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(未)Miss Violence <2013/ギリシャ>★★★★

miss-violence.jpg
Miss Violence
2013/98min/ギリシャ
ドラマ
監督/脚本:Alexandros Avranas
脚本/出演:Kostas Peroulis
出演:Constantinos Athanasiades, Chloe Bolota
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 


miss_violence2.jpg
三女Angelikiの11歳の誕生日を家族で祝っていた最中、Angelikiは笑顔でベランダから飛び降りてしまった。警察は自殺とは別に、事件として捜査を始めていたが、家族はかたくなに事故だと言い張る・・・ 。

長女は唐突に「妊娠したの」と母親に伝えるが、母親はたいして関心を示さない。三女のAngelikiが亡くなったというのに、誰も動揺を見せない。その後、死について触れようとしない。


miss_violence1.jpg
なぜ11歳の娘が、しかも自分の誕生日にベランダから飛び降りたのか?を紐解いていくストーリーだが、一般的な警察による謎解きというよりは、家族の日常生活から観客に真相を読み取らせ、家族の実態を明らかにしていく展開。ドラマというよりは、観る者に恐怖を与えるホラー要素のほうが強い。抽象的でありながらも、台詞の一言一言がプロットになっており、頭によぎる、まさか?な展開を衝撃的に映像で見せていく挑戦的な作品。観る人を選ぶ作品であるが、またブログを始めたいと思える作品だった。不自然なほどに登場人物は限定されており、この一家だけに焦点が絞られている。極端に感情表現が乏しく、家族の絆が全く見られない。独特なカメラワークは家族の歪みを表現していたのかもしれない。

<鑑賞>2014/6/7
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Ave <2011/ブルガリア> ★★★

ave.jpg
Ave
2011/86min/ブルガリア
監督/脚本:Konstantin Bojanov
脚本:Arnold Barkus
出演:Angela Nedialkova、オヴァネス・ドゥロシャン、Martin Brambach
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


ave1.jpgカルメンはヒッチハイクをしようと道に立っていた。そこへ謎の少女がやってくる。彼女もカルメンの後ろに立ちヒッチハイクを始めた。先にカルメンが車を止めたが、少女も一緒に乗り込んできた。祖母が癌で田舎へ向かうというその少女は、たった今会ったばかりなのに、カルメンと兄弟だと嘘をつく。その後も、嘘をついてはドライバーの同情を買い、一緒にヒッチハイクを続けたが、カルメンはたまらなくなり、別行動をとることにした…。

監督は、本作がデビュー作となる。
出演は、「ソフィアの夜明け」のオヴァネス・ドゥロシャンとAngela Nedialkova。

ave2.jpgヒッチハイクを乗り継ぐ2人の交流を描いたロードムービー。劇的なことは起こらず、一期一会な出会いによる心境の変化を掘り下げた作品である。乗り継ぎ、次々と変わるドライバーからも人生や社会的背景が見えてくるセリフ使いが興味深い。
カルメンは友人の葬儀に参列するために故郷に戻ろうとしていたこと、少女は家出娘で、弟の消息を探していることなど2人の状況が旅を進めるごとに徐々に明かされていく。

少女がなぜ男たちを嘘で煙に巻くのかは想像に任されている。父親の再婚や、弟の失踪で心を痛めており、嘘で自身を取り繕っていたようにも思う。日本でも社会問題(?)になっている、渋谷に集まる家出少女と被って見えたのは本作の少女が場所を問わない等身大の若者だったということだろうか。

オチがなく、解釈も観る者それぞれに委ねており、曖昧なのだが後を引くエンディング。頼るあてがなく、誰でもいいから支えが欲しい時ってきっと誰にでもあるはず。一期一会でも人の運命を変える出会いについて考えさせられた。

<観賞> 2012/7/16

[サイト内タグ検索] 日本未公開

籠の中の乙女 (原題:Kynodontas) <2009/ギリシャ> ★★★★★

日本公開決定したので、最新記事として再アップします。記事内容は書き変えていません。
2012年8月公開予定。

**************************************

この新感覚はカンヌ国際映画祭「ある視点部門」受賞も納得。でも、洗脳は怖い。

dogtooth.jpg
Kynodontas/ Dogtooth
2009/94min/ギリシャ
ドラマ、コメディー
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:Christos Stergioglou、Michele Valley、Aggeliki Papoulia
IMDb評価:7.4/10

露出度    ★★★
ユニーク度 ★★★★★
邦題のセンス ★★(“籠の中”という表現は正しいけど、乙女だけではない!)




なんじゃこりゃ。笑っていいのか悩んでしまうんだけど、かなりツボにハマった。不自然な演技で変な撮り方、ゆる~い感じで展開するのに、開いた口がふさがらなくなる。ものすごい想像力が豊かというのか、あまりにも尋常じゃなくて何が起こるのかさっぱい検討がつかない。性器の露出が多いのに、ごく自然に見えるのが不思議。カンヌ国際映画祭「ある視点部門」受賞し、アカデミー賞にノミネートされている。

プール付きの家に暮らす5人家族。かなり高い垣根やら塀に囲まれた自宅に娘2人と息子1人は監禁され、外部との接触をしないようにしている。父親は車で通勤しているが、母親が外へ出るのも見たことがない。もちろん子どもたちは学校には行かず、両親が教育をしてるのである。“今日の単語”をテープで流し言葉を覚えさせている。単語の意味は両親の都合ですり替わっている。“ゾンビ”は“黄色い花”だと教えられているため、「庭にゾンビが二つあるよ~」なんて無邪気に言うのである。驚いたことに、父親は息子の性処理のために、同僚(部下?)の女性を金で雇っている。自宅の所在がバレナイように目隠しをさせて車で連れてくるのである。この女性が子どもたちにとって外部との唯一の接点であり、外への関心を抱くようになる。
dogtooth1.jpgdogtooth2.jpg
子どもといっても年齢は20歳前後。体つきは大人なのに毎日することといったら、庭やプール、おもちゃで遊ぶことである。兄弟3人で遊ぶ姿は幼稚園の園児のようでもあるが、外の世界を知らないためおかしいことに気付いていない。お風呂も一緒に入ったり、同じベッドで寝たり、性的な行為をしているようにも見えるが、本人たちにはそういった意識はないのだろう。父の言うことは絶対であり、完全に洗脳されている。子どもたちの将来を不意にしてることに罪の意識はないのだろうか。

洗脳とか性秩序の乱れは北朝鮮の独裁政治(北は裕福だが、南は貧しいと洗脳させたり、出世のために妻や娘を指しだす)とかぶる。監督の意図は、もしかしてギリシャの独裁軍事政権への批判?

タイトル「dogtooth」とは「犬歯」のこと。犬歯が抜けたら外へ出られるという教育を受けているのである。世界で一番恐ろしい動物は猫で、犬の鳴き声をして追い払う方法も教えられている。姉妹同志や父親、父親が連れてくる女性の下半身や肩、おなかを舐める行為をよくしている。もしかしたら、この人たちは犬なのでは?という疑問が・・・。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/1
初版:2011/2/2
最終更新日:2012/6/15
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(未) Wasted Youth <2011/ギリシャ> ★★★☆

wastedyouth.jpg
Wasted Youth
2011/122min/ギリシャ
ドラマ
製作/監督/脚本:Argyris Papadimitropoulos、
監督/脚本/撮影:Jan Vogel
出演:Haris Markou、Ieronymos Kaletsanos、Arthouros Kiviliov
IMDb評価:6.2/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

wastedyouth1.jpgあてもなく友人たちとスケボーをする16歳の青年ハリスと警察官の中年男性ヴァシリスの二つのストーリーを並行してドキュメンタリー風に描いている。平凡な日常を垂れ流すだけで特にあらすじはない。

あれこれうるさい父親とは顔を合わせる度に喧嘩、友人たちと過ごす合間に入院中の母を見舞う程度で、あてもなく友人たちとつるむだけでハリスの一日は過ぎ去っていく。一方、警察官のヴァリシウスも14歳の反抗期の娘と妻のためにだけに面白くもない警察官を続け、つまらない時間が流れるだけであった。

2人は世代は違うものの、人生に目的がないという共通点がある。しかし、16歳のハリスは自由を謳歌し、楽観的。今の生き方ではいけないことに本人はまだ気が付いていない。一方、中年のヴァシリスは人生に見切りをつけ悲観的に描かれている。世代も境遇も違う2人を対照的に描き、人生の意味や運命を考えさせてくれる作品。

wastedyouth2.jpg監督は「Bank Bang(2006)」に続く2作目となるArgyris Papadimitropoulos。撮影に携わるJan Vogelはドキュメンタリー出身。

平凡でありきたりな日常生活を映しているだけだが、作り過ぎないエピソードはリアル感があり、独特なカメラワークが飽きさせない映像になっている。視点もユニークでオリジナリティーがある。一歩下がった視点で、キャラクターの心理までは掘り下げられていない。感情移入しにくく客観的に観ることができるが、多くの人は平凡すぎてつまらないという感想を持つかもしれない。彼らの生き方は人生の縮図として見ることもでき、財政危機のギリシャが舞台というのも感慨深いものがある。私には日本のそう遠くない未来に見えてしまった。

<鑑賞> 2011/4/11




[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) The Island <2011/ブルガリア=スウェーデン> ★★

island.jpgThe Island
2011/95min/ブルガリア=スウェーデン
ドラマ
監督/脚本:カメン・カレフ
出演:トゥーレ・リントハート、レティシア・カスタ
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
民族度 なし
官能度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

island2.jpgダニエルとソフィアは30代のカップルで、パリに住んでいる。休暇を利用して2人でブルガリアへ旅行へ出かける。首都ソフィアに着くとブルガリア語を話すダニエルにソフィーは驚かされる。問い詰めると、ダニエルは幼少時代をソフィアで過ごしたという。船に乗り、ある島を訪ねるが、人々は風変わりな人ばかりでソフィーは気に入らない。一日でも早く帰りたいが、ダニエルは理由をつけては滞在を延ばそうとする。そんな時、ダニエルはソフィーのカバンの中から妊娠検査薬を見つけてしまい、口論になってしまう。ソフィーは妊娠を望んでいて、ピルを飲んでいると嘘をついていたのだ。関係はこじれ、ソフィーは1人で帰国してしまう…。

監督は「ソフィーの夜明け」で鮮烈なデビューを果たしたブルガリア人カメン・カレフ監督の2作目。
出演は、「君がための」に出演していたデンマーク人のトゥーレ・リントハート、「ゲンスブールと女たち(2010)」に出演していたフランス人のレティシア・カスタ。

island1.jpg前半は、うまくいっているカップルの無計画で行き当たりばったりの旅行で、とにかく仲の良い様子が描かれるが、実はダニエルの頭の中で計画されていたことであり、隠していた過去が徐々に明かされていく。実はブルガリア語を話せること、旅行は計画的であったこと、ピルを飲んでいると嘘をついていたこと…いろんな要因が重なり2人の歯車が狂って行く。

背景が描かれないままストーリーは唐突に進み、彼女を1人で帰らせてまで島に残る理由は何なのか、ダニエルの企みは一体何なのか…心理ミステリーのようであり、あたかも犯罪が起こりそうな前触れだったり、見せ方がうまいと唸らされたが、中盤から雲行きが怪しくなってしまっている。個人的には「Big Brother」は大好きなバラエティー番組であり、海外に住んでた時はUK版をよく観ていたが、ダニエルがブルガリア版に出演することになり、ストーリーはとんでもない方向へ突っ走ってしまう。

心の内面を描いた作品であり、はっきりいって私にはかなり難解。前半のミステリアスな方向のままなら面白かったのだが、哲学的で、監督の意図が全く掴めなかった。挑発的で前作以上に人を選ぶ作品。

<鑑賞> 2012/3/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開 トゥーレ・リントハート

(未) Attenberg <2010/ギリシャ> ★★☆

attenberg.jpg
Attenberg
2010/95min/ギリシャ
ドラマ
監督/脚本/製作:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
出演:アリアン・ラベド(Ariane Labed)、ヨルゴス・ランティモス(Giorgos Lanthimos)
IMDb評価:6.4/10


カンヌ国際映画祭「ある視点部門」受賞し、アカデミー賞外国語作品賞にノミネートされたギリシャ映画「Dogtooth (2009)」 でアソシエート・プロデューサーを務めたトサンガリの卒業制作作品以来の長編2作目。
2004年アテネオリンピック開会式などの映像監督の経歴を持つ。
Dogtooth (2009)」 のヨルゴス・ランティモス監督が本作では俳優として出演している。


***第67回ヴェネツィア国際映画祭***
金獅子賞: 「SOMEWHERE」- ソフィア・コッポラ
銀獅子賞(監督賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
ヴォルピ杯(男優賞): ヴィンセント・ギャロ - 「エッセンシャル・キリング
ヴォルピ杯(女優賞): アリアン・ラベド - 「Attenberg(本作)」
審査員特別賞: 「エッセンシャル・キリング」 - イエジー・スコリモフスキ
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞): ミラ・クニス - 「ブラック・スワン
金オゼッラ賞(脚本賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
金オゼッラ賞(撮影賞): ミハイル・クリチマン - 「Овсянки」
*********************

attenberg1.jpg女性同士キスシーンから始まったかと思ったら、ツバをかけ合い、犬のように威嚇し始める。建築家の父に育てられているマリナは人間を奇妙に感じており、人と距離を置いた生活をしている。動物ドキュメンタリーや唯一の友であるベラから性について学んでいるという。冒頭のキスシーンはベラの性指導であったのである。
attenberg2.jpg



ベラと手をつなぎ動物の動きを真似たかのようなダンスをしたり、父親とベッドで動物のようにジャレあったり、動物ドキュメンタリーを教材にしているだけあって、マリナの行動は動物的で感情がない。裸のシーンが多いが、いやらしさはなく、女性や男性というより、オス・メスといった具合。マリナは動物のように本能のまま生きているということだろうか。男性より女性のほうが好きだと言いつつ、男性の体にも興味を持ち始め、自らのセクシュアリティに悩んでいるようでもあった。
人間とは?性とは?それが本作のテーマのようだが、ちょっとわかりにくい。ポスターの写真はマリナの背中である。腕を外したような状態が何を意味してるのかさっぱりわからない。

視点はユニークなんだけど、「Dogtooth (2009)」 と作風は似ていてオリジナリティーに欠ける。PCがフリーズしてしまったかと思うほどの沈黙が続いたり、誰も座っていない椅子を意味有りげに映したり、食事のシーンもないので生活感も全くない。人間があまり登場しないのが不自然にも見えるが、マリナが人と距離を置いた生活を送っていることの演出なのであろう。
Dogtooth (2009)」ほどぶっ飛んでるという印象はないが、海外版でも一か所モザイクが入っている。
マリナ役を演じたアリアン・ラベドは女優賞を受賞している。体当たりなレズシーンが評価されたのだろうか。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/4
[サイト内タグ検索] 日本未公開

ソフィアの夜明け <2009/ブルガリア> ★★★

eastern.jpg
Eastern Plays
2009/83min/ブルガリア
ドラマ
監督/脚本:カメン・カレフ
出演:フリスト・フリストフ、オヴァネス・ドゥロシャン、サーデット・アクソイ
受賞:
2009 第22回東京国際映画祭 東京サクラグランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞
2010 ソフィア国際映画祭 ベストブルガリア映画賞
2009 ワルシャワ国際映画祭 最優秀作品賞 他
2011 アカデミー賞外国語映画賞ブルガリア代表
IMDb評価:7.1/10

2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら



本作がデビュー作となるカメン・カレフ 監督は幼馴染のフリスト・フリストフの人生に感銘を受けて、実生活を基にした作品を作り上げた。仕事場、自宅、彼女といった私生活をそのまま映画化し、弟ゲオルギとトルコ人女性ウシュルは架空の人物だそうだが、どこまでが現実でどこからが演出なのか境界線が見えないリアルさがある。

eastern2.jpg舞台はブルガリアの首都ソフィア。旧ソ連的な殺風景な街並みはポーランドに似ている。38歳の主人公イツォ(フリスト)は人生に挫折しドラッグに溺れ、今は治療の身であるが、その苦しみからアルコールに依存している。17歳の弟ゲオルギは両親への反発から、特に強い思想があるわけでもなくネオナチに加わる。格差社会の底辺で絶望の淵の彷徨いをテーマにし、この街ソフィア、彼らに夜明けはくるのか?観る者に自問させ、心に響く作品だった。

テレビニュースや新聞の引用が印象的である。いつも新聞を読み、政治のニュースを見ている父親は外の世界へばかり目を向け、目の前の現実(息子のこと)から目を背けている。一方、食事中にチベットや中国の話をするトルコ人観光客の父親もまた国際問題に感心があるようだが、命の恩人であるイツォがブルガリア人というだけで娘と親しくすることをよく思っていない。ブルガリアとトルコ合作の映画を何作品か観てみて、隣り合うブルガリア・トルコ問題は日韓問題と似ているように感じる。

アンジェイ・ワイダ監督の最新作「菖蒲」を観て、本作を思い出し再観した。「菖蒲」では主演女優クリスティーナ・ヤンダ自身が撮影監督の夫との私生活を語るシーンが盛り込まれている。そして、彼は撮影終了前に亡くなっている。一方本作は、主演フリスト・フリストフ自身の自宅、職場、彼女といった私生活をそのまま映画化し、撮影終了前に亡くなっている。「菖蒲」では川に、本作ではボスフォラス海峡に希望を見出すという点も共通している。

eastern1.jpg本作がいつの間にか日本で公開されていたことにも驚いた。好きな作風だし、いい作品だけど、デンマーク映画(「光のほうへ」「Brotherhood」「Nothing's All Bad」など)や韓国映画(「彷徨の日々」「木のない山」など)にこの類の映画は多いので新鮮味が全くなかった。日本では珍しいブルガリア発ということと、主人公の死という事実が作品と重なり評価を(更に)押し上げている気はする。

イツォが出会い、魅了された美人トルコ人女性サーデット・(ウシュル・)アクソイはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演 「理想の彼氏」(未見)、6月公開予定セミ・カプランオール監督3部作トルコ映画「ミルク」「卵」に出演している。人気が出そうな予感。

<鑑賞> 英語字幕 2011/4/26
[サイト内タグ検索] サーデット・アクソイ

(未) Stolen Eyes <2005/ブルガリア=トルコ> ★★★

stolen.jpg
Otkradnati ochi/Stolen Eyes
2005/110min/ブルガリア=トルコ
Director: Radoslav Spassov
Writers: Radoslav Spassov, Neri Terzieva
Stars:Vesela Kazakova, Valeri Yordanov and Nejat Isler
IMDb評価:7.3/10

純愛度 ★★
芸術度 ★★
社会度 ★★★★
衝撃度 ★★
感動度 ★★
催涙度 ★

ブルガリアには1割ものトルコ人が住んでいる。ブルガリア語を話し、公的にはブルガリア人だが、イスラム教を信仰しているため、差別的にモスリム・ブルガリア人と呼ばれることが多い。長い歴史の中で多くの迫害や非難を受けてきたが、共産主義政権の崩壊以降、トルコ人の権利回復や複数政党制の導入をきっかけにブルガリア人のトルコ人に対する意識は徐々に変化したと言われているが、忘れてはいけない、そして繰り返してはいけない歴史的事実がこの映画によって明らかになる。ブルガリアのタブーに触れてしまった作品だということでブルガリア国内での上映を禁じたそうだ。

1989年、キリスト教を信仰するブルガリア人ではないことを理由に30万以上のモスリム・ブルガリア人はトルコへ強制送還させられたという事実からこの映画はスタートする。荷物を載せた車で皆国境に向かう中、主人公Aytenは車を降り、ブルガリアへと引き戻すのであった。祖父を訪ね、時は数年前に戻る。そして、強制送還に至るまでの出来事が描かれいく。モスリム・ブルガリア人はブルガリア語を母国語としているにも関わらず、自らをトルコ人だと名乗る。ブルガリア人としての自覚がない彼らにとった政策とは創氏改名(ブルガリア人の名前に変えること)だった。子どもに名前を聞くと、公式の名前は・・・です。といった返事が返って来る。トルコの名前を持ってると同時にブルガリアの名前も持たされているからだ。そして、ブルガリア人と同化させることを目的として、世俗的な生活と現代的で非イスラム的な服装、女性への教育を推進した。
stolen1.jpgstolen2.jpg
主人公Aytenも状況に応じて、民族衣装をあえて着たりして、トルコ人であることを主張する。トルコ特有のダンスや生活習慣も垣間見れる。
stolen3.jpg
こんな歴史的背景の中で出会ってしまったトルコ系女性とブルガリア人男性。この2人に芽生える恋心を繊細に描いている。タブーを映画にしてくれた勇気には感謝したいが、どうも説得力に欠け、ことの重大さが伝わってこなかった。あらかじめ背景を知っていなければ、ただの国際恋愛程度にしか感じられない。時間軸や場面設定が曖昧なのもわかりにくかった要因だろう。

どちらかといえばブルガリア側の視点で描かれているような気がするので、監督はトルコ系ではないのかもしれない。トルコ系ですぐさま思い浮かぶのはドイツ人監督のファティ・アキン。彼だったらもっと力強い描き方をしたであろう。「愛より強く」はいい映画だったんだなぁと改めて思い知った。

1989年にトルコ人の強制送還を行ったのはブルガリアだけではない。今日までヨーロッパ内でもニュースになることはほとんどなく、関連映画も本作が初だそうだ。

<鑑賞> 英語字幕 2010/11/7

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