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(未) Or my treasure <2004/イスラエル> ★★★★

Or.jpgOr my treasure
2004/100min/イスラエル
ドラマ、ロマンス
監督/脚本:Keren Yedaya(長編監督デビュー作)
脚本:Sari Ezouz
出演:Dana Ivgy, ロニ・エルカベッツ、Meshar Cohen
受賞:2004年(第57回)カンヌ国際映画祭 カメラドール
IMDb評価:7.1/10

社会度 ★★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★


or1.jpg18歳のオアは学生だが、あまり学校へは行かず、知人のレストランで皿洗いのバイトをしている。入院していた母親が無事退院することとなり、タクシーで病院へ迎えに行った。これから2人暮らしが始まる。母の新しい仕事も見つけてあり、今までの仕事を辞めて欲しいと考えているが、夜になると母はしきりに外出をしたがる。とうとう、娘の目を盗んで夜の街へ行ってしまった…。

監督は、本作が長編監督デビュー作となるKeren Yedaya。
出演は、「カップ・ファイナル (1991)」「ミュンヘン(2005)」のモシェ・イブキ の娘Dana Ivgy、「迷子の警察音楽隊(2007)」のロニ・エルカベッツ。

OR2.jpg母は元売春婦。家賃も体で払っていた。大家は退院した母をいやらしい目で見ており、誘惑してくる。母は退院した今でも娘の目を盗んでは、派手なメイクと衣装に身を包み、道端へ立とうとする。そんな母の売春をやめさせようとする娘オアの話である。

そんな母親を見て育ったオアはしっかり者で、必死でお金を稼ごうと皿洗いのバイトに精を出し、何よりも母を大事に思っている。ところが、バイト後のオアの周囲には男の子が集まってくる。オア自身も近所の男の子たちに体を触らせ、引き換えに煙草をもらっているのだった。健気に頑張っているかと思ったら、母とやっていることはたいした変わりない。救いようのないどん底の生活は観ていて胸が苦しくなる。

自分を犠牲にしてでも母に楽をさせたいというオアの気持ちは立派だが、何の解決策もなく悪循環。他に選択肢はいくらでもあるだろうに、なぜ母親と同じ道を歩んでしまうのか…。終盤に向けて次第に強かになっていくオアを見ていて、現実の厳しさと己の弱さに打ちひしがれた。

<観賞> 2013/1/12
[サイト内タグ検索] 日本未公開
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(未) Love In Another Language <2009/トルコ> ★★☆

love in another language3Baska dilde ask /Love In Another Language
2009/98min/トルコ
ドラマ
監督/脚本:Ilksen Basarir(監督デビュー作)
脚本/出演:Mert Firat
出演:サーデット・アクソイ、Emre Karayel
IMDb評価:7.3/10

社会度 ★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


love in another language1Onurは生まれつき耳が聞こえない。話すことはできるが、憐れんで見られることが嫌で話すことをやめていた。話す必要のない図書館で本の整理をして生計を立てている。一方、Zeynepは父親の小言に嫌嫌気がさしており、コールセンターという職業柄、人の話を聞くことにうんざりしていた。2人は友人の婚約パーティで出会い、意気投合。すぐに交際を始めることになった…。

監督は、本作が監督デビューとなるIlksen Basarir。
出演は、「ソフィアの夜明け(2009)」、セミフ・カプランオール監督作品「ミルク(2008)」「卵(2007)」のサーデット・アクソイ

love in another language2心やさしく、いつも受け身なOnurに対し、自分に正直で勝気なZeynep。正反対に思える2人であり、いつもZeynepのペース。タイトル“Love In Another Language”は“違う言葉での恋愛”という意味だが、出会った当初は筆談での会話だったが、Onurに内緒で徐々に手話も覚え、歩み寄る様子が自然に描かれる。一気に火がついた恋愛だが、徐々に障害が生じ、一緒に乗り越えていくといった王道のラブストーリー。

Onurの父は、幼い頃家族を残し出て行っていたという背景がある。その時のショックでしばらく話せなかったというが、ストーリーには絡んでこない。悲劇的な側面には目を向けず、あくまでも前向きな作品。
2人の障害となるエピソードも多く描かれているが、どれも中途半端で全体的なつながりが見えない。台詞量も膨大で、消化不良といったところ。結果的にあまり印象に残るシーンもなく、観たことすら忘れてしまいそうなほど薄っぺらい内容になっている。少々美化しすぎだとも感じられ、こういった映画に勇気づけられる人は少なくないのだろうとは思うが。

<観賞> 2013/1/23
[サイト内タグ検索] 日本未公開 サーデット・アクソイ
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nude <2010/日本> ★★☆

ヌード
Nude
2010/103min/日本
監督:小沼雄一
原作:みひろ「nude」(講談社刊)
出演:渡辺奈緒子、佐津川愛美、永山たかし、みひろ、山本浩司、光石研
IMDb評価:4.8/10

社会度 ★★
哲学度 ★★
宗教度 なし
官能度 ★(ヌード、AVシーンあり)
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


ヌード2新潟の田舎町で生まれ育ったひろみは、渋谷でスカウトされ女優になりたいという漠然とした夢を抱いていた。とりあえず空港でのセキュリティーの仕事を決め、高校卒業と同時に上京した。仕事にも慣れずにいたところ、渋谷でモデルにスカウトされ、AVはやらないという条件で“みひろ”という芸名でヌードモデルを始めた…。

AV女優みはるの自伝小説「nude」の映画化。主演は、北野武監督「アウトレイジ」、阪本順治監督「行きずりの街」の渡辺奈緒子。

ヌードモデルは、映画やドラマに出る女優になりたいという夢に向けての通過地点だと事務所に言われた“みひろ”。あれほどまでにAV出演を頑なに拒んでいたのに、なぜ心変わりをしたのか。何がそこまで彼女を揺り動かしたのか。高校卒業式からAV出演を決意するまでの経緯、不安や葛藤が赤裸々に描かれる。

ヌード1とはいえ、なんとなく事務所に敷かれたレールに乗っただけにしかみえない。プロデューサーにも志が中途半端だと指摘を受けていたが、まさにそういう生き方が滲み出ている。本気で女優になりたいという熱意は伝わってこないし、キャラクターにも全く魅力を感じない。しかしながら、みひろを演じた渡辺奈緒子の体当たりの演技には女優魂を感じ、漠然と“女優になりたい”と思っている中途半端で宙ぶらりんな気持ちまで見事に表現していたと思う。

親友や彼氏の視点も描かれているが、両親が登場しないことに不自然さを感じた。狭い田舎町には噂話は広がっていたというが、両親の葛藤も盛り込まれていたほうが奥行きがあったように思う。

AV出演と引き換えに失ったものも大きい。失ってでも進むべきだったのか…強い決意は垣間見れるが、意思は感じられない。AV女優の先にどう進んでいくべきなのか明確な目標も見えず、自伝の映画化というだけあって独りよがり。

<観賞> 2013/1/26
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魔女と呼ばれた少女 <2012/カナダ> ★★★★☆

2013年3月9日 シネマート新宿他にてロードショー

war witch3Rebelle/War Witch
2012/90min/カナダ
ドラマ、戦争
監督/脚本:キム・グエン(長編4作目)
出演:ラシェル・ムワンザ、アラン・バスティアン、セルジュ・カニアンダ
受賞:2012(第62回)ベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)
2013(第85回)米国アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
IMDb評価:7.0/10
社会度 ★★★★
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 なし
民族度 ★★★
ゴア度 ★★
邦題センス ★★★★
脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

2013年(第85回)米アカデミー賞 外国語作品についてはこちら

***********2012年(第62回)ベルリン国際映画祭************
<金熊賞>: 「塀の中のジュリアス・シーザー」- パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督

<銀熊賞>
審査員グランプリ:「Just the Wind」 - ベンス・フリーガウフ監督
特別賞:「シスター」- ウルスラ・メイヤー監督
監督賞: クリスティアン・ペツォールト - 「東ベルリンから来た女
女優賞: ラシェル・ムワンザ - 「魔女と呼ばれた少女/War Witch
男優賞: ミッケル・フォルスガード - 「A Royal Affair」
芸術貢献賞: ルッツ・ライテマイヤー - 「White Deer Plain」
脚本賞: ニコライ・アーセル、ラスマス・ヘイスターバング - 「A Royal Affair」
アルフレード・バウアー賞:「Tabu」 - ミゲル・ゴメス監督

<国際批評家連盟賞>
コンペティション部門: 「Tabu」 - ミゲル・ゴメス監督
パノラマ部門: 「Atomic Age」 - Héléna Klotz監督
フォーラム部門: 「Hemel」 - Sacha Polak監督
**************************************


war witch1カナダの新鋭キム・グエン監督が、アフリカ諸国にいまだ存在する少年兵の問題を背景に、生と死、現実と幻想を交錯させて描くドラマ。紛争の絶えないコンゴ民主共和国。平和な村から拉致され、反政府軍の兵士として戦わされることになった少女コモナは、死んだはずの人たちに導かれるようにして、全滅必至のゲリラ戦を生き延びた。亡霊を見ることができる力が勝利を招くと、コモナは魔女として崇められるようになるが、いずれ殺されることを悟ったコモナは、最愛の少年と逃避行に出る…。

監督は、ベトナム系カナダ人のキム・グエン。撮影は、全てコンゴだという。

コモナ、少女12歳。その日の朝、うれしそうに母親に髪を結ってもらっていた。ところが幸せな生活は一転。海からやって来た反政府軍に村を襲撃された。「両親を打ち殺せ!さもないとお前を殺す!」と銃を突きつけられ、自分の手で愛する両親を射殺した。死を悲しむ余裕もなければ、埋葬することも許されない。他の子供たちと拉致され、少年兵としての過酷な訓練を受けさせられる。訓練の合間に樹液を飲まされると、幻想で死人が見えるようになっていた。そして、死人たちに情報を教えられ、幾度となくゲリラ戦を勝ち抜いてきたのであった。それが、コモナが“魔女”と呼ばれ、崇められるようになった背景である。

war witch2拉致され、兵士として生きる少年たちを描く作品は数多くあるが、本作の主人公は拉致された少女である。15歳になったコモナがお腹の中の赤ん坊に語りかけることでストーリーは進行し、拉致後の波乱な運命と恋の行方が語られていく。何といっても、本作の魅力は“魔女”と呼ばれたコモナを演じた少女の熱演にある。兵士として軍事訓練を受けた彼女は銃を持たせると一気に戦士の顔になるが、恋心に胸を弾ませる時の表情はまだあどけなさが残る少女であった。緊張感ある戦士の顔と心を許した乙女の顔の両方を見事に演じたラシェル・ムワンザがベルリン映画祭での女優賞受賞は納得。手持ちカメラによる撮影も臨場感があり、彼女の様々な表情を余すことなく映し出している。

白塗りの黒人たちが亡霊として度々登場する。緊迫感のあるゲリラ戦において不自然なファンタジーな展開かと思いきや、不思議と作品に溶け込んでいる。おそらく、亡霊たちは彼女の優しさといった内面を暗喩させているのだと思う。ゲリラ戦、恋愛、ファンタジーといった相反する要素が融合した見事な作品。殺さなければ、殺される…体を張ったコモナの生き方は想像を絶し、思わず目を覆ってしまうシーンも数多いが、決して諦めない精神には心打たれる。

<観賞> 2013/1/20
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(未) The White Masai <2005/独> ★★★☆

The White MasaiThe White Masai
2005/131min/ドイツ
ドラマ、ロマンス
監督:ヘルミーネ・フントゥゲボールト
脚本:Corinne Hofmann、Johannes W. Betz
出演:ニーナ・ホス、ジャッキー・イド
IMDb評価:6.4/10

社会度 なし
哲学度 ★★★
宗教度 なし
官能度 ★★
民族度 ★★★★
ゴア度 なし

脚本 ★★
演出 ★★★
演技 ★★★


The White Masai2スイス人のカローラは彼氏とケニアへ旅行中だった。滞在最終日、船上で偶然見かけたマサイ族に一目ぼれをしてしまう。その後、市場で助けてもらったことをきっかけに一日ガイドをしてもらうが、帰国する日になってもその彼のことが忘れられない。彼氏と空港で別れ、マサイ族の彼に会いに行くことにした…。

監督は、「リトル・ウィッチ ビビと魔法のクリスタル(2002)」のヘルミーネ・フントゥゲボールト。出演は、「ブラッディ・パーティ (2010)」「東ベルリンから来た女 (2012)」のニーナ・ホス、「イングロリアス・バスターズ (2009)」のジャッキー・イド。

The White Masai1帰国日、マサイ族の彼は故郷へ戻っており、カローラはたった一人彼を探しに何日もかけ慣れないバスを乗り継いで故郷へ向かう。たった一枚の写真と名前だけで探しに行く無謀さ。実話を基にしているというが、出来過ぎたストーリーに見えてしまった。マサイ族が住む砂漠地帯にドイツ語圏の白人が2人もいるのだろうか。カローラのよき相談相手としてストーリーにいいバランスを与えてはいるが、現実的ではない。本作の見所といえば、文化の違いだろう。

マサイ族との出会いから結婚、そして、あることを決意するまでを描いている。前半は、生活習慣の違いを楽しんでおり、家族の反対を押し切ってまでの結婚への決意や相手への敬意などが感じられるが、徐々に衝突が増えていく。カローラの視点で描かれており、先進国で暮らす日本人にも驚かされるような生活スタイルが見れるのは興味深く、カローラの苦悩も手に取るようにわかる。しかし、カローラがなぜそこまでマサイ族の彼に惹かれたのかは描かれていない。

<観賞> 2012/1/4

[サイト内タグ検索] 日本未公開 ニーナ・ホス
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(未) Paradise:Love <2012/オーストリア=独=仏> ★★★★

paradise loveParadise:Love
2012/120min/オーストリア=ドイツ=フランス
ドラマ
監督:ウルリヒ・ザイドル(Ulrich Seidl)
出演:Mrgarete Tiesel, Peter Kazungu, Inge Maux, Dunja Sowinetz, Helen Brugat, Gabriel Mwarua
IMDb評価:6.90

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★(ヌードあり)
民族度 なし
ゴア度 なし

脚本 ★★★★ 
演出 ★★★★
演技 ★★★★

2012年 第65回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品作品

paradise love1オーストリア人のテレサは友人たちとケニアのビーチへ旅行へ行く。現地のアフリカ人男性は白人女性を“シュガーママ”と呼んでいる。ホテルから一歩外に出ると、アクセサリー売りやバイクタクシーの運転手たちがシュガーママに群がってくる。テレサが前に進めないほど囲まれ困っていると、ある青年がそこから助けてくれた。片言のドイツ語を話し、物売りの青年たちとは少しタイプの違う青年だった…。

監督は、オーストリア人のウルリヒ・ザイドル。

初老女性たちの旅行の目的は若い男の子たちと遊ぶことである。テレサの友人にはすでにトイボーイがおり、テレサにも早く作るように提案をしてくる。まんざらでもないテレサは、ここ数年ご無沙汰だっただけに、不安と期待が入り混じる。決して若くはない彼女たちだが、若い男の子たちは群がり、甘い言葉を囁いてくる。簡単に男が手に入るからパラダイスなのだろうか。初老であっても、この地で若い男の子を引っ掻けるのに苦労はしない。お金はあるが愛に飢えている白人女性と上辺だけの愛の見返りにお金を期待するアフリカ人男性を対照的に見せている。そんな男女の羨望とギヴ&テイクを描いた作品。パラダイス3部作の第1作目。

paradise love2甘い偽りの囁きに引っかかり、現地の男の子とデートをし、そのままベッドインしてしまうテレサ。彼らの手口は、ベッドインのあと、「家族が病気だ」「親戚の子供の病院費が払えない」と同情を引くようなことを言い、遠まわしに金を要求してくることだった。若いアフリカ人男性を利用しようと考えている白人女性が逆に被害者になっていく姿をアイロニックに、カメラは淡々とテレサの行動を追っていく。固定カメラで、一定の距離間を保った独特なカメラワークで、ドラマチックな展開はないが、説得力がある。ここがパラダイスに見える綺麗すぎるビーチでとしても、パラダイスなどどこにもない。つかの間の偽装恋愛の末に残るのは虚しさだけ。何気ないテレサの行動や表情からそういった心情が読み取れ、リアリティー感がある。

舞台となるのは、どこまでも続く綺麗な青いビーチ。映像も青を基調としている。貫禄たっぷりの女性たちの豪快な脱ぎっぷりには脱帽。

<観賞> 2013/1/10
[サイト内タグ検索] 日本未公開 ウルリヒ・ザイドル監督
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ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー (原題:Elles) <2011/仏=ポーランド=独> ★★★★

2013年3月6日DVD発売します。

elles.jpg Elles/Sponsoring
2011/99min/フランス=ポーランド=ドイツ
ドラマ
監督/脚本:Malgorzata Szumowska(監督デビュー作)
脚本:Tine Byrckel
出演:ジュリエット・ビノシュ、Anaïs Demoustier、Joanna Kulig
IMDb評価:5.9/10

社会度 ★★★
哲学度 ★★★★
宗教度 なし
官能度 ★★
民族度 ★★★
邦題センス なし(なんで女優名をタイトルに入れるの!?)
脚本 ★★★ 
演出 ★★
演技 ★★★


パリに住むフランス人ジャーナリストのアンヌは、学生の売春について記事を書こうと2人の学生に直接会い、調査を開始する。一人はポーランドからの留学生で、一人は地方出身。2人のインタビューを重ねるごとに売春に対する概念が覆され、アンヌ自身も変化していく…。

監督は、本作がデビュー作となるポーランド人のMalgorzata Szumowska。
出演は、 ジュリエット・ビノシュ、「美しい人(2008)」「キリマンジャロの雪(2011)」のアナイス・ドゥムースティエ、「イリュージョン(2011)」のヨアンナ・クーリグ、「あの夏の子供たち (2009)」のルイ=ド・ドゥ・ランクザン、「カティンの森 (2007)」のアンジェイ・ヒラ、「尋問(1982)」「菖蒲(2009)」のクリスティーナ・ヤンダ

elles2.jpgアンネは自宅のPCに見知らぬ女性の動画を発見する。夫を問い詰めると、「世界中に娼婦はありふれているだろう。女に娼婦の何がわかる!?娼婦は男の権利だ!」と豪語する。そんな夫は妻が援助交際の女子学生にインタビューをし、記事を書こうとしていることを知らない。いや、もはや関心すらなく知ろうとともしていない。長男が大学生だから、結婚20年前後だろうか。夫婦を繋ぎ止めているのは息子2人であり、夫にとって妻は家政婦状態。夫婦生活はなく、夫はその日の気分でいろんな娼婦を楽しんでいるのだろう。冷蔵庫のドアにはいつも何か引っかかり、なかなか閉まらない。何度か試すとようやく閉まるドアは今にも壊れそうで、いつまで持つかわかららず、危うい夫婦関係を示唆している。

elles1.jpgそれに比べ、援助交際をしている2人。アンヌは会うまでは売春は“お金”目的だと思っていたが、決してそうではなかった。人生を謳歌し自立しており、男性から女として見てもらえるだけ主婦よりマシかもしれない。アンヌが買ってきて調理しようとしているまだ新鮮なホタテ貝は女性器のメタファーでもある。アンネは夫に捨てられる不安を解消するために、自ら娼婦のように淫らに夫を誘惑してみせるが、拒否され虚しいものだった。
インタビューをするにつれ性的に刺激されていく過程を描いているが、かなり挑発的で実験的。ジュリエット・ビノシュの自慰行為は話題を呼んだ通り、すごいシーンだった。女性監督による女性へ向けた応援歌でもあり警告。家庭崩壊を示唆すると同時に、現代社会の悲しい現実を浮かび上がらせている。

アンネ夫妻が友人たちを招いた食事会では一瞬にして男性客が売春の客に入れ変わる。全ての男性が娼婦の客になりうる現代社会で生きる女性はこの絶望をどう乗り越えればいいのだろうか。ラストの家族での平和な食事風景は、女性の理想?妄想?願望?

<観賞> 2012/7/21
初版:2012/7/26
最終版:2013/1/13

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2012年 My Best 30作品

2012年に観た映画は156本(減ったなぁ~)。その中から選ぶMy Lanking30作品です。
私の評価基準はブログタイトルのとおり“Movies that make me think(考えさせてくれる映画)”かどうか。
鑑賞直後に感じる“面白さ”は基準対象外になります。記事の★評価ともリンクしていません。
今年公開された作品は、去年のランキングに入っている可能性もあります。

1位:Oslo, 31th August <2011/ノルウェー>
2位:ピエタ <2012/韓>
2位:SHAME-シェイム- <2011/英>
4位:餃子 (英題:Dumplings) <2004/香港>
5位:カドッシュ <1999/イスラエル>
6位:プレイ <2011/スウェーデン=デンマーク=仏>
7位:I'm Glad My Mother Is Alive <2009/仏>
8位:Bad Habits <2007/メキシコ>
9位:Blind <2007/オランダ=ベルギー=ブルガリア>
10位:君がいない(原題:2:37) <2006/豪>

11位~20位(順不同)
東ベルリンから来た女(原題:Barbara) <2012/独>
<2011/韓>
MISS BALA 銃弾 <2011/メキシコ>
夢の花びら <2008/スリランカ>
Sponsoring (原題:Elles) <2011/仏=ポーランド=独>
官能 (英題:The Days Between) <2001/独>
No Return <2010/アルゼンチン=西>
シスター <2012/スイス=仏>
建築学概論 <2012/韓>
タッチ<2011/韓>

21位~30位(順不同)
スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 <2011/西>
Babycall <2011/ノルウェー=独=スウェーデン>
ザ・マッドネス 狂乱の森 (原題:Kalevet) <2010/イスラエル>
The Hidden Face <2011/コロンビア=西>
Happy End <2011/スウェーデン>
願いを言ってみて <2011/韓>
Kabuli Kid <2008/アフガニスタン=仏>
ロスト・イン・北京 <2007/中国>
SleepingBeauty <2007/韓>
心臓が躍る (原題:심장이 뛰네) <2011/韓>

昨年後半は、あまりアップできませんでしたが、今年も気が向いたらのアップになると思います。
今年もよろしくお願いしま~す。
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 ジュリエット・ビノシュ(2)

 マイク・リー監督(2)

 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督(2)

 パク・チャヌク監督(2)

 アンドレイ・タルコフスキー監督(2)

 トラン・アン・ユン監督(2)

 ソン・ヒョナ(2)

 オリヴィエ・グルメ(2)

 マルック・ペルトラ(2)

 アキ・カウリスマキ監督(2)

 ギャスパー・ノエ監督(2)

 ミシェル・シュボール(2)

 レフ・マイェフスキ監督(2)

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 キリアン・マーフィ(2)

 クレイグ・ロバーツ(2)

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