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ククーシュカ ラップランドの妖精 <2002/露> ★★★

kukushka.jpgKukushka/Cuckoo
2002/101min/ロシア
ドラマ、戦争、コメディー
監督/脚本:アレクサンドル・ロゴシュキン
撮影:アンドレイ・ジェガロフ
出演:アンニ=クリスティーナ・ユーソ、ヴィッレ・ハーパサロ、ヴィクトル・ブィチコフ
言語:ロシア語、フィン語、サーミ語、ドイツ語
受賞:モスクワ国際映画祭 最優秀監督賞ほか全5部門独占
IMDb評価:7.9/10

ロシアを代表する監督の1人だが、日本で劇場公開したのは本作のみのよう。DVDも発売している。代表作は「検問所」(1995)等。


フィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコは、罰として岩に打ち付けられた鎖で足をつながれ、わずかな食料だけ残し置き去りにされてしまう。手足の届く範囲内から集めた小枝で焚き木をし暖をとり生き延びていた。知恵を絞り、試行錯誤の上、なんとか岩に打ち付けられた釘だけは外すことができた。
ロシア軍大尉イワンは警察に連行途中に味方機の誤発弾によって重傷を負ってしまう。偶然通りがかった先住民アンニに発見され、家で介護を受ける。自力で鎖を断ち切ったフィンランド軍のヴェイッコも助けを求めてアンニのもとへやって来た。こうして3人の奇妙な共同生活が始まる…。

kukushka4.jpg冬戦争(第1次ソ連・フィンランド戦争とも言う)は、第二次世界大戦の勃発から3ヶ月目にあたる1939年11月30日に、ソビエト連邦がフィンランドに侵入した戦争である。フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲を出しながらも独立を守ったが、両国間の戦争が1941年6月26日から1944年9月19日にかけてラップランドで再開され、これを継続戦争(第2次ソ連・フィンランド戦争)と称される。フィンランドとソ連の間で1944年9月19日にモスクワ休戦協定が調印され、その24時間後に完全に戦闘を停止した。

本作の時代設定は1944年9月。
休戦協定調印前後のラップランドを舞台としている。
ロシア語、フィン語、サーミ語をそれぞれ話す3人。全く異なる言語で意思疎通はできないのに、何か言えば、とりあえず返事が返ってくるので、通じ合っていると思い込んでいる3人である。全く噛みあっていないチグハグな3人の会話を面白く見せているが、言葉の通じないもどかしさを出した方が良かったようにも思える。敵国の兵士、戦争未亡人の共通点は戦争でありながらも、芽生えていく友情を描いている。

Kukushka2.jpg
「ラップランドの妖精」という副題はいかがなものか。ラップランドに住む先住民アニカは夫を戦争で亡くした未亡人で、独自の生活習慣で自給自足の生活を1人で送っている。ため息がでるほど綺麗だあ、過酷な大自然でたくましく生きる姿は妖精とはかけ離れた生々しい人間の姿である。4年間もの間男性のいない生活だったのに、一気に2人の男性が現れてしまったことで欲情し、裸でサウナに入っている男性2人を品定めする姿は子孫を残そうとする人間の本能でもある。

kukushka1.jpg
アイスランド人には霊的な存在を信じている人が多く、フリドリック・トール・フリドリクソン監督作品(「コールド・フィーバー」「Angels of the Universe」)には必ず精霊が登場し、日本人に通ずる精神性を感じるのだが、本作でもヴェイッコが死の淵を彷徨っている光景は、賽(さい)の河原を彷彿させる。先祖から伝わるというアニカのスピリチュアルな感覚も祈祷師に通じるものを感じる。

結末に触れています。ご注意ください。
ククーシュカとはロシア語で“カッコー鳥”の意味。狙撃兵という意味も含むため、単純にフィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコのことを指してると思っていたが、もっと奥が深かった。ダニス・タノヴィッチ監督作品「美しき運命の傷痕/L' ENFER」でのカッコー鳥のシーンも非常に印象深く記憶されているが、本作でも“カッコー鳥”の習性をうまく利用したオチには脱帽した。
カッコー鳥とは、卵をよその巣へ生みつけて、子育てをしない鳥である。未亡人の欲情に応え、妊娠させてしまったことも知らずに国に戻っていった2人。カッコー鳥の習性そのものである。二度と会うことのないであろう父親のことを子供に話し、過酷な自然の中で今もなお生き抜こうとする姿はたくましい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/12
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(未) The Door <2010/独> ★★★

door.jpg
Die Tür/The Door
2010/独
ミステリー、スリラー
監督:Anno Saul
出演:マッツ・ミケルセンValhalla Rising」「プッシャー」、ジェシカ・シュワルツ、ハイケ・マカシュ
受賞:
2010ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 ヨーロッパ・コンペティション部門グランプリ
2010ドイツ映画批評家協会賞 音楽賞受賞
2010ドイツ映画賞 編集賞・音響賞・音楽賞受賞
言語:ドイツ語
IMDb評価:6.6/10

迷宮度 ★★
過激度 ★★★(ベッドシーン多め)
残虐度 ★★

おそらく日本では全く紹介されていないAnno Saul監督。マッツ・ミケルセン主演でありながら、映画祭での上映に留まっている国が多いとは残念。2004年監督作品「Kebab Connection」の脚本は「愛より強く」のファティ・アキンが手掛けている。
英語吹き替え版鑑賞ということもあり、マッツらしさが感じられない作品だった。やっぱりニコラス・ウィンディング・レフン監督とのコンビか、少なくともデンマーク映画に出演して欲しい。

door3.jpg画家で成功しているデビッドには妻子がいるが、愛人が目と鼻の先に住んでいる。妻マヤの不在時、庭にいた娘に呼ばれたが、「行く所がある」と言い放ち愛人宅へ向かってしまう。そして、いつものように情事にふける最中、娘は綺麗な青い蝶を追いかけ躓き、プールで溺死してしまう。娘の死が原因で妻まで失い、自責の念、失意に苛まれるデビッドは自分を見失なったまま5年の月日が流れ、とうとう娘が溺死したプールで自殺を図る。しかし近所に住むマックスに助けられる。2人でバーに飲みに行き、千鳥足での帰宅途中、青い蝶に導かれるかのようにあるドアを開け、訳もわからずトンネルを抜けると、その先は5年前であった…。
door2.jpg
あの時に戻って人生をやり直すことができたら…
誰しもが一度は考えたことがあるでしょう。
そんな願いが叶い、事故の日からやり直せることとなったデビッドは、過ちを教訓にし、人生をやり直そうとする。愛人宅へは行かず、躓きプールに落ちた娘を助けることができ、ほっと一安心つく。しかし、トンネルを潜り現在から戻ってきたのは自分だけではなく、他にも大勢いた。

door1.jpg


戻ってきた世界には、“本来の自分”と“やり直してる自分”が混在し、座を狙う争いがあちこちで起こっていたのだ。人生をやり直すためには過去の自分を抹消しなければならない。そんな不可欠な殺人があちこちで起こり、もはや秩序やモラルが欠如した別世界と化してしまっていた。観ているこちらは一体誰が本物で、誰が現在から来たのか混乱させられる。

たとえやり直したい頃に戻れたとしても、それが幸せだとは限らない。私利私欲に目がくらむ人間への批判でもあり、前を向いて明るく生きる大切さをメッセージとして感じた。

<鑑賞> 英語吹き替え 2011/3/27
[サイト内タグ検索] 日本未公開 マッツ・ミケルセン
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(未) Brotherhood <2009/デンマーク> ★★★

brother.jpgBroderskab/Brotherhood
2009/90min/デンマーク
ドラマ、同性愛
監督/脚本:Nicolo Donato(長編デビュー)
出演:デイヴィッド・デンシックトゥーレ・リントハートニコラス・ブロSigne_Egholm_Olsen 
受賞:2009ローマ映画祭インターナショナル・コンペティション部門グランプリ
   2010ヨーテボリ映画祭 出品
   2011デンマーク・アカデミー賞 作品賞、監督賞、助演男優賞ノミネート
IMDb評価:6.9/10

2011年デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品についてはこちら




軍隊から戻ってきたラースは、これから進むべき道に悩んでいた。ある日、友人宅で出会った男性ミカエルに彼が所属するグループに入るよう誘われる。それはムスリムや同性愛者を襲っているネオナチグループであった。世話係をしてくれるジミーと一つ屋根の下で暮らすこととなるが、いつしか2人の間には違う感情が芽生えてしまう…。

brother1.jpg両親の束縛が入団へ後押ししてしまったように取れる。ラースは結局は逃げ出したかっただけで、どんなグループでも良かったのだろう。入団したことが原因で家を追い出され、世話係のジミーと衣食住を共にすることとなる。まだ知り会ったばかりで共同生活は遠慮がちだったが、徐々に友情が芽生え、次第にその感情は性の対象へと変わっていく。お互い相手の心情を探るような目配せやタイミングを見計らうかのようなやり取りはもどかしく、巧い。

brother3.jpg



勢いのまま体を重ね、翌朝はきまずい雰囲気に。同性愛者を嫌悪しているグループへ所属している2人は、自分たちの立場上関係を認めたくないのか、2人は昨晩の出来事に一切触れようとせずに距離を置こうとする。グループに事を知られれば、グループを追い出されるどころではなく、制裁を受けなかればならないことは百も承知である。グループを選ぶか、自分の気持ちに正直になるのか、苦悩する姿は痛いほど伝わってくる。

brother2.jpg
グループに所属していても正式なメンバーになる道は険しく、ジミーの弟パトリックは正式メンバーになれる日を待ちかまえていた。そんな矢先、自分より後に入団したラースが先に正式メンバーになってしまった。そして、ラースとのベッドインを見てしまったことで、兄弟にヒビが入り始める。Brotherhoodとはもともとは兄弟愛の意だが、ジミー・パトリックの兄弟愛と同時に、家族意識の高いグループの同志愛のことも言っているのだろう。弟、グループ、そしてラースへのジミーの思いが複雑に絡まり合う。

予想通りに展開するが、結末は意外だった。切なさが残るが、好感が持てるエンディングでもあった。本来なら目を背けたくなるような暴力シーンも暗闇の中なので残忍度が緩和されている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/28
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ローマ、愛の部屋 (英題:Room In Rome) <2010/スペイン> ★★★

rome.jpg
Habitación en Roma/Room In Rome
2010/109min/スペイン
ドラマ、同性愛
監督/脚本/編集:フリオ・メデム(Julio Medem)「ルシアとSEX」
製作総指揮・製作:アルバロ・ロングリア
撮影:アレックス・カタラン
美術:モンセ・サンス
出演:エレナ・アナヤ「ルシアとSEX」 、ナターシャ・ヤロヴェンコ、エンリコ・ロー・ヴェルソ
IMDb評価:6.0/10

芸術度 ★★★
難解度 ★★★(ただの官能作品として観ることも可)
官能度 ★★★★
邦題のセンス ★


ローマでひと夏を過ごしていたスペイン人のアルバは、ナターシャと名乗るロシア人女性と出会う。2人はすぐに意気投合し、アルバはナターシャを自分のホテルへと誘う。戸惑いながら、「女性の部屋に行ったことはない」というナターシャに、「ただのホテルの部屋よ」と言うアルバは同性愛者であった。積極的にアプローチするアルバに戸惑いながらもナターシャは次第に惹かれてゆく…。

rome2.jpgアルバは同性愛者であるが、ナターシャはストレート。自分は結婚を控えており、男が好きだと言いつつ、アルバの魅力にどんどん飲み込まれていく。誰しもが潜在的に同性への関心を抱いていて、目覚めはいつ起こるのかわからないのかもしれない。
初めはお互い偽りの自分を話すが、体を重ねるごとに秘めていた過去を話すようになる。出会ったばかりの相手でも体を許してしまうと心まで簡単に許してしまうということだろうか。それとも本物の恋なのだろうか。
外国人同士の2人の会話は基本英語でなされるが、本音を語る時は相手が理解できないようにアルバはスペイン語、ナターシャはロシア語を操る。本音を相手に言わないところを見ると、一夜限りの情事とも取れるが。

rome1.jpg2人の話す過去と重ね合わせるかのような壁にかけてある数々の絵画。天井に描かれたキューピッドの絵。女性から見ても美しいと思える激しいベッドシーン。その体位。シンメトリーな女性2人の経ち位置や行動。全てが計算し尽くされた構図になっている。

ローマの一室での一晩の情事を描いただけの作品だが、その計算し尽くされた構図に伏線が潜んでいると思われる。ネットで見ていたマップも南半球から見たかのように上下逆になっていたことも何か理由があるのだろう。

しかしながら、難解度が高く、一歩間違えるとただのエロティックな作品になり兼ねない。伏線が読み取れないのが悔しいが、芸術作品として評価したい。挿入歌のタンゴも秀逸。

劇中2人はほとんど素っ裸なので、もし大画面で観たら目のやり場に困ってしまうでしょう。一緒に観る相手も限定される。バイブレーターをルームサービスで注文したり、その代替品としてキュウリを温めようかなんて言い出すホテルマンには度肝抜いた。
日本公開も発売も絶対にないと思っていたが、DVD発売してました。

<鑑賞> 2011/3/24
[サイト内タグ検索] フリオ・メデム監督 エレナ・アナヤ
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蜂蜜 (原題:Bal) <2010/トルコ=ドイツ> ★★★★

bal.jpg
蜂蜜/Bal
2010/103min/トルコ=ドイツ
ドラマ
監督:セミ・カプランオール(Semih Kaplanoğlu)
出演:ボラ・アルタシュ、エルダル・ベシクチオール、トゥリン・オゼン
受賞:第60回ベルリン国際映画祭金熊賞  エキュメニカル審査委員賞
   2011年アカデミー賞外国語映画賞トルコ代表
   第29回イスタンブール国際映画祭 最優秀撮影監督賞・審査員特別賞・観客賞
IMDb評価:7.4/10

社会度 ★★★
映像美 ★★★
催涙度 ★★
感動度 ★★

2011年6月、銀座テアトルシネマ他全国順次公開
2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら

***第60回 ベルリン国際映画祭受賞作*** 
金熊賞: 「蜂蜜(本作)」 - セミフ・カプランオール監督
銀熊賞:
審査員グランプリ: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
監督賞: ロマン・ポランスキー - 「ゴースト・ライター」
女優賞: 寺島しのぶ - 「キャタピラー」
男優賞: グリゴリ・ドブルイギン、セルゲイ・プスケパリス - 「Как я провёл этим летом
脚本賞: ワン・チュアンアン、ナ・ジン - 「再会の食卓」
芸術貢献賞: パベル・コストマロフ - 「Как я провёл этим летом
アルフレード・バウアー賞: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
生涯貢献賞:ヴォルフガング・コールハーゼ、ハンナ・シグラ
***********************

6歳のユスフは、手つかずの森林に囲まれた山岳で両親と共に暮らしている。
幼いユスフにとって、森は神秘に満ちたおとぎの国で、養蜂家の父と森で過ごす時間が大好きだった。
ある朝、ユスフは夢をみる。
大好きな父にだけこっそりと夢をささやき、夢を分かち合う。
ある日、森の蜂たちが忽然と姿を消し、父は蜂を探しに森深くに入っていく。
その日を境ににユスフの口から言葉が失われてしまう―
数日経っても父は帰ってこない。
日を追うごとに哀しみを深めていく母を大嫌いなミルクを飲んで励まそうとするユスフ。
そしてユスフは、1人幻想的な森の奥へ入っていく―@アルシネテラン

bal2.jpgトルコ作品がベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したのは1964年以来46年ぶりの快挙。アカデミー賞外国語映画賞トルコ代表にも選ばれている。

本作が主人子Yusufの成長期を描いた3部作「YUMURTA(卵)」「SUT(ミルク)」「BAL」の最終作であることを観た後に知った。遡って描いているそうで、1作目は35歳から38歳を、2作目は高校卒業後を、最終作である本作が幼少時代の話となっている。1部と2部を観ていなくても単独でも十分楽しめる。

bal3.jpg新緑あふれるアナトリア地方の風景に溶け込むゆったり過ぎる時の流れが叙情的な作品。ストーリーは至って単純で字幕なしでも十分理解できてしまいそうなほどシンプル。音楽もなく、終盤まで劇的な展開もなく、人によっては睡魔と闘うことになりそうだが、極端に少ない台詞でも主人公の少年ユスフの表情や行動から人間的成長が心にじんわりと沁み渡ってくる。
bal1.jpg
養蜂家の父の仕事を手伝う姿。父の失踪に心を痛めている母を励ますために嫌いな牛乳を頑張って飲む姿。学校で教科書がスラスラ読める子に嫉妬心を抱く姿。先生に怒られないように宿題をやってきた子とノートを交換する姿。
ユスフの行動が子供らしくて微笑ましい。

数か月前にテレビで、ミツバチ不足による果物の収穫減少を取り上げていたことを思い出した。森林伐採や地球温暖化によるミツバチ不足は世界でも問題になっている。養蜂家のみならず、農家も打撃を受け、食卓にまで被害は及ぶ。ゆくゆくは人類滅亡となってしまう。これは人間が自然を破壊し続けている結果でもある。本作での父親は消えたミツバチを探しに山奥へ入ったのであった。甘くておいしい蜂蜜はユスフにとっては苦い味へとなってしまっただろう。

なぜミツバチは忽然と姿を消したのか?「国際生物多様性年COP10」と定められた2010年公開だった本作。人類危機への警鐘をも鳴らしている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/24
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悲しみのミルク <2009/ペルー=スペイン> ★★★

kanashimi.jpg
La teta asustada/The Milk of Sorrow
2009/97min/ペルー=スペイン
ドラマ
監督/脚本:クラウディア・リョサ(Claudia Llosa)長編2作目
撮影:ナターシャ・ブレイア
出演:マガリ・ソリエル(Magaly Solier)、スシ・サンチェス、マリア・デル・ピラル・ゲレロ、エフライン・ソリス
受賞:第59回ベルリン映画祭 金熊賞、国際批評家連盟賞
   第24回グアダラハラ国際映画祭イベロアメリカ部門最優秀作品賞
   2010 アカデミー賞外国語映画賞ペルー代表作 ノミネート
IMDb評価:6.7/10

4月2日より全国順次公開
公式サイトはこちら

80年代から90年代にかけてのペルー内戦を背景に、戦争によるトラウマに苦悩しながらもたくましく生きようとする女性たちの姿を描いたヒューマン・ドラマ。ゲリラによるレイプ被害に遭った母親に育てられ、母乳を通してその悲しみが伝わってしまったために奇病にかかってしまう女性の日常を静かに見つめる。メガホンを取ったのは本作が長編第2作となるペルーの若手女性監督クラウディア・リョサ。@映画.com

kanashimi2.jpg 黒い画面に女性の子守唄のような歌だけが流れる冒頭。女性の姿が見えたかと思うと、歌を歌いながらその女性は息をひきとってしまった。レイプの悲しみを込めた歌詞に自分の目を疑った。あらすじを知らずに観たので、あまりの悲劇さに再生をストップしてしまった。実際にペルーで1980年代から90年代にかけて山間部のゲリラによる、レイプ、虐殺、強奪の自身の体験を歌の歌詞にしたものだという。
母親の恐怖が母乳を通じて子供に伝染してしまうという設定だが、伝統を重んじる地域だからこその迷信。母親からこんな歌を聞かされれば異常なほどのトラウマも仕方ないだろう。本作は異常なほどの恐怖に怯えながら必死に生きようとする女性ファウスタの話である。

鼻血を出し病院に運ばれるファウスタ。辛いことがあるとすぐに鼻血をだし失神してしまうという。「処女ですか?」という看護師の問いに「わかりません」と答える。レイプされないように子宮にジャガイモを入れているという事実がすぐに明かされる。それはジャガイモが中に入っていたら気持ち悪がって襲わなくなるだろう、というレイプ被害に遭った母の教訓であった。ファウスタ自身男性経験はないが、ジャガイモを入れているから処女なのかどうか判断がつかないということだろう。
ジャガイモは放っておいてもすぐに芽を出す植物であるがゆえに、子宮の中でも大きく育ち、菌が繁殖しており、一刻も早い除去手術を医師は薦める。しかし、ファウスタは拒否する。医師の口からジャガイモのことを初めて知る叔父だが、決して驚くこともなく、むしろ医師に淡々と恐ろしい内戦の出来事やファウスタの境遇を話す。今までいかに危険と背中合わせで暮らし貫いてきたかが覗われる。内戦が終わった今でも傷跡は癒えていないのだ。
kanashimi1.jpgkanashimi3.jpg
内戦やレイプの悲劇を直接的に映像に映し出したりはしない。しかし、その悲劇を忘れるために、辛い思いを紛らわすために歌を歌う。結婚式のシーンが印象的に使われているが、そんな悲劇をも乗り越えようとする人々の強さもひしひしと伝わってくる。しかしながら抽象的なシーンが多く、あらすじを知らないと何が言いたいのかわからない人も少なくないでしょう。 (私がそうでした。)

抽象的でありながらも、ジャガイモの使い方は女性らしい感性が光り、とにかく素晴らしい。
ジャガイモは母の教えであるが、世間から防御する壁にもなってしまっている。膣から伸び出した芽をハサミで切り落とす姿は新しい可能性、明るい未来をも自ら台無しにしてしまっているようにも映る。 ジャガイモという壁を取り除き、一歩前に進む勇気が彼女には必要なのである。
悲しみを秘めていて、全く笑顔を見せないファウスタ。ジャガイモの芽のように強くたくましく、綺麗な白い花を咲かせてくれることを切に願う。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/25
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コスモス <2010/トルコ=ブルガリア> ★★★★

kosmos.jpg
コスモス/Kosmos
2010/122min/トルコ=ブルガリア
ドラマ、ファンタジー
監督/脚本/音響/編集:レハ・エルデム(Reha Erdem)
出演:セルメット・イェシル、テュルキュ・トゥラン、ハーカン・アルトゥンタシュ
映画祭:ベルリン国際映画祭2010 パノラマ部門
     東京国際映画祭2010
IMDb評価:7.4/10

怪奇度 ★★★
映像美 ★★★
残忍度 なし
宗教度 高いと思われる


コスモスは奇跡を起こす泥棒だ。彼はじめじめしたと荒野から、時間を超越してこの町にやってきた。彼はそこで溺れている幼い少年を助け、奇跡を起こす男として知られるようになる。彼はどうやら、食べたり眠ったりしないようだ。彼の際立つ技術のひとつは、非常に高い木々によじ登る能力だ。コスモスがやってきてから、町の店は泥棒が増え始め、窃盗と奇跡が立て続けに起こる。しまいに彼は、時間を超越したこの町から逃亡せざるを得なくなる。@東京国際映画祭

kosmos1.jpg

冬の冷たい川に入ることも躊躇わず溺れている少年を助けたり、老人の喘息を治したり、自身の火傷の傷も一瞬にして治り、周囲の人々を驚かせるコスモス。人々は彼を神と讃え、喫茶店ではお茶が提供されるだけで特別な報酬はもらっていない。噂が噂を呼び、病をかかえる者が彼の元へ押し寄せてくるようになる。見返りを求めない無償の愛は人間の理想ではあるが、そう簡単に真似できることではない。



kosmos2.jpg銃声、窓を割る音、人々の叫び声といった政情不安な雑音が響き渡っているかと思うと、全く正反対のオオカミの遠吠え、川のせせらぎ、吹きつける北風、など自然の音も際立っている。ここまで聴覚で刺激を受ける作品はエルデム監督作品以外にお目にかかったことがない。物悲しくピンと張り詰めた空気を強調させるかのような音楽も絶妙。
町が荒れているのか長閑なのかの判断もつかず、しかしながらゆったりと流れる時間の中で時折コスモスの行動にぎょっとさせられる。非現実的な雰囲気の中の怪奇現象は時にはブラックユーモアがある。

エッセンシャル・キリング」のように自然と調和し、「グリーンマイル」のような超能力で人々を助け、タル・ベーラやタルコフスキーに通ずる魅力的な映像になっている。
人々から神と讃えれていることから、宗教的(イスラム教やキリスト教)な解釈ができると理解度も深まると思われる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/18


[サイト内タグ検索] レハ・エルデム監督
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(未) Upperdog <2009/ノルウェー> ★★

upperdog.jpg
Upperdog
2009/100min/ノルウェー
コメディー、ドラマ
監督:Sara Johnsen
出演:Hermann Sabado、Bang Chau、Agnieszka Grochowska、Mads Sjøgård Pettersen
受賞:
2010カノン賞(ノルウェー・アカデミー賞) 監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞
2010ノルウェーアマンダ賞 監督賞、女優賞、撮影賞、編集賞
IMDb評価:6.8/10





********2010年 ノルウェー・アカデミー賞(Kanon Award)受賞作******** 
監督賞:Sara Johnsen「Upperdog
プロデューサー賞:Sigve Endresen、Brede Hovland 「Nord(North)
男優賞:Anders Baasmo Christiansen 「Nord(North)
女優賞:マリア・ボネヴィー(Maria Bonnevie)「Engelen(The Angel)」(監督:Margreth Olin)
助演賞:Pål Sverre Valheim Hagen 「Jernanger(Shooting the Sun)」(監督:Pål Jackman)
オリジナル脚本賞:Sara Johnsen 「Upperdog
******************************************


タイ出身で父親違いの姉ヤンネと弟アクセルは母の死後、養子縁組に出されノルウェーの別の家庭に引き取られる。姉ヤンヌは平均的な家庭で、弟アクセルはお手伝いさんがいる上流階級であった。
時は経ち、ヤンヌは町でタイレストランを営み、ポーランドから出稼ぎのマリアと一緒に暮らしていた。部屋には弟との思い出の品や写真があり、マリアはよく目にしていた。マリアがメイドとして働くお宅で同じ写真を見つけ、そこの息子がヤンネの弟だということを知る…。

upperdog1.jpg部屋に飾ってあった写真は、弟と姉がそれぞれ新しい母親に手を引かれている風景で、姉弟の別れを意味すると同時に血のつながった家族がいたことを意味するものでもあった。しかし、弟が持っていた写真は、母によって姉の部分が切り取られていた。幼かったアクセルは写真の出来事を覚えておらず、姉がいたことも記憶していない。メイドのマリアから姉がいることを聞かされ、アクセルは戸惑いを隠せない。

姉の存在を知らせなかったことでアクセルは母を責めるが、アクセルを新しい家族として受け入れようとする母の強い決意を感じる。姉の存在をしればきっと探すだろう、もしかしたら捨てられるかもしれないという母の恐れも示唆している。

サブプロットとして描かれる戦争。2人は戦争孤児であり、ヤンネが出会った青年はアフガニスタン紛争で子供に銃を向けたことがトラウマになっている。この青年の苦悩が本作で一番際立ってしまっている。
重くなりがちな内容をあえてコメディータッチにしたのかもしれないが、アダルトグッツも小道具として使われ、性行為以外でも裸のシーンが多いのはお国柄のせいか!?会社でのセクハラ発言、でき婚、マリアと子供のやり取り、といった要素が分散しすぎていてまとまりきれていない。離散家族や養子としての苦悩のほうにもっと重きを置いて欲しかった。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/20
[サイト内タグ検索] 日本未公開 MadsSjøgårdPettersen
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242. 2度目の愛 <2007/米=韓> ★★★★☆

never.jpg
2度目の愛/두 번째 사랑/Never Forever
2007/90min/104min/米=韓
監督/脚本:キム・ジナ
出演:ハ・ジョンウ絶対の愛」「チェイサー」「素晴らしい一日」「国家代表
   ヴェラ・ファミーガ、イ・ファシ
IMDb評価:6.2/10



韓流度 なし
官能度 ★
演技度 ★★★★
催涙度 ★★★



韓国系アメリカ人アンドリューとその妻で白人のソフィア。上流階級で、表面上は何不自由のない生活を送っているが、なかなか子どもが授からず、その責任感から夫は自殺を図ってしまう。幸い命は取り留めたが、夫を救う唯一の手段は妊娠しかないと妻は考える。そんな時、クリニックである韓国人男性(ハ・ジョンウ)を見かける。精子バンク登録に来た不法滞在者である。旦那と同じ韓国人ということもあり、1回300ドル、妊娠したら3万ドルで子作りを依頼してしまう…。

never3.jpg同じ役をやらず、作品色に自分を染める彼らしく10キロ減量して挑んだハ・ジョンウのハリウッドデビュー作。台詞は大半が英語である。英語ペラペラのハ・ジョンウなので、おそらく韓国アクセントの強いしゃべりも演技なのでしょう。少々わかりにくい。
韓国公開当時、ベッドシーンを最大の売りにしている宣伝や内容を批判する記事ばかりで興味を失っていたが、ハ・ジョンウfanとしてはやっぱり見逃せない。内容が内容なだけに共感できない人も多いだろうし、嫌悪感さえ抱く人も多いでしょう。しかし、ベッドシーンを最大のウリにする宣伝もどうかと思う。回数を重ねるごとに気持ちの入っていくベッドシーンは確かに見せ場の一つではあるが、そこから見え隠れする心境を読み取って欲しい作品。女性監督らしい鋭さとハ・ジョンウ、ヴェラ・ファミーガの演技を評価すべきなのに、ベッドシーンに目が行ってしまうことを残念に思う。「ブルーバレンタイン」と同じ痛みを感じ、何度も涙した。

アメリカに移住していながら韓国文化が根強く残るカソリックの家系。家族みんなで毎週教会へ行くが、ソフィー以外は韓国人ばかりでお祈りも韓国語で疎外感を感じていた。義母からは子供を期待され、パーティーに出席すれば同僚たちは子供の話ばかりで、気持ちは焦る。表面上は優雅な暮らしをしているようでも悩みを抱えていた。
一方、不法滞在でアメリカ社会から疎外されたかのように底辺を這いづく回って生きる韓国人チハ。韓国に残した彼女を呼ぶためにお金が必要な彼は昼夜問わず働き詰め。そんなチハにはソフィーの提案は魅力的だった。
never1.jpgnever2.jpg
ソフィアにとってはただ子供をもうけるため、チハにとってはお金目当ての行為でしかなかった性行為にそもそも感情はなかった。ソフィーは部屋に入るやいなや挨拶もなしで服を脱ぎ、キスも交わさず、2人の切羽詰まった感情だけで成り立っていた関係はぎこちない。しかし、回数を重ねるごとに会話もするようになり、距離が縮まっていくのが2人の表情から痛いほど伝わってくる。
拾ってきた家財道具だけの殺風景だった部屋に花を飾り、カーテンやベッドカバーを暖色のものに新調し、うれしそうに髭を剃り、煙草を吸いながらソフィーを待つ姿からはチハの変化も見て取れる。寝ている耳元に韓国語で「サランヘヨ(愛してる)」と囁く顔からは幸せがこぼれ落ちそうなほどだった。

あくまでも愛する夫のために決断したことであり、契約は妊娠が発覚するまで。晴れて妊娠し、ソフィアの当初の願いは叶ったわけだが、それは2人の別れを意味していた。
子供さえできれば夫婦生活は安泰だと思っていたのに、子供が出来て嬉しいはずなのに、素直に喜べないソフィー。お金で幸せも買えると思うのはいかにも資本主義の富裕層らしい発想。心まではお金では操れないのに。

一体幸せとは?
Never Foreve…やはり永遠はないということだろうか。
解釈の幅を残したラスト。胸に深く沁み渡り、感慨深い。

<鑑賞> 2011/3/20

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夏の終止符 (原題:How I Ended This Summer) <2010/露> ★★

how i ended
Kak Ya Provel Etim Letom/ How I Ended This Summer
2010/124min/ロシア
監督:Alexei Popogrebsky
撮影:Pavel Kostomarov
出演:Grigory Dobrygin(デビュー作)、 Sergei Puskepalis
受賞:2010ベルリン国際映画祭 銀熊賞
   男優賞:Grigory Dobrygin、Sergei Puskepalis
   芸術貢献賞:Pavel Kostomarov(撮影)
   2011ロンドン映画祭 作品賞
IMDb評価:7.2/10

芸術度 ★★★★
緊迫度 ★
残虐度 なし


2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら
**********第60回(2010年) ベルリン国際映画祭受賞作********** 
金熊賞: 「蜂蜜」 - セミフ・カプランオール監督
銀熊賞:
審査員グランプリ: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
監督賞: ロマン・ポランスキー - 「ゴースト・ライター」
女優賞: 寺島しのぶ - 「キャタピラー」
男優賞: グリゴリ・ドブルイギン、セルゲイ・プスケパリス - 「Как я провёл этим летом(本作)」
脚本賞: ワン・チュアンアン、ナ・ジン - 「再会の食卓」
芸術貢献賞: パベル・コストマロフ - 「Как я провёл этим летом(本作)」
アルフレード・バウアー賞: 「Eu când vreau să fluier, fluier」 - フローリン・サーバン監督
生涯貢献賞:ヴォルフガング・コールハーゼ、ハンナ・シグラ
****************************************

人里離れた北極圏の孤島の気象観測所で働く2人。毎日同じ時刻に観測を続け、通信で報告するというルーチンワークをし、衣食住を共にしている。ベテランの観測員セルゲイに指導してもらいながら経験を積んでいく新人パシャだが、ヘッドホンで音楽を聞きながら観測したり、遊び半分で真剣に取り組んでいる気配がない。それでも、どうにか1人で一通り仕事をこなせるようになった頃、セルゲイは1人ボートで魚釣りに出かける。その矢先、セルゲイの家族の具合が悪いという知らせが入るが、パシャは本人にはこの伝言を伝えなかった。そして、2人の関係にヒビが入り始める…。

how i ended2
釣りからいつ戻るのかわからないセルゲイを待つパシャ。この時点では早く伝えなきゃという思いはあったようで、時を刻む秒針が鳴り響き、時間だけが過ぎていく。大量のマスを釣り機嫌良く帰ってきたセルゲイは戻るや否や、さばき方や保存方法の指導を始めてしまい、パシャはなかなか伝言が言い出せない。タイミングを見計らっているようではあるが、結局言いそびれてしまう。



how i ended1そもそもなぜパシャはこんな大事な伝言をセルゲイに伝えなかったのか…
新人の彼は1人島に残されることを恐れたのか、そもそもモラルの問題なのか。最後まで理由は述べられず、それぞれの解釈に委ねられている。
出演者はほぼ2人のみ。2人はいつどこから来たのか、通信で報告していた数値も何の計測値なのかもわからない。目を見張るような自然と恐怖心を煽るような描写の仕方が印象的だが、説明不足に始まり、説明不足のまま終わってしまったという印象は否めない。

ほんの些細なことで信頼関係が薄れていく人間関係のもろさ。
伝えなかったことが新たな過ちを招き、雪だるま式に膨れ上がり、人は凶暴化し、取り返しのつかない事態に。
状況は違えど、やはり普遍的なことを伝えたかったのだろう。

デビュー作でありながら主演を務めたGrigory Dobryginは本作での演技が評価されたのか、他作品の出演が続々と決定している。撮影を担当したPavel Kostomarovは今までドキュメンタリーばかりを手掛けている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/16
[タグ未指定]
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241. (未) 心臓を脈打つ (原題:심장이 뛴다) <2010/韓> ★★

shinzo.jpg
心臓が走る 심장이 뛴다
2010/114min
ドラマ
監督/脚本:ユン・ジェグン(デビュー作)
出演:キム・ユンジンセブンデイズ」「ハーモニー
 パク・ヘイル10億」「黒く濁る村」、
 チョン・ダへ、
 カン・シニル黒い家」「私たちの幸せな時間



幼稚園の園長で英会話教師ヨンヒの娘は、心臓病で入院している。今すぐにでも心臓移植しなくてはいけないが、娘に合う心臓はそう簡単には見つからない。そんな時、病院に運ばれたある女性が脳死状態だという話を小耳に挟む。ベッドに見に行くとその女性の血液型は娘と同じRH-AB型であった。ヨンヒはその女性の家族と会い、巨額の報酬を提示し移植の提案をする。

脳死女性の息子フィドはその日暮らしのような生活で、借金取りに追われる毎日。幼い頃に自分を捨て、再婚した母親には親としての愛情はなく、大金が必要な時だけ連絡をする程度の関係。ヨンヒの提案に簡単に応じてしまう。しかし、日々明らかになっていく義父と母の関係に隠されていた真実を知ることで、フィドの考えも変わっていく…。

shinzo1.jpg
交互に映し出されるヨンヒと娘。フィドと母。同じ親子の関係でありながら、全く異なった環境、境遇。捨てられたと思っていたフィドが初めて母の思いを知り、共に生きて行こうと心を入れ替えるという設定も含め、家族愛をメインにしているが、ヒューマンドラマとして観るには感動が弱い。
娘の死を目前にし、平然と心臓寄贈を提案するヨンヒの心境は切羽詰まった極限状態だとはわかるが、強い母の思いととるか、身勝手ととるか釈然としない。終始感情的になりすぎていて、観ていて疲れる。

shinzo2.jpg
“心臓は一つ、生かさなければならない人は2人”というキャッチフレーズ。
一つの心臓を巡り死力を尽くす2人だが、心臓がどうなるのか、無事にどう調達できるのか、といった緊迫感もなく、衝撃的展開もない。
ドラマ出身の監督さんということもあり、ドラマ的な演出で、エンディングは拍子抜けしてしまった。

<鑑賞> 2011/3/15



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未来を生きる君たちへ <2010/デンマーク> ★★★★

ようやく今朝、岩手・宮城在住の親戚全員の安否確認ができ、震災後、初の記事です。(最後の記事は予約投稿でした)
被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

in a better worldHaevnen/In a Better World
2010/119min/デンマーク=スウェーデン
監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボープッシャー」「Valhalla Rising
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
出演:ミカエル・パーシュブラントトリーヌ・ディルホムウルリッヒ・トムセンボディル・ヨアンセンキム・ボドゥニア
言語:デンマーク語・英語・スウェ語
受賞:アカデミー賞外国語映画賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞
   デンマークアカデミー賞主演女優賞
IMDb評価:7.7/10

2011年アカデミー賞外国語映画賞エントリー65作品についてはこちら
2011年デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品についてはこちら



in a better world3学校でイジメに合っているエリアスの両親は離婚調停中である。父親は、医師としてアフリカの難民キャンプに赴任しているが、息子とはテレビ電話でよく話をしている。ある日、母親を亡くし、ロンドンから帰ってきたクリスチャンがエリアスのクラスに転入してきた。隣の席で次第に仲良くなり、行動を共にするようになる。エリアスのいじめに我慢できなくなったクリスシャンはついにイジメグループのリーダーを傷つけてしまう。ある時、父親は難癖をつけてきた男性に暴力を奮われる。理不尽な暴力に居合わせた息子とクリスチャンは仕返しするように父親を説得するが、「新たな暴力を生むだけだ」ときっぱり断る。父親を殴った男が許せないエリアスは父の代わりに仕返しを考える。それが子どものイタズラといったレベルのものではなく…。

in a better world2
権力による暴力と殺人がはびこっている赴任先のアフリカ。犠牲者が多く運ばれる難民キャンプで現実に直面し、心を痛めるエリアスの父親であった。クリスチャンが息子のために仕返しをしたことでいじめが明るみになり、息子も被害者であったことを両親は初めて知らされるのである。先生は夫婦の不仲や海外赴任といった家庭環境が一因でもあるという。アフリカの現状に心を痛めていたが、自分もいじめの要因を作っていたとは露とも知らずに。



in a better world1子どものいじめ。大人の暴力。権力による暴力と殺人。デンマークとアフリカといった全く異なった環境でも共通する問題を提起している。暴力が新たな暴力を生み、連鎖し続ける復讐。抵抗をせず、子供たちに暴力と復讐の無意味さを教えようとする父親。誰かがどこかで赦さなければ永遠に終わらない。よりよい世界(better world)を求めて、人々は復讐と赦しの狭間で揺れ動く。“やったらやり返す”クリスチャンにとっても“赦し”とはハードな試練となる。

負の感情を抑えてこそよりよい世界が生まれること。偶然にも、本作の前に観た「Dragonflies」も同様のテーマであった。復讐の果てに残るのは解放心ではなく、絶望と新たな傷だということを本作のほうが明確に示している。暴力の先には死も潜んでいることも示唆している。

監督の鋭い洞察力にはまたもや驚かされたし、面白かったが、デンマーク映画として観てしまうと平凡で少々物足りない。普遍的で万人向けであるのが世界で受け入れられる理由なのだろうか。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/11
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(未) Dragonflies <2001/ノルウェー> ★★★★

dragon.jpg
Øyenstikker/Dragonflies
2001/111min/ノルウェー
ドラマ、スリラー
監督: マリウス・ホルスト/Marius Holst
脚本:Ingvar Ambjørnsen (short story "Natt Til Mørk Morgen"), Nikolaj Frobenius「インソムニア(オリジナル・ノルウェー版、リメイク米版)」
出演:キム・ボドゥニアTerribly Happy」「プッシャー」、マリア・ボネヴィーInsomnia」、ミカエル・ペルスブラント「イン・ア・ベタ・ワールド
言語:スウェーデン語、デンマーク語
サウンドトラック:magne f(Magne Furuholmen、元a-ha)
IMDb評価:5.7/10





dragon3.jpg穏やかにひっそりと暮らすことを願う年の差カップル、エディーとマリア。エディーはガソリンスタンドでばったり旧友カルマンに出くわす。会うのは5年ぶりであった。バーでビールを交わしながら近況報告をするが、疎遠だった5年分の話は尽きず、家へ招待することとなった。この日はマリアの25歳の誕生日だった。

翌朝は釣りへ出かけ、頼んでもいない屋根の修理を勝手に始めたり、カルマンはなかなか帰ろうとしない。マリアはうだつの上がらないカルマンに苛立ちを見せ始める。それを知ってか知らぬか、チェーンソーで木を切っていたカルマンは、自分の足まで切ってしまう。一部始終見ていたマリアは、居座るための口実だと見抜く。そして、カルマンの行動はエスカレートしていく…。


dragon2.jpg前半では歓迎していない客の長居に苛立ちを隠せないマリアの心境とカルマンの怪奇な行動に重きを置いていたが、徐々にエディーのジレンマを深く掘り下げたサイコスリラーとなっていく。一切語られなかった彼らの背景は物語が進むにつれ徐々に明かされ、カルマンがこの町へ来たのは偶然ではなかったことがわかる。

トンボは日本では縁起物だが、西洋では不吉な物とされる。タイトル「Dagonflies(トンボ)」はおそらくカルマンのことであろう。

寡黙で、行間を読み取る必要があり、観る人によって退屈になりかねない。たったの18日間で撮り終えたという。山場となる展開もなく、3人の演技力だけで見せ場となっている。
キム・ボドゥア作品を3本「Terribly Happy」、本作、「イン・ア・ベタ・ワールド」続けて観た。アカデミー賞とは無縁だった本作が一番面白かった。本作と「イン・ア・ベタ・ワールド」には偶然にもミカエル・ペルスブラントと共演している。見た目も正反対だが、役どころも正反対。相性の悪い感じが作品ではいい刺激になっている。


dragon1.jpg核心に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
エディーとカルマンはかつて服役しており、憎んでいる共通の男がいた。カルマンはその復讐にエディーを誘いに来たのであった。復讐することで恨みが晴らせると考えるカルマンに対し、復讐は無意味だと考えるエディー。互いの意見の相違が長居の理由であった。
復讐はもはや意味がないというエディーの考えは彼の今の生活によく表われている。平和で長閑な片田舎で近所の子どもに釣りや泳ぎを教え、愛する人と心穏やかに暮らす様子は、もはや許したのか、負の感情を生じないための制御だろう。

復讐からは何も生まれない。怒りや恨みといった負の感情に打ち勝つためには他人を変えるのではなく、自分が変わらなくてはいけない。自分を変えることで、他人も変えられるかもしれない。そんなメッセージが込められているような気がした。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/9
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(未) Terribly Happy <2008/デンマーク> ★★★☆


アカデミー賞デンマーク代表作品はコーエン兄弟のデビュー作にそっくり? - シネマトゥデイ


Terribly.jpgFrygtelig lykkelig/Terribly Happy
2008/90min/デンマーク
ドラマ、ミステリー
監督/脚本:ヘンリク・ルーベン・ゲンツ
原作:アーリン・イエプセン
出演:ヤコブ・セーダーグレン光のほうへ」、ルネ・マリア・クリステンセン、キム・ボドゥニアプッシャー」、Jens Jørn Spottag
受賞:
デンマーク映画批評家協会賞/作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・撮影賞・音楽賞   
デンマーク・アカデミー賞/作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・音楽賞・主演男優賞・主演女優賞
IMDb評価:7.0/10

2010年 アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表



コーエン兄弟のデビュー作映画『ブラッド・シンプル』(未見)を彷彿とさせる、と日本でも話題になっていた作品。「ブラッド・シンプル」より面白かった。本国で賞を総なめにしたのも記憶に新しい。アメリカでもヒットし、ハリウッドリメイクも決定している。

コペンハーゲンに勤務していた保安官アーリンはあることが理由で田舎町に配属される。一見すると、住人がいるのかと思うほど寂れ、犯罪も起こりそうにない田舎町だが、ほのぼのとした長閑さはなく、ピンと張り詰めたような空気が漂っている。全てを見透かしたような長老たちが目を光らせているのである。そして、次々と不思議な事件が起こり始める…。

terribly1.jpg自転車屋の主人は店をそのままにしてなぜ消えたのか?
地元住人はそれをなぜ不審に思わないのか?
ヨルゲン(キム・ボドゥニア)の娘は夜になるとなぜ人形を乳母車で散歩するのか?
町人は沼へ行き何をしているのか?
沼の中には何があるのか?

赴任早々、不可解な行動が目につき、保安官を不安にさせていくのである。ダークコメディーの効いた心理スリラーになっていて、まずは保安官VS町人の腹の探り合いが始まる。


泥水で中の見えない沼がメタファーになっていて、新たに沼に沈み隠滅していく証拠もあれば、沼から何かが発見され明らかになっていく事実もある。表面上は見えなかったのに、そこに立つと滲み出てくるカーペットの血も明らかになっていく町の実態のメタファーになっている。この町には古くから蔓延る独自のルールが存在し、時には法律や犯罪までねじ伏せてしまっている現実。洗濯物の干し方ですら、決められたルールがあり、保安官は注意・指導を受けるのである。
“郷に入っては郷に従え”という言葉もあるが、果たしてそれが正しいのか。

保安官赴任後の事件の犯人は明かされており、本作は犯人探しのスリラーではない。中盤からは、犯人VS町人との心理戦になり、犯人が追い込まれていく様を面白く描いている。



結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
2人を殺してしまった保安官。もううんざりだと、町を出ようとしたが、長老たちに引きとめられる。自分が犯人であることを長老たちは知っていたのである。町に残れば、町のルールに従って犯罪は帳消しにすると言われ、残留を決意する。一時は自首しようとしたが、正義よりも長いものに巻かれた方が得策だと思うのも人間の弱さである。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/8
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エッセンシャル・キリング <2010/ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー> ★★★★★

ki.jpg
エッセンシャル・キリング/Essential Killing
2010/83min/ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー 
スリラー、戦争
監督:イエジー・スコリモフスキ
出演:ヴィンセント・ギャロ
言語:(資料上)英語、ポーランド語、アラビア語
受賞:
ヴェネチア映画祭審査員特別賞/主演男優賞受賞他
ポーランド・アカデミー賞/作品賞・監督賞・編集賞・音楽賞
IMDb評価:6.6/10

芸術度 ★★★★★
哲学度 ★★★★★
残虐度 ★★
宗教度 高いと思われる



***第67回ヴェネツィア国際映画祭***
金獅子賞: 「SOMEWHERE」- ソフィア・コッポラ
銀獅子賞(監督賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
ヴォルピ杯(男優賞): ヴィンセント・ギャロ - 「エッセンシャル・キリング
ヴォルピ杯(女優賞): アリアン・ラベド - 「Attenberg
審査員特別賞: 「エッセンシャル・キリング」 - イエジー・スコリモフスキ
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞): ミラ・クニス - 「ブラック・スワン
金オゼッラ賞(脚本賞): アレックス・デ・ラ・イグレシア - 「Balada triste de trompeta」
金オゼッラ賞(撮影賞): ミハイル・クリチマン - 「Овсянки」
*********************

<あらすじ>
アフガニスタン駐留の米軍に捕えられたモハメドは、ヨーロッパの秘密の拘置所に送致される。しかし乗っていた車が衝突し、自由の身となったモハメドは、雪に覆われた森に逃亡する。そこは彼が知る砂漠の故郷とはかけ離れた世界だった。公式には存在していない軍に容赦なく追跡されるモハメドは、生き残るために殺すことを迫られる。 @ TIFF

<レビュー>
killing1.jpgとんでもないもの観てしまった。(いい意味で)
無駄な台詞を排除して、必要な台詞だけに絞った作品は数多くあるけれど、本作の主人公には台詞らしい言葉が一切なく、聞こえてくるアメリカ兵や地域住人の台詞にはストーリーを理解する上で重要となる台詞はない。その結果として、ポーランド語(資料にはポーランド語と記載されているが、ロシア語に聞こえる)とアラビア語の台詞に字幕はついていない。まともな台詞がないかわりに、とことん追究した映像には台詞以上にパワフルな説得力とギャロの存在感があり、釘付けになる。


killing2.jpgテロリストとして米軍に捕えられ送致されるという設定だが、そもそも彼は本当にテロリストなのか否か、判断に値するだけの情報は与えられない。そもそもイスラム原理主義やらテロリストへの批判や是非を問うものでもない。車の衝突のおかげで逃亡するチャンスを得たものの、一体今どこの国にいるのか(地域住人の話す言語から推測はできるが)もわからない。どの国出身で、どこへ向かって逃げているのかもわからない。しかし、一つだけ確かなことがある。生き延びるということ。逃亡者として生き延びるためにはやむを得ない殺人もある。

それが、本作のテーマであり、タイトルとなっている「エッセンシャル・キリング(不可欠な殺人)」である。

息をのむほど美しい自然の中での不可欠な行為の中にはサバイバル生活も含まれる。飢えを凌ぐために、赤ちゃんにお乳をあげるママのおっぱいにしゃぶりつくシーンには絶句。雪景色や白馬の白に映える赤。不可欠な殺人の被害者から滴り落ちる鮮血ですら美を感じてしまうのは罪だろうか。

人は何のために生きるのか。なぜ人を殺してまで生きようとするのか。
画面いっぱいに広がる美しい自然を前に、人間の根本的な問いかけにいい答えが見つからない。逃亡生活における彼の行為は弱肉強食を生き抜く動物に見えなくもない。ともすれば彼の一連の行為は動物の本能か。そして、答えが出ぬまま向かえるラスト。この結末にしばらく動けなかった。モハメドという名からイスラム教信者であろうが、イエスキリストのような容姿も何か意図しているのかもれない。殺人は不可欠であったにしても、やはり罪ということだろうか。いつまでも残るこの余韻は観てはいけなかったような気分にさえなる。

<鑑賞> アメリカ版 英語以外も字幕なし 2011/3/7
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(未) 【短編】 Dog Altogether <2007/UK>★★★★

dog.jpgDog Altogether
2007/16min/UK
監督/脚本:パディ・コンシダイン
出演:ピーター・ミュラン
受賞:2007英国アカデミー賞、ヴェニス映画祭 短編作品賞等
IMDb評価:7.1/10

残忍度 ★★★★
哲学度 ★★★★

敬愛なるパディ・コンシダインについてはこちら


自暴自棄の男ジョゼフは飼い犬への虐待の末、殺してしまう。その後、偶然入ったバーで騒いでいた青年たちへ暴力を奮ってしまう。ジョゼフの行動はいつも衝動的であり、その度に自らの行動を悔いる姿があった。しかし、青年たちが仕返しにやってくる。それは自分が飼い犬にしたことと同じことであり、戒めでもあった

影響を受けた監督1人を挙げるのは難しいけど、強いて言うならケン・ローチとアラン・クラーク、本作に関してはゲイリー・オールドマンの「ニル・バイ・マウス/Nil By Mouth」(未見)に多大なる影響を受けたと語るパディ・コンシダイン。俳優の彼にとっての初監督作品である。台本を読んだ当初はゲイリー・オールドマンがプロデューサーを務めることとなっていたが、結局はシェーン・メドウス監督と馴染みの深い方々が務めることとなったためか、シェーン・メドウス監督の作品に通ずるものを感じる。

自身のお父様をモデルに数時間で台本を書きあげたという。1998年「マイ・ネーム・イズ・ジョー」でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞したピーター・マランが主演を務めている。こんなに面白く完成度の高い短編を観たのは初めてであり、欧州での注目度の高さも頷ける。私のようなパディ・コンシダイン好きか、ピーター・マラン好きしか観ないことを残念に思う。ぜひとも長編化して欲しい。

<鑑賞> 2011/2/15
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(UK) パディ・コンシダイン/Paddy Considine (俳優、監督)

paddy.jpg
パディ・コンシダイン/Paddy Considine (1974年9月5日ー)
出身: イースト・スタッフォードシャー


まだ4作品しか観ていないにも関わらず、後ろからハンマーで殴られたような衝撃を残し、もの凄いカリスマ性を感じる俳優。労働階級の役があまりにもハマリ役だけど、インタビューから覗ける姿は知性派であり、強いこだわりを感じる。短編初監督の完成度の高さには鳥肌がたった。思っていたより日本公開が多いけど、注目度の低さを残念に思っている。アメリカではなく、イギリスでの活躍を願いたい。

公式ファンサイト(英語のみ)はこちら



バートン大学(Burton College)で演技の勉強を始めるが、途中で専門を写真に変えブライトン大学を首席で卒業。役者として成功を収める以前はカメラマンをしていた。「24アワー・パーティ・ピープル」「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」「シンデレラマン」など、話題作や大作への出演が続き、印象的な存在感と演技力を見せつけた。多くの映画賞に役者としてノミネートの経験があり、2007年に監督と脚本を勤めた「Dog Altogether」では英国アカデミー賞やヴェニス映画祭など数多くの映画賞の短編作品部門を受賞している。@allcinema

バートン大学(Burton College)のPerforming Arts courseでシェーン・メドウス監督(Shane Meadows)と出会い、バンドを組んでいたこともある(シェーンがボーカル、パデイがドラム)。メドウス監督作品「A Room for Romeo Brass」で俳優としてのキャリアをスタートさせ、同監督「Dead Man's Shoes」では脚本も手掛ける。


【監督作品】
2007 Dog Altogether (short)
2011 Tyrannosaur
製作中 The Leaning

【出演作品】
1999 A Room for Romeo Brass
2000 Shanes World(short)
2000 Last Resort
2000 恋はサルサで! Born Romantic
2001 Happy Now
2001 The Martins
2002 My Wrongs #8245-8249 & 117 (short)
2002 Bouncer (short)
2002 マインド・ゲート 監禁少女のSOS
2002 Close Your Eyes
2002 24アワー・パーティ・ピープル 24 Hour Party People
2002 イン・アメリカ/三つの小さな願いごと In America
2004 マイ・サマー・オブ・ラブ My Summer of Love
2004 Dead Man's Shoes
2005 シンデレラマン Cinderella Man
2005 ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 Stoned
2006 スパイラル・バイオレンス The Backwoods
2007 ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!- Hot Fuzz
2007 ボーン・アルティメイタム The Bourne Ultimatum
2007 Backwoods
2007 PU-239 (TV)
2009 レッド・ライディング II :1980  
2009 レッド・ライディング I :1974
2008 My Zinc Bed (TV)
2009 Nineteen Eighty (TV)
2009 Cry of the Owl
2009 Le Donk & Scor-Zay-Zee
2011 Submarine
2011 The Suspicions of Mr Whicher (TV)
2011 Girl on a Bicycle(製作延期)
2011 Blitz
2012 Stainless Steel
2012 Now Is Good

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[ 2011/03/09 07:23 ] 敬愛なる映画人たち | TB(0) | CM(0)

アパートメント <1996/仏> ★★★☆

app.jpgL'appartement
1996/111min/仏=スペイン=伊
ドラマ、ミステリー、ロマンス
監督:ジル・ミモーニ
出演:ロマーヌ・ボーランジェ、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ
IMDb評価:7.6/10



<あらすじ>
商社マンとして成功し、ニューヨークで知り合った美しい婚約者もいて幸福の絶頂期を満喫していたマックス。そんな時、彼はパリのカフェの公衆電話でかつて熱愛の果てに失恋したリザの声を聞く。謎の会話とホテルの鍵を残して街に消えた彼女の影を追うマックス。彼は彷徨のうちに豪華なアパートメントに入り込んでいた。そして次第にアリスの抗い難い魅力に捕らえられてゆくが……。



<レビュー>
実は「スパニッシュ・アパートメント」と間違えて観ちゃった。本作はタイトルすら知らなかったので、間違えない限り観る機会はなかったのかも。結果的には掘り出し物を見つけたような気分です。ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチが本作をきっかけに結婚したことも後で知った。
2003年 ホワイト・ライズ(原題:WICKER PARK)としてリメイクされている。

app1.jpgすれ違いの恋、追いかける恋、待ち続ける恋、はぐらかす恋、諦め切れない恋、邪魔をする恋…
成就することを願いつつ、いっそのこと壊れてしまえばいいいなんて相反する思いが葛藤し、
だんだんと浮かび上がってくる人間関係と、彼らの心理に観ているこちらまで揺さぶられる不思議な作品でした。

今だったら携帯電話があるし、いつでも連絡を取れるけど、本作は携帯が普及する前の時代なので、家に電話をかけてもなかなかつながらなかったり、伝言が伝わらなかったり、手紙が本人に渡されなかったり、もどかしいすれ違いがかえって新鮮に映る。

蘇る元彼女との過去の記憶が回想シーンとなっており、時間軸がぐるぐる変わります。
リザとの出会いから、消えていった理由までが次第に明らかになるけれど、同時に、明らかになっていく背後の人間関係が複雑に絡みだし、え?そうだったの?って瞬間が何度もおとずれては、その度に覆される展開にはヤキモキさせられます。
身勝手とも取れる男女の行動がここまで周囲の運命まで狂わせて行くことを誰が予想していたか。
意外だったラストには切なさが残る。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/6
[サイト内タグ検索] ヴァンサン・カッセル
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カランチョ <2010/アルゼンチン=チリ=仏=韓国> ★★★★☆

Carancho.jpg
Carancho
2010/107min/アルゼンチン=チリ=仏=韓国
犯罪、ドラマ、ロマンス
監督/脚本:パブロ・トラペロ
出演:リカルド・ダリンXXY」、マルティナ・グスマン、ダリオ・ヴァレンスエラ
映画祭:2010 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 出品
    2010 第7回 ラテンビート映画祭
2010 アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★
驚愕度 ★★★★

2011年 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品についてはこちら



<あらすじ>
ソーサは交通事故専門のベテラン弁護士。終始、病院の ER や警察に出入りし、ハゲタカのようにクライアントを探し回っている。一方、赴任してきたばかりの若い女医ルハンは、ER にひっきりなしに運び込まれる交通事故の被害者の対応に追われ、満足に眠ることさえできずにいた。2 人は、ルハンが道で被害者を救援中に出くわし、恋に落ちていく。(@ LBFF 公式サイト

<レビュー>
交通事故を題材にした社会派ドラマ。アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作であり、リカルド・ダリン主演ということもあって、一般公開を待っていましたが…。しびれを切らし、自宅鑑賞。

Carancho1.jpg毎年8000人が交通事故の死亡者だという。アルゼンチンが交通事故多発国だとは知らなかった。
ソーサは救急病院に通い詰めては被害者を探し、保険金の一部をまきあげて利益を得ている交通事故専門の弁護士。この行為を「カランチョ(=ハゲ鷹)」と皮肉っている。(もしかしたら本当にそいういう表現があるのかもしれないけど…)

時には、体を犠牲にしてでもお金を必要としている人たちのために、保険金目当ての狂言事故まで計画することもある。ソーサは推定事故現場近くに待機し、事故が起こったらすぐに救急車を呼ぶといった連携プレーは見事。まんざらフィクションとは思えないほどリアルで、恐ろしくなってしまう現実。事実、1人はこの狂言で亡くなってしまいます。この死亡事故を機に、足を洗おうと決意する。

一方、救命救急士として働くルハン。
過酷な労働条件で身を削り、ドラッグでどうにか持ちこたえているという状況。運ばれてくる患者は交通事故の被害者ばかり。もしかしたら、ほとんどが保険金目当ての狂言事故なのでは?

Carancho2.jpg希望も見えない悪循環な社会で出会うべくして出会ってしまった2人。社会的地位の高い職業に志して就いたであろうに、置かれている現状はあまりにも残酷。やるせない思いが自然と2人を引き寄せてしまう。しかし、そううまくはいかないところが本作のおもしろいところ。この後、追い詰められ、焦燥し、前の見えない現実の厳しさを目の当たりにすることになる。

中盤、冗長に感じる部分もあり、どう結論づけるのかと思ったけど、終盤30分の展開には驚愕。2段階のどんでん返しな結末が用意されおり、気が抜けない。

タイトル 「カランチョ(=ハゲ鷹)」とは、一体誰のことなのか…私は国だと思う。
社会に翻弄され、歯車の狂う人生は国が残した負の遺産である。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/5

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フィンランド滞在記⑦ アイスホッケー試合観戦

会社がスポンサーになっているチームのアイスホッケーの試合を観戦
地元開催のセミファイナルとかで、同僚がチケットを入手してくれました。大入り満員

CIMG0079_convert_20110222224331.jpg

この町に日本企業との合弁会社はいくつかあるけど、日本企業の広告や看板は滅多にないので、SUZUKIという文字に大興奮。下の写真にはCanonの看板も。

CIMG0085_convert_20110222224552.jpg

アイスホッケーの試合なんて観るのは初めだし、ルールもちゃんとは知らないけど、ゴールにボールが入れば点数が入るサッカーと同じ感覚で楽しめました
試合は目の前で見応え十分。選手同士がぶつかり合う音までリアルに聞こえる距離で迫力に圧倒されっぱなしでした。何度目をつぶったことか
でも、同僚たちにはサッカーの盛んではない国出身者が多く、ゴールにボールを入れたら点数が入るという基本的なルールがわからないんです。彼らはものすごく退屈してました

CIMG0087_convert_20110222224658.jpg

フィンランド人は勤勉で、物静かな人が多いのですが、スポーツ観戦となるとやはり人が変わります
試合後のアリーナの外でも興奮は冷めず、ワールドカップ中の渋谷状態
朝の通勤時でも絶対に渋滞しないのに、試合の帰り道の道路は大渋滞でした


フィンランド滞在記、まだまだ続く

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フィンランド滞在記⑥ 凍結した湖上でワカサギ釣り

ここは凍結した湖ワカサギ釣りに来ました。放置された船もそのまんま固まってしまっています
車で凍結した湖上を走ることもだけど、実際に自分の足で歩くのが不思議でした。
フィンランドは人口よりも湖の数のほうが多いので、冬の間は大地がより壮大に感じます。
雪が解けて、初めて湖だと気付くことも少なくありませんでした。
DSC00045_convert_20110220224434_20110303224525.jpg

釣り糸を垂らす穴を手動ドリルでグリグリ開けます。感覚としては、ものすごい大きくて固いかき氷を削っている感じ!?思っていたよりも氷が固く、女性の腕の力ではドリルはなかなか回りません。写真に収めるために、穴を開けているフリしてます
IMG_0973+(2)_convert_20110303223757.jpg
ほとんど男性にやってもらい、私は撮影に徹してました。これは穴の開いた瞬間。こんなことにもすごく感動でした。動画で一部始終を撮影していたのですが、10分以上かかっていました。
IMG_0676_convert_20110303223634.jpgDSC07052_convert_20110303224005.jpg

穴を開けたら、そこから糸を垂らしワカサギが引っかかるのをひたすら待つのみ。糸の先が見えないので、どこまで垂らせばエサが湖に浸かるのかがわからなかった。日本にいても釣りは数えるぐらいしかしたことないので雰囲気だけ楽しみました。
DSC07038-1_convert_20110303233456.jpg

海小屋ならず湖小屋氷の上に立っていられるのは30分程度で、小屋に避難してはウォッカをひっかけて体を温めていました。宗教上、お酒が飲めない同僚はホットチョコレート。
右の小さな小屋はお手洗いです。水洗だけど、水道管は凍結しているので水は流れませんでした。便座も温かいはずがない。外観は可愛いのに、至上最悪のお手洗いでした
DSC00076_convert_20110303223502.jpg

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気付いたらみんな小屋で温まっていて、20人もいたのに結局誰も釣れませんでした。
夕食は釣ったワカサギを調理する予定でしたが、仕方なく小屋で用意してくださったサーモンシチュウをいただきました

社員食堂で食べるランチも毎日こんな感じだし、近所のスーパーに売られている魚はサーモンだけなので、正直みんな飽き気味でしたが




日本にいるとのんびり見ることのない夕焼けシチュウをいただきながらウットリ眺めていました
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フィンランド滞在記、まだまだ続く
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2011年 デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品

去年観た新作でのマイベストは「光のほうへ/Submarino」でした。
無事に日本公開(初夏予定)が決定し、スサンネ・ビア監督未来を生きる君たちへ/Hævnen」がアカデミー賞外国語作品賞を受賞し、にわかデンマーク映画ファンとしてはうれしい限り。

2011年アカデミー賞デンマーク代表最終候補3作品のデンマークアカデミー賞の結果は、
「R」(監督:Michael Noer、トビアス・リンホルム):8部門ノミネート、8部門受賞
光のほうへ/Submarino」(監督:トーマス・ヴィンターベア):15部門ノミネート、5部門受賞
未来を生きる君たちへ//Hævnen」(監督:スザンネ・ビア):7部門ノミネート、1部門受賞
であった。

トビアス・リンホルム初監督作品であるにもかわらず、「R」が圧勝という結果。「光のほうへ/Submarino」の脚本も手掛けた彼は脚本賞でダブルノミネートされている。今後が楽しみな監督/脚本家の1人となった。「R」はデンマークとスウェーデンでしか一般公開しておらず、DVDの発売はしていない様子。
どうにかして観る方法はないものか。

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2011年デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)の結果が発表されました。(2月7日)(★:Koo評価、満点3つ星)

作品賞
Alting bliver godt igen(Everything will be Fine) 監督:Christoffer Boe
Broderskab(Brotherhood) 監督:Nicolo Donato ★★
R 監督:トビアス・リンホルム & Michael Noer
Sandheden om mænd(Truth About Men) 監督:Nikolaj Arcel ★★
光のほうへ/Submarino 監督:トマス・ヴィンターベア ★★★

監督賞
Nicolo Donato 「Broderskab(Brotherhood)
スサンネ・ビア 「未来を生きる君たちへ/Hævnen」★★
トビアス・リンホルム & Michael Noer 「R」
ニコライ・アーセル(Nikolaj Arcel) 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」
トマス・ヴィンターベア 「光のほうへ/Submarino」★★★

主演男優賞
イェンス・アルビヌス 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
ミカエル・パーシュブラント 「未来を生きる君たちへ//Hævnen」★★
ピルウ・アスベック (Pilou Asbæk) 「R」
ヤコブ・セーダーグレン 「光のほうへ/Submarino」★★★
マッツ・ミケルセン 「Valhalla Rising」(監督:ニコラス・ウィンディング・レフン)★★★

主演女優賞
Ellen Hillingsø 「Eksperimentet」(監督:Louise Friedberg)
Julie Borchorst Andersen 「Hold om mig(Hold Me Tight)」(監督:Kaspar Munk)
トリーネ・ディアホルム「未来を生きる君たちへ//Hævnen」★★
Anette Heick 「Olsen-Banden på de bonede gulve(Olsen Gang Gets Polished)」(監督:Jørgen Lerdam)
Mille Hoffmeyer Lehfeldt 「Smukke mennesker(Nothing's All Bad)」(監督:Mikkel Munch-Fals) ★★★

助演男優賞
デイヴィッド・デンシック 「Broderskab(Brotherhood)」★★
Amos Odhiambo 「Kidnappet(Lost in Africa)」(監督:Vibeke Muasya) ★★★
Kurt Ravn 「Smukke mennesker(Nothing's All Bad)」
Gustav Fischer Kjærulff 「光のほうへ/Submarino」★★
ペーター・プラウボー 「光のほうへ/Submarino」★★★


助演女優賞
Irene Kayeri 「Kidnappet(Lost in Africa)」  ★★★
Rosalinde Mynster  「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★★
ツヴァ・ノヴォトニー(Tuva Novotny) 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★★
ボディル・ヨアンセン 「Smukke mennesker(Nothing's All Bad)」 ★★★
パトリシア・シューマン 「光のほうへ/Submarino」★★

最優秀児童映画/青少年映画賞
Kaspar Munk 「Hold om mig(Hold Me Tight)」
Charlotte Sachs Bostrup 「Karla og Jonas」
Vibeke Muasya 「Kidnappet(Lost in Africa)」 ★★★
Oliver Ussing 「Min bedste fjende(My Good Enemy)」 ★★★
Jørgen Lerdam 「Olsenbanden på de bonede gulve(Olsen Gang Gets Polished)」

脚本賞
アナス・トーマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)、スサンネ・ビア 「未来を生きる君たちへ//Hævnen」★★
トビアス・リンホルム、Michael Noer 「R」
Nikolaj Arcel、Rasmus Heisterberg 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★
トビアス・リンホルム、トーマス・ヴィンターベア 「光のほうへ/Submarino」★★★
ニコラス・ウィンディング・レフン、Roy Jacobsen 「Valhalla Rising」★★★

撮影賞
マニュエル・アルベルト・クラロ(Manuel Alberto Claro) 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Magnus Nordenhof Jønk 「R」
Rasmus Videbæk 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★
Charlotte Bruus Christensen 「光のほうへ/Submarino」★★★
モーテン・ソーボー(Morten Søborg) 「Valhalla Rising」★★★

編集賞
Peter Brandt 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Adam Nielsen 「R」
ミケル・E・G・ニールセン(Mikkel E.G. Nielsen)  「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★
Aldri Steinn、ヴァルディス・オスカードゥティル(Valdis Oskarsdottir) 「光のほうへ/Submarino」★★★
Mathew Newman 「Valhalla Rising

美術賞
Thomas Greve 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Thomas Bremer 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★
Charlotte Bech 「Smukke mennesker(Nothing's All Bad)」★★
Torben Stig Nielsen 「光のほうへ/Submarino」★★
Laurel Wear 「Valhalla Rising」★★★

衣装賞
Manon Rasmussen 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Manon Rasmussen 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」★★
Rikke Simonsen 「Smukke Mennesker(Nothing's All Bad)」★★
Margrethe Rasmussen 「光のほうへ/Submarino」★★
Gill Horn 「Valhalla Rising」★★★

メイキャップ賞
Charlotte Laustsen 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Bjørg Serup 「Broderskab(Brotherhood)」★
Charlotte Laustsen 「未来を生きる君たちへ//Hævnen」★
Bjørg Serup 「光のほうへ/Submarino」★
Niamh Morrison 「Valhalla Rising」★★★

特殊効果賞
Thomas Stender、Ernst Krogtoft、Emma Engberg 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine)」
Daniel Parker 、Hummer Højmark 「未来を生きる君たちへ//Hævnen
Morten Jacobsen、Thomas Foldager 「R」
Jepper Nygaard Christensen 「Sandheden om mænd(Truth About Men)」
Morten Jacobsen、Thomas Foldager 「Smukke mennesker(Nothing's All Bad

録音賞
Eddie Simonsen、Anne Jensen 「未来を生きる君たちへ/Hævnen
Morten Green 「R」
Claus Lynge、Hans Kristian Koch  「Sandheden om mænd(Truth About Men)
クリスチャン・エイネス・アンダーソン(Kristian Eidnes Andersen) 「光のほうへ/Submarino
Douglas Macdougall 「Valhalla Rising

音楽賞/作曲賞
シルベイン・シャーボウ(Sylvain Chauveau) 「Alting bliver godt igen(Everything will be Fine」
Simon Brenting、Jesper Mechlenburg 「Broderskab(Brotherhood)
Mikael Simpson 「Hold om mig(Hold Me Tight)」
Thomas Blachman 「光のほうへ/Submarino」★★★
Peter Peter、Peter Kyed 「Valhalla Rising

オリジナル歌曲賞
Claus Hempler、Jesper Mechlenburg、Simon Brenting、Nicolo Donato ‘Dust’- 「Broderskab(Brotherhood)
Mikael Simpson ‘Inden Du Falder I Søvn’-「Hold om mig(Hold Me Tight)」
Pernille Rosendahl、Kristian Leth、Fridolin Nordsø ‘Secret Life’-「Kidnappet(Lost in Africa)」
Rasmus Olsen Og Sandheden Band ‘Like A Leaf’-「Sandheden om mænd(Truth About Men)」
Agnes Obel ‘Riverside’-「光のほうへ/Submarino」★★★
初版:2011/3/5
最新版:2011/5/13


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[ 2011/03/05 00:50 ] ★映画関連★ 映画賞 | TB(0) | CM(0)

(未) Nothing's All Bad <2010/デンマーク> ★★★

nothing1.jpgSmukke mennesker/Nothing's All Bad
2010/93min/デンマーク
監督/脚本:Mikkel Munch-Fals(長編デビュー作)
出演:ボディル・ヨアンセンセバスチャン・イェセンヘンリク・プリップ、Kurt Ravn、ダール・サリムピーター・ガンツェラー
受賞:2011年 デンマーク・アカデミー賞6部門ノミネート、助演女優賞(ボディル・ヨアンセン)
IMDb評価:7.1/10

変態度 ★★★
個性度 ★★★★
感動度 ★

2011年 デンマークアカデミー賞ノミネート・受賞作品についてはこちら





女性を見ると自慰行為をやめられないドナルド。体を売って小遣いを稼いでいる息子のヨナス。
酔って寝てしまい目覚めたら夫が死んでおり未亡人になってしまったイルゲボルグ。乳がんで乳房を失ってしまった娘のアン。普通ではない方法で知り合った4人の交差した運命は・・・。

失意の男女4人がよりよい人生を求める日常の奮闘記といった普遍的なテーマではあるが、4人の共通点である孤独や喪失感をアブノーマルな性で満たすという視点は面白い。ここで描かれる性とは男女間の性行為ではなく、アダルトビデオ、売春、強姦、自慰行為といった行為であり、違法や犯罪とされる行為まで恥じらいもなく堂々と描いている。北欧映画らしくゆったりと描かれる中で、時としてインパクトのある映像にギョッとさせられる。アカデミー賞外国語作品にノミネートされていたギリシャ映画「Dogtooth」ほどではないけど、本作もかなりの変態的な視点。未亡人イルゲボルグを演じるのはトリアー監督作『イディオッツ』で主演を務めたボーディル・ヨーゲンセン。

nothing.jpg冒頭では女性を見ただけで下半身が反応してしまうドナルドを変態的に描いているが、物語が進むにつれ、本人も悩んでいることがわかる。病院に通い医師に相談するが、医師も呆れた様子。他に医師に嫌悪療法を薦められるがうまくいかず、いっそのこと性器を自ら切り落としてしまおうとさえ考える。
片胸を失ったアンは、失った乳房を補うかのように残っている方の乳房を鏡に反射させる。そして、まだ女性であることを確認するかのように、アダルトビデオへの出演を決めるのであった。
男女問わず、体と引き換えに金を稼ぎ、その日暮らしをしていたヨナス。体だけではなく、心もズタズタになっていた。
イルゲボルグはバーで若い青年が声をかけてきたとに胸を弾ませるが、金目当てだったことを知り、愕然とする。

nothing2.jpg軽く結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
心ではいつも泣いている4人の独立したストーリーは巧みな脚本によって複雑に絡まり合っていく。彼らに共通するのは、それぞれ人には知られたくない性のエピソードがあること。その場限りの関係だったはずの相手とバッタリ出くわすことの気まずさから流れる寒い空気まで伝わってくる。でも、苦しみを知っているからこそ人の苦しみも理解できる4人は次第に打ち解け、ほんのり温かい気持ちになれるエンディングでした。社会の隅に弾き出されてしまったような4人。誰も目を向けようとしないキャラクター(特に露出狂)ですら愛着が湧いてくる、そんな作品でした。秘密や悩みを共有することで人間は幸せにもなれるのねぇ。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/16
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神々と男たち <2010/仏> ★★★

kamigami.jpg
神々と男たち/Des hommes et des dieux/Of Gods and Men
2010/122min/フランス
ドラマ、歴史
監督/脚本:グザヴィエ・ボーヴォワ
脚本:エティエンヌ・コマール
出演:ランベール・ウィルソン、マイケル・ロンズデール
受賞:20010年カンヌ国際映画祭グランプリ
   アカデミー外国語映画賞のフランス代表
IMDb評価:7.5/10






<あらすじ>
1990年代のアルジェリア。9名のフランス人修道士が現地のイスラム教徒と宗派を越えて交流していた。互いへの尊敬と慈愛に満ちた、静かで平和な日々。しかしアルジェリア軍と原理主義者による内戦は激化の一途をたどり、暴力の波が僧院の周辺まで迫ってきていた。アルジェリア政府やフランス内務省からの相次ぐ帰国要請、そして政府の警告通り、遂に武装集団が僧院に侵入してくる。帰国か、残留か--苦悩しながらも修道士たちが下した【決断】とは?

<レビュー>
フランスではイスラム文化排斥やブルカ禁止令など社会問題が騒がれているし、未だ真相究明のための裁判が行なわれている最中、この歴史的事実をどう描くのかに興味があった。

イスラム教圏のアルジェリアのチビリヌで修道院生活を送っていたフランス人修道士たちの人生に基づいている。修道士たちは、厳律シトー会(トラピスト会)に所属し、聖ベネディクトの戒律に厳格に従いながらも、宗教を超え、イスラム教の人々、貧しき人々への奉仕に捧げられていた。

修道士の日常や1人1人のキャラクターに焦点を当てている。
日常の中心となっている典礼の儀式や聖歌を歌うシーンが非常に多く、冗長に感じる部分もあるが、彼らの日常に触れれば触れるほど彼らの下した【決断】には信念の強さと覚悟を感じる。それは修道士としての誇りでもある。

今もなお世界中で宗教対立が起こっている中、修道士と地元住人の宗教を超えた交流も微笑ましい。
宗教とは対立すべきものではないことも無言で語っている。内戦による犠牲者が増えていたにも拘わらず、武力に屈せず、修道士としての任務を遂行しようとする姿は美しい。

個人的には自分の知っている事実がそのまま淡々と映像になっただけで、歴史的資料をみているようだった。複雑な事件であり、謎に包まれてる事件の真相、特に結末を知りたくて観たが、自分が一番期待していたことはテロップでさら~っと流されただけで自己満足度は低い。この作品がどうこうというより、修道士としての志の高さを評価したい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/3/2
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長い旅 (原題:Le Grand Voyage) <2004/仏> ★★★★☆

voyage2.jpg長い旅/Le Grand Voyage
2004/107min/フランス=モロッコ
ドラマ
監督/脚本:イスマエル・フェルーキ(監督デビュー作)
出演:ニコラ・カザール、ムハンメド・マジュド、ジャキ・ネルセシアーン
受賞:2004年ヴェネチア国際映画祭新人監督賞 等
IMDb評価:7.2/10

宗教度 ★★★★★
衝撃度 ★★
感動度 ★★★

素敵な作品に出会いました。アラブ映画祭2006で上映されましたが、残念ながら配給がつかず一般上映されなかった作品。サウジアラビアの聖地メッカでの撮影が許可された初めての長編劇映画であり、大巡礼「ハッジ」のシーンは圧巻。一般的にイスラム教はあまりいいイメージがないけれど、これを観たら概念が覆されるでしょう。
「ハッジ」についてはWikipediaへ。

フランス生まれのモロッコ人移民二世レダは、熱心なイスラム教徒の父親にサウジアラビアのメッカへの巡礼に付き添うように頼まれる。レダは学校のテストも控えているし、そもそも熱心なイスラム教徒でもなく巡礼に興味もないが、父親に反対できず渋々同行することにする。2人はレダの運転する自動車でフランスを出発し、5千キロ離れたイスラム教の聖地メッカを目指す…。

voyage1.jpgサウジアラビアの聖地メッカへの大巡礼「ハッジ」は、特別な事情(経済面や健康面)を除いて義務付けられており、ムスリムにとっての集大成ともいえる儀式である。イスラム暦の12月の特定期間に行われ、それに合わせて世界中からムスリムが集まってくる。かつてはラクダにまたがり、砂漠を超えるという命がけのものであったそうだ。困難を乗り越えてこそが巡礼であり、飛行機より船、船より車で来ることに意義がある、と父は劇中で語る。道中出くわす人たちとの交流や騒動に巻き込まれるロードムービーではあるが、巡礼の旅を通して息子が成長していく過程をじんわり描いているところに素晴らしさがある。 

息子レダはフランス生まれであり、西洋的な考え方なのに対し、父親は厳格なムスリム。観光気分でベニスなどの観光地へ立ち寄り写真を撮りたがる息子であったが、「観光ではない」ときっぱり断る地親。巡礼そのものに価値を見出せない息子は父親の考え、行動が理解できない。ヨーロッパ、特にフランスでの宗教トラブルはニュース等で見るけれど、車内でも親子間で宗教トラブルが勃発しているのである。会話も息子はフランス語、父親はモロッコアラビア語を話してる。移民1世と2世の考え方の違い、宗教観の違いから車中では口論が絶えない。

voyage.jpgムスリムの同胞意識の高さには驚かされる。偶然出くわした程度の関係でもお互いに助け合い、お金に困っていると知れば快く手を差し伸べる父親の姿はレダの意識も徐々に変えていった。長い道中で出くわした人々とのエピソードはレダと父親に与えられた試練のようで、トラブルがある度に父と息子の距離が縮まっていくのである。まるでアラーの神からの指令のようでもある。

ジーパンにTシャツ、パーマ頭といった出で立ちのレダ。フランスで生まれたがゆえに、ムスリムの息子でありながらイスラム教を信仰していない。巡礼の旅の道中でも一度もお祈りはしていないし、父親の目を盗んでアルコールまで摂取している。しかしながら、帰り道は恵まれない女性へお金をあげていた。それは行きに父親がしてたことであり、理解できない行動の一つでもあった。巡礼への付き添いがもたらした息子の成長。これこそが父の望んでいた巡礼の意義だったように思う。

<鑑賞> 英語字幕 2011/2/27

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ヴェラ・ドレイク <2004/UK> ★★☆

vera2.jpgVera Drake
2004/125min/UK
犯罪、ドラマ
監督/脚本:マイク・リー「ネイキッド 快楽に満ちた苦痛
製作:サイモン・チャニング=ウィリアムズ
製作総指揮: ゲイル・イーガン、ロバート・ジョーンズ、ダンカン・リード、アラン・サルド
出演:イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ピーター・ワイト、レスリー・シャープ
受賞:第61回ベネチア国際映画祭 金獅子賞、主演女優賞
IMDb評価:7.8/10

哲学度 ★★★
感動度 ★


vera1.jpg1950年のイギリス。
食糧難の時代、闇食料を持ってきてくれる友人リリーが仕事まで持ってきた。違法堕胎である。当時は中絶が禁じられている時代でもあった。
平凡な主婦ヴェラが家政婦として働くかたわら、老人の介護に訪れたりする姿をみると、困っている人を放っておけない性格だということがわかる。ヴェラの性格を知っているリリーはヴェラなら協力してくれることを知っていたのだろう。ヴェラは、望まない妊娠をし何らかの事情で産めない少女たちの中絶を密かに手助けをすることにする。

ティータイムや家族の団欒、老人の介護からヴェラが明るい性格だということは見て取れる。堕胎行為中も終始笑顔を絶やさず、不安な少女たちを励まし続けるヴェラであったが、1人の少女の死をきっかけに堕胎行為がバレテしまう。

堕胎行為は、石鹸水をお腹の中に入れ流産させるといった単純な行為であった。医師ではないヴェラがどうやってこの方法にたどり着いたのかは言及されていないが、浅はかな知識での行為は想像しただけでも恐ろしい。中絶とは殺人行為でもあり、法を犯す行為。受ける側も施す側もリスクを伴うのだから安易な気持ちで引き受けられる仕事ではない。ヴェラはそれほどまでお金に困っていたのだろうか…?そこまで家計が苦しいようには見えないし、報酬を得て家計が豊かになったように見えるわけでもなく、ましてや堕胎行為は家族へは秘密なので、お金の使い道に興味が湧いてくる。

vera.jpg核心、結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。
警察の取り調べで徐々に事の重大さに気付き始めるヴェラ。前半の明るいヴェラとはまるで別人である。自分の行為が原因で人が死ぬとは夢にも思っていなかったのだろう。後悔、反省から泣き崩れる姿は愚かとしか思えない。警察が核心に迫る質問をすると、驚くべきことにヴェラは報酬をもらっていなかったことが判明する。実際には仲介となっていた友人リリーがお金をポケットに入れていたのだが。お金を取らずにリスクのある中絶処理を行うという心理は親切心なのか、安易なのか。人が良いにも限度がある。
報酬を得ていないヴェラの刑期は2年半、仲介をしていたリリーは4年。複数の堕胎行為と1人の死亡に対する刑罰としては軽すぎるのではないか?

警察が家に来たのはクリスマスであり、家族が集まっていた。皮肉にも娘と嫁のダブル妊娠のお祝いをしている時だった。喜びの絶頂からどん底への堕落は本人や家族への試練でもある。家族の深い絆が一層深まったと思わせるエンディングには感動さえ感じる。

私にとって2作目となるマイク・リー作品。事前に台本を用意せず、即興的なリハーサルで構想を固めていく手法は有名だが、ヴェラ演じるイメルダの迫真の演技には脱帽。明確な答えを提示するのではなく、観客に投げかけっぱなしなのがこの方のスタイルなのかしら?面白かったんだけど、イマイチ心にまで響かず、モヤモヤした気持ちしか残らなかった。

<鑑賞> 2011/2/12
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