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Newsmakers <2009/ロシア> ★★

newsmaker.jpg
Goryachie novosti/ Newsmaker
2009/107min
監督:アンダシュ・バンケ
出演:アンドレイ・メルズリキン 、エフゲニー・ツィガノフ 
IMDb評価:6.3/10

ジョニー・トー監督の香港映画「ブレイキングニュース」の完全リメイク。
警察が事件を生中継するというお話。

冒頭の銃撃戦はスリルがあって、期待度大で観始めたが・・・
緊張感はすぐ途切れ、すぐさまゆる~いテンポでコメディータッチに。
中盤で寝てしまった。音楽もキレが悪かったなぁ。

題材もそうだけど、面白いアイデアは割と豊富で、笑えるシーンもいっぱいあったのに、なんかイマイチ。
エンタメ性の高いショーを観ているようで、冒頭の緊張感が持続されていれば、面白かったのかな。
この手のアクション映画はハリウッド映画を観た方が断然いい!
と思ったらハリウッドリメイクされるそうで・・・

観てよかったと思えるのは、モスクワの中心部等の景色が楽しめたことぐらい。
ロシアの警察の装甲車や特殊部隊もロシア映画らしさはあるけど、敢えてころをチョイスしなくてもいいかも。

<鑑賞> ロシア版DVD英語字幕 2010/8/30
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Angels of the Universe <2000/アイスランド> ★★★★

angels_of_the_universe.jpg
2000/100min/アイスランド・ノルウェー・ドイツ・スウェーデン・デンマーク合作
監督: フリドリック・トール・フリドリクソン「コールド・フィーバー
原作:Einar Guðmundsson (novel)
出演:イングヴァル・E・シーグルズソン,バルターサル・コルマークル
言語:アイスランド語
上映:2001年アイスランド映画祭上映作品
IMDb評価:7.5/10

彼女にフラレたことをきっかけに精神が病んでいく男の話である。
ごくごく普通な恋愛映画のようなスタートだったのに、雰囲気はどんどん重くなっていく。
一度フラレたぐらいでそんなに病まなくても・・・とは思ったが。

家族も荒れ狂う息子の様子に手を焼くばかりで、息子のせいで家族の生活にも亀裂が入る。
この一家を見ていると、愛と憎しみは紙一重だとつくづく思う。
両親は彼を精神病院へ。
患者は、自らをヒトラーだという男、ビートルズの曲を全て作曲したという男、薬物中毒者など。
失礼ながら、思わず笑ってしまう奇妙な行動をとっている。

精神が病むって別に珍しい題材ではないが、実際にどういう状態なのかは私はよくわからない。
劇中、監督の特色でもある「精霊」は登場する。
「精霊」とはアイルランド特有の精神性でもあり、妖精や天使を登場させることで精神病とはどういうことなのかわかったような気がした。

本作は、「春にして君を想う」「精霊の島」で日本ではお馴染みの監督なのに、なぜ日本一般公開されていないのか疑問だったが、結末の衝撃が大衆向けではないからだろうか。
タイトルからほぼ予想はついていたのに、石で頭を殴られたような衝撃を受けた。
でも、私はなぜかアイスランドには天使が住んでいるようなメルヘンな気分にさせられた。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/30
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コールド・フィーバー <1995/アイスランド> ★★★★★

cold.jpg
コールド・フィーバー
Á köldum klaka/ Cold Fever
1995/ 83min/ アイスランド・アメリカ・日本・ドイツ・デンマーク合作
監督/脚本: フリドリック・トール・フリドリクソン
脚本:ジム・スターク
音楽:ヒルマン・オルン・ヒルマルソン
出演:永瀬正敏、リリ・テイラー
言語:英語、アイスランド語、日本語、ドイツ語
IMDb評価:7.0/10

<あらすじ>
日本人のサラリーマン、平田アツシ(永瀬正敏)は正月休暇をハワイで過ごすつもりだったが、祖父の言葉を思い出し、予定を変更してアイスランドへ行くことにした。彼の父母は7年前、学術調査のため向かったアイスランドの渓流で、事故で亡くなっている。その場所で供養をしなければと思い直したのだ。航空機で冬のさなかのアイスランド、ケフラヴィーク国際空港に到着したが、目的地はレイキャビクから遠かった。露天風呂に迷い込んだり、教会での葬式に参加したりして旅は順調にはいかない。移動手段がなく旧式の赤いシトロエンDSを入手したものの、途中でアメリカ人男女のヒッチハイカーを拾ったところ、彼らに拳銃で脅されて車を奪われてしまう。ホテルで出会った老人スィギから酒を勧められるなどして親しくなり、馬を貸してもらい、彼とともに父母の魂の眠るカルダクヴィスル川へと向かった

<レビュー>
忙しい東京の風景からスタートする。
富士山を背景とした高層ビル、通勤電車、スクランブル交差点、魚市場、接待でのカラオケの強制、、、
日本を象徴するものばかりだ。
その後、場面はすぐさま一転アイルランドへ。
スーツ姿は日本人の平田だけ。この世のものとは思えないほど美しすぎる風景ばかりだ。
絶景ポイントを選りすぐったのか?観光推奨ビデオのように見えなくもない。

珍しい東洋人、平田に「アイスランドはどんな国?」と人々は聞く。
毎回「変な国」と答える。
確かに、忙しい日本に慣れてしまうと、アイスランドの日常があまりにも非日常的でおかしなものに見えてくる。
それに加え、平田は毎回シュールな場面に出くわす。
一人旅の面白さでもあるが、焦燥感もつのるし、変な国という印象もわからないでもない。
でも、冒頭の新宿のシーンもアイスランド人にとったら変な国という印象を持つであろう。

私が最も日本らしいと思ったシーンは、平田が上司に休暇申請をする場面であった。
3週間の申請要請に対し、上司は長すぎる!と言った。
ヨーロッパは1カ月休暇が当たり前だ。1カ月休暇を義務付ける国さえある。
アイルランド事情はよく知らないが、日本の光景は彼らのは異様に映っているに違いない。

アイスランド人には霊的な存在を信じる人が多いそうだ。
監督もその一人であり、作品には必ず精霊が登場するそうだ。
対極の環境にある日本とアイスランドだが、彼らは死者を供養するといった精神性も持っており、
日本人と共通する精神性を感じる。

インドネシア音楽に聞こえたが、東京にもアイスランドにも見事に調和していた音楽がとても心地よかった。
アイスランドでは(世界でも?)とっても有名な方のようです。

<鑑賞> 英語版 2010/8/29
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幸せになるためのイタリア語講座 <2000/デンマーク> ★★★

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ITALIENSK FOR BEGYNDERE/ITALIAN FOR BEGINNERS
2000/112min/デンマーク・スウェーデン合作
監督:ロネ・シェルフィグ (Lone Scherfig)
出演:アンダース・W・ベアテルセン、ピーター・ガンツェラー、ラース・コールンド
言語:デンマーク語、イタリア語
受賞:ベルリン国際映画祭銀熊審査員賞受賞など20賞受賞、12賞ノミネート
IMDb評価:7.1/10
 
<あらすじ>
冬、デンマーク・コペンハーゲン近郊のとある町。妻を亡くしたばかりのアンドレアスは、新任牧師としてこの町を訪れ、ホテルに泊まる。そのホテルのお人好しなフロント係ヨーゲンは、レストランで働く親友のハルにクビを宣告する役を上司から押しつけられ当惑する。そのヨーゲンへ秘かに想いを寄せているウェイトレスのジュリア。パン屋の店員オリンピアは偏屈な父親に閉口し、美容師カーレンはアルコール依存症の母を抱えていた。そんな彼らは、市の主催する週に一度のイタリア語初級講座で顔を揃えようとしていた。

<ドグマ95とは>
「ドグマ95」作品とは、デンマークにおける映画運動である。
1995年、ラース・フォン・トリアーらによって始められた。
「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールがある。

1、撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
2、映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
3、カメラは必ず手持ちによること。
4、映画はカラーであること。照明効果は禁止。
5、光学合成やフィルターを禁止する。
6、表面的なアクションは許されない(殺人、武器などは起きてはならない)。
7、時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
8、ジャンル映画を禁止する。
9、最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
10、監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。 (Wikepediaより)

資金難で撮影中止を余儀なくされた場合でも、映画が作れるというメリットがあるとか。

<レビュー>
邦題がネタバレしていて、どうも好きではない。
響きはキレイだが、ハリウッド映画好きを意識したようで気に入らない。
好みが分かれるであろうドグマ作品に商用的な邦題はいかがなものかと思ってしまうが。。。

悩みを抱えた独身男女6人がイタリア語講座を通じて見出した明るい希望を描いている。
デンマークって聞くと、社会福祉が充実していて、豊かな国のように思ってしまうが、
どんな国に住んでいようと何らかの不幸や悩みは背負っているもの。
6人が特別不幸なわけでもない。

さほど若くはない大人たちの恋愛は不器用でもどかしい。
素朴な画面から覗ける彼らの温かい眼差しが人間らしく、ほのぼのとさせてくれる。
若くはないからこそ難しいのかもしれないが、大人でも素敵な恋愛ができる!?

ドグマ手法のうんぬんはよくわからないが、本作はカメラのブレがひどく、開始そうそう酔ってしまった。
すぐさまi-phoneの小さい画面に切り替えたから最後まで観れたが、劇場鑑賞は厳しそう。

<鑑賞> 日本語字幕 2010/8/27

[サイト内タグ検索] ロネ・シェルフィグ監督
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219. 破壊された男 <2010/韓> ★★★

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破壊された男(파괴된 사나이)
2010/ハードボイルド、ヒューマンドラマ
監督:ウ・ミノ
出演:キム・ミョンミン、オム・ギジュン、パク・チュミ

<あらすじ>
娘を失って … 俺は死んだ
神に対する揺るぎない信仰を持っていた牧師チュ・ヨンス(キム・ミョンミン)に、5才になる娘ヘリンが誘拐される事件が発生する。チュ牧師は娘が無事に帰ってくるよう切実に祈祷を捧げるが、結局娘は帰ってこない。
8年後、死んだはずの娘が“奴”と一緒に現れた!
今度こそ絶対に取り戻す!!
神に対する信頼を喪失したまま自分の全てを失ったチュ・ヨンス。娘が生きているはずだと信じて疑わず、最後までヘリンを見つけるという妻ミンギョンを無視し、堕落した人生を生きていく。
8年後、神に対する信仰も家族もすべて失った彼に、一通の電話がかかってくる。死んだものとばかり思っていた娘が生きている!8年の歳月を元に戻すことができるただ一度の機会…。娘を取り戻すためのチュ・ヨンスの必死の追撃が始まる。

<レビュー>
誘拐事件+宗教という点から「シークレット・サンシャイン」や「渇き」的な話しかと思いきや、ストーリー展開は「チェイサー」を彷彿させた。
冒頭ですでに誘拐事件は起きており、犯人も早々と明かされている。
娘は見つからないまま崩壊されていく家庭、牧師であった父親の堕落の後、8年という月日はあっという間に過ぎ、
犯人がまた現れる。
キム・ミョンミンの今回の役は意外であったが、犯人との心理戦によって狂い始める演技が素晴らしかった。
私の愛、私のそばに」で難病を演じた彼とは思えない変身ぶり。
一方、犯人役のオム・ギジュンは舞台には立たれているそうですが、本作が映画デビューとなる。
チェイサー」と比較してしまうと、出演者のインパクトは薄いかな・・・

牧師であっても所詮彼も人間。
神にも救えないことがあることを自ら実感している。
やっぱり信じられるのは神や牧師、警察ではなく、家族だ。

ストーリーはテンポよく進み、こちらに深く考えさせる余裕を与えてくれない。
観終わって改めて考えてみると、腑に落ちない点は多々ある。
誘拐されている子は犯人の家に監禁されているが、逃げるチャンスはいくらでもあったように感じた。
犯人と過ごしている時の表情にも怯えている様子はほとんどなく、懐いているように見えた。
韓国お得意のどんでん返しにどんでん返しな結末を期待しすぎたせいか、結末もどうも腑に落ちない。

チェイサー」はすごい映画だったことを改めて実感。

<鑑賞> 字幕なし 2010/8/29
[サイト内タグ検索] キム・ミョンミン
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僕の村は戦場だった <1962/旧ソ連> ★★★

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ИВАНОВО ДЕТСТВО / Iwan's Childhood
1962/94min/旧ソ連/モノクロ
原作/脚本:ウラジーミル・ボゴモーロフ
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:ニコライ・ブルリャーエフ、ワレンチン・ズブコフ
受賞:1962年 ベネチア国際映画祭金獅子賞、サンフランシスコ国際映画祭監督賞ほか
IMDb評価:8.1/10

芸術度 ★★★
社会度 ★★★
衝撃度 ★★★★
難解度 ★

<あらすじ>
雨はあがり、村に立ちこめる霧も晴れようとしている。美しい緑の森からはカッコーの鳴く声がこだましてくる。だが、少年の意識は瞬く間に井戸の底へと下降していく。「母さん!」と叫んで目を覚ますイワン少年はまだ12才。いつも、このように、平和な故郷と母の夢に酔い、目ざめて現実にかえるのだ。
ドイツ軍に美しい故郷を踏みにじられ、両親も妹も失ったイワンはナチス・ドイツヘの激しい憎しみから、パルチザンに協力している。危険を犯して敵の占領地域を偵察するという大人も顔負けの任務をこなしているのである。
だがガリツェフ上級中尉も、グリャズノフ中佐も、ホリン大尉も、カタソーノフ古参兵も、彼をこのまま危険な仕事につかせておきたくなかった。大人たちはイワンの身を案じ、後方にもどして学校へ通わせようとするが、イワンはそれを拒む。
ドイツ軍の攻撃が激しさを増した頃、イワンは対岸の敵の情勢をさぐるため命がけの偵察の役を強引に買ってでた。ホーリン、ガリツェフ、イワンを乗せた小舟が河を渡り、敵の前線地域へ入った。対岸には、斥候に出かけたまま帰ってこなかった2人の兵士の遺体が並べられていた。イワンは大人たちと別れ、闇に姿を隠した。
そして、その後イワンを見た者は誰もいない。
戦いは終り、祖国に平和が蘇った。水辺に子供たちが戯れあうようになっても、イワンは戻ってこない。みるかげもなく破壊されたかつてのナチ司令部の建物、その中にはソビエト軍捕虜の処刑記録が残っていた。その傷ましい記録を一枚一枚調べていたガリツェフ中尉は、そこにイワンの写真が貼りつけられたカードを見つけたのだった。


<レビュー>
戦災孤児を通して、戦争の犠牲や悲劇を描いている。
本来の戦争映画のような銃撃戦はほとんどない。
モノクロなのに、太陽光や水面に映る光の動きが幻想的。
母との思い出を回想するシーンは穏やかで戦争映画であることを忘れてしまうほど。
IvansChildhood1.jpgivans-childhood-1.jpg
美しい描写と共に描かれる現実は戦争の虚しさを浮き彫りにしている。
パルチザンとは外国占領軍への抵抗運動や内戦・革命戦争における非正規の軍事活動、またそれを行なう遊撃隊およびその構成員。(wikipediaより)
ほんの12歳の少年がパルチザンに協力するしか生きる術がない現実の厳しさ。
亡き母との思い出だけが彼の生きがいになってしまっているなんて残酷すぎる。
ラスト5分の凄まじさはこの作品が戦争映画であったことを思い出させてくれる。
今までの美しい映像とは対極な生々しい映像はすごい説得力があり、モノクロでも胸をさす。
長編処女作とは思えない衝撃を受けた。
タルコフスキー作品の中で一番難解語が低いように思える。
他作品をもう一度観直してみようかという気にさえさせてくれた作品だった。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/24
[サイト内タグ検索] アンドレイ・タルコフスキー監督
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殺し屋 <1956/旧ソ連> ★★

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УБИЙЦЫ / Ubiytsy/ The Killer
1956/19min/旧ソ連
監督:アンドレイ・タルコフスキー他共同
原作:アーネスト・ヘミングウェイ同名短篇小説より
IMDb評価:7.0/10

<あらすじ>
アメリカのとある田舎の食堂に二人の殺し屋がやってくる。店にタ食をとりにくるスウェーデン人のオーレ・アンドレソンを殺すためだ。殺し屋アルとマックスは店に居あわせた常連のニックと調理人のサムを縛り、店主のジョージには店に来る客を追い返すよう命じる。結局アンドレソンは現われず、殺し屋は立ち去る。ニックが殺し屋が来たことをアンドレソンの宿泊先に伝えに行くが彼はベッドに横になったまま逃げようともぜず、身に迫る死を無為に待っているだけだった。ニックはこの町を出て行くことを決意する。

<レビュー>
映画学校3年生の時に制作した短編映画。
短編とはいえども、この時代のソ連でアメリカの小説を映画化するとは大胆だ。
設定も原作通りアメリカにしているが、アメリカらしさはない。
というより、ソ連の物だとすぐわかるような物を全て排除し、無国籍に見せかけている感じ。
一般のレベルでもこんな映画あるし、言われなければ学生映画だと気付かない、私は。

2番目の客(サンドイッチ購入する客)としてタルコフスキー監督本人も出演している。
短編だからなのか、非常にわかりやすく物語は進行する。
しかし、オチがなく、モヤモヤが残る。
私はタルコフスキー作品のほとんどが理解できない。
本作品の理解度の低さも私の柔軟さが足りなかったからなのか、ほんとにオチがなかったのかよくわからない。


[サイト内タグ検索] アンドレイ・タルコフスキー監督
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218. 肉体の約束 <1975/韓> ★★★☆

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육체의 약속/肉体の約束/Promises of flesh
1975/104min/ドラマ/18歳以上
監督:キム・ギヨン 
脚本:キム・ジホン
出演:キム・ジミ、イ・ジョンギルパク・チョンジャ
受賞:第14回 大鐘賞 主演女優賞(キム・ジミ)、助演女優賞(パク・チョンジャ)、録音賞
IMDb評価:6.7/10

韓流度 なし
衝撃度 ★★★★
官能度 ★★★
 
<あらすじ>
男性不信から犯罪を犯した女性を通して,現代人の魂の救済を訴える作品。金綺泳監督は,人間の内面のエゴイズムを描く作品が多いが,本作は女性をリアルに描いており,優れた文学性が高く評価されている。

模範囚であるスギョンは,特赦でしばらく刑務所から出ることが許され,看守とともに母の墓参りに向かう。そして,乗った列車で向かい側に座ったフンという男を知るようになる。
強盗罪で刑事から追われている身のフンは,スギョンを見た瞬間,強い印象を受けて真の愛情を感じるけれど,自分が強盗犯であることを明らかにしない。
二人は,私生子として生まれた立場に共感を感じて脱出を試みるが,スギョンは,思い直して残る刑期2年を終えて再会する約束をして刑務所へ戻る。
しかし,フンは,別れる前にスギョンにプレゼントをしようとして警察に捕えられる。これを知らないスギョンは,2年後に出所してフンをひたすら待つのだった。

<レビュー>
1966年 韓国 『晩秋』    イ・マニ監督がオリジナル版となる。
その後、少なくとも4回リメイクされている作品でもある。
1972年 日本 『約束』    斉藤耕一監督
1975年 韓国 『肉体の約束』 キム・ギヨン監督
1986年 韓国 『晩秋』    キム・スヨン監督
2010年 韓国 『晩秋』    キム・テヨン監督 (ヒョンビン主演)

このキム・ギヨン監督版しか観ていないので比較はできないが、
いろんな方の批評を読むと、オリジナルとは全く別作品に作り変えてしまったようだ。
異魚島」同様、時間軸がはっきりしない構成で混乱するが、ストーリーはいたって単純。

「肉体の約束」
このタイトルを目にし、キム・ギヨン監督なので一筋縄ではないことはわかっていたが、やはりすごい内容だった。
あまり上品なタイトルではないが、まさにズバリなタイトルであることは観てみればわかる。
まだ処女性を重んじていたであろう1975年の作品であることにも驚き。
独特な女性観を描くことで有名なキム・ギヨン監督だが、私が観た4作品の中で本作が一番リアルだ。
この作品で初めて知った主演のキム・ジミの艶っぽさもあって、男におもちゃのように弄ばれた女の心情が実にリアルで怖いとさえ思った。

そして、看守役パク・チョンジャの存在感の大きいこと。
異魚島」では祈祷師を演じていが、たった2作品の鑑賞だけで強烈な印象を持ってしまった。
他の作品も観たいのに、なかなか手に入らないのが悲しい。
キム・ギヨン監督作品は女優さんのインパクトが強く、男優さんは印象が薄い。
相手役の男性 見覚えがある顔だと思ったらイ・ジョンギルだった。
ドラマのイメージと全然違う。

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オリエンタル・エレギー <1996/ロシア> ★★★

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Vostochnaya elegiya/ Oriental Enegy
1996/43min/ロシア・日本合作
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
言語:日本語、ロシア語
IMDb評価:7.3/10

哲学度 ★★★★★
芸術度 ★★★
衝撃度 なし
うるうる度 なし
お笑い度 なし

ソクーロフ監督日本3部作の第一弾。
明かされないが、日本のどこかの島である。
霧に包まれた古家、松の木、鶴、民謡、老婆、、、
日本人には馴染みのあるものばかりだが、懐かしくどこか神秘的な雰囲気。
来世のようでもある。
ソクーロフ監督にとっての日本はこんなイメージなのだろうか?

ある日本人が語り始める。運悪く命を落とした漁師の祀り方について。
そして、監督は問いかける。死後人間はどう生まれ変わるのか?
日本人は答える。人は死ぬと皆やさしくなる。私は赤い実のなる木になりたい。

輪廻転生。この島は魂が宿る島だった。
ロシア人監督に東洋思想を教えられるとは。。。
[サイト内タグ検索] アレクサンドル・ソクーロフ監督
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Elegy of a Voyage <2002/ロシア> ★★★

ED.jpg
Elegiya dorogi
2002/46min/ロシア
監督/脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
IMDb評価:7.6/10

哲学度 ★★★
芸術度 ★★★
衝撃度 なし
うるうる度 なし
お笑い度 なし

まるで夢の中を彷徨っているかのような映像。霧のかかった風景は心の闇のよう。
台詞は一切ない。
描写を補足するかのような監督自身の語りは詩を朗読するかのようで、理解度を深めてくれる。

当てのない旅路において監督は自問自答し続ける。
なぜここに来たのか?私は一体誰なのか?
しかし、この問いかけそのものが人生そのもの。

目的なしに導かれたロッテルダム美術館。
そこで目にしたPieter SaenredamやVincent van Goghの絵画を通じて哲学的に考える。人生とは?

人生とは自問自答しても答えが導けないもの。目的のないVoyage(旅路)のようでもある。
心が無になり洗われていくような感覚におちいる不思議な映画だった。

[サイト内タグ検索] アレクサンドル・ソクーロフ監督
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闇の列車、光の旅 <2009/メキシコ> ★★★★

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Sin Nombre/ Without Name
2009/96min/メキシコ
製作総指揮:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ(長編デビュー作)
出演:エドガー・フローレス、ポーリナ・ガイタウ
IMDb評価:7.7/10

社会度 ★★★★
芸術度 ★
衝撃度 ★★★★
うるうる度 ★★
お笑い度 なし

<あらすじ>
サイラ(パウリナ・ガイタン)は、父と叔父とともにホンジュラスを出て自由の国アメリカを目指す。3人はどうにかメキシコまでたどり着き、米国行きの列車の屋根に乗り込むことができる。ほっとしたのもつかの間、ギャング一味のカスペル(エドガール・フローレス)らが、移民たちから金品を巻き上げるために列車に乗り込んで来て……。

<レビュー>
リュックに希望を背負い、「豊かな国」を目指し列車に乗り込む人々。
彼らの壮絶な逃亡劇の中で不法移民の実態を浮き彫りにする。
ハリウッド映画でも移民を描く映画は数多くあるが、いずれもアメリカ人の目に映る移民。
日本だって、不法入国者や不法就労者が来る国ですから、アメリカ側の視点に近い。
本作はアメリカや警察側の視点ではなく、移民当事者 南米人の視点で描かれている。

ホンジュラスの女の子サイラ、メキシコのギャング キャスパーのストーリーが同時進行で進む。
少女サイラの父親は不法移民としてアメリカに渡り、新しい家族も作っている。
サイラと共に暮らしたいと願う父親はサイラを連れ出し、列車に乗り込む。
列車の屋根は国境を目指す人々で溢れかえっている。
しかし、こんな人たちをも狙うギャングたちがいる。
明日をも知らぬ暮らしから抜け出すべく命がけで国境を越えようとする人々の所持品なんて微々たるものだろう。
貧困が招く負のスパイラル。卑怯な手口には呆れてしまう。

一方ギャングのキャスパーは、ギャンググループに所属していることに疑問を抱き始めていた。
ある出来事が原因で乗車した列車で少女サイラと出会い、旅を共にすることになる。
サイラとキャスパー。
幸せになって欲しいと私が心から思った2人だった。
Sin+Nombre5.jpgSin-Nombre-001.jpg
私が最も興味深かったのは、ギャンググループであった。
実在する組織をモデルにしたとのことで、恐ろしい実態に震え上がってしまった。
モデルのギャンググループはメキシコを中心に6カ国、10万人近いメンバーがいるといわれている。

あどけなさの残る少年らはなぜ入団を希望するのか。
入団の儀式は普通ならビビってしまうであろうに、なぜゆえにそこまでして入団を希望するのか。
儀式を無事終え、一員となった暁にはタトゥーを身体に刻む。
タトゥーが明るい未来を約束してくれるわけではない。
しかし、生き抜く唯一の手段のように思えた。
とはいえ、ギャングの中にも厳しい階級が存在する。
掟に背けば死を意味するし、ギャングとして生きていくにもあまりにも過酷である。
やはり、抜け出す手段はないのか。

この作品で、グループを裏切ったキャスパーはギャングたちに追いまわされる。
10万人近いメンバーがいるのだから逃げられるわけがない。
キャスパーの一言「死ぬのは怖くないけど、いつどこで死ぬかわからないから怖い。」
ギャングの怖さを痛感しているからこその一言だ。
首筋のタトゥーが妙に気になり、いろいろ調べてみたら、「ママ、許してくれ」と刻んでいたとのこと。

列車での国境越えで命を落としている者がいることもきちんと描いている。
私たち日本人には当たり前のように与えられた環境が彼らにはない。
普通の生活や自由を求めているだけなのに、一瞬一瞬の決断が明暗を分ける悲しい現実。
しかし、ラストシーンのサイラの眼差し。それは、決意に満ち溢れてていた。
ぬるま湯に浸かっている日本人にはない意志の強さを感じた。


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2010年上半期 興行成績

작업기준일시 : 2010/07/01 06:00
順位タイトル영화명封切日入場観客数上映館数
1義兄弟의형제 2010/02/04 5,460,035 1546 
2田禹治전우치 2009/12/23 6,108,594
 (3,636,693)
1345 
3ハーモニー하모니 2010/01/28 3,044,073 1380 
4房子伝방자전 2010/06/03 2,713,702 1306 
5下女하녀 2010/05/13 2,289,174 1335 
6砲火の中へ포화속으로 2010/06/16 2,017,362 1230 
7雲から抜けた月のように구르믈 버서난 달처럼 2010/04/28 1,398,684 1268 
8六連発銃強盗団육혈포 강도단 2010/03/18 1,229,810 1201 
9容赦はない용서는 없다 2010/01/07 1,136,266 975 
10ベストセラー베스트셀러 2010/04/15 1,095,803 1138 
11平行理論평행이론 2010/02/18 929,498 821 
12アタック・ザ・ガス・ステーション2주유소 습격사건 2 2010/01/21 737,863 961 
13僕のやくざみたいな恋人내 깡패 같은 애인 2010/05/20 695,814 809 
14ありがたい殺人者반가운 살인자 2010/04/08 596,304 849 
15実家の母친정엄마 2010/04/22 475,930 934 
16食客:キムチ戦争식객: 김치전쟁 2010/01/28 466,821 860 
17大韓民国1%대한민국 1% 2010/05/05 441,599 661 
18시 2010/05/13 212,225 518 
19素足の夢맨발의 꿈 2010/06/24 186,263 613 
20パパは女のひとが好き아빠가 여자를 좋아해 2010/01/14 179,230 602 
21秘密愛비밀애 2010/03/25 168,340 623 
22無法者무법자 2010/03/18 162,671 433 
23回復회복 2010/01/14 160,301 178 
24ウェディングドレス웨딩드레스 2010/01/14 145,228 388 
25夢はかなう꿈은 이루어진다 2010/05/27 103,981 525 
26アマゾンの涙아마존의 눈물 2010/03/25 95,788 154 
27注文津주문진 2010/01/21 65,857 204 
28夏夏夏하하하 2010/05/06 53,123 52 
29暴風前夜폭풍전야 2010/04/01 52,409 288 
30小さな池작은 연못 2010/04/15 45,777 200 
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(未) Red Road <2006/英> ★★★

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Red Road
2006/113min/イギリス=デンマーク
監督/脚本:アンドレア・アーノルド「fish tank
脚本:アナス・トマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)
出演:ケイト・ディッキー 
受賞:2006 カンヌ審査員特別賞他20受賞、7ノミネート
IMDb評価:6.8/10 

町中に設置されているCCTV(監視カメラ)。警備会社に勤めるジャッキーは終始カメラを監視している。
犯罪につながりそうな怪しい行動を監視し、未然に防ぐことが目的だが、そう犯罪が起こるような町ではなく、住人たちの行動を覗き見ているといったほうがいいかもしれない。東京もこんなに監視カメラが発達しているのだろうか。先進国の中では東京は少ないそうだ。イギリスのCCTV設置台数は911テロ以降増え続けたが、今は減らす傾向にあるそうだ。舞台はスコットランド。至る所に設置されており、自由にズームインでき、操作することで特定の人の行動を追えてしまう。

日々、監視カメラを監視(覗き見?)するジャッキー。偶然、ある男を見つけてしまう。その男が住むのがRed Roadである。そして、ある理由でその男の行動を監視し始める。彼との関係はすぐに明らかになるが、その後の彼女の行動が。。。男の正体を知れば理解できないわけでもないが、複雑な気分になった。気楽な覗き見は面白いだろうが、警備会社に勤めていなければ、彼とは一生会わずに済んだだろうに。

監視カメラを使うというアイデアは面白いと思ったが、正直ゾッとさせられた。我が家の前の道路はひったくりが多いらしく、警察が2台の防犯カメラを設置している。この映画のようにリアルタイムで監視されているかどうかは知らないが、生活のリズムが知られているようであまり気分はよくない。
もっとひどいのは、以前住んでいたマンションである。玄関や駐車場、階段に監視カメラが設置されており、管理人が監視をしているのは知っていたが、住人の部屋のテレビでもリアルタイムで見ることができた。
「昨日部屋に来ていた人は誰?」「帰り遅かったね。」なんて入口が違う別棟に住む同僚に言われたことがあったが、監視カメラって一体何?犯罪を未然に防ぐため?プライバシーを侵害するため?
本作でもそんな疑問が頭をよぎる。
中盤まではミステリー度が高く面白かったが、後半はテンポも悪く、歯切れの悪い結末は少々残念。

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(未) The Island <2006/ロシア> ★★★★★

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Ostpob/ The Island
2006/112min/ロシア
監督:Pavel Lungin
出演:Pyotr Mamonov、Viktor Sukhorukov
言語:ロシア語、ドイツ語
IMDb評価:7.8/10

伝統的な東方正教会 修道院がただ一つあるだけの小さな島。
周囲を海に囲まれ、人々はある1人の修道士を訪ね小さな船で渡って来る。
その修道士は、仲間を混乱させるほど怪しい行動をするが、
訪ねてくる人々には、悪霊を追い払い、未来を予言するパワーを持っていると信じられている。

聖地とは、宗教等において重要な意味を持つ聖なる地、又は神聖とされる自然地域のこと。
まさにこの島は聖地に相応しい場所である。

白黒映画ではないが、用いられる色彩は白い雪、黒い家、修道服、灰色の空といった無彩色ばかり。
なのに息をのむほど美しい。

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噂を聞きつけ、藁をも掴む思いでここにかけ込む人々を救う1人の修道士。
人々は彼を神と呼ぶが、彼自身も十字架を背負って生きている普通の男だった。
罪を誰にも話せず、話さず、人々を救うことが彼にとっては罪滅ぼしであった。
罪を告白する勇気は誰にでもあるわけではない。
胸に秘めたまま死ぬか、償って死を迎えるのか、どちらも容易いことではない。

この作品のテーマは人間の美徳と罪。
安らかな死を迎えるには?
その答えが神秘的な映像の中でロシア人の魂を通じてじんわりと描かれる。

島を舞台にしているので、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品「父、帰る」のような雰囲気ではあるが、
内容はこちらのほうがいたって単純。
宗教(キリスト)映画を期待して観たが、むしろ哲学的で、宗教問わず楽しめるであろう。
父、帰る」よりもこちらのほうが日本公開すべき作品のように思えた。
よく耳にする監督ではあるが、一体何人の日本人がこの監督を知っているだろうか?

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/14
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(未) A Driver For Vera <2007/ロシア> ★★★

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Водитель для Веры/ A Drive For Vera
2004/105min/ロシア・ウクライナ合作
監督/脚本:Pavel Chukhraj
出演:Igor Petrenko,Yelena Babenko, Bogdan Stupka
IMDb評価:7.4/10

時代は1962年スターリン死後のフルシチェフ政権下のソ連。
黒海沿岸のクリミア(現ウクライナ)が舞台。
赤軍(ソビエト連邦軍)士官候補生であり、幹部の専属運転手をしているVoctorが主人公である。

とある日、娘Veraの運転手を任されることになるが、この娘の性格が何とも屈折している。
父親の反発もあったであろうが、共産主義という時代背景や環境がそうさせていると思える。
しかし、運転手との出会いによって徐々に心も溶かし始めていく。
初めは後部座席に座っていた彼女もいつの間にか助手席に座るようになるのだ。
運転手と喧嘩している時は後部座席に座ったりと、2人の距離感が座席に表われている。

幹部のお宅には住み込みの家政婦等が数人いる。
そのうちの2人がVotorの人生に関わりをもたらしている。
1人は女性で、Voctor、Veraとの三角関係に苦しむ。
もう1人はKGB(国家保安委員会)の一員だったのだ。
暗殺計画を練っており、Votorをスパイとして利用しようと目論んでいた。

前半までは、恋愛映画だと思いながら観ていた。
後半から内容はがらりと変わるが、ロシア映画としては軽めのテイスト。
緊迫感がなく、恋愛のほうに重点を置かれてしまっている。

部屋で暴れる娘をなだめる父の台詞がおかしかった。
「これからはお前の言うことは何でも聞くよ。マッシュドポテトにバターはどうだ?」
重要なシーンに似つかわしくない台詞で脱力した瞬間だった。
しかし、これから母になろうとするVeraにとってのマッシュドポテトは亡き母を意味していたのだ。

台詞はロシア語だが、音楽はスペイン語や英語。
南仏な雰囲気が漂い、行ってみたいとさえ思う。
展開が容易に読めてしまったのが残念。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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父、帰る <2003/ロシア> ★★★★★

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Возвращение/The Return/父、帰る
2003/105min/ロシア
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ 「the Banishment
出演:イワン・ドブロヌラヴォフ、故ウラジーミル・ガーリン、コンスタンチン・ラヴロネンコ
撮影:ミハイル・クリチマン
受賞:28賞受賞、13ノミネート
IMDb評価:8.1/10

<あらすじ>
アンドレイとイワンの兄弟は、母親と祖母と共に暮らしており、父親の顔は写真でしか知らない二人だったが、ある日12年ぶりに父親が帰ってきた。これまでどこにいたのか全く語らない父親に当惑する二人だが、父親は明日から二人を連れて旅に出るという。翌朝、3人はつり道具と共に車で出かけるが、父親は行き先も告げず、高圧的な態度で子供達に接する。兄のアンドレイはそれでも父親に好意的だったが、弟のイワンは不満を募らせてゆく。

<レビュー>
色褪せた写真でしか知らない父の12年ぶりの帰宅。
子供2人にしてみれば今更であろうし、もはや見知らぬ人。
しかし、父親からしてみれば、子供である。
帰宅直後の夕食時から彼の振る舞いは威厳的な父親。
一家団欒とは程遠く、緊張感が漂っており、絶対的権力をもつ父親といった印象。
ステレオタイプかもしれないが、私が抱くソ連の父親像だ。
抑圧的だが、子供にとっては目指すべき、乗り越えるべき存在として見える。

小旅行に出かける父と子二人。
本来なら、こういった旅行でお互いの距離が縮まるであろう。少なくとも弟はそう期待していたはずだ。
「今まで何をしてたの?」「なぜ帰ってきたの?」「またどこかへ行くの?」
答えてくれない父親に弟は苛立ちを見せる弟。
同様に観客にも多くを語らず、ミステリー要素や緊張感が保たれたままストーリーは続く。
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旅行中も絶対的権力を持つ父親。
平気で置き去りにしたり、殴ったり、終始冷たい態度を示している。
きっかけを与えては子供に考えて行動させるチャンスを与えていたのだ。
いて欲しい。いなきゃ困る。いなくてもいい。もういらない。
旅行中、父親に対するこんな葛藤が弟を悩ませていた。
橋の上に置き去りにされたシーン。
大型トラックを目で追う仕草は何を意味していたのか。
あのトラックに乗せてもらって逃げ出すこともできたのに、そうはせず、父の迎えを待っていた。
最後の出来事は突発的で衝撃的だったが、弟が出した答えは橋の上と同じだった。
「パパ~」と叫ぶシーンはあまりにも印象的。
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出演者も極端に少なく、台詞も少ない。
自然を主体に人間が溶け込んでいくような映像美。あまりのキレイさに息を呑むばかり。
特に湖、雨といった「水」が印象的。
それもそのはぜ。鑑賞後インタビュー等をみてやっと理解した。
ロシア正教では水は洗礼を意味するのだ。
オープニングの塔のシーンで兄は湖に飛び込み、洗礼を受けたことになる。
しかし、弟は飛び込めなかった。すらわち、洗礼を受けていないことを意味する。
この洗礼が「神である父」との今後の関係を導いていたのだ。
橋の上に置き去りにしたシーンは大雨だった。
雨も水の洗礼としてとらえると、父子関係もつじつまが合ってくる。
この作品が宗教映画だとわかってから、多くの謎が紐解かれていく。
ベッドで眠る父の登場シーンは眠るキリストの構図だったし、食卓で食事を取り分けるシーンもキリストを思わせる。
オープニングの塔では母が助けに来てくれたが、終盤の塔では自己を犠牲にする父の愛が感じることもできる。
突然の父の帰宅の謎。それは、父は神だからだ。
日曜日から土曜日という「七日間」を描いていることからは「天地創造」を思わせている。
神の休む日である7日目。
「神である父」の本当の「帰還(Возвращениеロシア語のタイトル)」が描かれている様にとらえることもできる。
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旅の途中の電話(誰に?)、無人島の箱(中身は何?)・・・
最後まで意味は明かされていない。宗教的な解釈ができるのかもしれないが、私にはそこまでの解釈はできない。
makingを含めたドキュメンタリー映画も観たが、やはり答えは導けなかった。
この曖昧さが余韻と残る不思議な作品。
再度鑑賞することによって新たな発見が見出せそうです。

しかし、何よりも気になったのは、父が家を出たのが1991年ということ。
(2003年公開なので、12年前は1991年。)ソ連崩壊の年である。
劇中で触れている訳ではないが、何かを暗示していたのだろう。

この作品に1年後に制作されたドキュメンタリー映画も観た。
メイキング映像に加え、監督をはじめとする制作スタッフと出演者たちのインタビューが含まれていた。
しかし、兄を演じたウラジーミル・ガーリンのインタビューはなかった。
映画と直結しているかのようで、背筋が凍った。

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(未) Last Resort <2000/英> ★★

last resort
Last Resort
2000/73min
監督/脚本:パウエル・パブリコフスキー(Pawel Pavlikowski)
出演:Dina Korzun、Artyom Strelnikov、パディー・コンシダイン(Paddy Considine)
受賞:13賞受賞、7ノミネート
IMDb評価:7.3/10

ロシアからフィアンセを訪ねロンドンに来た親子2人。
しかし、空港に迎えに来ているはずのフィアンセがいない。
普通ならロシアに引き返すのでは?ところが保護を要求している。
難民申請を行うが、手続き完了まで1年かかるとのこと。
その間、オフシーズンのリゾート地ストーンヘブンで足止めを食らうことになる。
町中には、フェンス、用心深い警察官、超大型犬、および監視カメラがあり、刑務所のような所だ。
しかし、お金がないので逃げるわけにはいかない。
そこにつけ込むのがインターネットポルノだ。
この町で唯一の産業と言ってみいいほど。
母はこの世界に足を踏み入れてしまうことに。
現実を知った息子は悪い友達とつるみ、酒や煙草に溺れる。
ステレオタイプかもしれないが、感受性の強い年頃の一般的な現実逃避だが、これが現実なのだろう。

この作品での唯一の救いとなっているのがアルフィーという男性。
婚約者に裏切られた彼女はもはや恋愛をする気力などはなくなっていたが、
アルフィーなくてはここでの生活は乗り切れなかったであろう。
息子も彼と交流で更生をみせている。

雑音が排除され、音楽もなく、地味で暗い作品。
ロンドンでの移民問題、保護施設危機や残忍な官僚制度が浮き彫りになっている。
避難民がどういう扱いをうけているかはよくわかるが、面白味は全然ない。

UK映画なので基本、会話は英語だが、主人公親子の会話はロシア語。
字幕がなく、会話の内容は推測する必要がある。
敢えて字幕をつけなかったのか、欠如していたのかはわからないが、
親子の会話が分かれば理解度も高まったと思われる。

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4か月、3週間と2日 <2007/ルーマニア> ★★★★★

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4 luni, 3 saptamâni si 2 zile/4 Months, 3 Weeks & 2 Day
2007/113min/ルーマニア
監督/脚本:クリスティアン・ムンジウ
脚本:ラズヴァン・ラドゥレスク
出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ
受賞:2007年カンヌ国際映画祭パルムドール 他23受賞、19ノミネート
IMDb評価:7.9/10

<あらすじ>
1987年の冬のある日、チャウシェスク政権下のルーマニアで、大学生のオティリアは寮のルームメイトのガビツァとせわしくなく動き回っていた。寮を出たオティリアはホテルへ行くが、予約が入っていない事を知り、仕方なく別のホテルを取る。またガビツァの代わりにある男に会う事に。実はガビツァは妊娠しており、オティリアはその違法中絶の手助けをしていたのだ。しかし思うように事は進まず、オティリアの苛立ちはつのっていく。

<レビュー>
女の子が何をせわしく駆けずりまわっているのか教えてもらえないままストーリーは進む。
予めあらすじは知っていたが、それでも状況がわからなかったし、主人公が誰なのかもわからなかった。
重苦しい寮に冴えない顔付き、チャウシェスク政権下、真冬、、、音楽を一切排し、とにかく暗い。

時代は、チャウシェスク政権下。
常にID提示を求められ、女性たちの避妊、中絶は禁じられていた。
抑圧された社会が見事に浮き彫りになっている。
望まない妊娠に対しての中絶は秘密裏に行うしかなかった。
万が一、違法な中絶が見つかったら罪に問われる時代だが、闇医者は存在する。
手術をする側も施す側も命がけ。
設備が整った病院で手術できるわけがないのは当たり前だが、ホテルの1室で麻酔なしに数分で行われる。
殺伐としていてやり場のない気持ちになった。
命を軽んじる少女が悪いのか、中絶を禁じる国が悪いのか、、、

この国での闇医者は、望まない妊娠をしてしまった女性にとっては救世主。
私はそんな思いで闇医者を見ていた。しかし、弱みにつけ込む許し難い行為は最低だった。
この国で暮らす女性たちに希望はあったのだろうか?

一番の被害者は妊娠した少女ガビツァではない。ルームメートのオティリァである。
中絶場所として指定されたホテルの予約が失敗したのは当事者の責任だが、医者の機嫌をとったのはオティリァだった。
命がけの中絶。
万が一見つかった際、手助けをしたオティリァも罪を問われてしまうのに、なぜこんなに協力的だったのか。
彼女自身も明日は我が身だったのです。もしかしたら同じ境遇なのではないかと思わせるシーンすらある。
「自分が妊娠した時はガビツァが助けてくれるかもしれない」
こんな思いをせざるを得ないことがあまりにも哀れだ。

中絶を禁じる社会状況、闇医者、それ以上に私をイライラさせたのは当事者のガビツァ。
ルームメートのオティリァの助けなしでは中絶はないえなかったであろうに、あまりにも子供で身勝手だ。
手術後の食事のメニューは彼女の無神経な性格を象徴しているかのよう。

すごくヘビーで、胸がえぐられるほどショッキングな作品だった。
でも、興味を引き付けるリアルさがあり釘付けになってしまった。
緊迫感、絶望感、閉塞感がこれでもかと言わんばかりに襲ってきた。
しかし、社会状況や中絶是非を批判するものではない。
絶望の淵の中でたくましく生き抜くオティリァはこの作品の中で唯一の希望に見えた。


参考までに、
1989年、ルーマニア革命で中絶は合法化
1920年、旧ソ連中絶を合法化(1936年非合法化のちに1955年再度合法化)
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(未) 【短編】Strangers <2008/イスラエル> ★★★

Strangers
2008/7min/ショートドラマ
監督/演出:Guy Nattiv、Erez Tadmor
言語:なし
受賞:8部門

男性2人が電車で出くわす。
一人はアラビア語の新聞を読んでいる。
もう一人は新聞の男にネックレスを見せつけ、ユダヤ教徒であることを示す。
互いが気になり、居心地が悪そう。
イスラム教徒とユダヤ教徒が敵対する宗教であることが読み取れる。

そこへスキンヘッドの男性数人が2人の間の席に乗りこんでくる。
アラブの新聞にスプレーをかけ、脅し始める。
ユダヤの男性はネックレスを隠し、対立から逃げようと試みるが、タイミングよく携帯が鳴ってしまう。
着信音がHava Nagilaというユダヤ教徒の結婚式で流れる曲、らしい。
イスラム教とユダヤ教の男性は目配せをしながら、逃げ切るという話。

この作品で学んだことは、スキンヘッドはネオナチの象徴であり、反体制の可能性があるということ。
単なるファッションの可能性もあるが、少なくともこの作品ではネオナチスであることがわかる。
たった7分に縮約した宗教間の衝突。
電車のような公共の場でも実際に対立はあるんでしょうか。
知識なしではただの強盗かと思ってしまうほどだけど、根が深い問題。

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(未) Lemon Tree <2008/イスラエル> ★★★

lemon tree
Lemon Tree/ Etz Limon
2008/106min/イスラエル=ドイツ=フランス
監督:エラン・リクリス監督シリアの花嫁
出演:ヒアム・アッバスシリアの花嫁」、アリ・スリマンパラダイス・ナウ
言語:アラビア語、ヘブライ語、フランス語、英語
受賞:2008年 ベルリン国際映画祭 パノラマ賞 他4受賞、9ノミネート
IMDb評価:7.2/10

<レビュー>
シリアの花嫁」のエラン・リクリス監督が今度はイスラエル・パレスチナ問題に焦点を当てた。
イスラエルとパレスチナのイメージとは何だろうか。
激しい爆撃戦。私はそんなイメージしかなかった。
しかし、当たり前だが戦場となっている町にも普通に暮らしている人がいるのだ。
「レモン・ツリー」は、パレスチナ自治区で小さなレモン果樹園を営む未亡人女性の静かな戦いを描いた秀作。
国のことなんかより自分たちの生活を維持するために、タフにならなければ生き抜けない、という状況にあるのだ。

パレスチナ自治区に住むサルマは、父から受け継いだレモン果樹園を大事に守り続けてきた。
だが、隣にイスラエル政府要人一家が引っ越してきたことで事態は一変。
果樹園はイスラエルとパレスチナの境界線となり、フェンスが建てられてしまう。
イスラエル治安当局は、レモン園を経てテロリストが侵入し、国防相を暗殺する恐れがあるとして、レモンの木の伐採を命じる。
サルマは弁護士に相談し、イスラエル政府に対して裁判をはじめる。

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lemon tree2

サルマは特別教養のある女性ではない。が、未亡人であっても内に秘めたエネルギーを持っている。
レモンの木の問題で政府と最高裁まで戦おうとするガッツが普通の女性にあるでしょうか。
マスコミに取り上げられ、アメリカに住んでいる息子も偶然テレビで母親の戦いを目にする。
彼女の戦いは海外でも報道されるほどのビックニュースだったようだ。
更に驚くのが、周囲の反対を押し切り、2度目の恋に踏み切ろうとする姿。
そして、彼女の表情が徐々に凛とし、美しくなっていくこと。
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一方、隣に引っ越して来たイスラエル要人の妻は、フェンスの奥からレモン果樹園を毎日眺め、サルマの働く姿を覗いている。
隣人なのに、挨拶を交わすことも許されない。
夫と戦っている女性だが、彼女にも同情心を見せ始め、訪問を試みるが、ボディーガードによって阻まれてしまう。
同じ女性同士でも、イスラエルとパレスチナのようにそう簡単には仲良くなれない。

実話を基にした作品で、ベルリン国際映画祭でもパノラマ観客賞を受賞した秀作。
レモンの木の伐採は悲劇的な話だが、軍も国防省も皆、イスラエルの市民の安全を優先しての決断だった。
しかし、安全だけを追求し、犠牲になるのは市民の生活だった。
皮肉的なラストシーンだけど、サルマの表情はレモンのように爽やかだった。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/2 
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シリアの花嫁 <2004/イスラエル> ★★★★★

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Kala Ha-Surit, Ha-/シリアの花嫁/The Syrian Bride
2004/97分/イスラエル=フランス=ドイツ
監督/脚本:エラン・リクリス監督Lemon Tree
出演:ヒアム・アッバスLemon Tree」、マクラム・J・フーリ 、クララ・フーリ、アシュラフ・バーホムパラダイス・ナウ」「レバノン
受賞:2004年 モントリオール4部門、他3受賞、13ノミネート
言語:アラビア語、ヘブライ語、英語、ロシア語、イタリア語
IMDb評価:7.6/10

<あらすじ>
イスラエル占領下のゴラン高原のある村。今日はモナが嫁ぐ日なのに、姉のアマルの表情が悲しげだ。それというのも、一度「境界」を越えてシリアへ行けば、二度と戻る事はできないのだ。やがて長男ハテム、次男のマルワンも結婚パーティにやってくる。しかし父は、ロシア人女性と結婚して家を出たハテムを許さない。パーティが終わり、モナの一家は「境界」へ向かう。無事、出国スタンプが押されるが、思わぬ出来事が待っていた。

<レビュー>
次女モナの結婚式当日。
本人は暗い顔をしている。
「家族とはもう会えなくなるかもしれない」と泣き出すモナに、なぜ?という疑問が湧く。
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舞台は、シリアとイスラエルの間にあるゴラン高原。
もともとシリア領だったが、1967年の第3次中東戦争でイスラエルに占領され、イスラエルの実効支配下にある。
元々住んでいる人々は、イスラム教保守的少数派であるドルーズ派が多い。イスラム教の中でも特に厳格で知られている。
多くの人は、イスラエル実効支配に反対しており、無国籍を選択しているのだ。
イスラエルとシリアの間は国交がなく、国連関係者以外が渡る事は原則として許されていない
シリアには入国できても、両国の国境政策のため、イスラエル側に帰国出来ないという。
第3国で再会する方法はあるが、半永久的に会えなくなる可能性が高い。
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主人公はここに住むイスラム教ドルーズ派の女性。シリアへの嫁入りを描いている。
シリア新大統領を支持するデモに参加する父親。
イスラエル-シリア間を行き来する国連社員。
この二人の行動が最も国勢を映し出している。
軍事境界線でイスラエル-シリア間のやり取りは拡声器を使っている。
さほど遠くはないが、実距離以上に遠くに感じられる相手国。
この軍事境界線で見せる家族の関係にも境界線がある。
この線が取れかかった時に私は涙した。

家族と生き別れになってまでもの結婚とは?
ドルーズ社会の閉鎖的な長老会議の権力。男性優位社会。強制的な結婚。
抑圧的なドルーズ派であり、女性の意見などまかり通るわけがない。
こんな社会情勢や宗教問題も浮き彫りにしている。

そして、政治的、宗教的抑圧が色濃く残る地での女性の価値観も問う。
モナの最後の行動も驚いたが、姉の行動、決断も女性として前に進もうとしていることを示唆している。

90分と短い中で、多面的な要素がふんだんに散りばめられている。
同様の問題が今なお起こっているとのこと。
果たして、花嫁がイスラエルで暮らす家族に再会出来る日が来るだろうか。
そんな日が実現することを切に願う。

<鑑賞> 英語字幕 2010/7/29
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静かな光/Silent light <2007/メキシコ> ★★★★

silent light
メキシコ=フランス=オランダ=ドイツ合作
2007/145分/ドラマ
Stellect licht/ Silent light
監督:カルロス・レイガダス
出演:コルネリオ・ウオール・フェール、ミリアム・トウズ、マリア・パンクラッツ
受賞:2007 カンヌ Jury賞、他28賞受賞、5ノミネート
言語:低地ドイツ語

<あらすじ>
メノー派の既婚男性ヨハンは、伝統的な信仰と思想に背き、妻以外の女性と恋に落ちる。この不倫関係によって彼は、かつて心から愛した妻を裏切り、コミュニティの秩序を崩壊させてしまうのか、あるいは真実の愛と未来の幸福を犠牲にするのかというジレンマに直面することになる。

<レビュー>
夜明け前の草原が映し出されるオープニングの6分間。
カメラは固定され、映像はまるで静止画。聞こえるのは虫の鳴き声だけ。
徐々に夜が開け、オレンジ、白と色彩が変わる。
そして、虫の鳴き声は小鳥のさえずりに変わる。
場面は一家の朝食前のお祈りへと移る。「アメーン」という台詞でやっと長い長い沈黙から解放される。

画面いっぱいに広がる大自然はまるで絵葉書のよう。この地での音といえば自然音。
人々は文明とは縁のない静かな生活を送っている。

この地とはメキシコ北部のチワワ州。
メキシコ映画なのにスペイン語ではないと思ったら、彼らの話す言語はplautdietsch語(低地ドイツ語)。
ここにはキリスト教一派メノナイトの集落がある。
プロテスタントの一派である彼らは、迫害から逃れ、ヨーロッパからカナダ、アメリカに移り住んできた人たちである。アーミッシュと保守派メノナイトはしばしば同義にみなされる。
メキシコにやって来たのは1922年。
彼らは文明社会から隔離され、外部と交わることなく、自給自足。独自に昔ながらの質素な生活を営んでいる人々なのです。
チワワ州に住むのはほとんどがメノナイト、だそうです。
登場人物はみなヨーロッパ人の容貌である。俳優ではなくほとんどが素人の方だというから更に驚き。

この「静かな光」はカンヌ映画祭をはじめとして世界的な評価を得ている。
カメラワークがとてもいい。遠景から徐々にズームしていく手法。人々が去ってもカメラは動かない。
自然が主体なのだ。
彼らの生活もゆっくりと流れる。まるで時間が止まったこのよう。
ほとんど動きがなく、まばらな台詞。雲の流れ、雨音、家畜の鳴き声、自然に癒されていく。
我々の日常がいかに騒がしく、文明に頼っているかがわかる。

チワワ州を舞台に、メノナイト派のコミュニティで暮すジョアン一家の生活と他の女性を愛してしまったジョアンの苦悩を描いたもの。
ドロドロしたドラマはなく、静寂としている。非暴力主義なので、が、最後にとんでもない結末が用意されていた。

呆気にとられている間に、スクリーンはオープニングの草原へ。
日が沈み、たちまち夜へ。

監督の独特な感性、特にフレームや光の取り込み方が新鮮で大胆だった。
不思議な作品だったけど、美しかった。

<鑑賞> 英語字幕 2010/8/1
[タグ未指定]
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216. 私の愛,私のそばに <2009> ★★★

my love beside me
私の愛,私のそばに 내 사랑 내 곁에
2009/121分/ドラマ/12歳以上
脚本/監督: パク・チンピョ 
出演: ハ・ジウォンキム・ミョンミン、カン・シニル
受賞:
2009 第46回 大鐘賞映画祭/男優主演賞(キム・ミョンミン
2009 第30回 青龍映画賞 男優主演賞(キム・ミョンミン)/女優主演賞(ハ・ジウォン
2010 第46回 百想芸術大賞 映画部門 女子最優秀演技賞(ハ・ジウォン

<あらすじ>
身体が少しずつ麻痺していくルーゲリック病を抱えているチョンウは,唯一の血縁の母までが亡くなった日,幼い頃に同じ町内で育った葬儀指導師のチスと運命のように再会して恋に陥る。
1年後,結婚式を挙げた二人の新居は,まさに病院。チョンウは,スプーン一つさえ手に握れない境遇だが,いつもそばを守ってくれる妻チスがいて,どんな時よりも幸せで,誰よりも闘病意志が強い。
全身麻痺や植物人間状態の重い患者たちが集まった6人部屋病棟。似た痛みを持った病棟家族たちと,互いに励ましあって慰労されながら過ごす間,回復傾向を見せる患者や,手術の希望を探すようになった患者も,一人二人出てくる。
しかし,チョンウの状態はますます悪くなって,病気をクールに受け入れ,闘病意志を燃やしたチョンウも,日々変わって行く自分の身体を見守るのがますます怖くなる。そしてついに,避けたかった言語障害が始まってしまう。

<鑑賞> 字幕なし 2010/7/31
<レビュー>
チョンウ(キム・ミョンミン)のいる6人部屋の病室はみなルーゲリック病を抱えている。みな家族の手厚い介護に恵まれ、互いに助け合っている。それは、患者にとっても看病する側にとっても励みにもなるが時には酷でもある。同じ病気に苦しむ者の病状の悪化や死を目の当たりにするからだ。明日は我が身かもしれない。

感覚や意識は正常のまま身体の筋肉が麻痺していくルーゲリック病。衰えていく身体能力と向き合っていかなければならないことがどれだけ過酷なことか。チス(ハ・ジウォン)はチョンウの気持ちを理解するために、手足を縛り、不自由な環境でしばらく過ごしてみる。難病を描いた作品だが、催涙性を誘う韓流作品ではない。難病としっかり向かい合う家族たちの人生が描かれている。

ついに言語障害が始まってしまう。チスは悲しみを押し殺し、返事が返ってこないことはわかっていても、明るく話しかける。そんなチスに答えるチョンウの心の声が印象的。きっとチスの胸にも届いていることでしょう。

妻のチスは葬儀屋である。韓国は土葬や散骨が一般的だが、最近は火葬が増えつつあるらしい。
邦画「おくりびと」の英題は「Depature(出発)」だった。死後の世界に送り出す仕事をしている妻に介護されることは、死を目の前にする患者にとってはある意味一番幸せなことなのかもしれない。

キム・ミョンミンは病気の進行に合わせて20kg以上減量したとのこと。
同じく減量に挑んだアイルランド「Hunger」鑑賞後にこちらを観たので、残念ながらヴィジュアル的なインパクトは感じられなかった。
しかし、グォン・サンウが降板し、キム・ミョンミン出演で成功に思える。
グォン・サンウではこの役は演じ切れなかったでしょう。
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