カテゴリー  [ ★ロシアと旧ソ連映画レビュー★ ]

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(未) Fallen (原題:Krisana) <2005/ラトビア=独> ★★★☆

Krisana.jpg
Fallen /Krisana
2005/95min/モノクロ/ラトビア=ドイツ
ドラマ
監督/脚本:フレッド・ケレメン(Fred Kelemen)(監督5作目)
出演:Egons Dombrovskis、Nikolaj Korobov、Vigo Roga
IMDb評価:6.7/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★☆
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★



Krisana2.jpgマティスは仕事帰り、女性が橋の際に立っているのを見ていた。通り過ぎた瞬間、水に飛び込む音がし、女性の助けてという声を聞いた。川を覗いたが、女性の姿は見えない。すぐさま警察に連絡し捜索するが、死体は上がらず、警察も捜索を打ち切ってしまった…。

監督は、タル・ベーラ監督「倫敦から来た男(2009)」「ニーチェの馬(2012)」の撮影で知られるフレッド・ケレメン。

捜査に来た警察の会話によると、年間自殺者は700人、内36%は薬物、15%は首つりによるものだという。“自殺者にとって自殺は人生の終わりでも、我々には仕事なんだ。目撃もしておらず、音を聞いただけの出来事にいちいち対応してられない”というのが警察の言い分であった。主人公の男はそれでも気になって仕方なく、一人で捜査を始めるという話。


Krisana1.jpg主人公の男は資料整理の仕事をしており、毎日同じ時間に同じ道を通り通勤するだけのつまらない男であった。覇気がなく、無気力な生き方や孤独がモノクロの映像からも読み取れる。

本作で最も印象的なのが、鳥や風の音。本来なら誰にでも平等に聞こえるはずの音なのに、日常生活であまり耳を傾けることのない音たち。忙しい現代人が見失ってしまった感覚でもある。あまりにも忙しい日々を送っていると自分のことに精いっぱいで他人に目を向けることも少なくなる。普通の人だったら見知らぬ女性の飛び込みなど気にしていなかったかもしれない。

プロットだけだと、女性は生きているのかというミステリーのようだが、調べていくうちに見えてくる女性の生き様を描いたドラマといったほうがいい。女性のことを知るにつれ変化を見せる男の心境は抽象的で哲学的だが、次第に人間らしい感情を取り戻してきている。たまには自分のことだけではなく、他人の人生に目を向けてみるのも悪くないのかもしれない。

<観賞> 2012/5/27

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Silent Souls <2010/露> ★★★

silent soulSilent Souls
2010/75min/ロシア
ドラマ
監督:Aleksei Fedorchenko 
撮影:ミハイル・クリチマン
原作:Denis Osokin
出演:Yuliya Aug、LarisaDamaskina、Olga Dobrina 
受賞:第67回(2010)ヴェネツィア国際映画祭コンペ出品、オゼッラ賞(撮影賞:ミハイル・クリチマン)、国際批評家連盟賞、SIGNIS賞スペシャル・メンション
IMDb評価:6.4/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし(ヌードあり)
民族度 ★★★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


silent soul1町工場の社長は40年連れ添った最愛の妻を亡くした。新婚旅行で訪れた湖で弔いをするのに、カメラマンの友人に同行を依頼した。カメラマンは最近ムクドリ2羽を飼い始めたところで一緒に連れて行くことにした…。

監督は、2005年ヴェネチア映画祭でオリゾンティ・ドキュメンタリー賞を受賞した「Pervye na Lune」のAleksei Fedorchenko。フィクション映画は2作目となる。
撮影は 「父、帰る(2003)」などのアンドレイ・ズビャギンツェフ作品で知られるミハイル・クリチマン

妻の遺体を新婚旅行で訪れた湖で火葬するまでの至ってシンプルなロードムービー。はっきり言って何も起こらない。大切な人を失った時の喪失感に焦点を当てた作品。

silent soul2舞台となるのは、ロシアの田舎町。小さい町々が統合し、町名を変えていく中、かろうじて存続しているが、人々の記憶からも消えてなくなりそうなほどの小さな町である。ここでは結婚式当日、親類の女性たちは新婦の陰毛に長い糸を結びつけ、神聖な初夜を迎えるという。そんな伝統が未だ残るこの町で、最愛の妻を新婦のように送り出してあげたいと願う夫は妻の亡骸を丁寧に拭き、糸を結びつける。

妻の遺体を車に乗せ、思い出の湖まで車を走らせる道中、2人だけの思い出が走馬灯のように男の脳裏に蘇る。それは平凡だが、幸せに満ち溢れた夫婦生活。きっとこの思い出を胸にこの先の人生を歩むのだろう…。

広大なロシアを舞台に、撮影はアンドレイ・ズビャギンツェフ作品を撮り続けているミハイル・クリチマン。詩的な展開と映像美のマッチング、抑揚のある音楽が雰囲気を盛り立てている。車中会話は少なく、かなりのスローペースで、アンドレイ・ズビャギンツェフ作品ほどではないが、想像力で行間を埋めていく必要があるため観る人を選ぶであろう。

<観賞> 2012/5/26

[サイト内タグ検索] 日本未公開 ミハイル・クリチマン

(未) Kairat <1992/カザフスタン> ★★★

kairat.jpgKairat
1992/72min/カザフスタン
ドラマ
監督/脚本:ダルジャン・オミルバエフ(Darezhan Omirbayev)(長編デビュー作)
出演:Samat Beysenbin、Baljan Bisembekova、Indira Jeksembaeva
IMDb評価:6.8/10

社会度 なし
哲学度 なし
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★

kairat1.jpgカザフスタンの地方出身のカイラットは大学入試試験でカンニングの濡れ衣を着せられてしまう。寄宿舎に入り浪人生活を送るカイラットの生活を描く…。

監督は「ザ・ロード(2001)」のダルジャン・オミルバエフ。長編デビュー作となる。出演者たちは素人を起用し、後にも先にも本作のみの出演となっている。

カンニングは濡れ衣でありながら弁解すらしない。バスに乗ると、ある女性に一目惚れしてしまい、ストーカーのように追いかけるが彼女は気にもとめない。行くあてもなく電車に乗り外を眺めていると少年が投げ込んだ石で窓ガラスが割れる。

kairat2.jpg繋がりのないショットの繋ぎ合わせで全ての出来事が唐突に始まる。主人公のカイラットはその場に居合わせていながらも冷静に状況を傍観しているだけで、表情も抑制されている。補足説明は一切排除され、背景や行間、各エピソードの行く末は各自想像で埋めるしかない。うだつの上がらない出来事の辻褄の合わない繋ぎ合わせに違和感を感じつつも、1つ1つのショットにはどこか惹きつけられるものがある。

実は夢だったという結末だが、全て現実に起こり得る出来事であり、本当に全てが夢なのか、何が現実だったのか、境界線は曖昧である。その曖昧さが、実際に夢から覚めた時の感覚に近く、不思議ながらも居心地がよい。

ソ連崩壊後の作品であるが、そんな混沌さも感じさせず、素朴で60年代のような雰囲気でもある。
話す言葉もロシア語で完全にロシア映画の作風なのに、登場人物の多くはアジア人の顔立ちで妙に親近感。

<鑑賞> 2012/4/2
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(備忘録) ウルフハウンド 天空の門と魔法の鍵 <2007/露> ★★★

wolth.jpgWolfhound: The Rise of the Warrior/Volkodav iz roda Serykh Psov
2007/136min/ロシア
アクション、冒険、ファンタジー
監督/脚本:ニコライ・レベデフ(Nikolay Lebedev)
原作:Mariya Semyonova
出演:アレクサンドル・ブハロフ、オクサナ・アキンシナ、アレクサンドル・ドモガロフ
IMDb評価:5.8/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
邦題のセンス ★★★★
脚本 ★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★

約24億円の巨費をかけて製作され、ロシア本国で大ヒットを記録したVFXファンタジー・アドベンチャー。 暗黒の力が世界を支配した時代。平和な街ガリラは、女神モラナの呪いのために太陽と秩序を失っていた。同じ頃、正義感溢れる戦士の部族であった“グレイドッグ族”もまた、モラナに仕える黒仮面の騎士ザドバによって滅ぼされてしまう。しかし一族唯一の生き残りである少年がいた。彼の名はウルフハウンド。やがて、勇敢な戦士へと成長した彼は、ザドバと並ぶ悪の支配者であるベリモア国の王マン・イーターを滅ぼし、女神モラナが住むと言われる天空門のカギを手に入れる。果たして彼は、失われた光とグレイドッグ族の誇りを取り戻すことができるのか…。@allcinema

監督は、「東部戦線1944(2002)」(未見)のニコライ・レベデフ。
出演は、「リリア 4-ever(2002)」でリリア役を演じたオクサナ・アキンシナ。

衣装とかアクションも本格的な時代劇。登場人物が多く、プロットも複雑だが、ストーリーはいたって単純でわかりやすい。幼少時代に目の前で両親を殺されたウルフハウンドが復讐に向かうというだけの話。魔法の粉をかけると怪我が治ったり、コウモリが相棒だったり、死んだママが登場し、善の道へ導いてくれたり、ファンタジー色が強く、子どもと一緒に楽しめる作品。

<観賞> 2012/3/30

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(未) Elena <2011/露> ★★★

elena.jpg
Elena
2010/ロシア
ドラマ
監督/脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ
撮影:ミハイル・クリチマン
出演:Andrey Smirnov、Nadezhda Markina、Elena Lyadova、Alexey Rozin
受賞:カンヌ特別審査員賞
IMDb評価:7.6/10


哲学度 ★★★
宗教度 なし
社会度 ★
映像美 ★★


ウラジミールとエレナ夫婦は時を遅くして再婚した。もともとは異なる階級出身であり、それぞれに前の結婚でできた子どもがいる。ウラジミールには娘がいるが、疎遠で何年もも会っていない。エレナには息子がいるが、失業中で生活が苦しいにも関わらず養うべき家族を抱えており、エレナが金銭的な援助をしている。ウラジミールは妻エレナが成人している息子の援助をしていることをよく思っておらず、やめるように注意していたが、そんな矢先、ウラジミールは心臓発作で倒れ緊急入院した。最悪の事態は免れたものの死期を悟ったウラジミールは疎遠である娘に会いたいと言う。ついには、全ての財産を娘に託すと言い出した。弁護士を呼び、遺書を作成することにしたが…。

elena2.jpg父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の最新作。好きな監督10人に入るほど好きな監督。初監督作品「父、帰る」で、ヴェネチア国際映画祭の新人監督賞と金獅子賞をダブル受賞、2作目「The Banishment」ではカンヌ映画祭でコンスタンチン・ラヴロネンコに最優秀男優賞をもたらし、3作目で最新作の本作ではカンヌ特別審査員賞を受賞している。カンヌ以降あまり評判を聞かなくなってしまったが、いずれにしても日本公開は難しいでしょう。

家族のすれ違いやわだかまりを描いている点と多くを語らず、背景も含め想像力を働かせる描き方においては前作2作と同様。本作は宗教的な解釈を要さないため、観やすくなってはいるが、おそらく2作同様、数回観て理解度を高める必要がありそうでもある。

elena1.jpgウラジーミルは裕福で財産を持っているのに対し、エレナは質素。異なるのは出身階級だけではなく、子どもとの関わり方も正反対である。ウラジミールは娘とは疎遠であるが、エレナは頻繁に息子宅を訪れており、嫁や孫ともうまく行っている。正反対に見える2人だが、2人が共に願うのは自分の血を分けた子どもの幸せであった。
テーマは、人間性の喪失。
アスガー・ファルハディ監督「別離」と同様で、個人の立場では正しい行いをしていても、倫理的にはどうかという問題を考えさせてくれる。鋭い視点を提起している割には呆気なく結末を迎えてしまったような気がしないでもないが、親の存在の有難みについて考えさせてくれる作品でもあった。

何を犠牲にしてでも子どものために…というのが母共通の願いなのだろう。しかし、子を持たないと共感するのは難しい。

<鑑賞> 英語字幕 2012/1/5

(未) The Banishment <2007/露> ★★★★★

banishment_20111102115520.jpgThe Banishment/Izgnanie
2007/157min/ロシア ・ベルギー合作
ドラマ
監督&脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ「父、帰る
撮影:ミハイル・クリチマン
出演:コンスタンチン・ラヴロネンコ、アレクサンダー・バルエフ、マリア・ボネヴィー
受賞:2007 カンヌ映画祭 男優賞他1、3ノミネート
INDb評価:7.6/10

哲学度 ★★★★
宗教度 ★★★★
社会度 ★
映像美 ★★★
余韻度 ★★★

一家4人は田舎にある母の残してくれた家へ移り住む。新しい生活に胸を弾ませる子ども2人に対し、夫婦の表情は浮かない。妻は不倫をしており、田舎で一からやり直すために引っ越してきたからだ。夫婦のわだかまりは消えていない。そんな時の妻の一言。「妊娠しているけど、あなたの子ではないの」…。

banishment2.jpg父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の2作目。
初監督作品「父、帰る」で、ヴェネチア国際映画祭の新人監督賞と金獅子賞をダブル受賞、2作目の本作ではカンヌ映画祭でコンスタンチン・ラヴロネンコに最優秀男優賞をもたらし、3作目の最新作「Elena」ではカンヌ特別審査員賞を受賞している。 主演は、「父、帰る」で父親役を演じたコンスタンチン・ラヴロネンコ、その妻役はスウェーデン、ノルウェーを代表するマリア・ボネヴィー。ロシア語の話せない彼女の台詞はどうやら吹き替えられているらしい。

本作が監督2作目と思えないほどの完成度で、観る度に新発見があり、新たな琴線に触れることができ、観る度に理解度も満足度も高まる1級品と呼ぶべき作品。日本では一般公開はおろか、未だにCSでも映画祭でもお目見えしていないとは…。これは恥じるべき行為。

妻は妊娠したことを弁解もせず、子の運命を夫に託し、裁きを受ける覚悟を決めた。妻よりもむしろ夫のほうが葛藤と戦っている様子が延々と映し出される。不倫の原因は描かれていない。夫も妻を問い詰めたりもせず、抑制された感情は修羅場などなく、本作の大半を占めるのはむしろ沈黙である。背景が描かれなくとも、出来てしまった夫婦の溝は深く、重いことが覗える。

banishment1_20111102115520.jpgかなりのスローテンポで、ショットが名画のように美しくもあり、構図の意味をいちいち考えさせられる。手法としては、抽象的ではあるが圧倒的な映像を脳裏に焼きつけさせ、忘れた頃に補足説明が入るといった、観る側にとっては少々負担となる描き方。時間軸も前後し、映像からはどのタイミングの話なのかは掴み難く、おもちゃの電車のレールを繋ぎ合わせるかのようでもある。子供が遊んでいるジグソーパズルがダ・ヴィンチの「受胎告知」だったり、細部の小道具にまで伏線が張られているため、隅々まで隙がない。一旦レールが繋ぎ合わさると電車が加速するかのごとくストーリーも一気に進むが、商業大作映画を好む人は間違いなく熟睡できる作品でもある。

無邪気な子どもたちの笑い声、電話が鳴る音と車のエンジン音が時折静けさを破る程度で、聞こえてくるのは最低限の生活音のみ。怖いほどに排除された音の緊張感が夫婦の溝をさらに引き立てている。
ダイヤル式の黒電話に交換手が出ることから、時代背景は現代ではないであろう。車で通り過ぎる薄暗い工業地帯はソ連時代を連想させ、堕胎が違法とされている時代であろうことは推測できる。テーマは“赦し”。不倫をし、子を身籠った妻を赦すのか。子はどうするのか。

タイトルの意味は“追放”。誰が誰を追放するのか。最終的には何が罪なのか。畳みかけるように押し寄せる結末のどんでん返しまで観る者に自問を促してくれる。

初版:2010/8/9
最新版:2011/11/12 (★★★☆から★★★★★に変更)

(未) My Joy <2010/ウクライナ=独=オランダ> ★★

my joy
Schastye moe/My Joy
2010/127min/ウクライナ=ドイツ=オランダ
ドラマ
監督/脚本:Sergei Loznitsa
出演:Viktor Nemets, Vladimir Golovin and Aleksey Vertkov
言語:ロシア語
IMDb評価:7.0/10


閉塞感 ★
衝撃度 ★★
リアル度 ★★★




my joy1男性の死体と思わしきものをセメントに埋めるシーンから唐突に始まる。そのシーンはポスターにもなっている。一体何が起こっているのか緊張感も高まるかと思った矢先、大型トラックは現場を出発する。運転手が犯人なのか、はたまた目撃者なのか…。何事もなかったかのように車を走らせるトラック運転手の数日間をドキュメンタリータッチで描き、出くわした奇妙な人たちによる不条理な出来事を綴っていく。

ウクライナ出身の監督は、ドキュメンタリー作品を専門としており、フィクション映画は本作が初。ドキュメンタリー作品もいくつか観たが、タルコフスキやソクーロフの影響を受けていると感じる。

my joy2主人公ジョージはトラックを走らせていると、理不尽な理由で警察に呼び止められ、しばしトラックを離れている隙に見知らぬ男性がトラックに乗り込んでいたり、間違った道を教えられたりと、次々と不運な出来事に出くわす。そして知らぬ間に、不条理な出来事や暴力に巻き込まれることになる。テーマは、ごくありふれている日常ではあるがいつ何が起こるかわからない日常に蔓延る暴力。ドキュメンタリー監督らしく圧倒的な映像力で暴力を訴えている。ジョージは日々出くわす暴力にうんざりしつつ、精神が病んでいく過程と、暴力によって脅かされる心理をじんわりと昇華させていく。

もし一本違う道を通っていたら、不条理な出来事には出くわさなかったかもしれない。ほんのりと希望を匂わせる一方で、混迷の中から抜け出せずもがき苦しむ姿は歴史的背景を暗喩していたのだろうか。説明不足にも感じられ、メッセージが明確に読み取れなかった。

軸となるストーリーはなく、一見何も起こらないロードムービーのようでもあるが、次々と起こる暴力は事件性のあるサスペンスのようでもあり、不思議な感覚に襲われる。とんでもない出来事が唐突に起こり、展開が読めないのはいいのだが、何一つ解決されないもどかしさが残る。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/31
[サイト内タグ検索] 日本未公開

ざくろの色 <1968/旧ソ連> ★★★★ 

nova4.jpg
The Color of Pomegranates
1968/73min/ソ連
ドラマ、伝記
監督/脚本/原案:セルゲイ・パラジャーノフ
編集:セルゲイ・ユトケーヴィッチ
撮影:スウレン・シャフバジャン
音楽:チグラン・マンスウリヤン
出演:ソフィコ・チアウレリ、M・アレクヤン、V・ガスチャン
言語:アルメニア語(詩)
IMDb評価:7.5/10

映像美 ★★★★★
個性度 ★★★★★
民族度 ★★★★★




アルメニア生まれの詩人、サヤト・ノヴァ(Sayat Nova)の生涯を描いた伝記映画。元々は「サヤト・ノヴァ」というタイトルで制作されたが、検閲を受け、短縮版として本作が再編集された。編集が異なる同一作品となるが、オリジナルは散逸したといわれている。

サヤト・ノヴァ(Sayat Nova)(1712-1795)
アルメニア文学史上最大の詩人の一人。サズという弦楽器を弾きながら詩を朗唱する「アシュグ(吟遊詩人)」として比類ない才能を発揮し、グルジアのイラクリ二世に宮廷詩人として迎えられた。甘く官能的な恋愛詩が多い。

nova1.jpgnova2.jpgnova3.jpg


台詞の代わりに彼の詩を織り込み、監督の両親の故郷でもあるアルメニアや周囲国のグルジア、アゼルバイジャンの伝統舞踊を取り入れ、複数の人物を一人の役者が演じ分けるといった古来の演劇手法で展開していく。
なんと女優のソフィコ・チアウレリは、“青年時代の詩人とその恋人”、“ミューズや天使”、“詩人の壮年時代に現れる艶かしい尼僧”の役を一人で演じ分けている。この3枚の写真は同一人物であり、詩人と恋人といったカップルの両人を演じてしまうから驚き。おそらく言われないと気付かない。


nova5.jpgストーリーは8章(詳細は下記)に分かれ、幼少時代から死まで描かれるが、はっきり言って抽象的・心象的で雲をつかむような感覚的作品。しかしながら、色彩感覚や構図の取り方全てにおけるセンスには陶酔。台詞の代わりに彼の詩が朗読され(詩も私には理解不能)、補足説明をするかのように映像が全てを語る。
シュールで刺激的、うっとりするほど官能的、色彩によって表現される“生と死”、不気味なほどの恐怖感。
彼らの民族衣装や動き、小道具、効果音、全てに隙がなく細部までこだわっており、想像力が掻き立てられる映像にはもうため息。

アルメニア教はキリスト教をベースとした派生宗教だそうでむろん馴染みはないが、アルメニアの民族性、精神性が強く出ていると思われる描写の中には、輪廻転生といった東洋にも通ずる概念だったり、日本の能を思わせる動きにも見えるのが不思議。

本作監督後、ウクライナ映画行政局は、既存の映画文法から逸脱した自由奔放な表現を、反ソ連的な危険思想に基づくものと見なし、激しく糾弾。それ以降、彼の書いた10本の映画の企画をすべて却下してしまう。
冒頭で繰り返される「我が生と魂は苦悩の中にある・・・」というモノローグとその後の彼の人生が重なって印象的に心に響く。

ストーリー…
第一章 詩人の幼年時代
 雷雨に濡れた膨大な書物を干して乾かす日常の風景に、染色をする女性達。 まだ幼いサヤト・ノヴァの、書物への愛の芽生えと、子供の目からみるアルメニア人の生活。

第二章 詩人の青年時代
 青年となり、宮廷詩人となったサヤト・ノヴァは宮廷の王妃と恋をする。 サヤト・ノヴァは琴の才に秀で、愛の詩を王妃の為に捧げる。

第三章 王の館
 王は狩りに出掛け、神に祈りが捧げられる。王妃との悲恋は、詩人を死の予感で満たす。

第四章 修道院
 詩人サヤト・ノヴァは修道院に幽閉されてしまい、生涯アルメニア教会の世界で生きることに。 そこにあるのは婚礼の喜び、宴の聖歌、そしてカザロス大司教の崩御の悲しみだった。

第五章 詩人の夢
 夢のなかにはすべての過去がある。 詩人は夢の中で幼い詩人、両親、王妃に会う。

第六章 詩人の老年時代
 詩人サヤト・ノヴァの眼差しは涙に閉ざされ、理性は熱に侵された。心傷つき、彼は長年暮らした寺院を去る事を決意する。

第七章 死の天使との出会い
 死神が詩人の胸を血で汚す、それともそれはざくろの汁か。

第八章 詩人の死
 詩人は死に、彼方へと続く一本の道を手探りで進む。だが肉体は滅びても、その詩才は不滅なのだ。


<鑑賞> 英語字幕 2011/7/11
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(未) A Trip to Karabakh <2005/グルジア> ★★

a trip
Gaseirneba Karabaghshi /A Trip to Karabakh
2005/105min/グルジア共和国
アクション、アドベンチャー、ドラマ
監督:Levan Tutberidze
脚本:Irakli Solomonashvili、Aka Morchiladze
出演:Levan Doborjginidze、Mikheil Meskhi、Dato Iashvili
IMDb評価:7.6/10


ほとんど理解できなかったので簡単に。


グルジアの首都トビリシに住む青年2人は遥々ドラッグを買いに車を走らせたが、道に迷ってしまう。車を止めたら、武装集団に取り押さえられ、監禁されてしまう。そこはナゴルノ・カラバフ戦争(アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州を巡る争い)真っ只中だった…。


スターリンの出身地である旧ソ連のグルジア共和国発の映画。本国のみならずロシアでもヒットしたようで「A Tri to Exit」というタイトルの続編もある。旧ソ連圏ではドラッグ絡みの話はまだまだ少ないし、評判の良さからかなり期待して観たが、正直、全く内容が理解できなかった。監禁されている間、父親や恋人との出来事が脳裏をよぎり、フラッシュバックとなっているため、時間軸が動きまくっている。切り替えがはっきりしておらず、混乱は避けられない。ドラッグの話も結局前半のほうだけで面白味にも欠ける。

辛うじてグルジア・アルメニア・アゼルバイジャンの位置関係はわかるが、ナゴルノ・カラバフ戦争と聞いてもピンとこない。国家関係の予備知識もあると楽しめたのかもしれない。
舞台はアルメニアとアゼルバイジャン、グルジアの軍事境界線で、それぞれの武装集団が登場する。問題はみんな同じ顔に見えてしまうこと。誰がグルジア人の主人公にとって見方なのか敵なのか見分けがつきにくい。台詞もロシア語、グルジア語、アルメニア語が使われており、聞き分けることも理解する上で重要だったように思う。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/5
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Strayed <2009/カザフスタン> ★★★

strayed.jpg
Zabludivshijsya/Strayed
2009/90min/カザフスタン
スリラー
監督:Akan Satayev
出演:Andrey Merzlikin、Tungyshbai Al-Tarazi
言語:ロシア語
IMDb評価:4.9/10

2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら

一家を乗せた一台の車は、何かを恐れ、大通りではなく裏道の荒野を走っていた。しかし、道には数分前に自分が車の窓から投げ捨てたペットボトルが落ちていた。荒野を抜け切ろうと思っていたが、どうやら同じ所を走り続けたいたことに気付く。しかも、エンジンがストップしてしまい、仕方なく一家は一晩車で過ごすことにした。しかし、朝目を覚ますと、妻と息子が消えていた…。

strayed2.jpg目印となるような建物もなく、変わり映えのない景色、人気(ひとけ)もなく、車も通らない。おまけに携帯は圏外で道に迷うってしまうのも仕方ない。車の上に登り、辺りを見渡すと彼方にたった一軒の小屋を見つけた。訪ねてみると親子が住んでおり、道に迷ったこと、妻と息子が消えたことを話すと、あたかも関与しているかのように2人は全てを知っていた。原始的な生活をしており、地元住人ではないという2人の風貌は気味悪く、すぐその場を立ち去った。しかし、鍵がかかった部屋があり、そこに監禁されているのではないかという疑念が残る。
strayed3.jpg


妻と息子の行方探しとして始まったストーリーは、気味悪い親子の謎へと移り、中盤までは心理スリラーとしてなかなか面白い展開が続く。本作はアカデミー賞カザフ代表に選ばれている。「他国の作品にはカンヌやベニス国際映画祭にもノミネートされたものもあるが、それでも望みはある。」と監督は語っている。神、人間性、モラルを映し出す哲学的な描写を作りだすのに5、6年も費やしたそうだ。主演は有名ロシア人俳優(私は知らないけど)が、他はカザフの俳優が起用されている。正直なところ、国代表に選ばれるほどの作品だとは思わなかったのは、私の理解度が低く、腑に落ちない結末はおそらく監督のこだわりでもある宗教的見解が必要なのかもしれない。英題「Stray」とは“道に迷う、はぐれる”といった意味。私自身がストーリーからはぐれてしまった気分になってしまった。観る側の質を問われているようでもある。動向を見守るかのように出没する黒い犬と蛇がおそらく鍵になると思われる。strayed1.jpg

私にとって初カザフスタン映画となる。中央アジアに位置し、極東アジアとはまた違う顔立ちは新鮮に感じる。公用語はロシア語とカザフ語のようだが、本作は多分全てロシア語だった。小屋の使い方にはタルコフスキーの影響を受けているのは明らかだが、マイナーな国の作品は俳優への先入観がなく観れるというのも魅力。

<鑑賞> 一部英語字幕 2011/4/23

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ククーシュカ ラップランドの妖精 <2002/露> ★★★

kukushka.jpgKukushka/Cuckoo
2002/101min/ロシア
ドラマ、戦争、コメディー
監督/脚本:アレクサンドル・ロゴシュキン
撮影:アンドレイ・ジェガロフ
出演:アンニ=クリスティーナ・ユーソ、ヴィッレ・ハーパサロ、ヴィクトル・ブィチコフ
言語:ロシア語、フィン語、サーミ語、ドイツ語
受賞:モスクワ国際映画祭 最優秀監督賞ほか全5部門独占
IMDb評価:7.9/10

ロシアを代表する監督の1人だが、日本で劇場公開したのは本作のみのよう。DVDも発売している。代表作は「検問所」(1995)等。


フィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコは、罰として岩に打ち付けられた鎖で足をつながれ、わずかな食料だけ残し置き去りにされてしまう。手足の届く範囲内から集めた小枝で焚き木をし暖をとり生き延びていた。知恵を絞り、試行錯誤の上、なんとか岩に打ち付けられた釘だけは外すことができた。
ロシア軍大尉イワンは警察に連行途中に味方機の誤発弾によって重傷を負ってしまう。偶然通りがかった先住民アンニに発見され、家で介護を受ける。自力で鎖を断ち切ったフィンランド軍のヴェイッコも助けを求めてアンニのもとへやって来た。こうして3人の奇妙な共同生活が始まる…。

kukushka4.jpg冬戦争(第1次ソ連・フィンランド戦争とも言う)は、第二次世界大戦の勃発から3ヶ月目にあたる1939年11月30日に、ソビエト連邦がフィンランドに侵入した戦争である。フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲を出しながらも独立を守ったが、両国間の戦争が1941年6月26日から1944年9月19日にかけてラップランドで再開され、これを継続戦争(第2次ソ連・フィンランド戦争)と称される。フィンランドとソ連の間で1944年9月19日にモスクワ休戦協定が調印され、その24時間後に完全に戦闘を停止した。

本作の時代設定は1944年9月。
休戦協定調印前後のラップランドを舞台としている。
ロシア語、フィン語、サーミ語をそれぞれ話す3人。全く異なる言語で意思疎通はできないのに、何か言えば、とりあえず返事が返ってくるので、通じ合っていると思い込んでいる3人である。全く噛みあっていないチグハグな3人の会話を面白く見せているが、言葉の通じないもどかしさを出した方が良かったようにも思える。敵国の兵士、戦争未亡人の共通点は戦争でありながらも、芽生えていく友情を描いている。

Kukushka2.jpg
「ラップランドの妖精」という副題はいかがなものか。ラップランドに住む先住民アニカは夫を戦争で亡くした未亡人で、独自の生活習慣で自給自足の生活を1人で送っている。ため息がでるほど綺麗だあ、過酷な大自然でたくましく生きる姿は妖精とはかけ離れた生々しい人間の姿である。4年間もの間男性のいない生活だったのに、一気に2人の男性が現れてしまったことで欲情し、裸でサウナに入っている男性2人を品定めする姿は子孫を残そうとする人間の本能でもある。

kukushka1.jpg
アイスランド人には霊的な存在を信じている人が多く、フリドリック・トール・フリドリクソン監督作品(「コールド・フィーバー」「Angels of the Universe」)には必ず精霊が登場し、日本人に通ずる精神性を感じるのだが、本作でもヴェイッコが死の淵を彷徨っている光景は、賽(さい)の河原を彷彿させる。先祖から伝わるというアニカのスピリチュアルな感覚も祈祷師に通じるものを感じる。

結末に触れています。ご注意ください。
ククーシュカとはロシア語で“カッコー鳥”の意味。狙撃兵という意味も含むため、単純にフィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコのことを指してると思っていたが、もっと奥が深かった。ダニス・タノヴィッチ監督作品「美しき運命の傷痕/L' ENFER」でのカッコー鳥のシーンも非常に印象深く記憶されているが、本作でも“カッコー鳥”の習性をうまく利用したオチには脱帽した。
カッコー鳥とは、卵をよその巣へ生みつけて、子育てをしない鳥である。未亡人の欲情に応え、妊娠させてしまったことも知らずに国に戻っていった2人。カッコー鳥の習性そのものである。二度と会うことのないであろう父親のことを子供に話し、過酷な自然の中で今もなお生き抜こうとする姿はたくましい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/12
[タグ未指定]

夏の終止符 (原題:How I Ended This Summer) <2010/露> ★★

how i ended
Kak Ya Provel Etim Letom/ How I Ended This Summer
2010/124min/ロシア
監督:Alexei Popogrebsky
撮影:Pavel Kostomarov
出演:Grigory Dobrygin(デビュー作)、 Sergei Puskepalis
受賞:2010ベルリン国際映画祭 銀熊賞
   男優賞:Grigory Dobrygin、Sergei Puskepalis
   芸術貢献賞:Pavel Kostomarov(撮影)
   2011ロンドン映画祭 作品賞
IMDb評価:7.2/10

芸術度 ★★★★
緊迫度 ★
残虐度 なし


2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら
**********第60回(2010年) ベルリン国際映画祭受賞作********** 
金熊賞: 「蜂蜜」 - セミフ・カプランオール監督
銀熊賞:
審査員グランプリ: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
監督賞: ロマン・ポランスキー - 「ゴースト・ライター」
女優賞: 寺島しのぶ - 「キャタピラー」
男優賞: グリゴリ・ドブルイギン、セルゲイ・プスケパリス - 「Как я провёл этим летом(本作)」
脚本賞: ワン・チュアンアン、ナ・ジン - 「再会の食卓」
芸術貢献賞: パベル・コストマロフ - 「Как я провёл этим летом(本作)」
アルフレード・バウアー賞: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
生涯貢献賞:ヴォルフガング・コールハーゼ、ハンナ・シグラ
****************************************

人里離れた北極圏の孤島の気象観測所で働く2人。毎日同じ時刻に観測を続け、通信で報告するというルーチンワークをし、衣食住を共にしている。ベテランの観測員セルゲイに指導してもらいながら経験を積んでいく新人パシャだが、ヘッドホンで音楽を聞きながら観測したり、遊び半分で真剣に取り組んでいる気配がない。それでも、どうにか1人で一通り仕事をこなせるようになった頃、セルゲイは1人ボートで魚釣りに出かける。その矢先、セルゲイの家族の具合が悪いという知らせが入るが、パシャは本人にはこの伝言を伝えなかった。そして、2人の関係にヒビが入り始める…。

how i ended2
釣りからいつ戻るのかわからないセルゲイを待つパシャ。この時点では早く伝えなきゃという思いはあったようで、時を刻む秒針が鳴り響き、時間だけが過ぎていく。大量のマスを釣り機嫌良く帰ってきたセルゲイは戻るや否や、さばき方や保存方法の指導を始めてしまい、パシャはなかなか伝言が言い出せない。タイミングを見計らっているようではあるが、結局言いそびれてしまう。



how i ended1そもそもなぜパシャはこんな大事な伝言をセルゲイに伝えなかったのか…
新人の彼は1人島に残されることを恐れたのか、そもそもモラルの問題なのか。最後まで理由は述べられず、それぞれの解釈に委ねられている。
出演者はほぼ2人のみ。2人はいつどこから来たのか、通信で報告していた数値も何の計測値なのかもわからない。目を見張るような自然と恐怖心を煽るような描写の仕方が印象的だが、説明不足に始まり、説明不足のまま終わってしまったという印象は否めない。

ほんの些細なことで信頼関係が薄れていく人間関係のもろさ。
伝えなかったことが新たな過ちを招き、雪だるま式に膨れ上がり、人は凶暴化し、取り返しのつかない事態に。
状況は違えど、やはり普遍的なことを伝えたかったのだろう。

デビュー作でありながら主演を務めたGrigory Dobryginは本作での演技が評価されたのか、他作品の出演が続々と決定している。撮影を担当したPavel Kostomarovは今までドキュメンタリーばかりを手掛けている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/16
[タグ未指定]

(未) The Edge <2010/露> ★★

kray.jpgКрай/Kray/The Edge
2010/124min/ロシア
監督:Aleksei Uchitel
出演:Vladas Bagdonas、Aleksandr Bashirov、Semyon Belotserkovskiy
受賞:ゴールデングローブ賞外国映画ノミネート、アカデミー賞2011外国語映画賞 ロシア代表
IMDb評価:6.7/10
 


ロシア映画を観ていてよく思うのが、歴史や時代背景などの予備知識を必要とする作品が多いということ。あたかも周知のことのように描いているため、歴史嫌いな私には説明不足で途中挫折した本数は数知れず。
本作では独ソ不可侵条約やポツダム宣言といったキーとなる歴史的事実が年号と共に画面に表示される。それがどう人々に影響を及ぼしているのかを読み取る必要がある。時間軸が大幅に前後し、混乱は避けられない。ドイツ語とロシア語の台詞がごちゃまぜになっているので、瞬時にどちらなのか聞き分けないと後で辻褄が合わなくなってくる。

第二次世界大戦終結直後のシベリア。線路の終点となる地にある労働キャンプに蒸気機関車の機関士がやってきた。各地へ物資を送るために機関車を利用しているようで、スムーズに運べるように線路の保全(雪かきなど)も任される。タイトルКрай(クライと読む)とは地方や端といった意味があるが、本作は線路の終点という意味で使われている。英題はThe EdgeよりThe Endのほうが正しい気がする。もともといた予備軍たちと機関士の座を奪う争いになるが、脳しんとうを起こし、よく倒れる。元軍人で、戦争の後遺症のようである。
ある男性から橋が壊れているために戻ってこれない機関車があるという話を聞き、橋の補修に向かう。すると、取り残されていた機関車には若いドイツ人の少女が1人で暮らしていた。ドイツ人技師一家の生き残りだという。無事に橋を補修し、娘を連れてキャンプに戻るが、すぐ噂は広まり、上層部へまで漏れてしまう・・・。

予告編がよくできていて、ロシアには珍しいアクション映画だと思っていた。カーチェイスならず機関車チェイスは蒸気機関車好きの方なら見逃せない。複雑な人間関係の背景にあるスターリン政権を主眼としており、歴史をどれだけしっているかで理解度は異なると思われる。ゴールデングローブ賞やらアカデミー賞にノミネートされ、ヨーロッパの映画祭でもよく耳にするけど、一般的には好まれない作品である。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) You I Love <2004/露> ★★

you.jpgYou I Love/ Ya lyublyu tebya
2004/86min/ロシア
コメディー、ドラマ、同性愛
監督:Olga Stolpovskaja、Dmitry Troitsky
脚本:Olga Stolpovskaja、Alisa Tanskaya
出演:Damir Badmaev、Lyubov Tolkalina、Evgeny Koryakovsky
IMDb評価:6.7/10

ロシア映画は結構観るのだけれど、未だにタルコフスキーを意識したような作品が多くて大抵途中挫折してしまう。これは久しぶりに見つけた脱タルコフスキー系でした。「Very Rusian」と書かれている記事もあるけど、私はタイとかマレーシア映画に近いと思った。

キャスターを務めるベラは交際1年目の彼氏ティモフェイの家に行くと、彼氏は男性ウルムジと良い雰囲気になっていた。事故の被害者でホームレスだから家に泊めてあげるだけだと説明し、その場をなだめるけれど、翌朝目を覚ますと彼氏は男性と裸で寝ていた。その日以来ゲイのウルムジは夜通しティモフェイの家に来ており、ベラは不安になる。ある日ティモフェイの後をつけると、その行き先はゲイの乱交パーティーだった。

you1.jpgフラッシュがバチバチする映像が斬新で飽きさせないけど、それに誤魔化されていたような気がする。予告編にも騙された。ティモフェイはもともとゲイなのか、事故の被害者が目覚めさせたのかよくわからない。キャスターを務めるベラ、CM製作のティモフェイ、動物園の清掃員で半遊牧民でモンゴル系のウルムジというキャラクター3人の設定もストーリーに活かしきれていない。ティモフェイ製作のCMで使われる台詞が引用されているけど、ストーリーとどう絡んでいるのかもみえない。青りんごがプリントされているベッドカバーの上で青りんごに囲まれながらのセックスも意味がわからない。

誰が好きなのかわからなくなったティモフェイが、誰と一緒にいたいか悩む様は普遍的なラブストーリーともいえる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/3
[サイト内タグ検索] 日本未公開

ファザー、サン <2003/露=独=伊=蘭> ★★★★

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Отец и сын/ Father and son
2003/83min/ロシア=ドイツ=イタリア=オランダ
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:アンドレイ・シチェティーニン、アレクセイ・ネイミシェフ
受賞:第56回カンヌ国際映画祭 国際批評家連盟賞
IMDb評価:6.4/10

邦題のセンス ★★
哲学度     ★★★★★
芸術度     ★★★
衝撃度     ★

中年にさしかかり、軍隊を退き予備役となった父親。若くして亡くなった妻との間に生まれた息子は、父親の後を追い、軍隊に入ろうと軍人養成学校に通う。2人は互いにかけがえのない存在だった。だがしかし、息子は思春期を迎え、やがて自立の道へと進んでゆく…。by allcinema

父と息子。時にはカップルであるかのように、時には兄弟であるかのように曖昧に描かれる。時代背景はおろか、時間も場所も特定できない。朝日とも夕日とも言い難い曖昧な光、無国籍でアンバランスな街並み、生活感のない家、霧がかった映像は非現実的で夢のよう。ぼやける輪郭も2人の曖昧な関係を効果的に見せている。
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息子に亡き妻の面影を見出す父。父と同じ職業(軍人)に就こうとしている息子。超越した親子関係が見事に映し出される。子というものは成長し、いつしか親元を去る。その事実を頭ではわかってはいながら受け入れられない親の孤独、心の葛藤。子を持った者でなければわからない領域だが、この2人こそが理想的な親子像なのかもしれない。冒頭の裸のぶつかり合いは同性愛者のソクーロフだからこそ描けた美。一気に吸い寄せられてしまった。自身の父も軍人であったソクーロフ。ソ連時代にはあり得なかった父子関係への憧れのような気もする。

私にとって6作目となるソクーロフ作品。毎回、感性に直接訴えかけられ、言葉にできない「何か」に胸が締め付けられる。いつも普遍的でありながらあまり考えたことない難題を突き付けては、明白な答えを提示しないまま幕を閉じてしまう。

原題は「父と息子(Father and Son)」。邦題は「ファザー、サン」。
違いはたかがandの有無だが、意味合いが全然違う。andがなくなっただけで、親子の繋がりはなくなり、個々の独立が強くなる。父からの自立を描いている作品とはいえども、親子は切っても切れない関係。andは入れて欲しかったな。ちなみに中国語のタイトルは「父子迷情」。

(鑑賞> 英語字幕 2010/12/14
[サイト内タグ検索] アレクサンドル・ソクーロフ監督

(未) Seven Invisible Men (原題) <2005/リトアニア=仏=ポルトガル=蘭> ★★

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Septyni nematomi zmones
2005/119min/リトアニア=フランス=ポルトガル=オランダ
監督/脚本:シャルナス・バルタス
出演:Dmitriy Podnozov, Rita Klein and Aleksandre Saulov
言語:ロシア語
IMDb評価:7.2/10

芸術度 ★★★
難解度 ★★★

日本では「フュー・オブ・アス」と「自由」のみが公開されているようですが、まだまだ知名度は低いシャルナス・バルタス監督。レオス・カラックス監督「ポーラX」には俳優として出演している。代表作に「Koridorius(1995)」「Few of Us(1996)」「A Casa(1997)」がある。
本作はバルタス作品の中で最も台詞が多いと言われている。とはいえ、台詞の大半は後半に集中し、前半はまともな台詞がほとんどない。しかも、あまり意味がある台詞とも思えないし、放牧されている羊やアヒル、家畜などの鳴き声のほうがよっぽど耳に入る。定点カメラによる撮影で、人が去っても追ったりしないスタイルは相変わらず。バルタスはタルコフスキとよく比較されるけれど、本作では「サクリファイス(1986)」を彷彿させるショットが使われている。
seven2.jpg
男3人、女1人が1台の盗難車に乗り込み、警察から逃げるべくどこかへ向かう。みな絶望的な表情で覇気がない。
行き着いた先はとある田舎の農家。撮影地ロシアの田園風景は美しく映し出されるが、人々の生活はお世辞にも裕福とは言い難い。今思えば、人里離れた僻地で暮らす農民たちも社会から逃げている人たちだったのかもしれない。社会からの脱落者たちが互いに共鳴し合い、自己破壊していく皮肉を描いているように思えるが、捉えどころのないストーリー展開も結末も抽象的。人間関係や心境すべてを理解するのにかなりの想像力を要する。タイトルの「Seven Invisible Men(7人の透明人間)」の意味もわからず。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/11

(未) Granny <2003/露=仏> ★★★☆

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Бабуся/ Babusya
2003/97min/ロシア=フランス
監督・脚本:リディア・ボブロヴァ
出演:ニナ・シュビナ、アンナ・オフィシャニコフ、ヴラジミル・クラコフ
IMDb評価:7.0/10

世界的評価も高く、割と有名な映画だとは思っていたので、日本公開していると思い込んでいた作品。どうりで日本語の記事がないと思った。日本でも受け入れやすい題材とは思うが、スルーしてしまっているようだ。

ロシア語のタイトル「Babusya」はおばあちゃんのこと。ロシアの田舎に住むバブシャは1人で3人の息子と2人の娘を育てた。子どもたちはみな成長し、バブシャの元を離れる。一人きりになった彼女は家を売り、娘夫婦のところに身を寄せるが、しばらく妹のところへ行ってくれと言われる。必ず迎えに来ると口では言うが、一体いつになるのやら。実妹の家でお世話になりながら迎えを待つのだ。

そこへ手紙が送られてくる。心弾ませ手紙を読むが、迎えの知らせではなく、娘の死を知らせる手紙だった。更に妹が入院することになってしまった。息子はアル中のため、もうここにはいられなくなってしまった。娘の家に戻ろうとするが、娘が死んでしまっては引き取る理由はすでにない。新しい女性と生活を共にし、バブシャのことなんか人事だ。他の子どもたちを訪ねるが、やはり引き取ってくれる者はいない。挨拶すらしない娘婿もいるほどだ。散々たらい回しにされ、ようやく行き着いた最後の家。娘はチャチャン紛争の犠牲者なのだ。口が利けず、話は理解しているらしいが、表情一つ変えずにいる娘のせいで、家庭はギクシャクしている。バブシャは申し訳なくなり、家を後にするのだ。しかし、その後奇跡が起こったのだった。

小津監督の「東京物語」をモチーフにしたとのことだ。高齢者問題はロシアも日本も同じようだ。こうやってたらい回しにされ、結局は孤独死を迎えてしまう老人が多いのかと思うと胸が痛い。このバブシャはどうなったのだろうか。結論は観客の想像に委ねられている。ロシアの雪景色が更に物悲しく見せている。

<鑑賞>英語字幕 2010/10/16



[サイト内タグ検索] 日本未公開

この道は母へとつづく <2005/ロシア> ★★★

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ITALIANETZ/ THE ITALIAN/ この道は母へとつづく
2005/ロシア 
監督:アンドレイ・クラフチューク  
出演:コーリャ・スピリドノフ、マリヤ・クズネツォワ、ダーリヤ・レスニコーワ
IMDb評価:7.5/10

<あらすじ>
極寒のロシア。フィンランドとの国境近くの孤児院に一組のイタリア人夫婦が養子を求めてやって来る。裕福な家庭の養子となることは、孤児たちにとって唯一の希望の光だった。孤児院にとっても、斡旋業者から渡される手数料は大きな魅力だった。そして、6歳の少年ワーニャが選ばれ、正式な手続きが済み次第、イタリアへ引き取られていくことに。そんなある日、先に養子に出されたワーニャの親友ムーヒンの母親が、捨てた我が子を取り戻しに来て院長に追い返されるという騒動が起こる。ワーニャは同じことが自分の母親にも起こりはしないかと想像した途端、実の母に会いたい気持ちが抑えられなくなってしまう。そして、独学で文字を覚えると出生記録を盗み読み、わずかな手がかりを頼りに母を見つけ出すため、ついには孤児院を脱走するのだったが…。

<レビュー>
孤児輸出大国といえば、韓国、中国、インド、そしてロシア。韓国映画には孤児院を題材とした話はあまりにも多すぎる。ロシアはどうだろう?私にとっては本作が初となる。

前半は孤児院の様子が延々と描かれる。驚くべき縦社会が存在する。盗みで独立生計をたてているお兄さんグループに支配され、肩身の狭い思いをしているワーニャたち。里親に出されなければここで一生を過ごし、お兄さんたちのように盗みをしていく運命だ。実話を基にしている映画らしいので、これが実態かと思うと恐ろしい。
italiantz4.jpg
ワーニャはイタリア人夫婦への養子が決まっていたが、正式な手続きには数カ月かかるらしい。その間、実母のことが気になって仕方がない。養子に行った後、実母が会いに来たらどうしようと不安にかられる。そしてついに、孤児院と抜け出し、母親探しの旅へ。孤児院という環境で育ったからか、たくましい。どんな境遇でも、切り開くのは自分なんだと痛感させられる。
ITALIANETZ2.jpgitalianetz-01.jpg
誰もが期待しているようなラストシーンではなく、催涙性はない。ドキュメンタリー出身の監督はあくまでもリアリスティックさにこだわり、社会問題の孤児問題を提起している。
一番親を必要とする時期、与えられた環境でたくましく生きる子供たち。ワーニャの行動力は並大抵のことじゃない。同じ地球に生まれながら不自由なく暮らして私たちのほうが大切なものを忘れてしまっている。

邦題について。絶句した。いつものことながら知らずに観てよかった。解釈や想像の自由を制限させるようなものやネタバレしている邦題も少なくない。明らかにこの作品は後者だ。

<鑑賞> 英語字幕 2010/10/3
[タグ未指定]

チェチェンへ アレクサンドラの旅 <2007/ロシア> ★★★★

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Alexandra
2007/95min/ロシア=フランス
監督/脚本:アレクサンドル・スクーロフ
出演:ガリーナ・ビシネフスカヤ、ワシーリー・シェフツォフ
言語:ロシア語、チェチェン語
受賞:カンヌ他 1賞ノミネート
IMDb評価:6.9/10

哲学度 ★★★★★
うるうる度 ★★
芸術度 なし
衝撃度 なし
お笑い度 なし

<あらすじ>
80歳のアレクサンドラは、チェチェンのロシア軍基地にいる孫に会いに来た。
7年ぶりに再会した孫は、将校だというのに汚れた軍服を身にまとっていた。
アレクサンドラはじっとしていられず、市場に行ってみる。
そこでロシア語の上手なチェチェン人の女性と出会う。
招かれた自宅は、戦火で崩れかけたアパートだった。
アレクサンドラは、長引く戦争に疲れたチェチェン人の姿を目の当たりにするのだった…。

<レビュー>
チェチェン共和国、グロズヌイのロシア軍駐屯地。
最前線でのオールロケだが、戦闘シーンは出てこない。
駐屯地にいる軍人の孫を訪ねるだけの話なのだが、80歳の老女の目を通して戦争の本質を見つめる。
戦争と人間。生と死。人間とは何か。いかにもソクーロフ監督らしいテーマだ。

テントが荒涼と並び、装甲車が行きかう中、まだあどけない子供が大勢いる駐屯地。
兵士と同じテントに泊まりながら、彼らの生活を見つめる老女。
これが現実なのか夢なのか、問いただしている。
「戦争に美学はない」という考えを持っている監督だが、老女の表情からも同様な真意が窺える。

一歩外に出れば、砲弾の生々しい痕の残る廃墟のような住居が立ち並び、普通に生活をしているチェチェン人もいる。
市場では敵味方の垣根を越えた関係が築かれている。

夢なのか現実なのか、見方なのか敵なのか、境目が釈然としない世界での悶々としたやるせない表情を見せる老女の演技に脱帽。
本物の兵士たちの中でものすごい存在感をはなつ。ソプラノ歌手だと知り、振る舞い方にも納得。
挿入歌も彼女自身が40年代に録音した歌だというから更に驚き。

口うるさいが、全て愛する孫を思ってのこと。
「この歳になると、1人暮らしは寂しい」と嘆く祖母をそっと抱き締め、髪をとかしてあげるシーンは感動を残す。
80歳はロシアでは高齢だ。死を意識し始めているが、孫も軍人として死と隣り合わせだ。
口には出さないが、今の再会が最後かもしれないという恐怖感がひしひしと伝わってくる。

「大国は理想を語り、小国は現実を訴える。」
日本の女性が彼女に言った言葉だそうだ。
劇中、チェチェンという言葉は出てこない。
戦争の状況等の説明も一切ない。
戦争への批判も一切ない。
しかし、戦争の虚しさ、孤独感が胸を締め付ける。

<鑑賞> 英語字幕

[サイト内タグ検索] アレクサンドル・ソクーロフ監督

Newsmakers <2009/ロシア> ★★

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Goryachie novosti/ Newsmaker
2009/107min
監督:アンダシュ・バンケ
出演:アンドレイ・メルズリキン 、エフゲニー・ツィガノフ 
IMDb評価:6.3/10

ジョニー・トー監督の香港映画「ブレイキングニュース」の完全リメイク。
警察が事件を生中継するというお話。

冒頭の銃撃戦はスリルがあって、期待度大で観始めたが・・・
緊張感はすぐ途切れ、すぐさまゆる~いテンポでコメディータッチに。
中盤で寝てしまった。音楽もキレが悪かったなぁ。

題材もそうだけど、面白いアイデアは割と豊富で、笑えるシーンもいっぱいあったのに、なんかイマイチ。
エンタメ性の高いショーを観ているようで、冒頭の緊張感が持続されていれば、面白かったのかな。
この手のアクション映画はハリウッド映画を観た方が断然いい!
と思ったらハリウッドリメイクされるそうで・・・

観てよかったと思えるのは、モスクワの中心部等の景色が楽しめたことぐらい。
ロシアの警察の装甲車や特殊部隊もロシア映画らしさはあるけど、敢えてころをチョイスしなくてもいいかも。

<鑑賞> ロシア版DVD英語字幕 2010/8/30
[タグ未指定]

僕の村は戦場だった <1962/旧ソ連> ★★★

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ИВАНОВО ДЕТСТВО / Iwan's Childhood
1962/94min/旧ソ連/モノクロ
原作/脚本:ウラジーミル・ボゴモーロフ
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:ニコライ・ブルリャーエフ、ワレンチン・ズブコフ
受賞:1962年 ベネチア国際映画祭金獅子賞、サンフランシスコ国際映画祭監督賞ほか
IMDb評価:8.1/10

芸術度 ★★★
社会度 ★★★
衝撃度 ★★★★
難解度 ★

<あらすじ>
雨はあがり、村に立ちこめる霧も晴れようとしている。美しい緑の森からはカッコーの鳴く声がこだましてくる。だが、少年の意識は瞬く間に井戸の底へと下降していく。「母さん!」と叫んで目を覚ますイワン少年はまだ12才。いつも、このように、平和な故郷と母の夢に酔い、目ざめて現実にかえるのだ。
ドイツ軍に美しい故郷を踏みにじられ、両親も妹も失ったイワンはナチス・ドイツヘの激しい憎しみから、パルチザンに協力している。危険を犯して敵の占領地域を偵察するという大人も顔負けの任務をこなしているのである。
だがガリツェフ上級中尉も、グリャズノフ中佐も、ホリン大尉も、カタソーノフ古参兵も、彼をこのまま危険な仕事につかせておきたくなかった。大人たちはイワンの身を案じ、後方にもどして学校へ通わせようとするが、イワンはそれを拒む。
ドイツ軍の攻撃が激しさを増した頃、イワンは対岸の敵の情勢をさぐるため命がけの偵察の役を強引に買ってでた。ホーリン、ガリツェフ、イワンを乗せた小舟が河を渡り、敵の前線地域へ入った。対岸には、斥候に出かけたまま帰ってこなかった2人の兵士の遺体が並べられていた。イワンは大人たちと別れ、闇に姿を隠した。
そして、その後イワンを見た者は誰もいない。
戦いは終り、祖国に平和が蘇った。水辺に子供たちが戯れあうようになっても、イワンは戻ってこない。みるかげもなく破壊されたかつてのナチ司令部の建物、その中にはソビエト軍捕虜の処刑記録が残っていた。その傷ましい記録を一枚一枚調べていたガリツェフ中尉は、そこにイワンの写真が貼りつけられたカードを見つけたのだった。


<レビュー>
戦災孤児を通して、戦争の犠牲や悲劇を描いている。
本来の戦争映画のような銃撃戦はほとんどない。
モノクロなのに、太陽光や水面に映る光の動きが幻想的。
母との思い出を回想するシーンは穏やかで戦争映画であることを忘れてしまうほど。
IvansChildhood1.jpgivans-childhood-1.jpg
美しい描写と共に描かれる現実は戦争の虚しさを浮き彫りにしている。
パルチザンとは外国占領軍への抵抗運動や内戦・革命戦争における非正規の軍事活動、またそれを行なう遊撃隊およびその構成員。(wikipediaより)
ほんの12歳の少年がパルチザンに協力するしか生きる術がない現実の厳しさ。
亡き母との思い出だけが彼の生きがいになってしまっているなんて残酷すぎる。
ラスト5分の凄まじさはこの作品が戦争映画であったことを思い出させてくれる。
今までの美しい映像とは対極な生々しい映像はすごい説得力があり、モノクロでも胸をさす。
長編処女作とは思えない衝撃を受けた。
タルコフスキー作品の中で一番難解語が低いように思える。
他作品をもう一度観直してみようかという気にさえさせてくれた作品だった。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/24
[サイト内タグ検索] アンドレイ・タルコフスキー監督

殺し屋 <1956/旧ソ連> ★★

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УБИЙЦЫ / Ubiytsy/ The Killer
1956/19min/旧ソ連
監督:アンドレイ・タルコフスキー他共同
原作:アーネスト・ヘミングウェイ同名短篇小説より
IMDb評価:7.0/10

<あらすじ>
アメリカのとある田舎の食堂に二人の殺し屋がやってくる。店にタ食をとりにくるスウェーデン人のオーレ・アンドレソンを殺すためだ。殺し屋アルとマックスは店に居あわせた常連のニックと調理人のサムを縛り、店主のジョージには店に来る客を追い返すよう命じる。結局アンドレソンは現われず、殺し屋は立ち去る。ニックが殺し屋が来たことをアンドレソンの宿泊先に伝えに行くが彼はベッドに横になったまま逃げようともぜず、身に迫る死を無為に待っているだけだった。ニックはこの町を出て行くことを決意する。

<レビュー>
映画学校3年生の時に制作した短編映画。
短編とはいえども、この時代のソ連でアメリカの小説を映画化するとは大胆だ。
設定も原作通りアメリカにしているが、アメリカらしさはない。
というより、ソ連の物だとすぐわかるような物を全て排除し、無国籍に見せかけている感じ。
一般のレベルでもこんな映画あるし、言われなければ学生映画だと気付かない、私は。

2番目の客(サンドイッチ購入する客)としてタルコフスキー監督本人も出演している。
短編だからなのか、非常にわかりやすく物語は進行する。
しかし、オチがなく、モヤモヤが残る。
私はタルコフスキー作品のほとんどが理解できない。
本作品の理解度の低さも私の柔軟さが足りなかったからなのか、ほんとにオチがなかったのかよくわからない。


[サイト内タグ検索] アンドレイ・タルコフスキー監督

オリエンタル・エレギー <1996/ロシア> ★★★

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Vostochnaya elegiya/ Oriental Enegy
1996/43min/ロシア・日本合作
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
言語:日本語、ロシア語
IMDb評価:7.3/10

哲学度 ★★★★★
芸術度 ★★★
衝撃度 なし
うるうる度 なし
お笑い度 なし

ソクーロフ監督日本3部作の第一弾。
明かされないが、日本のどこかの島である。
霧に包まれた古家、松の木、鶴、民謡、老婆、、、
日本人には馴染みのあるものばかりだが、懐かしくどこか神秘的な雰囲気。
来世のようでもある。
ソクーロフ監督にとっての日本はこんなイメージなのだろうか?

ある日本人が語り始める。運悪く命を落とした漁師の祀り方について。
そして、監督は問いかける。死後人間はどう生まれ変わるのか?
日本人は答える。人は死ぬと皆やさしくなる。私は赤い実のなる木になりたい。

輪廻転生。この島は魂が宿る島だった。
ロシア人監督に東洋思想を教えられるとは。。。
[サイト内タグ検索] アレクサンドル・ソクーロフ監督

Elegy of a Voyage <2002/ロシア> ★★★

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Elegiya dorogi
2002/46min/ロシア
監督/脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
IMDb評価:7.6/10

哲学度 ★★★
芸術度 ★★★
衝撃度 なし
うるうる度 なし
お笑い度 なし

まるで夢の中を彷徨っているかのような映像。霧のかかった風景は心の闇のよう。
台詞は一切ない。
描写を補足するかのような監督自身の語りは詩を朗読するかのようで、理解度を深めてくれる。

当てのない旅路において監督は自問自答し続ける。
なぜここに来たのか?私は一体誰なのか?
しかし、この問いかけそのものが人生そのもの。

目的なしに導かれたロッテルダム美術館。
そこで目にしたPieter SaenredamやVincent van Goghの絵画を通じて哲学的に考える。人生とは?

人生とは自問自答しても答えが導けないもの。目的のないVoyage(旅路)のようでもある。
心が無になり洗われていくような感覚におちいる不思議な映画だった。

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(未) The Island <2006/ロシア> ★★★★★

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Ostpob/ The Island
2006/112min/ロシア
監督:Pavel Lungin
出演:Pyotr Mamonov、Viktor Sukhorukov
言語:ロシア語、ドイツ語
IMDb評価:7.8/10

伝統的な東方正教会 修道院がただ一つあるだけの小さな島。
周囲を海に囲まれ、人々はある1人の修道士を訪ね小さな船で渡って来る。
その修道士は、仲間を混乱させるほど怪しい行動をするが、
訪ねてくる人々には、悪霊を追い払い、未来を予言するパワーを持っていると信じられている。

聖地とは、宗教等において重要な意味を持つ聖なる地、又は神聖とされる自然地域のこと。
まさにこの島は聖地に相応しい場所である。

白黒映画ではないが、用いられる色彩は白い雪、黒い家、修道服、灰色の空といった無彩色ばかり。
なのに息をのむほど美しい。

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噂を聞きつけ、藁をも掴む思いでここにかけ込む人々を救う1人の修道士。
人々は彼を神と呼ぶが、彼自身も十字架を背負って生きている普通の男だった。
罪を誰にも話せず、話さず、人々を救うことが彼にとっては罪滅ぼしであった。
罪を告白する勇気は誰にでもあるわけではない。
胸に秘めたまま死ぬか、償って死を迎えるのか、どちらも容易いことではない。

この作品のテーマは人間の美徳と罪。
安らかな死を迎えるには?
その答えが神秘的な映像の中でロシア人の魂を通じてじんわりと描かれる。

島を舞台にしているので、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品「父、帰る」のような雰囲気ではあるが、
内容はこちらのほうがいたって単純。
宗教(キリスト)映画を期待して観たが、むしろ哲学的で、宗教問わず楽しめるであろう。
父、帰る」よりもこちらのほうが日本公開すべき作品のように思えた。
よく耳にする監督ではあるが、一体何人の日本人がこの監督を知っているだろうか?

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) A Driver For Vera <2007/ロシア> ★★★

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Водитель для Веры/ A Drive For Vera
2004/105min/ロシア・ウクライナ合作
監督/脚本:Pavel Chukhraj
出演:Igor Petrenko,Yelena Babenko, Bogdan Stupka
IMDb評価:7.4/10

時代は1962年スターリン死後のフルシチェフ政権下のソ連。
黒海沿岸のクリミア(現ウクライナ)が舞台。
赤軍(ソビエト連邦軍)士官候補生であり、幹部の専属運転手をしているVoctorが主人公である。

とある日、娘Veraの運転手を任されることになるが、この娘の性格が何とも屈折している。
父親の反発もあったであろうが、共産主義という時代背景や環境がそうさせていると思える。
しかし、運転手との出会いによって徐々に心も溶かし始めていく。
初めは後部座席に座っていた彼女もいつの間にか助手席に座るようになるのだ。
運転手と喧嘩している時は後部座席に座ったりと、2人の距離感が座席に表われている。

幹部のお宅には住み込みの家政婦等が数人いる。
そのうちの2人がVotorの人生に関わりをもたらしている。
1人は女性で、Voctor、Veraとの三角関係に苦しむ。
もう1人はKGB(国家保安委員会)の一員だったのだ。
暗殺計画を練っており、Votorをスパイとして利用しようと目論んでいた。

前半までは、恋愛映画だと思いながら観ていた。
後半から内容はがらりと変わるが、ロシア映画としては軽めのテイスト。
緊迫感がなく、恋愛のほうに重点を置かれてしまっている。

部屋で暴れる娘をなだめる父の台詞がおかしかった。
「これからはお前の言うことは何でも聞くよ。マッシュドポテトにバターはどうだ?」
重要なシーンに似つかわしくない台詞で脱力した瞬間だった。
しかし、これから母になろうとするVeraにとってのマッシュドポテトは亡き母を意味していたのだ。

台詞はロシア語だが、音楽はスペイン語や英語。
南仏な雰囲気が漂い、行ってみたいとさえ思う。
展開が容易に読めてしまったのが残念。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開

父、帰る <2003/ロシア> ★★★★★

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Возвращение/The Return/父、帰る
2003/105min/ロシア
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ 「the Banishment
出演:イワン・ドブロヌラヴォフ、故ウラジーミル・ガーリン、コンスタンチン・ラヴロネンコ
撮影:ミハイル・クリチマン
受賞:28賞受賞、13ノミネート
IMDb評価:8.1/10

<あらすじ>
アンドレイとイワンの兄弟は、母親と祖母と共に暮らしており、父親の顔は写真でしか知らない二人だったが、ある日12年ぶりに父親が帰ってきた。これまでどこにいたのか全く語らない父親に当惑する二人だが、父親は明日から二人を連れて旅に出るという。翌朝、3人はつり道具と共に車で出かけるが、父親は行き先も告げず、高圧的な態度で子供達に接する。兄のアンドレイはそれでも父親に好意的だったが、弟のイワンは不満を募らせてゆく。

<レビュー>
色褪せた写真でしか知らない父の12年ぶりの帰宅。
子供2人にしてみれば今更であろうし、もはや見知らぬ人。
しかし、父親からしてみれば、子供である。
帰宅直後の夕食時から彼の振る舞いは威厳的な父親。
一家団欒とは程遠く、緊張感が漂っており、絶対的権力をもつ父親といった印象。
ステレオタイプかもしれないが、私が抱くソ連の父親像だ。
抑圧的だが、子供にとっては目指すべき、乗り越えるべき存在として見える。

小旅行に出かける父と子二人。
本来なら、こういった旅行でお互いの距離が縮まるであろう。少なくとも弟はそう期待していたはずだ。
「今まで何をしてたの?」「なぜ帰ってきたの?」「またどこかへ行くの?」
答えてくれない父親に弟は苛立ちを見せる弟。
同様に観客にも多くを語らず、ミステリー要素や緊張感が保たれたままストーリーは続く。
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旅行中も絶対的権力を持つ父親。
平気で置き去りにしたり、殴ったり、終始冷たい態度を示している。
きっかけを与えては子供に考えて行動させるチャンスを与えていたのだ。
いて欲しい。いなきゃ困る。いなくてもいい。もういらない。
旅行中、父親に対するこんな葛藤が弟を悩ませていた。
橋の上に置き去りにされたシーン。
大型トラックを目で追う仕草は何を意味していたのか。
あのトラックに乗せてもらって逃げ出すこともできたのに、そうはせず、父の迎えを待っていた。
最後の出来事は突発的で衝撃的だったが、弟が出した答えは橋の上と同じだった。
「パパ~」と叫ぶシーンはあまりにも印象的。
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出演者も極端に少なく、台詞も少ない。
自然を主体に人間が溶け込んでいくような映像美。あまりのキレイさに息を呑むばかり。
特に湖、雨といった「水」が印象的。
それもそのはぜ。鑑賞後インタビュー等をみてやっと理解した。
ロシア正教では水は洗礼を意味するのだ。
オープニングの塔のシーンで兄は湖に飛び込み、洗礼を受けたことになる。
しかし、弟は飛び込めなかった。すらわち、洗礼を受けていないことを意味する。
この洗礼が「神である父」との今後の関係を導いていたのだ。
橋の上に置き去りにしたシーンは大雨だった。
雨も水の洗礼としてとらえると、父子関係もつじつまが合ってくる。
この作品が宗教映画だとわかってから、多くの謎が紐解かれていく。
ベッドで眠る父の登場シーンは眠るキリストの構図だったし、食卓で食事を取り分けるシーンもキリストを思わせる。
オープニングの塔では母が助けに来てくれたが、終盤の塔では自己を犠牲にする父の愛が感じることもできる。
突然の父の帰宅の謎。それは、父は神だからだ。
日曜日から土曜日という「七日間」を描いていることからは「天地創造」を思わせている。
神の休む日である7日目。
「神である父」の本当の「帰還(Возвращениеロシア語のタイトル)」が描かれている様にとらえることもできる。
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旅の途中の電話(誰に?)、無人島の箱(中身は何?)・・・
最後まで意味は明かされていない。宗教的な解釈ができるのかもしれないが、私にはそこまでの解釈はできない。
makingを含めたドキュメンタリー映画も観たが、やはり答えは導けなかった。
この曖昧さが余韻と残る不思議な作品。
再度鑑賞することによって新たな発見が見出せそうです。

しかし、何よりも気になったのは、父が家を出たのが1991年ということ。
(2003年公開なので、12年前は1991年。)ソ連崩壊の年である。
劇中で触れている訳ではないが、何かを暗示していたのだろう。

この作品に1年後に制作されたドキュメンタリー映画も観た。
メイキング映像に加え、監督をはじめとする制作スタッフと出演者たちのインタビューが含まれていた。
しかし、兄を演じたウラジーミル・ガーリンのインタビューはなかった。
映画と直結しているかのようで、背筋が凍った。

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