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頭のない女 <2008/アルゼンチン=西=仏> ★★★★★

Headless.jpg
La mujer sin cabeza/The Headless Woman
2008/87min/アルゼンチン=スペイン=フランス
ドラマ、ミステリー
監督/脚本:ルクレシア・マルテル(Lucrecia Martel)
出演 : マリア・オネット、クラウディア・カンテロ、セサル・ボルドン、イネス・エフロンXXY
映画祭:
第61回(2008)カンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品
第5回スペイン・ラテンアメリカ映画祭上映
IMDB評価:6.4/10


閉塞感 ★★★★★
迷宮度 ★★★
哲学度 ★★★★



headless2.jpgアルゼンチン北部の町サルタに住むベロニカは、車の運転中、一瞬のわき見で何かをひいてしまった。犬なのか?子どもなのか?車を止めて振り返えると何かが横たわっていたが、何をひいたのかも安否も確認することなくその場を後にする。夫は「きっと犬だから大丈夫だよ」と言って慰めるが不安と恐怖は彼女を襲い続ける…。

カメラはベロニカを尾行しているかのように私生活をひたすら追い続けるだけだが、クローズアップが多く、陰湿でねちっこい印象を受ける。双眼鏡で覗き見しているような罪悪感すら感じ、トラウマに悩まされる彼女から漂う閉塞感が全面に押し出されている。好き嫌いがはっきり分かれそうだが、この息苦しさはたまらなく私好み。雰囲気としてはルーマニア映画の「4か月、3週間と2日」に近い。

この作品のすごい所は、何気ない日常の映像の中でベロニカの精神衰弱していく様子をただ描くだけでなく、アルゼンチンの生活環境を自然に映し込んでいるところにある。ベロニカは歯科医で富裕層であるのに対し、画面に入り込んでくる人々はお手伝いさんであったり、小遣い稼ぎに車の清掃に来る子どもたちなど混血の人たちばかり。はっきり分けられている階級社会がまざまざと映し出される。監督の洞察力には脱帽。そして、面白いのがベロニカはそんな貧富の差に気付いていないどころか、自分の置かれている恵まれた環境が当たり前だと思っている。これこそがタイトルの「La mujer sin cabeza(頭のない女)」という意味なのだろう。皮肉的なタイトルもかなりのツボ。

headless1.jpgベロニカは1人悩み苦しみ、時間と共に忘れようとするが、いたたまれなくなり旦那に真相を話す。しかし、夫は「きっと犬だから大丈夫」というばかりで一向に気は休まらない。そんな時、事故現場近くで少年の死体が上がったというニュースが流れる。溺死という報道であったが、不安は拭い去れない。ベロニカは一体何をひいたのか、上がった死体はひいてしまった少年なのか、ベロニカはこれからどうなるのか、話はどんどん迷宮入りしていく。



結末に触れています。
事故で痛めた首のレントゲン結果を聞きに行くが、なぜだか写真がないと言われた。そして、事故直後1人考えるために休憩していたホテルの記録、轢いた際にできた車の傷もなくなっていたことを知る。何者かによって事故直後の行動がもみ消され、全てが闇に葬れようとしているのである。誰がどうやって事実をもみ消したのかは容易に察しがつくが、劇中では言及されていない。ひいたのは犬なのか、人なのかも明らかにされないまま幕を閉じる。真相は誰にもわからない。

うやむやなまま闇に葬られていく事実。こうまでして彼女の心には何が残るだろうか。おそらく軍事政権への批判も含めているのだろう。罪からは逃れても、不安と恐怖からは逃れられない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/25
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(未) The House of Sand <2005/ブラジル> ★★★★

sand.jpgCasa de Areia/The House of Sand
2005/115min/ブラジル
ドラマ
監督:アンドルーシャ・ワディントン(Andrucha Waddington)
脚本:エレナ・スアレズ(Elena Soarez)
出演:フェルナンダ・モンテネグロ(Fernanda Montenegro)、フェルナンダ・トーレス
舞台:レンソイス・マラニャンセ(Lençóis Maranhenses)国立公園
IMDb評価:7.4/10

映像美 ★★★★★
哲学度 ★★★
普遍度 ★★★

日本では「私の小さな楽園(2000)」(未見)が劇場公開しているアンドルーシャ・ワディントン監督の3作目。ブラジル映画はいつも途中挫折しまい、最後まで観たのはおそらくこれが初になろうかと。苦手意識が少し払拭させられたかな。ついでに言うと、ウルグアイ映画も苦手で最近3本挫折。なかなか自分好みの映画に出会えない。

sand1.jpg1910年。ブラジルの辺境の砂漠の開墾を夢見た男バスコは砂漠一帯の土地を購入し、一族を引き連れリオから何日もかけてやってきた。家を建て始めるが、完成前に使用人たちは家財道具を持ち逃げし、バスコ自身も不慮の事故で亡くなり、身重のオーレアと母親のドナ・マリアだけが取り残される。絶望したオーレアは砂漠脱出を願うが、母はここで生涯を終えてもいいと言う…。

どこまでも果てしなく続く砂丘を女性2人で脱出するのはほぼ不可能。どうやって生き抜いていくのか…。幸い、こんな砂漠にも暮らす人がいた。必要最低限の食料を分けてもらい、生活を始める2人。そして、いつの間にか子どもが産まれ、月日は5年、10年…と過ぎていく。
しかし、オーレアは脱出するチャンスを常に待っていた。砂場に大量の足跡を見つけ追いかけると、皆既日食を見に来ていた科学者たちであった。帰る時に連れて行ってもらう約束を取り付け、自宅へ戻ると自宅が砂に埋もれ母は亡くなっていた。手違いで科学者たちとは出会えず、脱出する機会を失ってしまったオーレアは失意の中、元々この地に暮らす黒人のマッスと男女の関係になる。それは、この地で生きることへの並々ならぬ決意であり、母の意思を受け入れたことでもあった。

sand2.jpgブラジル北東の砂丘地帯レンソイス・マラニャンセ国立公園をオール舞台にした映像が神秘的で秀逸。同じ地球の映像とは信じがたい。外部とは一切遮断された秘境を舞台に、母娘3代、60年に渡る人生の旅路を寓話的に、文明への執着、渇望する娘と現実を受忍しようとする母を対比的に描く。娘へと受け継がれるかのように描かれる母の思いが力強い。突如、湖が出現し、吹きつける風によって決して同じ模様を描かない砂模様は一夜にして変貌を遂げてしまう。それは、女たちの心の葛藤のメタファーだと思われる。

3代に渡る女たちは実際の母娘(フェルナンダ・モンテネグロ、フェルナンダ・トーレス)が演じ分けている。脚本は2人を想定して書き上げられたという。風でふわっと舞い上がるサラサラの砂とは対照的に、地にしっかりと足のついた人間像が投影され、現実を見据えた理想的な人間像が作り込まれている。物質的な豊かさを求めることだけが必ずしも幸せなことだとは限らない。
それにしても、2時間の長さがものすごく長く感じる作品だった。スロースタートで忍耐が必要だが、我慢した甲斐があったと思わせるラスト30分だった。自分が母になった時にもう一度観直したい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/23
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Little Soldier <2008/デンマーク> ★★☆

soldier3.jpgLille soldat/Little Soldier
2008/100min/デンマーク
ドラマ
監督:Annette K. Olesen
脚本:キム・フォップス・オーカソン(Kim Fupz Aakeson)
出演:トリーヌ・ディルホム未来を生きる君たちへ」、Finn Nielsen、ヘンリク・プリップJens Jørn SpottagWorld Aport」、Shanti Roneyトゥーレ・リントハートBrotherhood
言語:英語、デンマーク語、スウェ語
受賞:2009年(第59回)ベルリン国際映画祭 エキュメニカル賞
IMDb評価:6.8/10

脚本を担当したキム・フォップス・オーカソンは子ども教育用のイラストレーター等の仕事を経て、脚本家になった人。ステラン・スカルスガルド主演「A Somewhat Gentle Man (2010/ノルウェー)」、マッツ・ミケルセン主演「Prag(2006)」、トリーネ・ディアホルム主演「Soap(2006)」、パプリカ・スティーン主演「Okey(200)」など本国ではどれも評価が高いが、日本で公開作品はない様子。

soldier2.jpgアフガニスタンから帰還した女性兵士ロッテは精神のバランスを崩し、アルコールに依存した生活が2ヶ月も続いている。帰還したことを知り、訪ねてきた父親にお金を借りようとしたが、代わりに仕事を手伝うように依頼された。免停中の父に代わって愛車のジャガーを運転する程度の仕事だと思い引き受けたが、父親は売春組織を担っており、父親の愛人であり、売春婦のリリーの専属運転手とボディーガードが任された仕事であった…。

父親は主にナイジェリアなどの海外から女性を調達し、囲う仕事をしていた。ロッテは幼い頃に母をなくし、祖父母に育てられたため、父親のことをあまり知らなかったのである。体調のすぐれない父親は、そろそろ引退し、娘に仕事を任せたいとまで考えていた。
ロッテの仕事は集金係も担っており、売春婦と一緒にお客の家に行き、直接お金を受け取る。睡眠薬を飲まし、眠らせた状態で楽しむお客もいれば、拳銃を突きつけ一緒に死のうと切り出すお客まで見てきた。父親は、貧しい生活から抜け出すためには仕方ないと全てを黙認していることがロッテには理解できなかった。
soldier1.jpg
ボディーガードの仕事が評価され、娼婦たちとの信頼が築き始めた頃、父親の愛人であるリリーは国に9歳の娘を残してきていることを知る。ロッテは母がいなかった幼少時代を重ねてしまい、同情心から、やってはいけないことをしてしまう。

家族のためだと割り切る強かなリリーに対し、男並みの力がありながら神経の弱いロッテを対比させながら描いている。素直な人ほど報われないことに大人の嫌な世界を見てしまった気分にさせられる。


結末に触れています。
ロッテは同情心から、十分な金と飛行機のチケットを渡し、リリーを国へ帰してしまった。お金さえあれば、家族一緒に幸せに暮らせると本気で信じていたからだ。父親曰く、リリーは子どものために国に帰るような女ではなく、ロンドンで売春宿の経営資金に回すであろうとのことだった。親子といえども、この世界で生きるには裏切った者に対して“暴行”という掟がある。
暴行後、背を向け歩き去る後ろ姿は、父親との決別を意味するのだろう。人生とは切なく難しい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/23

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(未) North <2009/ノルウェー> ★★★☆

nord.jpg

North/Nord
2009/78min/ノルウェー
コメディー、ドラマ
監督:Rune Denstad Langlo
脚本:Erlend Loe
出演:Anders Baasmo Christiansen、キッレ・ヘルム、Mads Sjøgård Pettersen
受賞:
2009(第59回)ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞、Europe Cinema Label
2009ノルウェー アマンダ賞 助演男優賞
2009トランシルヴァニア国際映画祭 グランプリ
IMDb評価:6.8/10

ゆるゆる度 ★★★★★
ブラック度 ★★
映像美 ★★★
哲学度 ★★


********2010年 ノルウェー・アカデミー賞(Kanon Award)受賞作******** 
監督賞:Sara Johnsen「Upperdog
プロデューサー賞:Sigve Endresen、Brede Hovland 「Nord(North)
男優賞:Anders Baasmo Christiansen 「Nord(North)
女優賞:マリア・ボネヴィー(Maria Bonnevie)「Engelen(The Angel)」(監督:Margreth Olin)
助演賞:Pål Sverre Valheim Hagen 「Jernanger(Shooting the Sun)」(監督:Pål Jackman)
オリジナル脚本賞:Sara Johnsen 「Upperdog
******************************************

nord1.jpg元スキー選手のヨーマルは、うつ病で精神科に通い、治療の一環として小さなスキー場の運営を任されている。ある日、旧友が訪ねてきて、「北部に子どもがいるから行ってみろ」と言われる。特に興味もなく普段通りの生活をしていたが、火事で家が焼けてしまい、行き場のなくなったヨーマルは、仕方なくスノーモービルで子どもに会いに行くことにした…。
不摂生な生活で、テレビとウォッカ以外何にも興味をもてない主人公ヨーマル。人生に挫折し、ダメ男の代表のような男ののらりくらりなゆるゆるロードムービー。

nord2.jpgポスターのアホ面は、雪盲になってしまい、暗室で包帯をし、回復を待っている時の姿である。息子がいる町までは900マイル北上しなければならない。スノーモービルで向かうこと自体無謀だが、サングラスもしていなかったため雪盲になり、助けてくれた娘の家でお世話になる。

少ないウォッカを最大限に有効活用すべく、わざわざ頭の毛の一部を剃り、酒を染み込ませた脱脂綿をそこに貼りつけたり、スノーモービルと自分の足を鎖で繋いで湖上でテント生活をするおじいちゃんがいたり、ネタは少なめだが、今まで観た北欧コメディーの中で一番ツボにハマった。そして、何よりも人との出会いがヨーマルにとって抗うつ剤になっているというところに本作の良さがある。行き当たりばったり珍道中で出会う人たちも皆孤独で、その中で生きる意味を見出していく。

何が起ころうと動じることなく、あくせくするわけでもなく、成り行き任せで気ままなヨーマルを見ていて、人生っていつでもやり直せると感じた。湖の氷が解け始めており、おそらく4月か5月だろう。春の雪解けと共に、ヨーマルにも春がやってきたと予感させるラストにも好感。

個人的には、ヨーマルが運営しているスキー場が、昔住んでたフィンランドの田舎にそっくりで、落ちた苦い経験のあるスキーリフトに懐かしさが込み上げてきた。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/20
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(未) Applause <2009/デンマーク> ★★★

applause.jpg
Applause/Applaus
2009/85min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Martin Zandvliet(長編デビュー作)
出演:パプリカ・スティーン(Paprika Steen)、Michael Falch、Sara-Marie Maltha、Shanti Roney
受賞:2010年デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)主演女優賞、作品(ノミネート)
IMDb評価:6.8/10

哲学度 ★★
余韻度 ★★★
催涙度 ★★




*******2010年 デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)受賞作******* 
作品賞:「アンチクライスト」 監督:ラース・フォン・トリアー
監督賞:ラース・フォン・トリアー 「アンチクライスト
脚本賞:ラース・フォン・トリアー 「アンチクライスト
主演男優賞:ラース・ミケルセン(Lars Mikkelsen) 「Headhunter」
主演女優賞:パプリカ・スティーン(Paprika Steen) 「Applaus(本作)」
助演男優賞:ヘニング・モリッルェン(Henning Moritzen) 「Headhunter」
助演女優賞:Pernille Valentin 「Fri os fra det onde(Deliver Us from Evil)」
**************************************

applause1.jpg舞台女優であるティアには2人の息子がいるが、アルコール依存症で育児放棄の末離婚し、親権は父親クリスチャンにある。リハビリ中の彼女は、子どもを取り戻したいと考えるようになった。酒を断ち、育てられる環境であることを認めてもらわなければならないが…。
ストーリーは離婚6ヶ月後から始まり、クリスチャンは既に再婚している。ティアがアル中に至った経緯は述べられない。おそらく本人もわかっていないのだろう。母親に戻るため、家にある酒を全て捨て、バーのツケも払い収め、酒を断つことを決意した。禁断症状と思える挙動不審、情緒不安定が見られるが、週一回の息子たちとの面会では隠し通そうとする。女優という仕事柄、演技をすることは得意であり、“良き母親”を演じきってでも息子たちを取り戻そうとする。

applause2.jpgしかし、認められるような“良き母親”像を作り上げれば作り上げるほど、ティアは虚しくなるだけだった。本心を踏みにじってでも“良き母”を演じきるべきなのか、再びお酒に頼ってしまうのか…若い再婚相手への嫉妬、劣等感、全てを奪われる焦燥感、良き母親を演じることへの葛藤が全身から滲み出ている。

2010年デンマーク・アカデミー賞(Robert Award)では、「アンチクライスト」のシャルロット・ゲンズブールを抑え、主演女優賞を獲得しているだけあって、パプリカ・スティーンのすごい演技力が炸裂。胸が押し潰されそうな痛みを感じ、ずっしり重い。監督は編集を専門とする方で、パプリカ・スティーンの魅せる演技を全面に押し出した編集になっている。

離婚率が非常に高いデンマーク。血縁関係のない家族とうまく暮らすということは国が抱えている課題でもある。本作を観ている限りでは、子どもたちと新しいママはうまくいっており、問題点は一切言及されていない。

結末に触れています。
自分のエゴだけのために子どもを取り戻すことが子どもにとっても幸せとは限らない。血の繋がりはなくても安定した家庭で育てられるほうがいいことだってある。そんな人生の難しさについて考えさせられる作品だった。
自分の幸せより、子どもたちの幸せを優先し、海外に行くと嘘をつき子どもの元を離れるティア。母親として厳しい決断を下したティアに拍手(Applause)を送りたい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/16
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(未) My Good Enemy <2010/デンマーク> ★★★

my good
Min bedste fjende/2010/90min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:Oliver Ussing
出演:Nikolaj Støvring Hansen、Rasmus Lind Rubin、Clara Bruun Sandbye、キム・ボドゥニア、ダール・サリム
IMDb評価:6.8/10

2011年 デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品は こちら

ゴア度 ★★★
哲学度 ★★★





my good2男の子なのにバレエ教室に通う12歳のアルフは学校でいじめられている。友達がおらず、家では漫画を読み、キャラクターのように強くなりたいと願うばかりだった。いじめは日に日にエスカレートし、ついに足の指までを折られてしまう。しばらくバレエもできなくなってしまった。アルフは同じクラスで小太りのトークもいじめにあっていることを偶然見かけ、一緒に仕返しをしようと持ちかける…。

題材になっている漫画は「Niccolo」というタイトルで、監督自身が書き下ろしたそうだが、表紙に「天下無奴」と漢字で書いてあったのが気になった。吹き出しにも日本語が使われていた。相手国の兵士に家族を殺されたNiccoloは復讐を果たし、王になるという話であるが、生首を取るといった相当残忍な描写が使われている。アルフとトークはこの漫画を読んで刺激を受けた行動を次々と真似していくのである。

my good1アルフとトークは仲間の証として黒いバンドを作っていた。メンバーは4人に増えたかと思ったら、アルフの知らぬ間に次々と黒いバンドをしている少年が増えていってしまった。トークは漫画のように王になってしまったのである。地味だったトークの髪形やファッションにも変化が出てくる。

同じくデンマーク映画「未来を生きる君たちへ」でも“暴力と復讐”をテーマにしていたが、全く観点が異なる。「未来を~」では大人が子どもたちへどう教えるか、を主題にしているが、本作では子ども自身に悟らせる作りになっている。そのためか、本作では大人がほとんど登場せず、イジメに対して説教をしたりしないし、明確な答えも提示しない。

結末に触れています。
もともといじめられっ子だったアルフとトーク。連鎖し、終わりの見えない暴力。復讐を重ねていった上で2人が学びとったことは異なる。王になったトークに対し、アルフはグループを脱退した。いじめの原因であったバレエも辞めようとしたが、続けていくことにした。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/15
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(未) Lost In Africa (原題:kidnappet) <2010/デンマーク> ★★☆

lost.jpg
Lost In Africa
2010/90min/デンマーク
ドラマ、犯罪
監督/脚本:Vibeke Muasya
出演:コニー・ニールセン、ラース・ミケルセン
舞台:ケニヤ
言語:デンマーク語、英語、スワヒリ語
IMDb評価:6.3/10

2011年 デンマークアカデミー賞(Robert Award)ノミネート・受賞作品は こちら




lost1.jpg黒人のサイモンはケニアで生まれ、デンマークの白人夫妻のもとへ養子縁組された。医師である母の出張同行で初めてアフリカの地を踏む。母は会議に出席の間、サイモンを安全なホテルの敷地内で遊んでいたが、サッカーボールが外に出てしまい、地元の子どもたちに持ち逃げされてしまった。それを追いかけていったら、夜になってしまい、知り合った子の家に泊ることにした。しかし、母親は息子探しに賞金をかけてしまったがために、誘拐されてしまう…。

ボールを持ち逃げしていった子どもを追いかけ行くと、着いた先は貧困層が暮らす村であった。子どもたちは孤児でホームレス。拾ったゴミを売買して生計をたてている。ギャングたちにも借金があるようで、追われる生活を送っている。ボールがきっかけでサイモンと現地の子どもだちは仲良くなったかのように見えたが、それは見せかけであった。隙を見計らいポケットには入っていた携帯を盗み売りさばくことで借金の返済をしようと目論んでいたのである。10歳前後の子どもの発想としては恐ろしい。
lost2.jpg
母は会議を終えホテルに戻るとサイモンの姿はなかった。警察へ行くが、養子不法取引を疑われ、書類提出を求められる。出張中の身で手元に書類があるはずもなく、テレビに出演し、息子の情報収集を募るという手段に出てしまった。キャスターに「見つけたらいくらもらえるの?」という煽りに「100万ドルあげる」と答えてしまったがためにかえって悲劇を招いてしまう。

地元の子どもたちと同じ肌の色のサイモン。Tシャツにスニーカーというラフな格好でも、真新しく、地元の子ではないことは一目瞭然である。あっという間に、Nikeのシューズ、サッカーボールは奪われ、麻薬取引の対象となっていた。その後、母親のニュースが話題になり、ギャング、子どもたち、交番のお回りさんですら、争奪戦を開始する。

先進国の裕福な家庭で育ってしまったサイモンの目に映る貧富社会と、金の亡者になっていくアフリカの恐ろしい実態を浮き彫りにしている。母親の早とちりが招いた悲劇という構想は面白かったが、尻切れトンボになってしまっている。疑惑をかけられていた養子違法取引も宙に浮いたままだし、賞金の行方も不透明なまま幕を閉じてしまった。初めてアフリカの地を踏み、自身のルーツへの関心を見せ始めていたサイモンの心境を掘り下げたほうがよかったように思う。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/14
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ラース・ミケルセン
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(未) Adam's Apple <2005/デンマーク> ★★★

adam.jpgAdam's Apples/Adams æbler
2005/94min/デンマーク
コメディー、犯罪、ドラマ
監督/脚本:アナス・トマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)
出演:ウルリッヒ・トムセン、マッツ・ミケルセン、ニコラス・ブロパプリカ・スティーンニコライ・リー・カーストーマス・ヴィルム・ヤンセン
受賞:2006年デンマークアカデミー賞 監督賞、作品賞
第78回(2006)アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作品
IMDb評価:7.8/10

哲学度   ★★★以上
宗教度   ★★以上
ブラック度 ★★★

スサンネ・ビア作品の脚本家として有名なアナス・トーマス・イェンセンの監督作品。
他作品については こちら

adam2.jpgネオナチのアダムは更生の為に12年間の社会奉仕活動を義務付けられ教会へ送られた。ガソリンスタンドで強盗した移民ケリドと少女をレイプしたグナーも同じ教会で社会奉仕中であった。ネオナチであるアダムは、部屋にあった聖職者イヴァンにここでの目標を自分で考えるように言われ、アダムはアップルケーキを作ることにした。庭に大きなリンゴの木があったからである。

何を目標にするかはどうでもよく、自分が設定した目標達成のため超えるべき試練にどう立ち向かうかが主題である。聖書の引用もあり、理解できたら、かなり深い作品だと思われる。

adam1.jpg
ネオナチのアダムは、壁から十字架を外し、代わりにヒトラーの肖像画を飾る。聖職者イヴァンに渡された聖書にも決して目を通さない。ケリドとグナーともうまく行かず、気に入らないことがあると、すぐ暴力で片付けようそうとする尖ったアダムに対し、イヴァンは「悪魔が我々を試しているのだ」と言う。いつも冷静沈着で何が起ころうと、“悪魔の試練”“自然の摂理”だと物事を解釈するイヴァンにアダムは腹を立て、ボコボコに殴ってしまう。しかし、何事もなかったかのように接するイヴァンを見て、アダムも不思議と心穏やかになっていくのである。

実はイヴァンは身体障害者の息子を持ち、育児疲れの果てに妻は自殺を図ったという過去があった。これも“悪魔の試練”と考えているのだろうか。誰も恨むことなく、自分をも責めることなく、乗り越えてきた自身の経験が周囲の人々までいい方向に変えさせている。イヴァンを見ていて、本当の幸せとは“心の平穏”なのかもしれないと思った。教会の庭の中心に大きくそびえ立つりんごの木。この木に纏わる数々の現象が彼らを幸せに導く試練のようでもあった。

ブラックユーモア満載。かなり過激な暴力行為があるのに、ほのぼのとしているのは、アナス・トーマス・イェンセン独特の作風。観ている者にも心に平穏をもたらしてくれる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10
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【短編】 Election Night (原題:Valgaften) <1999/デンマーク> ★★★

valgaften.jpgValgaften/Election Night
1999/11min/デンマーク
監督/脚本:アナス・トマス・イェンセン
出演:ウルリッヒ・トムセンJens Jørn Spottag
受賞:米アカデミー賞短編映画賞
IMDb評価:7.5/10

監督の他作品については こちら
3度目の正直。アカデミー賞短編映画賞へのノミネート3度目にしてようやくの受賞。

本作は、CINEMA 16:EUROPEAN SHORT FILMSに収録されている。

内戦中のアルバニアに2000枚の毛布を送っていて遅くなったという男ポールは、待ち合わせのバーでメキシコのビールを注文する。友人にも薦めるが、「そんなとこのビールなんか飲まないよ。」という友人に「それは人種差別」だという。そんな会話をしていたら、選挙の投票をし忘れたことを思い出し、いそいで投票所へ向かう。しかし、終了時刻まであと20分しかないのに、さまざまな障害が待ち構えていた…。

結末に触れています。

タクシーに乗ると、運転手は移民労働者で人種差別を訴え始めてきた。彼の話に興味のないポールはタクシーを乗り換えるが、次の運転手の関心事も人種差別であった。3度目は同じシチュエーションを避けるべく、白人の運転手であることを確認して乗車するが、運転手の話はまたもや人種差別問題であった。もうこれ以上聞きたくないポールはタクシーを降り、走って投票所へ向かった。無事投票を終えたポールはバーに戻り、カールスバーグ(デンマークのビール)を注文する。

目の前にも人種問題が横たわっており、今まで目を向けてしなかったことにようやく気付いたポールであった。アナス・トーマス・イェンセンらしい皮肉。11分という限られた時間の中に様々な人種問題が詰め込まれている。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10
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(デンマーク) アナス・トマス・イェンセン/Anders Thomas Jensen (脚本、監督)

jensen.jpg
アナス・トマス・イェンセン/アンダース・トーマス・ジャンセン
Anders Thomas Jensen(1972年4月6日-)
出身:Frederiksberg デンマーク

Gymnasium高校在籍中に「10 år på bagen - 3 år i skyggen (1990)」というドラマの脚本を手掛けている。
監督作品においては、短編全3作品が米アカデミー賞にノミネートし、「 Valgaften/Election Night (1999)」では受賞している。
ウルリッヒ・トムセン、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カースが出演し、自身が脚本・監督を手掛けた「Blinkende lygter / Flickering Lights(2000)」の大ヒット(ある記事にはブロックバスターヒットと書かれている)以降、デンマークアカデミー賞(RobertAward)の脚本賞では2000~2011に連続ノミネートされている。
どの作品にもウルリッヒ・トムセン、マッツ・ミケルセン、ニコラス・ブロ、ニコライ・リー・カース、キム・ボドゥニアといった名優たちが必ず出演しているが、英語字幕すらソフト化されていない作品もあるようで、あまり反応されていないことを残念に思う。


【脚本/短編】
1996 Café Hector
1996 De nye lejere
1996 Ernst & lyset
1996 Hvileløse hjerte
1997 Wolfgang
1999 En sjælden fugl
1999 The Funeral
1999 Valgaften/Election Night
2000 Zacharias Carl Borg
2009 The New Tenants

【脚本/長編】 ※ 制作年 タイトル、デンマーク以外の制作国 (監督名)
1996 Davids bog /David’s Book (Lasse Spang Olsen)
1998 Albert (Jørn Faurschou)
1998 Baby Doom (Peter Gren Larsen)
1998 Nøglebørn (Kenneth Kainz)
1999 I Kina spiser de hunde/In China They Eat Dogs (Lasse Spang Olsen/ラッセ・スパング・オルセン)
1999 Mifunes sidste sang、Dogme # 3
2000 Blinkende lygter / Flickering Lights(自身)
2000 Dykkerne /Beyond(Åke Sandgren)
2000 The King Is Alive、Dogme #4
2001 Fukssvansen/Chop Chop (Niels Arden Oplev/ニールス・アルデン・オプレヴ) (uncredited)
2001 Grev Axel / Count Axel (Søren Fauli)
2002 Elsker dig for evigt/しあわせな孤独 (スサンネ・ビア)
2002 Gamle mænd i nye biler /Old Men in New Cars (Lasse Spang Olsen)
2002 Wilbur Wants to Kill Himself/Wilbur (Lone Scherfig)
2003 De grønne slagtere/The Green Butchers (自身)
2003 Rembrandt /Stealing Rembrandt (Jannik Johansen)
2003 Skagerrak / Sweet Dreams (Søren Kragh-Jacobsen)
2004 Brødre / ある愛の風景 (スサンネ・ビア)
2005 Adams æbler/Adam’s Apple (自身)
2005 Mørke / Murk (Jannik Johansen)
2005 Solkongen / The Sun King (Tomas Villum Jensen)
2005 Vet hard / Too Fat Too Furious、オランダ=ベルギー=英 (Tim Oliehoek)
2006 Efter brylluppet / アフター・ウェディング (スサンネ・ビア)
2006 Red Road、英=デンマーク (アンドレア・アーノルド)
2006 Sprængfarlig bombe / Clash of Egos (Tomas Villum Jensen)
2007 Hvid nat / White Night  (Jannik Johansen)
2007 Til døden os skiller / With Your Permission (Paprika Steen)
2008 Den du frygter / Fear Me Not (Kristian Levring)
2008 The Duchess / ある公爵夫人の生涯、英=イタリア=仏=米 (Saul Dibb/ ソウル・ディブ)
2009 Ved verdens ende/At World’s End (Tomas Villum Jensen)
2009 Brothers / マイ・ブラザー、米 (motion picture "Brødre")
2010 Hævnen / 未来を生きる君たちへ (スサンネ・ビア)
2012 愛さえあれば/All You Need Is Love (スサンネ・ビア)

【監督作品】
1996 Ernst & lyset (short)
1997 Wolfgang (short)
1999 Valgaften/Election Night (short)
2000 Blinkende lygter
2003 De grønne slagtere
2005 Adams æbler/ Adam's Apple

【その他】
2005 Dear Wendy (script consultant)
2009 Antichrist / アンチクライスト (story supervisor)


[サイト内タグ検索] アナス・トマス・イェンセン
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[ 2011/06/15 13:09 ] 敬愛なる映画人たち | TB(0) | CM(4)

(未) Worlds Apart <2008/デンマーク> ★★★★

world.jpg
To verdener/Worlds Apart
2008/116min/デンマーク
ドラマ
監督/脚本:ニルス・アーゼン・オプレウ(Niels Arden Oplev)
出演:Rosalinde Mynsterピルウ・アスベックJens Jørn SpottagSarah Boberg
受賞:2009年デンマークアカデミー賞 助演男優賞、助演女優賞、編集賞
第81回(2009)アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作品
IMDb評価:7.1/10

宗教度 ★★★★★
哲学度 ★★★

「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニルス・アーゼン・オプレウ監督の前作にあたる作品。
エホバの証人について詳しくはこちら



world2.jpg“エホバの証人”の娘として育てられた17歳のサラは、友人とクラブに行く。そこで、ある男性ティスと知り合い、家族に内緒で付き合うこととなった。うっかり終電に乗り過ごしてしまい、彼の家に泊ったことが父親にバレてしまった…。禁じられている性行為はしておらず、添い寝をしただけだったが、非“エホバの証人”宅で一夜を明かしてしまったことが問題となる…。

世俗に生きるか、宗教に生きるか…
恋愛と宗教の板挟みとなる少女の葛藤を描くことで、“エホバの証人”の実態も浮き彫りにしている。登場人物のほとんどが“エホバの証人”であるが、破門された実兄と非“エホバの証人”の彼氏ティスを据えたことで、客観的に映している。
world1.jpg
・選挙権を行使しない
・輸血の拒否
・誕生日を祝わない
・兵役拒否
・セックスはしない

禁止とされる事項を会話やエピソードとして自然に織り込むことで、“エホバの証人”の実態がよくわかるようになっている。特に“輸血の拒否”に関するエピソードが印象深い。
実兄の破門の理由は“そぐわない本を読んだ”からであった。本の内容は詳しくは言及していない。

破門した者は、家族との会話や食事も認められず、家を出なければならない。道で偶然会った場合でも挨拶することすら禁じられている。実際に、空気のように無視される場面もある。
家族意識が強い集団であるゆえ、宗教で結ばれた絆は強いが、その分、宗教で切り離された親子の縁は残酷である。「愛している」と言いつつ、「家族よりも神(エホバ)のほうが大事だ」とはっきり父親は言っている。“宗教とは何か”“家族とは何か”という自問が徐々に促されていく。親は子に何を教えるべきなのか、何を価値観として生きるべきか、観終わった後そんな問いが心に響いてきた。

world3.jpg結末に触れています。
彼へ別れの手紙を送り、教団へ反省文を書いたことで外泊のお咎めは免れたサラ。高校を退学し、伝道師になることまで決意したが、やはり彼のことが忘れられず、同棲を始めてしまう。結果、教団にバレ、サラも破門処分を下されてしまった。家族に会うことも話すことも許されず、悩み苦しむ姿があった。しかし、葛藤の末、彼女は故郷を去り、ヘルシンキで復学することを決意した。
実話を基ににしており、モデルになっているサラ本人は最後の列車のシーンで登場する。ヘルシンキ行きの列車に乗り込んできたサラに微笑むだけの登場だが、この笑顔は幸せいっぱいな笑顔だった。
その後、家族には会っていないと補足説明が入った。笑顔が本物の笑顔であったこと、再び家族に会えることを願いたい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/10
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花を売る乙女 <1972/北朝鮮> ★★

flower.jpg
꽃파는 처녀/花を売る乙女/The Flower Girl
1972/125min/北朝鮮
ドラマ
出演:ホン・ヨンヒ、パク・ファソン、キム・リョンニン、リュ・フナム
IMDb評価:5.2/10

催涙度 ★★★
悲劇度 ★★★★
不愉快度 ★★★

日本で一番有名な北朝鮮映画と言うと本作でしょうか。DVD発売している。
主人公の少女は北朝鮮の1ウォン紙幣の裏面に描かれており、北朝鮮を代表する話である。初めてDVDになった作品でもあり、北朝鮮版「おしん」とも言われている。同名の歌劇は1973年に平壌の芸術団により日本公演も行われている。


背景は日本の植民地時代。父はすでに他界しており、母は地主の家で下女として働き、妹は不慮の事故で盲目になってしまった。長女のコップニは病気の母の薬代を稼ぐため道端に立ち、花を売っているが…。

両班に仕える下女の娘は下女となる運命。他には妓生(キーセン)になるぐらいしか道は残されていない当時の身分制度があまりにも残酷である。両班たちのせいで盲目になったにも関わらず、お咎めはない。コップニの人生は韓流ドラマにも勝るとも劣らないほどの不幸の連続。貧困がゆえの哀れな人生だとは思うが、最終的には強引に“日本の植民地支配への批判”という結論に導かれている。こういう内容を幼児の頃から見せつけて洗脳教育をしていることは言うまでもないが、海外で賞まで取ってしまっていることが何だか悔しい。

そもそも“花売り娘”の花とは女の隠語である。北朝鮮の地方に行くとカモフラージュに造花を売っている女性が多いと聞くが、その原点がこの話だったりして…
本作で登場する花は造花のようでした。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/1
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雨さえも~ボリビアの熱い一日~ (原題:Even The Rain) <2010/西=仏=メキシコ> ★★★★

even the rainTambién la lluvia/Even The Rain
2010/103min/スペイン=フランス=メキシコ
歴史、ドラマ
監督:イシアル・ボリャン
脚本:ポール・ラヴァーティ
出演:ルイス・トサルガエル・ガルシア・ベルナル、カラ・エレハルデ
舞台:ボリビア
受賞:第25回(2011)ゴヤ賞助演男優賞(カラ・エレハルデ)
IMDb評価:7.2/10

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★
残虐度 ★

2011年 米国アカデミー賞 外国語映画賞エントリー65作品 については こちら
2011年 第25回スペインゴヤ賞ノミネート・受賞作品については こちら

アウグスティ・ヴィラロンガ監督の「Pa Negre(Black Bread)」があまりにも凄すぎたため、本国でも目立った印象はないが、かなりの秀作。ある日本の有名サイトでは“ガエルが主演”と書かれているが、出番はさほど多くなく、むしろルイス・トサル主演というべきだろう。かなり重い作品なので、ガエル目当ての方は注意されたほうがいい。

even the rain216世紀、金を求めて“新世界”にやってきたコロンバスのアメリカ征服に関する映画を製作するスペイン人クルーは、撮影のためにボリビアのコチャバンバに来ていた。スペインの奴隷化に抵抗する先住民役を現地のオーディションで抜擢し、順調に撮影は開始していた。しかし、ちょうど同時期にコチャバンバの水戦争が勃発し、映画製作どころでなくなってしまう…

予算を抑えることに必死のプロデューサーは、オーディションで抜擢した先住民役の男たちに危険を伴うセット作りまでさせている。1日2ドルで文句の言わない彼らを奴隷さながらに使い回しているのである。コロンバスがいかに侵略して、搾取したかという映画を作る背景でも労働力の搾取が起こっているという皮肉。スペイン人クルーたちは豪華な食事にお酒という浪費っぷりであった。

even the rain1
水戦争が激化するにあたって、先住民役のリーダーでもあるダニエルはしばし撮影を無断欠勤するようになった。町では水道民営化に反対した住民たちが一斉に蜂起し、ダニエルを中心としたデモ活動が起きていた。本作は2000年に起きたコチャバンバ紛争を背景としている。
コチャバンバ市の水道管理権は米国企業に売却され、水道料金は200倍にも跳ね上がり、彼らの少ない収入の2割~3割を占めることとなってしまった。井戸も水道局の支配下となり、貧しい民衆の生活を苦しめていたのである。戒厳令が布かれ、軍も出動し、死者や負傷者まで出した紛争であった。
映画の成功だけ願い、支障をきたすわけにはいかないと考えているプロデューサーは、スペイン人にとってははした金、ボリビア人にとっては大金となる額をダニエルに渡し、無事に撮影を終えようとする。商業目的の映画で儲けたいというエゴである。

even the rain3500年前の奴隷化への抵抗、現在の水道民営化に反対するデモ。結局は同じ光景である。
かつては金の餌食になり、500年経った今では水問題。今回の映画の撮影も含め、全て白人のエゴによる侵略であるという事実。映画の撮影なのか現実なのか境目が曖昧にさせ、結局今でも同じ問題は続いているという貪欲な搾取構造を提起している。ケン・ローチ監督作品でお馴染みのポール・ラヴァーティによる脚本なだけあって、興味深い鋭い視点であった。

コチャバンバ水紛争は民衆が勝利した。2006年にはボリビア初の先住民大統領エボ・モラレスが誕生したことは記憶に新しい。

紛争を無視し、あくまでも映画を完成しようとする者、紛争激化を恐れ帰国要求する者もいる中、“映画より大事なもの”に気付き始めたプロデューサーの心境の変化をもう少し煮詰めると更に見応えがあったように思う。
キレイに丸く治めた感が否めないラストで★マイナス一つ。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/6

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2011年 第25回スペインアカデミー賞(Goya Award)ノミネート・受賞作品

第25回ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)の受賞結果が発表になりました。(2011/2/13)(★:Koo評価、満点3つ星)

作品賞
「Pa Negre(Black Bread)」 監督:アウグスティ・ヴィラロンガ ★★☆
「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」 監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
「[リミット]」 監督:ロドリゴ・コルテス
También la lluvia(Even the Rain)」 監督:イシアル・ボリャン(Icíar Bollaín)  ★★★

監督賞
ロドリゴ・コルテス「[リミット]」
アウグスティ・ヴィラロンガ「Pa Negre(Black Bread)」
アレックス・デ・ラ・イグレシア「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
イシアル・ボリャン「También la lluvia(Even the Rain)

主演男優賞
アントニオ・デ・ラ・トーレ(Antonio de la Torre)「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
ライアン・レイノルズ「[リミット]」
ハヴィエル・バルデム「Biutiful ビューティフル」(監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)  ★★★
ルイス・トサル(Luis Tosar)「También la lluvia(Even the Rain)」 ★★☆

主演女優賞
エレナ・アナヤ(Elena Anaya)「ローマ、愛の部屋/Room in Roma」(監督:フリオ・メデム)  ★★☆
Nola Navas「Pa Negre(Black Bread)」  ★★★
ベレン・ルエダ(Belén Rueda)「ロスト・アイズ/Julia's Eyes」(監督:ギリェム・モラレス/Guillem Morales)
Emma Suárez「La mosquitera(The Mosquito Net)」(監督:Agustí Vila)

助演男優賞
Alex Ángulo「El Gran Vázquez」(監督:Óscar Aibar)
セルジ・ロペス「Pa Negre(Black Bread)」 ★★
カラ・エレハルデ(Karra Elejalde)「También la lluvia(Even the Rain)」 ★★★
エドゥアルド・フェルナンデス(Eduard Fernández)「Biutiful ビューティフル」 ★★

助演女優賞
Ana Wagener「Biutiful ビューティフル」 ★★
テレレ・パベス(Terele Pávez)「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
ピラール・ロペス・デ・アンジャラ(Pilar López de Ayala)「Lope」(監督:アンドルーシャ・ワディントン(Andrucha Waddington))
Laia Marull「Pa Negre(Black Bread)」 ★★★

新人監督賞
David Pinillos 「Bon appét」
Emilio Aragón 「Pájaros de papel(Paper Birds)」
Juana Macías 「Planes para mañana(Plans for Tomorrow)」
Jonás Trueba 「Todas las canciones hablan de mí」

新人男優賞
Juan Carlos Aduviri 「También la lluvia(Even the Rain)」 ★★
Francesc Colomer 「Pa Negre(Black Bread)」 ★★★
Manuel Camacho 「Entrelobos(Entre lobos)」(監督:Gerardo Olivares)
Oriol Vila 「Todas las canciones hablan de mí」(監督:Jonás Trueba)

新人女優賞
Carolina Bang 「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
Natasha Yarovenko 「ローマ、愛の部屋/Room in Roma」 ★★
Marina Comas 「Pa Negre(Black Bread)」
Aura Garrido 「Planes para mañana(Plans for Tomorrow)」

オリジナル脚本賞
「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」 アレックス・デ・ラ・イグレシア
「[リミット] 」 クリス・スパーリング(Chris Sparling)
Biutiful ビューティフル」 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャ・リトゥ、Armando Bo、Nicolás Giacobone  ★★
También la lluvia(Even the Rain)」 ポール・ラヴァーティ  ★★☆

脚色賞
「Pa Negre(Black Bread)」 アウグスティ・ヴィラロンガ
ローマ、愛の部屋/Room in Roma」 フリオ・メデム
「Tres metros sobre el cielo」 ラモン・サラサール(Ramón Salazar)  (監督:Fernando González Molina)
「Elisa K」Jordi Cadena (監督:Jordi Cadena、Judith Colell)

撮影賞
Kiko de la Rica 「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
ロドリゴ・プリエト(Rodrigo Prieto) 「Biutiful ビューティフル」 ★★
エドゥアルド・グラウ(Eduard Grau) 「[リミット]」
Antonio Riestra 「Pa Negre(Black Bread)」 ★★★

編集賞
アレハンドロ・ラツァロ(Alejandro Lázaro) 「Balada triste de trompeta(A Sad Trumpet Ballad)」
スティーヴン・ミリオン(Stephen Mirrione) 「Biutiful ビューティフル」 ★★
ロドリゴ・コルテス 「[リミット]」
Ángel Hernández Zoido 「También la lluvia(Even the Rain)」  ★★★



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[ 2011/06/09 16:12 ] ★映画関連★ 映画賞 | TB(0) | CM(0)

(未)(備忘録) A Religiosa Portuguesa <2009/ポルトガル=仏> ★

A Religiosa Portuguesa
2009/127min/ポルトガル=フランス
監督/脚本/出演:ウジェーヌ・グリーン(Eugene Green)
出演:レオノール・バルダック、Francisco Mozos、ディオゴ・ドリア、アナ・モレイラ
言語:ポルトガル語、フランス語
IMDb評価:7.2/10

あるフランスの女優は映画の撮影でリスボンを訪れていた。ポルトガル人の母を持ち、ポルトガル語が話せるため、撮影以外は1人で町を散策していた。彼女が演じる役は尼さんで、教会に行って尼さんを観察したり、人生相談をしたり、偶然出くわした少年と仲良くなったり…出会った人たちとの出来事を描いている。

初ウジェーヌ・グリーン監督作品だが、噂に聞いていた以上に特異。観光名所や景観のいい建物や夜景ばかり映し、観光推進ビデオを見ているかのようでもあり、感情を押し殺し、直立不動で棒読みの台詞はNHK外国語講座のスキット映像のよう。対話なのにカメラ目線でクローズアップした映像は、口の動きがはっきり見えて、ポルトガル語学習者の教材として向いてそう。

うだつの上がらない運びがすごく苦手なのに、最後まで観終えたのが不思議。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/7
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Wanderers of the Desert <1984/チュニジア> ★★

haimoune.jpg
El-haimoune /Les baliseurs du desert/Wanderers of the Desert
1984/95min/チュニジア
ドラマ
監督/脚本/出演:ナーセル・ヘミール(長編デビュー作)
出演:Soufiane Makni、Noureddine Kasbaoui
舞台:イラン
IMDb評価:6.8/10

宗教度 ★以上
哲学度 ★★以上
映像美 なし
難解度 ★★

ナーセル・ヘミール監督のデビュー作でもあり、主演を務めている。


haimoune2.jpgバスの運転手も知らないほどの小さな町にある男は教師として派遣された。この町は女と長老、子どもしかいない町であった。長老たちの話しによると、男性は年頃になると“巡視官”になってこの町を去り、二度と戻らないという。この呪縛から町を救うべく、長老たちはこの教師に希望を託すが…。

そもそも“巡視官”の意味がわからないのだが、一行であてもなく砂漠を彷徨い、命が尽きるまで使命を果たし続け、次の世代に役目を引き継ぎ、人知れず消えていく。風で砂が舞い上がり、砂色になった空と陸の境界線が見えないこの町は今にも砂にうずもれて消えてしまいそうである。風は死者の魂を運ぶともいうが、この町を飲み込もうとしている風は彼らの魂なのだろうか。

今ひとつ何が言いたいのか読み取れなかった。
埋もれそうな町を見ていると、近代化が進み、伝統がうもれていくことへの警鐘を促しているように感じるが、宗教的な観点から“生と死”について論じているのかもしれない。
haimoune1.jpg結末に触れています。
新任教師は町のために尽力をつくすが、神隠しにあってしまう。捜査願いを出すが、見つからなかった。あるリーダー格の少年は、男性たちが消えていくのをずっと目の当たりにし、自身の将来を案じていた。育ててくれた祖母の死をきっかけに、かつてのオアシスと言われ、憧れ続けていた異国の地へ旅立つのであった。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/31
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ナーセル・ヘミール監督
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エミタイ <1971/セネガル> ★★★

emitai.jpg
Emitai
ドラマ
1971/103min/セネガル
監督/脚本:ウスマン・センベーヌ (Ousmane Sembene)
製作 ポーラン・スマヌー・ヴィエイラ (Paulin Soumanou Vieyra)
出演:ロベール・フォンテーヌ、ミシェル・ルノドー、ピエール・ブランシャール、アンドジョ・ディアウ
言語:ディオラ語、フランス語
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★★
民族度 ★★★★★


emitai1.jpg1940年代初期、フランス支配下のセネガル南部カザマンス地方。第2次世界大戦中でフランスはドイツと戦っており、この村からも若い男性は強制的に徴兵されてしまった。村に残っているのは長老、女性、子どもだけとなり、長老たちは祭壇に生贄を捧げ神に祈り続ける日々を送っていた。しかし、神へ祈りは届かず、フランスから来ていた大佐から兵員用の米までも徴収すると新たに言い渡される。ディオラ族にとって米は主食であるだけでなく、神聖なものであり、命令を拒んだ。その結果、妻や子どもたちが人質に取られてしまう…。

「エミタイ」とは“雷神”のことであり、雷神信仰のある村を舞台にしている。神に祈るための生贄の儀式が興味深い。アフリカ人監督が描くことに意義がある作品。背景にあるのは戦争と植民地軍による非人間的な態度であり、米を徴収されるぐらいなら死んだ方がマシだという誇り高きディオラ族の団結力には心打たれる。

結末に触れています。
軍に屈服し、米を運び出す男たちに訴えかけるような妻たちの歌声が響く。妻たちの蜂起する姿は力強い。妻たちの歌声で我に帰り、米の篭をおろしてしまった男たちの結末は虐殺であった。一列に並ばさせ、射撃されるシーンに直接描写はなく、ブラックアウトした画面に射撃の音が響きわたる。凄惨さがストレートに訴えかけてくる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/26
[サイト内タグ検索] ウスマン・センベーヌ監督
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(未) Bab'Aziz <2005/チュニジア=イラン=仏> ★★★★★

babaziz.jpg
Bab'Aziz
ドラマ
2005/96min/チュニジア=イラン=フランス
監督/脚本:ナーセル・ヘミール(Nacer Khemir)
出演:Parviz Shahinkhou、Maryam Hamid、Hossein Panahi
舞台:イラン
言語:ペルシャ語、アラビア語
IMDb評価:7.2/10

宗教度 ★★★
哲学度 ★★★★★
映像美 ★★★★★



おそらく日本では作家として知られているナーセル・へミール監督。
「イスラムの言葉(原書名:PAROLES D’ISLAM)」(訳:いとう せいこう)という本が出版されている。(未読)
本作が長編3作目で、以降撮られていない。

babaziz3.jpg盲目の苦行僧バズアジズは30年に一度行われる宗教行事に参加すべく旅に出る。孫娘のイスタールも同行することとなった。昔話をしながら進む道中、出会った人々もまた物語を綴っていく…。

本作の主題は“イスラム神秘主義スーフィズム”である。スーフィズムでは禁欲的で厳しい修行を行い、また白い布状の服を身につけて一心不乱に回る、回旋舞踊と呼ばれるものを行ない、神との一体化を求めている。雑念を捨て去り一心に神の事をのみ考え、神と合一したという悟りが訪れるのを待つ。この境地に至った者は、時として聖者に認められ、崇拝の対象となった。イスラム教は仏教やキリスト教のような“偶像崇拝”を禁じており、タリバンのような“イスラム原理主義”はスーフィズムを異端とし厳しく批判している。イスラム武装勢力の攻撃対象とされることもあり、自爆攻撃といったニュースもよく目にする。本作ではスーフィズムの苦行の過程を寓話的に描いている。

babaziz1.jpg風の音しか聞こえない静寂な砂漠で綴られる数々の物語はアラビアンナイトを彷彿させる。苦行僧バズアジズの話と出会った人々の綴る物語の中に登場する人物とは、神と合一し悟りを開いた人たちである。神への近づき方は人それぞれ。話しをお互い交わしながらの旅の過程そのものが修行であり、修行僧たちを境地へと誘っていく。観ている側も雑念が払われ、一歩一歩神に近づいているような感覚にさえ陥ってくる。

babaziz2.jpg



アラビアンナイトのような神秘性。
叙情的旋律と歌詞。ジプシーたちの音楽のレベルの高さ。
字幕を目で追うのを忘れてしまうほど魅入ってしまう映像美。
魅惑的に描いた独特な世界観に圧倒される。
哲学映画といわれているだけあって難解であり、宗教的な儀式が多く、ある程度の知識が求められるが、たとえ無知でも観る価値があると思わせる崇高な映像の魔力を感じた。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/30
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ナーセル・ヘミール監督
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(未) Nothing Personal <2009/オランダ=UK> ★★★★

nothing_20110605162430.jpgNothing Personal
2009/83min/オランダ=UK
ドラマ
監督/脚本:Urszula Antoniak(長編デビュー作)
出演:Stephen Rea, Lotte Verbeek and Tom Charlfa
言語:英語
舞台:アイルランド、オランダ
受賞:
ロカルノ映画祭 最優秀女優賞、新人監督賞
ヨーロッパ映画祭 女優賞、ディスカバリー賞ノミネート
IMDb評価:7.0/10

哲学度 ★★
余韻度 ★★★
映像美 ★★★
普遍度 ★★

2010年 第23回ヨーロッパ映画賞ノミネート・受賞作品については こちら
ポーランドとオランダで映画を学んだポーランド人女流監督長編デビュー作。
最新作「Code Blue」はカンヌ映画祭監督週間で上映された。今後に期待。

nothing3.jpgアンはオランダのアパートを引き払って、家財道具も全て捨て旅に出る。行き着いた先はアイルランドの田舎で、ゴミ箱の残り物をあさり、1人きりのテント生活を始める。近所で隠居暮らしをしている男性マーティンと出会い、畑や庭の手入れなどをする代わりに3度の食事を提供してもらうこととなる…。

あれこれ詮索されるのを好まないアンは“個人的な質問はしない”という条件を提示した。全てを捨ててきた彼女は自身の名前すら明かさない。2人の背景が語られることもなければ、十分な状況説明もない。シンプルな生活は畑や庭仕事、家事、食事、睡眠のサイクル。最低限の台詞と2人の行動から心境の微妙な変化を読み取っていく必要がある。

nothing1_20110605162430.jpg人との関わりを拒む2人は孤独を“自由”だと思っている。マーティンは食事の時間を最も大事にしており、メニューを見れば一目瞭然である。素敵な食器に美しく彩られたロブスターやアーティチョークのおいしそうなこと。優雅に赤ワインを頂きながらのディナーに質素さはない。家には入らず、玄関先のベンチで食事を取っていたアンだが、やがて支度の手伝うようになり、食事も一緒に取るようになる。食事のシーンが2人の距離感を一番表現しているようで、印象の残るシーンが多い。nothing2_20110605162430.jpg




食事と同等に印象的なのが美しい情景。時間が止まってしまったのかと思うほどゆったりした流れは、観る側に考えさせる時間を与えているかのよう。唐突に向かえる結末も含め、大半を観る側に解釈を委ねている。

<鑑賞> 2011/6/3
[サイト内タグ検索] 日本未公開 スティーヴン・レイ
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(備忘録)アリスクリードの失踪 <2009/UK> ★★★☆

The Disappearance of Alice Creed
2009/96min/UK
犯罪、ドラマ、スリラー
監督/脚本:J・ブレイクソン(長編デビュー作)
出演:ジェマ・アータートン、マーティン・コムストン、エディ・マーサン
IMDb評価:6.8/10

半年も記事書きかけでいたら、日本公開が決定していて…
結構面白かったけど、ただ面白いだけのはあまり好みではないので備忘録程度に。
「ディセント2」の脚本を経て、本作が長編監督デビュー作。次作はハリウッド映画というのが個人的には残念。

2人の男性が工具やら買ってベッド組み立てたり、テキパキ手際良く済んだかと思ったらアリス・クリードという女性を誘拐、ベッドに縛り付けて監禁。台詞なしの圧巻の冒頭10分から期待は高まる。

誘拐劇のサスペンスで、ほぼ密室劇。
配役は究極に排除され、たったの3人。
身代金要求している誘拐された女性の父親の声すらでてこない。
3人の意外な関係性と抑揚のきいた演出で二転三転。
小道具も最低限しか使われていなので、全てが重要なキーになってくる。
「アリス・クリードの誘拐」ではなく、「…の失踪」というタイトルの意味も最後の最後にわかる。

3人の演技と演出が見事。アングルもなかなか。
残虐度なしで、万人向き。
予備知識なしで観た方が絶対面白い。

[タグ未指定]
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2010年 第23回ヨーロッパ映画賞ノミネート・受賞作品

時期はずれですが、自己満足用。。。
全作観てからアップ予定でしたが、いつになるかわからないので。

***********************

第23回ヨーロッパ映画賞の結果が発表された。(2010/12/4) (★:Koo評価、満点3つ星)

作品賞
蜂蜜/Bal」トルコ=独 (監督:セミ・カプランオール/Semih Kaplanolu) ★★★
神々と男たち」仏 (監督:グザヴィエ・ボーヴォワ) ★★
「ゴースト・ライター」仏=独=英 (監督:ロマン・ポランスキー)
レバノン」イスラエル=独=仏 (監督:サミュエル・マオス/Samuel Maoz) ★★
「瞳の奥の秘密」西=アルゼンチン (監督:ファン・ホセ・カンパネラ)
ソウル・キッチン」独 (監督:ファティ・アキン) ★★

監督賞
オリヴィエ・アサイヤス「Carlos」 仏=独
セミ・カプランオール「蜂蜜」★★★
サミュエル・マオス 「レバノン」 ★★
ロマン・ポランスキー 「ゴースト・ライター」
パオロ・ヴィルズィ(Paolo Virzi)「はじめての大切なもの/La Prima Cosa Bella」伊

男優賞
ヤコブ・セーダーグレン(Jakob Cedergren) 「光のほうへ/Submarino」デンマーク(監督:トマス・ヴィンターベア) ★★★
エリオ・ジェルマーノ「La Nostra Vita」伊 (監督:ダニエレ・ルケッティ)
ユアン・マクレガー「ゴースト・ライター」
George Pistereanu「If I Want to Whistle, I Whistle」ルーマニア(監督:フローリン・サーバン/Florin Serban) ★★★
ルイス・トサル「プリズン211」西=仏(監督:ダニエル・モンソン)

女優賞
ズリンカ・ツヴィテシッチ(Zrinka Cvite)「サラエボ、希望の街角/Na Putu」ボスニア=独=クロアチア(監督:ヤスミ・ジュバニッチ)
シベル・ケキリ「Die Fremde/When We Leave」独 (監督:Feo Aladag) ★★★
レスリー・マンヴィル「Another Year」英 (監督:マイク・リー)
シルヴィー・テステュー「Lourdes」オーストリア=仏=独 (監督:ジェシカ・ハウスナー) ★★
Lotte Verbeek「Nothing Personal」オランダ=アイルランド (監督:Urszula Antoniak)

脚本賞
ホルヘ・ゲリカエチェヴァリア(Jorge Guerricaechevarria) 、ダニエル・モンソン 「プリズン211」
ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー 「ゴースト・ライター
サミュエル・マオス 「レバノン」★★★
ラデュ・ミヘイレアニュ 「オーケストラ!」仏 (監督:ラデュ・ミヘイレアニュ)

撮影賞
Giora Bejach 「レバノン」★★☆
カロリーヌ・シャンプティエ 「神々と男たち」★★
Pavel Kostomarov 「夏の終止符/How I Ended this Summer」ロシア (監督:Alexei Popogrebsky) ★★★
Bari Oezbicer 「蜂蜜」★★★

編集賞
リュック・バルニエール(Luc Barnier) 、マリオン・モニエ(Marion Monnier) 「Carlos」
Arik Lahav-Leibovich 「レバノン」★★★
エルヴェ・デ・ルーズ(Herve de Luze) 「ゴースト・ライター」

ディカバリー賞
「重なりあう時/The Double Hour」伊 (監督:ジュゼッペ・カポトンディ)
If I Want to Whistle, I Whistle」ルーマニア ★★★
Die Fremde /When We Leave」独 ★★★
レバノン」イスラエル ★★
Nothing Personal」オランダ=アイルランド
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[ 2011/06/03 17:10 ] ★映画関連★ 映画賞 | TB(0) | CM(0)

ヒアム・アッバス/Hiam Abbass

hiam1.jpgヒアム・アッバス/Hiam Abbass (1960年11月30日- )

イスラエル出身の女優。アラブ系パレスチナ人。
イスラエルのナザレで生まれ、レバノンとの国境近くで育つ。紛争を避けて1988年イギリスに移住し、その後パリに移る。


「シリアの花嫁」で知って以来、しっかりと頭に刻まれたヒアム・アッバスという名。出演していると知ればとりあえず観たい気分になってしまう。プライベートのことは語らないのか、素性があまり知られていない。


凛とした美、知性が溢れ、芯の通った強い女性というイメージ。少なくとも英語、フラ語、アラビア語、ヘブライ語が操れるので、出演国も幅広い。生い立ちからパレスチナ人の役が多いが、チュニジアやシリア等の他国の中東女性の役もある。

※制作年 タイトル、制作国(監督名)役柄

【出演作/長編】
1996 ハイファ、 仏 (ラシッド・マシャラウィ)
1996 猫が行方不明/Chacun cherche son chat、 仏 (セドリック・クラピッシュ)
1998 Vivre au paradis、 仏=アルジェリア=ベルギー=ノルウェー (Bourlem Guerdjou)
2001 Ligne 208、 仏 (Bernard Dumont)
2001 L'Ange de goudron、 加 (Denis Chouinard)
2002 Fais-moi des vacances、 仏 (Didier Bivel)
2002 Satin rouge/Red Satin、 仏=チュニジア (Raja Amari)未亡人のチュニジア人
2002 Aime ton pere、 仏=加=英=スイス (Jacob Berger)
2004 Bab el shams、 仏=エジプト=ベルギー=デンマーク=モロッコ (Yousry Nasrallah)
2004 シリアの花嫁/The Syrian Bride、 イスラエル・仏・独 (エラン・リクリス)シリアへ嫁ぐ花嫁の姉
2004 Nadia et Sarra、 仏・チュニジア (Moufida Tlatli)
2005 パラダイス・ナウ、イスラエル=パレスチナ=仏=独=オランダ (ハニ・アブ・アサド)自爆テロを命じられた主人公パレスチナ人の母
2005 フリーゾーン 明日が見える場所、イスラエル=仏=ベルギー=西 (アモス・ギタイ)フリーゾーンで働くアメリカ人代理パレスチナ人
2005 Le Demon de midi、 仏 (Marie-Pascale Osterrieth)
2005 ミュンヘン、 米 (スティーブン・スピルバーグ)
2006 Petites revelations、 仏 (Marie Vermillard)
2006 アズールとアスマール、 仏=ベルギー=西=伊 (ミシェル・オスロ)
2006 マリア/The Nativity Story、 米 (キャサリーン・ハードウィック)
2007 画家と庭師とカンパーニュ、 仏 (ジャン・ベッケル)
2007 撤退/Disengagement、 イスラエル=仏=独=伊 (アモス・ギタイ)
2007 扉をたたく人/The Visitor、 米 (トーマス・マッカーシー)アメリカでの不法シリア人移民の母
2008 Kandisha、 モロッコ (Jerome Cohen-Olivar)
2008 La Fabrique des sentiments、 仏 (Jean-Marc Moutout)
2008 Un roman policier/A Polece Romance、 仏 (Stephanie Duvivier)
2008 Etz Limon/Lemon Tree、 イスラエル=仏=独 (エラン・リクリス)レモンの木を守るパレスチナの未亡人
2008 L'Aube du monde、 仏=独 (Abbas Fahdel)
2008 al-Mor wa al rumman、 パレスチナ (Najwa Najjar)
2009 Amreeka、 米=加=クウェート (Cherien Dabis)アメリカへ移住し、成功したパレスチナ人
2009 Espion(s)、 仏=英 (Nicolas Saada)
2009 Human Zoo、 仏 (リー・ラスムッセン)
2009 リミッツ・オブ・コントロール/The Limits of Control、 米 (ジム・ジャームッシュ)
2009 Chaque jour est une fete、 仏=独=レバノン (Dima El-Horr)
2010 ミラル/Miral、 英=イスラエル (ジュリアン・シュナーベル)
2010 I Am Slave、 英 (Gabriel Range)アフリカ人家政婦にこき使う雇い主
2010 Romance in the Dark (製作延期)
2011 Peace After Marriage、米(Bandar Albuliwi, Ghazi Albuliwi)
2011 Do Not Forget Me Istanbul、トルコ
2011 Le sac de farine、ベルギー=モロッコ(Kadija Leclere)(撮影中)
2011 Les jeux des nuages et de la pluie、仏(Benjamin de Lajarte)(撮影中)

【出演作/短編】
1998 Histoire naturelle、仏 (Karim Boulila)
1998 Raddem、仏(Danielle Arbid)
2001 Le Mariage en papier、仏(Stephanie Duvivier)セシル・ド・フランス共演
2001 Le Pain、仏(ヒアム・アッバス)
2004 Le Danse eternelle、仏(ヒアム・アッバス)
2005 Sur les traces de Melanie、仏(Laetitia Arlix)
2008 Blanche、仏(Eric Griffon du Bellay)
2008 Fatoush、パレスティナ=独=仏(Hisham Abdel Khalek)
2010 Le temps de la balle

【出演作/ドラマ】
1989 La Nuit miraculeuse、仏
1993 L'affaire JBN、仏- エピソード“Antoine Rives, juge du terrorisme”
1994 Poisson rouge、仏-エピソード“3000 scenarios contre un virus”
1998 Venise est une femme、仏
2000 Mix-cite、仏
2001 Ali, Rabiaa et les autres、モロッコ
2003 Pierre et Farid、仏
2008 Bethune sur Nil、仏
2011 The Promise(英) Episode #1.1~4

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