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ブルーバレンタイン <2010/米> ★★★★

愛が終わる傷み。恋愛を経験し、別れも経験したことがある人ならきっと何かを感じるはず。

Blue_20110130221608.jpg
Blue Valentine
2010/112min/アメリカ
監督/共同脚本:デレク・シアンフランセ
出演:ライアン・ゴズリングミシェル・ウィリアムズ
IMDb評価:8.1/10


アカデミー賞 主演女優賞ノミネート作。2011年4月公開予定。過激な性描写を理由に「NC-17」のレイティングを与えられたが、「R」への引き下げを求め、本編を修正することなくレイティングを変更させることに成功している。日本ではどうなのでしょうか。そんなに過激だとは思わなかったけど。

つい自分と重なってしまう瞬間が何度も訪れ、心臓をえぐり取られたような気持ちになった。あまりにも切ない。ここまで男女の恋愛を冷静に見つめた作品はあっただろうか。恋愛を経験し、別れも経験したことがある人ならきっと何かを感じるはず。

<鑑賞> 2011/1/30
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(未) Winter's Bone (原題) <2010/米> ★★★☆

オザークの現実。17歳の少女には重すぎる運命。どう抜け出すのか?

winter.jpgWinter's Bone
2010/100min/アメリカ
ドラマ、ミステリー
監督:デブラ・グラニク
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、ケヴィン・ブレズナハン
受賞:サンダンス映画祭 審査員賞/脚本賞受賞
   ゴッサム賞:作品賞受賞 
IMDbでの評価:7.5/10

社会度 ★★★★
陰湿度 ★★★
サスペンス度 ★

オスカー作品賞と主演女優賞ノミネートされているが、残念ながら配給はまだついていない。好きな部類の映画だはあるし、ジェニファー・ローレンスの演技も今後への期待が高まるけれど、そんなに騒ぎってるほどでもないような・・・サスペンスとして観てしまうと山場に欠け、社会派ドラマとしてどこまで読み取れるかどうかがポイントな気がする。

<鑑賞> 2011/1/29
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キム・ギヨン/金綺泳/김기영

キム・ギヨン/金綺泳/김기영 (1919年10月10日-1998年2月5日)
giyoung.jpg
パク・チャヌクやキム・ギドク、ポン・ジュノといった世界的映画監督を輩出する基盤となっているキム・ギヨン監督
女性の内面描写を徹底して生々しく描いた所謂“魔性の女”系列作品を得意としている。
キム・ギドク好きとしては観ずにはいられない。





【監督作品】
1955 死の箱 The Box of Death
1955 陽山道 Yangsan Province
1956 鳳仙花 A Touch-Me-Not
1957 女性前線 A Woman’s Front
1958 黄昏列車 The Twilight Train
1959 初雪 The First Snow
1959 十代の反抗 A Defiance of Teenagers
1960 悲しき牧歌 A Sad Patoral Song
1960 下女 The Housemaid 
1961 玄海灘は知っている Hyeon-hae-tan Knows
1963 高麗葬 Goryeojang 
1964 アスファルト Asphalt
1966 兵士は死して語る A Soldier Speaks after Death
1968 女(オムニバスの一篇) Woman
1969 美女、ミス洪 Lady Hong the Beauty
1969 レンの哀歌 The Sad Song of Len 
1971 火女 Woman of Fire
1972 虫女 The Insect Woman
1974 破戒 Transgression 
1975 肉体の約束 Promise of the Flesh 
1976 血肉愛 Love of Blood Relation
1977 異魚島 I-eo Island 
1978 土 Earth
1978 殺人蝶を追う女 A Woman after a Killer Butterfly
1979 水女 Woman of Water
1979 ヌミ Neumi
1981 潘金蓮 Ban Geumryeon
1982 火女’82 The Woman of Fire ‘82
1982 自由処女 Free Woman
1984 馬鹿狩り Hunting of Idiots
1984 肉食動物 Carnivore 
1995 死んでもいい経験 An Experience to Die For


[サイト内タグ検索] キム・ギヨン監督
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[ 2011/01/28 21:24 ] 敬愛なる映画人たち | TB(0) | CM(0)

(未) Insomnia <1987/ノルウェー> ★★

クリストファー・ノーラン監督、アル・パチーノ主演「インソムニア」のオリジナル。

insomnia.jpg
Fonos stin omihli/ Insomnia
1997/92min
犯罪、ミステリー
監督:エーリク・ショルビャルグ 
主演:ステラン・スカルスガルドマリア・ボネヴィー
IMDb評価:7.3/10

スティーブン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニーが製作総指揮、クリストファー・ノーラン監督、アル・パチーノ主演で2002年にリメイクされている。


白夜の夏のノルウェーで発生した女子高生殺人事件の捜査にスウェーデンから刑事ヨーナスが呼ばれる。捜査は難航していたが、犯人をおびき寄せることに成功する。しかし、悪天候での犯人との銃撃戦でヨーナスは誤って同僚刑事を射殺してしまう。この事故を犯人の仕業に見せかけようとするが、犯人から脅迫電話がかかってくる。

太陽が沈まない白夜とはいえ、燦々と降り注ぐ太陽光はなく、どよ~んと陰気な曇り空。そういう演出なんだろうけど、段々憂鬱な気分になってくる。北欧人のヨーナスにとって白夜とは毎年経験していることなのに、睡眠時は遮光カーテンをやったり、アイマスクを使用したりいろいろ工夫を凝らすけどなかなか眠れない。更に、同僚を射殺してしまった罪の意識、脅迫電話からの恐怖などで精神不安定。そんなことから「insomnia(不眠症)」というタイトルがつけられているのでしょう。でも、タイトルにするほど不眠に悩んでいる様子はみられない。

犯人探しから始まったストーリーは、犯人逃れへと比重を移し、よくあるサスペンスとは一線を画してる。どう刑事たちの目を誤魔化すか、誤魔化そうとすればするほど泥沼にはまって行く情けない様を描いている。このへんの脚本の面白さがソダーバーグの目に留まったのでしょう。

北欧らしい地味な演出でハリウッドとは違う独特な空気感は割と好きなんだけど、これといって山場もなく退屈に感じてしまった。リメイク版のほうが脚本の面白さを活かしている。
スウェーデン語の台詞も含まれており、それをノルウェー人がからかうシーンがある。歴史的背景を知っている人、言葉の違いがわかる人ならもう少し面白い見方ができたのかもしれない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1

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(未)(備忘録) The Year of Awakening <1986/スペイン> ★★

El año de las luces/The Year of Awakening
1986/105min/スペイン
監督:フェルナンド・トルエバ「ベル・エポック」
脚本:Rafael Azcona, Manuel Huete
出演:Jorge Sanz,、Maribel Verdú、Verónica Forqué
受賞:1987年ベルリン国際映画祭・独創性貢献賞
IMDb評価:6.7/10

スペイン内戦のつめ後が色濃く残る1940年4月。16歳のマノロと8歳の弟は家庭の事情でポルトガル国境近くの孤児院に預けられることとなった。預けられた子どもたちは戦争孤児や結核患者の少年ばかりで、マロノだけが思春期の男の子である。
看護師の揺れるスカートや足を組んだ時にのぞく太もも、窓に写る着替えの影などの何気ない仕草も、思春期の男の子の目には刺激的に写る。日に何度も自慰行為し、カレンダーに回数を記入している彼は、次第に罪を抱くようになり教会へ懺悔に行く。初体験を急ぐ姿も何だか微笑ましい。
思春期の頃は男の子の目線が恥ずかしかったりしたけど、今となっては懐かしい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/19
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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オフィシャル・ストーリー <1985/アルゼンチン> ★★★★☆

軍事政権下のアルゼンチンのおぞましい実態。アルゼンチン初のアカデミー賞受賞作。

official1.jpgLA HISTORIA OFFICIAL/THE OFFICIAL STORY
1985/115min/アルゼンチン
監督/製作/共同脚本: ルイス・プエンソ
共同脚本:アイーダ・ボルトニク
出演:エクトル・アルテリオ、ノルマ・アレアンドロ、ウーゴ・アラーナ
受賞:1985年カンヌ映画祭主演女優賞、1986年アカデミー外国語映画賞他、多数
IMDb評価:7.8/10

社会度 ★★★★★
衝撃度 ★★★
ミステリー度 ★★★

日本では1987年に劇場公開され、VHSが発売されているが、DVDは海外版のみのようである。娘は「XXY」「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」のルシア・プエンソ監督。社会性の高いテーマを扱うこと、ベールに包まれていた秘密を徐々に明かしていくミステリーのような展開は父のスタイルを受け継いでいるのであろう。父娘ともに興味深い。
舞台は1983年、軍事政権下のアルゼンチン。事実を基にしているということで、当時のおぞましい情勢、実態が浮き彫りになっており、すごく勉強になった。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/24
[サイト内タグ検索] ルイス・プエンソ監督
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XXY <2007/アルゼンチン=仏=スペイン> ★★★★★

重い題材だあるけれど、個人の選択の自由という普遍的テーマを扱っている。

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2007/86min/アルゼンチン=仏=スペイン
脚本/監督:ルシア・プエンソ「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説
製作:ルイス・プエンソ「オフィシャル・ストーリー」
出演:イネス・エフロンフィッシュチャイルド/ある湖の伝説」、リカルド・ダリン
受賞:2007年カンヌ映画祭 批評家週間作品賞
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★★★★
衝撃度 ★★★★★

ルシア・プエンソ監督の長編デビュー作。
2作目である「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」鑑賞後にルイス・プエンソ監督(アルゼンチン初のアカデミー賞受賞監督)の娘さんであることを知り、一層興味が湧いた。本作は父がプロデューサーを務めているからなのか、父娘のスタイルは極めて似ている。評判通り、デビュー作からとんでもない作品である。五つ★では足りないぐらい。
両方の性の狭間で迷い続け、性の判別に悩むアレックスを演じるイネス・エフロンには、性を感じさせない無性的な雰囲気があって惹きつけられる。「フィッシュチャイルド/ある湖の伝説」でも難しい役どころを演じていたけれど、本作がデビュー作とは思えない演技を見せている。父親役にはリカルド・ダリン
xxy2.jpg
日本では映画祭で上映されただけで、残念ながら配給がつかなかった。私にとって初めてのテーマなのでわからない単語がいっぱいあって、一時停止をしながら何度か辞書で単語の意味を確認していった。ちゃんとした日本語字幕で観直したい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/22
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127時間 <2010/米> ★★★★★

127 hours
127hours
2010/94min/アメリカ
アドベンチャー、伝記、ドラマ
監督/脚本/製作:ダニー・ボイル
脚本:サイモン・ビューフォイ
原作:アーロン・ラルストン『アーロン・ラルストン 奇跡の6日間』
撮影:エンリケ・セディアック
音楽:A・R・ラフマーン
出演:ジェームズ・フランコ、トリート・ウィリアムズ、ケイト・マーラ
IMDb評価:8.3/10(Top212)

<あらすじ>
登山家アーロン・ラルストンが体験した実話を監督ダニー・ボイル、ジェームズ・フランコ主演で映画化したサスペンスドラマ。03年、当時27歳だったアーロン(フランコ)は一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが……。ボイル監督とともに脚本を手がけたのは「スラムドッグ・ミリオネア」のサイモン・ビューホイ。(by 映画.com)

<レビュー>
事実を基にしているので、結末には触れていますが、核心は濁しています。ご自身の判断で読み進めてください。
単独クライマーのアーロンは、経験による自信があり自身の腕前を鼻にかけるような所があった。自転車のハンドルにカメラを設置し自身の解説付きで録画したり、岩に衝突転倒した時ですらカメラに収めている。道中で知り合った女性にも自らガイドをかってでては、クライミングの腕前を披露したりしている。ところが、腕に自信のある彼も人気のないところで転落し、谷底で右腕を岩に挟まれ、身動きが取れなくなってしまう。必死で叫んでも誰の耳にも届かない。
127時間とはその脱出までに要した時間である。アメリカ人であれば誰しもが結末まで知っているらしい話をどう描くか、なぜ彼がそこまで決断したのかに興味があり鑑賞した。

人間とは常に試練があり、その都度どう立ち向かうか自身で決断しなくてはいけない。身動きが取れなくなった彼を観ながら、もし自分だったらどうする?と考えてみた。私だったら自分ではなす術がなく、救出もされず、誰にも告げずに来てしまったことを悔やみながら衰弱死していると思う。ところが、彼の取った行動には驚かされることばかりであった。

もともと何でもビデオや写真に収める癖のあったアーロンは、事故に至った経緯や両親へのお別れの言葉等をカメラに向かって話し始めるのである。死を意識した遺言のようにも受け取れる。人は死を目前にすると、走馬灯のように思い出が蘇るというけど、彼も然り。良き思い出だけではなく、行き先を誰にも告げなかったこと、甘く見くびり軽装で来てしまったこと、最低限の水しか持ってこなかったこと、、、など後悔の念も頭を過る。ところが、
「考えてみたんだけど、この状況を選択したのは自分なんだ。この岩は何千年も前から自分を待っていたんだ。全ての自分の行動がこの状況を導いたんだ。」というアーロン。軽率だった自分を戒めるかのように状況を分析している。一時は焦燥するが、すぐに冷静さを取り戻したアーロンは前半のアーロンとは別人のようである。
私にはなく彼にあったものとは、生きたいというエゴではなく、この戒心があったからこその最後の決断だったのである。人間として素晴らしい人物だと思った。彼は、脱出後の現場を写真に収め、「Thank you」と言い放ったのである。

カメラワークも素晴らしい。右手が挟まれ、動きのない主人公を描くのは退屈になりかねないと思ったけど、3タイプのカメラを駆使した(技術的なことはぜんぜんわからないけど)とのことで、すごい臨場感あふれた映像になっている。残量の少ない水筒の底から映し出す水を欲する彼の口元や舌の映し方や、ソフトのコンタクトレンズの渇きを唾液で湿らすといった細かいシーンも楽しめる。

問題の脱出シーンは、私はほとんど直視できず。観客で病院に運ばれた方もいるとか。スクリーンでは絶対に観れない。撮影もワンカットだそうで、演技も素晴らしかった。

幻聴、幻想の中、自分を見失わないように戦い続けたアーロンを演じたジェームズ・フランコの演技、カメラワーク、脚本、音楽すべてにおいて完璧だと思った。
ポスターの構図は実際の映像とは異なる。命のタイムリミットを示す砂時計のようでもある。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/1/20

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239. (未) フェティッシュ (原題) <2008/米>

fetish.jpg
Fetish
2008/90min/アメリカ
心理スリラー
監督:ソン・スボム(長編デビュー)
出演:ソン・ヘギョ、アルノ・フリッシュ、Athena Currey
言語:英語、韓国語
IMDb評価:6.6/10

<あらすじ>
断ち切ることのできない運命、その中に隠された致命的な欲望…

代々継承された世襲巫女の血を受け継いだ女性スクヒ(ソン・ヘギョ)。彼女は巫女の運命を避けるために、韓国系米国人ピーター(ロブ・ヤング)と見合い結婚をして、逃げるように米国に発つ。
全てが目新しい環境でスクヒは、篤実なキリスト教信者の夫と姑に従って教会にも行き、隣りに住む若い夫婦ジョン(アルノ・フリッシュ)とジュリー(Athena Currey)とも交流して、米国で新しい人生を始めるために努力する。
しかし巫女の運命は間違いなくスクヒの足を捉え、巫女の周囲の人々は死を迎えるという俗説のごとく突然夫と姑を失う。スクヒはますます迫る運命の陰から抜け出すために、自分自身を捨てて隣家の女ジュリーの全てにしたがって、秘められた欲望に目を開き始める…(by innolife.net)

<レビュー>
そもそも、巫女のような霊能力はどこへ逃げようと能力が薄れるわけではないだろう。アメリカに逃げれば巫女の運命を避けられると考えること自体が大間違い。どこへ逃げようと、どんなに努力しようとも巫女の運命はつきまとうはずである。
“巫女の周囲の人々は死を迎えるという俗説”のごとく向かえてしまった夫の死。運命を避けてきたはずで恐れてきたことであろうに、死をごく当たり前のように受け入れており、スクヒは強かである。姑の死でその強かさは更に増していく。
夫と姑を失ったスクヒは隣に住むアメリカ人夫妻の所に居座るようになり、私生活まで踏み込むようになる。勝手にプールを使ったり、韓国料理を作ったり、ジュリーに黒髪にするよう命じてしまう。2人ともロングの黒髪に同じ真っ赤な口紅までし、一見どっちがどっちかわからず、観ている側も惑わされる。何をしでかすのかわからないスクヒの行動をミステリー的に見せているが、巫女とは無関係なエピソードばかりである。巫女のエピソードなしでは韓国人女優を起用しても東洋らしさが見えない。

本作は映像物等級委員会等級審議7つの部門の中で選定性、主題、暴力性などで高い等級を受け、「主題、内容、セリフ、映像の表現で直接的で刺激的に表現しており、青少年には観覧を許容しない映画」という理由から青少年観覧不可等級が与えられている。韓国映画に多い性描写はほとんどなく、高い等級を受けている暴力性も取り立てて騒ぐほどでもない。一番問題となる“直接的で刺激的”な表現はおそらくドラッグ使用シーンであろう。韓国映画でドラッグを吸うシーンは観たことがないので、全く異なるセンスの刺激はむしろ新鮮に見える。

ニューヨークで活動されている韓国人ソン・スボム監督の長編映画デビュー作であり、ソン・ヘギョの海外デビュー作。アメリカ独立映画ですが、監督、主演共に韓国人なので、韓国にカテゴライズしています。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/1/17
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Amreeka (原題) <2009/米> ★★★

amerika.jpgamerika1.jpg
Amreeka/شيرين دعيبس‎
2009/96min/アメリカ
コメディー、ドラマ
監督/脚本:Cherien Dabis
出演:Nisreen Faour、Melkar Muallem、ヒアム・アッバスLemon Tree」「シリアの花嫁
受賞:2009年カンヌ映画祭 国際批評家連盟賞
ノミネート:2009年 インディペンデント・スピリット賞 作品賞、脚本賞、主演女優賞
IMDb評価:6.9/10

監督はパレスチナ系アメリカ人。タイトル「Amreeka」とはアラビア語で「アメリカ」のこと。監督自身の経験を基にした、パレスチナからアメリカへの移住奮闘記である。

ムナはイスラエル占領下地区で母親と息子ファディと暮らすシングルマザー。息子にはよりよい教育を受けさせたく私立高校に通わせているが、イスラエル軍の検問所を通って車で送り迎えをしなくてはならない。この地では明るい未来は望めないと思った母モナはずいぶん前にアメリカ永住権(グリーンカード)に応募していた。ほとんど忘れかけていた頃に当選の手紙が届く。母は兄に任せ、アメリカ移住を決意する。

アメリカにさえ行けば全てが報われると思っているムナ。「生活が変わったらからダイエットできると思うわ。」「ディズニーワールドは近いのかしら?絶対に行かなきゃ!」なんて旅行気分。職探しもパレスチナでの銀行員だった職歴も優位に働くと思うのもあまりにも幼稚。税関のボディーチェックをされている際、お菓子の缶の中身を聞かれた息子はわからないと答えてしまい没収されてしまう。そこには全財産が入っていたと後で母に聞かされ、母子は愕然とする。しかしながら、全ては無知で浅はかなムナが招いたことである。
幸い、アメリカに長く住む姉のラグダに間借りするので住居は困らない。散々就職活動した挙句海外での職歴が全く当てにならないことにようやく気付いたモナは、仕方なくハンバーガーショップで働き始める。見栄を張って、姉家族には銀行に就職が決まったと嘘までつき、ハンバーガーショップでも大奮闘する。

モナの奮闘記から始まった本作は徐々にアメリカの実態を浮き彫りにしていく。当時はイラク戦争中。中東出身というだけで脅迫の手紙が来たり、車に落書きされたり、学校で絡まれたりする。アメリカ生活が長い姉夫婦は慣れてしまってる人種差別にもモナは果敢に挑もうとする。無知で無関心なアメリカ社会での不条理にも前向きに立ち向かっていく姿がコメディータッチで元気になれる。
最初は、おそらくポジティブというべきなんだろうけど、“なせばなる”ではなく、“なるようにしかならない”一種の放棄をポジティブに捉えているモナの考え方に全く共感できなかったのに、いつしか不思議と応援してしまうほど愛着が湧いていた。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/16
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ヒアム・アッバス
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(未) Graphic Sexual Horror (原題) <2009/米>

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Graphic Sexual Horror
2009/84min/アメリカ=スウェーデン
ドキュメンタリー
監督:Barbara Bell、Anna Lorentzon
脚本:Barbara Bell
出演:Peter Ackworth, Claire Adams and Cyd Black
IMDb評価:6.2/10

SM度 ★★★★★
嫌悪感 ★★★★★

会員数は全世界で35000人を誇るアダルトサイトinex.com。今は閉鎖されているが、97年から2005年まではSMプレイを生中継動画配信をしていたサイトである。本作はそのメイキング映像や関係者のインタビューをおさめたドキュメンタリー。
graphic_sexual_horror_1.jpg
まずは服を着たままでリハーサルや打ち合わせを入念に行い、本番に臨む。手足を縛りつけ檻に閉じ込め、水に沈めたり、、、どう表現したらいいのかわからないプレイがテンコ盛り。快楽殺人を実況で観ているような感じで、死者が出たと聞いても全く不思議ではないほどのハードすぎるプレイ。このハードさがマニアにはたまらないんだろうけど、観ていてあまり気分のいいものではない。犯罪に繋がったりはしないのだろうか。
モデルたちは素人の子たちで、明らかに日本人か韓国人の子もいる。お金のためにやる子もいれば、好きでたまらないという子もいる。モデルがきっかけでプレイにハマり、そのままスタッフとして働き出した子もいるほど。趣向は人それぞれだけど、一体何に魅了されたのかは全くわからなかった。
しかし、一番驚いたのはこのサイトの創立者の発言である。横須賀で偶然見た何かのショーで、女性たちを縛るロープテクニックやショットの構図に衝撃を受け、自分がアメリカに持ち込んだのだと。はだける着物の上からロープで縛りつけられた女性たちの写真が映し出され、日本の技術は素晴らしいと絶賛している。あたかも日本がオリジナルな言い方をしていた。知らないだけで日本にもこういうサイトあるんでしょうね。

<鑑賞> 2011/1/17
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(未) Inhale (原題) <2010/米> ★★★★★

Inhale.jpg
Inhale
2010/100min/アメリカ
ドラマ、スリラー
監督:バルタザール・コルマクル
原案:クリスチャン・エスカリオ
脚色:ウォルター・ドッティ、ジョン・クラフリン
出演:ダーモット・マローニィ、ダイアン・クルーガー、ミア・ストールラード、ロザンナ・アークェット
IMDb評価:6.9/10

哲学度 ★★★★★
衝撃度 ★★★★★
残虐度 ★★

恐ろしすぎる闇の裏社会。違法臓器移植。
海外に行って違法臓器を入手し、手術成功なんてハッピーな映画を想像していたのが申し訳ない。現実に起こっていても不思議ではないほどのリアリティさと衝撃に絶句。モラルをも破壊しかねない資本主義の現実と人間の欲望の恐怖を描いている。

アメリカ、ニューメキシコ州の弁護士ポールと妻ダイアナは、娘クロエの肺のドナーを待ち続けていたが、リストには何千人もが待機しており、たとえドナーが見つかったとしてもいつ受けられるかわからない。娘は弱る一方で、焦燥感は募るばかり。
そんな時、“国ごとに法律も事情も異なる。金さえ積めば海外では手術が受けられる可能性が高い”という話しを聞かされる。違法臓器移植のことである。
弁護士という立場のポールは法に触れることはできないと一度は思いとどまるが、リストの順番を待つよりよっぽど現実的だと思うようになり、ある医師が国境近くで行っているという事実だけを頼りにメキシコへ向かう。

知っているのは医師の名前だけである。非合法なのだから本名ではない可能性が高いのに、あまりにも無鉄砲な行動に出る父親ポール。そこまで追い詰められていたのである。
非合法の医師の所在を聞き回る白人のポールが町を1人でうろちょろしていては目をつけられるだけである。ハイエナのように群がるストリートチルドレン、命の危険までさらす地元のギャンググループ。犯罪、殺人、違法行為、汚職が渦巻くこの町は金だけが物を言う。たかが道を尋ねるだけでもお金が発生する。
Inhale1.jpgInhale2.jpg
実態のみえない闇社会で命がけの医師探しは張り詰めたスリラーのようで一時も緊張が緩まない。緊迫した空気のまま終盤で明らかになる臓器提供者の正体は意表をつく。資本主義の犠牲になっていくその現実はあまりにも残酷すぎる。
前半は、冷徹に人を裁き白黒はっきりさせるポールの仕事ぶりにスポットをあてながら、中盤から人間としてのモラルに悩む姿を描いている。
我が子が助かる代償として犠牲になる命。貧富の差がある限り、起こり得るであろう現実。それはグレーゾーンであり、資本主義、利己主義に生きる私たちへの警告でもある。

弁護士のモラルを問うという設定も面白く、かなり見応えがあった。
利己的な欲望がモラルを破壊してしまった時、人間はその罰に耐えられるのだろうか。

<鑑賞> 2011/1/15
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レクイエム~ミカエラの肖像 <2006/独> ★★★★

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Requiem
2006/93min/ドイツ
ドラマ
監督:ハンス・クリスティアン・シュミット
脚本:Bernd Lange
出演:サンドラ・ヒューラー、ブルクハルト・クラウスナー
受賞:ベルリン映画祭 銀熊、女優賞 他
IMDb評価:7.0/10

狂気度 ★★★
哲学度 ★★

実話をモチーフにしているので、結末まで触れています。
一見するとごく普通の女子大生ミカエラは、癲癇(てんかん)に苦しんでおり薬を常用している。しかし、徐々に癲癇とは違う症状が出始めた。母にもらったロザリオを拾おうとする時に限って激しい発作がおこるのである。部屋にかけた十字架に触れようと手を伸ばしても磁石が反発するかのように近づくこともできない。あらゆる精神病院へ行っても原因は究明されず、牧師に相談してもなかなか信じてもらえない。しかし、力になりたいと思った牧師は知り合いの牧師を紹介してくれた。その牧師の見解は悪魔の憑依であった。その牧師の協力の元、無事に悪魔払いはなされ、元気になるという話しである。

私には彼女の中に潜む悪魔は彼女を縛りつける両親そのものに見えてしまった。信仰心も強く、子への執着心も強い両親を負担に感じつつ、心のどこかで拒否や解放を望んでいたのではないだろうか。しかしながら悪魔を否定することは両親をも否定することになってしまう。そんな葛藤が症状を悪化させ、体力まで奪っていってしまった。
requiem1.jpg
ミカエラを演じるSandra Hüllerは本作がデビュー作だとは思えない演技をみせている。正気な時と、憑依している時は一目瞭然で、悪魔が支配している時の声や行動はあまりの豹変ぶりに慄いてしまった。お祓いの際の悪魔のあがきは恐ろしさのあまり鳥肌が立つほど。
無事に悪魔払いが終わり、晴れ晴れとしたミカエル。友人が運転する車の助手席に乗っている姿を背景に「彼女は悪魔払いの末、衰弱して死亡した」というテロップが流れ、映画は幕を閉じる。
モチーフになった女性Anneliese Michelは、悪魔が憑依し、無事に悪魔払いまでしたものの、その後24歳の若さで餓死しているのである。当時本国では事件として大きく扱われ、新聞やメディアを賑わせたそうだ。両親と牧師2人は有罪判決を下されている。
本作は彼女自身に焦点を当てており、死や裁判に関しては触れていない。そもそも悪魔が本当に憑依していたかどうかも定かではない。科学でも解明できなかったことを宗教で処理することもそうだけど、何が悪いのか誰が悪いのか、裁判で裁くことにも違和感を感じた。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/9
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ソウル・キッチン <2009/独=仏=伊> ★★★

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Soul Kitchen
2009/90min/ドイツ=フランス=イタリア
コメディー/ドラマ
監督・脚本・プロデューサー:ファティ・アキン「愛より強く」「そして、私たちは愛に帰る」「クロッシング・ザ・ブリッジ
プロデューサー:クラウス・メック
脚本:アダム・ボウスドウコス
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、ビロル・ユーネル、アンナ・ベデルケ
受賞:2009年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞、ヤングシネマ賞
IMDb評価:7.3/10

<あらすじ>1月22日劇場公開
ハンブルクでレストラン“ソウル・キッチン”を経営するジノス。恋人のナディーンが夢を追って上海に行ってしまったり、税務署からしこたま滞納していた税金の支払いを迫られたり、衛生局から新しいキッチン設備の導入を命じられたり、食器洗浄機を動かそうとしたら椎間板ヘルニアになったり……と、このところ上手くいかないことばかり。
ヘルニアで調理ができなくなったジノスが頑固者の天才シェフを新しく雇うと、彼が作る料理が評判を呼んで、店は連日大盛況! そんなある日、兄のイリアスが刑務所から仮出所してくる。イリアスが店のウェイトレス・ルチアに惚れて、音楽好きな彼女のために盗んできたDJセットでジノスの大好きな音楽をかけながら、店は絶好調に繁盛し出した。すべては上手く回り始めた、ハズだった。
しかし、ソウル・キッチンの土地を狙う不動産が現れ、店は乗っ取りの危機に陥る……。この店はオレたちの心(ソウル)。なくすわけにはいかない! (公式ページより)

<レビュー>
世界三大映画祭を最年少36歳にして制覇したファティ・アキン監督。
コメディーだとは知っていたけど、ファティ・アキンならきっと何かあると期待して鑑賞。
愛より強く」「そして、私たちは愛に帰る」のような重い映画を作っていた監督とは思えないほどゆる~いコメディで、ちょっとブラック。かなり意外でした。でも、コメディーのネタとしては簡単に思いつくような物ばかりでさほど新鮮なネタは含まれていない。

ぎっくり腰だけでも日常生活は大変なのに、さらに突然で踏んだり蹴ったりな危機に次々と見舞われる。結構な大惨事なのに、ジノスはいつでもゆる~い感じ。ぎっくり腰の間抜けな姿がゆるさに拍車をかけている。悪戦苦闘している様子もなく、おそらくどうにかなるだろうぐらいにしか思っていない。
刑務所から出てきた弟に店を押しつけ、上海にいる恋人に会いに行こうとする。ただ会いたいのではなく、現実から逃げているようにしかみえない。ジノスのレストランは冷凍食品を温める程度で接客も適当であった。それに限らず、私生活もどことなく冷めていて活力がないのである。
soul4.jpgsoul3.jpgsoul2.jpg
でもそんな陰には助けてくれる人もいたりして、人生は痛みばかりではない。冷凍食品を温めるだけのレストランでも通い詰めてくれるお客はいるし、親身になって治療につきあってくれるマッサージ師もいる。そんな人たちの有難みに気付けただけでも人生の収穫である。アキン監督らしい人間的な前向きな成長が描かれていて微笑ましい。

これまでは自身のルーツであるトルコ移民を主体にしていたファティ・アキン監督。本作では移民については直接的には触れていないものの、やはりトルコ系やアラブ系、ギリシャ系といった多民族が登場する。このハンブルグに限らず、多民族が共存する都会では「ソウル・キッチン」は心の拠り所。ここで流れる音楽もソウル・ミュージックだったりドイツのパンクだったり、民族と同様に無国籍。これまでのスタイルとは異なっても選曲のセンスは健在。本国でのポスターはレコードジャケット風で日本版よりアキンらしさがあっていい。

ぎっくり腰の間に雇われた代理のシェフ役には、アキン監督でお馴染みのビロル・ユーネル。ゆる~いジノスへの料理指導のストイックさがゆるさの中で唯一スパイスになっている。好きな俳優なので出番があまり多くなかったのが残念ではあるけど。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/16
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(未) Children Underground (原題) <2001/米> ★★★★

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Underground Children
2001/104min/アメリカ
監督:Edet Belzberg
言語:ルーマニア語
IMDb評価:8.2/10

初代ルーマニアの大統領ニコラエ・チャウシェスク。金日成に影響を受け、金日成政権を模範した人物でもある。
チャウシェスク政権下の1966年、ルーマニア政府は国家政策として避妊と中絶を国民に禁じた。この時代の違法中絶については「4か月、3週間と2日」で描かれている。それに加え、5人の出産を法律で命じた。チャウシェスクの妻は3人しか産んでもいないに関わらず。経済危機にもみまわれ、親たちは職を失い、子供だけ増えていく。親は子育てを放棄し、孤児院は定員オーバーになり、子供たち自らホームレスとなって都心のストリートに住み着くようになった。本作は地下鉄で暮らすストリートチルドレンの生活に密着したドキュメンタリーである。サンダンス受賞、オスカーノミネート作。

ルーマニアの堕胎と離婚の禁止についてWikepediaから抜粋する。
1966年、チャウシェスク政権は国の人口を引き上げようと試み、妊娠中絶を法律で禁止し、非常に低い出生率を反転させるため、別の政策を導入した。問題の妊娠中絶は、42歳以上の女性、もしくはすでに4人(のちに5人に)の子持ちの母親であった場合のみで、許された。ルーマニア社会主義共和国内では、少なくとも5人の子持ちの女性は重要な利益を得る権利を与えられ、10人の子持ちの女性は「英雄の母」と宣された。しかしながら、ほとんどの女性はこの地位を求めようとはせず、むしろ2~3人の子供がいるのが、ルーマニアの平均的な家庭であった。そのうえ、女性の多くは、死んだか、秘密裏に妊娠中絶をさせられた挙句、不具となった。チャウシェスク政権は上昇する離婚率にも目を付け、離婚を困難にした。婚約が解消されるのは例外的な事例のみ、と法令が定められた。1960年代後期までに、ルーマニアの人口は増加し始めたが、今度は幼児放棄によって児童養護施設の人口が増えるという新たな問題が生じた。ヨーロッパの人口のおよそ3%を占めるにもかかわらず、世紀の変わり目であったヨーロッパの小児科のAIDS患者の多くは、血の輸血が未実験であったルーマニアで占められた。

物乞いをし、お金が手に入るとシンナーを買う。食べ物よりも飢えを凌げるからだという。ろくに食べもせず、シンナーを吸い街をうろつき、夜は段ボールの上で寝るだけの生活を垂れ流すだけのようなドキュメンタリーであるが、ありのままに映したその映像はものすごい説得力と臨場感がある。挿入される彼らのインタビューからわかる彼らの本心にも心が痛む。

福祉団体が家に帰るよう子どもたちを説得するシーンがある。驚いたことに、多くの子どもたちには家族も住む家もあるのである。家にいても食べるものがないから、都心へ行ったほうが食にありつけるというわけである。親たちもそんな子どもたちを探すわけではない。福祉団体の人が家に連れて帰っても、親たちは嬉しそうな顔をするわけでもなく、むしろ困惑しているのである。ここで暮らすよりも地下鉄に戻った方がいいとさえ言う義父もいる。
親の責任もなければ、愛情も情けもない現実。罪のない子どもたちへのシワ寄せ。「チャウシェスクの落とし子」なんて形容されているストリート・チルドレン。チャウシェスク政権が残した負の遺産である。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/13
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ソーシャル・ネットワーク <2010/米> ★

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Social Network
2010/120min/アメリカ
脚本:アーロン・ソーキン
原作:ベン・メズリック
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク
IMDb評価:8.2/10(Top160)

私はFacebook歴4年。当時は日本語がなかったけど、初めて使った時はものすごい興奮したのを覚えている。
簡単な個人情報を登録しただけで私自身は写真をアップロードしたことがない。それなのに、顔認証されており、「あなたの写真があります」なんてメッセージがでる。なぜなら、私が写っている写真を友人がアップする際に名前も入力しているからである。おかげで100枚近くの私の写真がfacebook上に出回っている。友人のほとんどがfacebookユーザーなので、海外にいても連絡がとれるのはうれしい。iphoneのアプリもあるので、場所を選ばず使えるのもいい。
しかしながら、怖いとも感じている。誰かさんが勝手にアップした写真のせいで自分の行動を他人が知っているからである。海外転勤先で初対面なのに「君のことはfacebookで知ってるよ」と言われ、ぞっとしたことがある。あとは、同姓同名の方がメキシコにいらっしゃるようで、間違えてメッセージがよく来るのも迷惑。ということで、解除はしていないものの私のアカウントは1年以上凍結している。

とはいえ、ここまで登りつめた彼の伝記映画を見逃すわけいはいかない。
過大広告のせいなのか、昨年最も期待した作品の一つだった。

インテリ口調で傲慢で鼻につく台詞からスタートする。さらに野心的な主人公に全く好感がもてず、実は昨年途中挫折している。しかしながら参考にしているブロガ-さんのほとんどが高評価なので理由を探るべく再鑑賞。

有能で傲慢な学生が実業家として成功を収めるけれど、その代償に社会から孤立していく様を描いている。主人公を取り巻く人々もインテリで、引きこもり。ユーモアのセンスのかけらもなく、好感がもてるタイプは誰1人として登場しない。早口でシャワーのように注がれる主人公の語りにはうんざりする。PCを打ちこむシーンや法律事務所での打ち合わせも退屈で仕方がなかった。重要な役に女性が使われていないことにも不満。

我慢しながら最後まで観て思ったことは、好感が持てるタイプではないことを一番知っているのは本人だということ。友達を一番欲しいと思っているのはこの人自身であり、人間関係が希薄になってきている現代人を象徴しているのかもしれない。

<鑑賞> 2011/1/12
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(未) Polanski (原題) <2009/米> ★★★

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Polanski
2009/アメリカ
伝記、ドラマ
監督/脚本/出演:ダミアン・チャパ
IMDb評価:4.4/10

インディペンデント系監督ダミアン・チャパが1939年から1977年までのロマン・ポランスキーの半生を映画化。監督自身が主演をつとめている。ポランスキーの独特な訛りのある英語も再現している。
こんなに壮絶な人生を歩んできているにも関わらず、本作が初の伝記作品。

敬愛なるポランスキー監督についてはこちら

1939年、6歳の彼と両親が幸せそうに歩いているポーランドの風景からスタートするけれど、状況はすぐさま一転。
ホロコースト全盛期のユダヤ人狩り、そこからの逃亡、2番目の妻の殺害、ドラッグ、女遊び、13歳の少女の強姦、逮捕、有罪、海外逃亡。周知の出来事ではあるけれど、映像として一気に見せられるとかなり強烈である。

時系列ではなく入り組んだ時間軸を批判する意見が多い。13歳の少女をベッドに連れて行ったかと思えば、シーンは幼少時代のある一日に逆戻り、かと思えばどうでもいいパーティシーンに、そして忘れた頃にベッドのシーンに戻るといった風にランダム構造になっている。周知の出来事は一般的に退屈になりがちだけど、問題の強姦シーンがいつ描かれるのかが予測できず、かえって緊張感があってよかったとは思う。でも、ポランスキーに全く興味がない方で事実を知らない人にとっては全てのシーンが説明不足だろうし、入り組んだ時間軸はただただ混乱するだけでしょう。

公的な裁判所の記録を基に制作されたとのこと。彼本人が本作を公認しているのか疑問だけど、スキャンダラスな日常がメインとなってしまっている。2番目の妻の妊娠が発覚してもなかなか籍を入れようとせず、自由を求め遊び呆けたり、妻の殺害時は他の女性と情事にふけていた。確かに私自身も彼に対してそういうイメージはあるし、彼の作品にも影響しているような気もする。そもそも40年間をたったの90分にまとめること自体無謀なのかもしれないけれど、個人的にはそういう彼を形成したであろう生い立ちのほうに重点を置いて欲しかった。妻を殺害したチャールズ・マンソンの信奉者との関係、海外逃亡に至る経緯なども満足に値するものではない。

<鑑賞> 2011/1/12
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ロマン・ポランスキー/ Roman Polanski

ロマン・ポランスキーRoman Polanski (1933-)
出生地:パリ
配偶者:Barbara Lass(1959-1962)、シャロン・テート(1968-1969)、エマニュエル・セニエ(1989-)
polanski1.jpg
映画を観る基準とは人それぞれ。監督だったり、俳優だったり、あらすじだったり。
昔は俳優でチョイスしていた時期もありますが、年齢を重ねるにつれ、壮絶な人生を歩んできた監督さんへの思いが強くなってきました。
そんな監督さんの全作品を制覇したいという願いも込めつつ、プロフィール等をここに。


【監督作品】
1955 Rower/Bicycle
1957 笑顔/ Usmiech Zebiczny/Toothful Smile
1957 パーティを破壊せよ/ Rozbijemy Zabawa/ Break Up the Dance
1957 殺人者/ Morderstwo/ A Murderer
1958 タンスと二人の男/ Dwaj ludzie z szafa/ Two Men and a Wardrobe
1959 灯り/ Lampa
1959 天使たちが失墜するとき/ Gdy spadaja anioly/ When Angels Fall
1961 太った男と痩せた男/ Le gros et le maigre/ The Fat and the Lean
1962 哺乳動物たち/ Ssaki/ Mammals
1962 水の中のナイフ/ Nóz w wodzie
1964 反撥/ Replusion
1964 世界詐欺物語/ Le plus belles escroqueries du monde
1965 袋小路/ Cul-de-sac
1967 吸血鬼/ The Fearless Vampire Killers
1968 ローズマリーの赤ちゃん/ Rosemary's Baby
1971 マクベス/ Macbeth
1972 ポランスキーの欲望の館/ What?
1974 チャイナタウン/ Chinatown
1976 テナント恐怖を借りた男/ The Tenant / Le Locataire
1979 テス/ Tess
1986 ポランスキーのパイレーツ/ Pirates
1988 フランティック/ Frantic
1992 赤い航路/ Bitter Moon
1995 死と処女/ Death and the Maiden
1999 ナインスゲート/ The Ninth Gate
2002 戦場のピアニスト/ The Pianist
2005 オリバー・ツイスト/ Oliver Twist
2007 それぞれのシネマ/ To Each His Own Cinema
2010 The Ghost Writer
制作中God of Carnage

【出演作品】
1954 世代/ Pokolenie/ A Generation (アンジェイ・ワイダ監督)
1969 マジック・クリスチャン/ The Magic Christian
1974 処女の生血/ Dracula cerca sangue di vergine... e morì di sete!!!
1992 バック・イン・ザ・USSR/ Back in the U.S.S.R.
1994 他人のそら似/ Grosse fatigue
1994 記憶の扉/ Pura formalità, Una
2007 ラッシュアワー3/ Rush Hour 3 等

【関連作品】
2009 Polanski (ダミアン・チャパ監督)

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[ 2011/01/13 17:08 ] 敬愛なる映画人たち | TB(0) | CM(0)

ブラックスワン <2010/米> ★★★★

swan3.jpgswan.jpg
2010/108min/アメリカ
ドラマ、スリラー、サイコ、セクシュアル
監督:ダレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン、ミラ・クニス、ヴァンサン・カッセル、ウィノナ・ライダー
IMDb評価:8.7/10(Top48)

恐怖度 ★★★★
芸術度 ★★★★
衝撃度 ★★★
官能度 ★★★

***第67回ヴェネツィア国際映画祭***
金獅子賞: 「SOMEWHERE」- ソフィア・コッポラ
銀獅子賞(監督賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
ヴォルピ杯(男優賞): ヴィンセント・ギャロ - 「エッセンシャル・キリング
ヴォルピ杯(女優賞): アリアン・ラベド - 「Attenberg
審査員特別賞: 「エッセンシャル・キリング」 - イエジー・スコリモフスキ
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞): ミラ・クニス - 「ブラック・スワン
金オゼッラ賞(脚本賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
金オゼッラ賞(撮影賞): ミハイル・クリチマン - 「Овсянки」
*********************


<あらすじ>
ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。(by 映画.com)

<レビュー>2011年春公開予定なので、ネタバレなしです。
とんでもないもの観ちゃった。かなり面白いけど、怖い。覚悟はしてたつもりだったけど鑑賞後は、飛行機が乱気流に入りこんじゃって落ちちゃうかと思ったけど無事に着陸できた時のような疲労困憊と安堵感。ジェットコースターを連続3周したようなスリル感はすっごい面白かったけど、強いて言えばエンディングがありきたりでイマイチ。韓国映画だったら絶対にもうひとヒネリあったはず。とはいっても、トリアー監督「アンチクライスト」も本作も心にかなり余裕がある時しか観れない。

Swanとは白鳥のことであり、もし万が一黒い白鳥がいたらそれは驚くべきこと。よって、英語圏でBlack Swanとは、主に悪い意味で誰も予測していなかったものやこと、あり得ないことなどを指している。
バレエの白鳥の湖の中の黒鳥の踊りをうまく題材に用い、予測不可能な現象、そしてそれが与える影響力を見事に描いている。ナタリー・ポートマンの殻何枚も破ってしまったような迫真の演技がすばらしく、デビル的なブラックスワンとニナの心理描写との調和がお見事。断食をして9kgもダイエットし、1日最大8時間のレッスンをしたとか。13歳までバレエを習っていたとはいえ、ここまでして臨んだ女優魂もすごい。

普段見れない舞台のバックステージが主な設定となっていますが、舞台だけではなく、人間の裏側も見え隠れする。嫉妬、執着、抑圧、背信といったどろ~っとした嫌~な側面が渦巻き、サスペンス的な緊迫した怖さがある。頂点へ登りつめたことによって伴う精神的、肉体的苦痛は想像を絶する。ストイックな練習で自分を見失い、幻想を見るようになり、身に覚えのない傷も絶えない。現実とも幻想とも言い難い曖昧な光景はどれも悪夢的で恐ろしい。コーチからのセクシャルな直接演技指導も、妄想なのか幻想なのか現実なのか、、、
swan2.jpg
バレエを題材にしているだけあって、鏡がよく登場する。願望や不安要素、葛藤など内に秘めた思いなんかを映し出するのに鏡はよく用いられるけど、本作もしかり。鏡が最重要アイテムになっている。
初盤から家の鏡に黒い影が映り込み、何か不吉な予感がするものの黒い服を着た母親の登場に、不安はしばし払拭される。練習場に向かう地下鉄の窓に映る自分そっくりな女性の後ろ姿。行動もシンクロしており、一瞬あれ?っと思うけど、彼女は途中下車し、気のせいだと錯覚してしまう。
彼女自身が気づいていない心の闇と舞台でのブラックスワンとが調和した瞬間は見逃せない。
swan1.jpg
バレリーナである監督のお姉さまも認めた本作。バレエも本格的。バレエに興味がなくても引き込まれるストーリーは10年も費やしているとか。
偶然にも私が鑑賞した1月9日は、ナタリー・ポートマンの誕生日でした。もう30歳なのね。
厳しいお父様にはいつもの如く反対されたらしいですが、30歳ならもう羽ばたかせてあげてもいいのにねぇ。

<鑑賞> 2011/1/9
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238. (未) 汝矣島 (原題:여의도) <2010/韓> ★★

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汝矣島(여의도)
2010/90min/韓国
心理、スリラー
監督:ソン・ジョンウ(デビュー作)
出演:キム・テウ、パク・ソンウン、ファン・スジョン、コ・セウォン

韓流度 ★★
残虐度 ★
緊迫度 なし

主人公ファン・ウジンはヨイドで働く証券マン。汝矣島(ヨイド)とはソウルにある島で高度成長の象徴でもある。高層ビルが立ち並び、権力が支配し、生存競争の激しい場所である。成績を出さなければいつリストラされるかわからない。サラリーマンも常に命がけだということが容易に想像できる地でもある。
ファンは気が弱く、やさしすぎるので最も早く脱落しそうな風貌である。それに加え、個人的な借金、父の入院費、妻とのすれ違いが彼をますます追い詰めていく。

唯一の微笑ましい話が幼馴染との再会であった。幼い頃遊んだスーパーマンのフィギュアは情にあつい韓国らしいエピソードでもある。追い詰められるとスーパーマンのフィギュアを見ては昔を懐かしんでいた。でも、このエピソードが余計だったような気もしないでもない。

ヨイドを舞台に、ましてやタイトルなのだから、会社での生存競争で追い詰められていく心情をもっと掘り下げた方が緊張感があっただろうし、スーパーマンの話しも緩衝材として引き立ったようにも思える。踏んだり蹴ったりな人生なのに、切羽詰まった状況がなく、スリラーとしても迫力がないし、サスペンスとしても緊張感がないし、男の友情物としてもイマイチ。幼馴染の正体も初盤でわかってしまい、展開も読めてしまう。

私はコ・セウォン見たさに観た作品なのでそれなりに満足だけど、お目当ての俳優がでていない限りあまり面白味はないでしょうね。

<鑑賞> 2011/1/8

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韓国語と東北弁の共通性

韓国語と日本の東北弁は響きが似ているなんてよく言われます。東北弁(東北を一括りにするのもどうかとは思うけど)も韓国語も濁音化する傾向にあるのでまんざらでもないとは思っていたけど、自分なりに納得のいく検証ができたので、ちょっとここにメモ。

韓国語と日本語には同じ(似た)発音をする単語がいっぱいあります。清音でも濁音化させるとより韓国語の発音に近づきます。
具体的な単語が今思い出せないけど、たとえば「저」。
参考書なんかに「チョ」とカタカナでルビーがふられていても濁音化させた「ヂョ(またはジョ)」と発音したほうが韓国語らしく聞こえるわけです。そして、英語の「The」。日本語では「ザ」だけど、韓国語には「ザ」という発音はないため「ジャ」「ダ」と発音する。よって、ザ行がダ行化する傾向にあるように感じる。

そこで、東北弁(岩手北部)について。
実は田舎が岩手なんですが、特に祖母と伯母の訛りがひどく、20数年母の通訳なしではほとんど意思疎通ができませんでした。その伯母からの困った電話対応です。
伯母「ヒヅギいる?」 私「ん?ヒツジ?」
伯母「んだ。ヒヅギだ。」 私「え?ジンギスカンのこと?」
伯母「ジンギスカンってなんだ?」 私「羊の肉のことじゃないの?」
伯母「肉じゃなぐて、ヒヅギだ。」 私「ひつぎのこと?」
伯母「それは死人が入るやつだ。オラまだ死んでね~。」
伯母「黒くて海にある。人参とかと煮て食うとうめ~っげ。おめ~の母さん好きなんだべ。」

まるでなぞなぞを出されたかのよう。思いつく海にある黒い物全て言ってみた。
私「わかめ?こんぶ?ひじき?」 伯母「んだんだ。ヒヅギだ。」
私「え?ひじきのことなの?」 伯母「んだ。ずっとヒヅギで言っでんだ」。

伯母は「ひじき」を「ひづぎ」と発音している。ザ行のダ行化と、清音の濁音化がされているのです。

この法則に気付いて以来、母の通訳なしで意思疎通が図れるようになったのです。それと同時に韓国語(特に釜山訛り)の聞き取りが飛躍的に上達をしています。不思議と田舎の言葉を韓国語として捉えるとス~っと耳に入って来るんです。

ちょっと調べたら、山陰地方から東北地方にかけての方言と韓国 慶尚道地方(朝鮮半島南東部)の方言が特に似かよっているのだとか。言葉って面白いなぁ。

ちなみにロシア語と名古屋弁、フランス語と秋田弁が近いそうです。
[タグ未指定]
[ 2011/01/08 17:52 ] 未分類 | TB(0) | CM(6)

(未) Scum (原題) <1977,1979/UK> ★★

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Scum
1977(78min)/1979(98min)/UK
監督:Alan Clarke
小説/脚本:Roy Minton
出演:Ray Winstone
IMDb評価:7.8/10(1977)、7.6/10(1979)

嫌悪感 ★★★★★
衝撃度 ★★★★
残忍度 ★★★

英映画誌TOTAL FILMが発表した『気がめいる陰うつな映画30本』の19位に選ばれたのがUK映画「Scum(1979)」
実は同監督による同タイトルの作品がある。UK本国では、BBC版(1977)とFilm版(1979)に区別されたりしているようである。日本ではどちらも未公開。私の検索の仕方が悪いだけかもしれないけど、作品に関する日本語の記事は見つからない。

80年代前半までの少年院の実態を赤裸々にした本作は、元々BBCに依頼され制作したものの、過激すぎる暴力描写が許可されず放送を禁じられお蔵入りとなっていた。2年後の1979年にセルフリメイクし、1983年に劇場公開された。これが1979年のFilm版である。その後、少年院のシステムが変わり治安は大幅改善され、オリジナルである1977年BBC版の放送もようやく許可された。

私はBBC版(1977)とFilm版(1979)の両方を鑑賞。設定や台詞はほとんど同じだけど、監督以外のスタッフ、主演以外の俳優を変え、全て撮り直している。カメラワークと美術品が全く異なり、BBC版(1977)はドキュメンタリータッチでかなりリアルだと思われる。20分の長さの違いは、各重要シーンにおいて補足的に加わっている数カットで、説明不足が解消され観やすくはなっているけれど、レイプシーンと自殺シーンまでもがより鮮明に描かれてしまっている。

大きい窓からは光が差し込み、就寝時以外ドアに鍵はかかっておらず出入り自由。私服も許されている。ビリヤードや卓球といった娯楽施設も整っている。学生寮と何の変わらぬ環境だけど、自由度が高い分危険度も高い。囚人同志や看守からの暴力、レイプや自殺が絶えない。看守も見て見ぬフリをしている。
更生ではなく、罰せることを目的としている少年院。犯罪を犯罪で罰することには嫌悪感しか残らない。

「Scum」とは泡という意味しか知らなかったけど、「人間のクズ」という意味があるらしい。
犯罪を犯した者が「人間のクズ」なのか、それとも看守も含めこの少年院にいる者全てが「人間のクズ」なのか。私は後者のような気がする。

数年後に少年院は更生目的へとシステムを修正し、治安は大幅改善されたとのこと。

『気がめいる陰うつな映画30本』には日本未公開が2作品ランクインしている。
19位の本作と、26位の「Dead Man’s Shoes」。どちらもUK映画であるけれど、嫌悪感と後味の悪さは雲泥の差がある。本作は2度と観たくない作品No.1かもしれない。

<鑑賞> 2011/1/6
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) The Invisible <2002/スウェーデン> ★★★

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Den osynlige
2002/101min/スウェーデン
監督:Joel Bergvall、Simon Sandquist
原作:Mats Wahl
脚本:Mick Davis
出演:グスタフ・スカルスガルドツヴァ・ノヴォトニー、Li Brådhe
IMDb評価:6.6/10

わからないスウェーデン語の予告編をみて、何となく面白そうだと思い鑑賞。結果的には観てよかったと思える良作だったけど、この手のストーリーはハリウッドが好きそだなぁなんて思っていたら、「臨死(2007)」としてリメイクされていた。こちらは未見。かなり近い設定で展開も同じだけど、結末は違うらしいです。

成績優秀なニクラス。学校でも先生からの評判はいい。ママは理想通りに育った息子を誇りに思う一方で、ニクラスは自分の意見を聞き入れてくれないママに不満を抱いていた。「どうせ何を言ってもママは聞き入れてくれない」そんな思いが募り、ママに内緒でロンドンの学校へ行くことを決意する。そのことを親友のピーターだけに話していた。これが悲劇の始まりであった。
ニクラスは不良グループのある事件に巻き込まれ、瀕死の状態で森に置き去りにされてしまう。翌朝、本人はいつも通り登校するが、誰もニクラスの姿が見えない。幽体離脱したまま今まで生きていた世界を彷徨っていたのだ。
警察はニクラスの捜査に乗り出すが、死体は見つからない。行き場もなく幽体離脱したままのニクラスは犯人につきまとい、耳に届かないのを知りながらも犯人の耳元で訴え続けた。

本作で見事だと思ったのは、“耳”である。
犯人の家庭は崩壊しており、母親は放任主義。子どもの話に耳を傾けていればこの悲劇は起こらなったかもしれない。ニクラスは幽体離脱した状態でママに話しかけるけど、今までも息子の話を聞く耳がなかったのだから、いくら叫んだって声が届くはずもない。
聞こえないのではなく聞こうとしない大人たち。その犠牲となっているのが子どもたちだということに気付いていない現実。幽体離脱をうまく利用した脚本には関心する。
幽体離脱状態のニクラスの声が聞こえる唯一の人物も皮肉的だし、結末も意外だった。

犯人は捕まるのか、ニクラスは見つかるのか、目が離せない展開は本格的なサスペンス。

<鑑賞> 英語字幕 2011/1/3
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