていたが、1930年代の写真家と売春宿で働く娼婦の写真であった。治療のため入院していると、その写真に関する女性も入院しており、興味深い写真を持っていた。退院時にそれらの写真を持ち出し、写真と共に写真家と娼婦のことを知っている人に話を聞きながら、記録を辿っていくことにした…。

kujira1.jpg



現在と過去が交差し、全体像がつかめるまではかなり負担がかかるが、病魔に冒された現在の女性と、内戦に翻弄された過去の娼婦とが一本の線で交わる時の巧みな画がす~っと心に沁み渡る。それは、片乳を失った喪失感を娼婦の切ない思いが癒してくれていたのだと思う。辿れば辿るほどわかるのは、娼婦の切ない愛の軌跡であった。

乾いた大地にねっとり漂う官能。全くいやらしさのない裸体。
これぞアルゼンチンと言わんばかりのタンゴダンス。バンドネオンの音色。
どこをとっても珠玉。哀愁と官能に酔いしれてしまう。

kujira2.jpg
フィルター越しにしか女を見ることができない写真家と、バンドネオンを奏でるかのように女性を操り、そして心と香りで見分ける盲人。
娼婦として体を売りながらも心は見せない娼婦と、心は見せても乳房は見せない作家。
対比させるように描きながら、鯨の習性と人間の運命を重ね合わせる演出にはため息が出ちゃう。
70年という月日をかけて現れた鯨は、見守ってくれる母のようでもあり、全てを見透かしているかのように優しく迎え入れてくれる。
大海原を自由に悠々と泳ぐ鯨のように自由を求めた娼婦には女としての強さと覚悟を感じ、乳房を失った女性の心痛も見事に映し出している。

「価値と値段はちがうのよ!」劇中の痛烈なひと言。胸に刻んでおきたい台詞であった。
人生経験をもう少し積んだら、観直したい。

<鑑賞> シネフィルイマジカにて 2011/4/2

カランチョ <2010/アルゼンチン=チリ=仏=韓国> ★★★★☆

Carancho.jpg
Carancho
2010/107min/アルゼンチン=チリ=仏=韓国
犯罪、ドラマ、ロマンス
監督/脚本:パブロ・トラペロ
出演:リカルド・ダリンXXY」、マルティナ・グスマン、ダリオ・ヴァレンスエラ
映画祭:2010 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 出品
    2010 第7回 ラテンビート映画祭
2010 アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★
驚愕度 ★★★★

2011年 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品についてはこちら



<あらすじ>
ソーサは交通事故専門のベテラン弁護士。終始、病院の ER や警察に出入りし、ハゲタカのようにクライアントを探し回っている。一方、赴任してきたばかりの若い女医ルハンは、ER にひっきりなしに運び込まれる交通事故の被害者の対応に追われ、満足に眠ることさえできずにいた。2 人は、ルハンが道で被害者を救援中に出くわし、恋に落ちていく。(@ LBFF 公式サイト

<レビュー>
交通事故を題材にした社会派ドラマ。アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作であり、リカルド・ダリン主演ということもあって、一般公開を待っていましたが…。しびれを切らし、自宅鑑賞。

Carancho1.jpg毎年8000人が交通事故の死亡者だという。アルゼンチンが交通事故多発国だとは知らなかった。
ソーサは救急病院に通い詰めては被害者を探し、保険金の一部をまきあげて利益を得ている交通事故専門の弁護士。この行為を「カランチョ(=ハゲ鷹)」と皮肉っている。(もしかしたら本当にそいういう表現があるのかもしれないけど…)

時には、体を犠牲にしてでもお金を必要としている人たちのために、保険金目当ての狂言事故まで計画することもある。ソーサは推定事故現場近くに待機し、事故が起こったらすぐに救急車を呼ぶといった連携プレーは見事。まんざらフィクションとは思えないほどリアルで、恐ろしくなってしまう現実。事実、1人はこの狂言で亡くなってしまいます。この死亡事故を機に、足を洗おうと決意する。

一方、救命救急士として働くルハン。
過酷な労働条件で身を削り、ドラッグでどうにか持ちこたえているという状況。運ばれてくる患者は交通事故の被害者ばかり。もしかしたら、ほとんどが保険金目当ての狂言事故なのでは?

Carancho2.jpg希望も見えない悪循環な社会で出会うべくして出会ってしまった2人。社会的地位の高い職業に志して就いたであろうに、置かれている現状はあまりにも残酷。やるせない思いが自然と2人を引き寄せてしまう。しかし、そううまくはいかないところが本作のおもしろいところ。この後、追い詰められ、焦燥し、前の見えない現実の厳しさを目の当たりにすることになる。

中盤、冗長に感じる部分もあり、どう結論づけるのかと思ったけど、終盤30分の展開には驚愕。2段階のどんでん返しな結末が用意されおり、気が抜けない。

タイトル 「カランチョ(=ハゲ鷹)」とは、一体誰のことなのか…私は国だと思う。
社会に翻弄され、歯車の狂う人生は国が残した負の遺産である。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/5

[サイト内タグ検索] リカルド・ダリン

オフィシャル・ストーリー <1985/アルゼンチン> ★★★★☆

軍事政権下のアルゼンチンのおぞましい実態。アルゼンチン初のアカデミー賞受賞作。

official1.jpgLA HISTORIA OFFICIAL/THE OFFICIAL STORY
1985/115min/アルゼンチン
監督/製作/共同脚本: ルイス・プエンソ
共同脚本:アイーダ・ボルトニク
出演:エクトル・アルテリオ、ノルマ・アレアンドロ、ウーゴ・アラーナ
受賞:1985年カンヌ映画祭主演女優賞、1986年アカデミー外国語映画賞他、多数
IMDb評価:7.8/10

社会度 ★★★★★
衝撃度 ★★★
ミステリー度 ★★★

日本では1987年に劇場公開され、VHSが発売されているが、DVDは海外版のみのようである。娘は「XXY」「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」のルシア・プエンソ監督。社会性の高いテーマを扱うこと、ベールに包まれていた秘密を徐々に明かしていくミステリーのような展開は父のスタイルを受け継いでいるのであろう。父娘ともに興味深い。
舞台は1983年、軍事政権下のアルゼンチン。事実を基にしているということで、当時のおぞましい情勢、実態が浮き彫りになっており、すごく勉強になった。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/24
[サイト内タグ検索] ルイス・プエンソ監督

XXY <2007/アルゼンチン=仏=スペイン> ★★★★★

重い題材だあるけれど、個人の選択の自由という普遍的テーマを扱っている。

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2007/86min/アルゼンチン=仏=スペイン
脚本/監督:ルシア・プエンソ「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説
製作:ルイス・プエンソ「オフィシャル・ストーリー」
出演:イネス・エフロンフィッシュチャイルド/ある湖の伝説」、リカルド・ダリン
受賞:2007年カンヌ映画祭 批評家週間作品賞
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★★★★
衝撃度 ★★★★★

ルシア・プエンソ監督の長編デビュー作。
2作目である「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」鑑賞後にルイス・プエンソ監督(アルゼンチン初のアカデミー賞受賞監督)の娘さんであることを知り、一層興味が湧いた。本作は父がプロデューサーを務めているからなのか、父娘のスタイルは極めて似ている。評判通り、デビュー作からとんでもない作品である。五つ★では足りないぐらい。
両方の性の狭間で迷い続け、性の判別に悩むアレックスを演じるイネス・エフロンには、性を感じさせない無性的な雰囲気があって惹きつけられる。「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」でも難しい役どころを演じていたけれど、本作がデビュー作とは思えない演技を見せている。父親役にはリカルド・ダリン
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日本では映画祭で上映されただけで、残念ながら配給がつかなかった。私にとって初めてのテーマなのでわからない単語がいっぱいあって、一時停止をしながら何度か辞書で単語の意味を確認していった。ちゃんとした日本語字幕で観直したい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/22

スール/その先は…愛 <1988/アルゼンチン> ★★★

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Sur/ Th South
1988/127min/アルゼンチン
監督/製作/脚本:フェルナンド・E・ソラナス
助監督:ギャスパー・ノエ
音楽:アストル・ピアソラ・キンテート
出演:ミゲル・アンヘル・ソラ、ススー・ペコラーロ、フィリップ・レオタール、フィト・パエス、リト・クルス
受賞:1988カンヌ映画祭 監督賞
IMDb評価:7.3/10

邦題のセンス ★
社会度     ★★
映像美     ★★★
難解度     ★★

特筆すべきは助監督がギャスパー・ノエだということ。母国であるアルゼンチンでの助監督時代の2作品は「タンゴ -ガルデルの亡命- Tangos, l'exil de Gardel (1985)」と本作。ギャスパー・ノエの知名度とともに評判をちらほら目にするので観てみた。2作品とも邦題があるので日本で劇場公開された(?)ようだけど、日本語のサイトで関連記事を見ても彼の名前はない。

1983年のある夜、軍事独裁政権が終わり5年の刑務所暮らしから解放されたフロレアルが窓を叩く。そして物語は5年前にさかのぼり、フロレアルの幻想として独裁政権が崩壊するまでを描く。この時代、当局に捕まると、そのまま行方不明になることも少なくなかった。家族としてはどこの刑務所に収容されているのかも自分たちで探し出さなければならないし、無事に家に戻って来る保障もない。不条理な世の中、政治犯の不当な扱い、人々の苦悩の描き方、一度観ただけでは理解できない難解さもポーランド映画と似ている。国は違えど、同じことを願っている。
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冒頭のタンゴの生演奏にはシビレた。バックの青を基調といた映像もいい。月明かりが差し込む夜の海底のような神秘的な映像はおそらく幻想を表現しているのでしょう。幻想と音楽(特に歌詞)が絶妙にマッチしている。この映画のために書き下ろされた音楽なのだろうか。映像、音楽共に行きつく先は愛。

フロレアルの失った5年間。幻想と現実が交差し抽象的な展開に、動く時間軸。最後まで観てようやく謎が解けるような仕組みは少々疲れる。映像感覚は今のギャスパーに通ずるものを感じる。

邦題のスールって何のこと?って思ってたけど、原題の読みをそのままカタカナにしたものらしい。スペイン語わかる人しかわからない邦題って意味あるの!?

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/15
[サイト内タグ検索] ギャスパー・ノエ監督

華麗なる詐欺師たち <2001/アルゼンチン> ★★★☆

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Nueve Reines/ Nine Queens
2000/115min/アルゼンチン
監督/脚本:ファビアン・ビエリンスキー
出演:ガストン・パウルス、リカルド・ダリン、レティシア・ブレディス、トマス・フォンシ
IMDb評価:7.8/10

邦題のセンス ★★★★
詐欺度     ★★★★★

アルゼンチンの映画賞を総なめにした本作。ソダーバーグプロデュース「クリミナル」(2004/米)としてリメイクされている。
始まってそうそう、コンビニで釣銭を誤魔化す巧妙なトリックが披露され、頭の中は???。種明かしはいろんなブログに書かれていて鑑賞後読みあさったけど、私は未だに理解できない。冒頭からのあまりのテンポのいい手口に映画への期待度も高まる。前半でアルゼンチン版オレオレ詐欺を始め、いろんな手口が披露されている。よっぽど疑い深くない限り、騙されてしまっても仕方がないと思う手口は、まさに華麗。関心させられっぱなしだった。
登場する詐欺師曰く、詐欺師と窃盗は違うそうで、詐欺師としてのプライドも高いのである。窃盗の鮮やかな手口も紹介されている。
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原題の「9つの女王」とは稀少価値の高い切手であり、それを手に入れて詐欺を働らこうという話である。冒頭がテンポ良かった割には中盤から失速してしまうが、それも計算の上だったのかもしれない。一体何が起こっていて、誰が仲間なのかわからなくなってしまう。詐欺師映画らしく、2転3転するオチにも見事にはめられてしまった。一番の詐欺師は監督だと思った。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/3
[サイト内タグ検索] リカルド・ダリン

フィッシュチャイルド/ある湖の伝説 <2009/アルゼンチン> ★★★

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El niño pez/ The Fish Child
2009/ 96min/ アルゼンチン=フランス=スペイン
原作/脚本/監督:ルシア・プエンソ
出演:イネス・エフロン、マリエラ・ビタレ
言語:スペイン語、グアラニ語
受賞:ベルリン国際映画祭正式出品、マラガ映画祭審査員特別賞、撮影賞受賞
IMDb評価:5.5/10

<あらすじ>
アルゼンチン・ブエノスアイレスの高級住宅地に住むララと、その邸宅で働くパラグアイ人メイドのラグアイ。生まれも育ちも異なる2人の少女は秘かに愛し合い、いつかラグアイの故郷にあるイポア湖畔に住むことを夢見ていた。ある日、イポア湖を訪れたララは、そこでラグアイの怪しい過去を知る。

<レビュー>
国際的に高い評価を得ている前作「XXY」で監督名は耳にしているが、未だ観れず。先にこちらを鑑賞。

ブエノスアイリスの上流階級の娘ララとパラグアイから出稼ぎに来ているお手伝いラグアイ。身分差恋愛、しかも同姓愛を軸に、格差社会、児童買春、近親相姦を描いている。一筋縄にはいかないのはなんとなく予測していたが、予測をはるかに上回る大胆な内容だった。映像感覚といい、好きな作風だ。逆順構造でかなり混乱させられるが、逆に興味を掻き立てられる。終盤になるにつれ、パズルのように当てはまっていく構成はお見事。2人の体を張った演技も素晴らしい。
the FishChild
イポア湖に住むのが2人の夢だったが、悲劇が2人を引き裂いてしまう。ララ1人で湖へ向かい、アイリンの過去が明らかになっていく。湖のシーンが幻想的でとても印象深い。何か意味がありそうだったが読み取れなくもどかしかった。どうやらギリシャ神話をモチーフにしているらしく、数々のプロットが隠されていたらしい。自分の無知さを再確認させられた作品となってしまった。ギリシャ神話をもう少し勉強してから再チャレンジしたい作品だ。

<鑑賞> 英語字幕 2010/9/27


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