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そのひとときの自由 <2008/オーストリア=仏=トルコ> ★★★

for a moment freedom
そのひとときの自由/For a Moment, Freedom
2008/110min/オーストリア=フランス=トルコ
ドラマ
監督:アラシュ.T.リアヒ(Arash T. Riahi)
出演:Navíd Akhavan, Pourya Mahyari, Elika Bozorgi
受賞:2008年モントリオール世界映画祭 Golden Zenith賞(金賞)

社会度 ★★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


for a moment freedom1イラン。ある青年たちは、祖父母と住む親戚の子供と共に車を乗り継ぎどこかへ向かう。祖父母は別れを惜しんでいる。別の家族も同じ車に乗り込んできた。ギリギリのところまで車で向かい、後は歩いて国境を越えてトルコを目指すという。野宿をしながら無事に国境を超え、なんとかイスタンブールへ着いた。あてもなく安宿に向かうと、同様にイランから来た男組がいた。3組はそれぞれ難民認定が下されるまで安宿に滞在することとなった…。

監督は、イラン人のアラシュ.T.リアヒ。ドキュメンタリー出身であり、フィクション映画は初監督となる。本作は、第6回(2011)難民映画祭にて上映。

家族、親戚の子供を預かった従弟、友人同士の男性。3組の難民のイラン脱出から難民認定までを描いた作品。なかでも、認定が下りるのをひたすら待つ期間を中心に構成されている。
国連で難民認定を受けるとヨーロッパへ亡命できるという話を聞き、毎朝、申請の列に並ぶ。警察が来れば即座に逃げ、去ればまた並ぶといったことの繰り返し。警察に捕まれば、強制送還は免れない。危険と隣り合わせで期待と不安が入り交ざる。背景の違う3組の状況が並行して描かれ、それぞれが異なる結末を迎えることとなる。亡命したからといって、幸せが保障されるわけではない。自由を手に入れた者、ほんの少しの可能性に賭け、身を滅ぼす者、彼らの厳しい現実が待ち受けている。

for a moment freedom2本作の特徴は何と言っても、登場人物がポジティブだということ。作風は社会派というほど堅苦しくもなく、予備知識なくても楽しめる作品に仕上がっているが、最大の欠点にもなっている。ハラハラさせられる危機一髪の状況が随所に盛り込まれ、全体的に見せ場は多く、作品としても面白いのだが、緊張感の欠片もない。命がけである国境超えも家族のピクニックを見ているかのようで、いかにも作り上げたドラマ。警察の目を盗み、隠れるように生活しているのだが、不必要にも思えるユーモアさがあり、全体的な印象として緩さが目立ってしまっている。それぞれのキャラクター設定も曖昧で、ストーリー進行と共に掘り下げていくわけでもなく、脱出後から描かれているため、どういった背景での亡命なのか見えてこない。

製作国を見ての通り、本作は欧欧州映画。主要人物がイラン人で、イラン人の視点として描かれても、欧州目線になってしまっている。第3者の空想に思えてならない。どうせならEU視点のほうが観たかったものだが。

<観賞> 2012/2/11
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(未) Paradise:Love <2012/オーストリア=独=仏> ★★★★

paradise loveParadise:Love
2012/120min/オーストリア=ドイツ=フランス
ドラマ
監督:ウルリヒ・ザイドル(Ulrich Seidl)
出演:Mrgarete Tiesel, Peter Kazungu, Inge Maux, Dunja Sowinetz, Helen Brugat, Gabriel Mwarua
IMDb評価:6.90

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(ヌードあり)
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

2012年 第65回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品作品

paradise love1オーストリア人のテレサは友人たちとケニアのビーチへ旅行へ行く。現地のアフリカ人男性は白人女性を“シュガーママ”と呼んでいる。ホテルから一歩外に出ると、アクセサリー売りやバイクタクシーの運転手たちがシュガーママに群がってくる。テレサが前に進めないほど囲まれ困っていると、ある青年がそこから助けてくれた。片言のドイツ語を話し、物売りの青年たちとは少しタイプの違う青年だった…。

監督は、オーストリア人のウルリヒ・ザイドル。

初老女性たちの旅行の目的は若い男の子たちと遊ぶことである。テレサの友人にはすでにトイボーイがおり、テレサにも早く作るように提案をしてくる。まんざらでもないテレサは、ここ数年ご無沙汰だっただけに、不安と期待が入り混じる。決して若くはない彼女たちだが、若い男の子たちは群がり、甘い言葉を囁いてくる。簡単に男が手に入るからパラダイスなのだろうか。初老であっても、この地で若い男の子を引っ掻けるのに苦労はしない。お金はあるが愛に飢えている白人女性と上辺だけの愛の見返りにお金を期待するアフリカ人男性を対照的に見せている。そんな男女の羨望とギヴ&テイクを描いた作品。パラダイス3部作の第1作目。

paradise love2甘い偽りの囁きに引っかかり、現地の男の子とデートをし、そのままベッドインしてしまうテレサ。彼らの手口は、ベッドインのあと、「家族が病気だ」「親戚の子供の病院費が払えない」と同情を引くようなことを言い、遠まわしに金を要求してくることだった。若いアフリカ人男性を利用しようと考えている白人女性が逆に被害者になっていく姿をアイロニックに、カメラは淡々とテレサの行動を追っていく。固定カメラで、一定の距離間を保った独特なカメラワークで、ドラマチックな展開はないが、説得力がある。ここがパラダイスに見える綺麗すぎるビーチでとしても、パラダイスなどどこにもない。つかの間の偽装恋愛の末に残るのは虚しさだけ。何気ないテレサの行動や表情からそういった心情が読み取れ、リアリティー感がある。

舞台となるのは、どこまでも続く綺麗な青いビーチ。映像も青を基調としている。貫禄たっぷりの女性たちの豪快な脱ぎっぷりには脱帽。

<観賞> 2013/1/10
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ウルリヒ・ザイドル監督

シスター <2012/スイス=仏> ★★★☆

sister3.jpgL’enfant d’en haut/Sister
2012/97min/スイス=フランス
ドラマ
監督/脚本:ウルスラ・メイヤー
出演:レア・セドゥー、ケイシー・モテ・クライン、マーティン・コムストン、ジリアン・アンダーソン    
受賞:2012年(第62回)ベルリン国際映画祭 銀熊賞(特別賞)
   2013年(第85回)米アカデミー賞 外国語作品 スイス代表作
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし
脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★ 

2013年(第85回)米アカデミー賞 外国語作品についてはこちら

***********2012年(第62回)ベルリン国際映画祭************
<金熊賞>: 「塀の中のジュリアス・シーザー」- パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督

<銀熊賞>
審査員グランプリ:「Just the Wind」 - ベンス・フリーガウフ監督
特別賞:「シスター」- ウルスラ・メイヤー監督
監督賞: クリスティアン・ペツォールト - 「東ベルリンから来た女
女優賞: ラシェル・ムワンザ - 「魔女と呼ばれた少女/War Witch
男優賞: ミッケル・フォルスガード - 「A Royal Affair」
芸術貢献賞: ルッツ・ライテマイヤー - 「White Deer Plain」
脚本賞: ニコライ・アーセル、ラスマス・ヘイスターバング - 「A Royal Affair」
アルフレード・バウアー賞:「Tabu」 - ミゲル・ゴメス監督

<国際批評家連盟賞>
コンペティション部門: 「Tabu」 - ミゲル・ゴメス監督
パノラマ部門: 「Atomic Age」 - Héléna Klotz監督
フォーラム部門: 「Hemel」 - Sacha Polak監督
**************************************


Sister1.jpgまだあどけなさが残るシモンは両親を亡くし、姉と暮らしている。姉は職を失ったばかりで、シモンはスキー場でスキー板やゴーグルを盗んでは転売し、生計をたてている。姉はそんな弟が嫌で一度は家を出るが、結局戻って来た。しかし、金銭的に弟に頼る生活。2人にはある秘密が隠されていた…。

監督は、「ホーム 我が家」でデビューしたフランスの女流監督ウルスラ・メイヤー。
出演は、監督のデビュー作「ホーム 我が家」で同じくデビューしたケイシー・モテ・クライン、「美しい人(2008)」「ミッドナイト・イン・パリ(2011)」のレア・セイドゥ、「アリス・クリードの失踪 (2009)」のマーティン・コムストン、 米ドラマ「X-ファイル」のジリアン・アンダーソン。

sister2.jpgスキーシーズンが収入源となるスイスの雪山を舞台としている。冬季になると世界中からはスキーヤーが集まり、その人たち相手に商売をする人たちがどっと押し寄せる。シモンが雪山に登るのはスキーを楽しむのではなく、客のスキー用具を盗むため。麓に戻り転売し、その金に依存する姉。社会の片隅で孤独に生きる姉弟2人の生活を描いている。

事実だとは信じ難いストーリーだが、あまりにもリアル。綺麗すぎる山岳だが、山の高低差と同じように貧富の差が浮き彫りになっている。山と麓との生活を比較するように描いているため、姉弟の悲惨な生活がより一層残酷に見える。盗んだサンドイッチの具に文句を言いながら、隠れるように汚いトイレで食す姿が印象的だが、サンドイッチにありつけるだけで十分だと思えるほど2人の生活は切迫している。日本でも親が子供に万引きをさせているというニュースを度々耳にするが、まだあどけなさが残る少年シモンにもおそらく悪意はない。ただただ姉を喜ばせるためだけに悪事を働き、生活が改善する兆しも見えないまま2人はどこへ向かうのだろうか。

<観賞> 2012/12/1

[サイト内タグ検索] ウルスラ・メイヤー監督

(未) Revanche <2008/オーストリア> ★★★☆

revanche1.jpgRevanche
2008/121min/オーストリア
犯罪、ドラマ、ロマンス
監督/脚本:ゲッツ・シュピールマン(Götz Spielmann)
出演:Johannes Krisch、イリーナ・ポタペンコ(Irina Potapenko)
IMDb評価:7.6/10

第81回(2008)アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
第58回(2008)ベルリン国際映画祭 ヨーロッパ映画賞 他 

ゲッツ・シュピールマン監督は「Antares (2004)」でもアカデミー賞オーストリア代表に選ばれている。本作は、ノミネートもされたが、あの「おくりびと」に奪われてしまった。私は邦画の記事をほとんど書いていないけど、「おくりびと」は2度も観てる。比較すると本作はインパクトに欠けるかな。タイトル負けもしているような気もするし、「おくりびと」は「Depature」という英題が素晴らしすぎた。


タマラはウクライナ出身の不法滞在者で、借金を抱えながらウィーンで娼婦として働いている。恋愛はご法度だが、前科持ちで用心棒のアレックスとこっそり付き合っている。ある日、タマラは経営者から特別待遇の誘いを受けたが、断り、今の生活から抜け出したいと考えるようになる。しかし、お金がない2人は、手っ取り早い方法として銀行強盗を思いつくが、逃げる際出くわした警官がタイヤを狙った銃はタマラに命中してしまった…。

revanche.jpg前半は、売春宿での性行為やタマラとアレックスの営みを重視し、裸のシーンが多い。さらに金欲といった人間の欲望に重きを置いた前半だったが、銀行強盗を境に、関わった人々の大きく変わっていく人生や心理描写に流れは変わっていく。本来あるような強盗事件の解決に焦点を当てるサスペンスではない。
なぜわざわざ祖父の家近くの銀行を襲ったのかが謎なのだが、滅多に事件の起こらない片田舎であった。犯行後、アレックスは祖父の家でお世話になるのだが、シンプルな脚本だが、田舎の密接したコミュニティーをうまく利用した構成になっている。
revanche2.jpg過ってタマラを射殺してしまった警官。恋人タマラを失ったアレックス。1人の女性の死を異なる立場から捉え、それぞれ悔いる姿を映す。思わぬところで繋がっていた人間関係をうまく利用し、多面的な見せ方をしているのは面白い。

貧困層から抜け出すために倫理を失い、結果、彼女を死に導いてしまったことへの贖罪。彼女の命を奪った警官への復讐。タイトル通り「リベンジ(復讐)」が始まるのだが、意表をついた復讐方法であった。明確な答えは提示されず、少々説得力に欠けるが、誰も批判することなく、モラルとは一体何なのかゆっくり自問を促し、試練を生き抜くことの難しさを言いたかったような気がする。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/12
[サイト内タグ検索] 日本未公開

ルルドの泉で (原題: Lourdes) <2009/オーストリア=仏=独> ★★★★

Lourdes2.jpg
Lourdes
2009/96min/オーストリア=フランス=ドイツ
監督/脚本:ジェシカ・ハウスナー
出演:シルヴィー・テステュー、リー・シドー、ブルーノ・トデスキーニ
受賞:
2009ワルシャワ国際映画祭 ワルシャワ・グランプリ
2009ベネチア国際映画祭 コンペティション部門出品
IMDb評価:6.9/10

芸術度 ★★★
社会度 ★★
感動度 なし
催涙度 なし

ルルドというのは、フランスのピレネー山脈のふもとにあるキリスト教の聖地。そこに湧き出る水が奇跡を起こすと信じられ、年間500万人もの巡礼者が訪れるとか。主人公クリスティーヌは首から下が動かない、四肢麻痺の身体障害者であり、人の手助けなしには生活ができない。彼女も奇跡を求め、ルルドの巡礼へ行くことにする。ボランティアが世話をしてくれる施設に滞在し、そこから毎日巡礼に連れて行ってもらうのである。クリスティーヌ自身は既に希望を捨てており、母親に連れてきているように見受けられる。
Lourdes4.jpgLourdes1.jpgLourdes3.jpg
「なぜ、私には普通の生活ができないの?」と弱音をはくクリスティーヌだが、「五体満足が幸せだとは限らない」と神父は言う。
世話をしてくれるボランティアはほとんどが若者である。クリスティーヌ専属のボランティアの女性は、同じくボランティアで来ている男性が気になって仕方がない。世話をすべき人をほったらかしにし、話に夢中になってしまうこともしばしば。クリスティーヌも男性と仲良く話す女性を羨ましそうに横目で見ていた。

しかし、献身的な人が1人いた。うつつを抜かしているボランティアを叱り、1人賢明にお祈りを続けるリーダーで年配の女性である。彼女はある日、クリスティーヌが歩く夢を見たと言う。実はこの人カツラっぽいなっと思っていたのだが、彼女自身も病に冒されていたようである。クリスティーナたちとの巡礼を終えることなく、突然倒れてしまった。人一倍献身的だったのも、病に冒され自身の安否を恐れていたからであろう。病院に運ばれた後どうなったのかは描かれていない。

そして、クリスティーヌに変化が見え始めたのだ。動かなかった指が動くようになり、ベッドから起き上がり歩けるようになったのである。ボランティアのリーダーが見た夢の通りに。しかし、その奇跡を心の底から喜んでくれたのはごく一部の人たちだけであった。巡礼の参加者たちは皆障害者やその家族なのである。クリスティーナの奇跡を手放しには喜べないのが本音である。「なぜ、クリスティーヌなの?なぜ、うちの娘じゃないの?」と神父に問い質す者もいるほどであった。しかし、医者は言う。「一時的な可能性な場合が多い」と。クリスティーヌはどうなのだろうか?

奇跡がおとずれ、ハッピーエンドで終わるだろうと思っていた。障害者の苦悩を掘り下げるわけではなく、様々な立場の人たちを客観的に描いている。人間なら誰しも欲を持っており、嫉妬もうまれる。神父が言うように五体満足が幸せとは限らないのかもしれない。五体満足を得た後に失ってしまう人間関係もある。

<鑑賞> 英語字幕 2010/11/14
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(未) Import Export <2007/オーストリア> ★★★★☆

import.jpg
Import Export
2007/135min/オーストリア
監督:ウルリヒ・ザイドル Ulrich Seidl
出演:エカテリャナ・ラックEkateryna Rak、ポール・ホフマンPaul Hofmann、マイケル・トーマスMichael Thomas
IMDb評価:7.1/10

純愛度 なし
官能度 ★★
衝撃度 ★★★
感動度 ★★
社会度 ★★★★

惜しくも逃してしまったがパルム・ドールにノミネートされた一方で、あるアメリカの雑誌では最も最低な一本にも選ばれていた。タイトルから推測して、貿易関係か人身売買の話だと思い込んでいたが、ポスターに映るのは女性の裸。しかも、PCのキーボードとマウスが傍らに。。。
import4.jpgimport2.jpgimport1.jpg
ウクライナの女性オルガは看護師をしながら赤ちゃんと母親と暮らしている。支払われる給料は3割に減らされ、生活は厳しくなり、ヴァーチュアル・セックスの仕事を始めてしまう。そのシーンがポスターになっているのだ。PCの向こう側の男性に言われるがままに自慰行為をやって見せている最中だ。便利なPCが世の中ではこんなことにも使われているということすら知らず仰天させられた。更に驚かされたのは演じたエカテリャナ・ラックは演技経験のない素人で、看護師だということ。ヌードどころか女性にとって一番恥ずかしい所まで見せてしまうのでポルノ女優かと思った。根性がすごい。結局、プライドは捨てられず、この仕事もすぐに辞めてしまう。そして、赤ちゃんと母親を残し、友人がいるオーストラリアへ出稼ぎに行くのだ。よりよい生活を求めて。住み込みの家政婦をやるがすぐクビにされ、最終的には老人ホームの掃除婦におさまる。そこで生きる目的を失った老人との出会いで人生の目的を見出していく。
import3.jpg
この映画にはもう1人主人公がいる。オーストリアに住む男性ポールだ。警備員の仕事がクビになり、父親の仕事を手伝うことに。ゲーム機を運ぶ仕事でウクライナを訪れる。廃墟のような団地で微々たる賃金で売春行為をする若者たちの悲惨な光景を目の当たりにする。ホテルのバーにいる女性たちもやはりそういった職業の人たちが客引きをしている。女遊びが大好きな父親にとっては天国だが、ポールはそんな人生にうんざりし始めてた。我慢しきれず、ホテルを後にし、職探しに出かけるのだ。よりよい生活を求めて。

ウクライナからオーストラリアへ行ったオルガ。オーストリアからウクライナへ行ったポール。この2人は出会うことはなく、同時進行で描かれていく。2人の願いは同じなのだ。よりよい生活だ。「Import Export」はこの2人のことだったのだ。うまいタイトルをつけたものだ。セックスと死というテ-マの中で孤独、焦燥、理想とのギャップ、葛藤、現実の厳しさが残酷に描かれている。

印象的なのがダンスシーンだ。オルガと死を目の前にした老人。誕生日プレゼントをおねだりするポールの母。ポールとバーで知り合った女性。父親の元を去ったポール。異なる環境での4度のダンスは残酷な現実な中で見出した小さな希望として私の目には映った。 

ポール役の青年ポール・ホフマンも演技経験のない素人だそうだ。両親に捨てられ、14歳の時からホームレス暮らしだとか。妙に説得力があったのは彼の環境によるものだったようだ。この役と同様によりよい生活を求めていたのかもしれない。

<鑑賞>英語字幕 2010/10/30


[サイト内タグ検索] 日本未公開 ウルリヒ・ザイドル監督

ホーム我が家 <2008/スイス=仏=ベルギー> ★★★★

home.jpg
Home
2008/97min/スイス=フランス=ベルギー
監督:ウルスラ・メイヤー
出演:イザベル・ユペールオリヴィエ・グルメ、アデライード・ルルー
言語:フランス語
IMDb評価:6.8/10

衝撃度 ★★★
感動度 ★★
社会度 ★★★★
ユーモア度 ★★★

見渡す限り何もない所ににポツンと一軒。そこに一家は暮らす。アスファルトで塗装された道路もなく、お父さんの車の通り道が自然と道になったのだ。郵便配達、ピザ屋さん、そして、子供たちもその道を通る。

ある日、息子が「庭に誰かいる」と言う。この一言で不吉な予感を察知した。次の日、清掃員やら大きなトラックがドカドカとやってきて庭においてあった空気で膨らませるプールやら椅子やらを片付け始めたのだ。おそらく無許可だと思われる。一家には何が起ころうとしているのかわからないのだ。ラジオをつけ、情報を収集し始める。すると、なんと目の前にハイウェイを建設するという計画だったのだ。あれやあれやという間にハイウェイ建設完了。普段行き来していた道が見事に遮断されてしまったのだ。
車が少ない朝はハイウェイを横切って通学、通勤する。しかし、午後んいなると交通量は増え、帰宅時は迂回してトンネルを潜らなければならない。大きい買い物をしてしまった時なんかは夜中の交通量が途絶えた時を見計らって、ハイウェイを横切る生活。騒音、排気ガスもすごい。夏休みシーズンにもなれば、瞬く間に渋滞し、庭にはゴミが投げ込まれる。ハイウェイによって一家の生活は一変してしまったのだ。
home1.jpghome2.jpghome3.jpg
笑いの絶えなかった一家から笑顔は消え、口論が増えてしまった。皆神経過敏になり、狂気的になっていく。破壊されていく家族の再生物語だ。

出演者は一家の5人のみ。舞台もこの家だけだ。一切の無駄を排除し、シンプルな仕上がりになっている。しかし、アイデアが豊富で飽きずに観られる。人々の利便性を考えた上でのハイウェー建設だったはずなのに、一家を脅かしてしまった皮肉的な現実。ユーモアたっぷりでファンタジー仕立てだが、実際は人事ではない。

オリヴィエ・グルメ目当てだったが、期待以上の作品だった。監督にとって初の長編映画とのこと。次回作が待ち焦がれる。

<鑑賞> 英語字幕 2010/10/22

マルタのやさしい刺繍 <2006/スイス> ★★★

maruta.jpg
Die Herbstzeitlosen/ Late Bloomers
2006/89min/スイス
監督:ベティナ・オベルリ
出演:シュテファニー・グラーザー 、アンネマリー・デューリンガー
IMDb評価:7.0/10

<あらすじ>
スイスの小さな村、トループ村に住む80歳のマルタは、最愛の夫に先立たれ生きる気力をなくし、意気消沈しながら毎日をただ何となく過ごしていた。そんなある日、彼女は忘れかけていた若かりし頃の夢、“自分でデザインして刺繍をした、ランジェリー・ショップをオープンさせること”を思い出す。しかし保守的な村では、マルタの夢はただ周りから冷笑され軽蔑されるだけ。それでもマルタは友人3人とともに夢を現実のものとするために動き出す。スイスの伝統的な小さな村に広がる、夢に向かって頑張るマルタと彼女を支える仲間たちの夢と希望の輪。マルタの刺繍が、人々の心をやさしくあたたかく紡いでゆく―。

<レビュー>
村の合唱団の旗の修繕を頼まれたことがきっかけで、若かりし頃の夢を取り戻そうとする80歳のマルタおばあちゃんのお話。伝統とか権力者の圧力、固定観念、世間体を気にするコミュニティーは世界共通。ランジェリーショップの開店なんてふしだらだと村人は反対する。アップルパイを食べながら作戦会議し、奮闘するおばあちゃん達ががかっこいい。

偽善者の息子たちが一番のツボ。「利己的な人の行動は秩序を乱す」なんて説教しておいて、不倫なんかしているマルタの息子の牧師。マルタおばあちゃんの友達の息子なんか、父親を施設に送ろうとしているくせに、老人あっての村だなんて演説をする。最も反対する男たちが、一番矛盾した人生を送っている。

初めは古い価値観に囚われていて人たちもマルタおばあちゃんに賛同して、どんどん花を咲かせる。いくつになっても人生の輝きは取り戻せるのだ。

とにかく村がキレイで、絵本の世界のよう。おばあちゃんたちも色気があって、華やか。
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 ソン・ヒョナ(2)

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