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(未) Daisy Diamond <2007/デンマーク> ★★★★

Daisy Diamond
Daisy Diamond
2007/94min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Simon Staho
脚本:Peter Asmussen
出演:ノオミ・ラパストゥーレ・リントハート、Benedikte Hansen
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 ★★★
官能度 ★★★
民族度 ★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★ 


アンナが願うのはただ一つ。女優として花開くこと。夢かなえるべく、スウェーデンからデンマークへ移り住んだ。4ヶ月の赤ん坊を抱え、良い生活を求めるアンナだが、運命は思わぬ方向へ・・・。

出演は、ミレニアムシリーズのノオミ・ラパス、「誰がため(2008)」のトゥーレ・リントハート

幼い赤ん坊を抱えたシングルマザーの話である。オーディションを受け、プロデューサーからは演技がうまいと言われるが専門的に学んでいないことを理由に、役はもらえない。別のオーディションを受けるが、いくらデンマーク語が話せても、スウェーデン語のアクセントが強いと言われ、やはり役は回ってこない。久しぶりにもらえる役といえば、台詞のない役や体を張る役ばかり。生活はどんどん困難を極める。満足に食事をしていないアンナは次第におっぱいが出なくなり、やがてオムツも買えなくなり、とうとう赤ん坊をお風呂に沈めてしまう。

daisy-diamond1.png夜泣きに悩まされるシングルマザーの苦悩を描いた作品は星の数ほどあり、普遍的なテーマであるが、本作は本来だったら描かれないタブーサイドに展開していく。

犯罪映画ではなく、死亡事件の行く末は描かれない。あくまでも母親の苦悩に焦点を当てており、はっきり言ってかなり重い。拷問をみているかのような不快感があるが、一方で作った感はなくリアリティーに溢れている。
ただただ平凡な幸せを願うだけの母親の過ちが報われる時はくるのか?
もし自分ならどうしていたか?
シーンごとに考えさせられ、余韻を残す結末も印象的。

気軽に観れる内容でもなければ、観る人を選ぶ作品であり、全くヒットしなかった事実にも納得だが、ノオミ・ラパスのベスト演技を聞かれたら間違いなく本作を挙げる。おそらく本作が初主演ではないだろうか。しかもほとんどが一人舞台。ミレニアムシリーズで名を馳せた彼女だが、圧巻の演技を見せている。

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(未) Truth About Men <2012/デンマーク> ★★★

truth about menTruth About Men/Sandheden om mænd
2012/91min/デンマーク
コメディー、ドラマ
監督/脚本:ニコライ・アーセル(Nikolaj Arcel)
脚本:Rasmus Heisterberg,
出演:トゥーレ・リントハートツヴァ・ノヴォトニーRosalinde Mynster、Signe Egholm Olsen、Henning Valin Jakobsen、Karen-Lise Mynster、イーベン・ドールナダール・サリムキム・ボドゥニアニコラス・ブロ、ビアギッテ・ヨート・スレンセン、ラース・ミケルセン、イェンス・アルビヌス
IMDb評価:6.8/10
社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★
ゴア度 なし
脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


truth about men2今まで23人と付き合ってきたマッツ。子供の頃から自分からアプローチしたことがなく、適当に女の子と付き合ってきたという。10年交際している彼女と結婚秒読みとされていたが、子供を欲しいと思わないマッツは結婚には踏み切れない。そんな男の初めての決断は、10年付き合った彼女と距離を置くことだった。やっぱり彼女とやり直したいと思った時には、もう新しい彼氏ができていた。自分の考えを理解してくれる彼女探しが始まった…。

監督は、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」(2013年4月公開)「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (2009)」脚本のみのニコライ・アーセル。
出演は、「天使と悪魔(2009)」「誰がため (2008)」のトゥーレ・リントハート、「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 (2005)」のツヴァ・ノヴォトニー、、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」のRosalinde Mynster、「「ゾウズ・フー・キル 殺意の深層」のイーベン・ドールナ、「デビルズ・ダブル -ある影武者の物語- (2011)」のダール・サリム ラース・フォン・トリアー作品でお馴染みのイェンス・アルビヌス。

truth about men1主人公マッツは恋愛経験は豊富だが、本当の愛を知らない男34歳。職業は映画のライターであり、映画と人生を重ねた演出がなされている。映画には盛り上がりが必要なのと同じように、人生にも盛り上がりが必要だと考えるマッツだが、34年の人生においてそんな瞬間は一度も訪れていない。このまま一人ぼっちで終わってしまう人生なんてまっぴらだ、と思うようになったマッツがパートナーを探しながら真実の愛を見つけるまでを描いた娯楽作品。男性目線の結婚観が描かれる。タイトル“Truth About Men”と複数形になっているが、マッツだけの話である。

人生のアップダウンの影には恋愛があり、引きずっている恋への終止符が人生のターニングポイントとして描かれる。男性目線といえども、共感できるポイントも多い。映画をヒットに導くための製作会議の風景など、映画好きとしては興味深く、映画には盛り上がりが必要だなんて台詞もあるのに、本作自体に盛り上がりはないのは残念。

見所は、ストーリーよりもため息がでるほどの錚々たる出演者がチョイ役で顔を出していること。主役級ではなく、日本では無名の人たちばかりだが、ウォーリーを探せ的な感覚で楽しませてもらった。

<観賞> 2013/2/27

愛さえあれば <2012/デンマーク> ★★★☆

2013年5月17日公開予定。

Love Is All You Need愛さえあれば/Love Is All I Need
2012/116min/デンマーク
ロマンス、コメディー
監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:ピアース・ブロスナン、トリーヌ・ディルホムキム・ボドゥニアパプリカ・スティーンボディル・ヨアンセンセバスチャン・イェセン

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし
脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


Love Is All You Need1娘の結婚式のためにイタリアへ旅立つ前日、イーダは病院から予定より早めに帰宅すると旦那は女を連れ込んでいた。乳がん治療に苦しんできたイーダにとってこれ以上の裏切りはない。夫はすぐさま家を出ていき、娘の結婚式で落ち合うことにした。その後、イーダは空港の駐車場で事故を起こしてしまう。被害者は偶然にも娘の婚約者の父親であり、イタリアへ向かうところであった。2人は一緒にイタリアへ向かう…。

監督は、「未来を生きる君たちへ」「アフター・ウェディング」「ある愛の風景」のスサンネ・ビア。
脚本は、監督とのタッグは5作目となるアナス・トマス・イェンセン
出演は、、「未来を生きる君たちへ」のトリーヌ・ディルホム、「007」シリーズでおなじみのピアース・ブロスナン、「未来を生きる君たちへ」「プッシャー」のキム・ボドゥニア、「しあわせな孤独 (2002)」のパプリカ・スティーン

Love Is All You Need2原題は“坊主のヘアドレッサー”。乳がん治療のために頭髪を失った美容師イーダのことである。乳がんの治療が落ち着き、喜びの報告をしようとした矢先に発覚した夫の浮気。そして直後の衝突事故。被害者のフィリップもまた、妻の死から立ち直れないでいた。2人の出会いを軸にしたほろ苦くも温かいラブコメディー。

舞台は、南イタリアにあるフィリップの別荘。海が望める豪華な別荘でそれぞれの家族や友人たちが集まり挙式が行われる予定である。結婚式を挙げるまでの数日間を背景に、家族の悩みやキャラクター像がどんどん掘り下げられていく。登場人物は傷を負っている人たちばかりだが、愛らしい魅力的なキャラクターばかり。掘り下げられていく過程は、鋭い人間考察であり、それぞれが本当の幸せを見つけ、再生していく過程がじっくり描かれる。必ずしもハッピーな展開ばかりではないが、悲観さはなく希望に満ち溢れ、前進することで人生は変えることができるという前向きなメッセージが込められている。

ビア監督×イェンセン脚本のタッグは本作で5作目になる。ビア監督としては(おそらく)初であり、意外にも感じられるコメディー色が強めな趣きの異なる作品。身近に潜んでいるシリアスな問題を取り上げるあたりはビア監督らしく、キャラクター設定やユーモアのセンスにはイェンセンらしさを感じる。2人のそれぞれの特色がうまく融合された作品に仕上がっている。

<観賞> 2013/3/2

【ドラマ】コペンハーゲン/首相の決断 (原題:Borgen) <2010/デンマーク> ★★★★★

「THE KILLING /キリング」のスタッフが贈る、デンマーク初の女性首相を描いた傑作ポリティカル・ドラマ、スーパー!ドラマTV にて2013年独占日本初放送決定!本放送スタートに先駆け、第1話を先行プレミア放送!

「コペンハーゲン/首相の決断」第1話先行プレミア放送
3/30(土)22:00~23:00
http://www.superdramatv.com/line/borgen/

Borgen.jpgBorgen
2010/58min×10話/デンマーク
ドラマ、政治
監督:Annette K. Olesen、Mikkel Norgaard、Rumle Hammerich、Soren Kragh-Jacobsen
製作/脚本:Adam Price
脚本:トビアス・リンホルム
出演:シセ・バベット・クヌッセン、ビアギッテ・ヨート・スレンセンピルウ・アスベックミケール・ビアクケーアダール・サリムパトリシア・シューマンソーレン・マリンイーベン・ドールナ、セバスチャン・イェセン、Signe Egholm Olsen、Petrine Agger
IMDb評価:8.1/10

社会度 ★★★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


borgen1.jpg政治担当女性ジャーナリスト・カトリーヌの恋人オレが心臓発作で亡くなってしまった。妻子がおり、現政権自由党の顧問をしているオレとの関係を知られるわけにはいかないカトリーヌは、国民党のスピンドクターであり友人のキャスパーに助けを求めた。カトリーヌが部屋にいた証拠を隠そうと部屋を訪ねてきたキャスパーはある書類を見つけてしまう。それは現政権自由党を貶めることのできる書類であり、労働党へ手渡してしまった。
総選挙を間近に控えたテレビ番組での政治討論番組において、現政権自由党のリーダー・ラースの妻の金銭スキャンダルが暴露されてしまった。それはキャスパーが労働党へ渡してしまった書類から発覚したことであった。その結果、選挙で圧勝となったのは国民党。政権交代し、女性初となる首相ブリジットが誕生し、労働党に通じたキャスパーは首になってしまった…。(1話あらすじ)

監督は、「Little Solder(2008)」Annette K. Olesenが4話分、「Klown」のMikkel Norgaardが2話分、「Headhunter(2009)」のRumle Hammerichが2話分、「What No One Knows(2008)」のSoren Kragh-Jacobsenが2話分を担当している。
脚本は、「光のほうへ」のトビアス・リンホルム
出演は、「アフター・ウェディング (2006)」のシセ・バベット・クヌッセン、「The Escape(2010)」のミケール・ビアクケーア、2011 シューティング・スターを受賞したピルウ・アスベック、「光のほうへ(2010)」のパトリシア・シューマン

日本でもCSで放送され、アメリカでもリメイクされたデンマーククライムドラマ「THE KILLING/キリング(原題:Forbrydelsen)」と同じチーム制作のデンマーク発政治ドラマ。2011年デンマークでは政権交代があり、初の女性首相が誕生したのは記憶にも新しいが、本作はその一年前に放送されている。2010年にスタートし、2013年には第3シリーズの放送が決定しており、ヨーロッパ各国では吹き替え版も放送するほどの人気ぶり。おそらく日本でも放送されるのではないかと思うので、各話ごとの記事は書きません。

borgen2.jpgBorgenとは直訳すると“お城”の意のようだが、“国会議事堂”を指すそうで、シーズン1では総選挙3日前から任期が1年経過したところまで描かれる。アフガンへの兵士派遣、少女暴行、環境問題、アフリカの飢餓、EU財政などのトピックに加え、政権交代、与野党争い、党間の駆け引き、支持率低迷など日本にも通ずる問題にも触れている。国は違えど、抱えている問題は我が国とさほど変わりない。難しい問題を深堀りしていないので、EUや政治に詳しくない私でもそれなりに楽しめた。

だが、本作の本当に面白いのは、政治ドラマだけではなく、登場人物の葛藤など心理を掘り下げたヒューマンドラマにある。みな仕事以外にも家庭環境や生い立ち、恋愛で問題を抱えており、仕事とプライベートの両立の難しさがよく描かれている。

子供二人の母親でもある首相ブリジット、独身の女性ジャーナリスト・カトリーヌはどちらも野心的な女性。何かを犠牲にして働く姿、家庭や恋愛の両立など、女性視点で描かれ共感できるところも多い。特に、首相ブリジットの家庭問題にすごく重点を置いている。庶民派であり、息子のトラブルで学校に呼び出されれば首相自ら学校へ出向くし、朝食も必ず一緒にとるように心掛けている。しかし、寝る時間もない妻とのセックス問題、家事全般を請け負っている夫の苦悩、子供たちへのストレスなど様々な視点で描かれ、いろいろ考えさせられる。行く末は濁されており、シーズン2に持ち越されている終わり方をしている。まだ英語字幕版が発売されていないので、首を長くして待つことにする。

<観賞> 2012/4/20-5/9
初版:2012/5
最終版:2013/3

(未) Teddy Bear <2011/デンマーク> ★★★☆

teddy bearTeddy Bear
2011/92min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Mads Matthiesen(デビュー作)
脚本:Martin Zandvliet
出演:Kim Kold、David Winters、Lamaiporn Hougaard
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 

teddy bear138歳のデニスはボディービルダーだけでは生計を立てることは難しく、警備員の仕事もしている。母親と一緒に暮らし、今でも女性と付き合ったことがない。同じジムに通う女性とのデートもうまくいかない。幼馴染が結婚することとなり、家に招待されると新妻はタイ人であった。デニスの母親は、外国人でデンマーク語の話せない奥さんをもらったことに批判的であったが、デニスはどこで知り合ったのか興味を持ち始める。幼馴染に勧められ、デニスもタイに行くことにした…。

監督は、デビュー作となるMads Matthiesen。

デニスの帰りが少しでも遅いと、小学生の子供を心配するかのように母親は落ち着かない。女性とのデートで遅くなった日も、母親へは男友達と映画を観ていたと嘘をついている。タイへ行くことも母親へはドイツでボディービルダーのコンテストがあると嘘をついている。

teddybear2.jpg“Teddy Bear”とはうまいタイトルをつけたものだと関心させられた。ボディービルダーという職業柄、デニスの筋肉はムキムキだが、38歳の息子は母親にとってはいつまでもテディーベアのような可愛いぬいぐるみのまま。子離れしていない母親である。

ジムで顔を合す女性とのデートの様子からスタートする。会話はぎこちなく、長い沈黙がさらに雰囲気を悪くしている。女性との経験がないことも窺い知れる。母親思いでやさしく、真面目なデニスだが、事が上手くいきそうな兆しは一向に見えない。幼馴染が教えてくれたタイのお店へ行っても奥手のデニス相手では何も発展しない。ところがそんなデニスにも運命の出会いはある。

デニスが本当の愛を見つけるまでの過程を描いた作品。一歩踏み出すことの勇気だったり、時には大胆な行動が温かい目線かつ自然に描かれている。

<観賞> 2012/9/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Those who kill- Shadow of the Past <2011/デンマーク> ★★

Those Who KillDen som dræber - Fortidens skygge/Those who kill- Shadow of the Past
2011/90min/デンマーク
犯罪、ドラマ、スリラー
製作: ヨナス・アレン、ピーター・ボーズ
出演: ラウラ・バック、ヤコブ・セーダーグレンラース・ミケルセンイーベン・ドールナ、Petrine Agger、レアゲ・ヴィンダ・アナスン
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 ★

脚本 ★ 
演出 ★
演技 ★★★


路線バスで無差別殺人が起こった。プロファイラーのトーマスが事件現場へ向かうと、どこかで見覚えのある殺人方法だった。トーマスは刑事になる前は軍人のカウンセラーをしていたことがあり、その時の患者が描いていた奇妙な絵の通りだった。長男が産まれる時、トーマスはその患者のカウンセリングより出産立ち会いを優先したことがあり、犯行は自分への復讐だと悟る…。

Those Who Kill1出演は、「光のほうへ」のヤコブ・セーダーグレン、「The Escape」のラース・ミケルセン、「The Fortress(ドラマ)」のPetrine Agger、レアゲ・ヴィンダ・アナスン。

WOWOWでも放送されたドラマ「ゾウズ・フー・キル」シリーズの映画版および最新作。金髪女刑事とプロファイラーがコンビを組んで事件にあたるスリラー作品。登場人物や軸となるストーリーはドラマから引き継がれているが、事件は一話完結のため、ドラマ未見でもそれなりに楽しめる。

カウンセリングの患者の絵の通りの殺害であり、序盤から犯人の目星はついている。犯人はどこにいるのか?次はどの絵が犯罪になるのか?阻止するにはどうしたらいいのか?といった犯罪心理のプロファイルを元に捜査が進められていく。最後にどんでん返しはあるが、面白いのは序盤だけで、中盤からは流れが読めてしまい失速気味。ありきたりな刑事ドラマで設定も演出も何一つ新鮮味がない。それどころか、女刑事とトーマスの微妙な関係が何も解決されず曖昧なまま収束し、続編へ持ち越されそうな展開がかえってもどかしい。

ここ数年、ヨーロッパでの北欧ドラマは大人気であり、本作もその一つのようだが、人気の理由が今一つわからなかった。お目当ての俳優がいる人だけ観ればいい内容。このシリーズはもう観ない。

<観賞> 2012/7/16

(未) Tukuma <1984/デンマーク> ★★★

tukuma.jpg
Tukuma
1984/100min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Palle Kjærulff-Schmidt
脚本:Josef Tuusi Motzfeldt
主演:Thomas Eje、Naja Rosing Olsen、Rasmus Lyberth
撮影:グリーンランド
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


tukuma1.jpgデンマーク人のエリックは弟ブルーノの死に疑惑を抱き、弟が生前暮らしていたグリーンランドを訪れた。ブルーノの友人たちに会い、生前の様子などを聞きまわるが、誰も死因については一切触れようとしない。疑惑は深まるばかりであった…。

監督は、デンマークのテレビ業界で活躍している方。出演者は実際のイヌイット族を起用しており、中には歌手として活躍している人もいるが、ほとんどが素人だという。

舞台となる地域の住民はイヌイット族で日本人と同じモンゴロイドの人たち。アザラシや魚、鳥などの狩猟で生計を立てている人が多く、狩猟方法も生活も原始的。デンマーク領でありながら、独自の生活スタイルを貫いており、伝説や伝統が今なお息づいている。
本作の主旨となるのは、そんなイヌイット族の死生観である。ここでは肉体は滅びても魂は永遠だという死生観のもと、生まれてきた子に死んだ人の名前をつけ、死者の魂を再び宿らせるという教えがある。ブルーノと名付けられた赤ん坊に会い、初めはブルーノの子供かと思うが、彼らの死生観による名付け方だと知り、エリックは感銘を受けるのであった。


tukuma2.jpg“Tukuma”とは“いつも忙しい男”という意味で、ブルーノのニックネームであった。“Tukuma”の死因を探るミステリータッチで始まり、イヌイット族の不可解な行動全てに疑いをかけていたエリックであったが、弟の軌跡を辿る旅はイヌイット族の魅力を知ると共に、人生について考えさせられる旅となっていた。

ある程度の予測は可能だが、ブルーノの死因は結局は述べられない。死因よりも、魂は永遠だという気持ちの持ち方のほうが大事なのかもしれない。イヌイット族の生活スタイルを紹介するドキュメンタリーのようでもあり、淡々としている作風の中で、そんなことを教えられた気がした。

<観賞> 2012/5/17

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Boy <2011/デンマーク> ★★★☆

dreng.jpgDreng
2011/96min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本/出演:ピーター・ガンツェラー
出演:セバスチャン・イェセン、Helle Merete Sørensen、Marie Louise Wille
IMDb評価:5.9/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★★
民族度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

dreng2.jpgクリスチャンは集合住宅で母と2人暮らしをしている。高校を卒業し、友人たちは町を離れていたが、クリスチャンは免許を取るために同じ集合住宅の工具屋でバイトを始めた。最近引っ越してきたという年上の女性が洗濯機の設置を依頼してきたが、やったことのないクリスチャンは断ってしまった。しかし、彼女のことが忘れられず、次の日部屋を訪ねた。そして、恋に落ちてしまった…。

監督は、「幸せになるためのイタリア語講座(2000)」「ゼイ・イート・ドッグス(1999)」など数多くのデンマーク映画に出演しているピーター・ガンツェラーの長編監督デビュー作。主演は「Nothing's All Bad(2010)」のSebastian Jessen。子役から活躍しており、出演作は少なくないのだが、日本での発表作はない。8月にデンマークで公開予定のスサンネ・ビア監督最新作「All You Need Is Love(2012)」に出演しており、日本でもお目見えする時がそう遠くはないかも。その他出演している俳優もマイナーで日本での発表作はない。

dreng1.jpgクリスチャンは18歳。一目惚れしてしまった女性サンヌは36歳でシングルマザー。高校卒業したての青年のひと夏の淡い恋を描いているが、よくある同世代同士の浮ついた青春ものとはだいぶ趣きが異なる。

出演者はほぼ4人(+子ども)の必要最低限のキャスティングであり、ストーリーもかなりシンプル。ドラマチックな展開もなく、人によっては物足りなさも感じるとは思うが、当事者2人とクリスチャンの母親、第3者となる工具店の主人の心情までよく掘り下げている。

幼い息子のために別れた方がいいと思うサンヌ。どんなにサンヌを愛していても母の気持ちにも逆らえないクリスチャン。シングルマザーの母親と付き合うことを素直に祝福できないクリスチャンの母親。若気の至りだと割り切った考えの工具店の主人。
それぞれの立場によっていろんな視点があり、比較するように見せていくが、恋愛に答えはない。最終的なクリスチャンの選択が正しかったのかは誰にもわからないが、エンディングでは一夏の経験が少しだけ大人になったクリスチャンの姿になっていた。

<鑑賞> 2012/3/23

ヴァルハラ・ライジング <2009/デンマーク> ★★★

4月7日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて、レイトショー限定公開

valhalla_20120308215210.jpg Valhalla Rising
2009/93min/デンマーク
アクション、アドベンチャー、歴史
監督/合同脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:マッツ・ミケルセン、マールテン・スティーブンソン、ゲイリー・ルイス、ジェイミー・シーベス
言語:英語
IMDb評価:5.9/10

哲学度 なし
宗教度 ★★★
民族度 ★★
映像美 ★★★★
残虐度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★

2011年 デンマークアカデミー賞ノミネート・受賞作品についてはこちら

valhalla2_20120326165033.jpg片目を失うほどの大怪我と声を失ったワン・アイはスコットランドの部族たちからは奴隷扱いをされ、連日のように殺し合いを強いられていた。心を許すのは食事係の少年アーだけであった。アーの力を借りて部族を皆殺しにし、脱走に成功した。聖地エルサレムを目指すヴァイキング一行に出会い、航海の末見知らぬ大陸へ辿りつくが…。

監督はライアン・ゴズリング主演「ドライブ」で注目されているニコラス・ウィンディング・レフン監督
本作は私にはうれしいニコラス・ウィンディング・レフン監督マッツ・ミケルセン主演、モーテン・ソーボー撮影の「プッシャー(1996)」トリオ。

valhalla1_20120326165033.jpgどちらかが死ぬまで続けられる見世物の戦闘では、自分は首に縄をつながれていながらも、武器をもった相手と果敢に挑む。武器といったら斧やナイフなので現代の銃なんかよりもかなり残虐なのに、内臓をえぐり取ったり、首を切り落とすシーンですらスタイリッシュに描かれている。
本来のアクション映画やホラー映画なら、効果音を使って過剰に演出しているのに、本作はむしろ音を消している。後に聖地を目指す航海では、波の音は一切聞こえないし、船も揺れない。不自然なはずなのに、妙に引き込まれえしまう不思議な感覚に陥ってしまう。様々な能力を持つワン・アイ。未来を一瞬にして透視できる能力があり、透視映像が真っ赤に映し出される。自然の情景が美しいだけに、血のような真っ赤な映像がより一層際立ってる。

異教徒の男が自身のルーツを探る話であり、暗示的で感性で観る新感覚の歴史アクション映画。本作の特徴は何といっても、スタイリッシュで素晴らしすぎる映像と台詞が少ないこと。不必要な台詞は一切削ぎ落とされ、たったの120行だという。マッツ・ミケルセン扮するワン・アイは一言も言葉を発しない。

1.怒り、2.静かなる戦士、3.神の男、4.聖地、5.地獄、6.犠牲の6章から構成されている。台詞が少なく、抽象的であり、章のタイトルがストーリーを追う上で重要なキーになってくる。

<鑑賞> 2011/1/3、2012/3/26
初版:2011/1
最終版:2012/3/26

ゼイ・イート・ドッグス <1999/デンマーク> ★★★☆

dogs_20120318234335.jpgIn China They Eat Dogs/I Kina spiser de hunde
1999/91min/デンマーク
アクション、コメディー、犯罪
監督/編集/:ラッセ・スパング・オルセン(長編監督4作目)
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:キム・ボドゥニア、デジャン・キューセック、ピーター・ガンツェラートーマス・ヴィルム・ヤンセンニコライ・リー・カース、ブライアン・パターソン、トリーヌ・ディルホムスラッコ・ラボヴィック
IMDb評価:7.4/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
民族度 なし
ブラック度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

dogs2.jpg自身が務める銀行を襲った強盗を取り押さえ、1週間の休暇をもらったアービッド。同棲する彼女とパリに行こうとするが、帰宅すると彼女は出ていってしまった後だった。すると、強盗犯の妻が部屋に乗り込んできた。銀行強盗は人工授精の費用に企てるためだと知り、アービッドは心を痛めてしまう。そんな夫婦の力になりたく、兄たちと現金輸送車襲撃計画を実行するが…。

監督は、スタントマン出身のラッセ・スパング・オルセン。現在は、映画監督やスタントマンコーディネーターとして活躍している。
脚本は、スサンネ・ビア監督作品などデンマークを代表する作品多くの脚本を担当するアナス・トーマス・イェンセン。監督によって全く趣旨の異なる作品を書きあげているが、本作の監督ラッセ・スパング・オルセンはアナス・トーマス・イェンセン監督作品に一番近い作風に感じた。

dogs1.jpg中国のように犬を食べる習慣がある国がある一方で、批判する国もある。何が正しいか悪いかの基準は人それぞれだということを皮肉ったタイトルがつけられている。アナス・トーマス・イェンセンらしいブラックを効かせたモラルを問う作品。

お人好しの銀行員を主人公に据え、知らぬ間にどんどん犯罪に手を染めていく様を面白く描いている。根っからの悪人ではなく、人の良さが仇となり、踏んだり蹴ったり。犯罪映画でありながら、やはりほのぼのとした作風になっている。

犯罪をやらせたらピカイチの兄役キム・ボドゥニアがさすがの存在感。犯罪歴のある兄と、お人好しの弟の対照的な2人のキャスティングもまた面白いが、ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品「プッシャー(1996)」とかなりかぶる俳優陣でありながら、みんなどこか抜けており、ギャップも楽しめた。たまには脱力系のアクション映画もいいかも。意外性があり、拍子抜けのオチが最高に気に入った。完結したエンディングなのに、続編があるとは…

<鑑賞> 2011/3/19

メランコリア <2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独> ★★★★★

melan.jpgMelancolia
2011/136min/デンマーク=スウェーデン=フランス=ドイツ
SF、ドラマ
監督/脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド、シャーロット・ランプリングアレクサンダー・スカルスガルドステラン・スカルスガルドウド・キアー、ジョン・ハート
受賞:第64回(2011)カンヌ映画祭 女優賞 (その他ノミネート、受賞作品はこちら)
IMDb評価:7.8/10

哲学度 ★★★★
宗教度 ★★
映像美 ★★★
鬼才度 ★★★

2012年2月よりTOHOシネマズ渋谷ほか全国でロードショー

巨大な惑星“メランコリア”が時速10万キロのスピードで地球に接近する中、二人姉妹の妹ジャスティーンは結婚式を挙げる。夫ジョンの豪華なスウェーデンの邸宅で大勢の人たちに祝福され、幸せの絶頂にあるはずの彼女であったが、鬱病に苛まれていた。ジャスティーンは式の間も奇妙な行動を起こし始め、無事に結婚式を終えようと姉クレア夫婦は力を尽くすが、虚しくも結婚は解消となってしまう。そして、ついにメランコリアが地球に最も接近しようとする日が近付く…。

melan1.jpgラース・フォン・トリアー監督のカンヌ映画祭コンペ入りは9作目となる。2年前に「アンチクライスト」で騒然とさせた監督が、本作の記者会見における不適切発言で追放を言い渡されるという異例の事態が起こった。「アンチクライスト」を観てしまったことに激しく後悔し、この監督作品はもう観ないと心に誓ったはずなのに、話題性に負けやっぱり観てしまった。毎回物議を醸し出すだけあって、やはり強烈。前作のような大胆な性描写や暴力描写はなく趣の異なる作風だが、奥底にある暗部を抉り取るような精神状態の描き方はこの監督にしか成し得ないと感じさせる鬼才ぶり。

偶然にも今年のカンヌでは“魂の救済”を題材にした作品が2作品あった。マリック監督「ツリー・オブ・ライフ」では生命の始まりにまで遡り、本作では地球の終末論からその解釈に迫る。アプローチの仕方がまるで違うことは興味深い。個人的には「ツリー・オブ・ライフ」は難解すぎて、記事も書けずじまいであり、本作のほうが私好み。監督の発言が明暗を分けたのであれば、実に残念。

冒頭から監督ならではの映像美が炸裂している。茫然としたジャスティーンの背後には、死んだ数々の死んだ鳥たちが空から降ってくる。馬が倒れ込み、無数の蝶が舞い荒れ狂う。そして、とうとう惑星メランコリアが地球に衝突し、砕け散る…スローモーションの映像は不吉な前兆を暗示させ、不安感を煽る。冒頭から強烈であるが、バックに流れるワーグナーの“トリスタンとイゾルデ”と綺麗な景色が独特な映像感覚を引き立てている。

melan2.jpgパート1「ジャスティーン」、パート2「クレア」の2部構成となり、パート1では結婚式の模様を、パート2では結婚解消からメランコリアが衝突し、この世の終わりを告げる瞬間までを描いている。惑星が素材となりSFにカテゴライズされているが、本質はメランコリアと地球が衝突する出来事ではなく、この世の終わりを迎えようとする瞬間、人々はその事実をどう受け止めるのか、中心人物の精神状態や魂の救済を監督ならではの手法で浮き彫りにしていく。

盛大でゴージャスな結婚パーティーだが、どこか重苦しく暗雲が立ち込める。ウエディングドレスに身を包み、若くて美しいジャスティーンだが、時折顔を曇らせ、裏の感情が見え隠れするのである。次第に鬱の部分が露わになり、奇妙な行動を取り始める。パーティーに集う癖の強いキャラクターを演じる層々たる主演者も見所の一つであるが、ジャスティーンを演じるキルスティン・ダンストの熱演あってこその作品である。監督の不適切発言で一時は危ぶまれたカンヌ映画祭での女優賞をもぎ取っただけの価値はある。フルヌードで挑んだキルスティン・ダンストの役者魂もすごいが、鬱に苛まれ、破壊されゆく精神はそのままパート2になだれ込み、観る者の心を鷲掴みにする。メランコリアとは“鬱病”という意味もあることを初めて知ったが、ジャスティーンの行動や言動はまるで観る者も共に鬱状態へと誘う催眠術のようでもあった。エスカレートする行動は自暴自棄ともいえるが、魂が救済された瞬間、その催眠術は解かれ、心がす~っと軽くなり、解放された思いがした。

唐突とも思える話の設定ではあるが、究極の極限状態で人間は何を思うか…未曾有の災害に見舞われた瞬間、自分は何を感じたかを振り返ってみれば、近い答えは出されるのではないか。
焦燥する者、絶望を感じる者、孤独を噛み締める者、そして魂の救済を求める者。本作でも様々な精神状態が描かれる。あまりにも壮絶なストーリーに身を削られるような思いで魅入ってしまったが、ここまで感情が揺さぶられる作品は、そうそうお目にかかれない。

<鑑賞> 英語聞き取り度70% 2011/9/29

白昼夢に抱かれる女 (英題:The Woman that dreamed About A Man) <2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=仏> ★★★

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白昼夢に抱かれる女
KVINDEN DER DROMTE OM EN MAND/The Woman that dreamed About A Man
2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=フランス
サスペンス、ロマンス
監督/脚本:ペール・フライ(Per Fly)(長編5作目)
出演:ソニア・リクター、マルチン・ドロチンスキー、ミカエル・ニクヴィスト
言語:英語、デンマーク語、ポーランド語
IMDb評価:5.1/10


芸術度 ★★★
官能度 ★★
哲学度 ★
邦題センス ★★★★(素晴らしい!でもネタバレだよね!?)


ファッション界の女流カメラマンとして働くデンマーク人のケイは、同じ夢を何度も見るようになる。それは、あるホテルの一室のベッドに腰をかける裸の男の夢。そして、決まって午前3時30分に目を覚めるのであった。出張で訪れたフランスのレストランで、偶然夢の男性を見かける。後をつけるが気付かれていた。人違いだと言い訳をしその場を後にするが、なんと次の日もレストランで会ってしまった。その男はポーランド人で教師で、妻と休暇でフランスを訪れていた…。

hakutyuu2.jpgデンマークを代表するペール・フライ監督の長編5作目。残念ながら日本での公開作品はなく、ソフト化も本作のみ。でも唯一の日本でのソフト化がなんでこれなんだ?
この手のストーリーは日本だとポルノ扱いなのかな?冒頭からいきなりのヌードでベッドシーンも多めだが、芸術的に撮られていて女性向き。

ケイには優しい夫とかわいい1人娘がおり、海外からオファーが来るほど仕事も順調であった。しかし、夢の男と現実に会ってしまい、会えば会うほど惹かれ、欲望のまま泥沼にはまっていく様子を描いている。

修羅場の盛り上がりに欠け、不倫映画としてはドロドロ感が低いと感じてしまうのは韓国ドラマの見過ぎだろうか。スマートで大人の不倫と言っておきましょうか。頭ではわかっていても理性が保てず男を求めてしまう女性の行動や心理には目が離せない。しかしながら、なぜ夢の男が突然現実に現れたのか…。一体何がそんなに彼女に火をつけてしまったのか…。一向に核心に触れようとせず、釈然としない結末を向かえてしまう。展開に憤りを感じつつ、あれこれ検索し行き着いた邦題(観ていた時は日本でソフト化されているとは思ってもいなかった)。見事な邦題に全てが救われた思いがした。

ポイントはケイの立場に立ってストーリーが展開しているところである。サスペンスのようなスリルな展開を見せるが、謎解きが一切されないのはケイ自身がわかっていないからだろう。
hakutyuu1.jpg私の解釈により核心に触れています。結末には触れていません。

英題“男の夢を見る女”、邦題“白昼夢に抱かれる女”の通り、全てが夢もしくは妄想の中の出来事であり、摩訶不思議な設定やつじつまの合わない展開は意図的だったと思われる。夢なのか現実なのか境界線が曖昧なところに面白さがあるが、全てが夢だと解釈すると全てが解決される。普通の夢ではなく“白昼夢”だとするとケイの願望なのだろう。

一時期、夢占いにはまっていた時期があり、毎日夢日記を付けてはあれこれ自分で分析していたことがある。セックスの夢を見るのは性欲が溜まっている表れだったりするわけで、ケイは夫の愛情に欠けていたのかな。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/9/18

パラサイトX (原題:Vikaren) <2007/デンマーク> ★★

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Vikaren
2007/93min/デンマーク
監督/脚本:オーレ・ボールネダル(Ole Bornedal)
脚本/出演:ヘンリク・プリップ
出演:パプリカ・スティーンウルリッヒ・トムセンソニア・リクター、ヨナス・ヴァンドシュナイダー
IMDb評価:6.1/10


哲学度 ★
ゴア度 なし
社会度 なし
邦題のセンス 最悪(有名タイトルにXを付ければいいって考えよくないよね)



vikaren2.jpg小学6年生のカールのクラスに、病気の担任の代理でウーラという女性教師がやって来た。彼女の厳しい授業、狂った言動にクラスの多くの生徒が不信感を抱き、両親たちに話すと、辞任を求める声が次々と上がった。しかし、教育長の登場で、両親たちはすっかり騙されてしまう。しかし、カールは教育長の正体を見てしまった…。

デンマーク映画には欠かせない、しかも私の大好きな4人(パプリカ・スティーンウルリッヒ・トムセンソニア・リクターヘンリク・プリップ)が一斉出演と知り、鑑賞。ヘンリク・プリップに至っては脚本にも参加している。監督は「モルグ/1996」「ナイトウォッチ/1998」で知られているオーレ・ボールネダル監督

vikaren1.jpgホラーだとは知っていたが、内容は児童向けでゴア描写はほとんどない。個人的には期待していたもの(グロテスクなホラー)と異なり満足度は低めだし、少々強引で無理な展開は否めないが、決してひどい映画ではない。投げやりな邦題でかなり損をしている。英題は“代理”。代理教師ウーラを演じるのはパプリカ・スティーン。この方の演技にはいつも驚かされる。ウーラのイッテる目とか無機質な感じが気持ち悪いのに、最後には愛着が湧いてしまうのは子ども向けの演出なのだろうか。怪奇な行動もアイデアが豊富で楽しませてもらった。

主人公の少年カールは事故で母を亡くしたばかりで心を閉ざしていた。代理教員ウーラの秘密を探る過程でクラスにも徐々に慣れていき、前向きな心の成長を見せている。タイトルやらジャケットからはなかなか伝わってこないが、割としっかりとしたドラマを描いている。“母の死”を未だ受け入れられない現実とオーバーラップさせるように描かれる“代理教師ウーラの存在”を否定する演出には関心してしまった。

カール役のヨナス・ヴァンドシュナイダー君は本作が映画初出演のようだが、なかなかの美少年で大物俳優たちにも劣らない熱演を魅せている。次作「Timetrip(原題:Vølvens forbandelse)/2009」では主演を務めている。将来性に期待。

<鑑賞> 英語字幕 2011/9/16

プッシャー <1996/デンマーク> ★★★★☆

pusher_20110909102001.jpgPusher
1996/105min/デンマーク
犯罪、スリラー
監督/脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン(監督デビュー作)
撮影:モーテン・ソーボー
出演:キム・ボドゥニアズラッコ・ブリッチマッツ・ミケルセン、ローラ・ドライスベイク、スラッコ・ラボヴィックペーター・アンデション
IMDb評価:7.4/10

スリル度 ★★★★
ゴア度 ★★
衝撃度 ★★
社会度 ★★



pusher1_20110909102001.jpgコペンハーゲン。ヤリ手の麻薬密売人(=プッシャー)フランクは、ボスのミロから受けた仕事を相棒のトニーと一緒にこなしては金儲けをしていた。ある時、大口の取引をするため、ミロに多額の借金をしたフランクだったが、運悪く警察の手入れが入り失敗してしまう。すぐに釈放にはなったが、ミロからは借金返済を執拗に迫られ……。(allcinema)

監督は本作がデビュー作で代表作。日本でソフト化されている内の1本である。私はデンマーク犯罪映画の最高傑作だと思っている。マッツ・ミケルセンの長編デビュー作でもあり、3部作となっていて、2作目はマッツが主演となっている。
撮影はモーテン・ソーボー。後にスザンネ・ベア作品でも大活躍されているが、デンマーク映画を追っかけているとほんとによく耳にするお名前。
本作はAssad Raja監督「Pusher(2010/UK)」ヒンドゥ語によってリメイクされ、更にLuis Prieto監督(2012/UK)、リチャード・コイル主演にてリメイクが予定されている。

pusher2_20110909102147.jpgドラック密売人フランクのある1週間に密着し、ドキュメンタリータッチで描かれる。濃厚で命がけな一週間はかなり興味深く、手持ちカメラによる撮影のため、同行しているかのような臨場感が味わえ、かなりスリリング。演技に注目しながら観直してみたが、即興でやっているようなリアルさと恐怖がある。主演のキム・ボドゥニアとミロ役のズラッコ・ブリッチが適役。

フランクは道を歩いているだけで商売の声がかかる。客からの要求がかかるとボスのミロのところへドラッグの調達に行き、客とは路上で現金と交換。その足でミロへ支払に行くといったシステム。仲介費が自分の稼ぎになるが、万が一お金を貰いそびれれば、それが借金となって積み重なっていく。その日暮らしをしているフランクにはまとまった金もなく、こんな商売のやり方をしていたら借金地獄にはまっていくのは素人でもわかるのに、足を洗うことができないのか、それとももう社会復帰は無理なのか、毎日危ない橋を渡り続けている。 観ているこちら側もかなりヒヤっとさせられる瞬間があり、生きた心地がしない。

警察も怖いが、それよりも仲間の裏切りが命取りとなる。更に、借金の取り立てが怖い。返す目処のないフランクの引きつった表情のリアルさにこちらも硬直してしまう。常に死の危険がつきまとい、孤立無援になり落ちぶれ、結局フランクは得る物がない。あまりにも悲しい世界。意図的に余韻を残した終わり方がまたもや悲しい。

<鑑賞> 英語字幕 2010/11/12、英語字幕 2011/9/10
初版:2010/11/13
最新版:2011/9/10

(未) The Escape <2009/デンマーク> ★★★☆

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Flugten/The escape
2009/114min/デンマーク
ドラマ、スリラー
監督:Kathrine Windfeld
脚本:Rasmus Heisterberg、Mette Heeno
出演:イーベン・ヤイレ、ラース・ミケルセン、Faegh Zamani、ソニア・リクターヘンリク・プリップミケール・ビアクケーアSarah Boberg
言語:英語、デンマーク語、アラビア語
IMDb評価:5.9/10

緊迫度 ★★★
社会度 ★★
ゴア度 ★



escape2.jpgアフガニスタンを取材中の女性ジャーナリスト、リッケはタリバンに拉致された。犯行声明文には1日1本の指を切り落とすとあり、その通りに左手の小指を切り落とされてしまう映像がデンマークにも流れる。その役目を任されたのが見張り役のナジールであった。英語ができるナジールはリッケと過ごす時間が多く、情が湧いてしまっていた。彼女の指を切り落とす任務に耐えられず、リッケに石で頭を殴らせ、そのスキに逃げられたという狂言まででっちあげ、リッケを解放させてしまう。
軍事専用機で無事にデンマークへ戻ったが、待ち構えていたのは自力で脱出したことに興味があるマスコミであった…。

テレビドラマを専門とする監督さんで、おそらく映画は初。ラース・ミケルセンの割と最近の映画を3本観たが、本作が一番いい。そして、ナジール役のFaegh Zamaniがとっても印象的。魅力的で綺麗な目がプロットとして使われている。他に出演作がないのか、英語で検索しても本作以外の情報が何もでてこない。人気出そうな、いや、出て欲しい青年。

escape1.jpg1人暮らしのリッケは家に戻ると、心配していた元交際相手トーマスからの留守電が何件も入っていた。戻ったら電話をくれと伝言が入っていたが、一度も返さなかったのは、弱さを見せたくなかったからなのか。一方、トーマスのほうはやっとリッケの大切さに気付いたようで会社にまで押し掛け、復縁を迫る。リッケは妻子がいると知っていながら、トーマスの腕に抱かれながらアフガニスタンでの恐怖に初めて涙するのであった。

ジャーナリストという職業柄、“自力での脱出劇”本を出版することになってしまったリッケ。脱出は狂言であり、もちろん全て嘘で固めた話であり、どうせ真実が明るみになることはないだろうと思っていたのである。ナジールが亡命し、自分を頼りにデンマークに向かっているとは露とも知らずに。

「The Escape」というタイトルなのに随分呆気なく脱出できたと思ったら、タリバンからの脱出劇だけではなく、ナジールが国から逃げてきたこと、不法入国者であるナジールを追ってくる警察から逃げること、そして、真実が明るみになることから逃げること、いろんなescapeが含まれている。

デンマーク映画にはないタイプのスリラーで、展開が全く読めず、“不倫”という嘘や“自力での脱出”という嘘がボロボロと剥がれ落ちてゆく様は面白い。不倫相手に対する奥さんの対応は大人で関心させられた。個人的には不倫話をもう少し膨らまして欲しかったのと、もうちょっと核心に触れたところまで見せて欲しかった。脱出方法は実は狂言だったというのをオチにしても面白かったように思う。なんか一歩足りないのが残念。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/26

(未) Little Soldier <2008/デンマーク> ★★☆

soldier3.jpgLille soldat/Little Soldier
2008/100min/デンマーク
ドラマ
監督:Annette K. Olesen
脚本:キム・フォップス・オーカソン(Kim Fupz Aakeson)
出演:トリーヌ・ディルホム未来を生きる君たちへ」、Finn Nielsen、ヘンリク・プリップJens Jørn SpottagWorld Aport」、Shanti Roneyトゥーレ・リントハートBrotherhood
言語:英語、デンマーク語、スウェ語
受賞:2009年(第59回)ベルリン国際映画祭 エキュメニカル賞
IMDb評価:6.8/10

脚本を担当したキム・フォップス・オーカソンは子ども教育用のイラストレーター等の仕事を経て、脚本家になった人。ステラン・スカルスガルド主演「A Somewhat Gentle Man (2010/ノルウェー)」、マッツ・ミケルセン主演「Prag(2006)」、トリーネ・ディアホルム主演「Soap(2006)」、パプリカ・スティーン主演「Okey(200)」など本国ではどれも評価が高いが、日本で公開作品はない様子。

soldier2.jpgアフガニスタンから帰還した女性兵士ロッテは精神のバランスを崩し、アルコールに依存した生活が2ヶ月も続いている。帰還したことを知り、訪ねてきた父親にお金を借りようとしたが、代わりに仕事を手伝うように依頼された。免停中の父に代わって愛車のジャガーを運転する程度の仕事だと思い引き受けたが、父親は売春組織を担っており、父親の愛人であり、売春婦のリリーの専属運転手とボディーガードが任された仕事であった…。

父親は主にナイジェリアなどの海外から女性を調達し、囲う仕事をしていた。ロッテは幼い頃に母をなくし、祖父母に育てられたため、父親のことをあまり知らなかったのである。体調のすぐれない父親は、そろそろ引退し、娘に仕事を任せたいとまで考えていた。
ロッテの仕事は集金係も担っており、売春婦と一緒にお客の家に行き、直接お金を受け取る。睡眠薬を飲まし、眠らせた状態で楽しむお客もいれば、拳銃を突きつけ一緒に死のうと切り出すお客まで見てきた。父親は、貧しい生活から抜け出すためには仕方ないと全てを黙認していることがロッテには理解できなかった。
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ボディーガードの仕事が評価され、娼婦たちとの信頼が築き始めた頃、父親の愛人であるリリーは国に9歳の娘を残してきていることを知る。ロッテは母がいなかった幼少時代を重ねてしまい、同情心から、やってはいけないことをしてしまう。

家族のためだと割り切る強かなリリーに対し、男並みの力がありながら神経の弱いロッテを対比させながら描いている。素直な人ほど報われないことに大人の嫌な世界を見てしまった気分にさせられる。


結末に触れています。
ロッテは同情心から、十分な金と飛行機のチケットを渡し、リリーを国へ帰してしまった。お金さえあれば、家族一緒に幸せに暮らせると本気で信じていたからだ。父親曰く、リリーは子どものために国に帰るような女ではなく、ロンドンで売春宿の経営資金に回すであろうとのことだった。親子といえども、この世界で生きるには裏切った者に対して“暴行”という掟がある。
暴行後、背を向け歩き去る後ろ姿は、父親との決別を意味するのだろう。人生とは切なく難しい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/23

(未) Applause <2009/デンマーク> ★★★

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Applause/Applaus
2009/85min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Martin Zandvliet(長編デビュー作)
出演:パプリカ・スティーン(Paprika Steen)、Michael Falch、Sara-Marie Maltha、Shanti Roney
受賞:2010年デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)主演女優賞、作品(ノミネート)
IMDb評価:6.8/10

哲学度 ★★
余韻度 ★★★
催涙度 ★★




*******2010年 デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)受賞作******* 
作品賞:「アンチクライスト」 監督:ラース・フォン・トリアー
監督賞:ラース・フォン・トリアー 「アンチクライスト
脚本賞:ラース・フォン・トリアー 「アンチクライスト
主演男優賞:ラース・ミケルセン(Lars Mikkelsen) 「Headhunter」
主演女優賞:パプリカ・スティーン(Paprika Steen) 「Applaus(本作)」
助演男優賞:ヘニング・モリッルェン(Henning Moritzen) 「Headhunter」
助演女優賞:Pernille Valentin 「Fri os fra det onde(Deliver Us from Evil)」
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applause1.jpg舞台女優であるティアには2人の息子がいるが、アルコール依存症で育児放棄の末離婚し、親権は父親クリスチャンにある。リハビリ中の彼女は、子どもを取り戻したいと考えるようになった。酒を断ち、育てられる環境であることを認めてもらわなければならないが…。
ストーリーは離婚6ヶ月後から始まり、クリスチャンは既に再婚している。ティアがアル中に至った経緯は述べられない。おそらく本人もわかっていないのだろう。母親に戻るため、家にある酒を全て捨て、バーのツケも払い収め、酒を断つことを決意した。禁断症状と思える挙動不審、情緒不安定が見られるが、週一回の息子たちとの面会では隠し通そうとする。女優という仕事柄、演技をすることは得意であり、“良き母親”を演じきってでも息子たちを取り戻そうとする。

applause2.jpgしかし、認められるような“良き母親”像を作り上げれば作り上げるほど、ティアは虚しくなるだけだった。本心を踏みにじってでも“良き母”を演じきるべきなのか、再びお酒に頼ってしまうのか…若い再婚相手への嫉妬、劣等感、全てを奪われる焦燥感、良き母親を演じることへの葛藤が全身から滲み出ている。

2010年デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)では、「アンチクライスト」のシャルロット・ゲンズブールを抑え、主演女優賞を獲得しているだけあって、パプリカ・スティーンのすごい演技力が炸裂。胸が押し潰されそうな痛みを感じ、ずっしり重い。監督は編集を専門とする方で、パプリカ・スティーンの魅せる演技を全面に押し出した編集になっている。

離婚率が非常に高いデンマーク。血縁関係のない家族とうまく暮らすということは国が抱えている課題でもある。本作を観ている限りでは、子どもたちと新しいママはうまくいっており、問題点は一切言及されていない。

結末に触れています。
自分のエゴだけのために子どもを取り戻すことが子どもにとっても幸せとは限らない。血の繋がりはなくても安定した家庭で育てられるほうがいいことだってある。そんな人生の難しさについて考えさせられる作品だった。
自分の幸せより、子どもたちの幸せを優先し、海外に行くと嘘をつき子どもの元を離れるティア。母親として厳しい決断を下したティアに拍手(Applause)を送りたい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/16

(未) My Good Enemy <2010/デンマーク> ★★★

my good
Min bedste fjende/2010/90min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Oliver Ussing
出演:Nikolaj Støvring Hansen、Rasmus Lind Rubin、Clara Bruun Sandbye、キム・ボドゥニア、ダール・サリム
IMDb評価:6.8/10

2011年 デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品は こちら

ゴア度 ★★★
哲学度 ★★★





my good2男の子なのにバレエ教室に通う12歳のアルフは学校でいじめられている。友達がおらず、家では漫画を読み、キャラクターのように強くなりたいと願うばかりだった。いじめは日に日にエスカレートし、ついに足の指までを折られてしまう。しばらくバレエもできなくなってしまった。アルフは同じクラスで小太りのトークもいじめにあっていることを偶然見かけ、一緒に仕返しをしようと持ちかける…。

題材になっている漫画は「Niccolo」というタイトルで、監督自身が書き下ろしたそうだが、表紙に「天下無奴」と漢字で書いてあったのが気になった。吹き出しにも日本語が使われていた。相手国の兵士に家族を殺されたNiccoloは復讐を果たし、王になるという話であるが、生首を取るといった相当残忍な描写が使われている。アルフとトークはこの漫画を読んで刺激を受けた行動を次々と真似していくのである。

my good1アルフとトークは仲間の証として黒いバンドを作っていた。メンバーは4人に増えたかと思ったら、アルフの知らぬ間に次々と黒いバンドをしている少年が増えていってしまった。トークは漫画のように王になってしまったのである。地味だったトークの髪形やファッションにも変化が出てくる。

同じくデンマーク映画「未来を生きる君たちへ」でも“暴力と復讐”をテーマにしていたが、全く観点が異なる。「未来を~」では大人が子どもたちへどう教えるか、を主題にしているが、本作では子ども自身に悟らせる作りになっている。そのためか、本作では大人がほとんど登場せず、イジメに対して説教をしたりしないし、明確な答えも提示しない。

結末に触れています。
もともといじめられっ子だったアルフとトーク。連鎖し、終わりの見えない暴力。復讐を重ねていった上で2人が学びとったことは異なる。王になったトークに対し、アルフはグループを脱退した。いじめの原因であったバレエも辞めようとしたが、続けていくことにした。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/15

(未) Lost In Africa (原題:kidnappet) <2010/デンマーク> ★★☆

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Lost In Africa
2010/90min/デンマーク
ドラマ、犯罪
監督/脚本:Vibeke Muasya
出演:コニー・ニールセン、ラース・ミケルセン
舞台:ケニヤ
言語:デンマーク語、英語、スワヒリ語
IMDb評価:6.3/10

2011年 デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品は こちら




lost1.jpg黒人のサイモンはケニアで生まれ、デンマークの白人夫妻のもとへ養子縁組された。医師である母の出張同行で初めてアフリカの地を踏む。母は会議に出席の間、サイモンを安全なホテルの敷地内で遊んでいたが、サッカーボールが外に出てしまい、地元の子どもたちに持ち逃げされてしまった。それを追いかけていったら、夜になってしまい、知り合った子の家に泊ることにした。しかし、母親は息子探しに賞金をかけてしまったがために、誘拐されてしまう…。

ボールを持ち逃げしていった子どもを追いかけ行くと、着いた先は貧困層が暮らす村であった。子どもたちは孤児でホームレス。拾ったゴミを売買して生計をたてている。ギャングたちにも借金があるようで、追われる生活を送っている。ボールがきっかけでサイモンと現地の子どもだちは仲良くなったかのように見えたが、それは見せかけであった。隙を見計らいポケットには入っていた携帯を盗み売りさばくことで借金の返済をしようと目論んでいたのである。10歳前後の子どもの発想としては恐ろしい。
lost2.jpg
母は会議を終えホテルに戻るとサイモンの姿はなかった。警察へ行くが、養子不法取引を疑われ、書類提出を求められる。出張中の身で手元に書類があるはずもなく、テレビに出演し、息子の情報収集を募るという手段に出てしまった。キャスターに「見つけたらいくらもらえるの?」という煽りに「100万ドルあげる」と答えてしまったがためにかえって悲劇を招いてしまう。

地元の子どもたちと同じ肌の色のサイモン。Tシャツにスニーカーというラフな格好でも、真新しく、地元の子ではないことは一目瞭然である。あっという間に、Nikeのシューズ、サッカーボールは奪われ、麻薬取引の対象となっていた。その後、母親のニュースが話題になり、ギャング、子どもたち、交番のお回りさんですら、争奪戦を開始する。

先進国の裕福な家庭で育ってしまったサイモンの目に映る貧富社会と、金の亡者になっていくアフリカの恐ろしい実態を浮き彫りにしている。母親の早とちりが招いた悲劇という構想は面白かったが、尻切れトンボになってしまっている。疑惑をかけられていた養子違法取引も宙に浮いたままだし、賞金の行方も不透明なまま幕を閉じてしまった。初めてアフリカの地を踏み、自身のルーツへの関心を見せ始めていたサイモンの心境を掘り下げたほうがよかったように思う。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ラース・ミケルセン

(未) Adam's Apple <2005/デンマーク> ★★★

adam.jpgAdam's Apples/Adams æbler
2005/94min/デンマーク
コメディー、犯罪、ドラマ
監督/脚本:アナス・トマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)
出演:ウルリッヒ・トムセン、マッツ・ミケルセン、ニコラス・ブロパプリカ・スティーンニコライ・リー・カーストーマス・ヴィルム・ヤンセン
受賞:2006年デンマークアカデミー賞 監督賞、作品賞
第78回(2006)アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作品
IMDb評価:7.8/10

哲学度   ★★★以上
宗教度   ★★以上
ブラック度 ★★★

スサンネ・ビア作品の脚本家として有名なアナス・トーマス・イェンセンの監督作品。
他作品については こちら

adam2.jpgネオナチのアダムは更生の為に12年間の社会奉仕活動を義務付けられ教会へ送られた。ガソリンスタンドで強盗した移民ケリドと少女をレイプしたグナーも同じ教会で社会奉仕中であった。ネオナチであるアダムは、部屋にあった聖職者イヴァンにここでの目標を自分で考えるように言われ、アダムはアップルケーキを作ることにした。庭に大きなリンゴの木があったからである。

何を目標にするかはどうでもよく、自分が設定した目標達成のため超えるべき試練にどう立ち向かうかが主題である。聖書の引用もあり、理解できたら、かなり深い作品だと思われる。

adam1.jpg
ネオナチのアダムは、壁から十字架を外し、代わりにヒトラーの肖像画を飾る。聖職者イヴァンに渡された聖書にも決して目を通さない。ケリドとグナーともうまく行かず、気に入らないことがあると、すぐ暴力で片付けようそうとする尖ったアダムに対し、イヴァンは「悪魔が我々を試しているのだ」と言う。いつも冷静沈着で何が起ころうと、“悪魔の試練”“自然の摂理”だと物事を解釈するイヴァンにアダムは腹を立て、ボコボコに殴ってしまう。しかし、何事もなかったかのように接するイヴァンを見て、アダムも不思議と心穏やかになっていくのである。

実はイヴァンは身体障害者の息子を持ち、育児疲れの果てに妻は自殺を図ったという過去があった。これも“悪魔の試練”と考えているのだろうか。誰も恨むことなく、自分をも責めることなく、乗り越えてきた自身の経験が周囲の人々までいい方向に変えさせている。イヴァンを見ていて、本当の幸せとは“心の平穏”なのかもしれないと思った。教会の庭の中心に大きくそびえ立つりんごの木。この木に纏わる数々の現象が彼らを幸せに導く試練のようでもあった。

ブラックユーモア満載。かなり過激な暴力行為があるのに、ほのぼのとしているのは、アナス・トーマス・イェンセン独特の作風。観ている者にも心に平穏をもたらしてくれる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10

【短編】 Election Night (原題:Valgaften) <1999/デンマーク> ★★★

valgaften.jpgValgaften/Election Night
1999/11min/デンマーク
監督/脚本:アナス・トマス・イェンセン
出演:ウルリッヒ・トムセンJens Jørn Spottag
受賞:米アカデミー賞短編映画賞
IMDb評価:7.5/10

監督の他作品については こちら
3度目の正直。アカデミー賞短編映画賞へのノミネート3度目にしてようやくの受賞。

本作は、CINEMA 16:EUROPEAN SHORT FILMSに収録されている。

内戦中のアルバニアに2000枚の毛布を送っていて遅くなったという男ポールは、待ち合わせのバーでメキシコのビールを注文する。友人にも薦めるが、「そんなとこのビールなんか飲まないよ。」という友人に「それは人種差別」だという。そんな会話をしていたら、選挙の投票をし忘れたことを思い出し、いそいで投票所へ向かう。しかし、終了時刻まであと20分しかないのに、さまざまな障害が待ち構えていた…。

結末に触れています。

タクシーに乗ると、運転手は移民労働者で人種差別を訴え始めてきた。彼の話に興味のないポールはタクシーを乗り換えるが、次の運転手の関心事も人種差別であった。3度目は同じシチュエーションを避けるべく、白人の運転手であることを確認して乗車するが、運転手の話はまたもや人種差別問題であった。もうこれ以上聞きたくないポールはタクシーを降り、走って投票所へ向かった。無事投票を終えたポールはバーに戻り、カールスバーグ(デンマークのビール)を注文する。

目の前にも人種問題が横たわっており、今まで目を向けてしなかったことにようやく気付いたポールであった。アナス・トーマス・イェンセンらしい皮肉。11分という限られた時間の中に様々な人種問題が詰め込まれている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10

(未) Worlds Apart <2008/デンマーク> ★★★★

world.jpg
To verdener/Worlds Apart
2008/116min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:ニルス・アーゼン・オプレウ(Niels Arden Oplev)
出演:Rosalinde Mynsterピルウ・アスベックJens Jørn SpottagSarah Boberg
受賞:2009年デンマークアカデミー賞 助演男優賞、助演女優賞、編集賞
第81回(2009)アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作品
IMDb評価:7.1/10

宗教度 ★★★★★
哲学度 ★★★

「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニルス・アーゼン・オプレウ監督の前作にあたる作品。
エホバの証人について詳しくはこちら



world2.jpg“エホバの証人”の娘として育てられた17歳のサラは、友人とクラブに行く。そこで、ある男性ティスと知り合い、家族に内緒で付き合うこととなった。うっかり終電に乗り過ごしてしまい、彼の家に泊ったことが父親にバレてしまった…。禁じられている性行為はしておらず、添い寝をしただけだったが、非“エホバの証人”宅で一夜を明かしてしまったことが問題となる…。

世俗に生きるか、宗教に生きるか…
恋愛と宗教の板挟みとなる少女の葛藤を描くことで、“エホバの証人”の実態も浮き彫りにしている。登場人物のほとんどが“エホバの証人”であるが、破門された実兄と非“エホバの証人”の彼氏ティスを据えたことで、客観的に映している。
world1.jpg
・選挙権を行使しない
・輸血の拒否
・誕生日を祝わない
・兵役拒否
・セックスはしない

禁止とされる事項を会話やエピソードとして自然に織り込むことで、“エホバの証人”の実態がよくわかるようになっている。特に“輸血の拒否”に関するエピソードが印象深い。
実兄の破門の理由は“そぐわない本を読んだ”からであった。本の内容は詳しくは言及していない。

破門した者は、家族との会話や食事も認められず、家を出なければならない。道で偶然会った場合でも挨拶することすら禁じられている。実際に、空気のように無視される場面もある。
家族意識が強い集団であるゆえ、宗教で結ばれた絆は強いが、その分、宗教で切り離された親子の縁は残酷である。「愛している」と言いつつ、「家族よりも神(エホバ)のほうが大事だ」とはっきり父親は言っている。“宗教とは何か”“家族とは何か”という自問が徐々に促されていく。親は子に何を教えるべきなのか、何を価値観として生きるべきか、観終わった後そんな問いが心に響いてきた。

world3.jpg結末に触れています。
彼へ別れの手紙を送り、教団へ反省文を書いたことで外泊のお咎めは免れたサラ。高校を退学し、伝道師になることまで決意したが、やはり彼のことが忘れられず、同棲を始めてしまう。結果、教団にバレ、サラも破門処分を下されてしまった。家族に会うことも話すことも許されず、悩み苦しむ姿があった。しかし、葛藤の末、彼女は故郷を去り、ヘルシンキで復学することを決意した。
実話を基ににしており、モデルになっているサラ本人は最後の列車のシーンで登場する。ヘルシンキ行きの列車に乗り込んできたサラに微笑むだけの登場だが、この笑顔は幸せいっぱいな笑顔だった。
その後、家族には会っていないと補足説明が入った。笑顔が本物の笑顔であったこと、再び家族に会えることを願いたい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10

光のほうへ (原題:Submarino) <2010/デンマーク=スウェーデン> ★★★★★ 

submarino.jpgSubmarino
2010/105min/デンマーク=スウェーデン
監督/共同脚本:トマス・ヴィンターベア「セレブレーション」「DEAR WENDY ディア・ウェンディ」
原作:ヨナス・T・ベングトソン/Jonas T. Bengtsson
脚本:トビアス・リンホルム/Tobias Lindholm「R」
出演:ヤコブ・セーダーグレンTerribly Happy」、ペーター・プラウボー、パトリシア・シューマン、モーテン・ローセ、ダール・サリム
受賞:デンマークアカデミー賞15部門ノミネート、5部門受賞ほか
音楽:Agnes Obel‘Riverside’
IMDb評価:7.6/10

邦題のセンス ★★★★
哲学度 ★★★★
映像美 ★★★★
衝撃度 ★★★
感動度 ★★★
宗教度 ★


公式ホームページはこちら
2011年 デンマークアカデミー賞ノミネート・受賞作品についてはこちら

トマス・ヴィンターベア監督といえば、ラース・フォン・トリアーと共に「ドグマ95」運動を起こした人物でもある。本作はドグマ映画ではない。2011年アカデミー賞デンマーク代表最終候補3作品に残っていたが、惜しくも逃してしまった。でも、きっと、ファンの多い日本でも公開はされるでしょう。2011年初夏公開予定。

submarino3.jpgアルコール中毒の母をもつ兄弟2人。さらに赤ちゃんが生まれるが、母は育児放棄。兄弟2人で赤ちゃんを育てるが、裕福な家庭ではなく十分なお金がない。仕方なく赤ちゃんのためにミルクを盗んでしまう。悪いことではあるけれど、母親の代わりにできる限るのことをし、知恵を出し合い良い名前を考え、教会で行うような洗礼(命名)まで行い、マーチンと名付けた。しかし、不慮の事故でその赤ちゃんを亡くしてしまう。10代の兄弟2人には辛すぎる突然死であった。心に深い傷を負ったまま時は経ち、2人はそれぞれ別の道を歩んでいた。生き別れになっていた2人は母の葬儀で再会を果たすが、兄は服役を終えてアルコール中毒に、弟はシングルファーザーで麻薬中毒になっていた…。

submarino1_20110401114657.jpg兄は友達想いで決して悪い男ではないが、自暴自棄でアルコール漬けの歪んだ日々を送り、過去を背負っている風貌である。弟は不慮の事故で亡くした赤ちゃんと同じ名前を息子につけた。母の二の舞にはなるまいという思いは強いが、ドラッグディーラーという危険と隣り合わせの生活である。
おそらく10年前後の空白があるだろうか。疎遠だった兄弟がお互いの空白の数年間のことを知らないように観客にもあまり教えてくれない。
母の葬儀で久しぶりの再会を果たすが、抱き合うようなことはしない。兄弟2人に余計な会話など必要なく、表情でお互いの気持ちを読み取っていて、漂う空気感が重くのしかかる。今まで2人をどれだけ苦しめてきたことか。

submarino4.jpgアルコールや麻薬に溺れるのは愛情や家族の欠如からであろう。孤独と絶望の闇で生きてきた2人にとって唯一の逃げる手段でもあった。母の遺産を拒否した兄の口から出た言葉は「あの人からは何ももらたくない。」であった。弟の死への罪の意識、そのトラウマが破片として胸を刺す。それでも母の死をきっかけに和解に向かっているかと思った矢先の悲劇はあまりのショックに言葉を失う。こんなにも苦しいドミノ倒し式の運命があるなんて。世界で一番幸せだと言われているデンマーク。運命に翻弄され、下流社会でうごめく兄弟2人の人生が痛い。
しかし、決して絶望的ではない。それでも、きっと光はある。そう思わせてくれるエンディングでのマーティンの笑顔が唯一の救いであった。

submarino2_20110401114657.jpg「Submarino」とは一般的には「潜水艦」の意味だが、「拷問」という意味もある。水に顔を沈め自白をさせる行為のことである。
人生において選択を迫られることは幾度となく訪れる。その度に間違った選択をしてしまった兄弟。時にブルー、時にグレーのフィルターがかかったような映像は運命という水の中のようでもある。彼らの人生はアルコールや麻薬に溺れ、もがき苦しみ、溺れる寸前であった。



非の打ちどころのない脚本と台詞、何といっても巧みな編集とスタイリッシュな映像美にはため息が出る。デンマーク映画らしくドラッグ使用シーンは刺激が強い。4人の人間が死ぬが、直接描写はなく、情に訴えかけてくるものがある。全体的には派手な演出ではないのに、選び抜かれたと思わせる台詞と映像にはかなりの説得力がある。ここまで心に突き刺さる作品は他にはない。スザンネ・ビア監督の「イン・ア・ベター・ワールド」よりも断然本作をオススメする。
1点気になることがある。弟の名が明かされていないことである。名前では呼ばず、「Brother」と呼んでいる。名前を付けないことでデンマーク社会の何かを示唆しているのだろうか。

<鑑賞> 英語字幕 2010/12/2、 2011/3/31

<追記 on 2011/3/1>
2011年アカデミー賞デンマーク代表最終候補3作品は、ご存じ「In a Better World」(監督:スザンネ・ビア)
と本作、「R」(監督:Michael Noer、トビアス・リンホルム)であった。
本国で一番の話題となっていたのは「In a Better World」ではなく、「R」でした。デンマークアカデミー賞では完全制覇している。その「R」の監督と脚本も務めたトビアス・リンホルム氏が本作の脚本を手掛けている。
本年度デンマークの映画界を最も賑わせた彼の名前はしっかりと私の頭の中に刻まれた。
ずっと追いかけていきたい。

悲劇的な話なのに観終わった後、一粒の光を感じさせてくれた。邦題の付け方に疑問を感じることがよくあるが、私の解釈通りの邦題が付けられたことをうれしく思う。
初版:2010/12/3
最新版:2011/4/2

(未) Brotherhood <2009/デンマーク> ★★★

brother.jpgBroderskab/Brotherhood
2009/90min/デンマーク
ドラマ、同性愛
監督/脚本:Nicolo Donato(長編デビュー)
出演:デイヴィッド・デンシックトゥーレ・リントハートニコラス・ブロSigne_Egholm_Olsen 
受賞:2009ローマ映画祭インターナショナル・コンペティション部門グランプリ
   2010ヨーテボリ映画祭 出品
   2011デンマーク・アカデミー賞 作品賞、監督賞、助演男優賞ノミネート
IMDb評価:6.9/10

2011年デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品についてはこちら




軍隊から戻ってきたラースは、これから進むべき道に悩んでいた。ある日、友人宅で出会った男性ミカエルに彼が所属するグループに入るよう誘われる。それはムスリムや同性愛者を襲っているネオナチグループであった。世話係をしてくれるジミーと一つ屋根の下で暮らすこととなるが、いつしか2人の間には違う感情が芽生えてしまう…。

brother1.jpg両親の束縛が入団へ後押ししてしまったように取れる。ラースは結局は逃げ出したかっただけで、どんなグループでも良かったのだろう。入団したことが原因で家を追い出され、世話係のジミーと衣食住を共にすることとなる。まだ知り会ったばかりで共同生活は遠慮がちだったが、徐々に友情が芽生え、次第にその感情は性の対象へと変わっていく。お互い相手の心情を探るような目配せやタイミングを見計らうかのようなやり取りはもどかしく、巧い。

brother3.jpg



勢いのまま体を重ね、翌朝はきまずい雰囲気に。同性愛者を嫌悪しているグループへ所属している2人は、自分たちの立場上関係を認めたくないのか、2人は昨晩の出来事に一切触れようとせずに距離を置こうとする。グループに事を知られれば、グループを追い出されるどころではなく、制裁を受けなかればならないことは百も承知である。グループを選ぶか、自分の気持ちに正直になるのか、苦悩する姿は痛いほど伝わってくる。

brother2.jpg
グループに所属していても正式なメンバーになる道は険しく、ジミーの弟パトリックは正式メンバーになれる日を待ちかまえていた。そんな矢先、自分より後に入団したラースが先に正式メンバーになってしまった。そして、ラースとのベッドインを見てしまったことで、兄弟にヒビが入り始める。Brotherhoodとはもともとは兄弟愛の意だが、ジミー・パトリックの兄弟愛と同時に、家族意識の高いグループの同志愛のことも言っているのだろう。弟、グループ、そしてラースへのジミーの思いが複雑に絡まり合う。

予想通りに展開するが、結末は意外だった。切なさが残るが、好感が持てるエンディングでもあった。本来なら目を背けたくなるような暴力シーンも暗闇の中なので残忍度が緩和されている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/28

未来を生きる君たちへ <2010/デンマーク> ★★★★

ようやく今朝、岩手・宮城在住の親戚全員の安否確認ができ、震災後、初の記事です。(最後の記事は予約投稿でした)
被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

in a better worldHaevnen/In a Better World
2010/119min/デンマーク=スウェーデン
監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボープッシャー」「Valhalla Rising
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
出演:ミカエル・パーシュブラントトリーヌ・ディルホムウルリッヒ・トムセンボディル・ヨアンセンキム・ボドゥニア
言語:デンマーク語・英語・スウェ語
受賞:アカデミー賞外国語映画賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞
   デンマークアカデミー賞主演女優賞
IMDb評価:7.7/10

2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら
2011年デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品についてはこちら



in a better world3学校でイジメに合っているエリアスの両親は離婚調停中である。父親は、医師としてアフリカの難民キャンプに赴任しているが、息子とはテレビ電話でよく話をしている。ある日、母親を亡くし、ロンドンから帰ってきたクリスチャンがエリアスのクラスに転入してきた。隣の席で次第に仲良くなり、行動を共にするようになる。エリアスのいじめに我慢できなくなったクリスシャンはついにイジメグループのリーダーを傷つけてしまう。ある時、父親は難癖をつけてきた男性に暴力を奮われる。理不尽な暴力に居合わせた息子とクリスチャンは仕返しするように父親を説得するが、「新たな暴力を生むだけだ」ときっぱり断る。父親を殴った男が許せないエリアスは父の代わりに仕返しを考える。それが子どものイタズラといったレベルのものではなく…。

in a better world2
権力による暴力と殺人がはびこっている赴任先のアフリカ。犠牲者が多く運ばれる難民キャンプで現実に直面し、心を痛めるエリアスの父親であった。クリスチャンが息子のために仕返しをしたことでいじめが明るみになり、息子も被害者であったことを両親は初めて知らされるのである。先生は夫婦の不仲や海外赴任といった家庭環境が一因でもあるという。アフリカの現状に心を痛めていたが、自分もいじめの要因を作っていたとは露とも知らずに。



in a better world1子どものいじめ。大人の暴力。権力による暴力と殺人。デンマークとアフリカといった全く異なった環境でも共通する問題を提起している。暴力が新たな暴力を生み、連鎖し続ける復讐。抵抗をせず、子供たちに暴力と復讐の無意味さを教えようとする父親。誰かがどこかで赦さなければ永遠に終わらない。よりよい世界(better world)を求めて、人々は復讐と赦しの狭間で揺れ動く。“やったらやり返す”クリスチャンにとっても“赦し”とはハードな試練となる。

負の感情を抑えてこそよりよい世界が生まれること。偶然にも、本作の前に観た「Dragonflies」も同様のテーマであった。復讐の果てに残るのは解放心ではなく、絶望と新たな傷だということを本作のほうが明確に示している。暴力の先には死も潜んでいることも示唆している。

監督の鋭い洞察力にはまたもや驚かされたし、面白かったが、デンマーク映画として観てしまうと平凡で少々物足りない。普遍的で万人向けであるのが世界で受け入れられる理由なのだろうか。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/11

(未) Terribly Happy <2008/デンマーク> ★★★☆


アカデミー賞デンマーク代表作品はコーエン兄弟のデビュー作にそっくり? - シネマトゥデイ


Terribly.jpgFrygtelig lykkelig/Terribly Happy
2008/90min/デンマーク
ドラマ、ミステリー
監督/脚本:ヘンリク・ルーベン・ゲンツ
原作:アーリン・イエプセン
出演:ヤコブ・セーダーグレン光のほうへ」、ルネ・マリア・クリステンセン、キム・ボドゥニアプッシャー」、Jens Jørn Spottag
受賞:
デンマーク映画批評家協会賞/作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・撮影賞・音楽賞   
デンマーク・アカデミー賞/作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・音楽賞・主演男優賞・主演女優賞
IMDb評価:7.0/10

2010年 アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表



コーエン兄弟のデビュー作映画『ブラッド・シンプル』(未見)を彷彿とさせる、と日本でも話題になっていた作品。「ブラッド・シンプル」より面白かった。本国で賞を総なめにしたのも記憶に新しい。アメリカでもヒットし、ハリウッドリメイクも決定している。

コペンハーゲンに勤務していた保安官アーリンはあることが理由で田舎町に配属される。一見すると、住人がいるのかと思うほど寂れ、犯罪も起こりそうにない田舎町だが、ほのぼのとした長閑さはなく、ピンと張り詰めたような空気が漂っている。全てを見透かしたような長老たちが目を光らせているのである。そして、次々と不思議な事件が起こり始める…。

terribly1.jpg自転車屋の主人は店をそのままにしてなぜ消えたのか?
地元住人はそれをなぜ不審に思わないのか?
ヨルゲン(キム・ボドゥニア)の娘は夜になるとなぜ人形を乳母車で散歩するのか?
町人は沼へ行き何をしているのか?
沼の中には何があるのか?

赴任早々、不可解な行動が目につき、保安官を不安にさせていくのである。ダークコメディーの効いた心理スリラーになっていて、まずは保安官VS町人の腹の探り合いが始まる。


泥水で中の見えない沼がメタファーになっていて、新たに沼に沈み隠滅していく証拠もあれば、沼から何かが発見され明らかになっていく事実もある。表面上は見えなかったのに、そこに立つと滲み出てくるカーペットの血も明らかになっていく町の実態のメタファーになっている。この町には古くから蔓延る独自のルールが存在し、時には法律や犯罪までねじ伏せてしまっている現実。洗濯物の干し方ですら、決められたルールがあり、保安官は注意・指導を受けるのである。
“郷に入っては郷に従え”という言葉もあるが、果たしてそれが正しいのか。

保安官赴任後の事件の犯人は明かされており、本作は犯人探しのスリラーではない。中盤からは、犯人VS町人との心理戦になり、犯人が追い込まれていく様を面白く描いている。



結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
2人を殺してしまった保安官。もううんざりだと、町を出ようとしたが、長老たちに引きとめられる。自分が犯人であることを長老たちは知っていたのである。町に残れば、町のルールに従って犯罪は帳消しにすると言われ、残留を決意する。一時は自首しようとしたが、正義よりも長いものに巻かれた方が得策だと思うのも人間の弱さである。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/8

(未) Nothing's All Bad <2010/デンマーク> ★★★

nothing1.jpgSmukke mennesker/Nothing's All Bad
2010/93min/デンマーク
監督/脚本:Mikkel Munch-Fals(長編デビュー作)
出演:ボディル・ヨアンセンセバスチャン・イェセンヘンリク・プリップ、Kurt Ravn、ダール・サリムピーター・ガンツェラー
受賞:2011年 デンマーク・アカデミー賞6部門ノミネート、助演女優賞(ボディル・ヨアンセン)
IMDb評価:7.1/10

変態度 ★★★
個性度 ★★★★
感動度 ★

2011年 デンマークアカデミー賞ノミネート・受賞作品についてはこちら





女性を見ると自慰行為をやめられないドナルド。体を売って小遣いを稼いでいる息子のヨナス。
酔って寝てしまい目覚めたら夫が死んでおり未亡人になってしまったイルゲボルグ。乳がんで乳房を失ってしまった娘のアン。普通ではない方法で知り合った4人の交差した運命は・・・。

失意の男女4人がよりよい人生を求める日常の奮闘記といった普遍的なテーマではあるが、4人の共通点である孤独や喪失感をアブノーマルな性で満たすという視点は面白い。ここで描かれる性とは男女間の性行為ではなく、アダルトビデオ、売春、強姦、自慰行為といった行為であり、違法や犯罪とされる行為まで恥じらいもなく堂々と描いている。北欧映画らしくゆったりと描かれる中で、時としてインパクトのある映像にギョッとさせられる。アカデミー賞外国語作品にノミネートされていたギリシャ映画「Dogtooth」ほどではないけど、本作もかなりの変態的な視点。未亡人イルゲボルグを演じるのはトリアー監督作『イディオッツ』で主演を務めたボーディル・ヨーゲンセン。

nothing.jpg冒頭では女性を見ただけで下半身が反応してしまうドナルドを変態的に描いているが、物語が進むにつれ、本人も悩んでいることがわかる。病院に通い医師に相談するが、医師も呆れた様子。他に医師に嫌悪療法を薦められるがうまくいかず、いっそのこと性器を自ら切り落としてしまおうとさえ考える。
片胸を失ったアンは、失った乳房を補うかのように残っている方の乳房を鏡に反射させる。そして、まだ女性であることを確認するかのように、アダルトビデオへの出演を決めるのであった。
男女問わず、体と引き換えに金を稼ぎ、その日暮らしをしていたヨナス。体だけではなく、心もズタズタになっていた。
イルゲボルグはバーで若い青年が声をかけてきたとに胸を弾ませるが、金目当てだったことを知り、愕然とする。

nothing2.jpg軽く結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
心ではいつも泣いている4人の独立したストーリーは巧みな脚本によって複雑に絡まり合っていく。彼らに共通するのは、それぞれ人には知られたくない性のエピソードがあること。その場限りの関係だったはずの相手とバッタリ出くわすことの気まずさから流れる寒い空気まで伝わってくる。でも、苦しみを知っているからこそ人の苦しみも理解できる4人は次第に打ち解け、ほんのり温かい気持ちになれるエンディングでした。社会の隅に弾き出されてしまったような4人。誰も目を向けようとしないキャラクター(特に露出狂)ですら愛着が湧いてくる、そんな作品でした。秘密や悩みを共有することで人間は幸せにもなれるのねぇ。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/16

アンチクライスト <2004/デンマーク=独=仏=スウェーデン=伊=ポーランド> ★★★

anti.jpg2009/108min/デンマーク=ドイツ=フランス=スウェーデン=イタリア=ポーランド
監督/脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:ウィレム・デフォー、シャルロット・ゲンズブール
IMDb評価:6.8/10

難解度 ★★★★
宗教度 ★★★★★
芸術度 ★★★★
残酷度 ★★★★★
衝撃度 ★★★★★
官能度 ★

<あらすじ>
愛し合っている最中に愛する息子を事故で失った夫婦。深い悲しみと自責の念からしだいに神経を病んでいく妻。セラピストの夫は自ら妻を治療しようと試みる。催眠療法から、妻の恐怖は彼らが「エデン」と呼ぶ森の中の山小屋からきていると判断した夫は、救いを求めて楽園であるはずのエデンにふたりで向かうが、事態は更に悪化していく。現代のアダムとイブが、愛憎渦巻く葛藤の果てにたどりついた驚愕の結末とは……?

<レビュー>公開前なので、ネタバレなしです。
話題の一つになっているモノクロのプロローグ。激しいセックス中、子どもが窓を乗り越え転落し、死んでしまうという内容。スローモーションで酔いしれてしまいそうな映像感覚だけど、直前に運悪く観てしまった韓国映画「パジュ」と同様の内容で、観るのを中断してしまっていた。気を取り直して観直したけれど、目を疑う性描写や目を覆いたくなる暴力シーンが満載で、終了後しばらく一体何が起こったのかわからず茫然としてしまった。鑑賞直後には心臓をえぐり取られたような気分で嫌悪感しか残らなかったが、あまりにも難解なので、鑑賞後時間をおいてから分析するといろんなものが見え始めてくる。
anti3.jpganti2.jpganti1.jpg
この難解を紐解くにはキリストについて考える必要がある。妻が「自然は悪魔の教会だ」というように、森は悪魔であって、そこに暮らすことによってキリストの呪縛からの解放・救済を求めているのだ。喪失感をセックスで埋めようとするが、救済は得られない。夫はキリストの象徴だと考えると、妻の行動も辻褄があってくる。そして、邪悪なものを吐き出そうとするのが、剥き出しの性となっているような気がする。あまりにも露骨な性描写はポルノ俳優が演じているらしいが、ゲンズブールも下半身丸出しの姿だったり、自慰行為まで披露してしまっている。ポスターにもなっている大木の根元でのセックスシーンも描写としてある。

映画はプロローグ、悲嘆、苦痛、絶望、3人の乞食、エピローグの6章から構成される。モノクロであるプロローグとエピローグは正気な姿が描かれ、カラーである他の4章では狂気の恐ろしく、痛い姿が描かれる。世界の創造主としての神よりもむしろ悪魔を描いており、人間の内に秘めた嫌な悪な部分をまざまざと見せ付けられてしまった気分にさせられた。

  プロローグとエピローグでの挿入歌「泣かせてください」の歌詞が興味深い。
 
  過酷な運命に泣かせてください
  そして、自由に焦がれることをお許しください
  悲しみが私の苦悩の縄を
  断ち切ってくれますように
  どうかお願いですから

  ジャコモ・ロッシ作詞 ヘンデル作曲 オペラ「リナルド」より

この歌詞に全てが集約されているようで、身震いがした。2シーンでエキストラが出演するが、台詞がある出演者は夫婦2人のみ(息子もあったかも)。2人芝居とは思えない重厚感、全く飽きさせない展開、スピード感もあり、難解度が高いにも関わらず、悔しいことに目が釘付けになってしまった。動物たちにも紐解く鍵が隠されているようにも思えるが、私の能力を遥かに超えているためよくわからなかった。日本劇場公開版は104分となっている。4分のカットは性描写なのだろうか。

<鑑賞> 2010/11/25

幸せになるためのイタリア語講座 <2000/デンマーク> ★★★

italian.jpg
ITALIENSK FOR BEGYNDERE/ITALIAN FOR BEGINNERS
2000/112min/デンマーク・スウェーデン合作
監督:ロネ・シェルフィグ (Lone Scherfig)
出演:アンダース・W・ベアテルセン、ピーター・ガンツェラー、ラース・コールンド
言語:デンマーク語、イタリア語
受賞:ベルリン国際映画祭銀熊審査員賞受賞など20賞受賞、12賞ノミネート
IMDb評価:7.1/10
 
<あらすじ>
冬、デンマーク・コペンハーゲン近郊のとある町。妻を亡くしたばかりのアンドレアスは、新任牧師としてこの町を訪れ、ホテルに泊まる。そのホテルのお人好しなフロント係ヨーゲンは、レストランで働く親友のハルにクビを宣告する役を上司から押しつけられ当惑する。そのヨーゲンへ秘かに想いを寄せているウェイトレスのジュリア。パン屋の店員オリンピアは偏屈な父親に閉口し、美容師カーレンはアルコール依存症の母を抱えていた。そんな彼らは、市の主催する週に一度のイタリア語初級講座で顔を揃えようとしていた。

<ドグマ95とは>
「ドグマ95」作品とは、デンマークにおける映画運動である。
1995年、ラース・フォン・トリアーらによって始められた。
「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールがある。

1、撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
2、映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
3、カメラは必ず手持ちによること。
4、映画はカラーであること。照明効果は禁止。
5、光学合成やフィルターを禁止する。
6、表面的なアクションは許されない(殺人、武器などは起きてはならない)。
7、時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
8、ジャンル映画を禁止する。
9、最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
10、監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。 (Wikepediaより)

資金難で撮影中止を余儀なくされた場合でも、映画が作れるというメリットがあるとか。

<レビュー>
邦題がネタバレしていて、どうも好きではない。
響きはキレイだが、ハリウッド映画好きを意識したようで気に入らない。
好みが分かれるであろうドグマ作品に商用的な邦題はいかがなものかと思ってしまうが。。。

悩みを抱えた独身男女6人がイタリア語講座を通じて見出した明るい希望を描いている。
デンマークって聞くと、社会福祉が充実していて、豊かな国のように思ってしまうが、
どんな国に住んでいようと何らかの不幸や悩みは背負っているもの。
6人が特別不幸なわけでもない。

さほど若くはない大人たちの恋愛は不器用でもどかしい。
素朴な画面から覗ける彼らの温かい眼差しが人間らしく、ほのぼのとさせてくれる。
若くはないからこそ難しいのかもしれないが、大人でも素敵な恋愛ができる!?

ドグマ手法のうんぬんはよくわからないが、本作はカメラのブレがひどく、開始そうそう酔ってしまった。
すぐさまi-phoneの小さい画面に切り替えたから最後まで観れたが、劇場鑑賞は厳しそう。

<鑑賞> 日本語字幕 2010/8/27

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