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建築学概論 <2012/韓> ★★★★

建築学概論건축학개론/建築学概論/Architecture 101
2012/118min/韓国
ロマンス
監督: イ・ヨンジュ
出演: オム・テウン、ハン・ガイン、イ・ジェフン、スジ、チョ・ジョンソク、コ・ジュニ
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし
韓流度 ★

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

活気はあるがはにかみやの20歳、建築学科の学生、スンミンは 建築学概論の授業で初めて会った音楽学部の学生、ソヨンに恋をした。一緒に宿題をすることになり次第に心を開いて親しくなるが、気持ちをうまく表現できない純情なスンミンは言葉に出来ない思いを心に秘めたまま、小さな誤解のせいでソヨンとは疎遠になってしまう。

35歳、建築家のスンミンの前に15年ぶりに、ふいに現れたソヨン。当惑を隠せないスンミンにソヨンは自分のための家の設計を頼む。プライドを賭けた最初の作品としてソヨンの家を建てる事になったスンミン、家が完成するまでの間、もしかしたら恋だったのかもしれない学生時代の記憶が蘇えり、ふたりに新しい感情が湧き上がる…@innolife

建築学概論1監督は、「不信地獄(2009)」でデビューしたイ・ヨンジュ監督の2作目。
出演は、「シルミ島(2003)」「ネバーエンディング・ストーリー(2012)」のオム・テウン、「マルチュク青春通り(2003)」のハン・ガイン、「Bleak Night(2010)」のイ・ジェフン、アイドルグループmiss Aのスジ。

監督が工学部出身ということを活かした独自の感性により、家を建てる過程と恋愛を築く過程を重ねる見せ方が期待を遥かに超える秀作だった。家を建てる時に土台が重要であるのと同じように、恋愛においても初恋が基本となっているのかもしれない。その初恋で、喉にひっかかった魚の小骨のようにずっと気になっていた些細なすれ違いの原因を紐解いていく作品。

ソヨンが実家の建て直しをスンミンに依頼をすることでストーリーは進行していく。15年ぶりの再会した2人は徐々に思い出話をするようになり、15年前に何があったのか徐々に明かされていく。時間軸が入り乱れているが、リンクしていてとてもわかりやすい構成。現在と過去は異なる出演者が演じているが、違和感がないほどキャラクター像を消化している。

建築学概論2軸となるストーリーは、大学生の時の初恋を振り返るという至ってシンプルであり、ありふれた素材。ところが、ベタなメロドラマとは一線を画し、浮ついた恋愛というよりむしろ、もどかしさや苛立ちといった側面にスポットを当て、繊細かつ上品に描いている。90年代前半を舞台としており、私より少し上の世代ではあるが、世代を問わず、恋愛に苦しんだことのある人なら感情移入しやすい等身大のストーリー。2人の計算のない駆け引きにはぐっと引き込まれる。

2人で新しい家の設計を一緒に考えていく工程は、それぞれの好みを知ることでもあり、愛を育てていくことにも確かに似ている。ほぼ完成の段階で、設計を変えてでもピアノを置きたいというソヨンの依頼は、他の人とのゴールイン間近でもやり直せるかどうか暗喩していたのだろう。観終わった後、小骨がす~っと取れたと同時に、強烈な切なさと後悔に苛まれた。

<観賞> 2012/11/23
[サイト内タグ検索] イ・ジェフン オム・テウン
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競馬場へ行く道 <1995/韓> ★★★

競馬場に行く道
競馬場へ行く道/The Road to the Racetrack
1991/138min/韓国
監督/脚本:チャン・ソヌ(監督4作目)
原作:ハ・イルジ
出演:カン・スヨン、ムン・ソングン、キム・ボヨン   

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★
韓流度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


フランスから5年ぶりにR(男)が帰国した。フランスで3年半同棲していたJ(女)が空港へ出迎えに行く。1年ぶりの再会を持ち詫びていたRとは裏腹に、Jの表情は冴えない。Rはフランスにいた時のようにセックスを求めるが、拒否されてしまった。R一人をモテールに残し、Jは帰るが、翌朝、また車で迎えに来た。食事はするがセックスはひたすら断るJに飽き飽きし始め、Rは“競馬場に行く道”というタイトルの小説を書き始めることにした…。

監督は、「華厳経(かげんきょう)(1993)」「LIES嘘(1999)」のチャン・ソヌ。
出演は、「シバジ(1986)」「ハラギャティ(波羅羯諦)(1989)」のカン・スヨン、「グリーン・フィッシュ(1997)」「秘花 ~スジョンの愛~(2000)」のムン・ソングン。

競馬場に行く道12人は会って食事をし、決まってホテルへ行く。男は女を求めるが、女は寸前の所で拒絶し始める。“次会った時に”と言ってその場をしのぐが、何度会っても同じことの繰り返し。新しい男ができたのかと尋ねても、違うという女。一体何のために会っているのか男にはわからなかった。ところが、突然結婚するからもう会えないと言い出す。しかし男は諦め切れない。

実は男には妻子がおり、数年前から離婚を申し出ていたが妻は応じようとしない。帰国後真っ先に離婚の話を切り出すが、妻に分かれる気はさらさらない。一方、結婚を予定している女のほうも別れたくないと言い始める。しかし、セックスは拒み続ける。よりを戻したい男と、セックスを拒否する女の会話を延々と垂れ流すだけで、かなりストレスフルであり挑戦的な作品。

女は文才がなく、フランス留学時代に論文を男に書いてもらい学位を取得したという経緯があった。学位を取ってしまった今となってはもはや男は用無しであり、さっと手を切りたいのが本音なのであろう。韓国への帰国後セックスを拒む理由にも納得できる。男も妻との離婚に関わらず女と定期的に会えればいいと思っているはずである。最後の驚くべきどんでん返しへ向けて、人間のいやらしい側面を見事に昇華させていく。

本作を観ていて思ったのは、ホン・サンス監督の作風に似ているということ。世界的に評価されているホン・サンス監督だが、発表はむしろこちらのほうが先である。最後のどんでん返しで全てが納得のいく結論付けがなされている分、私はこちらを評価したい。

<観賞> 2012/6/10

[サイト内タグ検索] ムン・ソングン

桑の葉 <1985/韓> ★★★★

桑の葉桑の葉/뽕/Mulberry
1985/114min/韓国
エロス、ドラマ
監督:イ・ドゥヨン(監督47作目)
出演:イ・ミスク、イ・デグン、イ・ムジョン
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★★★
民族度 ★★★★
韓流度 ★★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


桑の葉11920年代、半島のある寒村。村一番の美人アンヒョプ(イ・ミスク)は賭博好きで年に数回しか家に帰らない夫サムボ(イ・デグン)に金を渡すために、桑の実の収穫を引き受けるが、村の男たちはそんな彼女に言い寄り、彼女も良心の呵責を感じながらも生活の苦しさから金と引き換えに体を許していく。しかしそれが村の女たちの知るところとなり、長老が追放を告げにいくが、彼女の魅力の前に骨抜きにされ、引き下がってしまう。そんな中、アンヒョプにしつこく言い寄りながら相手にされないサムドル(イ・ムジョン)が腹立ちまぎれに全てをサムボに話してしまう…。
@goo映画(結末削除)

監督は、「避幕(1980)」「糸車よ糸車よ(1984)」などのイ・ドゥヨン監督。本作はシリーズ化され、3までリリースされている。
主演は、「冬の旅人(1986)」「情事 an affair(1998)」のイ・ミスク

米一升と引き換えにブドウ畑で体を売っていたところを村人に見られており、娼婦だと村中に噂が広まる。女性たちは冷ややかな視線を送る一方、男たちは言い寄って来る者が多い。お金だけではなく、妻の指輪や桑の葉と引き換えに体を求めてくる。食べるものにも困っていた日帝時代を背景としている。生活のために体を売るが、賭博好きの夫に持ち逃げされる妻の生き様をユーモラスに、かつエロティックに描いた作品。アンヒョプ演じたイ・ミスクは50代になった今でも美しいが、本作では清楚なイメージ。

桑の葉2男女の営みを表現するのに水車が用いられたり、局部を葡萄の葉で隠したり、想像力に委ねる演出。コリアン・エロスといわれるジャンルに分類されたり、日本のレンタル店でもそういったコーナーに置いてあるようだが、映像的にはどちらかといえば女性向き。当時は扇情的な演出がセンセーショナルとなったが、実は抗日活動を風刺しており奥が深い。エロスを全面に押し出していながらも、暗喩的な表現方法が評価を押し上げているのでしょう。“桑の葉を摘みに行こう”とは抗日活動家の隠語であり、劇中のセリフでもよく用いられている。

核心に触れています。ご自身の判断で反転して読み進めてください。
賭博好きの夫の行動を憲兵が常に監視しており、実は抗日活動家だということが後半で示唆されている。その夫の手に渡るお金とは妻が体と引き換えに手にしたお金。村人たちも知らず知らずに抗日活動に加担しているという皮肉。

<観賞> 2012/6/7 youtube韓国映像資料院チャンネルにて  
[サイト内タグ検索] イ・ミスク

玄海灘は知っている <1961/韓> ★★★★

KMDbの今月の特集(無料配信)はなんとキム・ギヨン監督。しかも11本も。どれだけ待ち焦がれていたか。
鑑賞済み4本も含め、全作観る気満々でいるのだが、内臓を引っかき回される感覚…「陽山道」と本作のたった2作でかなり気が滅入った。
この調子で11本も立て続けに観たら、ノイローゼになりそうだけど、こんな貴重な機会を見逃すわけにもいかないし…
おそらく全作観て、全作記事書きます(or書き直します)!ので、他の作品のアップはしばらくない、と思います。

genkainada.jpg
玄海灘 은 알고 있다 /玄海灘は知っている
1961/韓国
恋愛、戦争
監督: キム・ギヨン
出演: コン・ミドリ、キム・ウンハ、イ・サンサ

社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
民族度 ★★★★★
鬼才度 ★★★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★


太平洋戦争の真っ只中の1944年。多くの朝鮮人学生たちが志願兵として半ば強制的に徴兵された。その中にいたア・ロウンは名古屋の日本軍輸送部隊に入隊した。ある日、秀子という日本人女性と出会い、恋に落ちてしまった。日本人と朝鮮人の恋愛など許されるはずもなく、秀子の母親はひどく反対した。しかし、秀子の妊娠を知り…。

genkainada1.jpg監督は韓国映画界を代表する怪物キム・ギヨン監督の10作目。パク・チャヌクやキム・ギドクといった世界的映画監督を輩出する下地になっていると言われている。長らく失われていたフィルムが次々と発見されたり、復元がされたり、観る機会が増えるのはファンとしては有り難いこと。本作に至っては東京国際映画祭時、2か所の音声と映像の欠落箇所はがあり字幕補足とのことだが、私がIMDbで観たのは音声だけの欠落が2か所で字幕なし。欠落映像が復元されたのか、そのままカットされたのかは不明。いずれにしても観れたことに感謝。

日本軍に入隊させられた朝鮮人兵士の視点から旧日本軍や日本を見つめた作品。私にとって7本目のキム・ギヨン作品であり、今までは女性を主人公にした作品ばかり観てきたが、本作のような男性を主人公にした作品は初めてであり、ユーモアを感じたのも初めてかもしれない。
前半は輸送部隊での様子がメインだが、中盤からは日本の一般家庭を舞台とし、日本人と朝鮮人の壮絶な恋愛ストーリーに移行していく。日本軍からの差別、戦争、恋愛といった苦難にも立ち向かっていく青年のたくましさが前向きに描かれている。

genkai2.jpgほとんどが日本人という設定だが、全員が流暢な韓国語を話しているため、誰が日本人約で誰が朝鮮人役なのか見分けがつき難い。ア・ロウンに靴の底についた犬のフンを舐めさせたり、暴力シーンもあり、民族差別的な発言も多少あるが、下っ端に対するイジメと捉えることもでき、反日だと気分を害することはなかった。日本に対する批判というよりは戦争そのものを訴えているような気がした。北朝鮮映画のように日本人全てが悪人として描かれていないことにも好感。

秀子があまりにも積極的で奥ゆかしさはどこにもない。この時代の日本人女性とは程遠いキャラクター設定ではあるが、ギヨン監督が描く女性像が常に魔性の女であることを考慮すると、比較的控えめということだろうか。

唐突に挿入される空襲や空爆の様子が何ともリアル。拍車がかかる終盤の展開の凄まじさは毎度のことだが、ラストは地獄絵図そのもの。とんでもない恐怖のクライマックスを見せつけられた。この2人の恋の行く末は、“玄海灘は知っている”…のか。

<鑑賞> KMDb、今月はキム・ギヨン11作品が無料配信 2012/3/4
[サイト内タグ検索] キム・ギヨン監督

学生府君神位 <1996/韓> ★★★

学生
学生府君神位/Farewell My Darling
1996/119min/韓国
コメディ、ドラマ
監督/脚本/出演:パク・チョルス
出演:チェ・ソン、ムン・ジョンスク、クォン・ソンドク、チョン・ハヒョン、チュ・ジンモ、パン・ウンジン、パク・チェファン、チュ・グィジョン、ソン・オクスク 
IMDb評価:6.0/10


民族度 ★★★★★
宗教度 ★★★★★(仏教)
社会度 ★★★
ゴア度 ★(豚の捌き方がグロテスク)
ブラック度 ★★


学生2韓国のとある片田舎。父親は朝早く自転車でどこかへでかけるが、帰らぬ人となってしまった。親戚一同には電話で訃報が知らされ、みな葬儀に駆けつける。5日間に渡る地方固有で大規模な葬儀が始まる…。

韓国を代表するパク・チョルス監督の第20作目。出演はお馴染みのパン・ウンジンを始め、イ・マニ監督作品でお馴染みのムン・ジョンスク他、豪華な個性派俳優が顔を並べている。

父が亡くなるまでの経緯と、5日に渡る“お葬式”で親類縁者たちが繰り広げる騒動や人間関係をユーモラスにシニカルに描いた作品。タイトル“学生府君神位”は日本でいう戒名で、通常は故人の職業を書き入れるが、社会的地位のなかった人は“学生”を用いるようである。

学生1私が住んでいる地域(一応東京)も90年代後半まではほとんどが自宅葬で、近所の人たちが集まり煮物やおにぎりなどを作る光景を目にしていたが、まだ地方によってはそういう風習が残っている所はあるのだろうか。おそらく韓国も古いしきたりは薄れてきているだろう。もしかしたら韓国の若い人たちの中には初めてみる光景の人もいるかもしれない。日本よりも長い5日に渡る葬儀の一部始終が描かれ、興味深かった。印象としては日本の葬儀を時間をかけて丁寧に行うといった具合で手順はほとんど変わらない。プロセスの補足説明が入るので非常にわかりやすい。

主軸となるのは父親の葬儀であるが、サブストーリーとして描かれる人間模様がとにかく面白い。近所の女性たちは庭先で弔問客に振る舞う料理を作る。豚を二匹調達し、一匹をその場で捌き調理している間、もう一匹が逃げてしまったり、息子の1人がキリスト教信者で聖書を読み始めてしまったり、喫茶店の女たちが暴れまわったりと、1人の死を通して見えてくる人間ドラマを少々大袈裟ではあるが、韓国らしい情に溢れた作品となっている。

“おくりびと”の英題が“Depature”だったが、本作でも出発といった送り方をしているのが印象的。それにしても韓国女性は「アイゴ~アイゴ~」とほんとによく泣く。

<鑑賞> KMDBにて(12月無料配信でした…) 2011/12/4
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(未) 寄生霊 <2011/韓国> ★★

kiseng.jpg
寄生霊/기생령
2011/92min/韓国
ホラー
監督:コ・ソクジン(監督デビュー作)
脚本:キム・ユラ
出演:ハン・ウンジョン、ヒョミン、ノ・ミヌ、ファン・ジヒョン、イ・ヒョンソク


社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 ★
ゴア度 ★★




kiseng2.jpgある夫婦が残酷な死を迎えた。1人息子ビンは孤児になってしまい、叔父夫婦と妻の妹が移り住むことになった。時折見るビンの異常な行動や表情にただならぬ不安を感じ始めた矢先、妻とその妹は悪夢にうなされるようになる。そして、学校でビンをいじめているリーダー格の男の子が首をボールペンで刺されると言う事故が起こった。目撃者は多数おり、犯人はビンであったが、本人は自分でなく、ある男の子だと言い張る。しかし、そんな名前の男の子は学校にはいない。屋敷の隣にある鍵がかかっている小屋が気になり、鍵家さんを呼んで開けてもらうと、中にはお供え物や巫女の行いを記した書物などが保管されており、不吉な予感が漂っていた…。

監督は本作がデビューとなるコ・ソクジン監督。出演は、「神機箭」の ハン・ウンジョン、アイドルグループT-araのヒョミン、「霜花店」・ドラマ「パスタ」のノ・ミヌ。ヒョンミンは本作が映画デビューとなり、他のメンバーも友人役として出演している。

kiseng1.jpg小屋にあった資料には世にも恐ろしい事実が記されていた。ビンの両親はかつて子ども欲しさに巫女の力を借りて、その儀式を行っていた。儀式の犠牲になった魂が寄生霊となって彷徨うという話である。
母性本能といった欲望を利用した民俗信仰を紐解く展開は興味深く、オチの衝撃もなかなか面白い。演技にも問題はないのだが、韓国ホラーとしてはインパクトに欠ける物足りなさを感じた。おそらく演出の問題かと。T-araかノ・ミヌfan向けといったゆるい感じも否めない。

韓国の民俗信仰を題材にしたホラーは個人的には真実味があって好奇心やら恐怖心が掻き立てられるのだが、本作全く怖くなかった。切断された手足や頭部といった描写が冒頭からあるが、スプラッターもなければゴア度も低い。

<鑑賞> 2012/2/7

[サイト内タグ検索] 日本未公開

150. 木のない山 <2009/韓> ★★★★

kinonaiyama.jpg
木のない山 나무없는 상/Treeless Mountain
2009/89min/韓国
ドラマ 
監督/脚本/編集:キム・ソヨン 「彷徨の日々
製作/編集:ブラッドリー・ラスト・グレイ
出演:キム・ヒヨン、キム・ソンヒ
受賞:2009年 東京フィルメックス 審査員特別賞
IMDb評価:7.0/10


シネフィル・イマジカで放送されている。
ブラッドリー・ラスト・グレイ、キム・ソヨンご夫婦の共同制作2作目。1作目同様、少女たちのクローズアップが多く、ドキュメンタリー風になっており、大人への批判、子どもへの温かい眼差しが感じられる作品。この作品以降、アメリカを舞台にした作品になってしまい、少々残念。ぜひとも韓国人を主人公とした独自性の感じられる作品で力を発揮して欲しい。



treeless1.jpg6歳のチンと妹のピンの二人の姉妹は,お母さんと暮らしている。生計が苦しくなり,二人の子供を育てるのが難しくなったお母さんは,チンとピンを地方で暮らす叔母に預けて父を探しに出かける。しかし,叔母は,身世打令(自分の身の上について愚痴をこぼすこと)ばかりで,酒ばかり飲んで,二人の姉妹には無関心だ。お母さんがいなくなった日,チンとピンは,豚の貯金箱が満杯になればお母さんが戻ってくるという約束を信じて,イナゴを焼いては売り,大きいコインを小さいコインに変えていきながら,少しずつ貯金箱を満たしていく。貯金箱が満杯になった日,約束と違ってお母さんは戻ってくることはなく,しばらくして二人の姉妹は,田舎の祖母に預けられるようになる。みんなの荷物になるだけのチンとピン,この小さな少女たちの居場所はどこにあるのだろうか。

treeless3.jpg無力な子供二人が環境の変化と共に成長していく姿を描いている。
一番親や大人を必要としている時期なのに、子供を置いて姿を消す母親、子供を押しつけられて喧嘩をする親戚。
無責任な大人たちがいる一方で、自身の立場を悟ってしまった子供たちには、いたたまれない気持ちになると同時に適応能力の高さにも驚かされる。
身勝手な親、世間の冷たさ、生きることの辛さ。姉妹は現実の厳しさを肌身に染みるほど理解してしまっており、生きる術を探し始めるのである。

子どもばかりに焦点が当てられているが、身勝手な大人への批判的な監督の眼差しも伝わってくる。両親にとって子供とは一体何か。子は宝というが、それは恵まれた環境においてのことで、社会的弱者にとっては、大きな負担となっていることが悲しい。

タイトルの“木”とは両親、“山”とは家族を表わしているとのこと。すなわち、“両親のいない家族”である。
本作でいう山とは近所のバス停の前にあるごみ山のことであり、子どもでも簡単に登りきれる高さである。迎えに来てくれるかもしれない母親をひたすら待ち、裏切られ、2人で生きていくことを決意した山である。ごみ山に姉妹2人で立つシーンが何度かあるが、シーンごとに姉妹の表情は違う。素朴な子供二人の純粋な演技のみで成り立っており、それだけでも観る価値は十分ある。

<鑑賞> 2010/2/18

初版:2010/2/19
最新版:2011/8/10


253. 月下の共同墓地 <1967/韓> ★★★

bochi.jpg
月下の共同墓地/월하의 공동묘지
1967/87min/韓国
監督:グォン・チョルフィ
主演:ファンへ、パク・ノシク、カン・ミエ、ト・クンボン、ホ・ジャンガン、ジョン・エラン

韓流度 ★★★★
恐怖度 なし
失笑度 ★★★
ゴア度 なし

ハリウッドリメイク公開が2011年夏のはずだけど、どうなっちゃったのかな?





bochi1.jpg時代背景は日本の植民地時代。独立運動で監獄されてしまった兄ハンシクと恋人ハンスを救うため、妹は月香という名の妓生に身を落とす。それを知ったハンシクは妹のために自分が全ての罪をかぶり、恋人のハンスを出獄させた。兄ハンシクの望み通り、月香を嫁にし、元気な男の子を出産するが、月香は病に伏してしまう。その隙に、下女のチャンモはハンスを寝取り、その上医者と手を組んで、月香の毒殺を計画の末、結局は月香を自殺に追い込んでしまう。そして、成仏できない月香が幽霊として現れる…。

韓国古典ホラーの代表作であり、お墓が真っ二つに割れるシーンがあまりにも有名だが、ちょっと期待はずれ。(→ちょっと写真だと見にくい)よく考えてみれば、韓国は土葬だから、日本のような墓石が割れるわけではない。幽霊が出てくる時には赤照明が当てられ、火の玉が出てきそうな効果音といったお決まりの演出。

植民地時代を背景にしているが、ストーリーにはあまり関係なく、反日映画ではない。大袈裟でオーバーな演技がちょっと鼻につく感じで、北朝鮮映画のようではある(もともと同じ国だし、北朝鮮が真似しているのか…)。
60年代の作品なので、ゴア映像はなくホラー映画が苦手な人でも観れる内容。怪奇現象も展開も結末も、大抵想像範囲内。

bochi2.jpg韓国お得意の“女の怨念”を描いた復讐劇であるが、“怨念”というよりは、“下女の嫉妬”のほうが強く描かれ、ドロドロ具合は現代の韓国ドラマに通ずるものがある。墓が割れるシーンではなく、人の亭主を寝取るシーンが最大の見せ場。女は怖いと思う一方、男って…。

「シルミド」のホ・ジュノのお父様ホ・ジャンガンが医者役(写真右)、「セックス・イズ・ゼロ」「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」のパク・チュンギュ のお父様パク・ノシクが兄役として出演。他界しているこの2人が見れただけでも私には収穫。

<鑑賞> KMDbにて7月無料配信 2011/7/16
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249. キムチを売る女 (原題:芒種) <2005/韓> ★★★★★

kimuchi.jpg
キムチを売る女/芒種/Grain In Ear
2005/109min/韓国=中国
ドラマ
監督/脚本:チャン・リュ(またはチャン・リュル)
撮影:ユ・ヨンホン
美術:チャン・ヘ
出演:リュ・ヒョンヒ、キム・パク、ジュ・グァンヒョン、ワン・トンフィ
言語:中国語、朝鮮語
IMDb評価:7.2/10

受賞:
2005年カンヌ国際映画祭 批評家週間ACID賞
ペサロ国際映画祭 ニューシネマ部門グランプリ
釜山国際映画祭 ニューカレンツ部門グランプリ 他




中国北西部に暮らすスニは朝鮮族出身でシングルマザー。同じ長屋には若い娼婦たちが住んでおり、昼間は息子の遊び相手をしてくれるが、夜になると街へ仕事へでかける。町は過疎化が進み、工場がいくつかあるだけで女性の働き口はたかが知れている。スニは自転車でキムチを売りに歩く…。

kimuchi1.jpg舞台は中国であり、朝鮮語を母国語とする朝鮮族が主人公である。使われている言語は中国語だが、息子との会話では主に朝鮮語を使い、息子に覚えさせようとしているが、母以外に使う機会がないためなかなか覚えようとしない。「朝鮮族だろ?」と町で聞かれても返事をしないところを見ると民族差別があるのだろう。朝鮮族出身の監督自身の実体験が少なくとも投影されているのかもしれない。
町は過疎化が進み、これといった産業も娯楽もなく、町行く人は老人が多い。東京と比較すると長閑で良い所に見えてしまうが、ここで生活を営むことの厳しさは伝わってくる。公安の描き方は、監督の批判が含まれているように思えた。あれじゃ、少数民族は住みづらいだろう。さらに、生きていく術の一つとして売春が当然のような考えを持った男性ばかり。韓国映画に出てくる朝鮮族というと“女性の出稼ぎ”をテーマにした作品(「黄海」「青い河は流れよ」)が多いような気がするが、そうせざるを得ない環境だということにも納得させられる。

kimuchi2.jpg
固定カメラによるロングショットの映像をつなぎ合わせ、人が去ってもカメラは追わない。もちろん音楽もない。ゆったりと時間が流れ、不思議な空間となっている。暴力や性行為の直接描写を避け、音だけで表現したり、過度な説明はなく、状況から読み取っていく必要がある。淡々としながらも、理解する上で重要となるシーンが全体にさり気なく散りばめられ、うっかり寝てしまうと何が起こったのかわからなくなってしまうだろう。特に殺鼠剤の使い方は見逃せない。独特な構図の撮り方や青の効果的な使い方はあまり類を見ない美しさ。朝鮮族にしか描けない朝鮮族映画という点、においてもかなり私好みだが、睡魔と闘いながら観た人は多いと思う。2006年に一般公開されたことには驚き。

腕を組みながら窓の外を眺め、煙草を吸い、ちんたらと自転車を漕ぐスンヒ。何をするにもやる気がなさそうで、最後まで何事も起こらないかのようにストーリーはゆっくりと進み続ける。感情の起伏はなく、絶望から世の中への憎悪へと変わる心境は彼女の行動で読み取るしかない。「芒種」とはイネや麦など芒(のぎ)を持つ穀物の種を蒔く時期のことを指すが、タイトルが活かされているラストは心が蝕まれるような衝撃を覚えた。

監督が子供の頃よく目にしたという北朝鮮からの脱北者を描く最新作「豆満江」への期待度も高まる。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/5/10

チャン・リュ監督プロフィール
 1962年、中国吉林省で在中3世として生まれる。延辺大学にて中国文学を専攻し、卒業後は同大学で教職に就くものの天安門事件のために解雇される。作家活動の後に、2001年に短編「11歳」で映画監督デビュー。2004年に長編「唐詩」を、2005年に長編第2作「キムチを売る女」、その後「風と砂の女」「イリ(裡里)」「豆満江」を発表。

[サイト内タグ検索] チャン・リュ監督

243. 哀しき獣 (原題:黄海) <2010/韓> ★★★

umi.jpg
黄海/황해
2010/156min/韓国
アクション、スリラー
監督/脚本:ナ・ホンジン「チェイサー
出演:ハ・ジョンウ2度目の愛」「絶対の愛」、キム・ユンソク、チョ・ソンハ

残虐度 ★★★★
スリル度 ★★
邦題のセンス ★
(あながち間違ってはいないけど、センスはないね。そのままでいいのに…)

ナ・ホンジン監督ハ・ジョンウ、キム・ユンソクの「チェイサー」トリオ最新作

東京国際映画祭、および一般公開は140分。私が観たのは韓国版156分。


黄海を渡った男、皆が彼を追う!
延辺でタクシーを運転しながら、詰まらない日々を生きるクナム。韓国に金を稼ぎに行った妻は6ヶ月間便りがなく、金を稼ぐためにマージャン屋に出入りするが、いつも負けるばかりだ。そんなある日、殺人請負業者ミョンガから韓国に行ってある男を殺してこいとの依頼を受けたクナムは、借金を返すために、そして妻に会うために黄海を渡る…
荒れた海を渡ってソウルまで来たクナムは、殺人の機会を狙うと同時に妻の行方を風の便りに捜す。しかし目標物はクナムの目の前で殺害され、クナムは現場から逃走するが、殺人の寃罪をこうむって警察に追われるようになる。これに請負殺人を依頼したテウォンは、証拠隠滅のためにクナムを殺そうとして、延辺にいたミョンガも黄海を渡りクナムを追い始める…
残酷な奴らから逃れるための切迫した死闘が始まる!@innolife

umi1.jpg始めの舞台となるのは、中国吉林省延辺。
ここには、中国国籍だが朝鮮語を話す中国朝鮮族と呼ばれる人々が住んでいる。町には漢字とハングルの看板が混在し、人々も朝鮮語と中国語をうまく操っている。「青い河は流れよ」でも描かれているように、女性の韓国への出稼ぎが多い地域であり、本作も妻が韓国に出稼ぎに行っている。「青い河は流れよ」では素朴な田舎で貧しいながらも幸せといったイメージで映し出されていた延辺地域だが、本作では町はネオンが輝き、エネルギッシュで活気があり、生活感の溢れる下流社会で生きる人々はみな切羽詰まっており、ギリギリの生活を送っている者が多い。犯罪が満洩しているようにも見える。
犬肉料理で有名な地域というだけあって、言われなければペット用の犬を売っているように見えるかもしれないが、犬行商のシーンも興味深い。犬料理をがっつり食べるシーンも出てくる。(食事後の骨の形で犬だと判別がつく。)

umi5.jpgクナムは借金返済のため、そして韓国へ出稼ぎに行ったまま連絡のない妻探しのために黄海を渡ることを決意する。大連まで汽車で渡り、そこから漁船に乗り換え、海を渡る。言うまでもないだろうが、不法入国である。皮肉にも幸福という名の漁船であった。道中、死ぬ女性もおり、クナムも意識朦朧とするなか韓国へ辿りつくのであった。

1タクシー運転手、2殺人者、3朝鮮族、4黄海の4部構成となっている。前半部分の延辺での生活、不法入国、依頼されている殺人のシュミレーションまでは面白く観ていたが、中盤からは人間関係は複雑になるし、中盤のクライマックスを境に、残虐シーンはやり過ぎ感がある。斧と包丁を振り回し、これでもかというほどの人がバタバタ死んでいく。
追ってくる警察から逃げ、証拠隠滅のために追ってくる者たちから逃げ、最終的には「チェイサー」的な逃亡劇という流れに行き着く。煙草の煙たさまで伝わってくる不衛生な部屋、役立たずな警察の描き方も「チェイサー」と同様。見所になるであろうカーチェイスは、映像を巧みに編集しただけで、実際にはカーチェイスはしていない。ぐるぐる回る映像に酔ってしまった。

umi2.jpg
伏線が多い上に2時間半という長さは、自分の記憶力を試されているかにようでもあった。そして、解釈を覆されるラスト。今まで見せ付けられたのは一体何だったのかわからなくなる。観客に投げっぱなしのエンディングはどうも腑に落ちない。

犯罪とは無縁に生きてきたクナムの包丁を振り回すシーンは初めは全く板に付いておらず、撃たれた自分の傷を見てもうろたえるばかりであったが、だんだんと強かになっていく様には演技力が光る。朝鮮族という風貌も見事である。

<鑑賞> 2011/4/4

[サイト内タグ検索] ナ・ホンジン監督 ハ・ジョンウ

236. グリーンフィッシュ <1997/韓> ★★★★

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초록 물고기/Green Fish
1997/114分/18歳以上
脚本:イ・チャンドン、オ・スンウク 
監督:イ・チャンドン[デビュー作]「シークレット・サンシャイン」「
助監督:チョン・ジニョン、オ・スンウク
撮影監督:ユ・ヨンギル
出演:ハン・ソッキュ、ムン・ソングン、シム・ヘジン、ミョン・ゲナム、ソン・ガンホ、チョン・ジニョン、イ・ムンシク  
IMDb評価:6.9/10

韓流度 ★★★★
暴力度 ★★
哲学度 ★★★

<あらすじ>
軍隊を除隊して故郷行の汽車に乗ったハン・マクトンは,汽車のデッキで風に飛んだミエのバラ色のスカーフを拾い,彼女をチンピラから助ける。マクトンは,スカーフを返すために訪れたあるナイトクラブで,歌を歌うミエと再会する。ミエは,ヨンドポ(永登浦)一帯を掌握した組織暴力団のボス,ペ・テゴンの情婦であり,彼を通じてマクトンの働き口を用意してくれる。マクトンは,ペ・テゴンの信任を一人占めするが,ミエとの不明瞭な関係は,危険な状況につながる。そんな時,ペ・テゴンの元ボスのキム・ヤンギルが現れる。ペ・テゴンは,全面戦争を避け,ミエを捧げまでしてヤンギルを避けようとするが,マクトンは,ヤンギルを殺害しようとする。

<レビュー>
生まれて初めて観た韓国映画を再観。当時は日本語字幕なんて存在しなかった時代。ろくに韓国語もわからないのに観れるだけでも有り難いと思いながら、喰いるように観ていたのが懐かしい。10年も経つと当時見えなかったものが見え、印象がかなり違う。再観してよかった。イ・チャンドンの監督デビュー作でもあり、当時、賞を総なめにした作品である。

軍隊を終えたばかりのごく普通の青年マクトン。都市化によって孤立し、バラバラになりつつある家族と昔のように一緒に暮らすというのが彼の夢であった。絶望の中で出会ってしまったヤクザ組織。家族意識の高いヤクザ組織はマクトンの目には自分の夢を実現しているかのように映ってしまったのではないだろうか。流されるがままに足を踏み入れ、忠誠を尽くそうともがく姿には迷いや戸惑いも滲み出ている。もぎこちない暴力シーンからは根っからの悪人ではないことがわかる。

グリーンフィッシュ(緑の魚)とは幼少時代の家族との良き思い出の象徴とされている。電話ボックスで泣き崩れながらグリーンフィッシュについて語るシーンが未だに名シーンと言われ続けるのも納得。かつて(今も?)「韓国ノワール映画の傑作」と評されたのも再観してようやく理解した。

テーマは家族の再生と崩壊。本作で描かれる家族とは「肉親の家族」のことでもあり「家族組織のヤクザ」のことでもある。情に厚い韓国らしい描き方。対極する二つの家族がマクトンを中心に再生と崩壊を描く。不条理でありながらも皮肉的な結末には全てが集約されており、死をも超越してしまっている。

大企業の地位を捨て俳優に転身したムン・ソングン。「知性派俳優」と呼ばれたり、「1000の顔を持つ男」とも呼ばれたりもするが、ほんとに次から次へといろんな役を演じている。本作のヤクザのボス役は、しゃべり方や歩き方、振る舞い方まで見事にこなしている。製作者としても参加しているそうだ。その他、ソン・ガンホなど大物俳優軍が名を連ねる。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/25

230. 風と砂の女 (原題:境界) <2007/韓=仏> ★★★

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境界/경계/Desert Dream/ Hyazgar
2007/123min/韓国=フランス
監督:チャン・リュ(またはチャン・リュル)
出演:ソ・ジョン「魚と寝る女」、バトウルズィーBat-Ulzii、シン・ドンホ
受賞:第57回ベルリン映画祭 金熊賞
言語:モンゴル語、韓国語
IMDb評価:6.7/10





邦題のセンス なし
韓流度 なし
芸術度 ★★★
社会度 ★★
感動度 なし
催涙度 なし

<レビュー>
前作「キムチを売る女は観ていないのだが、次作の「イリ」は鑑賞済み。カメラは固定され、人が去っても追わなかったり、最低限の台詞に効果音はなしと言ったスタイルは「イリ」と同様だ。感情表現を抑えるのもこの監督のスタイルなのかもしれない。感情移入させられることなく、一歩下がった状態で冷静に観れるといえば聞こえはいいかもいれないが。

モンゴルを舞台とした韓国映画である。主人公フンガイは遊牧民で、妻と娘がおり、ゲルで暮らしている。夜は暖房を使っているが、半袖を着ているのでおそらく夏だろう。少し足をのばせば青々とした草原が広がっているが、ゲル周辺は砂漠化している。フンガイはそんな砂漠化を食い止めるべく、1人で植林活動をしているのだ。燃料用の羊の糞を拾いにいったり、乳搾り、オボー(石積みの道標みたいなもの)を信仰したり、ワイルドな男女の営みといった日々の生活習慣も興味深い。青い空、キレイ過ぎる夜空が印象的だった。
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娘は耳が聞こえず、母親はウランバートルの病院に連れて行きたいと思っている。しかし、フンガイは植林が忙しいと言い、娘の病気には興味がなく、母娘は出ていってしまう。心も砂漠化してしまっているようだ。そこへ言葉の通じない母子が訪ねてくる。一晩だけ泊めてもらい、母親は翌朝には出発するつもりだったが、息子チャンホは疲れたからまだここにいたいという。そんな訳で3人の共同生活が始まっていくのだ。この母子はどこから何をしにここへ来たのかは2人の会話からようやく知ることができる。豆満江を超えてきた脱北者だという。モンゴル経由で韓国に向かうルートが最近の傾向だとどこかで読んだことがある。「クロッシング」もモンゴル経由だった。

ラジオで民謡のアリランがかかると歌いだした息子チャンホ。脱北者なのにまだ朝鮮が恋しいのか、脱北の意味がわからないのか。この歌を聞き、フンガイは初めて彼らが朝鮮人だということを知るのだ。テポドンのニュースも流れ、北朝鮮の脅威、増える一方の脱北者も知っていたはずだ。脱北者を囲うことはモンゴルでも犯罪になるであろうに、フンガイは何も言わず、2人を何日も置いてあげるのだった。実の娘の病院行きには無関心だった人と同一人物だとは思えないほどの優しさだ。2人の存在が彼の心にとっての植林になったようだ。

原題は「境界」である。砂漠と草原の「境界」で出会う人々といえば、長い旅路の途中で休憩させてもらう者だったり、北朝鮮の母子もいずれは去る人たちばかりだ。とどまる者はいないのだ。フンガイ自身も遊牧民だからいずれ去るだろう。人間関係にも「境界」があるということが言いたかったのではないか?「風と砂の女」という邦題では、解釈が異なってしまうのでは?

母親役はキム・ギドク監督「魚と寝る女」に出演していたソ・ジョンであった。監督は彼女の鋭く力強い目に惚れこんだとか。全く訛りのない標準な韓国語には違和感を感じてしまった。そしてモンゴル男フンガイを演じるのは、モンゴル映画界を代表する役者であり監督だそうだ。監督作「心の言葉」「逃亡者トゥムル」は、アジアフォーカス・福岡映画祭で上映されている。いかにもモンゴル男らしいたくましさがある俳優さんだった。

チャン・リュウ監督は中国吉林省延辺出身の朝鮮族の方だ。2作目「キムチを売る女」では朝鮮族の女性を主人公に描いている。最新作「豆満江」はタイトルから容易に推測できるように北朝鮮からの脱北者を描く。幼い頃、よく目にしていたのだという。朝鮮族出身の監督さんだからこそ描けた次作が待ち焦がれる。

<鑑賞> 英語字幕 2010/11/8
[サイト内タグ検索] チャン・リュ監督

221. 霧は女のように囁く <1982/韓> ★★★★☆

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監督/脚本:チョン・ジヨン
出演:シン・イルリョン、オ・スミ

サスペンス度 ★★★★★
韓流度 なし
衝撃度 ★★
うるうる度 なし
お笑い度 なし

キム・スヨン監督、イム・グォンテク監督の助監督を経て、本作で監督デビュー。
私にとっての初チョン・ジヨン作品。

不倫相手と一緒になりたいがために妻殺しを企てる。しかし、妻は死んでおらず・・・という話。
死んだはずの妻の気配を感じ、怯える夫の恐怖心の見せ方がお見事で、
緩まない緊張感に背筋がゾクゾクしっぱなしだった。
妻の死体を沈めたはずの池の澱みと霧がかった庭がミステリーさを増していた。

冒頭からいきなり不倫相手とのベッドシーン、妻とのベッドシーンがある。
その他、必要以上にベッドシーンがあり、見事に人間関係を錯乱させている。
予想もつかない人間関係がサスペンスを生み出していて、終盤になるにつれ、さらに引き込まれた。
この時代のベッドシーンはどうしても男性目線になってしまうので、仕方ないのかもしれないが、
女性の顔を延々とクローズアップしていて、ちょっとやりすぎなような気もした。

チョン・ジヨン監督といえば、社会派監督として名高い。
スタイルが確立される前の作品なので、社会派といった内容ではないが、久々に見応えのあるサスペンスだった。

<鑑賞> 字幕なし 2010/8/31
[サイト内タグ検索] チョン・ジヨン監督

193. 高麗葬 <1963> ★★★☆

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高麗葬
1963/90分 白黒
監 督: キム・ギヨン
出 演: キム・ジンキュ、イ・イェチュン 
IMDb: 7.1/10

高麗時代まであった姥捨ての習慣があったそうで「高麗葬」と言っている。
姥捨て山伝説を話題に人口問題について専門家が議論する現代のシーンから始まる。
そして映像はすぐに3年間干ばつに苦しむ農民の苦悩へ一転。

テーマは飢餓と貧困が招く悲劇。
水を得るためにじゃがいもが必要。じゃがいもを得るために女は体を買ってくれる相手を探す。
子供ですらじゃがいもと引き換えに差し出してしまう。
「生きる」ために全てのことを犠牲にするので、人間の怨讐や醜い部分が浮き彫りになっています。
更にびっこや聾唖(ろうあ)など肉体的欠陥者も重要人物となっていて、強烈な世界観を作っている。
映像は白黒なのに描写が濃く、恐ろしいです。

北朝鮮関連本をよく読みますが、この作品はまさに私が抱いている北朝鮮の農村部そのものでした。
北朝鮮の現状を描いた「クロッシング」は本やこの作品に比べると表面的なことしか描いていない。
この作品のほうが北朝鮮の「今」を描いていると最も感じたのは巫女の存在感にある。
村人にとって巫女の占いは絶対であり、何の疑問も抱かずに服従、運命を委ねているのだ。
まさに独裁政治そのもの。

タイトル「高麗葬」のとおり、70歳になったら老人は山へ捨てられます。
上の写真は息子が母を背負い、捨てに行くところです。
「まだ生きたい」という欲望を断ち切り、息子の背中を見つめる母の姿や母を狙っている鷲(鷹?)は深い余韻が残ります。

本編は20分程度欠落していて、音声のみとなっている。
音声だけでも圧倒される作品ですが、欠落部分が一番面白かったような気もする。

↓ネタバレします。
[サイト内タグ検索] キム・ギヨン監督

116. 国家代表 <2009> ★★★☆

「カンナさん、大成功です」のキムヨンファ監督の最新作。

take off



[制 作 年] 2009年
[韓国封切] 2009年7月29日
[原 題] 国家代表 국가대표
[英 語 題] take off, national athlete
[ジャンル] ドラマ,コメディー
[脚 本] キム・ヨンファ
[監 督] キム・ヨンファ [第3作]
[出 演] ボブ チャ・ホンテ:ハ・ジョンウ絶対の愛」「チェイサー」
      パン・コーチ:ソン・ドンイル「カンナさん、大成功です!」      
      カン・チルグ:キム・ジソク「パパは女の人が好き
      チェ・ホンチョル:キム・ドンウク 
      マ・ジェボク:チェ・ジェファン
      カン・ボング: イ・ジェウン      
      パン・スヨン パン・コーチの娘:イ・ウンソン
[受 賞] 2009 第30回 青龍映画賞/監督賞(キム・ヨンファ)
                  撮影賞(パク・ヒョンチョル)
      2009 第46回 大鐘賞映画祭/監督賞(キム・ヨンファ)
                   映像技術賞(チョン・ソンジン)
      2009 第17回 利川春史大賞映画祭/最優秀作品賞
                      男優助演賞(ソン・ドンイル)
                      女優助演賞(イ・ヘスク)
                      音響技術賞(イ・サンジュン ほか)
                      映像技術賞(ホン・チャンピョ)
                      共同演技賞(キム・ジソク,キム・ドンウク
                            イ・ジェウン,チェ・ジェファン,
                            ハ・ジョンウ) 
[時 間] 137分
[観覧基準] 12歳以上 観覧可  

<あらすじ>
1996年,全羅北道のムジュ(茂朱)。冬季オリンピック誘致のため,正式種目の一つであるスキージャンプ国家代表チームが急造される。これに子供スキー教室の講師バン・ジョンサムが国家代表コーチに任命され,彼のあらゆる甘言利説に精鋭(?)メンバーたちが集まる。

ジュニア アルパイン スキー米国国家代表だったが,実母を探して韓国に来た入養児のボブ,女がいなければ一日も耐えられないナイトクラブのウェイター,ホンチョル,昼夜,炭火だけ吸いながら,父がさせるまま生きてきた焼肉屋の息子ジェボク,祖母と弟の世話をしなければならない荷物が手にあまる言葉少ない少年家長チルグ,そんな兄を心から愛する4次元弟ポング。

パン・コーチは,あたかも神にでもなったように,母と一緒に住む家が必要なボブにはアパートを,愛のために,または扶養家族のために彼らと一緒にいなければならないホンチョル,チルグ-ポング兄弟,そしてジェボクには,軍免除を約束する。ただし,金メダルを取れば。

このようにして,スキージャンプが何かも知らず,一時スキーにちょっと乗ってみたという理由で選ばれた彼らが集まり,大韓民国で最初のスキージャンプ国家代表チームが結成される。

<鑑賞>英語字幕 2010/1/11
<レビュー>
実母探しの映像からスタートします。
孤児問題日本ではあまり聞かないけれど、例え映画でも実際に映像で観てしまうと目頭が熱くなりますね。
実母を捜しに韓国にやってきたけれど、思うように行かず、そんな彼に「母親を捜すのではなく、国家代表になって母親から訪ねてくれるようにさせてやる」と提案があります。

薬物中毒でスキーを辞めたナイトクラブのウェイターのホンチョル。
知恵遅れの弟と年老いた祖母のために軍隊には行けないチング。
厳しい父の敷いたレール通りに生きるしかないジェボク。
そして、実母を捜しに韓国に来たボブ。
この四人でチームを組むことになりますが、ちょっとスキーをやっていたぐらいで、国家代表になるレベルではなく、悪戦苦闘する特訓が始まります。
どうにかこうにかオリンピックには出場しますが、韓国解説者の発言から、韓国におけるスキージャンプの不人気さがうかがえます。
しかし、成績がメダル圏に近付くにつれ、解説者もだんだん熱くなります。
ここが一番の見せ場でしょう。
事実を基にしているので、結果もわかっているのに、興奮させられます。
98年長野オリンピックでのスキージャンプは私も観ていました。
原田選手の涙が記憶にあります。
その裏で、こんなドラマがあったとは。

最後は、現実の映像に移り変わります。
その後、賞は取っているものの、現在の選手はたった5人。まだ不人気なんですね。
相変わらず、韓国に実業団は存在しないそうです。
スキージャンプは好きな競技なので、次回のオリンピックで意識して見てみようと思います。

選手を「国家代表」にまで育て上げる成長過程を描いた作品ですが、
面白さはそこではなく、韓国映画らしく、各選手のヒューマンドラマが色濃く描かれているところにあります。
社会問題も投げかけています。
孤児輸出大国における孤児問題、金メダル獲得による軍隊免除、障害者を抱える苦悩、嫁不足による延辺女性との国際結婚。
しかし、コミカルさも交え、観やすい作品になっています。
私好みの、問題を投げかけたヒューマンドラマ。号泣してしまいました。

韓国系アメリカ人を演じたハジョンウ氏。
韓国語が話せる役でしたが、韓国文化への戸惑い、ちょっとした仕草、振舞い方が完全にアメリカ人でした。

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70. 黒い家 <2007> ★★★★★

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[制 作 年] 2007年
[韓国封切] 2007年6月20日
[原 題] 黒い家 검은집
[英 語 題] Black House
[ジャンル] 恐怖,スリラー,ミステリー
[原 作] 貴志祐介 「黒い家」角川ホラー文庫 714円 1997年度の日本ホラー小説大賞受賞
[監 督] シン・テラ [第1作]「7級公務員
[出 演] チョン・ジュノ トンプ保険調査員 審査チーム:ファン・ジョンミン「ユア・マイ・サンシャイン」「ハピネス
     シン・イファ チュンベの妻:ユソン
     パク・チュンベ 保険契約者:カン・シニル「私たちの幸せな時間」
     チャン・ミナ ジュノの恋人 医師:キム・ソヒョン 
[時 間] 103分
[観覧基準] 18歳以上 観覧可  


<あらすじ>
初出勤の日。保険会社調査員チョン・ジュノ(ファン・ジョンミン)は、1人の女性からかかってきた相談電話を受ける。
「自殺した場合、保険金はもらえるのでしょうか?」
ジュノは、個人情報を話したり、同情心を表わしてはいけないという社内規約が目にはいるが、自分の名前を名乗ると共に、親身に回答してしまう。数日後。チョンジン(清津)洞の顧客から、ジュノを名指しで訪ねるよう依頼がある。その男は、自分の言うことをきかない息子を説教してくれと、ジュノに子供部屋のドアを開けるよう頼む。しかしその部屋では、7歳の幼い息子が首をくくったまま死んでいた。彼をより一層混乱に陥れたのは、ジュノの顔色をうかがう父パク・チュンベ(カン・シニル)の視線だった。顧客の生命を保護するための保険が、人を殺すこともあるのだろうか。ジュノは少年の死が、父による保険金殺人と確信し、保険金支給を中止させてしまう。しかし、あらゆる証拠は、100%自殺だと立証してしまう。そして、5年前にパク・チュンベと再婚したシン・イファ(ユソン)に3億ウォンの死亡保険金がかけられていることが明らかになる。ジュノは彼女を助けたいが、死が連鎖的に続き、死の痕跡が次々に現れる。5人の死の真実とは?迷宮を追うジュノと、謎の殺人者との対決の果てには、驚くべき真実が隠されていた。

<鑑賞> 英語字幕 2009/12/5
<レビュー>
やっと英語字幕見つけて、ついに鑑賞。
原作者 貴志祐介さんは元生命保険会社勤務。
「生活保障のための保険が人の命を奪うキッカケとなる」怖い現実を描いた作品。
でも、保険会社といえば、外交員なイメージですが、この作品の主人公は外交員ではなく、内勤勤務。
衝撃的で予想できない展開(私は原作も日本映画も知らないので)の連続で、内勤員を利用したトリックがとにかく面白い。

韓国のホラー系は、ただキャーキャー騒ぐだけで、中身薄い物が多いけれど、
これは違います。社会派サスペンスです。
と思ったら、後半30分は、さすが韓国と思えるほど、えぐいシーン満載。
中盤まではすっごい面白かったのに、残念。ちょっとやりすぎ。後味がとっても悪い。

でも、スプラッターは確かにすごいけど、私はそれよりも心の中に潜んでいる人間の欲望のほうが怖かった。
何を考えているかわからない相手。
でも、目的意識ははっきりしている。保険金が欲しい!
この世の中で一番怖いものは、狂気を持った人間。
しかも、これって日常で起こり得る話。見えない幽霊なんかよりずっと怖い。

常に冷静沈着だった生保マンが、それに気付いた時の心理で恐怖心を余計に仰がれます。
ホラーの見せ方は韓国版になっています。
ただのホラーではなく、社会的要素がつまったサスペンスです。

私たちの幸せな時間で優しい看守を演じたカン・シニル
この作品でもいい味出してます。
狂気的な奥さんよりも彼のほうが不気味だったな。

シンテラ監督はこちらが1作目です。その後、カンジファン「7級公務員」でコメディー映画を作られています。
かなっり笑わされましたよ、この作品には。

1999年大竹しのぶさんの日本版は見たことがあるけど、印象に残っていません。
改めて観てみようと思います。

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33. クロッシング <2008> ★★★★

4月17日(土)より、渋谷・ユーロスペースにてロードショー

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制 作 年: 2008年
原 題: クロッシング 크로싱
英 語 題: Crossing
ジャンル: ドラマ
監 督: キム・テギュン
出 演: キム・ヨンス:チャ・インピョ 
     キム・ジュン ヨンスの息子:シン・ミョンチョル
     ミソン:チュ・ダヨン  
     ソ・ヨンファ ヨンスの妻:ソ・ヨンファ
     ミソンの父:チョン・インギ 
受 賞: 2008 第16回 利川春史大賞映画祭/最優秀作品賞,監督賞,審査委員特別賞
                      子役特別賞,脚本賞,撮影賞,音楽賞,美術賞
     2008 第28回 韓国映画評論家協会賞/音楽賞(キム・テソン)

映 画 祭: 2009 第20回 米国 パームスプリングス国際映画祭
時 間: 112分
観覧基準: 12歳以上 観覧可  


<あらすじ>
2007年,北朝鮮のハムギョン(咸鏡)南道にある炭鉱村コウォンの3人家族,父ヨンス,母ヨンファ,そして11歳の息子ジュンは,豊かでない人生だが,一緒にいられていつも幸せだ。

ある日,母が倒れ,肺結核という事実が明らかになり,簡単な風邪薬さえ手に入らない北朝鮮の現状に,父ヨンスは,中国行を決心する。

生死の間をさまよって中国に到着したヨンスは,材木伐採場で仕事をしながらお金を貯めるが,不法就労が発覚して,お金をすべて失って警察に追われる身となる。

そんなある日,ヨンスは,簡単なインタビューさえ受ければお金をもらえるという話に,何も知らないままインタビューに応じる。しかし,そのことで,家族と完全に別れることになるとは。

一方,ヨンスが出かけて2月余りが過ぎ,妻ヨンファの病状はますます悪化し,ついには亡くなってしまう。世の中に一人残された11歳のジュンは,訳もなく父を探しに旅立つ。

韓国に到着したヨンスは,ブローカーを通じてジュンの行方を知り,別れたジュンとの不可能と思われる再会を試みる。しかし,父ヨンスと息子ジュンの切実な約束は,もどかしくも行き違ってしまう。

<レビュー>
実話を元に描かれています。
北朝鮮での生活がとても貧しくて、日本でいうと戦後なイメージ。
そんなシーンからスタートします。
奥さんが病気になったのに、薬が手に入らない北朝鮮。
奥さんの薬を買うために危ない国境を越えて中国へ渡る旦那。
昔のお話かと思ったら、なんと2007年が舞台。

脱北者ってよく耳にする言葉だけど、日本人にはよくわからないのが現実。
数年前、蓮池さんや元工作員の方々がテレビで実態を話されていましたが、
この映画ではその北朝鮮の実態、その悲惨な中で交差し、生き抜こうとする家族の運命が描かれています。

ブローカーの役割なんかも興味深かったです。

人間の基本的権利が保障されていない国。
ここでの生活は日本人の想像をはるかに超え、現実とは思えません。
そんな国だからこそ家族の絆がいっそう強まるのかもしれませんね。
家族愛を強く感じる作品です。
家族のために生き抜こうとする賢明さに心打たれました。

エンディングは何とも皮肉めいています。
北朝鮮で家族と共に餓死すること、亡命して一人淋しく暮らすこと、どちらが幸せなのでしょうか。

でも、緊迫感が感じられない演出。すごく悲しいお話なのに、まったく泣けなかった。
朝鮮訛りのセリフなので、変なイントネーションや語尾がおかしかった。

追記(2010/5/26)
この作品鑑賞前後に、北朝鮮関連本を何冊か読みました。
政治的圧力すなわち将軍様への批判的な内容が濃く書かれていました。

私が読んだ「北朝鮮大脱出 地獄からの生還 著:宮崎俊輔」によると、
進学、就職、結婚、住居地といった個人的なことでも政治的に決められているようです。
例えば、
・自然災害によって引っ越しせざるを得ない場合は特例として引っ越し許可はもらえるが、
新住居に関しては木材などの調達から建築まで自らがやらなければならない。
・忠誠心(金正日の考え方をどれだけ理解しているか)+身分によって進学の可能性、職業、就職先が決まる。
・薬や食糧は賄賂次第でどうにでもなる。など


この「クロッシング」にはこういった独裁政治や金正日への批判は一切ありません。
そういった意味で私には緊迫感が感じられなかったのかもしれません。
しかし、北に興味がない人に現状を少しでも知ってもらうという意味では映像の限界に挑戦されていると思います。


<鑑賞> 英語字幕 2009/11/11

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[タグ未指定]

23. 京義線 <2007> ★★★★☆

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京義線 경의선/The Railroad
2007/107分/ドラマ/15歳以上
脚本/監督: パク・フンシク 
出演: キム・マンス 地下鉄機関士:キム・ガンウ仮面」「マリン・ボーイ」
     イ・ハンナ 大学非常勤講師:ソン・テヨン
受賞: トリノ映画祭 主演男優賞(キム・ガンウ

<あらすじ>
退屈で反復する日常の中でも誠実さを失わずに仕事をする地下鉄機関士マンスには,この間から自分の列車を待っておやつと雑誌を渡すある女性がいる。家族も同僚も認知できない程,たびたび変わる列車の運行時間をどのように知って毎日のように正確な時間に待つのか分からないが,彼女の登場は,いつのまにかマンスの日常にとって活力になっている。

だが,それもしばらくの間。予期できない列車投身自殺事件で大きな衝撃と混乱に陥ったマンスは,特別休暇をもらって京義線の列車に乗る。

同じ科の教授として在職中の大学先輩と危険な関係を維持しているけれど,揺れないで堂々と愛したい大学非常勤講師ハンナ。他人がうらやましくない能力と条件をそろえたエリートだが,なんだか満たされない彼女のむなしい心は,筋道がつかめない。

誕生日を迎えて,彼と一緒に旅立とうとしていた旅行は,思いがけない事件で小さく割れてしまい,行き過ぎるように冷淡な彼の行動は,ハンナをより一層みじめにさせる。熱心に無視した状況と向き合ったハンナは,悶々とした心で京義線の列車に身をのせる。


<鑑賞> 英語字幕 2009/11/3
<レビュー>
京義線:
元々は日本が日露戦争時の物資輸送のために作った鉄道。
京城(現ソウル)から北朝鮮新義州市を結んでおりましたが、現在は南北分断で実質的には韓国の都羅山駅が終点になっている。

地下鉄の運転手と大学講師の日常から描かれています。
接点も共通点もなく、決して出会うはずのない2人。
傷ついた心を癒すべく「京義線」に乗り込みます。
ついつい終着駅にまで来てしまい、無理矢理降ろされる。
ソウルへ戻る上り電車はもうない。 タクシーもない。
臨津江駅にはしんしんと雪が降っており、二人の絶望感が表わされています。

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線路は北まで続いているのに、電車では前に進めない駅での停車は、2人が人生においても行き場を見失っていることを象徴しているかのようでもあります。
京義線は、人生そのものを表現しています。

仕方なく、2人は歩いてソウル方面へ戻ろうとする。
来た経路を戻ることによって、人生を見失った2人の再生がここから始まったんだと思います。

ドイツ留学をし、ドイツ語教師をしているハンナ。なぜ設定をドイツにしたのか。
ホテルでドイツでの戦争時代の話をしています。
「誰も予測していなかったことが起こった」
この言葉がキーワードだと思います。
予測していなかった人身事故。予測していなかった彼の冷淡な態度。予測していなかった2人の出会い。
予測していなかったドイツでの出来事。
舞台に京義線を選んだのは、数年前までは誰も予測していなかった北朝鮮開通を言いたかったんだと思います。
「いつ何が起こるかわからない。たとえ予期せぬことが起こっても、人間は再生可能」
分断していたドイツをも題材にしたということは、線路の先の北朝鮮は、予期せぬ未来を象徴しており、統一をも暗示しているのだと思います。

二人の人生と朝鮮半島の現在と未来を「京義線」と上手くダブらせた作品です。

結末は私の好み。
心の闇を彷徨っているかのごとく暗い地下鉄を運転していたマンス。
二人の出会い後、光に向かって運転していましたね。

運転手の視点で描かれているのも興味深いです。

非常に重く、暗い映画です。
決して万人向きではなく、奥の深い内容です。
空気感から心情を読み取るのが好きな方にお勧めします。

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