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ウェイバック 脱出6500km <2010/米> ★★

2012年9月8日公開予定

the way back
The Way Back
2010/133min/アメリカ=アラブ首長国連邦
アドベンチャー、ドラマ
製作/監督/脚本:ピーター・ウィアー
原作: スラボミール・ラウィッツ
出演:ジム・スタージェス、コリン・ファレル、エド・ハリス、シアーシャ・ローナン、マーク・ストロング、ドラゴス・ブクルグスタフ・スカルスガルド
IMDb評価:7.3/10

自然美 ★★★
哲学度 ★
社会度 なし
余韻度 なし
感動度 なし
スリル度 なし


the way back1時は第二次世界大戦。ポーランド兵士のヤヌスはスパイ容疑をかけられていた。ソ連兵に脅迫され妻は嘘の証言をしてしまい、シベリア強制収容所に送られてしまうが、収容所で出会った人たちとの脱出を図る…。

監督は「今を生きる」「刑事ジョン・ブック/目撃者」の名匠ピーター・ウィアー。スラボミール・ラウィッツ手記小説「脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち」の映画化である。
出演は「ラスベガスをぶっつぶせ」のジム・スタージェス、コリン・ファレル、エド・ハリス、「ラブリーボーン」「つぐない」のシアーシャ・ローナン。

the way back2第二次世界大戦中といえど、戦争の様子や尋問、拷問のシーンはほとんどない。収容所といっても、檻に囲まれているわけではない。脱獄しても、極寒のシベリアでどうせ生き延びれないから、平地にただポツンと収容所が建っているだけなのである。それでもヤヌスは脱出を図ることにした。逃げることは容易であり、シベリアからインドまでの4000キロに渡るサバイバルをメインに描いているのだが…

どうも演出が甘い。任務中も人がバタバタと凍死する環境であるのに、脱獄してから環境が緩やかに見えてしまう。南東へ向かっているのだから、寒さは和らぎ雪も解けてくるのはわかるが、少々過酷なハイキング程度にしか見えず過酷さが全く伝わってこない。本人が本を書いているのだから生き延びたのは分かりきっている。タイトルを見れば、シベリアからインドまで歩いたこともわかる。どうサバイバルしたのかが見せ場であるのだが、苦労が見えない。そもそもなぜインドを目指したのかもわからない。

極限の環境であるのにも関わらず、仲間意識が強く、相手を思いやる気持ちばかり強く、美化しすぎ。仲間割れといった醜い骨肉の争いもない。リアルさが感じられないのも演技ではなく演出のせいだろう。俳優の持ち味も引き出し切れていない。コリン・ファレルのこんなに存在感の薄い作品、初めて観たよ。エド・ハリスも大好きな俳優さんだけど、なんだかなぁ。名匠ピーター・ウィアー監督にしてはお粗末すぎる。どうせなら、もっととことん感動系にしたほうがよかったのでは?
ロシアの農夫、モンゴルの遊牧民、チベット族、紅茶栽培風景の登場でその土地特有の自然美は楽しめる。

<鑑賞> 2011/10/27

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265. 愛してる、愛してない <2011/韓> ★★★★

愛してる
愛してる、愛してない/사랑한다, 사랑하지 않는다
2010/韓国
ドラマ
原作:井上荒野(いのうえあれの)「帰れない猫」
監督:イ・ユンギ(監督5作目)
出演:イム・スジョン、ヒョンビン、キム・ジス、キム・ジュンギ、キム・ヘオク、ハ・ジョンウ


共感度 ★★
哲学度 ★★
社会度 なし
余韻度 ★★★



日本に出張に行く彼女ヨンシンを空港まで見送る車内、ヨンシンは平然と「家を出ていくわ」と切り出す。ある程度予測していたのか、「新しい男ができたのか?」と聞き返す彼氏ジソクに対し、ヨンシンは「知ってたでしょ」と切り返す。ヨンシンの新しい彼氏が迎えに来る日、ジソクは彼女のために最後のおいしコーヒーを入れてあげる。そして、大事にしていたマグカップを丁寧に梱包し、荷造りを手伝う。最後の食事のためにレストランを予約したが、猫が家に迷い込んでしまい、それを理由に家で過ごすことになった。そして、夕食にパスタを作り始めたが…。

愛してる1本国よりもヨーロッパで高評価のイ・ユンギ作品。平 安寿子「アドリブ・ナイト」「素晴らしい一日」に引き続き、日本の小説を原作としている。出演はほぼ2人のみ。(私が大好きでお目当てのハ・ジョンウは声のみの出演だった。)演技力なしでは到底間が持たない危険をはらんでいるわけだが、非常に奥深い作品に仕上がっている。演技に定評のあるイム・スジョンはもちろんのこと、ヒョンビンがここまでやるとは驚いた。本作を最後に入隊してしまったが、除隊後の活躍には注目したい。

顔色を覗うとか行間を読むといった監督独特の間が重要な役割であり、監督のスタイルを知らずにヒョンビン目当てで観てしまうと多くの人が睡魔に襲われてしまうでしょう。別れを切り出す序盤の車のシーンを過ぎてしまうと、台詞は極端に少ない。舞台となるのは2人が暮らす家の中のみで、生活音しか聞こえない。ラジオやテレビから流れるニュースもストーリーに関連しており、聞き逃せない。

荷造りをしながら共有した空間や思い出に思いをはせる2人。アルバムなど効果的に使い、回想シーンに頼ることなく2人が寄り添った月日を感じさせる演出がなされている。一度は別れを切り出したものの、「愛してる、愛してない、愛してる、愛してない…」と自分に問いかけ、答えを出そうとしているヨンシンの葛藤が静かに描かれる。

愛してる2タイトルの日本語訳は“愛してる、愛してない”が自然だが、サランヘヨ(사랑해요)ではなく、サランハンダ(사랑한다)が使われているところに注意すべきだろう。直訳は、“愛してるんだ、愛してないんだ”のほうが近い。「愛してる、愛してない…」と花占いで花びらを一枚づつめくるのではなく、「愛してるんだ。いや、愛してないんだ。いや。愛してる。…」と自身に言い聞かせ、もう一度思い悩む姿が感じ取れる。

声を荒立てて怒ることなく、いたって冷静なジソク。共に過ごす最後の日をいい思い出にしようと取り繕っていたように思う。一方、引き止めてもくれないジソクへの苛立ちを隠せないヨンシン。女って否定して欲しくて思ってもいないことを口走ってしまうことがよくある。「好き」って言って欲しくて、わざと「嫌いになった?」って聞いてみたりね。男女の違いがよく表現されているのが興味深い。

2人の沈黙を埋めるかのように降り続ける雨が切ない。原作「帰れない猫」(未読)の名残を感じさせるかのように猫も登場し、ヨンシンの心境を暗示させ、結末は観る側の解釈に委ねている。

印象的なのが、少ない台詞の中で頻繁に使われていた「ケンチャナヨ(괜찮아요)」という台詞。日本語に訳してしまうと“大丈夫”なのだが、ジソクが頻繁に使っていた“ケンチャナ”の一言一言にはもっと奥深いニュアンスがあり、懐の厚さや気遣いを感じさせてくれる。

<鑑賞> 2011/10/22
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264. 情事 <1998/韓> ★★

affair.jpg情事/정사/An Affair
1998/韓国
ロマンス
監督:イ・ジェヨン(監督デビュー作)
脚本:キム・デウ
出演:イ・ジョンジェイ・ミスク、ソン・ヨンチャン、キム・ミン、チョン・ギョンスン、チェ・ウヒョク  
   
哲学度 ★★
社会度 ★
官能度 ★

簡単に。
日本でレンタルしてますが、VHSだけかも。


affair2.jpg37歳のソヒョンは平凡な主婦で、建築家の夫と10歳の息子と穏やかに暮らしていた。アメリカに暮らしている妹が婚約をした。式やら新居を探す時間のない妹は姉にその準備をお願いした。姉ソヒョンと妹の婚約者ウインと一緒に準備を進めていくうちには次第に…。

ぺ・ヨンジュンのデビュー作「スキャンダル(2003)」で知られるイ・ジェヨン監督のデビュー作。脚本を担当したキム・デウ氏は後に、「恋の罠(2006)」「春香秘伝 The Servant 房子伝(2010)」で監督を務めている。ソヒョン役は「スキャンダル」「お熱いのがお好き」のイ・ミスク、ウイン役は「ハウスメイド」のイ・ジョンジェ

affair1.jpgソヒョンは既婚者でウインより10歳も年上、しかも義理の姉になろうとする人である。未だ“姦通罪”がある韓国での不倫話なので、どんなお咎めがあるのかが観たくて鑑賞したが、そういう趣旨ではなかった。立場をちゃんとわきまえていながら、感情を抑えきれず“情事”にふけてしまう2人の心境を描く。

初めて会ったときからお互いを意識し、気持ちを抑えているのが見て取れる。ソヒョンは何不自由のない生活をしているが、結婚、出産を終えてからは、夫からは女として見てもらえないことに不満を持っていたように感じる。そんな時現れたウイン。タイトルから想像の通り、“情事”にふけてしまう話。法事や息子のバスケの試合を抜け出してまで会いに行ったり、ゲームセンターで情事にふけてしまったり、少々作り過ぎな展開ではあるが、叙情的で90年代の作品にしては扇情的。とはいえ、性描写は控えめで、当時はともかく今観ても新鮮味はない。

ソヒョンは自分を女として見てくれる人なら誰でもよかったような気がするが、ラストは2人の運命を感じさせる。でも、この結末、世の女性たちを不倫地獄に導いてしまわないだろうか。

<鑑賞> 2011/10/21
[サイト内タグ検索] イ・ジョンジェ イ・ミスク
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263. ブラインド <2011/韓> ★★★★

blind.jpg
ブラインド/Blind
スリラー、ドラマ
2011/韓国
監督:アン・サンフン(長編監督2作目)
俳優:キム・ハヌル、ユ・スンホ、チョ・ヒボン



社会度 ★★
衝撃度 ★★
哲学度 ★★
ゴア度 ★




前途有望だった警察大生スアは不慮の事故で弟を失い、自身は失明をしてしまった。月日は3年経ち、スアは育った養護施設を訪れた帰りのタクシーで何かが車にぶつかった感覚を感じた。運転手は犬だと言い張るが、スアははっきり女性のうめき声を聞いていた。言い争いの末、運転手は目の見えないスアを1人残し立ち去ってしまった。
しかし、もう1人の目撃者がいた。キソブは自分の目ではっきり見たと証言し、感覚で記憶しているスアの証言とは食い違う。目の見えないスアの証言など誰も信用してくれないが…。

blind2.jpg韓国語の勉強を兼ねた暇つぶしで鑑賞したが、はっきり言ってほんとに面白かった。アン・サンフン監督の「アラン」に続く2作目となる。事件を解決する過程で、後天性障害を乗り越える姿が描かれる。
最近の韓国映画の傾向でもある派手すぎるアクションに頼り過ぎておらず、かつドラマな部分がしっかり描かれている。近年の韓国映画にしてはゴア度は低い。孤児院育ち、事故による後遺症、犬といった韓流作品が得意とする催涙性の高い素材を扱い、手に汗握るアクションが用意されており、いろんなジャンルがうまく融合されている。

自分のミスで弟を死なせてしまったことへの罪悪感、盲目になり今まで普通にできたことができなくなってしまったことへの苛立ち、序盤はスアの心境を重点にストーリーは展開していく。同情で涙を流させるような過剰な演出ではなく、むしろ強く耐え抜こうとするスアの姿に心打たれる。

blind1.jpg養護施設からの帰り道に遭遇した交通事故。目の見えないスアは目撃者にはなれず、何を話しても取り合ってくれない。ところが、あたかも見えているかのように刑事の特徴や癖、食べた物をずばり言い当て、担当刑事もスアの証言を信用せざるを得なくなる。
人間は何か失うと他の感覚が研ぎ澄まされるというが、スアも嗅覚と聴覚に優れており、車の匂い、シートの感触、運転手の腕時計の音、声を全て記憶していた。その記憶を掘り起こす作業で回想シーンが効果的に使われ、目撃者2人の食い違う証言が埋め合わされていく。

タクシーのひき逃げ事件はほんの一幕に過ぎず、同時に浮上してくるもう一つの事件。当然のことながら、スアは犯人に狙われるが、目の見えないスアは犯人がすぐ目の前にいることがわからない。携帯(多分iphone)の動画機能を駆使し犯人から逃げるシーン、電気を消して、犯人も目が見えない状態にさせ対等に対決するシーンは手に汗握る。序盤で描かれていた自分自身と戦うスアの姿はもはやない。障害を乗り越え犯人と戦う姿はたくましく映り、盲目であることさえも忘れさせる。

盲目のデメリット、メリットを活かしたしっかりした脚本で、マイナスポイントが見つからない。あまり好きではないキム・ハヌル、ユ・スンホのコンビだが、完璧なキャスティング。ますます青木さやかにしか見えないキム・ハヌルも難しい盲目の役で違った一面を見せている。まだまだ私には子役のイメージが強いユ・スンホも大人の演技で一皮剥けた印象。そして、刑事を演じるチョ・ヒボンの軽薄だが憎めないキャラクターが光っていた。スリラーでもお笑い要素が欠かせないのは韓流作品ではお決まりパターンだが、この方、出演数は多いものの、出番が少なく印象に残る作品が少ない。本作が良い転機になってくれることを願う。

<鑑賞> 2011/10/11
[サイト内タグ検索] 日本未公開 キム・ハヌル
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スリーピング ビューティー 禁断の悦び <2011/豪> ★★★☆

sleeping beautySleeping Beauty
2011/104min/オーストラリア
原作:川端康成の短編小説「眠れる美女」
製作:ジェーン・カンピオン
監督/脚本:ジュリア・リー(監督デビュー作)
出演:エミリー・ブラウニング、マイケル・ドーマン、ミラ・フォークス
IMDb評価:5.8/10

官能度 ★★
鬼才度 ★
社会度 ★★
哲学度 なし
邦題のセンス なし (“館”とか“仕事”ならわかるけど、“禁断の悦び”って何!?)

第64回(2011)カンヌ映画祭 コンペ部門出品
2011年11月5日(土) よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。


女子大生のルーシーは、カフェの店員や会社の事務、そして人体実験をし、学費を稼いでいる。更なる収入を求め、広告に載っていたバイトの面接を受けに行く。それは、禁断の館にて下着姿で食事を提供するウエイトレスの仕事であった。そして支配人に認められたルーシーは別の仕事を任せられることになる。薬を飲んで裸で一晩眠るだけでいいというが…。

sleeping beauty1女性監督として初のパルムドールを獲得したオーストラリアのジェーン・カンピオンが製作を務める。本作が監督デビュー作となるジュリア・リーは、オーストラリアの女流作家であり、既に2作品発表している。処女作「The Hunter」はDaniel Nettheim監督、ウィレム・デフォー主演により同名映画化されている。本作の主演は「エンジェル ウォーズ (原題:Sucker Punch) (2011)」のエミリー・ブラウニング。

主人公ルーシーはいたって普通の女子大生。日本人には愛着の湧くルックスで際立って美女なわけでもない。容姿のせいかウブに見え、世間知らずのようにも見えるが、おそらくそうではない。下着姿のウエイトレスすら違和感を覚える容姿だが、お金さえもらえれば何でもするといった割り切った表情を見せる。

そんな彼女が車で連れて来られた新しい職場は美術品や絵画に囲まれ、アート的だが怪しげな館。ジェーン・カンピオン製作に女流監督が務めただけあって、映像の隅々まで官能さが立ち込め、副題にある“禁断”という言葉がぴったり当てはまる。初めは下着姿でのウエイトレスであったが、目を疑うような禁断の世界が目の前に広がる。過激な衣装にはおそらく修正が入ることでしょう。ルーシーは禁断の世界に足を踏み入れれば踏み入れるほど表情が大人びていき、薬を飲まされ無防備でベッドに横たわる姿は驚くほど魅力的に映る。しかしながら、ルーシー本人はこの仕事に“禁断の悦び”を感じてはいない。それどころか、仕事内容は“薬を飲んで一晩ベッドで眠るだけでいい”という条件のみで、眠っている間に何が起こっているのかは教えてもらえていない。さすがのルーシーも疑問を抱くようになり、小説からは想像のつかない行動に出るのである。

sleeping beauty3川端康成の短編小説「眠れる美女」をモチーフにした本作は、老人の視点だった小説とは異なり、女子大生ルーシーの視点で描かれる。真っ白な下着姿で従事するウエイトレスの仕事を始め、人に見られる立場である。眠るだけでいい仕事を始めてから高層高級マンションに引っ越したルーシーだが、そこは全面ガラス張りの部屋で、見られる立場を効果的に演出している。反対に、禁断の館に通う男性たちは老いた肉体を見られることを嫌う男性、特異な性癖をこっそり楽しみたい男性といった、見られることを拒む男性たちである。

お金欲しさに状況がよくわからぬまま足を踏み入れてしまった禁断の世界。そこは人間の尽きない欲望を満たす空間である。時折ちらつく死は破滅を意味しているのか。センセーショナルな内容で惹きつかられるストーリー展開ではあるが、核となるメッセージが読み取れなかった。仕事内容に疑惑を持ち始め、追い込まれていく様の見せ方も弱く、ルーシーの心理も満足には描かれない。

<鑑賞> 2011/10/16
[サイト内タグ検索] ジェーン・カンピオン監督
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不倫期限 (原題:Tuesday, After Christmas) <2009/ルーマニア> ★★★★

Tuesday.jpg 不倫期限/Marti, Dupa Craciun/Tuesday, After Christmas
2010/99min/ルーマニア
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:ラドゥー・ムンテアン(Radu Muntean) (監督4作目)
脚本:ラズヴァン・ラドゥレスク(Razvan Radulescu)
キャスティング・ディレクター:Bogdan Dumitrache
出演:ミミ・ブラネスクマリア・ポピスタス、ミレーラ・オプリショル、ドラゴス・ブクル、ヴィクトル・レベンギュウク
IMDb評価:7.2/10

第62回(2009)カンヌ映画祭 ある視点部門出品

哲学度 ★★★
社会度 ★★★
普遍度 ★
官能度 なし
邦題のセンス 



Tuesday1.jpg妻と結婚して10年を迎えるパウルには1人娘がおり、歯の矯正に通わせているが、なんと、パウルは娘の歯科医師と不倫関係にあった。クリスマスを目前に、不倫関係は5か月が過ぎようとしていた。まだ妻にはバレテはいないが、やはりこのままではいけないと思っているパウルは、妻に全てを告白をした。そして、どちらかと別れる決断を下す…。

「不倫期限」という作品がレンタルされているのは知っていたが、まさかこれだったとは…。この邦題、あまりにもショックが大きい。
本作の監督はルーマニア新鋭といわれる作家監督であり、国際的な評価も低くない。本作はカンヌ映画祭のある視点部門に出品されている。ヨーロッパ映画を意識して観ている人ならば、ポスター写真がたとえヌードであろうと、ある視点部門に出品されたと知ればそれなりに作風や傾向は推測できるはずである。しかしながら、この邦題とポスター写真に惑わされ、ポルノのような作品を期待しレンタルし、騙されたと後悔した人も少なくないはず。逆に、邦題のせいで見逃してしまう人もいるかと思うと悲しくなってしまう。
こんなターゲットを間違えている宣伝の仕方でいいのか?カンヌに出品されたことは宣伝に利用されているのだろうか?
どういった人たちが好み、求める映画なのか見極め、ターゲット層を絞った上で、邦題や宣伝方法を決定して欲しい。
対象はヨーロッパ映画好きの男女アラサー世代以上といったところだろうか。

Tuesday2.jpg時はクリスマス間近。パウル一家もクリスマスパーティーやらプレゼント、ツリーの準備に忙しい時期である。そんな忙しい日常を一歩下がった視点から淡々と描く中で、妻と愛人の板挟みで悶々と悩むパウルの心情を浮かび上がらせ、不倫が及ぼす社会的状況まで迫っていく。
原題も英題も“火曜日、クリスマスの後”。クリスマス後の火曜日に起ころうとする出来事に向けてパウルが静かに動き出すのだが、はっきり言って、劇的な出来事はなく、一般的な不倫映画とも趣旨が異なる。私が観たのはアメリカ版で無修正のヌードシーンがあるが扇情的なシーンもなければベッドシーンもはない。レンタルで観られた方のブログを覗くと、ボカシが入っているようです。おそらく多くの人が不倫映画に期待するであろうベッドシーンや泥沼化、修羅場といった要素を一切排除しており、こういう描き方もあるのかと関心させられた。

主要人物となる3人(パウル、妻、愛人)は常に冷静な態度で、極力感情を抑えているが、いつ爆発するかわからない危うい感情のバランスを見せている。微妙な感情の揺れ動きのみが表現され、音楽もない。固定カメラによるワンシーンワンカットの撮影スタイルは客観性があり、いい緊張感を生んでいる。内に秘めている罪悪感や嫉妬、怒りといった感情が見て取れ、涙が吹き出してしまった。

共に歩んできた10年の月日を感じさせる夫婦の距離感が絶妙。仕草や会話からはごく自然な家族の幸せが漂い、夫の不倫など想像もつかない。ありきたりな家族の形が普遍度を高めている。“自分も被害者だ”というパウルの発言は許せることではないが、結果はどうであれ“けじめ”をつけようとする姿勢は、自分の都合を優先して曖昧な関係をダラダラ続ける男よりはよっぽどマシである。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/19
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(未) Bless You, Prison <2002/ルーマニア> ★★

bless.jpg
Binecuvantata fii, Inchisoare/Bless You, Prison!
2002/90min/ルーマニア
ドラマ、戦争
原作/脚本:Nicole Valery-Grossu
監督/脚本:Nicolae Margineanu
出演:Maria Ploae、Dorina Lazar、Ecaterina Nazare
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★★
ゴア度 ★
緊迫度 ★

簡単に。


bless1.jpgNicole Valery-Grossuの自伝小説の映画化。スターリン政権下のルーマニアが舞台、Nicoleは政治犯として逮捕されてしまう。尋問が続き、自白すれば解放してやるという言葉に嘘の自白をしてしまう者もいる中、Nicoleは強く耐え抜く。彼女を支えたのは部屋の壁に掘られた聖書の手解きであった。神の言葉に幾度となく励まされ、同じく苦しむ人々を勇気づけようと、Nicoleもまた壁に彫り始める…。

宗教に頼るという点は異なるが、この手のストーリーはポーランドのアンジェイ・ワイダ作品でとっくの昔に描かれており、新鮮味がない。完成度もアンジェイ・ワイダの足元にも及ばない。

Nicoleの背景や家族構成などプライベートな部分がほとんど語られず、全く感情移入できない。投獄前の幸せだった頃の様子も、どんな政治的活動をしていたのかも見えてこない。拷問や劣悪な環境も日本人が想像できる範囲内の出来事しか描かれず、たかが90分という長さですら長く感じてしまう。リアルさに欠け、テレビドラマのような質。獄中の心理を掘り下げるわけでもなく、事実報告のようで説得力に欠ける。

<鑑賞> 英語吹き替え 2011/10/21
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Heartbeats <2010/加> ★★★★

heart3.jpg
Les amours imaginaires/Heartbeats
2010/カナダ
ドラマ、ロマンス
製作/監督/脚本/出演/編集/衣装:グザヴィエ・ドラン
出演:モニア・ショクリ、ニール・シュナイダー
言語:フランス語
IMDb評価:6.9/10


普遍度 ★★★
哲学度 ★
官能度 ★★
映像美 ★★



heart1.jpgマリーとフランシスは大親友である。その2人の前に田舎から引っ越してきた青年ニコラが現れる。女性のマリーも男性のフランシスもニコラに心を奪われてしまう。そして、奇妙な三角関係が始まる…。

監督はカナダの新鋭、グザヴィエ・ドラン監督。カンヌ映画祭監督週間にて初長編「マイ・マザー/青春の傷口(原題:僕は母を殺した)(2009)」で鮮烈デビューを果たし、その1年後本作で再びカンヌに出品。デビュー作では同性愛者であることへの悩みや母との葛藤といった苦しい胸の内の告白に対し、本作ではそういった悩みを達観した落ち着きさえも見せ、普遍的な恋愛や友情を描いている。等身大の思いや悩みを投影しており、続編という位置づけではないが、順に見ると一歩大人になったと感じられ、監督自身の人間的成長が見られる。次回作はご本人の出演がないのが残念だが、どんな監督作品を見せてくれるのか楽しみ。
ニコラを演じるのは、前作で寮の友人を演じたニール・シュナイダー

heart2.jpg中心となる3人は等身大の若者。同じ男性ニコラを好きになってしまった親友マリーとフランシスの視点で描かれる。2人は内心ニコラに興味津々なのに悪口を言っては相手の腹を探ってみたり、ニコラの思わせぶりな仕草に期待を持ったり、ニコラ中心の生活が始まる。果たしてニコラの思いはどこにあるのか、ニコラの手の平でコロコロと転がされているようなストーリー展開をみせる。
うまくいかないもどかしさ、ほろ苦い思い、嫉妬、腹の探り合い、駆け引き、友情との天秤。
男性の同性愛的感情も含まれるが、至って純粋な恋心が描かれる。誰しもが経験する普遍的なストーリーだが、前作同様オリジナリティーに溢れ、この監督の手にかかると感性の豊かさが際立ち、見えるもの全てがオシャレになってしまう。

前作は詩の引用が印象的だったが、本作では映画界を代表するスターの名前が羅列される。ポップなカラーアート、ヴィンテージの服、クラシックな音楽、前作同様、独自のスタイルを貫徹している。次回作も同じ世界感を貫いてくれることを切望。

原題は“空想の恋”。また憎いタイトルをつけている。つまり、成就しない恋である。笑えるオチもこの方らしい憎い演出。この監督、タダ者ではない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/15
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(未) Dakota Skye <2008/米> ★★★

dakota.jpg
Dakota Skye
2008/89min/アメリカ
ドラマ、ロマンス
監督:John Humber(長編監督デビュー作)
脚本:Chad J. Shonk
出演:Scott F. Anderson、Matt Baker、Eileen April Boylan、Ian Nelson
IMDb評価:6.4/10


哲学度 ★★
普遍度 ★★★
催涙度 ★★
官能度 なし




dakota1.jpg17歳のダコタ・スカイはどこにでもいる普通の高校生だが、1つだけ不思議なパワーを持っている。それは人が嘘をつく時の本音がわかってしまうこと。進学や将来のことばかり気にしている同級生、仕事でいつも家にいない母親、関係は悪くはないけど、いつも嘘ばかりの彼氏ケビンにうんざりしていた。そんな時、彼氏の友人ジョナがニューヨークからやって来た。行動を共にするようになるが、彼の本音が読み取れない。パワーが薄れたのか、それとも嘘をつかない人なのか…。

監督は、ジョニー・デップ主演「ブロウ(2001)」、ジョン・トラボルタ主演「ソードフィッシュ(2001)」などにスタッフとして参加していた方で、短編監督2本を経て、本作が長編デビュー作となる。出演者もさほど有名な人はでていない。スーパーパワー系の話だとSF風だと思いがちだが、心情がよく描かれている良質なドラマ。

dakota2.jpg犬が病院に運ばれ、「大丈夫。きっと良くなるわよ。」と言われても、「もうすぐ死ぬわよ。」って本音が見えてしまう。セックス中、彼氏が「I love you」と言ってくれても、本心が「I love sex」だと見破ってからは冷めた表情。“嘘も方便”って言葉もあるし、必ずしも嘘が悪いとは思わない。でも人間ってどうしても本音と建前があって、社会にでると建前ばっかりでほんと嫌になることがある。歯の浮くようなことばかり言う人もいるし、この人の本心がわかったらどんなにいいだろうって思うことはある。主人公ダコタはそんな本音がわかってしまうというスーパーパワーを持っている。しかし、その能力が優位に働いているわけではなく、かえってこのパワーのせいで人を信じることができない。人間は皆嘘をつくって思い込んでしまっているため、いつも投げやりな態度で卑屈。可愛げがなく、夢も希望も見失いかけてしまっている。そんな時現れた彼氏の友人ジョナ。いつも調子のいい彼氏ケビンとは違って、真面目で誠実な彼に出会ってから、微妙な変化を見せ始める。ストーリーが素朴だからこそ際立つ2人の演技力。感情の微妙な揺れが見事に表現されている。

多感な年頃の青春ものではあるが、人の嘘を見破れるというスーパーパワーのお陰で、趣旨の異なる作品。特別な能力の有無に関わらず、人間関係に悩まされた事のある人なら共感ポイントがある普遍的な話。信じられる人を見つけるって大事だなって考えさせられた。

<鑑賞> 2011/10/16
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) The Ox (原題:Oxen) <1991/スウェーデン=ノルウェー=デンマーク> ★★★

oxen.jpg
Oxen/The Ox
1991/92min/スウェーデン=ノルウェー=デンマーク
ドラマ
監督/脚本/撮影:スヴェン・ニクヴィスト(Sven Nykvist)(映画監督5作目)
出演:ステラン・スカルスガルド、Ewa Fröling、Lennart Hjulström
IMDb評価:7.1/10



哲学度 ★★★★
社会度 ★★
宗教度 ★
衝撃度 なし



*****第64回(1991)アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品 *****
エーゲ海の天使 - ガブリエレ・サルヴァトレス(イタリア)
紅夢 - チャン・イーモウ(香港)
春にして君を想う - フリドリック・トール・フリドリクソン(アイスランド)
Obecná skola (The Elemenchool) - ヤン・スヴェラーク(チェコスロヴァキア)
Oxen - スヴェン・ニクヴィスト(スウェーデン)
**********************************

ルース一家は愛に溢れる幸せな家庭を築いていたが、食料は底をついてしまい、買うお金もない。このままでは寒い冬を越せず一家3人は飢え死にしてしまう。ついに夫のヘルジは地主が育てている牛に手をつけてしまった。すぐさま肉を調理し、残りは貯蔵庫に隠し証拠隠滅した。
常に対でいる牛が1頭しかいないことに気付いた地主は村中、牛を探し回るが見つからない。ヘルジの家へ訪ねると、貧しいのに肉を煮込んだ匂いがし、すべてを察し、嫌がらせを始める。罪の意識に苦しむヘルジは全てを自供し、赦しを請うが、刑務所送られてしまう…。

oxen1.jpg監督は映画撮影を専門とする方で、特にイングマール・ベルイマン監督作品で有名。1972年の「叫びとささやき」と1982年の「ファニーとアレクサンデル」でアカデミー賞最優秀撮影賞を受賞している。その他にはロマン・ポランスキー監督「テナントー恐怖を借りた男(1976)」、アンドレイ・タルコフスキー監督「サクリファイス(1986)」、ウディ・アレン「私の中のもうひとりの私(1989)」、ラッセ・ハルストレム監督「ギルバート・グレイプ(1993)」、リチャード・アッテンボロー監督「チャーリー(1992)」など、半世紀以上の間に124本の作品を手掛けている。本作は監督5作目となる監督作品であり、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。主演は、アメリカでも活躍し、スウェーデンを代表するステラン・スカルスガルド

テーマは“赦し”である。1頭の牛事件を通し、いろんな立場の人たちの心情が描かれ、犯した罪をどう償うかではなく、犯された罪をどう赦すかに焦点を当てている。
人は試練をどう生き抜くべきなのか。もし罪を犯してしまった時、どうすべきなのか。そして、犯された罪をどう償わせるのか。どう赦すべきなのか。様々な問いが提示される。
罰を与えることばかりが正しいわけではない。赦すことで得られる幸福もある。赦されたことで人は優しくなれる。2度の罪、2度の赦しを見せることで、心の温まる結末を迎えている。
ヴィクトル・ユゴー「レ・ミゼラブル」に似た話でもあり、新鮮味はないが、人生の教訓的作品。

<鑑賞> 英語字幕 2011/5/27

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(未) My Joy <2010/ウクライナ=独=オランダ> ★★

my joy
Schastye moe/My Joy
2010/127min/ウクライナ=ドイツ=オランダ
ドラマ
監督/脚本:Sergei Loznitsa
出演:Viktor Nemets, Vladimir Golovin and Aleksey Vertkov
言語:ロシア語
IMDb評価:7.0/10


閉塞感 ★
衝撃度 ★★
リアル度 ★★★




my joy1男性の死体と思わしきものをセメントに埋めるシーンから唐突に始まる。そのシーンはポスターにもなっている。一体何が起こっているのか緊張感も高まるかと思った矢先、大型トラックは現場を出発する。運転手が犯人なのか、はたまた目撃者なのか…。何事もなかったかのように車を走らせるトラック運転手の数日間をドキュメンタリータッチで描き、出くわした奇妙な人たちによる不条理な出来事を綴っていく。

ウクライナ出身の監督は、ドキュメンタリー作品を専門としており、フィクション映画は本作が初。ドキュメンタリー作品もいくつか観たが、タルコフスキやソクーロフの影響を受けていると感じる。

my joy2主人公ジョージはトラックを走らせていると、理不尽な理由で警察に呼び止められ、しばしトラックを離れている隙に見知らぬ男性がトラックに乗り込んでいたり、間違った道を教えられたりと、次々と不運な出来事に出くわす。そして知らぬ間に、不条理な出来事や暴力に巻き込まれることになる。テーマは、ごくありふれている日常ではあるがいつ何が起こるかわからない日常に蔓延る暴力。ドキュメンタリー監督らしく圧倒的な映像力で暴力を訴えている。ジョージは日々出くわす暴力にうんざりしつつ、精神が病んでいく過程と、暴力によって脅かされる心理をじんわりと昇華させていく。

もし一本違う道を通っていたら、不条理な出来事には出くわさなかったかもしれない。ほんのりと希望を匂わせる一方で、混迷の中から抜け出せずもがき苦しむ姿は歴史的背景を暗喩していたのだろうか。説明不足にも感じられ、メッセージが明確に読み取れなかった。

軸となるストーリーはなく、一見何も起こらないロードムービーのようでもあるが、次々と起こる暴力は事件性のあるサスペンスのようでもあり、不思議な感覚に襲われる。とんでもない出来事が唐突に起こり、展開が読めないのはいいのだが、何一つ解決されないもどかしさが残る。

<鑑賞> 英語字幕 2011/7/31
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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ジョジーの修理工場 <2007/アイルランド> ★★★★★

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ジョジーの修理工場/Garage
2007/82min/アイルランド
監督:レナド・エイブラハムソン
脚本:マーク・オハローラン
出演:パット・ショート、アンヌ=マリー・ダフ、コナー・ライアン、アンドリュー・ベネット、デニス・コンウェイ
IMDb評価:6.9/10

哲学度 ★
社会度 ★★
嫌悪感 ★★
映像美 ★


garage1.jpg地平線と雲が美しくとけあうアイルランドの片田舎、ガソリンスタンド兼修理工場で長年管理人を勤めるジョジーは、孤独ではあるが幸せに暮らしていた。ある夏、無口な15歳の少年デビッドがアルバイトとして一緒に働き始めると、ジョジーの運命は静かに動き始める。
次第に打ち解け、仕事が終わると裏庭へ回り缶ビールをあけて心を通わせる二人。そんなある朝、スタンドでジョジーを待っていたのは…。ジョジーの人生を、永遠に変えてしまったひと夏の出来事が、
心を大きく揺さぶる。@大阪ヨーロッパ映画祭

物語は静かに進み、やんわりじんわり心に響く感じがとっても私好み。トム・マッカーシー監督デビュー作「The Station Agent」を彷彿とさせるほのぼのとしたストーリー展開だが、残酷で理不尽な現実を見せつけられる。地味な小作であり、あまり多くの人の目に留まらないことを残念に思う。
アイルランド出身レナド・エイブラハムソン監督の長編2作目。前作「Adam&Paul(2004)」に引き続きマーク・オハローランが脚本を担当している。前作は訛りがひどくて途中挫折してしまったが、作風は共通していると記憶している。頑張ってもう一度観てみることにしよう。

garage2.jpg“ガレージ”とは日本語だと倉庫や車庫のことをいうが、英語だと“ガソリンスタンド”“修理工場”のことを示すと初めて知った。
ガソリンスタンド兼修理工場で管理人を勤めるジョジーは人柄がよく、誠実に仕事をこなしてはいるが、知能指数が少々低く、町の住人の中には馬鹿にしている者もいる。足りないジョジーを演じるパット・ショートという役者さんはアイルランドでは有名な喜劇役者だという。線路を歩く姿がとっても印象的で、手つかずの田舎の風景と足りない感じが滲み出ている歩き方が見事にマッチしていた。

パブで柄の悪い男性たちにいじられても、決して盾つくことなく歯を食いしばって耐えるジョジー。そんな彼に癒しを感じる女性もいるが、男として見ている訳ではない。純粋で愛すべきキャラクターだが、淋しさを1人で抱え込み、唯一心を許すのは職場と自宅の間で飼われている馬一頭だけであった。

ある日、15歳のデビッドがバイトで働き始める。無口で内心ジョジーを馬鹿にしていたが、次第に人柄に惹かれ友情が芽生え始める。しかし、ほんの少しだけ配慮が欠けた行動で2人を永遠に引き裂いてしまう。

田舎って人と人との距離感が近くていいなぁとも思うのだけど、反面煩わしい時もあるよね。ほんの些細なことでも罪人のレッテルを貼られてしまうと居場所がなくなってしまうのも現実。そんな狭い社会で生きるジョジーもまた厳しい現実に立ち塞がれてしまう。神経質になり過ぎている市民や、事務的に処理するだけの警察への批判とも取れる。ほのぼのとし、温かみのある作風からは想像のつかなかった現実の残酷さ。真面目に生きる人ほど損をしている理不尽な人生。純粋無垢であったがゆえに招いてしまった結末に涙が止まらなかった。

<鑑賞> 聞き取り度60% 2011/10/14
[サイト内タグ検索] アンヌ=マリー・ダフ
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(未) Uwiklanie <2011/ポーランド> ★★

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Uwiklanie
2011/121min/ポーランド
犯罪、ロマンス
監督/脚本:ヤツェク・ブロムスキ(Jacek Bromski)
出演:Piotr Adamczyk、Tomasz Augustynowicz、Matylda Baczynska、クシシュトフ・ピチェンスキ
IMDb評価:7.5/10


制作国を聞いただけで観たくなってしまう国の一つが、ポーランド。
知っている俳優さんも数人でているので飛びついてはみたものの…。
記事は簡単に。





uwi1.jpgある3人の男女は精神的な病を抱えており、同じ医師のもとで合宿しながらセラピー治療を受けていた。トラウマを克服させるためにそれぞれにある役を演じさせ、録画しながら劇を作り上げていっていた。一日を終え、それぞれ部屋へ戻る3人。個人的に付き合うことも許されていないため、次の朝まで顔を合わせることはない。翌朝、集合時間の8時になっても1人が現れず探しに行くと、ダイニングで死んでいた…。

監督は、ポーランドでは中堅のようだが、日本では“EUフィルムデーズ 2009”にて「神さまの小さなお庭で(2007)」(未見)が上映されたのみ。コメディーを得意とする方のようで、シリアスな作品は珍しいとか。

uwi2.jpg日本とは事件解決方法が違うようで、捜査官と刑事が双方で事件解決に臨んでいる。その捜査官と刑事が元恋人で、殺人事件をきっかけに再会を果たしてしまう。どうもお互いに未練を残したまま別れてしまったようで、ネチネチした関係。事件を理由に何度も顔を合わし、やっぱり…。ロマンスのほうに重きをおいているため、謎解きが疎かになってしまっている。捜査官と刑事の職業的構図も見えない。事情聴取も、「誰が犯人だと思うか?」と唐突な聞き方をしているのには驚いた。

過去に起きた殺人事件やら、陰謀やら複雑に絡んでいて、見せ方次第では社会派サスペンスとしてかなり見応えがあったように思う。ロマンスのほうにスポットを当てず、もう少し事件の全貌を丁寧に描く必要がある。なんだかよくわからないまま終わってしまった。歴史を感じさせる重厚感のある建物やおしゃれなカフェ以外、印象に残っていない。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/15


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オーストラリア滞在記⑥ カンガルーの実態

ローカルのニュース報道で多いのがカンガルー関連事故
「成人男性がカンガルーに蹴り飛ばされ重体」というニュースを見て思わず吹き出してしまったのだけれど、カンガルーは攻撃的で、自分の目の前の物を蹴り飛ばしてしまう習性があるとか。たった尻尾一本で立ち上がることができるそうで、手足4本で思いっきり蹴ってくるそうです。
私がいた会社は郊外で、ほんの少~し山奥に入ると野性のカンガルーたちがのびのびと暮らすカンガルー・パークがあり、夕方になると大量の群れがピョンピョン飛び跳ねていて圧巻でした。そこから逸れた子どものカンガルーが会社付近をうろちょろしてました。確かに動物園で放し飼いになっている子たちとは走りっぷりが違いました

写真は動物園にて放し飼いの子カンガルーを撮影完全にエサ待ち状態。野性的本能を失ってしまってるね。
逕サ蜒・112_convert_20111009145233

逕サ蜒・121_convert_20110713150038
成人男性をも襲ってしまう前爪。攻撃的だと聞いていたので、動物園行って実際に爪を見たかったんだよね。夜のおねえさんのような爪はひっかかれたら痛いね。


逕サ蜒・126_convert_20110713150117








後ろ足、寝ているところを撮影。確かにキックされたらダメージ大きそう。




IMG_2719_convert_20111009145321.jpg石原都知事がカラスの駆除法の一つとして、唐揚げで食べちゃう策を考案していましたが、オーストラリアもカンガルーの繁殖に参っているようで、やっぱり駆除法は食べちゃうのが一番だと考えたようです。
スーパーで普通に売られているので、私も食べちゃいました実はビーフと間違えて買ってしまったのだけど。。。
写真はある日の夕食。私が作りました。

火を通し過ぎると固くなってしまうし、獣臭が強くなるので煮込み料理には向かず、ステーキが一番無難。ビーフのような食感お味で私はおいしくいただきましたお土産屋さんには、カンガルージャーキーが売られています。やっぱりビーフジャーキーと変わらず。

逕サ蜒・139_convert_20110713150153お寝んね中の野性のコアラ

国際的には“絶滅の恐れの可能性のある種”とされており、州によっては“危急種”“希少種”とされているようです。私がいたメルボルンは特に認定はありませんでした。
“全国コアラ保護法”によってコアラ自身は法律に守られていますが、生息地を保護する法律はまだないそうです。ユーカリの木も守ってあげないと、コアラも生きていけないよね。。。

郊外を車で走っていると、ユーカリの木が覆い茂っている所でこんな光景はよくみかけました


オーストラリア滞在記、まだまだ続く
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262. 冬の蝶 <2011/韓> ★★★★

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冬の蝶/겨울나비
2011/90min/韓
ドラマ
監督:キム・ギュミン(監督デビュー作)
出演:パク・ソヨン、チョン・スンウォン



催涙度 ★★
哲学度 ★★★
衝撃度 ★★★★
リアル度 ★★★






父親は病死し、11歳のジノは病気の母と2人暮らしをしている。友達ソンイルと山へ行き、まき木を集めては病気の母が市場へ売りに行き生計を立てている。そんなジノのささやかな願いは鶏肉を食べること。将来の夢は、一流の料理人になって、世界一おいしい鶏肉料理を母に食べさせることである。そして、ジノが最も恐れることは、病気の母が自分1人を残してこの世を去ってしまうことであった。いつものように友達が一緒に山へ行こうと誘いに来るが、ジノは冷たくあしらってしまう。朝食を食べたにも関わらず、少しでも空腹を満たそうとするソンイルのせいで、大事な母の取り分が少なくなるからである。
ところが、1人で山へ行ったジノは足を踏み外し山を転げ落ちてしまう…。

huyu1.jpg監督は脱北者で、「国境の南側」「クロッシング」、ドラマ「カインとアベル」などの作品にスタッフとして参加し、本作が監督デビューとなる。監督自身が実際に見聞きした実話を素材にしたノンフィクションだという。北朝鮮関連の話でハッピーエンドだとは思っていないが、驚愕の結末までもがまさか実話だったとは…。母子の日常生活を通して、深刻な食糧難を浮き彫りにし、結果招いてしまった親子の悲劇を描いている。年齢制限15歳以上だが、大人でも相当の覚悟が必要。

監督は、北朝鮮同胞の過酷な現実を見過ごすことはできない使命感から“北の現実”を描く作品をこれからも製作し続けると言っているが、観客の心を引き付ける事が出来るのは商業映画だけだとも言っている。次作は集客性の高い作品を目指しているという。私には共感しにくいご意見に首をかしげてしまうが、それだけ北への思いが人一倍強く、多くの人にも観ていただきたいのでしょう。

舞台は北朝鮮の黄海北道。質素な食事、殺風景な家、部屋の中心に飾られる将軍様の肖像画、警察の対応、市場の様子はとことんリアルさが追求されているが、残念なのが、言葉である。集中力を削がれるという理由から、台詞はあえて朝鮮語ではなく韓国語にしたというが、せっかくのリアルな演出が台無しになっているように思う。
食べるものがない北の地方住民は木の皮も喰いつくし、雑草すら生えていないと聞く。ジノが行く山は木が豊富で、まき木を見つけるのは容易である。切迫感が感じられない。冬の設定ではあるが、吐く息が白くないのも気になる所ではある。

huyu2.jpg詰めが甘いと感じる点はいくつかあるが、生活の厳しさや実態が容赦なく描かれている。許されざる保安員の態度もまた浮き彫りにしている。まき木を拾い集め帰路に帰る人々が必ず通る道には検問がある。2名の保安員が待機し、荷物検査をしている。いちゃもんをつけては人々からまき木を取り上げ、夜はその木でたき火をし、豊富な食事と酒にありつく姿は私が本で読んだ通りである。子どもが行方不明と知りながら協力してくれるわけでもない。本作では描かれていないが、賄賂なしで協力を仰ぐことは不可能なのだろう。本来なら住民の安全のために常駐してくれているはずなのに、むしろ生活を苦しめている矛盾した現実が覗える。

ジノはもちろん学校には行っていない。子どもには急すぎる山を登り、まき木を拾う仕事は決して楽ではない。帰路につくと、のこごりの刃を研ぎ、やっと夕食にありつくのである。そんな生活にも決して弱音を吐かず、常に病気の母を気遣い、鶏肉を食べることがひそかな願いであるジノは、毎晩布団の中で母と鶏肉話に盛り上がり、夢と希望に胸を膨らませるのであった。貧しいながらも2人で精一杯生き抜こうとする姿、お互いがお互いを気遣う姿には自然と涙が流れる。何の生活保障のない北朝鮮において微笑ましい家族愛だけが唯一の希望である。しかし、遭難したジノが何日も帰らない日が続き、母は正気を失う。砂をご飯と間違えて食べ、父親が鶏肉を食べている写真まで食べ尽くすのであった。極限の空腹の果ての結末には、(結末、反転しています)息子ジノを犬と間違えて殺傷し、煮込んで食べてしまうのであった。ジノが帰ってきたら食べさせようと残していたことから、幻覚症状だと認められたが、家族愛まで踏みにじってしまうほどの食糧難。社会体制への批判でもあり、告発でもある。意見のわかれる結末ではあるが、脱北者にしかわからないありのままの実情を描いてくれたことに今後の活躍にも期待したい。

冬に孵化してしまい羽ばたくことすらできずに一生を終えてしまう蝶がいることから、タイトル“冬の蝶”とは北朝鮮に生まれたことだけで幸せとは無縁の住民を連想させる。生まれ育った国で人生が決定づけられるのも運命である。将軍様を神だと信じ、肖像画に向かって祈っていた母が、国家の矛盾に気付く時が来るのだろうか。

<鑑賞> 2011/10/10
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オーストラリア滞在記⑤ 世界一高い高層マンション、ユーリカタワー

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メルボルンを象徴するタワー、ユーリカタワー(Eureka Tower)92階建てで、高層マンションとしては世界一の高さ。南半球では最速のエレベーターで、300メートルの最高階への到達時間はおよそ40秒とのこと。日本でいうと六本木ヒルズといったところでしょうか。
公式ページはこちら

シンボル的存在でもあり、東京ほどの高層ビルが周囲にあるわけでもないので、どこからでも見えます。
道に迷った時はよく目安にしてました。

最上階は“ユーリカ・スカイデッキ88”という屋外展望台があり、もちろん有料ですが入場可能。
そして、ここは「The Edge」という全面ガラス張りの部屋が外に飛び出ることで巷では有名
日本のテレビでも何度か取り上げていたことがあります。
以前、高所恐怖症の柴田理恵さんが取材で恐怖の余り号泣していたのを観たことがあって、すごく気になっていたんです。

私もいざ出陣
「The Edge」での写真撮影は禁止されているので、下2枚のお写真は公式ページよりお借りしました



ph-the-edge-night.jpg
部屋に入った時は6面黒い壁で覆われていますが、ガラスが割れる効果音と共にベールが脱がれ、5面がガラス張りで外の景色が露わになります
強化ガラスなので仕方ないのでしょうが、ガラスの透明度はさほど高くなく、お写真のように鮮明に景色が見えるわけではありません。フレームもないほうがいいですね。
私は高所恐怖症ではないので、恐怖感はありませんでしたが、正座をしてみると結構怖い



pht-the-edge-above.jpg
上からの様子はこんな感じ。
部屋が飛び出したまま360度一周してくれればいいんですけどね。
180度は見渡せますが、南側が見れないのが残念。

高さ的には東京タワー程度ですが、全面ガラス張りで放り出される感覚はおそらくここでしか味わえない







お借りしたお写真の夜景はとっても綺麗ですが、実際はこんなもんです。
屋外展望台ユーリカ・スカイデッキ88にて午後8時頃の撮影です
街が盤の目状になっているのがわかりますが、メルボルンの中心地でありながら、東京と比較するとかなり暗い。
節電中の東京でもこれ以上明るいのでは!?やっぱり日本のネオンは無駄に明る過ぎるね
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これも同展望台にてほぼ同時刻の撮影。スタジアムは明るいね。
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オーストラリア滞在記、まだまだ続く
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(未) Dead Time (原題:Kala) <2007/インドネシア> ★★

kala.jpg
Kala
2007//インドネシア
犯罪、ファンタジー、スリラー
監督/脚本:Joko Anwar
出演:Fachry Albar、Ario Bayu and Fahrani
IMDb評価:6.9/10


ゴア度 ★
社会度 なし
哲学度 なし
衝撃度 なし


超簡単に。。。



kala1.jpg連続殺人事件が起こった。ある新聞記者は被害者の妻にインタビューを願い出るが断られてしまい、入院している病室の植木鉢にこっそり盗聴器をしかけた。貴重な証言が録音できたが、その矢先に新聞社をクビになってしまい、惜しくもテープは無駄になってしまう。ところが、友人にそのテープを聞かせたら、その友人が殺されてしまった…。

監督は、ジャーナリスト・映画評論家を経て映画監督に転身された方。デビュー作「Joni’s Promise(2005)」はその年の興行成績1位を記録し、本作が2作目とる。本作、次作「Forbidden Door(2009)」共に海外でも賞を撮っている。

インドネシアって国際的に有名な監督さんっているんでしょうかね?私が今まで興味を持たなかっただけで、おそらくいるんでしょうが、ぱっと思い浮かぶ人がおらず、何観ていいのかわからないので、まずは興行的成功を収めた本作を無難にチョイス。

kala2.jpgタイトル“Kala”とは“時間”という意味のようで、英題は“Dead Time”。事件の鍵を握ってしまった人が次々と殺されてしまうという話で、特に時間を絡めていくような展開は見せていない。
イエローフィルターがかかったような映像は雰囲気があって私好みなのだが、オムツのようなパンツ1丁で、白塗りの死神のような男が四つん場になって飛び跳ねる演出がイマイチ理解できず。汚職や暴力が蔓延る世界と歴史的因縁が複雑に絡み合っているようであり、図書館にある古い書物が事件を解く鍵となっている。
ミステリーとして観るには伏線も弱く、ホラーとしてもゴア度が低すぎる。ストーリーに意外性もなく、詰めの甘さが目立ってしまう結末。国際レベルには程遠いといった印象。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/11
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オーストラリア滞在記④ 世界最古の蒸気機関車、パッフィンビリー鉄道

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メルボルンの東、市内からだと車で約1時間のところにある高原リゾート、ダンデノン丘陵一帯が自然国立公園となっており、豊かな自然がそのままに残されています。
そのダンデノン丘陵の景観を楽しめる鉄道として高い人気を誇るのが“パッフィン・ビリー鉄道(Puffing Billy)”


ベルグレーブ~ジェムブルーク間を結ぶ世界最古の蒸気機関車で、機関車トーマスのモデルになったとも言われています。線路は20世紀初め、郊外の発展のためにひかれ、採掘された金を運ぶために使用されていましたそうです。一時は閉鎖されましたが、1958年よりボランティアの手によって観光列車として運行され現在に至る。


ダンデノン丘陵のベルグレイブ駅からエメラルド・レイクサイド駅まで、全長13kmの行程を片道約1時間40分かけて走行し、各駅で途中下車もできます。




↓始発駅ではお髭のおじさんがお見送り
駅長さんなのかな?みんなおじさんと写真撮ってました

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緑濃い温帯雨林の景色もとっても綺麗ですが、この鉄道の醍醐味は手足を外へ投げ出せること。
窓がないので、みんな手すりに腰かけっぱなし。日本じゃあり得ない傾かないのが不思議。
右側に曲がるカーブばかりなので、右側の座席を確保するのがオススメ
風を切るので最初は気持ちいいけど、私が行ったのは真冬なので相当冷えます&ススで顔や鼻の穴は真っ黒になります
ランク上のお席は、窓付き食事付きです。
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オーストラリア滞在記、まだまだ続く

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オーストラリア滞在記③ ヤラバレー気球ツアー

出勤時に上空にいつも見える気球が気になっていて、ついに気球ツアーに参加ワイナリーでのシャンパン付きの朝食込みで300オーストラリア$程度でした。ちょっと高いコースはメルボルンシティーと郊外のYarra Valleyの2コースが用意されていました。観光客(特に日本人)にはシティーツアーのほうが人気のようでしたが、何せ朝の6時に現地集合なため郊外に住んでいる私たちはYarraのほうに参加。私たち以外はみんな地元のオージーでした。結構年齢層が高く、結婚記念日とか誕生日といったメモリアルな日の思い出にする人が多かったです。

集合はYarraにある、とあるワイナリー。オーストラリアって結構温かいイメージがあるけど、この辺の冬の朝は氷点下まで下がり霜が張るんです。外もだんだん明るくなってきた頃、これから乗る気球の到着。このツアーは参加者お手伝い型なのです水色の袋の中にバルーンが畳んで入っています。
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バスケットを倒し、バルーンを取りつける。16人のお客さんの割には小さいバスケット。5つに区切られていて、1つは操縦士さん用。あとの4つにはそれぞれ4人づつ入ります。一応、体重のバランスを考えて振り分けているようでした。
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お客さん2人がバルーンの口を持った状態で、熱風をバルーンの中に送り込む。
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膨らみ始めたバルーン。思っていたより大きく、なかなか大きくならない。持っている人大変そうでした。
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だんだん宙に浮いてきたバルーン。この後16人の乗客が4つのボックスに乗り込み、上空へ~
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バルーンに乗り込み、空中から地上待機中の他のバルーンを撮った写真。バンの車もどんどん小さくなっていく。
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これはバスケットに付いていたメーター。
飛行時間30分で978フィート(およそ300メートル)に到達。周囲に高い建物がないせいか、思ったより低く感じました。かすかにシティーの高層ビルが見えました。
シティーツアーのほうはビルの上空や谷間を飛ぶそうで、高さを実感するならシティーツアーのほうがよさそう。
不思議なことに心配していた揺れもほとんど感じることなく、とっても快適でしたバーナーで熱風を送り続けているので、思っていたより温かく、温度は16.9℃。手袋や帽子は必要ない。






リリデル空港(確かこんな名前)。ここからはタスマニア島行きのセスナ機が発着します
車ではよく通っていて、小さい空港だなぁとは思っていたけど、上空から見て更に小ささにビックリ。
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雲の合間から見える民家。天気があまり良くなかったのが残念だったけど、その分雲が多く、雲を出たり入ったりできたのは楽しかったなぁ。当たり前だけど、雲って掴めないのね
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着陸。。。この後、バルーンをみんなで畳み、朝食withシャンパンをいただきました。全行程4時間程度。あ~っという間でした。
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オーストラリア滞在記、まだまだ続く
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オーストラリア滞在記② ワイナリー巡り

P1120008_convert_20110410215340.jpg当ブログのプロフィールになっている写真「ドメイン・シャンドン」というワイナリーで一緒に行った友人が撮影しました。

メルボルンの北東、市内からだと車で約1時間のところにあるワインの産地「ヤラバレー(Yarra Valley)」には半径10km範囲内に50以上のワイナリーがあるといわれています。代表するワイナリーの中には、あの有名なフランスの「モエ・エ・シャンドン」のオーストラリア法人「ドメイン・シャンドン」があり、スパークリングワインが有名。ツアーで行くと3,4か所回ってくれるそうで、この「ドメイン・シャンドン」は必ずといっていいほど含まれているようです。でも、日本でも普通に売ってます。

豪州のワインの主な品種は…
赤ワイン
Shiraz…重厚なフルボディ
Cabernet Sauvignon…濃い目
Merlot…やわらかい
Pinot Noir…透明感
白ワイン
Chadonnay…すっきり
Sauvignon Blanc…濃い目
Semillon…シャープ
Reisling…やや甘め などがある。

豪州のワイン産業は、世界で6番目の生産量。ここヤラバレーは比較的寒冷な気候(東京よりずっと寒い)のため、赤ではピノノワール(Pinot Noir)、白はシャルドネ(Chadonnay)が有名。私のお好みはシラーズ(Shiraz)。

試飲はどこのワイナリーもほとんど無料。稀に商品によって有料の所も。
バーカウンターにはメニューがあり、指差しで試飲可能。その年の出来の良し悪しや樽の状態、熟成具合などのウンチク話も聞けます。個人的にはそんなにおいしいとは思わないけど、ここ「ドメイン・シャンドン」はいつも混んでる クリスマス近くになると、日本でもよくお見かけします。
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製造工程が見れる施設があり、よっぱど日本人観光客が多いようで、日本語説明がありました。でも、日本人どころかアジア人には会ったことない。。。
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「ドメイン・シャンドン」のレストランお味も眺めも最高。メルボルンは一日に四季があるといわれていて、天候が変わりやすい。この地域は毎日雨が降ります。この日も撮影直後、豪雨でした。冬場は、昼間は半袖でも雨が降るとコートが必要なほど冷えるので、温度調節が難しい。その温度変化が葡萄にはいいらしいです。
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レストランで利き酒をしているお客さんたち。空きグラスの数にはびっくり。夜中の市街は飲酒運転の取り締まりやってるけど、昼間にやっているのは見たことない。みんな普通に車で来て普通に飲酒運転して帰ります。
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この時は収穫後だったので、葡萄は写真に残せず。
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↑私が一番おいしいと思ったワイナリー「Yering Station」
公式ページはこちら
個性的な絵画があり、ここはいつもお客さんがあまりいないせいか、とってもアットホーム。
ラベルの読み方や自分の好みに合ったワインの選び方などわかりやすく解説してくれました。
ここは、それぞれのワインの説明文がプリントされて用意されているので、一度教えてもらうとある程度味が想像できるので、購入もしやすく、いちいち下手な英語で質問しなくて済むのもいい。

←泡盛やジン派だった私を目覚めさせてくれたワイン
でもなんでカエルの絵なんか使うんだろ
試飲できない時はラベルのデザインが重要になると思うんだけど、、、
この国は、ビールのラベルもトカゲや動物の絵をよく使っている。

オーストラリア滞在記、まだまだ続く
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オーストラリア滞在記① Kooの名付け親

生まれて初めて行った(93年)海外がオーストラリアであり、その後、何かとご縁の多い国。
フィンランドに続き、オーストラリア(メルボルン郊外)での薄れゆく記憶をここに残していきます

シティーのヴェトナム人街にあるホテル→チャイナタウンの中国人しか住んでいないアパート→超ド田舎の山に囲まれたモーテル→郊外の外国人専用アパートホテルといった所に住んでいました
チャイナタウンにいた時は、夜中の英語のわからない中国人隣人トラブル&空き巣事件&大家さんとのトラブルに悩まされ、次の住処が見つかるまでいたモーテルでは、生まれて初めてカエルの合唱に遭遇(当時は何の鳴き声かわからなくて、フロントの人に聞いたら、「あんたどこから来たの?」なんてすごい不思議がられた)夜うるさくて寝れないほど大音量の合唱でしたが、今では懐かしい思い出。
最後に住んでいたところがオーストラリアはもちろんアメリカやイギリスのチャンネル見放題+欧米を中心とした新作DVDレンタル無料といった環境、残業がないという勤務状況のお陰で毎日映画三昧遅くても5時には帰宅しているので、日に3本観る時もありました。ブログを始めるきっかけにもなってます。

そしてこの写真が、当時の上司の二男で、Kooというハンドルネームの名付け親のウィリー君
日本ビイキのご両親の影響もあって、日本の海老煎、マグロとサーモンのお刺身、しゃぶしゃぶ(ゴマだれ)、天麩羅、麦茶や緑茶が大好き。まだオムツは取れていないし、アルファベットのbとdの区別もつかないのに、私が教えたカタカナで自分の名前も書けるようになり、洋食ですらmyお箸で食べるほど日本大好きっ子
この日は顔中にスタンプを押しまくってしまって、お風呂入っても落ちず

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最近あんまり映画観ていないので、しばらくオーストラリア滞在記が続く予定です
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(未) The Black Ballon <2008/豪=UK> ★★★

ballon.jpg
The Black Balloon
2008/97min/オーストラリア=UK
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:Elissa Down(長編監督2作目)
出演:Rhys Wakefield、Luke Ford、Toni Collette、ジェマ・ワード
IMDb評価:7.3/10



社会度 ★★★
哲学度 ★★★
ユーモア度 ★★





ballon1.jpgモリソン一家4人ははニュー・サウス・ウェールズに引っ越してきた。父親は軍人で不在がち、母は妊娠中、兄チャーリーは自閉症。いつも家族の犠牲になっている16歳の弟トーマスの奮闘記である。

監督は本作が長編2作目となる女流監督。2作品ともジェマ・ワードを器用している。アメリカ映画進出前でもあり、モデルで見せる表情とも違い、まだあどけなさが残る透明感のある演技を見せている。

オーストラリアに住んでいた時、あまりの障害者の多さに驚いたことがあり、同僚に尋ねたことがある。とりわけ多いわけではなく、人々は理解がありバリアフリーもしっかりしている社会だから、家族も安心して積極的に外出させていると教えてもらった。一緒にいた中国人の同僚は中国ではあり得ないと言っていたが、残念ながら私も日本も理解は低いと感じている。
しかし、本作を観る限り、オーストラリアも日本と状況は変わらない。養護学校の先生以外は自閉症のチャーリーにどう接して言いのかわからない人もたくさんいる。障害者への理解がある人ばかりではないことがわかる。そんな世間から見た障害者の立場や、家族の犠牲になっている16歳トーマスの微妙な心境をピュアにかつユーモラスに描いている。

ballon2.jpg 自分のウンチで泥遊びを楽しんだチャーリーを洗ってあげるのもトーマス。素っ裸で家を飛び出し、近所の家へ上がり込んでしまった時に謝るのもトーマス。女の子のバッグを勝手にあさり、見つけたタンポンに大はしゃぎするチャーリーを恥ずかしく思うのもトーマス。自閉症の兄がいることは学校でも言えず、振り回される生活に悩み苦しむ姿が映し出される。ジャッキーという好きな女の子がいるのに兄のことを知られたくないあまり、なかなか近付けないでいた。

ところが、タンポン事件をきっかけにチャーリーはジャッキーと仲良くなってしまう。ジャッキーは障害者への理解者でもあった。不本意ではあるが、チャーリーのお陰でトーマスはジャッキーと付き合うことになった。良き理解者を見つけたことで、トーマスも一歩成長したように思う。改めて理解することの難しさや理解者を見つけることの大切さを考えさせられた。

何をしでかすか予測のつかない自閉症のチャーリーからは目が離せず、部屋や玄関の至る所に鍵がかかっている。それでもスキを見つけては外へ逃げ出してしまうチャーリー。タイトル“黒い風船”の由来は劇中述べられていないが、チャーリーは黒い帽子がお気に入りでいつもかぶっており、手を離した風船のごとく飛んでいってしまうことからこのタイトルが付けられたと解釈している。

<鑑賞> 2011/8/19
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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メランコリア <2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独> ★★★★★

melan.jpgMelancolia
2011/136min/デンマーク=スウェーデン=フランス=ドイツ
SF、ドラマ
監督/脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド、シャーロット・ランプリングアレクサンダー・スカルスガルドステラン・スカルスガルドウド・キアー、ジョン・ハート
受賞:第64回(2011)カンヌ映画祭 女優賞 (その他ノミネート、受賞作品はこちら)
IMDb評価:7.8/10

哲学度 ★★★★
宗教度 ★★
映像美 ★★★
鬼才度 ★★★

2012年2月よりTOHOシネマズ渋谷ほか全国でロードショー

巨大な惑星“メランコリア”が時速10万キロのスピードで地球に接近する中、二人姉妹の妹ジャスティーンは結婚式を挙げる。夫ジョンの豪華なスウェーデンの邸宅で大勢の人たちに祝福され、幸せの絶頂にあるはずの彼女であったが、鬱病に苛まれていた。ジャスティーンは式の間も奇妙な行動を起こし始め、無事に結婚式を終えようと姉クレア夫婦は力を尽くすが、虚しくも結婚は解消となってしまう。そして、ついにメランコリアが地球に最も接近しようとする日が近付く…。

melan1.jpgラース・フォン・トリアー監督のカンヌ映画祭コンペ入りは9作目となる。2年前に「アンチクライスト」で騒然とさせた監督が、本作の記者会見における不適切発言で追放を言い渡されるという異例の事態が起こった。「アンチクライスト」を観てしまったことに激しく後悔し、この監督作品はもう観ないと心に誓ったはずなのに、話題性に負けやっぱり観てしまった。毎回物議を醸し出すだけあって、やはり強烈。前作のような大胆な性描写や暴力描写はなく趣の異なる作風だが、奥底にある暗部を抉り取るような精神状態の描き方はこの監督にしか成し得ないと感じさせる鬼才ぶり。

偶然にも今年のカンヌでは“魂の救済”を題材にした作品が2作品あった。マリック監督「ツリー・オブ・ライフ」では生命の始まりにまで遡り、本作では地球の終末論からその解釈に迫る。アプローチの仕方がまるで違うことは興味深い。個人的には「ツリー・オブ・ライフ」は難解すぎて、記事も書けずじまいであり、本作のほうが私好み。監督の発言が明暗を分けたのであれば、実に残念。

冒頭から監督ならではの映像美が炸裂している。茫然としたジャスティーンの背後には、死んだ数々の死んだ鳥たちが空から降ってくる。馬が倒れ込み、無数の蝶が舞い荒れ狂う。そして、とうとう惑星メランコリアが地球に衝突し、砕け散る…スローモーションの映像は不吉な前兆を暗示させ、不安感を煽る。冒頭から強烈であるが、バックに流れるワーグナーの“トリスタンとイゾルデ”と綺麗な景色が独特な映像感覚を引き立てている。

melan2.jpgパート1「ジャスティーン」、パート2「クレア」の2部構成となり、パート1では結婚式の模様を、パート2では結婚解消からメランコリアが衝突し、この世の終わりを告げる瞬間までを描いている。惑星が素材となりSFにカテゴライズされているが、本質はメランコリアと地球が衝突する出来事ではなく、この世の終わりを迎えようとする瞬間、人々はその事実をどう受け止めるのか、中心人物の精神状態や魂の救済を監督ならではの手法で浮き彫りにしていく。

盛大でゴージャスな結婚パーティーだが、どこか重苦しく暗雲が立ち込める。ウエディングドレスに身を包み、若くて美しいジャスティーンだが、時折顔を曇らせ、裏の感情が見え隠れするのである。次第に鬱の部分が露わになり、奇妙な行動を取り始める。パーティーに集う癖の強いキャラクターを演じる層々たる主演者も見所の一つであるが、ジャスティーンを演じるキルスティン・ダンストの熱演あってこその作品である。監督の不適切発言で一時は危ぶまれたカンヌ映画祭での女優賞をもぎ取っただけの価値はある。フルヌードで挑んだキルスティン・ダンストの役者魂もすごいが、鬱に苛まれ、破壊されゆく精神はそのままパート2になだれ込み、観る者の心を鷲掴みにする。メランコリアとは“鬱病”という意味もあることを初めて知ったが、ジャスティーンの行動や言動はまるで観る者も共に鬱状態へと誘う催眠術のようでもあった。エスカレートする行動は自暴自棄ともいえるが、魂が救済された瞬間、その催眠術は解かれ、心がす~っと軽くなり、解放された思いがした。

唐突とも思える話の設定ではあるが、究極の極限状態で人間は何を思うか…未曾有の災害に見舞われた瞬間、自分は何を感じたかを振り返ってみれば、近い答えは出されるのではないか。
焦燥する者、絶望を感じる者、孤独を噛み締める者、そして魂の救済を求める者。本作でも様々な精神状態が描かれる。あまりにも壮絶なストーリーに身を削られるような思いで魅入ってしまったが、ここまで感情が揺さぶられる作品は、そうそうお目にかかれない。

<鑑賞> 英語聞き取り度70% 2011/9/29
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(未) Carla <2003/UK> ★★★☆

carla.jpgCarla
2003/93min/UK
ドラマ、スリラー
監督:ディアムイド・ローレンス(Diarmuid Lawrence)
出演:レスリー・シャープ、ヘレン・マックロリー、イアン・グレン、マイケル・ファスベンダー
IMDb評価:6.5/10

社会度 ★
衝撃度 ★★
哲学度 ★
暴力度 ★★
官能度 なし

carla1.jpgヘレンはギリシャの島のリゾート地で1人休暇を過ごしていた。同じく1人旅の女性カーラと親しくなり、部屋に招き入れ、残りの休暇を共に過ごすことにした。昼間はビーチで遊び、夜はダンスパーティーに出かけ、その場限りで男性たちと楽しんでいた。ある日、2人の年下男性といい仲になり、部屋に連れ込むが、ヘレンとカーラが同じ男性を選んでしまったことから悲劇が起こってしまう…。

本作はUKのテレビ映画のため、一般的な認知度は低く、お目当てのファンが出演していない限り目に触れることはないであろう作品。とはいえ、UK映画を意識して観ている私にとってはかなり豪華な主演者。主演はマイク・リー・監督でお馴染みのレスリー・シャープ、ハリー・ポッターシリーズのヘレン・マックロリー、そして私の大好きなマイケル・ファスベンダー。有名になる前の出演だが、出番は少なくない。

Carla3.jpg同じ男性に興味を持ってしまったヘレンとカーラは言い争いになり、喧嘩になる。酔っていたヘレンが目を覚ますと、隣に頭から血を流すカーラが横たわっており、既に息を引き取っていた。曖昧な記憶を探ろうとするが、あまり覚えていない。だが、手には血のついた石を握りしめており、自分が殴り殺してしまったと確信したヘレンは恐怖のあまりその場を後にする。直後運よく自動車が通り、ひき逃げ事故として処理され、ヘレンや男性2人はイギリスへ帰国するのであった。
しかし、安心したのは束の間。真相を知る者がおり、ヘレンは脅迫電話に悩まされることとなる。精神が崩壊していく様はマイク・リー監督に鍛えられただけあると思わせる見事な演技力。
死後、次第に明らかになるカーラの過去。知れば知るほど良心の呵責に悩まされるヘレン。そんな彼女を支えていたのは事件の真相を知らず、そして死後初めて会ったカーラの夫であった。皮肉にもベッドで夜を共にしていると夜な夜な現れるカーラの亡霊。自分を呪うために現れているのだと早とちりするヘレンであったが、実は他に伝えようとしていたのである。予想外の展開を見せ、事件は思わぬ結末で収束を迎えるのであった。
サスペンスとしても見応えがあるが、決して多くはない出演者の心理をうまく描いた緻密な脚本だったと思う。

<鑑賞> 理解度70% 2011/9/27
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ドライブ <2011/米> ★★★★

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Drive
2011/97min/アメリカ
アクション、犯罪、ドラマ
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
原作:James Sallisの同名小説
脚本:Hossein Amini
出演:ライアン・ゴズリングキャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、アルバート・ブルックス、ロン・パールマン
受賞:第64回(2011)カンヌ映画祭 監督賞 (その他ノミネート、受賞作品はこちら)
IMDb評価:8.7/10

嫌悪感 ★★★
映像美 ★★
社会度 なし
哲学度 なし


drive1.jpg主人公の男は、昼はハリウッド映画のカースタントマンとして働き、運転技術を買われ、夜は組織の逃走車両のドライバーの仕事をしている。隣に住む女性に恋をするが、彼女が陰謀に巻き込まれている事を知り、守るために体を張って危険を冒す…。

10本指に入るほど好きなニコラス・ウィンディング・レフン監督。日本での公開作はなくソフト化もたった2作であり、知名度が低いのは仕方ないとは思うが、今公開されているアメリカでもまだまだ無名に近いようでアメリカ映画には類を見ない作風が今更ながら話題を呼んでいる。カンヌで監督賞を受賞しているが、オスカーにも絡んできそうな勢いをみせていると素人ながらに感じる。作品賞、監督賞、主演男優賞あたりノミネートされるのでは?

監督にとって初のアメリカ映画であり、唯一脚本に携わっていない作品となるが、過去2作品「Bronson」「Valhalla Rising」と同様の作風であり、あたかも監督自身が脚本を書き上げたかのように消化し、独自の世界感を作り出している。次作とその次もライアン・ゴズリングを主演に迎えたアメリカ映画となるらしい。いち早く目をつけていたことに若干の優越感を感じつつ、デンマークから離れてしまったことは少々淋しい。

drive2.jpgはっきり言って、何度もアメリカで映画化されたようなカーアクションであり、ストーリ自体には新鮮味はない。この監督の魅力は平凡なストーリーをどう個性的に、そして主演俳優の潜在能力をいかに引き出すかである。「Bronson」でのトム・ハーディーや「Valhalla Rising」でのマッツ・ミケルセンが魅せてくれたようにライアン・ゴズリングも今までにない存在感を放ち、驚愕の一面を見せている。アクションスターとして名を馳せる日はそう遠くないかもしれない。
前半は、主人公と周囲の人たちとの交流や心情に重きを置いた人間ドラマがしっかり描かれる。後半では寡黙な主人公からは想像もできないほど目の離せない凶暴ぶりが怒涛のように押し寄せ、暴れぶりは相当の覚悟を要する。
ハリウッド映画のような派手な演出はないが、残酷さは脳裏に焼きつき嫌悪感たっぷりである。しかしながら、キレのある運転さばきや暴力描写ですら鮮やかでもあり、各シーンが芸術的に撮られ監督の個性が光る。女性とのロマンスに頼りすぎない展開もこの監督のスタイル。アメリカ進出に作風がハリウッド化してしまったのではいう懸念もあったが、心配無用だった。控えている監督×ゴズリングの2作品への期待も高まる。

<鑑賞> 理解度80% 2011/9/26

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白昼夢に抱かれる女 (英題:The Woman that dreamed About A Man) <2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=仏> ★★★

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白昼夢に抱かれる女
KVINDEN DER DROMTE OM EN MAND/The Woman that dreamed About A Man
2010/デンマーク=チェコ=ポーランド=フランス
サスペンス、ロマンス
監督/脚本:ペール・フライ(Per Fly)(長編5作目)
出演:ソニア・リクター、マルチン・ドロチンスキー、ミカエル・ニクヴィスト
言語:英語、デンマーク語、ポーランド語
IMDb評価:5.1/10


芸術度 ★★★
官能度 ★★
哲学度 ★
邦題センス ★★★★(素晴らしい!でもネタバレだよね!?)


ファッション界の女流カメラマンとして働くデンマーク人のケイは、同じ夢を何度も見るようになる。それは、あるホテルの一室のベッドに腰をかける裸の男の夢。そして、決まって午前3時30分に目を覚めるのであった。出張で訪れたフランスのレストランで、偶然夢の男性を見かける。後をつけるが気付かれていた。人違いだと言い訳をしその場を後にするが、なんと次の日もレストランで会ってしまった。その男はポーランド人で教師で、妻と休暇でフランスを訪れていた…。

hakutyuu2.jpgデンマークを代表するペール・フライ監督の長編5作目。残念ながら日本での公開作品はなく、ソフト化も本作のみ。でも唯一の日本でのソフト化がなんでこれなんだ?
この手のストーリーは日本だとポルノ扱いなのかな?冒頭からいきなりのヌードでベッドシーンも多めだが、芸術的に撮られていて女性向き。

ケイには優しい夫とかわいい1人娘がおり、海外からオファーが来るほど仕事も順調であった。しかし、夢の男と現実に会ってしまい、会えば会うほど惹かれ、欲望のまま泥沼にはまっていく様子を描いている。

修羅場の盛り上がりに欠け、不倫映画としてはドロドロ感が低いと感じてしまうのは韓国ドラマの見過ぎだろうか。スマートで大人の不倫と言っておきましょうか。頭ではわかっていても理性が保てず男を求めてしまう女性の行動や心理には目が離せない。しかしながら、なぜ夢の男が突然現実に現れたのか…。一体何がそんなに彼女に火をつけてしまったのか…。一向に核心に触れようとせず、釈然としない結末を向かえてしまう。展開に憤りを感じつつ、あれこれ検索し行き着いた邦題(観ていた時は日本でソフト化されているとは思ってもいなかった)。見事な邦題に全てが救われた思いがした。

ポイントはケイの立場に立ってストーリーが展開しているところである。サスペンスのようなスリルな展開を見せるが、謎解きが一切されないのはケイ自身がわかっていないからだろう。
hakutyuu1.jpg私の解釈により核心に触れています。結末には触れていません。

英題“男の夢を見る女”、邦題“白昼夢に抱かれる女”の通り、全てが夢もしくは妄想の中の出来事であり、摩訶不思議な設定やつじつまの合わない展開は意図的だったと思われる。夢なのか現実なのか境界線が曖昧なところに面白さがあるが、全てが夢だと解釈すると全てが解決される。普通の夢ではなく“白昼夢”だとするとケイの願望なのだろう。

一時期、夢占いにはまっていた時期があり、毎日夢日記を付けてはあれこれ自分で分析していたことがある。セックスの夢を見るのは性欲が溜まっている表れだったりするわけで、ケイは夫の愛情に欠けていたのかな。

<鑑賞> 韓国語字幕 2011/9/18
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2012年 第84回 米国アカデミー賞 外国語映画賞エントリー63作品

2011の作品も満足に観ていないのに、もうこんな時期。米国アカデミー賞2012 外国語映画賞エントリー作品が続々と発表されています。まだ未発表のロシアとグルジアは、発表後追記していきます。
ロシアはスクーロフ監督になるか、ズビャギンツェフ監督になるか気になる所。


個人的に関心が高く、いいところまで残りそうなのが、モロッコのロシュディ・ゼム監督、レバノンのナディーン・ラバキ監督、トルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督、オーストリアのカール・マルコヴィクス監督あたり。
あとはハンガリーのタル・ベーラ監督、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督、スペインのアウグスティ・ヴィラロンガ監督あたりがノミネートに残ると予測してます。 

*国名:タイトル,監督名 太字:ノミネート作(to be updated)、★:Koo評価

Albania: Falja e gjakut (The Forgiveness of Blood), Joshua Marston
Argentina: Aballay, el hombre sin miedo (Aballay), Fernando Spiner
Austria: Atmen (Breathing), Karl Markovics/カール・マルコヴィクス
Belgium: Rundskop (Bullhead), Michaël R. Roskam
Bosnia and Herzegovina: Belvedere, Ahmed Imamović
Brazil: Tropa de Elite 2, José Padilha
Bulgaria: Тилт Tilt, Viktor Chuchkov Jr.
Canada: Monsieur Lazhar, Philippe Falardeau
Chile: Violeta Se Fue a los Cielos (Violeta), Andrés Wood
China: 金陵十三釵 (The Flowers of War), Zhang Yimou
Colombia: Los Colores de la Montaña (The Colors of the Mountain), Carlos César Arbeláez
Croatia: Sedamdeset i dva dana (72 days), Danilo Serbedzija
Cuba: Habanastation, Ian Padrón
Czech Republic: Alois Nebel, Tomás Lunák (アニメ)
Denmark: SuperClásico, Ole Christian Madsen/オーレ・クリスチャン・マセン
Dominican Republic: La Hija Natural (Love Child), Leticia Tonos
Egypt: الشوق El-Shouq (Lust), Khaled El-Hagar
Estonia: Kirjad Inglile (Letters to Angel), Sulev Keedus
Finland: Le Havre, Aki Kaurismäki/アキ・カウリスマキ
France: La guerre est déclarée (Declaration of War), Valérie Donzelli
Georgia: Chantrapras, Otar Iosseliani
Germany: Pina, Wim Wenders/ヴィム・ヴェンダース
Greece: Attenberg, Athina Rachel Tsangari ★★☆
Hong Kong: 桃姐 Tao jie (A Simple Life), Ann Hui
Hungary: A Torinói ló (The Turin House)/トリノの馬, Béla Tarr/タル・ベーラ
Iceland: Eldfjall (Volcano), Rúnar Rúnarsson
India: ആദാമിന്റെ മകൻ അബു Adaminte Makan Abu (Abu, Son of Adam), Salim Ahamed
Indonesia: Di Bawah Lindungan Ka'bah (Under the Protection of Ka'Bah), Hanny R Saputra
Iran: Jodaeiye Nader az Simin (Nader and Simin, A Separation), Asghar Farhadi/アスガー・ファルハディー
Ireland: As If I Am Not There, Juanita Wilson ★★★☆
Israel: הערת שוליים (Footnote), Joseph Cedar
Italy: Terraferma, Emanuele Crialese
Japan: Postcard/一枚のハガキ, Kaneto Shindō/新藤兼人
Kazakhstan: Возвращение в "А" (Return to "A"), Egor Konchalovsky
Lebanon: وهلّأ لوين؟ Wo Hallah La Wen? (Where Do We Go Now?), Nadine Labaki/ナディーン・ラバキ
Lithuania: Kai Apkabinsiu Tave (Back in Your Arms), Kristijonas Vildžiūnas
Macedonia: Панкот не е мртов Pankot ne e mrtov (Punk's Not Dead), Vladimir Blazevski
Mexico: Miss Bala, Gerado Naranjo
Morocco: Omar m'a tuer (Omar Killed Me), Roschdy Zem/ロシュディ・ゼム
Netherlands: Sonny Boy, Maria Peters
New Zealand: O Le Tulafale (The Orator), Tusi Tamasese
Norway: Sykt lykkelig (Happy, Happy), Anne Sewitsky ★★
Peru: Octubre (October), Diego and Daniel Vega
Philippines: Ang Babae Sa Septic Tank (The Woman in the Septic Tank), Marlon Rivera
Poland: W ciemności (In Darkness), Agnieszka Holland/アニエスカ・ホランド
Portugal: José e Pilar (Jose and Pilar), Miguel Goncalves Mendes (ドキュメンタリー)
Romania: Morgen, Marian Crisan
Russia: Утомлённые солнцем 2: Цитадель Utomlyonnye Solntsem 2 (Burnt by the Sun 2: The Citadel), Nikita Mikhalkov
Serbia: Montevideo, bog te video (Montevideo, God Bless You!), Dragan Bjelogrlić
Singapore: Tatsumi, Erick Khoo
Slovakia: Cigán (Gypsy), Martin Šulík
Slovenia: Circus Fantasticus (Silent Sonata), Janez Burger (サイレント映画)
South Africa: Shookheid (Beauty), Oliver Hermanus
South Korea: 고지전/高地線 (The Front Line), Jang Hun/チャン・フン 途中挫折
Spain: Pa Negre (Black Bread), Agustí Villaronga/アウグスティ・ヴィラロンガ ★★★★
Sweden: Svinalängorna (Beyond), Pernilla August/ペルニラ・アウグスト
Switzerland: Giochi d'estate (Summer Games), Rolando Colla
Taiwan: 賽克.巴萊 Saideke Balai (Seediq Bale), Wei Te-Sheng
Thailand: คนโขน Kon Khon, Sarunyu Wongkrachang
Turkey: Bir Zamanlar Anadolu’da (Once Upon a Time in Anatolia), Nuri Bilge Ceylan/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
United Kingdom: Patagonia, Marc Evans
Uruguay: La Casa Muda (The Silent House), Gustavo Hernández
Venezuela: El Rumor de las Piedras (The Rumble of the Stones), Alejandro Bellame
Vietnam: Khát vọng Thăng Long (Thang Long Aspiration), Lưu Trọng Ninh


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[ 2011/10/03 10:58 ] ★映画関連★ 映画賞 | TB(1) | CM(0)

261. Bleak Night (原題:番人) <2010/韓> ★★★★☆

bleak.jpg番人 파수꾼/Bleak Night
2011/117min/韓国
ドラマ
監督/脚本:ユン・ソンヒョン(長編デビュー作)
出演:イ・ジェフン、ソ・ジュニョン、パク・チョンミン、チョ・ソンハ 
受賞:第15回(2010)釜山国際映画祭 ニューカレンツ賞
IMDb評価:6.7/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★
衝撃度 ★★
暴力度 ★
邦題のセンス ★★★

2011アジアフォーカス福岡映画祭上映作品


高校生のギテが死んだ。父親は息子に無関心で、死後机の中から写真を見つけるが、息子と映っているのが誰なのかもわからない。罪悪感からか、今更ながら息子について知ろうと立ち上がる。担任教師に友達の連絡先を教えてもらい、息子との空白を埋めるべく、友達に会うが、皆息子のことを話したがらない。親友は2人いたが、中学生からの同級生である1人は息子が亡くなる前に転校し、もう1人は葬儀にも来なかったという事実を知る。息子の死には何か隠されていると確信した父親は、その真相を探ろうとする…。

長編デビュー作とは思えないほど完成度の高い秀作。韓国でも3月に劇場公開されたばかりで、日本でもアジアフォーカスのみの上映だが、一般公開ないしソフト化はすべき作品。個人的には「冬の小鳥」「息もできない」に続く作品だと感じた。少年3人と父親の視点で展開していくが、少年3人の心理をメインにしすぎているため、父親の心理描写が見えてこない。敢えて避けたのかもしれないが、もう少しバランスを取ってもよかったように思う。監督は1982年生まれで、父親の心境がまだわからないというのが本心かもしれないが。

bleak1.jpg高校を舞台にしてはいるが、韓流ドラマのような学園ドラマでなければ、サスペンスのような事件の謎解きを主眼にしている作品でもない。次第に明らかになっていくのは青春と友情が破壊していく過程である。息子の死を不審に思った父親が立ち上がったことをきっかけに、ギテの死に対する少年たちの心理を掘り下げていく。

ストーリーはギテの死後から始まり、父親の真相探しと友人たちの回想シーンが交差する形で物語は進行する。父親のシーンは時系列ではあるが、回想シーンは時間軸が前後するため少々混乱する。なかなか全体的な人間関係が掴みづらいのが難点ではあるが、カット分割と編集が見事でいい緊張感を作り出している。

中心となるギテ、ドンユン、ヒジュンは学校でも放課後でもつるんで遊んでいる親友3人である。2人は中学からの親友で、1人は高校からの付き合いとなる。常に行動を共にしているからこそ言える冗談やイタズラがきっかけとなり、歯車は狂い始めていた。
ギテは父子家庭で、母親がいない劣等感から虚勢を張るようになり、仲間内ではリーダー格のような存在となる。おそらくタイトル“番人”とはグループ内に自然と出来上がっていった役割を言っているのだろう。ギテの行動はエスカレートし、イジメともとれる行動を取り始める。好きな女の子を取れらまいと取った行動も許される行為ではない。結果、権力は友情との引き換えとなっていたのである。

bleak2.jpg父親は息子の友人たちに会い、息子のことや学校での様子などをやさしく尋ねるが、友人たちの表情は曇っている。核心に触れようとすると返事はきまって「わかりません」であった。駆け引きや感情の爆発、すれ違いが互いに及ぼす悪影響が導いてしまった悲劇は少年たちの心の傷を更に悪化させるものとなっていた。仲間から手を切ろうとする者、自分の殻に閉じこもってしまう者、流れに任せようとする者…少年たちは様々な方法でそれぞれの道へ進み、事実を封印しようとしていた。回想される各エピソードの中であぶり出される心理には崩壊していく過程が絶妙に描き込まれている。それは、不安定で不器用、でも繊細な10代の危うい心理描写。やりきれない思いや閉塞感、息苦しさが重く圧し掛かる力強い作品となっている。現実離れしたイケメンばかりの起用ではなく、ほとんどが新人に近い等身大の少年たちの熱演により、すごくリアルな世界を作り上げている。

権力による支配、コミュニケーション不足による誤解、人間関係の崩壊は、別に韓国の高校生に限らず、日本の高校生、いや大人にも起こり得ることである。改めて人間関係の難しさを考えさせられた作品である。死因ははっきり言及されておらず、どこまで父親に話したのかも定かではない。だが、確かなメッセージとして誰しもが様々な思いを感じ取るであろう。

余談だが、海外の評論に目立った高評価はない。私も英語字幕鑑賞で感じたのが、本作のような細かい心理描写は英語での表現には限界があるということ。日本語ならばっちりハマる訳があるのに、この英語じゃ伝わらない!と何度も突っ込みを入れながら字幕を目で追った。かなり端折られた英訳で、微妙なニュアンスは伝えきれていないだろう。字幕翻訳者の力量にもよるだろうが、字幕によって印象が左右されることを改めて思い知った。原語で理解できるのが一番いいのだが…日本語字幕でもう一度しっかり観たい。

<鑑賞> 英語字幕 2011/10/1

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(未) Delhi Belly <2011/印> ★★

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Delhi Belly
2011/103min/インド
コメディー、犯罪
監督:Abhinay Deo
主演:Imran Khan, Vir Das, Kunal Roy Kapoor
言語:ヒンドゥー語、英語版もあり
IMDb評価:7.9/10



お下品度 ★★
ブラック度 ★★




belly1.jpg大好きなデンマーク人俳優キム・ボドゥニアを追っかけていたら、こんな遥々インド映画にまで…どうやらロシア人のダイヤモンド商人の役どころのようでした。普段はむしろ人を脅す役どころが多いが、本作ではインド人ギャングに脅迫を受け、尻尾巻いて逃げるあり様。出番はそれほど多くはないけど、オドオドしている意外な一面が見れ大満足。
インド映画のあの尋常でない長さと意味のわからない踊りが苦手でほとんど観ないんだけど、有り難いことに本作は国際標準的な100分という短さ、踊りは1回のみ。オリジナルは英語台詞らしいけど、私が観たのは出演者自身によるヒンドゥ語吹き替え字幕なし。たま~に英語の台詞があるものの、全体的な内容の解釈の助けになるはずもなく、くっだらないコメディーなので、軽~い気持ちで鑑賞。記事も軽~く。今観終わったばかりです。

belly2.jpgお食事中の方は要注意。汚いお話です。
タイトル“Delhi”はもちろんインドのデリー市、 “Belly”とはお腹の意。インドのデリーに来る外国人観光客がよくお腹を壊すことから、“腹を下す”といった意味合いで使われている。ほんとにスラングとして使われているのかは不明。

股間を掻いた手で取り分けてくれた屋台のチキンを食べ、腹を下すことからストーリは展開していく。トイレで用を足した後、お尻は拭かずに水で洗うのはイスラム教だけかと思っていたけど、インドもお水で洗うようです。蛇口を捻っても水が出てこなくて、パンツも下ろしたまま冷蔵庫へ。ミネラルウォーターが切れており、液体物はオレンジジュースだけ。仕方なく、それで洗わざるを得ないといった状況。糖分でベトベトだろうし、蟻が寄って来て気持ち悪そうだけど、スッキリした表情。タイトルにもなっているほどなので、トイレに纏わるブラックジョークが満載であった。私もお腹は弱く日常生活でもこんな感じなので妙に共感してしまった。

主人公3人が共同で住むのは安いぼろアパートで、ドリフのコントみたいだったり、オーバーな演技とテンポの早い展開のおかげで言葉がわからないのは気にならず楽しめた。かなり下品だという記事をたくさん読んだけど、韓国映画に比べたらかなりお上品です。お国柄でしょうか。トイレはかんなり不衛生。

暑さのせいか、ギャングがビーサンのようなサンダル履いているのは迫力減退。いろんなところで垣間見れるインドらしさにも楽しませてもらった。お尻に花火突っ込んでの脅迫だったり、宗教冒涜とも取れる行為はやり過ぎかとは思ったけど、くっだらないからどうでもいいか。。。

<鑑賞> 2011/10/2
[サイト内タグ検索] 日本未公開 キム・ボドゥニア
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(未) Our Day Will Come <2010/仏> ★★★

our.jpg
Notre jour viendra
2010/90min/フランス
ドラマ
監督/脚本:ロメイン・ガヴラス(Romain Gavras)コスタ=ガヴラスのご子息
出演:ヴァンサン・カッセルオリヴィエ・バーテレミ
IMDb評価:6.1/10


社会度 ★★★
暴力度 ★★★
衝撃度 ★★★
哲学度 ★




our2.jpg赤毛の青年レミーは家族からも髪色のせいで煙たがられていた。偶然道であったパトリックもまた赤毛であり、親子ほどの年が離れているが、友情が芽生え始める。そして、共にアイルランドを目指し旅を始める…。

監督はコスタ=ガヴラスの息子さんであり、主にMVの監督をされている方。本作が映画長編監督デビュー作となる。社会性の強いお父様に近い作風であることを身構えて観たつもりだったが、暴力性ばかりが際立ち、ポイントがよくわからなかったのが本音。鑑賞後、手掛けたMVやCMを数本拝見し、監督のことを調べ上げていくうちに、自分の勉強不足の不甲斐なさに打ちのめされた。危うく★一つ評価をつけるところであった。

“Our day will come”と聞いてピンとくる方がどれだけいるのだろうか。IRA(アイルランド独立闘争(対英テロ闘争)を行ってきた武装組織)の有名なスローガンであり、知ってさえいれば容易に過激さが推測できるようでもある。

our1.jpg赤毛というだけ差別を受ける現状。赤毛の聖地(?)であるアイルランドを目指し、新たな人生を歩み出そうとする2人の物語。ありふれたロードムービーに留まらず、過程には人種差別や宗教問題、犯罪といった過激な展開運びが繰り広げられる。どれも到底日常では起こり得ないことばかり。もしかしたら各エピソードにはそれぞれ深いメッセージが込められているのかもしれないが、読み取れなかった私はヴァンサン・カッセルの強烈キャラばかり楽しませてもらった。このキャラクターを演じられるのはやはり彼しかいない。ヴァンサン・カッセルオリヴィエ・バーテレミの共演は「変態村」に続く3作品目となる。全く違った顔を見せてくれている。

本作の舞台はフランスであり、IRAはストーリーには直接絡んでこないが、示唆しているのは明らか。個人的には彼の鳥肌ものの演技だけでも観る価値はあったと思うが、状況がつかみにくい外国人のためにももう少し補足説明があってもよかったように思う。

本作を本気で鑑賞される方は話題になっていた予めM.I.AのMV「Born Free」を観ることをオススメします。
赤毛への差別やIRAの活動内容が描かれ、本作の補足説明のために作られたかのよう。


こちらは監督が手掛けたイヴサンローランのCM。テレビ放送されていた記憶がかすかに残っている。


<鑑賞> 英語字幕 2011/9/22
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