カテゴリー  [ ★北欧映画レビュー★ ]

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(未) I am yours <2013/ノルウェー> ★★

iamyours.jpg
Jeg er din/ I am yours
2013/100min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Iram Haq
出演:Amrita Acharia, オラ・ラパス, Prince Singh Armand Jordal
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★
ゴア度 ★

脚本 ★
演出 ★
演技 ★★


iamyours1.png

Minaは6歳の息子をもつシングルマザー。女優を夢見、オーディションを受けるが、そう簡単に仕事が見つかるわけではない。元夫は既に家庭をもっており、新しいパートナーと幸せに暮らしている。6歳の息子は父親の所にも行き来している。
パキスタン系の家系であり、両親は同じくパキスタン系の男性との再婚を勧めるが、気が進まない。買い物に寄ったショップである男性に出会った。映画関係の仕事でオスロを訪れたという。


iamyours2.jpgパキスタン系ということもあり、厳格な家庭を背景にしている。露出の多い服で男性とキスをしている姿を知り合いに見られ、両親に勘当されても尚、行きずりの男性と夜を共にしてしまう日々。男への依存心が高く、関係が終われば、また別の相手を探す。両親への反発なのか、あまりにも自由奔放。母親としての自覚にも欠けている。余計なお世話だが、どうやって生計を立てているのか、シングルマザーとしての苦悩は見えない。現実逃避しているだけの愛情に飢えたシングルマザーを通して、何を伝えたかったのか・・・。

本作を観ながら、真っ先にナオミ・ラパス主演「Daisy Diamond」を思い出した。両作とも北欧作品であり、女優を夢見るシングルマザーを描いている共通点があるが、完成度の違いは言うまでもない。本作は、偶然にもナオミ・ラパスの元夫オラ・ラパスが出演している。

2015/2/8
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Mirush <2007/ノルウェー> ★★★☆

blodsband.jpg
Mirush
2007/100min/ノルウェー
ドラマ
監督: マリウス・ホルスト
脚本: Lars Gudmestad, Bjørn Olaf Johannessen
出演: Enrico Lo Verso, Nazif Muarremi, Glenn Andre Kaada
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★☆
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


blodsband1.pngコソボに暮らす15歳のMirushは父親を知らずに育った。ノルウェーのオスロに出稼ぎに行ってるからだ。ずっと兄が父親代わりだった。

家に帰ると不釣り合いなテレビがリビングにあった。母は中古で安く買ったというが、どう見ても新品。この一家にそんな余裕はない。母が体を売って生計の足しにしていることを兄は知っていた。テレビもその男からのプレゼントだとすぐにわかった。兄はテレビをその男に返しに行こうとするが、その道中車に跳ねられこの世を去ってしまった。Mirushは兄の死の要因を作ってしまった母を捨てるかのように、父親が暮らすオスロへ向かう・・・。

監督は、「孤島の王(2010)」のマリウス・ホルスト。有名俳優が出演していれば、日本公開していたのでは!?
と思うと少々残念。

blodsband2.jpg15歳としては少々幼く見えるMirushだが、父が働いているレストランと幼い時に撮った家族写真2枚を握りしめ、単身オスロへ向かう。店に入っても、小汚く、ノルウェー語の話せない子供なんぞ誰も相手にしてくれない。それどころか、一番煙たがったのはむしろ父親だった。Mirushはそれでもめげず、従業員が帰ったあと、頼まれてもいない裏庭の掃除をし、小間使いとして雇ってもらえることに成功する。父親には自分が息子だとは明かしていない。徐々に息子だということを悟らせようとしているのである。故郷が同じだと知り、徐々に距離を縮めていく二人の心境の変化を丁寧に描いている。

父親に捨てられたと思い続けていたMirushの被害者意識とは裏腹に、出稼ぎで暮らすことの厳しさも同様に映し出される。親子とは、生きるとは、幸せとは何か。15年もの間離れていた親子が再び親子として幸せに暮らせる日々は来るのだろうか。そんな希望を持ちながら作品に身を任せていても、甘い展開はない。生き延びるために犯罪に手を染めてしまった父を目の前に、父を救うために目を瞑るのか、犯人に仕立てられそうになっている罪のない友人のために父を差し出すのか・・・15歳少年の決意は予想外の展開を導いている。

少々作り過ぎと思えるエピソードも多いが、Mirushを演じたNazif Muarremiの演技が素晴らしい。

2015/2/8
[サイト内タグ検索] 日本未公開 マリウス・ホルスト

(未) Together <2009/ノルウェー> ★★★★☆

together.jpg
Sammen/ Together
2009/100min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Matias Armand Jordal
出演:フリチョフ・ソーハイム、Catrin Larell Eide, Jonathan Espolin-Johnson, Mona Grenne
IMDb評価:6.5/10


社会度 ★★★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし(ヌードあり)
民族度 ★
ゴア度 ★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


together1.jpg息子の誕生日には家族でボーリングに行き、一家は週末のイギリス旅行を楽しみにしていた。車で空港へ向かう途中、夫婦は車内で言い争いになり、妻は車を降りた瞬間、背後から来たトラックに跳ねられてしまう。即死だった・・・。

監督にとっては本作が長編初となる。今後が楽しみだが、その後次作はないようだ。出演は、ベント・ハーメル監督「クリスマスのその夜に(2011)」のフリチョフ・ソーハイム。

冒頭では仲睦まじい家族の様子が描かれるが、事故後状況は一転する。無事に葬儀を終え、父親は平静を装うが、何事もうまく行かない。息子が食べたいというピザを作ろうとするが水の分量がわからない。学校のこともずっと妻に任せっきりで、担任の先生の名前すら知らない。息子が大好きなブルースリーのウンチクを披露するが、息子のほうがずっと詳しい。良き父親になろうと試みるが、残念ながら不器用な父の行動は全てが裏目にでてしまう。

together2.jpg車内での言い争いは、クレジットカードを持ってきたかどうかという些細なことであった。トランクに積んだ鞄に入っているという父親の言葉を確かめるために車を降りた母親であったが、その瞬間跳ねられてしまった。実際、クレジットカードは持ってきていなかった。自責の念にかられ、日々堕落していく父親の姿が軸に描かれる。

一人での子育ては難しいと考えた父親は落ち着くまで息子を福祉に預けることにした。しかしながら、むしろ強く生きようとしていたのは息子のほうであった。字が読めない息子であったが、父親を喜ばせようと、必死で読む練習をし、父親を励ましていた。本作で唯一の救いは息子の健気さである。一夜にして愛妻を失い、どん底に突き落とされた父親の堕落と父子の再生を描いた感動作。
身近な問題でもあり、リアリティーに溢れている。何度も涙した。

2015/2/8
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Daisy Diamond <2007/デンマーク> ★★★★

Daisy Diamond
Daisy Diamond
2007/94min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Simon Staho
脚本:Peter Asmussen
出演:ノオミ・ラパストゥーレ・リントハート、Benedikte Hansen
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 ★★★
官能度 ★★★
民族度 ★★★
ゴア度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★ 


アンナが願うのはただ一つ。女優として花開くこと。夢かなえるべく、スウェーデンからデンマークへ移り住んだ。4ヶ月の赤ん坊を抱え、良い生活を求めるアンナだが、運命は思わぬ方向へ・・・。

出演は、ミレニアムシリーズのノオミ・ラパス、「誰がため(2008)」のトゥーレ・リントハート

幼い赤ん坊を抱えたシングルマザーの話である。オーディションを受け、プロデューサーからは演技がうまいと言われるが専門的に学んでいないことを理由に、役はもらえない。別のオーディションを受けるが、いくらデンマーク語が話せても、スウェーデン語のアクセントが強いと言われ、やはり役は回ってこない。久しぶりにもらえる役といえば、台詞のない役や体を張る役ばかり。生活はどんどん困難を極める。満足に食事をしていないアンナは次第におっぱいが出なくなり、やがてオムツも買えなくなり、とうとう赤ん坊をお風呂に沈めてしまう。

daisy-diamond1.png夜泣きに悩まされるシングルマザーの苦悩を描いた作品は星の数ほどあり、普遍的なテーマであるが、本作は本来だったら描かれないタブーサイドに展開していく。

犯罪映画ではなく、死亡事件の行く末は描かれない。あくまでも母親の苦悩に焦点を当てており、はっきり言ってかなり重い。拷問をみているかのような不快感があるが、一方で作った感はなくリアリティーに溢れている。
ただただ平凡な幸せを願うだけの母親の過ちが報われる時はくるのか?
もし自分ならどうしていたか?
シーンごとに考えさせられ、余韻を残す結末も印象的。

気軽に観れる内容でもなければ、観る人を選ぶ作品であり、全くヒットしなかった事実にも納得だが、ノオミ・ラパスのベスト演技を聞かれたら間違いなく本作を挙げる。おそらく本作が初主演ではないだろうか。しかもほとんどが一人舞台。ミレニアムシリーズで名を馳せた彼女だが、圧巻の演技を見せている。

キス・ミー <2011/スウェーデン> ★★

kyss-mig-poster.jpg
Kyss Mig/ Kiss Me
2011/105min/スウェーデン
ロマンス、ドラマ
監督/脚本:Alexandra-Therese Keining
脚本:Josefine Tengblad (story)
出演:ルース・ベガ・フェルナンデス Ruth Vega Fernandez, リヴ・ミヨネスLiv Mjönes, Krister Henriksson
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★
哲学度 なし
宗教度 なし
官能度 ★★★
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★ 
演出 ★★
演技 ★★★ 

「第21回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」にて上映。

Miaのお父さんの60歳の誕生日パーティが開かれた。7年付き合っている彼氏Timとは婚約が決まり、パーティーで発表することにした。父は再婚したばかりで、あまり実家に帰らないMiaはそのパーティーで新しい家族と初めて会った。母親の娘Fridaともそのとき初めて出会った・・・。

再婚した二人は新しく姉妹になる二人が仲良くなることを願っていた。会ったばかりの二人は始めはぎこちなかったが、徐々に距離を縮めていくが、姉妹としてではなく、互いが恋愛対象として意識し始めてしまっていた。
Miaには婚約者、Fridaには同性の恋人がおり、二人とも浮気になってしまう。燃え上がる恋と同時に壊れる2組の関係を同時に映し出しているが、どうも表面的で中途半端。義理の姉妹が恋に落ちてしまう家族たちの戸惑いを描いているようだが、葛藤やエピソードがどれも弱く、インパクトに欠ける。結末まで読めてしまう大衆映画だった。

Kyss_Mig_17_C_pia.jpg2014/6/21
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(未) 90minutes <2012/ノルウェー> ★★★★

90minutes.jpg90minutes
2012/90min/ノルウェー
ドラマ
制作:マリウス・ホルスト
監督/脚本:Eva Sørhaug
出演:Bjørn Floberg, Fred Heggland, Aksel Hennie
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし(フルヌードあり)
民族度 なし
ゴア度 ★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


90minutes1.jpg高級アパートに暮らす初老男性。
家で家族と休日を過ごす父親。
赤ちゃんが生まれたばかりの若いパパ。
世代も生活レベルも異なり、共通点もない男3人のある決断をするまでの90分が並行して描かれるだけで、特にあらすじはない。

監督は、本作が長編2作目となるEva Sørhaug。まだ日本での公開作品はない。

90minutes2.jpgノルウェー、オスロ。人々が忙しく行き交う中、一見どこにでもいるような男たちだが、静かに暗闇から抜け出せず戦っている男3人のストーリーである。ある日の90分の出来事を切り取っただけで、彼らの行動を客観的にカメラは追っていくだけの作品。

時間軸は夕食前で、まだ外は明るい。それぞれが暮らす家は白を基調としており、清潔感があるが、ストーリーはちっとも明るくない。背景や人間関係はばっさり抜け落ちており、補足説明もなく、ストーリーは唐突に始まり、淡々と進んでいく。いろんなことを想像するしかないのだが、生きる希望を見失ってしまっている3人であるのは容易にわかる。彼らが暮らす世界は暗闇である。一つ一つの行動の意味は観る側の想像に委ねられており、人を選ぶ作品であることは間違いない。潰されそうな閉塞感。3者3様の結末が準備されている。久々の憂鬱作品だった。

生活レベルの異なる3人だが、幸せを掴むことの難しさは同様だった。長編2作目にして、挑戦的で実験的な作品。監督が女性というのに一番驚いた。

<観賞> 2013/8/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開 マリウス・ホルスト

(未) All That Matters Is Past <2012/ノルウェー> ★★★☆

お盆休みで、久々に映画観ています。ちょっと書ける余裕ができたので、久々のアップです。
やっぱり映画が好きなんだな~って再確認しながら、負担にならない程度にブログは継続予定です。
またお付き合いいただければ幸いです。

all that matters is pastUskyld/All That Matters Is Past
2012/105min/ノルウェー
ドラマ
制作:マリウス・ホルスト
監督/脚本:Sara Johnsen
出演:マリア・ボネヴィー クリストファー・ヨーネルデイヴィッド・デンシック
IMDb評価:5.5/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(男女のフルヌードあり)
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


all that matters is past1人里離れた森で過ごす男女。そこへ一人の男がやって来た。男2人は争いの結果、命を落とした。

時は経ち、カヌーで立ち寄った男性によって男2人の遺体が発見された。隣に横たわる女性は瀕死の状態だった。一体3人に何があったのか、3人の関係は…?

監督は、「Upperdog」のSara Johnsen。
出演は、「恋に落ちる確率」 マリア・ボネヴィー 、「隣人 ネクストドア」のクリストファー・ヨーネル、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」「裏切りのサーカス」デイヴィッド・デンシック

all that matters is past2事件の現場だけを見る限りではJanneは目の前で恋人を殺された被害者であり、唯一の目撃者である。ところが、警察の捜査が進むにつれ、3人は幼馴染であり因縁が絡んだ事件であったことが浮き彫りになっていく。

警察の視点で事件の背景を追っていく展開は、日本の2時間ドラマと同様である。しかし、本作は犯人探しでもなければ、犯人が捕まるわけでもない。現在・3人の出会い・再会の3次元が交差し、ドラマチックな展開が要所要所に盛り込まれている。片田舎の小さなコミュニティーで過ごしてきた彼らにしては少々作りすぎた感はあるが、幼少時代の出会いと出来事がJanneに与えた影響力の大きさを物語っている。

原題は“無罪”の意だという。事件の生存者となったJanneははたして被害者なのか、加害者なのかを考えさせる作品である。
Janneの40年間の生き方は同じ女性として共感できる点も少なくないが、自分の気持ちに正直に生きた女性の結末としては悲しすぎる。

<観賞> 2013/8/15

(未) Truth About Men <2012/デンマーク> ★★★

truth about menTruth About Men/Sandheden om mænd
2012/91min/デンマーク
コメディー、ドラマ
監督/脚本:ニコライ・アーセル(Nikolaj Arcel)
脚本:Rasmus Heisterberg,
出演:トゥーレ・リントハートツヴァ・ノヴォトニーRosalinde Mynster、Signe Egholm Olsen、Henning Valin Jakobsen、Karen-Lise Mynster、イーベン・ドールナダール・サリムキム・ボドゥニアニコラス・ブロ、ビアギッテ・ヨート・スレンセン、ラース・ミケルセン、イェンス・アルビヌス
IMDb評価:6.8/10
社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★
ゴア度 なし
脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★


truth about men2今まで23人と付き合ってきたマッツ。子供の頃から自分からアプローチしたことがなく、適当に女の子と付き合ってきたという。10年交際している彼女と結婚秒読みとされていたが、子供を欲しいと思わないマッツは結婚には踏み切れない。そんな男の初めての決断は、10年付き合った彼女と距離を置くことだった。やっぱり彼女とやり直したいと思った時には、もう新しい彼氏ができていた。自分の考えを理解してくれる彼女探しが始まった…。

監督は、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」(2013年4月公開)「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (2009)」脚本のみのニコライ・アーセル。
出演は、「天使と悪魔(2009)」「誰がため (2008)」のトゥーレ・リントハート、「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 (2005)」のツヴァ・ノヴォトニー、、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)」のRosalinde Mynster、「「ゾウズ・フー・キル 殺意の深層」のイーベン・ドールナ、「デビルズ・ダブル -ある影武者の物語- (2011)」のダール・サリム ラース・フォン・トリアー作品でお馴染みのイェンス・アルビヌス。

truth about men1主人公マッツは恋愛経験は豊富だが、本当の愛を知らない男34歳。職業は映画のライターであり、映画と人生を重ねた演出がなされている。映画には盛り上がりが必要なのと同じように、人生にも盛り上がりが必要だと考えるマッツだが、34年の人生においてそんな瞬間は一度も訪れていない。このまま一人ぼっちで終わってしまう人生なんてまっぴらだ、と思うようになったマッツがパートナーを探しながら真実の愛を見つけるまでを描いた娯楽作品。男性目線の結婚観が描かれる。タイトル“Truth About Men”と複数形になっているが、マッツだけの話である。

人生のアップダウンの影には恋愛があり、引きずっている恋への終止符が人生のターニングポイントとして描かれる。男性目線といえども、共感できるポイントも多い。映画をヒットに導くための製作会議の風景など、映画好きとしては興味深く、映画には盛り上がりが必要だなんて台詞もあるのに、本作自体に盛り上がりはないのは残念。

見所は、ストーリーよりもため息がでるほどの錚々たる出演者がチョイ役で顔を出していること。主役級ではなく、日本では無名の人たちばかりだが、ウォーリーを探せ的な感覚で楽しませてもらった。

<観賞> 2013/2/27

愛さえあれば <2012/デンマーク> ★★★☆

2013年5月17日公開予定。

Love Is All You Need愛さえあれば/Love Is All I Need
2012/116min/デンマーク
ロマンス、コメディー
監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:ピアース・ブロスナン、トリーヌ・ディルホムキム・ボドゥニアパプリカ・スティーンボディル・ヨアンセンセバスチャン・イェセン

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし
脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


Love Is All You Need1娘の結婚式のためにイタリアへ旅立つ前日、イーダは病院から予定より早めに帰宅すると旦那は女を連れ込んでいた。乳がん治療に苦しんできたイーダにとってこれ以上の裏切りはない。夫はすぐさま家を出ていき、娘の結婚式で落ち合うことにした。その後、イーダは空港の駐車場で事故を起こしてしまう。被害者は偶然にも娘の婚約者の父親であり、イタリアへ向かうところであった。2人は一緒にイタリアへ向かう…。

監督は、「未来を生きる君たちへ」「アフター・ウェディング」「ある愛の風景」のスサンネ・ビア。
脚本は、監督とのタッグは5作目となるアナス・トマス・イェンセン
出演は、、「未来を生きる君たちへ」のトリーヌ・ディルホム、「007」シリーズでおなじみのピアース・ブロスナン、「未来を生きる君たちへ」「プッシャー」のキム・ボドゥニア、「しあわせな孤独 (2002)」のパプリカ・スティーン

Love Is All You Need2原題は“坊主のヘアドレッサー”。乳がん治療のために頭髪を失った美容師イーダのことである。乳がんの治療が落ち着き、喜びの報告をしようとした矢先に発覚した夫の浮気。そして直後の衝突事故。被害者のフィリップもまた、妻の死から立ち直れないでいた。2人の出会いを軸にしたほろ苦くも温かいラブコメディー。

舞台は、南イタリアにあるフィリップの別荘。海が望める豪華な別荘でそれぞれの家族や友人たちが集まり挙式が行われる予定である。結婚式を挙げるまでの数日間を背景に、家族の悩みやキャラクター像がどんどん掘り下げられていく。登場人物は傷を負っている人たちばかりだが、愛らしい魅力的なキャラクターばかり。掘り下げられていく過程は、鋭い人間考察であり、それぞれが本当の幸せを見つけ、再生していく過程がじっくり描かれる。必ずしもハッピーな展開ばかりではないが、悲観さはなく希望に満ち溢れ、前進することで人生は変えることができるという前向きなメッセージが込められている。

ビア監督×イェンセン脚本のタッグは本作で5作目になる。ビア監督としては(おそらく)初であり、意外にも感じられるコメディー色が強めな趣きの異なる作品。身近に潜んでいるシリアスな問題を取り上げるあたりはビア監督らしく、キャラクター設定やユーモアのセンスにはイェンセンらしさを感じる。2人のそれぞれの特色がうまく融合された作品に仕上がっている。

<観賞> 2013/3/2

【ドラマ】The Bridge <2011/スウェーデン=デンマーク> ★★★★★

あの「THE KILLING/キリング」に続いて 大ヒット!デンマーク・スウェーデン合作の極上北欧ミステリー。
国境の上に残された死体、それは連続殺人の始まりだった。映画『セブン』を彷彿とさせる傑作サスペンス。

3/25(月)より、、スーパー!ドラマTV にて二カ国語版と字幕版で独占日本初放送スタート!
【二カ国語版】毎週月曜22:00~23:00、金曜23:00
【字幕版】毎週月曜24:00~25:00、土曜21:00

http://www.superdramatv.com/line/the_bridge/

bridge.jpgBron/Broen
2011/60in×10話/スウェーデン=デンマーク
犯罪、ミステリー、スリラー
監督:Henrik Georgsson、Charlotte Sieling、Lisa Siwe
出演:ソフィア・ヘリン、キム・ボドゥニア、Sarah Boberg、Henning Valin Jakobsen
IMDb評価:8.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★
ゴア度 ★

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★★

スウェーデンとデンマークを結ぶ橋が48秒間停電し、その間ちょうど橋の国境に女性の遺体が放置されていた。遺体の身元は捜索願が出ておりすぐに判明したが、上半身がスウェーデン人、下半身がデンマーク人のものであり、スウェーデンとデンマークの合同で捜査が進められることとなった…。

出演は、「アーン 鋼の騎士団 (2007)」のソフィア・ヘリン、「プッシャー(1997)」「THE KILLING/キリング (2007)」のキム・ボドゥニア

bridge2.jpg主人公は、スウェーデンの女刑事Saga。金髪に皮パン、スポーツカーを颯爽と乗り回す彼女は、強い正義感と行動力、分析力は男顔負けの働きっぷり。だが、寝る間を惜しんで働く彼女の仕事への取り組む姿勢とは裏腹に、感情表現が苦手で、うまくコミュニィケーションを取ることができず、人々からは変わり者と言われている。男性が目の前にいても構わず着替えをしてしまうが、いつものことなので周囲は気にも留めていない。人からどう思われていようと気にもせず、常に我が道を行くタイプ。面倒くさい駆け引きもできない。ある日クラブへ行くと、男性が近づいてきてお酒をおごってくれるというが、断る。なのに去っていく男を追いかけ、「お酒はいらないけど、家でセックスはどう?」なんてさらりと言ってしまう。事が終われば、寝てしまう男性の横で殺害現場の写真を広げてしまう始末。警察官だと知った男はそそくさと帰るのであった。

一方、合同捜査をすることとなったデンマーク人刑事Martinは家族思いで長男の引きこもりを心配しつつも、浮気が原因で何度も離婚の危機を迎えている。今回の事件では毎日スウェーデン警察署へ出向くためなかなか家へも帰れない日が続く。よって、Sagaと接する時間が多く、Sagaの言動に戸惑いつつも、ちゃんと指摘してあげたり、正しい方向へ導いてあげる面倒みの良さ。何の共通点もないように見える2人だが、変わり者のSagaをうまくコントロールしつつ、信頼関係が築かれていく過程は自然で丁寧に描かれる。キャラクターの違う2人のセリフ回しも面白く、事件解決と同時に最終話に向けてSagaの人格まで良い方向へ向かっていく。初盤では皮肉っぽくてどこか苛立たしかったSagaのキャラクターだが、不思議と終盤に向けて愛おしくも感じようになっていた。

bridge1.jpg英国での北欧ブームに便乗し、欧州で大ヒットとなっているらしい作品。これは大いに納得。橋の事件の犯人探しを軸とし、一見するとどこの国にでもありそうなありふれた犯罪ドラマだが、とにかく展開運びと見せ方が上手い。一話完結ではなく、10時間の超大作映画を観ているかのようでもあり、橋の事件の犯人も終盤まで全く読めない。惑わす豊富なエピソードが積み重ねられていく複合構成、増えては何度も覆される容疑者候補たち、数々の伏線、それを処理する過程の丁寧さ、そして意表をつく終盤、SagaとMartinの知られざる過去…観れば観るほど引き込まれるというより、どっぷり引きずり込まれた。謎解きとしてのストーリーの面白さはさることながら、更に主要キャラクターの魅力が加わり、SagaとMartinのコンビネーションが良い化学反応をみせている。個々のヒューマンドラマに落とし込んでいく構成もかなりの見事。

2013年、本国でシーズン2が放送予定とのこと。引き続きキム・ボドゥニア演じるMartinの出番はあるのか、前向きになったSagaの恋愛観がどう変化をみせていくのか…。デンマークの政治ドラマ「The Fortress」同様、待ち遠しく待つことにする。

<観賞> 2012/7/20
初版:2012/7
最終版:2013/3

【ドラマ】コペンハーゲン/首相の決断 (原題:Borgen) <2010/デンマーク> ★★★★★

「THE KILLING /キリング」のスタッフが贈る、デンマーク初の女性首相を描いた傑作ポリティカル・ドラマ、スーパー!ドラマTV にて2013年独占日本初放送決定!本放送スタートに先駆け、第1話を先行プレミア放送!

「コペンハーゲン/首相の決断」第1話先行プレミア放送
3/30(土)22:00~23:00
http://www.superdramatv.com/line/borgen/

Borgen.jpgBorgen
2010/58min×10話/デンマーク
ドラマ、政治
監督:Annette K. Olesen、Mikkel Norgaard、Rumle Hammerich、Soren Kragh-Jacobsen
製作/脚本:Adam Price
脚本:トビアス・リンホルム
出演:シセ・バベット・クヌッセン、ビアギッテ・ヨート・スレンセンピルウ・アスベックミケール・ビアクケーアダール・サリムパトリシア・シューマンソーレン・マリンイーベン・ドールナ、セバスチャン・イェセン、Signe Egholm Olsen、Petrine Agger
IMDb評価:8.1/10

社会度 ★★★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


borgen1.jpg政治担当女性ジャーナリスト・カトリーヌの恋人オレが心臓発作で亡くなってしまった。妻子がおり、現政権自由党の顧問をしているオレとの関係を知られるわけにはいかないカトリーヌは、国民党のスピンドクターであり友人のキャスパーに助けを求めた。カトリーヌが部屋にいた証拠を隠そうと部屋を訪ねてきたキャスパーはある書類を見つけてしまう。それは現政権自由党を貶めることのできる書類であり、労働党へ手渡してしまった。
総選挙を間近に控えたテレビ番組での政治討論番組において、現政権自由党のリーダー・ラースの妻の金銭スキャンダルが暴露されてしまった。それはキャスパーが労働党へ渡してしまった書類から発覚したことであった。その結果、選挙で圧勝となったのは国民党。政権交代し、女性初となる首相ブリジットが誕生し、労働党に通じたキャスパーは首になってしまった…。(1話あらすじ)

監督は、「Little Solder(2008)」Annette K. Olesenが4話分、「Klown」のMikkel Norgaardが2話分、「Headhunter(2009)」のRumle Hammerichが2話分、「What No One Knows(2008)」のSoren Kragh-Jacobsenが2話分を担当している。
脚本は、「光のほうへ」のトビアス・リンホルム
出演は、「アフター・ウェディング (2006)」のシセ・バベット・クヌッセン、「The Escape(2010)」のミケール・ビアクケーア、2011 シューティング・スターを受賞したピルウ・アスベック、「光のほうへ(2010)」のパトリシア・シューマン

日本でもCSで放送され、アメリカでもリメイクされたデンマーククライムドラマ「THE KILLING/キリング(原題:Forbrydelsen)」と同じチーム制作のデンマーク発政治ドラマ。2011年デンマークでは政権交代があり、初の女性首相が誕生したのは記憶にも新しいが、本作はその一年前に放送されている。2010年にスタートし、2013年には第3シリーズの放送が決定しており、ヨーロッパ各国では吹き替え版も放送するほどの人気ぶり。おそらく日本でも放送されるのではないかと思うので、各話ごとの記事は書きません。

borgen2.jpgBorgenとは直訳すると“お城”の意のようだが、“国会議事堂”を指すそうで、シーズン1では総選挙3日前から任期が1年経過したところまで描かれる。アフガンへの兵士派遣、少女暴行、環境問題、アフリカの飢餓、EU財政などのトピックに加え、政権交代、与野党争い、党間の駆け引き、支持率低迷など日本にも通ずる問題にも触れている。国は違えど、抱えている問題は我が国とさほど変わりない。難しい問題を深堀りしていないので、EUや政治に詳しくない私でもそれなりに楽しめた。

だが、本作の本当に面白いのは、政治ドラマだけではなく、登場人物の葛藤など心理を掘り下げたヒューマンドラマにある。みな仕事以外にも家庭環境や生い立ち、恋愛で問題を抱えており、仕事とプライベートの両立の難しさがよく描かれている。

子供二人の母親でもある首相ブリジット、独身の女性ジャーナリスト・カトリーヌはどちらも野心的な女性。何かを犠牲にして働く姿、家庭や恋愛の両立など、女性視点で描かれ共感できるところも多い。特に、首相ブリジットの家庭問題にすごく重点を置いている。庶民派であり、息子のトラブルで学校に呼び出されれば首相自ら学校へ出向くし、朝食も必ず一緒にとるように心掛けている。しかし、寝る時間もない妻とのセックス問題、家事全般を請け負っている夫の苦悩、子供たちへのストレスなど様々な視点で描かれ、いろいろ考えさせられる。行く末は濁されており、シーズン2に持ち越されている終わり方をしている。まだ英語字幕版が発売されていないので、首を長くして待つことにする。

<観賞> 2012/4/20-5/9
初版:2012/5
最終版:2013/3

チャイルドコール 呼び声 <2011/ノルウェー=独=スウェーデン> ★★★☆

2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー

babycall.jpg
Babycall/The Monitor
2011/75min/ノルウェー=ドイツ=スウェーデン
ミステリー、スリラー
監督:ポール・シュレットアウネ(Pål Sletaune(長編監督4作目)
出演:ノオミ・ラパスクリストファー・ヨーネル
IMDb評価:5.6/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
迷宮度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★


babycall1.jpg夫の暴力や虐待から逃れ、8歳の息子アンダースとともに郊外のアパートに引越してきたアンナは、就寝中の安全確保のため、息子の部屋に「チャイルドコール」と呼ばれる監視用音声モニターを取り付ける。しかし、ある晩、チャイルドコールから謎の悲鳴が聞こえ、アンナは他の部屋の子どもの悲鳴が混線して聞こえたのではと疑いを抱く。さらに、アンダースの通う学校に夫が現れたという話が耳に届き、アンナの不安は日に日に募っていく…。@映画.com

監督は、「ジャンク・メール」「隣人 ネクストドア」の ポール・シュレットアウネ。
出演は、ミレニアムシリーズ、「プロメテウス」のノオミ・ラパス、「隣人 ネクストドア」のクリストファー・ヨーネル

babycall2.jpg集合住宅へ引っ越しまだ間もない頃、アンナはバスである男性を見かけ気になっていた。息子のために“チャイルドコール”を買いに家電量販店へ行くと、バスで見かけた男性が働いており、親切に接客してくれた。それを機に何度か会うようになり、“チャイルドコール”の不具合や使い方だけではなく、次第に息子の相談までするようになり、2人の距離は縮まっていったが…。

無線の混線を題材にし、同機種だと他の声を拾ってしまう可能性があることをうまく利用した独特な切り口の心理スリラー。我が子を守ろうとするあまり心のバランスを崩していく母親アンナの話である。主人公が出口の見えない迷宮に迷い込んでいく独自の世界観にはぐいぐい引き込まれてしまうスリリングさ。人間心理の奥底が炙り出されていく。アイデアも面白く、演技派2人の演技もいうまでもない。

前作「隣人 ネクストドア」には神経を逆なでするような嫌悪感や非現実的な空間による恐怖があり、観る者を選ぶ作品ではあったが、本作は母性愛が根底にある共感性の高いストーリー展開になっている。比較的まろやかな仕上がりで、万人向きになってしまったという残念な思いもあるが、独特な切り口と心理描写による恐怖は十分楽しめる。切なさが残る結末や伏線の多さは前作同様。本作も何度か観てはその都度理解度を深めていくことになるだろう。

<観賞> 2012/5/18

隣人 ネクストドア <2005/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク > ★★★★★

2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー

Naboer_20120216154803.jpg

Naboer/Next Door
2005/75min/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク
ホラー、ミステリー、スリラー
制作:マリウス・ホルスト
監督:ポール・シュレットアウネ(Pål Sletaune)(長編監督3作目)
出演:クリストファー・ヨーネル、セシリー・A・モスリ、ジュリア・シャハト、ミカエル・ニクヴィスト
IMDb評価:6.7/10

社会度 なし
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★★★★
ゴア度 ★★★☆
迷宮度 ★★★★
衝撃度 ★★★★  


naboer2.jpg同棲中の恋人が出ていってしまった。1人になってしまったヨンは茫然としながらエレベーターに乗っていたら、見たことのない女性が乗っていた。同じ階で降り、隣に住んでいるというその彼女アンは、ヨンに重い物を動かすのを手伝って欲しいと依頼してきた。快く引き受け部屋に入ると、アナの妹キムがいた。初対面であるにも関わらず、なぜか姉妹2人はヨンを誘惑し始める。たじろぐヨンであったが、とうとう誘惑に負けてしまった…。

監督は、長編3作目となるPål Sletaune。次作で最新作「BabyCall」がUKで話題を呼んでいるようで、早くも期待高まる。
主演はノルウェー映画ではお馴染みのクリストファー・ヨーネル。好きな俳優さんの1人。日本で観れるのは現時点では「微熱 愛と革命の日々 (2006)」 のみで、ステラン・スカルスガルド主演の「孤島の王(2010)」が2012年GW公開予定。
出演は、ミレニアムシリーズのミカエル・ニクヴィスト。

naboer1.jpgサディスティックでエロティック、挑発的で暴力的。 コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間での独特な空気感は時折背筋が凍るほど気味悪く、妖艶な姉妹2人からは危険な香りが漂う。主人公のヨンは、物静かで謙虚な印象の男性。傷心のヨンの精神状態を映し出した心理ホラーの傑作。私がこれほど惚れ込んだ作品はなく、これを超える心理ホラーには出会えていない。

ヨンの身に降りかかった出来事を全て知っている姉妹2人。彼女が出て行ったことも知っていた。隣だから聞こえてしまうと言うが、ヨンは今日まで2人の存在すら知らなかった。そもそも安アパートではなく、声が筒抜けになるほど壁が薄いとも思えない。姉妹の口から出る言葉全てに恐怖を感じるヨンであったが、一方で魅惑的な魅力に取りつかれてしまい、事態はとんでもない方向へ進んでしまう。

naboer3.jpg正直なところ、軸となるストーリーはそれほど新鮮な話ではない。多分どこの国にでも既に描かれているような話ではあるが、不安定な精神状態に注目した着眼点が平凡になりがちな話をうまく調理している。マンションの一室という閉鎖的な空間が出口のない迷路のようで無限なのではないかと錯覚させる見せ方や、姉妹のアクの強いキャラクターと今にも倒れそうなヨンのキャラクターのギャップ、挑発的で惹きつけられるスピード感ある展開、アイデア溢れるストーリーの肉付け、全てにおいて絶妙なバランスを奏でた勝利でしょう。
キーとなるのは、多くの扉とそれを開けるための鍵。おそらくヨンの脳内を扉で表現しているのではないかと思う。ラストに畳みかけるかのごとく押し寄せるラストの衝撃には鳥肌が立った。

<鑑賞> 2010/5/22、2011/12/26

初版:2010/5/24
最終版:2012/2/16(★4つを5つに変更)

(未) Teddy Bear <2011/デンマーク> ★★★☆

teddy bearTeddy Bear
2011/92min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Mads Matthiesen(デビュー作)
脚本:Martin Zandvliet
出演:Kim Kold、David Winters、Lamaiporn Hougaard
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★ 

teddy bear138歳のデニスはボディービルダーだけでは生計を立てることは難しく、警備員の仕事もしている。母親と一緒に暮らし、今でも女性と付き合ったことがない。同じジムに通う女性とのデートもうまくいかない。幼馴染が結婚することとなり、家に招待されると新妻はタイ人であった。デニスの母親は、外国人でデンマーク語の話せない奥さんをもらったことに批判的であったが、デニスはどこで知り合ったのか興味を持ち始める。幼馴染に勧められ、デニスもタイに行くことにした…。

監督は、デビュー作となるMads Matthiesen。

デニスの帰りが少しでも遅いと、小学生の子供を心配するかのように母親は落ち着かない。女性とのデートで遅くなった日も、母親へは男友達と映画を観ていたと嘘をついている。タイへ行くことも母親へはドイツでボディービルダーのコンテストがあると嘘をついている。

teddybear2.jpg“Teddy Bear”とはうまいタイトルをつけたものだと関心させられた。ボディービルダーという職業柄、デニスの筋肉はムキムキだが、38歳の息子は母親にとってはいつまでもテディーベアのような可愛いぬいぐるみのまま。子離れしていない母親である。

ジムで顔を合す女性とのデートの様子からスタートする。会話はぎこちなく、長い沈黙がさらに雰囲気を悪くしている。女性との経験がないことも窺い知れる。母親思いでやさしく、真面目なデニスだが、事が上手くいきそうな兆しは一向に見えない。幼馴染が教えてくれたタイのお店へ行っても奥手のデニス相手では何も発展しない。ところがそんなデニスにも運命の出会いはある。

デニスが本当の愛を見つけるまでの過程を描いた作品。一歩踏み出すことの勇気だったり、時には大胆な行動が温かい目線かつ自然に描かれている。

<観賞> 2012/9/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) The Bambie Effect <2011/ノルウェー> ★★☆

bambi.jpgBambieffekten/The Bambie Effect
2011/70min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Øystein Stene
出演:ジュリア・シャハト、ヴィクトリア・ヴィンゲ、Kim S. Falck-Jørgensen、Knut Joner、クリストファー・ヨーネル
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★ 


bambi1.jpgベロニカとセシリーはインターネットで知り合い、スケート場で初めて顔を合した。2人は同じ目的を持っており、ベロニカの家族が持っているサマーハウスで一緒に暮らしながら、計画を煮詰めていくことにする。出会いから計画実行まで全ての出来事を記録に残そうと、ベロニカはカメラを回し始める…。

監督は、アニメ出身のØystein Stene。フィクション映画は本作が初監督となるもよう。
出演は、「コールドプレイ(2006)」「ナチスが最も恐れた男 (2008)」のヴィクトリア・ヴィンゲ、「ネクスト・ドア/隣人(2005)」のジュリア・シャハトクリストファー・ヨーネル


bambi2.jpg2人の共通する目的とは“自殺”であり、サマーハウスで数ヶ月間かけて煮詰めた計画とは自殺方法である。まさにポスターのような入水自殺。アニメ出身の監督らしく、可愛らしいアニメのポスターにしているが、そんな内容を期待すると思いっ切り裏切られることになる。

ベロニカが回すカメラ記録そのものが映画となっている。ベロニカが撮影した映像はセシリーとの出会いから“自殺”を実行するまでの記録撮りであり、死後悲しむであろう家族へ残された遺書でもあった。不思議とさほど重くもなければ、暗くもない。死ぬ直前まで友人と一緒であり、孤独ではなかったということを家族へ伝えたいという意思も伝わってくる。

“バンビ”とは“幼い”“初心者”という意味があることを鑑賞後に知った。幼い頃の何かが原因で自殺を決意したことは劇中でもやんわりとほのめかされている。異なった人生を歩んできた2人の家族構成や生い立ちなどは2人の会話から読み取れるのだが、イマイチ自殺の理由が明確ではない。

素朴さと臨場感は味わえるのだが、揺れがかなりひどく少々観ていてきつかった。と同時に、明確でない自殺理由や自殺までの映像を観た遺族の気持ちを考えるとやりきれない。ノルウェーってなんでこんなにウツ映画が多いのだろうか!?

<観賞> 2012/9/17

(未) Those who kill- Shadow of the Past <2011/デンマーク> ★★

Those Who KillDen som dræber - Fortidens skygge/Those who kill- Shadow of the Past
2011/90min/デンマーク
犯罪、ドラマ、スリラー
製作: ヨナス・アレン、ピーター・ボーズ
出演: ラウラ・バック、ヤコブ・セーダーグレンラース・ミケルセンイーベン・ドールナ、Petrine Agger、レアゲ・ヴィンダ・アナスン
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★
哲学度 ★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 ★

脚本 ★ 
演出 ★
演技 ★★★


路線バスで無差別殺人が起こった。プロファイラーのトーマスが事件現場へ向かうと、どこかで見覚えのある殺人方法だった。トーマスは刑事になる前は軍人のカウンセラーをしていたことがあり、その時の患者が描いていた奇妙な絵の通りだった。長男が産まれる時、トーマスはその患者のカウンセリングより出産立ち会いを優先したことがあり、犯行は自分への復讐だと悟る…。

Those Who Kill1出演は、「光のほうへ」のヤコブ・セーダーグレン、「The Escape」のラース・ミケルセン、「The Fortress(ドラマ)」のPetrine Agger、レアゲ・ヴィンダ・アナスン。

WOWOWでも放送されたドラマ「ゾウズ・フー・キル」シリーズの映画版および最新作。金髪女刑事とプロファイラーがコンビを組んで事件にあたるスリラー作品。登場人物や軸となるストーリーはドラマから引き継がれているが、事件は一話完結のため、ドラマ未見でもそれなりに楽しめる。

カウンセリングの患者の絵の通りの殺害であり、序盤から犯人の目星はついている。犯人はどこにいるのか?次はどの絵が犯罪になるのか?阻止するにはどうしたらいいのか?といった犯罪心理のプロファイルを元に捜査が進められていく。最後にどんでん返しはあるが、面白いのは序盤だけで、中盤からは流れが読めてしまい失速気味。ありきたりな刑事ドラマで設定も演出も何一つ新鮮味がない。それどころか、女刑事とトーマスの微妙な関係が何も解決されず曖昧なまま収束し、続編へ持ち越されそうな展開がかえってもどかしい。

ここ数年、ヨーロッパでの北欧ドラマは大人気であり、本作もその一つのようだが、人気の理由が今一つわからなかった。お目当ての俳優がいる人だけ観ればいい内容。このシリーズはもう観ない。

<観賞> 2012/7/16

エージェント・ハミルトン~祖国を愛した男~ (英題:Hamilton: In the Interest of the Nation) <2012/スウェーデン> ★★

hamilton.jpgHamilton: In the Interest of the Nation
2012/109min/スウェーデン
アクション、ドラマ、スリラー
監督:キャスリン・ウィンドフェルト(Kathrine Windfeld)
原作:ヤン・ギィユー(Jan Gillou)
出演:ミカエル・パーシュブラントペルニラ・アウグストジェイソン・フレミングデイヴィッド・デンシック
IMDb評価:6.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

スウェーデンの工作員ハミルトンは同棲している彼女にはすぐ戻ると伝え、ロシア人としてカザフスタンへ向かった。無事に任務を終え帰国するが、時はすでに4ヶ月も経っていた。身分を明かし、これからは普通の生活へ戻ることを約束し、彼女にようやく許してもらう。ところが、ハミルトンは部屋の外には見張りがいることに気がついてしまった。医師の彼女は緊急オペで呼び出され病院へ向かうと、見張りもいなくなった。
ハミルトンは彼女の帰宅を待つ間、リンゴを剥いて食べようとしていたが、ついついナイフを握りしまったまま寝てしまう。帰宅した彼女が起こそうとすると、とっさのあまり果物ナイフで彼女の喉を切り、殺してしまった。長年身に付けた自己防衛が仇となってしまった…。

hamilton1.jpg監督は、「The Escape(2009)」のKathrine Windfeld。
出演は、「未来を生きる君たちへ(2010)」のミカエル・パーシュブラント、「愛の風景(1992)」でカンヌ女優賞を受賞したペルニラ・アウグスト、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2008)」「タイタンの戦い (2010)」のジェイソン・フレミング

任務で何人も殺していても彼女の死には動揺を隠せないハミルトン。ところが、物取りの犯行に見せ掛け、証拠を消す様はやはり工作員。感情を押し殺して淡々と作業をこなすが、ヒューマンドラマでもいつも良い演技をみせてくれるミカエル・パーシュブラントなだけに、悲しみや後悔が見え隠れする演技は卓越。彼のアクション作品は初めて観るような気がするが、身のこなしもなかなかのものだった。

スウェーデン人ジャーナリストが原作を書き、過去にも映画化されている作品。舞台は、カザフスタン、ロシア、アンマン、スウェーデン等といった大掛かりなものだが、残念ながら工作員が身分を偽り潜入するといったどこの国でも語りつくされているマンネリ化した題材にハリウッドナイズされたストーリー展開で、流れも結末も最初から読めてしまっている。見せ場は彼女を殺してしまうまでの序盤のみ。彼女への見張りがついていた理由などは最後までの伏線となってはいるが、何のサプライズも用意されていなければ、仕掛けも演出もさほど派手ではない。キャスティングは豪華だが、大作というには程遠い。彼女の死で絶望の淵を彷徨うハミルトンのほうが興味深いが、アクション映画に期待するほうが間違っているか…。

2012年9月、本国では続編が公開。どうやら人気はあるようだ。

<観賞> 2012/7/18

(未) Avalon <2011/スウェーデン> ★★☆

avalon.jpg
Avalon
2011/79min/スウェーデン
ドラマ、スリラー
監督/脚本:Axel Petersén(長編監督デビュー作)
出演:Johannes Brost、ペーテル・カールベリ、Léonore Ekstrand
IMDb評価:5.4/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


avalon1.jpg60歳のジェーンは姉と一緒に海辺近くの小さな町で“Avalon”というナイトクラブを経営しようとしていた。ようやくいい物件も見つけ、工事を開始したが、車をバックした際木材が倒れ、日雇いの屋根係の青年が下敷きとなってしまった。順風満帆だった生活が一変してしまう…。

監督は、本作がデビューとなるAxel Petersén。
出演は、「ぼくのエリ 200歳の少女」のペーテル・カールベリ。

知り合いの伝手を頼り、遺体を山奥へ埋めた。代わりの屋根係を雇い、何事もなかったかのように工事は進められたが、青年の恋人が連絡が取れないことを不審に思い訪ねてきていた。あれこれ聞かれ、ジェーンは気が気ではなくなる。

Avalon2.jpgストーリーに警察は絡んでこない。大きな事件が起こりそうにもない片田舎で、まさか遺体が遺棄されたとは誰も思っていないのだろう。捜索願も出されていないのだろう。事件を追うサスペンスというよりは、遺体を処理した人たちからの脅迫や、彼女の登場に良心の呵責に駆られ、真実が闇に葬られてしまうことへの罪悪感など、加害者側の心境を掘り下げた作品。地味で空気感から読み取らなくてはならないため、かなり睡魔と戦う羽目になった。もう少し見せ場があってもよかったように思う。

<観賞> 2012/7/19

[サイト内タグ検索] 日本未公開

シンプル・シモン <2011/スウェーデン> ★★★★

2011年米国アカデミー賞外国語映画賞、最終選考9作品中の1本。リストはこちら。
日本ではいくつかの映画祭で上映されたきり、配給はついていない模様。

simple simonI rymden finns inga känslor/Simple Simon
2011/83min/スウェーデン
コメディ、ドラマ、ロマンス
監督/脚本:アンドレアス・エーマン(Andreas Öhman)(長編デビュー作)
脚本:ヨナタン・ショーベリ
出演:ビル・スカルスガルド、マッティン・ヴァルストレム、セシリア・フォシュ、ソフィ・ハミルトン
IMDb評価:6.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★★
演技 ★★


simple simon2アスペンガー症候群のシモンは兄のサムと兄の彼女フリーダと3人で暮らしていたが、ある日突然フリーダが家を出て行ってしまった。シモンは大好きなサムが肩を落としている姿は見たくない。サムの元気を取り戻すために、シモンはサムの新しい彼女を探すことにした…。

監督は、長編デビューとなるアンドレアス・エーマン。
出演は、ビル・スカルスガルド。スウェーデンを代表する俳優ステラン・スカルスガルドを父に、アレクサンダー(「メランコリア」)とグスタフ(「Happy End」)を兄に持つ。

シモンは決められた時間に決められたことをしないと落ち着かない。サムの彼女フリーダがシャワーを浴びていても時間になれば入ってしまうし、セックス中でも構わずドアを開けてしまう。そんなシモンに嫌気がさし、フリーダは家を出て行ってしまった。しかし、シモンには理由がわからない。人間の感情を読み取ることができないため、喜怒哀楽を図式化し壁に貼り、見比べながら人の気持ちを理解しようとしているが、そううまくいくわけではない。仕事場に行く時は“アスペルガー症候群です。僕に触らないで”と書かれたバッチを胸につけている。人に触られることも極端に嫌う。自分のルールが崩された時、シモンはドラム缶の中に“閉じこもって”しまい、何時間もでてこないことがざらである。

simple simon1タイトル“I rymden finns inga känslor”は“宇宙には感情がない”という意味だという。感情表現ができず、いつも無表情なシモンは宇宙をこよなく愛している。ドラム缶は彼にとっての人工衛星なのだろう。唯一落ち着くお気に入りの場所であった。

ところが、彼女に出ていかれ、サムは元気がない。部屋に“閉じこもり”、シモンが慰めようとすると、“俺に触るな”とシモンの手を振り払う。サムは健常者であるが、ひと時バランスを失うとアスペンガー症候群のシモンと何の違いもないのではないかということに気づかされる。

ポップな色調でおとぎ話のような展開。ストーリーはシモン視点で、どこかメルヘンチック。健常者シモンとアスペンガー症候群サムを対照的に描いているが、所詮表裏一体。シモンの純粋な心が障害者と健常者の垣根をそっと跳ねのけてくれる。

どう接していいかわからない人も実は相手も同じ気持ちで、ほんの少しのきっかけで分かり合えるのかもしれない。でも現実はプライドとか意地とかが邪魔してそうはうまくいかないが…。

<観賞> 2012/6/24

[タグ未指定]

(未) Naked Harbor <2012/フィンランド> ★★★★

naked harbour
Vuosaari/Naked Harbor
2012/123min/フィンランド
ドラマ
監督/脚本:アク・ロウヒミエス
出演:ショーン・パートウィー、レナ・クールマー、エーメリ・ロウヒミエス、Amanda Pilke
IMDb評価:6.6/10

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★


naked harbour1学校でいじめられている少年とその母親、スターになることを夢見る少女とその父親、病気に苦しむシングルマザーとその娘、ダイエットがうまくいかない中年男性とその息子、妻とうまくいかず不倫に走る男・その妻と不倫相手の女性、犬が唯一の親友の小学生と母親、借金に苦しむ青年とその妻、アメリカから出張に来ていた男性、悩む8人の日常生活を平行して描き、特筆すべきあらすじはない。

監督は、「4月の涙」のアク・ロウヒミエス。
出演は、「ドッグ・ソルジャー(2002)」のショーン・パートウィー、エストニア出身のガールズバンド“バニラニンジャ”のレナ・クールマー、「4月の涙」のエーメリ・ロウヒミエス、「禁断の果実(2009)」のAmanda Pilke。

naked harbour.2jpg解決策を模索し、自力で抜け出そうとする姿を温かく描いた作品。カメラは彼らが置かれている状況にどう立ち向かうのかを一定距離でそっと見つめていく。ほぼ独立した8組のストーリーが頻繁に切り替わるが、不思議と混乱なく観られる。むしろ中盤からインパクトのある展開が続き、どれも見応えのある人間ドラマになっている。

何かが満たされず、性欲に走る大人たち。どれも突飛押しもない行動に思えるが、次第に共通している孤独が浮かびあがり、それぞれの悩みが見えてくる。彼らの悩みはダイエットやいじめ、病気、借金といったもの。全員が自殺でもしそうなほど追いつめられているように見えるが、もがき苦しみ、葛藤に悩む登場人物はどこにでもいるキャラクター。もしかしたら自分とぴったり当てはまるキャラクターもいるかもしれない。ストーリーも普遍的で、共感度も高い。

季節は冬。一面銀世界のヘルシンキを舞台としている。次第に季節は遅い春を迎え、地面が顔を出す。と同時に、明るく笑う8人。その笑顔はほんの少しだけ成長した証でもあった。温もりとほんの少しの勇気で前向きになれる姿が微笑ましい作品。

<観賞> 2012/6/11

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Between two fires <2010/スウェーデン=ポーランド> ★★★

between two fires
Between two fires
2010/スウェーデン=ポーランド
ドラマ、ロマンス、スリラー
監督/脚本:Agnieszka Lukasiak(長編監督3作目)
出演:Magdalena Poplawska、Simon Kassianides、Kamila Nowysz
IMb評価:6.5/10


社会度 ★★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★★★
民族度 ★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


between two fires3ベラルーシの小さな村に住むマルタはシングルマザーとして必死で娘アニカを育てていた。ところが交際中の彼氏がアニカを人身売買しようと企てていることを知り、逃れてスウェーデン北の難民キャンプへやって来た。そこで、移民として受け入れられるのを待つが…。

監督はポーランド出身のAgnieszka Lukasiak。前2作はドキュメンタリー映画であり、初のフィクション映画となる。

信頼していた彼氏の裏切りからストーリーは始まり、誰を頼ったらいいのかわからないマルタ。難民キャンプにいる人たちは多国籍で、様々な事情を抱え、なかなか心を開こうとしない人が多い。裏で何かを企てているような様子を見せたり、警戒心を掻き立てる演出がなされ、彼らの素性はどうなのか、マルタはこの先どうなるのかといったミステリータッチで描かれる。

between two fires1ヨーロッパの貧困層の内情を描いた作品。人身売買、偽装結婚など社会派なテーマを盛り込んでいるが、どうもステレオタイプすぎて、実情を知らない監督が見聞きしたニュースだけで作り上げてしまった感は否めない。ドラマチックな出来事は数多くあり、飽きさせない流れだが、結局は事がうまく運びすぎていたり、先が読めてしまったり、演出も過剰。どれもリアリティーが感じられず、説得力にも欠ける。福祉の人の下手すぎる演技も評価を下げてしまう要因の一つ。マルタと新しい彼氏との毎回体位の違うセックス行為はポルノのようでもあり、台無し。

<観賞> 2012/5/22

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Tukuma <1984/デンマーク> ★★★

tukuma.jpg
Tukuma
1984/100min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Palle Kjærulff-Schmidt
脚本:Josef Tuusi Motzfeldt
主演:Thomas Eje、Naja Rosing Olsen、Rasmus Lyberth
撮影:グリーンランド
IMDb評価:5.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★


tukuma1.jpgデンマーク人のエリックは弟ブルーノの死に疑惑を抱き、弟が生前暮らしていたグリーンランドを訪れた。ブルーノの友人たちに会い、生前の様子などを聞きまわるが、誰も死因については一切触れようとしない。疑惑は深まるばかりであった…。

監督は、デンマークのテレビ業界で活躍している方。出演者は実際のイヌイット族を起用しており、中には歌手として活躍している人もいるが、ほとんどが素人だという。

舞台となる地域の住民はイヌイット族で日本人と同じモンゴロイドの人たち。アザラシや魚、鳥などの狩猟で生計を立てている人が多く、狩猟方法も生活も原始的。デンマーク領でありながら、独自の生活スタイルを貫いており、伝説や伝統が今なお息づいている。
本作の主旨となるのは、そんなイヌイット族の死生観である。ここでは肉体は滅びても魂は永遠だという死生観のもと、生まれてきた子に死んだ人の名前をつけ、死者の魂を再び宿らせるという教えがある。ブルーノと名付けられた赤ん坊に会い、初めはブルーノの子供かと思うが、彼らの死生観による名付け方だと知り、エリックは感銘を受けるのであった。


tukuma2.jpg“Tukuma”とは“いつも忙しい男”という意味で、ブルーノのニックネームであった。“Tukuma”の死因を探るミステリータッチで始まり、イヌイット族の不可解な行動全てに疑いをかけていたエリックであったが、弟の軌跡を辿る旅はイヌイット族の魅力を知ると共に、人生について考えさせられる旅となっていた。

ある程度の予測は可能だが、ブルーノの死因は結局は述べられない。死因よりも、魂は永遠だという気持ちの持ち方のほうが大事なのかもしれない。イヌイット族の生活スタイルを紹介するドキュメンタリーのようでもあり、淡々としている作風の中で、そんなことを教えられた気がした。

<観賞> 2012/5/17

[サイト内タグ検索] 日本未公開

(未) Beyond <2010/スウェーデン=デンマーク=フィンランド=ノルウェー> ★★★

beyond.jpgSvinalängorna/Beyond
2010/99min/スウェーデン=デンマーク=フィンランド=ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:ペルニラ・アウグスト(Pernilla August)
原作:Susanna Alakoski
出演:ノオミ・ラパス、オーラ・ラパス、オウティ・マエンパー、Ville Virtanen
IMDb評価:6.9/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

2012年(第84回)米国アカデミー賞 外国語映画賞スウェーデン代表作品

beyond1.jpg夫と2人の子どもと幸せに暮らすリーナの元に1本の電話がかかってきた。もう何年も会っていない母からであった。会話することなく電話を切ったが、今度は病院からかかって来た。余命いくばくもない母が面会を希望しているという内容だった。リーナの脳裏には母との思い出が蘇る…。

監督は、「愛の風景(1992)」でカンヌ女優賞を受賞したペルニラ・アウグストの長編監督デビュー作。
「ペレ(1987)」「愛の風景(1992)」でパルムドールを受賞したビレ・アウグスト監督の元妻である。 
出演は、「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパス、夫役は当時実生活でも夫だったオーラ・ラパス、「ハンネス、列車の旅(1998)」のオウティ・マエンパー。

beyond2.jpg母との再会は過去との対峙であった。面会に行くかどうか悩むリーナの脳裏に浮かぶのは幼少時代の出来事。リーナの両親はフィンランド移民で、1970年代、家族4人でスウェーデン南部に引っ越してきたところから回想されていく。父親の虐待、母親のアルコール中毒、育児放棄といった家庭環境で弟をかばいながら姉としての役目を果たすリーナの苦悩が描かれ、なぜ母と疎遠になり、再会を拒むのか、弟と父親はどうなったのかが徐々に明かされていく。

現在幸せに暮らすリーナに暗い過去があったことは、子どもはおろか、夫ですらほとんどを知らず、リーナの心の奥底に封印されてきたこと。封印してきた出来事を思い起こすことでリーナの感情が爆発する。一人で悩み苦しむ姿を見て、夫婦関係にもヒビが入り始める。実生活での夫婦が本作でも夫婦役を演じているが、本作の撮影後にラパス夫妻は離婚している。ストーリーと事実が重なり、複雑な気持ちになってしまった。

現在の悩む姿と過去の出来事が入り混じった構成となっているが、ストーリーがうまくリンクしており混乱することはない。嫌な思い出はいつしか心の闇となり、つきまとう存在となる。過去は過去として受け止めることができなければ前に進むことはできない。過去と対峙することでのリーナの心境の変化がよく表現されており、初監督作とは思えない力量を感じる。ノオミ・ラパスの演技が素晴らしい。毎回違った役柄で完璧な役作りには関心させられる。

<観賞> 2012/4/18

(未) Happy End <2011/スウェーデン> ★★★★

happyend1_20120404153123.jpgHappy End
2011/スウェーデン
ドラマ、犯罪
監督:Björn Runge(長編監督5作目)
脚本:キム・フォップス オーカソン
出演:アン・ペトレン、Malin Buska、ユーハン・ヴィーデルベリ、グスタフ・スカルスガルド、ペーター・アンデション、デイヴィッド・デンシック
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★
民族度 ★★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★

happyend_20120404153123.jpg自動車教習の教官をしているジョアンナの息子ピーターは彼女と暮らしていたが、自殺未遂を図り彼女にも見捨てられてしまう。無事に退院し、母親と暮らすことにした。画家のピーターは家政婦のカトリーヌをモデルにし、絵を書き始めた。次第に行為を持つようになるが、カトリーヌには同棲している彼氏がいた…。

監督は、シリアスドラマを得意とするスウェーデン出身のBjörn Runge。日本での発表作はない模様。出演は、「ペーテルとペトラ(1989)」のアン・ペトレン、本作が長編デビューとなるMalin Buska、 「あこがれ美しく燃え (1995)」のボー・ウィデルベルイ監督の息子ユーハン・ヴィーデルベリ、スウェーデンを代表する俳優ステラン・スカルスガルドの次男であり、アレクサンダーを兄に持つグスタフ・スカルスガルド、「プッシャー(1996)」「ミレニアム(2009)」のペーター・アンデション。

脚本は、ステラン・スカルスガルド主演「A Somewhat Gentle Man (2010/ノルウェー)」、マッツ・ミケルセン主演「Prag(2006)/デンマーク」、トリーネ・ディアホルム主演「Soap(2006)/デンマーク」「Little Soldier(2008)/デンマーク」、パプリカ・スティーン主演「Okey(200)/デンマーク」などを手掛けたイラストレーター出身のキム・フォップス オーカソン。

happyend2_20120404153122.jpg息子ピーターのことが気がかりでならない母ジョアンナ。
何度も自殺未遂を図る精神不安定なピーター。
ジョアンナの家政婦で彼氏のDVに悩まされるカトリーヌ。
借金取りに追われ、彼女カトリーヌに手を挙げてしまう彼氏アスガ-。
妻に先立たれアル中、飲酒運転で免停になり、ジョアンヌの教習を受けるマーチン。

ささやかな幸せを願っているだけなのに、ほんの些細なことで人生の歯車が狂い、今の生活から抜け出す術が分からない不器用な5人を主人公としている。ハッピーなことは何も起こらず、スローな展開でもどかしくもあり、シリアスな作品を得意としている監督なだけに、終始メランコリックな描き方。淡々としていながらも、一歩ずつ前に進もうとする5人の背中を見つめるカメラは決して彼らを見放してはいない。

ハリウッド映画のような派手でストレートな作品を考えると“Happy End”というタイトルは皮肉的だが、人間の幸せとは一体何なのかを問う作品。彼らが願うのはごく当たり前の日常の幸せ。ほんの少し勇気を出して見るときっと幸せなことが待ち受けていることを教えてくれた。

<鑑賞> 2012/4/4

(未) Boy <2011/デンマーク> ★★★☆

dreng.jpgDreng
2011/96min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本/出演:ピーター・ガンツェラー
出演:セバスチャン・イェセン、Helle Merete Sørensen、Marie Louise Wille
IMDb評価:5.9/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★★
民族度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

dreng2.jpgクリスチャンは集合住宅で母と2人暮らしをしている。高校を卒業し、友人たちは町を離れていたが、クリスチャンは免許を取るために同じ集合住宅の工具屋でバイトを始めた。最近引っ越してきたという年上の女性が洗濯機の設置を依頼してきたが、やったことのないクリスチャンは断ってしまった。しかし、彼女のことが忘れられず、次の日部屋を訪ねた。そして、恋に落ちてしまった…。

監督は、「幸せになるためのイタリア語講座(2000)」「ゼイ・イート・ドッグス(1999)」など数多くのデンマーク映画に出演しているピーター・ガンツェラーの長編監督デビュー作。主演は「Nothing's All Bad(2010)」のSebastian Jessen。子役から活躍しており、出演作は少なくないのだが、日本での発表作はない。8月にデンマークで公開予定のスサンネ・ビア監督最新作「All You Need Is Love(2012)」に出演しており、日本でもお目見えする時がそう遠くはないかも。その他出演している俳優もマイナーで日本での発表作はない。

dreng1.jpgクリスチャンは18歳。一目惚れしてしまった女性サンヌは36歳でシングルマザー。高校卒業したての青年のひと夏の淡い恋を描いているが、よくある同世代同士の浮ついた青春ものとはだいぶ趣きが異なる。

出演者はほぼ4人(+子ども)の必要最低限のキャスティングであり、ストーリーもかなりシンプル。ドラマチックな展開もなく、人によっては物足りなさも感じるとは思うが、当事者2人とクリスチャンの母親、第3者となる工具店の主人の心情までよく掘り下げている。

幼い息子のために別れた方がいいと思うサンヌ。どんなにサンヌを愛していても母の気持ちにも逆らえないクリスチャン。シングルマザーの母親と付き合うことを素直に祝福できないクリスチャンの母親。若気の至りだと割り切った考えの工具店の主人。
それぞれの立場によっていろんな視点があり、比較するように見せていくが、恋愛に答えはない。最終的なクリスチャンの選択が正しかったのかは誰にもわからないが、エンディングでは一夏の経験が少しだけ大人になったクリスチャンの姿になっていた。

<鑑賞> 2012/3/23

ヴァルハラ・ライジング <2009/デンマーク> ★★★

4月7日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて、レイトショー限定公開

valhalla_20120308215210.jpg Valhalla Rising
2009/93min/デンマーク
アクション、アドベンチャー、歴史
監督/合同脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:マッツ・ミケルセン、マールテン・スティーブンソン、ゲイリー・ルイス、ジェイミー・シーベス
言語:英語
IMDb評価:5.9/10

哲学度 なし
宗教度 ★★★
民族度 ★★
映像美 ★★★★
残虐度 ★★★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★
演技 ★★★★

2011年 デンマークアカデミー賞ノミネート・受賞作品についてはこちら

valhalla2_20120326165033.jpg片目を失うほどの大怪我と声を失ったワン・アイはスコットランドの部族たちからは奴隷扱いをされ、連日のように殺し合いを強いられていた。心を許すのは食事係の少年アーだけであった。アーの力を借りて部族を皆殺しにし、脱走に成功した。聖地エルサレムを目指すヴァイキング一行に出会い、航海の末見知らぬ大陸へ辿りつくが…。

監督はライアン・ゴズリング主演「ドライブ」で注目されているニコラス・ウィンディング・レフン監督
本作は私にはうれしいニコラス・ウィンディング・レフン監督マッツ・ミケルセン主演、モーテン・ソーボー撮影の「プッシャー(1996)」トリオ。

valhalla1_20120326165033.jpgどちらかが死ぬまで続けられる見世物の戦闘では、自分は首に縄をつながれていながらも、武器をもった相手と果敢に挑む。武器といったら斧やナイフなので現代の銃なんかよりもかなり残虐なのに、内臓をえぐり取ったり、首を切り落とすシーンですらスタイリッシュに描かれている。
本来のアクション映画やホラー映画なら、効果音を使って過剰に演出しているのに、本作はむしろ音を消している。後に聖地を目指す航海では、波の音は一切聞こえないし、船も揺れない。不自然なはずなのに、妙に引き込まれえしまう不思議な感覚に陥ってしまう。様々な能力を持つワン・アイ。未来を一瞬にして透視できる能力があり、透視映像が真っ赤に映し出される。自然の情景が美しいだけに、血のような真っ赤な映像がより一層際立ってる。

異教徒の男が自身のルーツを探る話であり、暗示的で感性で観る新感覚の歴史アクション映画。本作の特徴は何といっても、スタイリッシュで素晴らしすぎる映像と台詞が少ないこと。不必要な台詞は一切削ぎ落とされ、たったの120行だという。マッツ・ミケルセン扮するワン・アイは一言も言葉を発しない。

1.怒り、2.静かなる戦士、3.神の男、4.聖地、5.地獄、6.犠牲の6章から構成されている。台詞が少なく、抽象的であり、章のタイトルがストーリーを追う上で重要なキーになってくる。

<鑑賞> 2011/1/3、2012/3/26
初版:2011/1
最終版:2012/3/26

プレイ <2011/スウェーデン=デンマーク=仏> ★★★★

play.jpgPlay
2011/118min/スウェーデン=デンマーク=フランス
ドラマ、犯罪
監督/脚本:リューベン・オストルンド(Ruben Östlund)(長編監督3作目)
出演:Kevin Vaz、Yannick Diakité、Abdiaziz Hilowle
受賞:第24回(2011)東京国際映画祭最優秀監督賞
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★★★
哲学度 なし
宗教度 なし
民族度 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★★


play1.jpgショッピングモールでたむろしている黒人少年グループが見つめる先にいるのは白人の少年。使っている最新のi-phoneの傷が自分の兄のものと同じだと難癖をつけてきた。お父さんに買ってもらったもので盗んだものだはないと主張する白人の少年だが、黒人グループは後をつけ回し始める…。

監督は、本作が長編3作目となるスカンジナビア人のリューベン・オストルンド監督。本作が日本初上映となる。

2006年から2008年、スウェーデン第2の都市のヨ―テボリ周辺での少年グループによる40件にも及ぶカツアゲ事件を背景としている。正直、かなりステレオタイプな作品であり、黒人少年グループの描き方には偏見がある。とはいえ、私がスウェーデンによく行っていた時期とも重なり、町での黒人の多さや旅行客の隙を狙っているような立ち振る舞い方が気になったこともあり、興味深く拝見。

play2.jpgたちの悪い黒人少年5人による悪ふざけ(Play)の末の“カツアゲ”を延々と垂れ流すだけの作品だが、恐怖が襲いかかる強烈な問題作。ターゲットの多くは白人(スカンジナビア人)の同世代の少年たち。黒人少年グループ内での役割分担はしっかりしており、巧みなロールプレーによってじわりじわりと心理戦に突入していく。精神的に追い詰められていく白人に対し、黒人グループの行動ははヒートアップしていく。暴行を加えることはなく、周囲の大人たちが気に留めることもない。固定カメラによる長回し撮影は、少年たちを見つめるだけの傍観している大人たちと同じである。

ハイエナのように一度狙った獲物を逃がさない執念深さと、綿密に計画したかのような巧みなロールプレーによって気付いたら裸一巻になっているという驚くべき手腕を見せている。背後に見えるのは移民問題や格差社会、大人たちの無関心さ。子どもたちの気迫な演技があまりにもリアルで、子どもが主演でありながら、大人が考えさせられる問題提議となっている。演じた少年8人が素人だということには驚き。女性の社会進出が進んでいるスウェーデンで出産後の共働きは当然。日中ママに電話が繋がらないのはごく当たり前のこと。子どもが助けを求め、留守電にメッセージを残しても、気付いた頃に事は最悪の状況になっていたら、悪いのはママ?それとも黒人少年たち?

<鑑賞> 2011/3/23
[タグ未指定]

(未) Sebastian's World <2010/ノルウェー> ★

つまんなかったので、簡単な記事です。

verden.jpgSebastians Verden/Sebastian's World
2010/94min/ノルウェー
アクション、犯罪
監督/原作/脚本:Knut Møller-Lien(監督デビュー作)
主演:アンドレアス・ウィルソン、Christian Strand、Charles Wojnicki、キム・ボドゥニア
IMDb評価:4.8

社会度 ★
哲学度 ★
宗教度 なし
民族度 ★★

脚本 ★ 
演出 ★★
演技 ★★


verden2.jpg男性に体を売って生活するセバスチャンの世界を描く。男性と寝ることにとどまらず、デート中に仲間が泥棒に入ったり、セックスの写真を奥さんに見せ、恐喝するといった犯罪にまで手を出してしまっている。全うな人生を送っている訳ではなく、逆に狙われるケースもあり、危ない綱渡りの生活である。親友はタイからの移民で、ブランド品の偽物をワゴンで売る生活をしており、やはり危険な生活を送っている。素行の悪い生き様を垂れ流しているだけで、ポイントも見えず、中身のない内容だった。

verden1.jpg監督は本作がデビューとなるノルウェー人のKnut Møller-Lien。自身の原作本の映画化。
主演はスウェーデン人で「ザ・バイス 潜入捜査官(2005)」のアンドレアス・ウィルソン。デンマーク人のキム・ボドゥニアも顔を出している。

<鑑賞> 2012/3/22

ゼイ・イート・ドッグス <1999/デンマーク> ★★★☆

dogs_20120318234335.jpgIn China They Eat Dogs/I Kina spiser de hunde
1999/91min/デンマーク
アクション、コメディー、犯罪
監督/編集/:ラッセ・スパング・オルセン(長編監督4作目)
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボー
出演:キム・ボドゥニア、デジャン・キューセック、ピーター・ガンツェラートーマス・ヴィルム・ヤンセンニコライ・リー・カース、ブライアン・パターソン、トリーヌ・ディルホムスラッコ・ラボヴィック
IMDb評価:7.4/10

社会度 ★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
民族度 なし
ブラック度 ★★★

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★

dogs2.jpg自身が務める銀行を襲った強盗を取り押さえ、1週間の休暇をもらったアービッド。同棲する彼女とパリに行こうとするが、帰宅すると彼女は出ていってしまった後だった。すると、強盗犯の妻が部屋に乗り込んできた。銀行強盗は人工授精の費用に企てるためだと知り、アービッドは心を痛めてしまう。そんな夫婦の力になりたく、兄たちと現金輸送車襲撃計画を実行するが…。

監督は、スタントマン出身のラッセ・スパング・オルセン。現在は、映画監督やスタントマンコーディネーターとして活躍している。
脚本は、スサンネ・ビア監督作品などデンマークを代表する作品多くの脚本を担当するアナス・トーマス・イェンセン。監督によって全く趣旨の異なる作品を書きあげているが、本作の監督ラッセ・スパング・オルセンはアナス・トーマス・イェンセン監督作品に一番近い作風に感じた。

dogs1.jpg中国のように犬を食べる習慣がある国がある一方で、批判する国もある。何が正しいか悪いかの基準は人それぞれだということを皮肉ったタイトルがつけられている。アナス・トーマス・イェンセンらしいブラックを効かせたモラルを問う作品。

お人好しの銀行員を主人公に据え、知らぬ間にどんどん犯罪に手を染めていく様を面白く描いている。根っからの悪人ではなく、人の良さが仇となり、踏んだり蹴ったり。犯罪映画でありながら、やはりほのぼのとした作風になっている。

犯罪をやらせたらピカイチの兄役キム・ボドゥニアがさすがの存在感。犯罪歴のある兄と、お人好しの弟の対照的な2人のキャスティングもまた面白いが、ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品「プッシャー(1996)」とかなりかぶる俳優陣でありながら、みんなどこか抜けており、ギャップも楽しめた。たまには脱力系のアクション映画もいいかも。意外性があり、拍子抜けのオチが最高に気に入った。完結したエンディングなのに、続編があるとは…

<鑑賞> 2011/3/19

(未) Oslo, 31th August <2011/ノルウェー> ★★★★

oslo.jpg Oslo, 31. august
2011/95min/ノルウェー
ドラマ
監督/脚本:Joachim Trier
脚本:Eskil Vogt
原作:ピエール・ドリュ=ラ=ロシェル(Pierre Drieu La Rochelle)
編集:オリヴィエ・ブッゲ・クエット「人生はビギナーズ」
出演:Anders Danielsen Lie、Hans Olav Brenner、Ingrid Olava
IMDb評価:7.8/10

2011年 第64回カンヌ国際映画祭コンペ部門、ある視点部門 ノミネート作品

社会度 ★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
閉塞感 ★★★
映像美 ★

脚本 ★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★
編集 ★★

ポケットいっぱいに石を詰め、大きい石を抱きかかえて湖に投身自殺を図ろうとするが、思い留め、一命は取り留めた。34歳のアンダースは、田舎にある薬物リハビリセンターで治療を受けており、あと2週間でリハビリを終えようとしていた。8月30日、就職の面接のために1日休みをもらい、久々のオスロへ向かう。面接を受け、友人たちとも再会するが…。

oslo1.jpgノルウェー出身のJoachim Trier監督の2作目。あのラース・フォン・トリアー監督の遠い遠い親戚だということが、作品を観て妙に納得させられた。心理的苦痛と何とも言えない後味が「メランコリア」を彷彿とさせる。
監督デビュー作「Reprise(2006)」に続いて、Eskil Vogtとの共同脚本、Anders Danielsen Lieを主役に迎えている。ノルウェーでは昨年の夏に大ヒットしたというが、はっきりいって商業映画ではないので、誰にでも薦められる作品ではない。北欧はうつ病や薬物患者が多いという私の認識は間違っているかもしれないが、すごい北欧らしい作品だとは思ったが、日本ですんなり受け入れられるタイプの内容ではない。

オスロへ着くと過去の辛かった記憶が蘇るアンダース。それは薬物を始めるきっかけとなったであろう出来事であり、オスロで彼を待ち受けていたのは過去との対峙であった。カメラは8月30日から31日までのアンダースの行動を追うだけで、ほぼ何も起こらないに等しいが、友人たちとの会話からはかつての人間関係や家族のことが徐々に見えてくる。何が彼の人生を狂わしてしまったのか。1つ1つ過去と向き合い、一歩一歩前に進んでいくかのように見せつつも、現実はそうは甘くない。

oslo2.jpg失望、不安、孤独、絶望、期待、理想、現実…焦燥する思いが手に取るように伝わって来る。まだ34歳の彼は人生をやり直すことができるのか。社会復帰を目前に控え、危機的状況に追い込まれた若者の心情を掘りこんでいく。

意図したことなのか、背景の景色がぼやけた映像になっている。つかみかけた希望に届きそうで届かないもどかしさが現れているようで、つらかった。

希望と絶望が入り乱れる展開は前作同様であり、前作の延長かとさえ思えるストーリーは、自身のアイデンティティを大切にしている監督のこだわりを感じさせる。前作の特徴でもあったポップでパンクロックなユーモアはなく、観る人を選ぶが、個人的には嫌いな映画ではない。

<鑑賞> 2012/2/23
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