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254. 憎くてももう一度 <1968/韓> ★★★☆

again.jpg
憎くてももう一度/Love Me Once Again
1968/93min/韓国
メロ、家族
監督:チョン・ソヨン(鄭素影)
出演:シン・ヨンギュン、ムン・ヒ、チョン・ゲヒョン、パク・アム

韓流度 ★★★★★
催涙度 ★★★
官能度 なし

製薬会社社長のシノは釣りをしながら家族と休暇を楽しんでいると、お手伝いさんが、お客さんが来たと言いに来る。渋々家に戻ると、旧友が来ており、「ヘヨンが来るぞ。」という知らせに、シノの顔は強張る。告げられた待ち合わせ場所へと向かうと、へヨンは自分との間にできた子どもを連れて来ていた…。


again2.jpg韓国映画史上最大のヒット作品。あまりの大ヒットに、翌年には続編が、その後も「三編」「大完結編」が作られている。その後4回(映画2回、ドラマ2回)リメイクされている。

1968年「憎くてももう一度」チョン・ソヨン監督
1969年「続・憎くてももう一度」チョン・ソヨン監督
1970年「憎くてももう一度(三編)」チョン・ソヨン監督
1971年「憎くてももう一度・大完結編」チョン・ソヨン監督
1980年「憎くてももう一度 '80」「第2部・憎くてももう一度 '80」ピョン・ジャンホ監督によりリメイク
1999年 テレビドラマ化
2001年「憎くてももう一度2002」パク・ヨンハ主演でセルフリメイク
2009年 テレビドラマ化 パク・イェジン、チョン・ギョウン、チョン・インファ出演

2009年のドラマは私が最もハマった韓流ドラマの一つ。50代の不倫、三角関係をテーマにし、演出も現代版に置き換えられ、かなりドロドロしている。本作はそのオリジナルで、夫の不倫発覚、貧富の差といった韓国王道のストーリが主軸となる。男女の愛憎劇を描かせたら韓国に敵う国はないと思うほど一目を置いてはいるが、本作は王道ストーリーに息子問題が絡み、一層韓国らしい展開になっている。息子ではなく娘だったら、こんなにはヒットしなかっただろう。シノの視点で語られてきたストーリーは徐々に息子ヨンシンの視点へと移行していく。

again1.jpg4年ぶりのへヨンとの再会に彼女との思い出を脳裏に蘇らせていくシノ。回想シーンとして、出会いから別れまできちんと描かれている。妻子持ちだとようやく知った妊娠中のへヨンは1人で育てることを決意し、自らシノの元を去っていた。しかしながら、この時代のシングルマザーへの風当たりは強く、困難を極めたため、息子ヨンシンをシノに育ててもらおうという狙いで“憎くてももう一度”会いに来たのであった。愛人の妊娠を知っていた妻はヨンシンを実子として育てることにしたのが素晴らしい。儒教という背景なのか、不倫をした夫へのお咎めはない。妻はヨンシンを我が子と分け隔てなく育てるが、腹違いの兄弟にはいじめられ、母への思いは募るばかりであった。そんな葛藤を見せるヨンシンの健気な演技は涙を誘う。

結末に触れています。
新しい家族に馴染めないヨンシンを母親は引き取ることにし、機関車に乗る母子を一家が見送るというラストシーンはあまりにも有名。一家にとってはこれで平穏な生活に戻ることができてメデタシなのだろうが、へヨンと息子ヨンシンの行く末が気になるラストシーンでもある。やはり観客もその後が気になり、4作目まで付き合わされてしまったのだろう。“憎くてももう一度”感情が蒸し返されることは間違いない続編がやはり私も気になる。

<鑑賞> KMDbにて7月無料配信 2011/7/17
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(未) Metropia <2009/スウェーデン=デンマーク=ノルウェー=フィンランド> ★★★

metropia.jpg
Metropia
2009/86min/スウェーデン=デンマーク=ノルウェー=フィンランド
アニメ/SF/スリラー
監督/脚本:タリック・サレハ(Tarik Saleh)(長編アニメ映画デビュー作)
声の出演:ヴィンセント・ギャロ、ジュリエット・ルイス、ウド・キアー(Udo Kier) 、ステラン・スカルスガルドアレクサンダー・スカルスガルド、Shanti Roney
言語:英語
IMDb評価:6.1/10

社会度 ★★★
恐怖感 ★★★
閉鎖感 ★★★★




metropia1.jpg石油が枯渇してしまった西暦2024年、架空の都市。ヨーロッパの都市はメトロと呼ばれる会社の巨大な地下鉄網で結ばれている。ロジャーは地下鉄に入る度に変な声が聞こえ、不快感を覚えるため、自転車通勤していた。しかし、使用しているシャンプーのキャラクターそっくりの女性を見かけ、彼女の後をつけて地下鉄に乗ると、“声”が聞こえ始めた。そして、自分はその“声”に支配されていると気付き始める…。

スウェーデン初の大人向け長編CGアニメーション作品で、子供向けの夢と希望に溢れているような甘い展開ではない。ヴィンセント・ギャロを筆頭に、声優としては珍しい俳優たちを集めている。サンダーバードのような人形にリアルな顔立ちは細部まで作り込まれいて表情が不気味で、視覚的にも新鮮なアニメとなっている。ヴィンセント・ギャロ出演で平凡ではないことは容易に見当がつくが、テーマも大人向けで、現実に起こっているかもしれない話だから余計にゾッとする。

本作の監督を手掛けたのはエジプト系スウェーデン人映画監督タリック・サレハ。クレイアニメーターの父親を持つ。ドキュメンタリー映画制作に進み、「サクリフィシオー誰がチェ・ゲバラを裏切ったか?」や、「ギトモー戦争の新しいルール」などのドキュメンタリー映画が有名で、長編アニメ映画初監督作品となる。ヨーロッパでの長編作品は10億円程度が平均予算で、本作のような6億円程度は低予算とされる。しかしながら、北欧一カ国では難しく、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの共同製作に至ったという背景がある。

metropia2.jpg地上は荒廃しきっていて、人気(ひとけ)のない世界。テレビや地下鉄を利用した監視の網が張り巡らされていることに知らずに人々は平然と暮らしている。シャンプー液が脳に浸透すると幻聴が始まり、人々はその“声”にコントロールされるという設定にはゾッとする。シャンプー液が頭皮の毛穴に浸透していく様子もすごいリアルに描かれる。このシャンプーを気に行って使っているロジャーも監視の対象となっていた。監視をし、“声”によって洗脳するのが彼らの目的である。自分の知らない所で大きな監視網が組織的に張られ、監視員たちは働きアリのように働かされ、そこには陰謀が渦巻く。そのことに気付き、ロジャーはこの世界から抜け出そうとするサスペンスになっている。もしかしたら自分も何かの大きい組織の陰謀に巻き込まれているかもしれない…なんて錯覚に陥る怖さがあり、余韻がじわりじわりと残る。

モノクロかと間違えるほど映像はグレーで、内容もダーク。なのに、どこかすっとボケたロジャーのキャラクターがいい。キ●ィーちゃんが効果的に使われているが、許可取ってるのだろうか?

<鑑賞> 2011/7/24

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(未) Nokas <2010/ノルウェー> ★★

nokas.jpg
2010/87min/ノルウェー
ドラマ、犯罪
監督: Erik Skjoldbjærg「Insomnia
脚本:Christopher Grøndahl
出演:Marit Synnøve Berg、Frode Winther Gunnes、Morten Larsen
IMDb評価:6.9/10

緊迫度 ★★
ゴア度 なし


2011/7/20に書いた記事です。まさかノルウェーであんな事件が起こるとは…




nokas1.jpgノルウェー人なら「NOKAS」と聞けばピンとくるらしいノルウェー至上最悪の銀行強盗の映画化。
2004年4月5日、たった20分、11人による組織的な犯行で、およそ1000万USドルが強奪された。詳しくはこちら(ただし、英語)
事情聴取と目撃情報をもとに製作されている。
1994~2004の10年の間で、ノルウェー警察が発砲したのはたったの79発。内48発はこの事件、しかも20分の間で発砲されているというから、どれだけ最悪だったのかがわかる。

観る前にちょっと下調べをと思ってググってみたら、関連記事がわんさかヒット。読みあさってしまったため、展開が丸わかり。組織的な計画的犯行であり、分刻みの綿密な計画がたてられている。ほんとに忠実に再現されてしまっており、映画としての面白さは半減。
ノルウェー人の気質なのか、銃を向けられてものんびり構えている人が多い。「SWATの訓練か?」なんて聞いてくる男性もいたりで、誰もうろたえていない。ハリウッドのような大袈裟で過度な演出もなく、被害者の心理に重点を置いている。

nokas2.jpg組織のリーダーは国際手配となり、ちょうど1年後の2005年4月5日にスペインで逮捕。刑は19年。殺人を犯していないのに重い。

映画や犯行よりもずっと興味深いのが、このリーダー刑務所にいるはずなのに、Facebookやってるんだよね。自己紹介にはNOKAS強盗って書いてるし、本人っぽい。書き込み全てノルウェー語だから全然意味がわからないんだけど、裁判の写真も自分でアップロードし、数日前にもコメントも書き込んでいる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/12

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) The Dark Side Of The Heart <1992/アルゼンチン> ★★

dark side
El Lado Oscuro Del Corazón 
1992/127min/アルゼンチン=カナダ
コメディー、ドラマ
監督:エリセオ・スビエラ(Eliseo Subiela)  
出演:ダリオ・グランディネッティ、Sandra Ballesteros、ナチャ・ゲバラ、マリオ・ベネデッティ
IMDb評価:7.2/10

ブラック度 ★★★★
コミカル度 ★★★
芸術度 ★★★





dark side1ブエノスアイレスに住む売れない詩人のオリビエは、理想の女性を求めてバーやクラブに通い詰め、毎日違う女性をお持ち帰りする日々を送る。ある日、高級娼婦アナとの関係をきっかけに自身を見つめ直すという話。

日本では「トーク・トゥー・ハー」で知られているダリオ・グランディネッティの主演作で出世作。日本公開作はおそらく2本のみで、まだまだ知名度は低いけど、アルゼンチンではものすごい人気俳優。そして、スペイン語圏では有名らしいウルグアイ出身のマリオ・ベネデッティの詩が引用され、ご本人も登場している。本作の評価も本国では高いが、ブラック過ぎて、日本公開が無理だったのには頷ける。

dark side2立派な詩が引用されていて、おそらく“生と性”や“詩と死”をテーマにしている。ちゃんと読み取れば深いんだろうけど、ビジュアル的な刺激が強すぎて内容なんて全く記憶に残らず。半分はベッドシーンなのではと思うほどベッドインの回数が多い。喘ぎ声のリズムに合わせたジェットコースターのシーンがあったり、宙に浮かびあがるシーン(左写真)があったり、演出がすごいコミカル。お持ち帰りした女性がお気に召さなかったらベッドサイドにあるボタンを押して、そのままダストシュートしちゃうシーンもある。
性描写はほとんどないが、性器のオブジェがさり気なくさら~っと登場。オリビエの友人の芸術家のアトリエの入口が女性性器になっており、その入口をくぐると、友人は男性性器のオブジェを造っているという設定。シートもかけずに白昼堂々と作品を個展会場に運んじゃうのも日本じゃ無理だね。コメディーなのに暗くどよ~んとした色味はアルゼンチン映画らしい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/25
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Happy, Happy (原題:Sykt Lykkelig) <2010/ノルウェー> ★★

happy1.jpg
Happy, Happy/Sykt Lykkelig
2010/85min/ノルウェー
ドラマ、コメディー
監督:Anne Sewitsky(長編デビュー作)
脚本:Ragnhild Tronvoll、Mette M. Bølstad
出演:Agnes Kittelsen、Henrik Rafaelsen、Joachim Rafaelsen  
IMDb評価:7.0/10


ブラック度 ★★★
普遍度 ★★★
映像美 ★☆
哲学度 ☆




happy2.jpg妻エリザベスの不倫が原因で、ある一家は都会から田舎に引っ越してきた。すぐお向かいさん家族と仲良くなり、家族ぐるみで付き合うようになる。エリザベスは弁護士であり、向かいの奥さんは元ドイツ語教師で今は専業主婦であった。それぞれ悩みを抱えており、お向かいさんご夫婦が幸せに見えて仕方がなかった。カイヤは1年間も夫婦生活がなく、エリザベスの旦那シグベと不倫関係になってしまう…。

一見幸せそうに見える夫婦も蓋を開けてみると…浮気発覚をきっかけにそれぞれが見つめ直すといった世界共通の
普遍的な悩みを描いている。男性4人組のコーラスが心の声を代弁するかのような歌を歌うのが合間に何度か入る。下ネタ満載なのに、コーラスとのギャップが結構面白かった。

happy_20110712181920.jpg膣カンジダ症という症状を初めて知った。この症状のためにカイヤとエリック夫婦は1年間セックスをしておらず、妻カイヤは欲求不満。都会から引っ越してきたご主人シグベに欲情してしまう。そもそも、シグベは主夫であり、昼間から簡単に行き来できる好条件であった。

子どもたちが学校へ行くと、情事を重ねていく2人。あまりの楽しさに、2人は裸で外へ飛び出し、追いかけっこやら雪合戦までするはしゃぎっぷり。学校帰りの息子に見られていたとは知らずに。
子どもって大人の細かい所結構見てるよね。母親がお向かいのお父さんと外で裸で遊んでるとこ見てしまったら、悩んでしまうのは当然。でも、カイヤは有頂天になり過ぎて、息子が悩んでいることに気付いていない。夫婦間だけではなく、息子との関係ももう少し煮詰めたほうがよかったように思う。
エリザベスは子どもができなくて、黒人の子どもを養子に迎えていた。カイヤの息子に指摘されて初めて黒人に興味を持ち始め、黒人のルーツについて調べ始める。かつて奴隷として白人に仕えていたということにショックを受けていたようだったが、その葛藤も掘り下げた方が良かったように思う。いろんな要素が中途半端に終わってしまって、要点が分散してしまっているのが残念。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/12
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ざくろの色 <1968/旧ソ連> ★★★★ 

nova4.jpg
The Color of Pomegranates
1968/73min/ソ連
ドラマ、伝記
監督/脚本/原案:セルゲイ・パラジャーノフ
編集:セルゲイ・ユトケーヴィッチ
撮影:スウレン・シャフバジャン
音楽:チグラン・マンスウリヤン
出演:ソフィコ・チアウレリ、M・アレクヤン、V・ガスチャン
言語:アルメニア語(詩)
IMDb評価:7.5/10

映像美 ★★★★★
個性度 ★★★★★
民族度 ★★★★★




アルメニア生まれの詩人、サヤト・ノヴァ(Sayat Nova)の生涯を描いた伝記映画。元々は「サヤト・ノヴァ」というタイトルで制作されたが、検閲を受け、短縮版として本作が再編集された。編集が異なる同一作品となるが、オリジナルは散逸したといわれている。

サヤト・ノヴァ(Sayat Nova)(1712-1795)
アルメニア文学史上最大の詩人の一人。サズという弦楽器を弾きながら詩を朗唱する「アシュグ(吟遊詩人)」として比類ない才能を発揮し、グルジアのイラクリ二世に宮廷詩人として迎えられた。甘く官能的な恋愛詩が多い。

nova1.jpgnova2.jpgnova3.jpg


台詞の代わりに彼の詩を織り込み、監督の両親の故郷でもあるアルメニアや周囲国のグルジア、アゼルバイジャンの伝統舞踊を取り入れ、複数の人物を一人の役者が演じ分けるといった古来の演劇手法で展開していく。
なんと女優のソフィコ・チアウレリは、“青年時代の詩人とその恋人”、“ミューズや天使”、“詩人の壮年時代に現れる艶かしい尼僧”の役を一人で演じ分けている。この3枚の写真は同一人物であり、詩人と恋人といったカップルの両人を演じてしまうから驚き。おそらく言われないと気付かない。


nova5.jpgストーリーは8章(詳細は下記)に分かれ、幼少時代から死まで描かれるが、はっきり言って抽象的・心象的で雲をつかむような感覚的作品。しかしながら、色彩感覚や構図の取り方全てにおけるセンスには陶酔。台詞の代わりに彼の詩が朗読され(詩も私には理解不能)、補足説明をするかのように映像が全てを語る。
シュールで刺激的、うっとりするほど官能的、色彩によって表現される“生と死”、不気味なほどの恐怖感。
彼らの民族衣装や動き、小道具、効果音、全てに隙がなく細部までこだわっており、想像力が掻き立てられる映像にはもうため息。

アルメニア教はキリスト教をベースとした派生宗教だそうでむろん馴染みはないが、アルメニアの民族性、精神性が強く出ていると思われる描写の中には、輪廻転生といった東洋にも通ずる概念だったり、日本の能を思わせる動きにも見えるのが不思議。

本作監督後、ウクライナ映画行政局は、既存の映画文法から逸脱した自由奔放な表現を、反ソ連的な危険思想に基づくものと見なし、激しく糾弾。それ以降、彼の書いた10本の映画の企画をすべて却下してしまう。
冒頭で繰り返される「我が生と魂は苦悩の中にある・・・」というモノローグとその後の彼の人生が重なって印象的に心に響く。

ストーリー…
第一章 詩人の幼年時代
 雷雨に濡れた膨大な書物を干して乾かす日常の風景に、染色をする女性達。 まだ幼いサヤト・ノヴァの、書物への愛の芽生えと、子供の目からみるアルメニア人の生活。

第二章 詩人の青年時代
 青年となり、宮廷詩人となったサヤト・ノヴァは宮廷の王妃と恋をする。 サヤト・ノヴァは琴の才に秀で、愛の詩を王妃の為に捧げる。

第三章 王の館
 王は狩りに出掛け、神に祈りが捧げられる。王妃との悲恋は、詩人を死の予感で満たす。

第四章 修道院
 詩人サヤト・ノヴァは修道院に幽閉されてしまい、生涯アルメニア教会の世界で生きることに。 そこにあるのは婚礼の喜び、宴の聖歌、そしてカザロス大司教の崩御の悲しみだった。

第五章 詩人の夢
 夢のなかにはすべての過去がある。 詩人は夢の中で幼い詩人、両親、王妃に会う。

第六章 詩人の老年時代
 詩人サヤト・ノヴァの眼差しは涙に閉ざされ、理性は熱に侵された。心傷つき、彼は長年暮らした寺院を去る事を決意する。

第七章 死の天使との出会い
 死神が詩人の胸を血で汚す、それともそれはざくろの汁か。

第八章 詩人の死
 詩人は死に、彼方へと続く一本の道を手探りで進む。だが肉体は滅びても、その詩才は不滅なのだ。


<鑑賞> 英語字幕 2011/7/11
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253. 月下の共同墓地 <1967/韓> ★★★

bochi.jpg
月下の共同墓地/월하의 공동묘지
1967/87min/韓国
監督:グォン・チョルフィ
主演:ファンへ、パク・ノシク、カン・ミエ、ト・クンボン、ホ・ジャンガン、ジョン・エラン

韓流度 ★★★★
恐怖度 なし
失笑度 ★★★
ゴア度 なし

ハリウッドリメイク公開が2011年夏のはずだけど、どうなっちゃったのかな?





bochi1.jpg時代背景は日本の植民地時代。独立運動で監獄されてしまった兄ハンシクと恋人ハンスを救うため、妹は月香という名の妓生に身を落とす。それを知ったハンシクは妹のために自分が全ての罪をかぶり、恋人のハンスを出獄させた。兄ハンシクの望み通り、月香を嫁にし、元気な男の子を出産するが、月香は病に伏してしまう。その隙に、下女のチャンモはハンスを寝取り、その上医者と手を組んで、月香の毒殺を計画の末、結局は月香を自殺に追い込んでしまう。そして、成仏できない月香が幽霊として現れる…。

韓国古典ホラーの代表作であり、お墓が真っ二つに割れるシーンがあまりにも有名だが、ちょっと期待はずれ。(→ちょっと写真だと見にくい)よく考えてみれば、韓国は土葬だから、日本のような墓石が割れるわけではない。幽霊が出てくる時には赤照明が当てられ、火の玉が出てきそうな効果音といったお決まりの演出。

植民地時代を背景にしているが、ストーリーにはあまり関係なく、反日映画ではない。大袈裟でオーバーな演技がちょっと鼻につく感じで、北朝鮮映画のようではある(もともと同じ国だし、北朝鮮が真似しているのか…)。
60年代の作品なので、ゴア映像はなくホラー映画が苦手な人でも観れる内容。怪奇現象も展開も結末も、大抵想像範囲内。

bochi2.jpg韓国お得意の“女の怨念”を描いた復讐劇であるが、“怨念”というよりは、“下女の嫉妬”のほうが強く描かれ、ドロドロ具合は現代の韓国ドラマに通ずるものがある。墓が割れるシーンではなく、人の亭主を寝取るシーンが最大の見せ場。女は怖いと思う一方、男って…。

「シルミド」のホ・ジュノのお父様ホ・ジャンガンが医者役(写真右)、「セックス・イズ・ゼロ」「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」のパク・チュンギュ のお父様パク・ノシクが兄役として出演。他界しているこの2人が見れただけでも私には収穫。

<鑑賞> KMDbにて7月無料配信 2011/7/16
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ひなぎく <1966/チェコ・スロバキア> ★★★☆

sed.jpg
ひなぎくSedmikrasky/Daisies
1966/75min/チェコ・スロバキア
監督/脚本:ヴェラ・ヒティロヴァー
出演:イヴァナ・カルバノヴァー、イトカ・チェルホヴァー
言語:チェコ語
IMDb評価:7.4/10

隠喩度 ★★★★★
不愉快度 ★★★★★


内容にはあまり触れていませんが、核心・結末に触れています。ご自身の判断で読み進めてください。でも、個人的な意見としては、結末を知っていても楽しめる作品です。


sed2.jpg共産主義体制下のチェコスロバキア。2人の姉妹はお洒落をし、男を騙してご馳走にありつき、喰い尽くす。更にまた違う男を騙す。彼女たちのイタズラはどんどんエスカレートしていく…。

今でもリバイバル上映がされるほど人気があるのは、“ファッションに敏感な女性たちが絶賛”とか“女の子映画”と評されているからだろう。とにかくインテリアとか衣装が可愛いく、色彩感覚やカラフルなフィルター使い、映像の切り替えも60年代とは思えないほどオシャレ。女の子が夢中になるのも納得。しかし、当時のチェコは共産主義。遊び心たっぷりにその体制下で生きる人々の精神性を描き、痛烈に批判しているのは明らか。姉妹2人の奇想天外な行動はメタファー以外何物でもない。

ビキニでのおしゃべり。男たちを誑かす。ダンスクラブへの乗り込み。ベッドカバーをハサミで切る。「死ね。死ね。死ね。」とイタズラ電話。パーティー会場を荒らしたかと思ったら掃除始める。
タイトル「ひなぎく」はチェコの花言葉では“貞淑”。ひなぎくの花輪をしている姉の行動は貞淑とは程遠い。
理解する間もなくテンポよく進み、次から次へとよくもまぁイタズラが思い付くものだと関心させられるが、正直言って、彼女たちの行動は不愉快で怒りさえ込み上げてくる。到底、理解できない少女2人の行動は断片的で、しかも唐突に繋ぎ合わされ、主軸となる一連のストーリーがないが、チンプンカンプンな彼女たちの行動や会話にも強烈な批判めいたメッセージが込められており、ドキッとさせられる。

sed3.jpg時代は共産主義体制。好き放題暴れる自由な2人は資本主義そのもの。周囲の大人たちが彼女たちの行動・存在に気付かないのは、閉鎖的な共産主義に生きる人々の精神性のメタファーだろう。そんな大人たちを横目に、とにかく破壊行為を繰り返す2人。散々破壊した挙句、自身の行動を悔い改めるかのように、掃除や修繕を試みがら姉は言い放つ。
「壊したものを修復する方法はあるの?」

パーティー会場のご馳走を食い散らかし、シャンデリアにまで登って遊んでいると、突然落下。そのまま、戦争の映像に切り替わる。シャンデリアの落下音はミサイルの音に変わり、彼女たちの暴走(資本主義)が戦争を導くことを暗示するかのよう。爆弾投下シーンが幾度となく映し出され、町は破壊されていく。おそらく第二次世界大戦の映像と思われるシーンを見ながら、姉が言い放った「壊したものを修復する方法はあるの?」という問いが頭の中をぐるぐる駆け巡ってくる。

sed1.jpg「踏み潰されたサラダだけを可哀相と思わない人々に捧げる」という監督のメッセージが最後に流れ、幕を閉じる。監督は、1969年から1976年まで活動を停止させられることになったとのこと。戦争の映像で幕を閉じる本作、監督の最後のメッセージ、活動停止になった事実…強烈な印象を残し、監督が本作に何を託したのか、自ずと見えてくる。

監督の言葉を一部拝借。前文はこちら。(難しくて、私は理解できず)
「…誇張は多様ですが、大切なのはその限度を見つけることです。誇張の限度の発見は、目的を生かすためにどれだけ実験をおこなえるかにあります。危険をおかさず探求もしないひとは、失敗しないかわりに発見への希望も見出せません。…」

2人の行動は誇張であり、探求であったのだと納得させられた。限度の発見は、宗教や政治体制に問わず道徳的な問題であろう。自由には責任が伴う。道徳とは何か?現代に生きる私たちには、そんな普遍的なメッセージも込められているような気もした。本作を“究極の女の子映画”と評している人たちには、視点を変えて観直していただきたい。

<鑑賞> ロシア語吹き替え 英語字幕 2011/7/15
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(未) The Escape <2009/デンマーク> ★★★☆

escape.jpg
Flugten/The escape
2009/114min/デンマーク
ドラマ、スリラー
監督:Kathrine Windfeld
脚本:Rasmus Heisterberg、Mette Heeno
出演:イーベン・ヤイレ、ラース・ミケルセン、Faegh Zamani、ソニア・リクターヘンリク・プリップミケール・ビアクケーアSarah Boberg
言語:英語、デンマーク語、アラビア語
IMDb評価:5.9/10

緊迫度 ★★★
社会度 ★★
ゴア度 ★



escape2.jpgアフガニスタンを取材中の女性ジャーナリスト、リッケはタリバンに拉致された。犯行声明文には1日1本の指を切り落とすとあり、その通りに左手の小指を切り落とされてしまう映像がデンマークにも流れる。その役目を任されたのが見張り役のナジールであった。英語ができるナジールはリッケと過ごす時間が多く、情が湧いてしまっていた。彼女の指を切り落とす任務に耐えられず、リッケに石で頭を殴らせ、そのスキに逃げられたという狂言まででっちあげ、リッケを解放させてしまう。
軍事専用機で無事にデンマークへ戻ったが、待ち構えていたのは自力で脱出したことに興味があるマスコミであった…。

テレビドラマを専門とする監督さんで、おそらく映画は初。ラース・ミケルセンの割と最近の映画を3本観たが、本作が一番いい。そして、ナジール役のFaegh Zamaniがとっても印象的。魅力的で綺麗な目がプロットとして使われている。他に出演作がないのか、英語で検索しても本作以外の情報が何もでてこない。人気出そうな、いや、出て欲しい青年。

escape1.jpg1人暮らしのリッケは家に戻ると、心配していた元交際相手トーマスからの留守電が何件も入っていた。戻ったら電話をくれと伝言が入っていたが、一度も返さなかったのは、弱さを見せたくなかったからなのか。一方、トーマスのほうはやっとリッケの大切さに気付いたようで会社にまで押し掛け、復縁を迫る。リッケは妻子がいると知っていながら、トーマスの腕に抱かれながらアフガニスタンでの恐怖に初めて涙するのであった。

ジャーナリストという職業柄、“自力での脱出劇”本を出版することになってしまったリッケ。脱出は狂言であり、もちろん全て嘘で固めた話であり、どうせ真実が明るみになることはないだろうと思っていたのである。ナジールが亡命し、自分を頼りにデンマークに向かっているとは露とも知らずに。

「The Escape」というタイトルなのに随分呆気なく脱出できたと思ったら、タリバンからの脱出劇だけではなく、ナジールが国から逃げてきたこと、不法入国者であるナジールを追ってくる警察から逃げること、そして、真実が明るみになることから逃げること、いろんなescapeが含まれている。

デンマーク映画にはないタイプのスリラーで、展開が全く読めず、“不倫”という嘘や“自力での脱出”という嘘がボロボロと剥がれ落ちてゆく様は面白い。不倫相手に対する奥さんの対応は大人で関心させられた。個人的には不倫話をもう少し膨らまして欲しかったのと、もうちょっと核心に触れたところまで見せて欲しかった。脱出方法は実は狂言だったというのをオチにしても面白かったように思う。なんか一歩足りないのが残念。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/26
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(未) Julia <2008/仏=米=メキシコ=ベルギー> ★★★☆

julia.jpg
Julia
2008/144min/フランス=アメリカ=メキシコ=ベルギー
犯罪、ドラマ、スリラー
監督/脚本:エリック・ゾンカ(Érick Zonca)
出演:ティルダ・スウィントン、ソール・ルビネック、サリー・バーマン、ケイト・デル・カスティージョ
言語:英語、スペイン語
映画祭:第58回ベルリン国際映画祭 コンペ部門出品
IMDb評価:7.0/10

哲学度 ★★
緊迫度 ★★
催涙度 ★



julia1.jpgジュリアはお酒と男にしか興味のないアルコール中毒者。クラブに行っては酔い潰れ、簡単に男と寝てしまう始末。とうとう会社もクビになってしまう。ある日向かいの家の女性と知り合いになり、ある仕事を持ちかけられる。親権を失い、息子を取り戻すために誘拐して欲しいという仕事だった。初めは断ったが、金に目がくらみ引き受けてしまう…。

「天使が見た夢(1998)」(未見)でカンヌ映画祭パルムドールノミネート、主演女優賞をもたらしたエリック・ゾンカ監督の最新作。
アルコールの飲めないティルダ・スウィントンがアル中を演じているが、この演技が素晴らしい。完全にイカレテいて、ふしだらっぷりが見事。今まで全く興味のない女優さんだっただけに、この演技力には驚き。ストーリー展開はよくあるスリラーだが、この強烈なキャラを受け入れられるかどうかで本作の評価は分かれそう。
 
julia2.jpg母親と綿密な誘拐劇の打ち合わせをしている時に、祖父が大富豪だと知ったジュリアは、母親のために誘拐するより祖父から金を巻き上げた方が効率がよいと考え、密かに計画を変更する。たとえ目の付けどころはよくても、毎日がアルコール漬けで、生き方そのものが無計画で無鉄砲。行き当たりばったりの誘拐劇は逆にスリルがあり、肝心な時に酔い潰れたり、行きずりの男と寝てしまったりで、その隙に子どもに逃げられてしまうのではと冷や冷やさせられる。
ジュリアのご機嫌で話がどう転がるかが見せ場で、アル中という設定がうまく活かされている。

子どもを誘拐し、祖父の住むメキシコへ車で向かうロードムービーだが、2時間半という時間がやや冗長に感じられる部分も。途中1時間ばっさり切ってもよかったとさえ思うが、話は意外な方向に向かい、ラスト30分は見応えがある。スペイン語の台詞に字幕はついておらず、スペイン語のわからないジュリアの焦りや恐怖を観ている側も同時に体験させられる。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/11

[サイト内タグ検索] 日本未公開 ティルダ・スウィントン
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252. 晩秋 <1981/韓> ★★

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晩秋/Late Autumn
1981/95min/韓国 
ドラマ、ロマンス
監督:キム・スヨン
脚本:キム・ジホン
出演:キム・ヘジャ、チョン・ドンファン
IMDb評価:2.8/10

韓流度 ★
催涙度 なし
映像美 ★






late2.jpg殺人罪で服役中のヘリムは刑期がまだ2年残っているが、模範囚だったため母の墓参のための特別出獄を許可される。看守付きで江陵行きの列車に乗ったヘリムは、ボックス席である青年ミンギと会い、恋に落ちる。しかし、ミンギは犯罪組織に巻き込まれ、警察に追われており、一緒に逃げようと持ちかける。ミンギの提案を断り、服役終了後の2年後に会うことを約束し、刑務所に戻り刑期を全うすることにする。そして、約束通り待ち合わせ場所へ出向くが、ミンギは警察に捕まり、刑務所に送られたと知る…。

母なる証明」の母役のキム・ヘジャとドラマ「秋の童話」「冬のソナタ」「春のワルツ」でお馴染みのチャン・ドンファンの映画デビュー作となる。2人ともお若い。
late1.jpg
オリジナルはイ・マニが監督を務め、韓国映画史に残る不朽の名作といわれているが、残念ながらフィルムは現存していないため鑑賞不可能。脚本だけ残っておりその後4回リメイクされている。ヒョンビン出演の最新版は11月日本公開予定。

1966年 韓国 『晩秋』    イ・マニ監督 (オリジナル版)
1972年 日本 『約束』    斉藤耕一監督
1975年 韓国 『肉体の約束』 キム・ギヨン監督
1981年 韓国 『晩秋』    キム・スヨン監督
2010年 韓国 『晩秋』    キム・テヨン監督 (ヒョンビン主演)


2人の共通点は“孤独”であり、惹かれ合う様を描くロードムービー。複雑な2人の状況ゆえ、感情を抑えた演技ながら、情熱を燃やす恋物語は晩秋の紅葉でのラブシーンが印象的。裸は代役と思われるが、代役を使ってまでヌードのシーンを入れなくてもよかったように思う。冒頭から哀愁が漂い、ラストは悲壮感が突きつけられる。

日本でもリメイクされているので、おそらく観てる方も多いのでは?
韓国版4作品の脚本はキム・ジホンが担当しており、私が観たキム・ギヨン監督版と本作を比較するとストーリーや設定、構図に大差はなく、対照的な演出に監督のカラーが強くでていると感じる。キム・ギヨン監督版はアレンジをたっぷり加え、ヘリム、看守、祈祷師といった女性に強烈なインパクトがある仕上がりに対し、本作スヨン版は、文芸監督といわれるだけあり、原作を忠実にリメイクしたと言われている。かなり観やすいが、その分、面白味に欠ける。キム・ヘジャの個性もあまりでていない。

<鑑賞> KMDb配信にて 2011/7/10

[サイト内タグ検索] キム・ヘジャ キム・ギヨン監督
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柳の木のように (英題:The Willow Tree) <2005/イラン> ★★★

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柳の木のように/The Willow Tree
2005/96min/イラン
ドラマ
監督/脚本:マジッド・マジディ
出演:パービズ・パラスツイ、ロア・ティムリアン、モハマド・アミル・ナージ
IMDb評価:7.0/10

哲学度 ★★★
映像美 ★★★
催涙度 ★★★

アジアフォーカス・福岡映画祭2005にて上映



willow3.jpg8歳の時の火災により失明したユセフ。今は大学でペルシャ詩を教え、妻と娘と幸せに暮らしているが、37年間、光のない世界で生きている。ある日、具合が悪くなったユセフは病院へ行くが、国内での治療はできないと言われ、叔父の紹介でパリで治療を受けることとなった。より精密な検査をした結果、身体に異常はなく、むしろ角膜移植が可能であることが判明した。無事に手術は成功し、光を取り戻したが、彼の生活は予想外の方向へ…。

「少女の髪どめ」以来4年ぶりとなるマジッド・マジディ監督作品は、映画祭のみの上映。「太陽は、ぼくの瞳(1999)」でも盲人を主人公としているが、本作は珍しく子どもではなく成人男性を主役に据えている。視力が回復したことで変貌する人間性と果てしない欲望を描いている。

willow2.jpg手術を終え、テヘランの空港に着くと、大勢の迎えが来ていた。その中から記憶を頼りに探す老いた母。ガラスに映る自身の顔との対面。初めて見る妻や娘の顔…目に見える物全てを噛み締めるかのようにじっくり見つめ、37年間の空白を必死で埋めようとする。

大学での教師を辞め、自身の経験を活かし盲人学校の教師になろうと学校を訪ねるが、盲人たちの姿を見て自分もこうだったのかと驚愕する。
雪、花、そして叔父の親戚であり若くてキレイな女性パリ。自然と美しいものに心が奪われてしまうユセフ。欲深くなり、盲目だった37年間は全て無意味だったさえ思い始めてしまう。大学教授という地位、長年連れ添った妻…築き上げてきたものを捨て去り、人生を新しくやり直したいと考えるようになる。ずっと献身的だった妻にも冷たくなり、「母親の真似ごとはやめろ」と言ってしまい、妻はユセフの元を去っていく。視力回復したことで開かれようとしていた人生だが、皮肉にも本当に大切なものが見えなくなってしまう。引き換えに失った代償は大きい。

やはり、マジディ作品のラストにはどんでん返しがある。
結末に触れています。
盲目時代の書物や思い出の品、使用していたカバンなどを全て燃やし、人生の再出発を決意したが、回復したはずの視力がまた失れてしまう。泣き崩れるユセフは何を思って泣いているのか。再び失った視力なのか、それとも妻や娘なのか…
手探りで家へ戻り、焼け残った物を今更ながら必死で集める。カバンは焼けずに中庭の池に沈んでいた。ユセフが拾い上げてくれるのを待っていたかのように。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/20
[サイト内タグ検索] マジッド・マジディ監督
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小石川後楽園 訪問記

神楽坂、飯田橋、小石川に用事があり、気付いたらこの炎天下4時間もふらふら。
飯田橋から小石川の途中にあった「小石川後楽園」にふら~っと寄ってみた。
「東京ドーム」のすぐ真横にあるのに驚くほど緑豊かでとっても静かな庭園。
神楽坂付近は学生時代に8年間通い、小石川には13年間もお世話になっているのに、初めての訪問。
入場料は大人300円で、ぐる~っと一周1時間ぐらい。

ちなみに、水戸藩二代目藩主「水戸黄門」光圀が完成させた水戸藩江戸上屋敷内の庭園だそうです。
日本三名園である岡山の後楽園と区別して、「小石川後楽園」と呼ばれている。
国の特別史跡および特別名勝に指定されているそうです。
詳しくはこちら

私が行ったのは7月8日で、七夕祭りも終わってしまい、お花の季節でもなく、半月ぐらい後だったら睡蓮の花が見られたのかと思うと残念だけど、すごく綺麗な翡翠色のカワセミを生まれて初めて見れたので、自分的にはとっても満足。枝垂れ桜や花菖蒲梅の時期を狙ってまた行きたい。

iphone(しかも初代)で撮影のわりには、割と綺麗に撮れたので(自己満足だけど)、少々写真をアップ。

1279_convert_20110712221516.jpg←茅葺屋根の休憩所。

↓かすかに奥に見えるのが東京ドームの屋根。右の建物が東京ドームホテルで、左側は後楽園遊園地のジェットコースターのレーン。遊園地は数か月前の事故のため、まだ休園のようでした。
1277.jpg














↓池につきそうで避けるかのように空へ向かって伸びる枝。すごい生命力を感じた樹。
1272_convert_20110712221747.jpg1287_convert_20110712221639.jpg
←木漏れ日がすごく綺麗。赤い橋の下の川には亀さんが泳いだいた。翡翠色のカワセミがいたのもこの辺。













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251. ヘファ, ドン (原題:혜화,동) <2011/韓> ★★★

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ヘファ,ドン/Re-encounter
2011/107min/韓国
ドラマ
監督/脚本:ミン・ヨングン(長編デビュー作)
出演:ユ・ダイン、ユ・ヨンソク 


韓流度 なし
催涙度 ★★★







re1.jpg18歳高校生の時に妊娠してしまったヘファ。妊娠を知ると交際していたハンスは忽然と姿を消してしまい、ヘファは1人で出産した。しかし、赤ちゃんは出産後亡くなってしまった。月日は5年経ち、ハンスがいきなり現れた。しかも、死んだと思っていた赤ちゃんが生きているという…。

インディペンデント映画のヒット基準といえる、観客動員数1万人の大台を超えた本作。ハンス役の青年は「オールド・ボーイ(03)」で子役デビューしたユ・ヨンソク。ヘファ役のユ・ダインは出演作は多数あるものの、初の主演作品。俳優への固定観念なしに新鮮に観られる。

re2.jpg
1人捨て犬の世話をしているヘファ。かつて恋人に捨てられた自分を癒し、救えなかった赤ちゃんへの罪滅ぼしをするかのようでもあり、切ない。5年ぶりに現れたハンスに「子どもに会いたいだろ?」と言われ、動揺し始める。
「タイトルの“ドン”は、韓国語で子どもを意味する“童”、舞台となった“冬”、心の動きを表す“動”など、さまざまに解釈できるよう、 あえて漢字をあてなかった」と監督は言う。台詞は少なく、地味な演出で、本来韓流映画に多くあるような見え見えの泣かせる演出はないが、自身の母性に気付き、揺れる心の動きを表す“動”を強く感じる演技力には自然と涙が出た。

英題のRe-encounterとは再対峙と訳すべきだろうか。封印してきた5年前の過去との再対峙。その相手は、自分を捨て、憎んできたハンスでもあり、死んだはずの赤ちゃんが生きているという事実でもある。未成年の出産、養子問題、海外留学といった社会問題にも触れており、感慨深い。まだ若いのに母は強し。

<鑑賞> 字幕なしのため、理解度70% 2011/7/5

[サイト内タグ検索] 日本未公開
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西のエデン <2009/フランス> ★★★

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Eden á l' Ouest/Eden Is West
2008/110min/フランス=イタリア=ギリシャ
ドラマ、コメディー
監督:コスタ=ガヴラス(Costa-Gavras)
脚本:ジャン・クロード・グランバーグ
製作:ミシェル・レイ・ガヴラス
出演:リッカルド・スカマルチョ、ジュリアンヌ・コーラー
映画祭:
第59回ベルリン映画祭 クロージング
フランス映画祭2009 上映
IMDb評価:6.9/10

社会度 ★★
映像美 ★★


eden1.jpg密航者たちを大勢乗せた船。彼らは自分たちの身分証明書やパスポートを海に破り捨て、新たな地で人生を歩もうとしていた。その矢先、警備船に見つかり、エリアスとその他数人は危険を回避して海に飛び込んだ。目を覚ますと、そこはエーゲ海の高級リゾート地のヌーディストビーチであった。イスラム圏出身の彼はヌードの女性たちに戸惑うが、保安官の目を避けるため、どさくさにに紛れて自分も服を脱ぐ。脱衣所で他人の服を拝借し、その場を後にしようとするが、その服はホテル従業員の制服であった…。

ホテルの従業員の制服を着ているので、当然のことながら仕事を振られる。フランス語のわからないエリアスは適当に返事を交わし、その場をくり抜けてしまう機転の良さ。社会派かと思いきや、コメディーでいい意味でちょっと拍子抜け。「Z (1969)」や「戒厳令 État de siège (1972)」知られるギリシャのガヴラス監督の最新作であり、過去の作品とは全く異なる作風に驚かされる。
本来、不法入国者を題材にした作品は重々しく、冷たい扱いや彼らの苦悩、現実の厳しさを描く物が多い。しかし、本作では、捨てる神もいれば拾う神もいる。困っている様子を見かねて手を差し伸べてくれる人もたくさんおり、本作ほど不法移民者に対して温かい眼差しを感じた作品はない。

eden2.jpgポケットに札束を入れてくれたのを知らずに財布からお金を抜き取ろうとするところを気づかないフリをし見逃してくれた宿泊客。オープンカフェでお客の残り物を貪りつく姿を一度は怒るが、結局は見逃したギャルソン。みすぼらしい姿を見て可愛そうになり、亡き夫のジャケットをくれたマダム。彼らの優しさは身に沁みたであろう。しかしながら、一緒に船で来た友人たちが死体で海岸に打ち上げられたり、警察に捕まる友人を助けられない残酷な現実にも触れている。工場が低賃金で外国人を雇い、フランス人たちの職を脅かしているというフランス人目線の厳しい現実にも目が向けられている。


パリが“エデン(楽園)”だと信じているエリアスのギリシャからパリまでのロードムービー。行く先々で警官が多いのは、彼が恐れている心境の表れであろう。少々都合よく事が運び過ぎではあるが、そこにはユーモアがたっぷりである。パリはエリアスにとってのエデンになるのか…それとも夢に終わるのか…

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/9
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(未) Kautokeino <2008/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク> ★★★

kautokeino.jpg
Kautokeino - Opprøret
2008/96min/ノルウェー=スウェーデン=デンマーク
ドラマ、歴史、アクション
監督/脚本:ニルス・ゴープ「ホワイトウイザード(1987)」
出演:アンニ=クリスティーナ・ユーソ「ククーシュカ ラップランドの妖精 」ミッケル・ゴープ「ホワイトウイザード(1987)」、ミカエル・パーシュブラントミカエル・ニクヴィスト、ニコライ・コスター・ワルドー
受賞:ノルウェー・アカデミー賞(アマンダ賞)主演女優賞、撮影賞、衣装デザイン賞
IMDb評価:7.0/10

社会度 ★★
ゴア度 ★★
映像美 ★★★



kautokeino1.jpgノルウェーでは政府により同化政策が行われていた。1852年、サーミ人が多く住むスカンジナビア半島の北端カウトケイノという町でサーミ人が一斉に立ち上がり、搾取・抑圧してきた商人や政府を殺害する事件が起こった。本作はその「カウトケイノの反乱(または反逆)」を描いた映画である。

男たちは酒場でたむろをし、ツケで飲むのを習慣としている。労働放棄、アルコール中毒、酒絡みの喧嘩も尽きず、エレンや他の妻たちは困り果てた末、宗教の力で男たちの酒を断たせることにした。しかし、酒場には客足は途絶え、店主は異教の教えで再び客を巻き返そうとする。そこへやってきたスウェーデン人牧師によって、不当な利子を要求されるようになってしまった。借金返済できない者たちは返済の代わりにトナカイを射殺されてしまう。そして対立が始まってしまう…。

kautokeino2.jpgホワイトウイザード(1987)」以降、サーミ人監督が再びサーミ人について描いた作品。概要を全く知らない外国人にはわかりにくいのが難点でもあるが、ノルウェーの歴史の一端を知ることができたという意味では価値の高い映画。ノルウェーではかなりヒットしたという記事を観た。出演者のアンニ=クリスティーナ・ユーソとミッケル・ゴープもサーミ人である。

テント住まい、独特な衣装、トナカイの放牧、トナカイのソリでの移動。独自の方法で生活を営む先住民サーミ族の生活の様子が詳しく描かれる。極寒という気候や貧困といった環境がそうさせているのか、生活にゆとりや余裕はない。
宗教問題、借金問題、民族差別、権力による抑圧といった問題は現代にも通ずる。150年経った今も結局は何も変わっていない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/22

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2011年 上半期 My Best 25作品

2011年上半期に観た映画は154本。その中から選ぶMy Lanking25作品です。
私の評価基準はブログタイトルのとおり“Movies that make me think(考えさせてくれる映画)”かどうか。
鑑賞直後に感じる“面白さ”は基準対象外になります。★評価ともリンクしていません。

*韓国映画*
1位:2度目の愛 <2007/米=韓>
2位:豆満江 <2010/韓=中=仏>
3位:キムチを売る女 (原題:芒種) <2005/韓>
4位:烈女門 <1962/韓>

*韓国映画以外*
1位:XXY <2007/アルゼンチン=仏=スペイン>
2位:エッセンシャル・キリング <2010/ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー>
3位:(未) Incendies <2010/加=仏>
4位:(未) Polytechnique <2009/加>
5位:頭のない女 <2008/アルゼンチン=西=仏>
6位:(未) When We Leave (原題:Die Fremde) <2010/独>
7位:(未) Dry Season (原題:Daratt) <2006/チャド=仏=ベルギー=オーストリア>
8位:カランチョ <2010/アルゼンチン=チリ=仏=韓国>
9位:(未) Even The Rain <2010/西=仏=メキシコ>
10位:(未) Inhale (原題) <2010/米>
11位:長い旅 (原題:Le Grand Voyage) <2004/仏>
12位:(未) White Material <2009/仏=カメルーン>
13位:蜂蜜 (原題:Bal) <2010/トルコ=ドイツ>
14位:(未) ragonflies <2001/ノルウェー>
15位:菖蒲 <2009/ポーランド>
16位:ブルーバレンタイン <2010/米>
17位:コスモス <2010/トルコ=ブルガリア>
18位:オフィシャル・ストーリー <1985/アルゼンチン>
19位:(未) If I Want To Whistle, I Whistle <2010/ルーマニア>
20位:127時間 <2010/米>
21位:(未) The Station Agent <2003/米>

番外編として、
*映像美ランキング*
1位:(未) Valhalla Rising <2009/デンマーク>
2位:(未) The House of Sand <2005/ブラジル>
3位:エッセンシャル・キリング <2010/ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー>
4位:(未) Bab'Aziz <2005/チュニジア=イラン=仏>
5位:(未) I Am Dina <2002/スウェーデン=仏=ノルウェー=独=デンマーク>
6位:夏の終止符 (原題:How I Ended This Summer) <2010/露>
7位:コスモス <2010/トルコ=ブルガリア>
8位:蜂蜜 (原題:Bal) <2010/トルコ=ドイツ>
9位:マイ・オンリー・サンシャイン <2008/トルコ=ギリシャ=ブルガリア>
10位:(未) North <2009/ノルウェー>
11位:(未) Dragonflies <2001/ノルウェー>
12位:(未) Nothing Personal <2009/オランダ=UK>

韓国映画のみのブログとして始めた本ブログ。
観る本数が減っているのも確かだけど、なかなか自分好みの作品に出会えずほとんど途中挫折。
原因は自分の語学力の低下にあるのかも。(大学で第2外国語だった)ロシア語と(独学してて挫折した)スペイン語を始めてしまい、韓国語に触れる時間が圧倒的に激減してるんだよね。ちょっと頑張って韓国映画増やしていきたいと思ってます。
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[ 2011/07/09 15:53 ] My Lanking & List | TB(0) | CM(4)

パサジェルカ <1961/ポーランド> ★★★★

pasazerka.jpg
Pasazerka/Passenger
1963/64min/モノクロ/ポーランド
ドラマ、歴史
監督/脚本:アンジェイ・ムンク
出演:アレクサンドラ・シュロンスカ、アンナ・チェピェレフスカ、ヤン・クレチマル 
受賞:カンヌ映画祭 国際映画批評家連盟賞、栄誉賞
ヴェネツィア映画祭 イタリア批評家賞
言語:ポーランド語、ドイツ語
IMDb評価:7.7/10

社会度 ★★★★
ゴア度 ★★
緊迫度 ★★★
オリジナル度 ★★★★★




pasazerka2.jpg第二次世界大戦中アウシュヴィッツ強制収容所の看守だった女性リーザは、戦後結婚し、船で新婚旅行に向かおうとしていた。すると、船中には、強制収容所にいた囚人マルタによく似た女性を見つける…。

ワルシャワ蜂起にも参加したというアンジェイ・ムンク監督。本作完成前に交通事故で亡くなってしまい、同世代の友人たちが監督の意を継いで仕上げた未完の遺作。回想部分はほぼ取り終え、残っていた船中でのシーンはスチールで補足されている。尻切れトンボとも言えるかもしれないが、逆に暗示的な終わり方になっている。

前にも他の記事で書いたことがあるが、好き嫌いと良し悪しが一致するとは限らない場合がある。ポーランド映画の多くはいい作品が多いが、好きかどうか聞かれると答えに詰まってしまうものも少なくない。本作は間違いなく秀作であるが、また観る勇気はない。

pasazerka1.jpg隠していた自分の過去(アウシュヴィッツ強制収容所の看守だったということ)を夫に独白するという形でストーリーは進んでいく。回想シーンは実際にアウシュヴィッツでロケを敢行している。残酷な迫害も当たり前の光景であるかのようにさらっと描かれるが、主観的ではなく冷徹である。強烈な説得力がある。
支配者リーザと被支配者マルタ。絶対的な関係であるが、リーザはマルタには人間的な対応を心掛けていた。しかし、マルタは常に反抗的であった。結果としてマルタを屈服させようと取った行動が自分を苦しめることになる。彼女との出来事をひとつひとつ思い返し、愛憎や罪の意識などの心理的葛藤や混乱を掘り下げていく。

リーザはマルタに対し人間的な対応をしているつもりではあったが、実際はそうではなかったのだろう。リーザの意識とマルタの受け取り方は全く異なる。やはり人間は正当化するのである。船中で見かけた女性がマルタなのか否かはどうでもいい。題材や映像はかなり重いが、ふとした瞬間で不意に思い返される封印していた記憶や罪の意識を巡る普遍的な人間心理を描いているといえる。

<鑑賞>シネフィル・イマジカの録画にて 2011/6/25
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(未) In The Beginning <2009/仏> ★★★★☆

begin.jpgÀ l'origine/In The Beginning
2009/130min/フランス
ドラマ
監督/脚本:グザヴィエ・ジャノリ(Xavier Giannoli)「情痴 アヴァンチュール(2005)」
出演:フランソワ・クリュゼ、エマニュエル・ドゥヴォス、ジェラール・ドパルデューヴァンサン・ロティエ
映画祭:第62回(2009)カンヌ映画祭パルムドールノミネート
セザール賞 助演女優賞
IMDb評価:7.4/10

哲学度 ★★★
社会度 ★★★
緊迫度 ★★★

2009年のパルムドールノミネート20作品のうち、3作品が日本未発表になっている。本作はその一本。個人的にはこれぞカンヌ!という印象を受けた作品。


begin2.jpg詐欺師ポールは出所後、北フランスに建設途中の高速道路を見つける。町は、地域産業活性化の期待を寄せていたが、カブトムシ保護運動によって建設は中止になっていた。そこへポールはフィリップと名乗り、とある建築会社のマネージャーだと偽り現れたのである。市長を始め、住民たちまでもが疑うことなく信じ込み、大掛かりな工事は失業率回復にもつながり、再起をかけようと町が立ち上がる…。

実話を基にした話で、最初は半信半疑だったが、まず日本では絶対にあり得ない。日本人はちゃんと名刺交換し、どの役職なのかを重要視するのに対し、ヨーロッパは意見交換を交わしながら顔と名前を印象付けているビジネス方法だったりする。私の場合は、アジア人女性ってだけで一発で覚えてもらえるが、逆にこっちは記憶するのが大変だったり。日本企業では、たかが回覧板程度でも何人ものサインが必要だと聞く。私がいた会社は1億円程度なら、自分とボス2人のサインだけで取引完了となってしまうケースもある。名刺交換しないまま、その人への信頼だけで商談に入るケースも珍しくないので、やっぱり実際にあったと聞いて疑う余地はない。

begin1.jpgポールがなぜ専門知識を要する現場マネージャーという仕事を選んだのか、わからなかったが、会社仕様の便箋や書類は偽装し、素人には判別できないほど巧妙。しかし、ポールはおそらく建設に関する予備知識を兼ね備えてなく、部下に適切な指示を仰げないでいる。重機レンタルに関する契約条件、労働者たちとの契約条件も把握していない。怪しいと感じる場面はいくらでもあったが、関係者たちは歓喜のほうが大きく、詐欺師であることに誰も気付かない。それがもどかしく、ハラハラさせられる。

詐欺師でありながら、人々には感謝され、複雑な心境のポール。抑制された演技には葛藤がみられる。サイドストーリーとして描かれる女性市長とのロマンスもいい。人々に感謝され、必要とされることで人間性が変わり、騙していることへの罪悪感が芽生え、詐欺というよりは使命感で建設を終えようという意気込みに変わってきている。失業問題、地域活性化、環境破壊、人間のモラル。いろんな要素が含まれていて、かなり見応えがある。

登場する重機や建築資材の多さに圧倒される。地味になりかねない建築現場のシーンはスピード感のある演出で、重機の使い方が見事。マニアックで退屈になりかねないシーンに深みを持たせている。フランス以外に韓国製の重機が多かったのが少々気になった。日本製が使われていないことも不思議。

結末に触れています。
高速道路完成前に詐欺師とバレてしまい、ポールはこの町を後にした。しかし、高速道路は無事完成し、今も実際に使われているという。そして、ポールの行方はわからないとのこと。
その後、町は活性化したかはわからない。しかし、雇用に関しては、この建設のお陰で仕事にあやかった人は多かったはず。それでも詐欺師といわれてしまうのだろうか。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/5

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(未) Joanna <2010/ポーランド> ★★☆

joanna.jpg
Joanna
2010/ポーランド 
ドラマ、戦争
監督/脚本:フェリクス・ファルク(Feliks Falk)
出演:Urszula Grabowska、スタニスワヴァ・チェリンスカ、キンガ・プレイス
受賞:ポーランド・アカデミー賞(イーグル賞)主演女優賞、助演女優賞
言語:ポーランド語、ドイツ語、フランス語
IMDb評価:6.6/10

ゴア度 なし
社会度 ★★★
緊張感 ★




joanna1.jpgナチス占領下のポーランド。ユダヤ人のローザと母親は喫茶店を出ようとするとある男性に話しかけられた。子どもに聞かせたくない話だと思い、ローザには教会で待つよう指示する。喫茶店で働くジョアンナは勤務後、教会へお祈りにやってくると、1人母を待つローザを見つける。喫茶店でローザの母とある男性が話をしていたのを知っており、一緒に母親の行方を探してあげることに…。
joanna2.jpg



母親が見つかるまでローザを引き取ることにしたが、ユダヤ人の子どもを匿っていることを知られるわけにもいかず、孤児院でボランティアの仕事をしていると嘘をつき、親戚から子ども服や人形といったものをかき集める。両親にもほんとのことが言えず、人目を気にし、独特な緊張感が走る。
ジョアンナの夫は戦争に行ったきり安否がわからないままだった。希望を捨てずに待ち続けていたが、やはり誰かの支えを必要としていた。見ず知らずの子どもでも救うことで、自身の存在意義を見出そうとしていたのかもしれない。ローザもまだ小さいのに事情を理解しており、子どもらしい無邪気さがない。かわいそう。

裏切りや密告、拷問シーンもあるが、深くは追究されていない。戦争経験がない若い世代の方が監督かと思いきや、今年70歳の方。全てが想定内に収まっており、なぜ今さらこの程度の内容のものを製作したのか頭をかしげてしまう。想像力に委ね過ぎているところがあり、真実を伝える気迫とか使命感みたいのが伝わってこない。
ポーランド映画や戦争映画をあまり観ない人対象といった作りで、アンジェイ・ワイダが苦手な人には観やすいのかも。それなりに楽しめたが、私の満足度は低い。はっきり言って、「カティンの森」を観た方がいい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/5
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) The Girl <2009/スウェーデン> ★★

girl.jpg
Flickan / The Girl
2009/90min/スウェーデン
ドラマ
監督:Fredrik Edfeldt(長編デビュー作)
出演:Blanca Engstrorm、Shanti Roney、アニカ・ハリン
脚本:Karin Arrhenius
受賞:
第59回(2009)ベルリン国際映画祭 特別賞賛
スウェーデンアカデミー賞 撮影賞
IMDb評価:6.8/10


普遍度 ★★★
映像美 ★★★




girl2.jpg家族一家(両親、兄、妹)は夏休みのアフリカ旅行を計画していた。少女は予防注射まで受け楽しみにしていたが、10歳は入国できないことを直前に知り、伯母に預けられ、留守番することになってしまった…。

舞台は1981年、何も起こらないスウェーデンの片田舎。少女に名前はない。過剰な演出を抑えることで、国籍問わず誰しもが共感できるような普遍的な内容にしているのだろう。異性への関心、肉体的な成長への戸惑い、アイドル(ABBA)への憧れ、大人への悪巧み…誰しもが通ってきた少女の成長期である。

girl1.jpg
湖でのプール教室はなんとも北欧らしい。伯母と英語で会話するあたりもスウェーデンの英語レベルの高さがうかがえる。ABBAの音楽以外、時代や国を特定できてしまうような要素がほとんどなく、誰しもが共感できると書いたが、逆に退屈な点でもある。10歳の少女の行動範囲内での出来事なので、子どもには大事でも大人にははっきり言って何も起こっていないに等しい。
預けられた伯母はまだ若く独身。彼氏に夢中で、姪っ子の世話どころではない。結果的には1人でのお留守番となってしまった少女。何も起こらないながらも、一歩一歩成長していく様子は見られるが、感情移入までには至らず。


<鑑賞> 英語字幕 2011/6/25
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ShantiRoney
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(未) Eyes Wide Open <2009/イスラエル> ★★★

eyes.jpgEyes Wide Open/Einayim Petukhoth
2009/91min/イスラエル
ドラマ
監督:Haim Tabakman
脚本:Merav Doster
出演:Zohar Shtrauss、ラン・ダンケル(Ran Danker)、Tinkerbell
IMDb評価:7.2/10

2009年 カンヌ映画祭 ある視点部門正式出品

宗教度 ★★
不快感 なし
映像美 ★★
哲学度 ★



eyes2.jpgミーハーな動機で観たものに関してはその人への興味だけで満足してしまうことが多く、記事にすることはほとんどないのですが、本作は、カンヌ出品作品で宗教絡みの話なので観て損はないという表向きの動機もあるけど、本音はRan Dankerという俳優目当てで鑑賞。結論から言うとミーハーな気持ちで観るのは失礼なほど真面目で重厚な作品だった。
カンヌ出席時の写真(右写真)をネットで見た時、「(V6の)岡田君、かっこよくなったなぁ。」と見間違えてしまったほどの極似。まだ映画出演は3本で、日本公開作はない。

舞台はエルサレム、ユダヤ教超正統派のコミュニティ。アーロンは妻子とつつましく暮らしている。父親の死後ショックで閉めていた肉屋を久しく開き、アルバイトの募集の張り紙を張り出した。そこへ、神学校の生徒だという青年エズリが電話を貸して欲しいと立ち寄る。話を聞いてみると、友人と連絡が取れず、行き場を失ったという。肉屋の2階の倉庫に寝泊まりさせてあげる代わりに、仕事を手伝ってもらうことにした…。
 

eye3.jpg

登場する男性たちは、黒い帽子に黒いスーツ、長い髭に長い横髪といった超正統派の特徴でもあるスタイル。集会やお祈りといった宗教独自の生活習慣も興味深い。私には宗教的知識とそれらの英語力が不足してるため、かなり聞き落としている箇所があるが、普遍的な恋愛映画として観ることができる。

実は、肉屋の主人である既婚中年男性アーロンと学生エズリの同性愛を描いた作品。宗教上、同性愛はご法度であり、小さいコミュニティーで隠しごとはできず、すぐに関係が知れ渡ってしまう。劇的な展開はなく、想定内での展開に収まってしまっているが、宗教と恋愛のジレンマで微動する心の揺れがよく描かれている。白黒の衣装同様に色彩のトーンも抑えられ、演出も淡々としているが、ラブシーンだけは情熱的。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/1
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ラン・ダンケル
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250. 豆満江 <2010/韓=中=仏> ★★★★★

dooman.jpg
Dooman River
2010/90min/韓国=中国=フランス
ドラマ
監督/脚本:監督/脚本:チャン・リュ(またはチャン・リュル)
出演:Jian Cui、Lan Yin、Jin-Long Lin
言語:朝鮮語
IMDb評価:6.9/10

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2010で上映

衝撃度 ★★★★
社会度 ★★★
余韻度 ★★★★★
映像美 ★★


dooman3.jpg12歳の少年チャンホは、中国と北朝鮮の国境に近い豆満江沿いの朝鮮族が住む村に、祖父と姉の3人で暮らしている。母は韓国に出稼ぎに行っている。豆満江は冬になると凍結し、歩いて渡ってくる脱北者を常日頃見てきている。ある日、病気の妹のために食べ物を求めて川を行き来する同い年の少年ジョンジンと仲良くなる。家で食事をさせてあげると、サッカーが得意だからと、お礼に試合に出て勝たせてくれると約束してくれたが…。

豆満江とは、中国と北朝鮮の国境に位置する川。川の両サイドに住む人々は元々は同じ民族であり、同じ言葉(朝鮮語)を話す。彼らにとって川は何を意味するのか。運命を結びつけるかのようでもあり、分け隔てるかのように凍てつく川。中国に住む朝鮮族の少年チャンホの視点から両国の現実の厳しさや深刻で残酷な状況を冷徹に見つめる。朝鮮族出身の監督の出自をもとに構想を練ったという。チャン監督が描くことに意義がある作品である。

キムチを売る女」同様、中国に住む朝鮮族の生活ぶりが丁寧に描かれている。彼らの生活も決して裕福ではないが、隣の芝生は青く見えるのだろう。冬は凍結し陸続きになるため、北朝鮮からの脱北者が絶えない。凍結した川に横たわる人を見つけ、「息してないね。行こう。」と言い放つ子どもたち。この村での凍死は決して珍しい光景ではなく、死に対して麻痺してしまっている恐ろしい現実。他作品同様、台詞は最小限で多くを語らないが、映像の力に圧倒される。

dooman2.jpg日本で報道される“脱北問題”で中心になるのは“脱北者”であって、朝鮮族や子どもの様子が報道されることはない。悲しいのは、繊細で純粋な子どもたちの心も凍結した川のように凍ってしまっているという現実。サッカーの交流が唯一の救いかもしれない。“北朝鮮”の少年と“朝鮮族”の少年の交流は、国籍の違いや差別、偏見はない。しかし、この村にも難民が増え、朝鮮族の生活が脅かされ、少年たちの友情にも亀裂が入り始めてしまう。子どもなりの解決法を探るが、結末は想像をはるかに超える衝撃をむかえる。しかし、そこには監督の故郷や少数民族への温かい眼差しと平和への強い願いが込められている。

印象的なのが、認知症のおばあさんの存在。本作では唯一の素人さんではない俳優さんだそうだ。おばあさん曰く、かつてこの川には橋がかかっていたという。当時は自由に2国間を行き来できたのだろう。認知症になった今でもおばあさんが想いをはせる橋。人々の心も繋ぐ橋が掛けられる日は、いつか訪れるのだろうか。

教師、作家出身の映画監督であることから、しばしイ・チャンドン監督が引き合いに出される。「キムチを売る女」を観た時も感じたが、展開や作風、発想はむしろキム・ギドク監督に近い。少ない台詞を補う映像には、頭をフル回転して考える必要があり、余韻に振り回される。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/6/22
[サイト内タグ検索] チャン・リュ監督
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(未) Polytechnique <2009/加> ★★★★★

poly.jpgPolytechnique
2009/77min/カナダ
犯罪、ドラマ、歴史
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)「灼熱の魂(原題:Incendies)
脚本:Jacques Davidts
出演:カリーヌ・ヴァナッス(Karine Vanasse)、マキシム・ゴーデット(Maxim Gaudette)
言語:フランス語
受賞:
ジニー賞(カナダ・アカデミー賞)作品賞、監督賞、編集賞、撮影賞、主演女優賞、助演男優賞など過去最多受賞
カンヌ国際映画祭2009 監督週間で上映
IMDb評価:7.3/10

衝撃度 ★★★★
ゴア度 ★★

2011年第83回米国アカデミー賞 外国語映画賞にノミネートされた「灼熱の魂(原題:Incendies)」と同監督の前作。
カナダ・アカデミー賞といわれるジニー賞では、本作と「灼熱の魂(原題:Incendies)」において2年連続で作品賞、監督賞などを受賞。

poly1.jpg事実を元にしており、事件そのものの結末に触れています。事件内容を知りたくない方、鑑賞予定の方はご自身の判断で読み進めてください。
自宅で手紙を書く若い男性。フェミニズムへの敵意、政治的な理由による自殺をほのめかす内容であり、遺書とも取れる。その後、男性はライフルを持ってある大学へ向かう。講義中の教室へ乱入し、男性は外へ出し、女子学生だけ残し、銃を乱射。その後、カフェテリア、廊下などでも犯行を続けていく…。

1989年12月、大学内で起きた銃乱射事件(モントリオール理工科大学虐殺事件)を映画化したものである。ターゲットは女子学生、死亡者は14人、負傷者14人。犯人は犯行後自殺というのが事件の結末である。
詳しくはWikipedia
poly2.jpgWikipediaには、犯人は“フランス系カナダ人の母親とアルジェリア人の父親の間に生まれ、子供の頃から父親に肉体的な虐待を受けるとともに、徹底した女性蔑視の思想を植え付けられた。”と書かれている。劇中、犯罪心理に大きく影響していると思われている犯人の生い立ちには一切触れず、監督の主観も含まれない。事件後、警察の対応を非難する声も上がっていたが、やはり劇中では触れていない。エンジニアを目指す女子学生Valérieと、その友人の男子学生Jean-François の被害者視点から事件を追っていく。事件そのものを忠実に描くだけではなく、被害者の後遺症にも重点をおいており、監督の真意はここにあると思われる。
男子学生Jean-Françoisは無傷だったが、良心の呵責のせいか事件後自殺を図り、数年後もなお心的外傷に悩まされるValérieの姿も描かれている。事件の真相を知っていても、強烈な後味の悪い印象を残すエンディングとなっている。私自身、工学系大学に進みエンジニアを志し、女性のいない職種で男性たちと肩を並べようと奮闘した者として、女性軽視思想に恐怖も感じるし、同じ志を持つValérieには同情心でいっぱいになった。

しかしながら、次作「灼熱の魂(原題:Incendies)
を観た時も感じたが、理路整然とした展開運びには、数学の(証明)問題を解き終えたような爽快感や気持ちよさすら覚えた。モノクロで色彩が抑えられているからか感傷的になっていないところもいい。私にとって2作目にして好きな監督上位に食い込んでくるほど。作家性の強い監督さんより、こういう計算理論的な監督さんのほうが性に合っていると再認識。

<鑑賞> 英語字幕 2011/6/30
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